TB6562ANG/AFG 使用上の注意点
TB6562ANG/AFG 使用上の注意点
TB6562ANG/AFG は、2 相ステッピングモータをバイポーラ駆動します。
また、PWM 制御により定電流駆動を行います。
1. 電源電圧
(1) 動作電源電圧範囲
項目 記号 動作電源電圧範囲 単位
電源電圧 V
最大定格は 40 V です。動作電源電圧は、34 V 以下に設定してください。
10~34 V
CC
(2) 電源投入/遮断方法
VCC投入時の誤動作防止のために、SB = Low (スタンバイモード)
もしくは、XA1 = XA2 = XB1 = XB2 = High (電流値設定= 0%) に設定してください。
遮断時も同様に SB = Low (スタンバイモード)
もしくは、XA1 = XA2 = XB1 = XB2 = High (電流値設定= 0%) に設定してください。
2. 出力電流
最大定格は 1.5 A (peak)となっております。瞬時でもこの値を越えないでください。
平均許容電流はトータルの許容損失により制限されます。許容損失を超えない範囲でご使用ください。
3. 制御入力
(1) Phase 信号入力
各ブリッジ出力の Phase 端子によってコイルに流れる電流の向きを切り換えます。
2 相ステッピングを駆動する場合、この入力の切り換わりの周波数に応じてモータの回転数 (速度) が変わり
ます。
V
(H) = 2 V, VIN (L) = 0.8 V で、3 V 系の入力信号でも制御が可能です。
IN
プルダウン抵抗 100 kΩ (標準) を内蔵しております。
(2) スタンバイ入力
SB 端子を Low にすることでスタンバイ状態となり、出力トランジスタを全オフします。
この時、OUT 端子は全て Z (ハイインピーダンス状態) となります。
スタンバイ状態では、Phase 入力、X1, X2 入力の制御はかからなくなります。
V
(H) = 2 V, VIN (L) = 0.8 V で、3 V 系の入力信号でも制御が可能です。
IN
プルダウン抵抗 100 kΩ (標準) を内蔵しており、入力オープン時、スタンバイ状態になります。
(3) X1, X2 入力
X1, X2 入力によって、出力電流値を切り換わります。この入力信号により、デジタル的に電流値を切り換え
ることができ、2 相励磁、1-2 相励磁以外にも W1-2 相励磁が可能となります。
V
(H) = 2 V, VIN (L) = 0.8 V で、3 V 系の入力信号でも制御が可能です。
IN
プルダウン抵抗 100 kΩ (標準) を内蔵しており、入力オープン時、電流設定 100%になりますのでご注意くだ
さい。
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2009-03-17
TB6562ANG/AFG 使用上の注意点
(4) V
ref
入力
出力電流を設定するために、外部の基準電圧入力です。0.5 V~7.0 V 以内に設定ください。
IC の 5 V 定電圧源 (V
) の抵抗分割にて設定することもできます。
reg
スイッチング時のノイズを抑制するために、コンデンサ (0.1 相当) を付けてください。
ただし、V
が 13 V 程度以下でご使用の場合、V
CC
が 7 V 未満で出力が飽和して、V
ref
と出力の直線性が
ref
得られない場合があります。
(5) V
端子
reg
VCC電源から 5 V 電源を作っており、それを V
電流能力は 1 mA であり、抵抗分割で V
へ入力することが可能です。
ref
端子に出力しております。
reg
この 5 V は、IC 内部のロジック電源としても使用しており、安定化のためにもセラミックコンデンサを接続
ください。
4. 定電流 PWM 動作
PWM 制御によりモータコイルに流れる電流を設定します。
PWM 制御時は、通常動作とショートブレーキの繰り返しとなります。
出力回路での上下パワートランジスタの同時 ON による貫通電流を防止するために上下のパワートランジスタの
ON ↔ OFFが切り替わるタイミングにおいて 300 ns (設計目標値) のデットタイムをIC 内部にて生成しています。
このため、外部入力により OFF タイムを挿入することなく、同期整流方式による PWM 制御が可能です。
なお、CW ↔ CCW, CW (CCW) ↔ ショートブレーキ時にも、内部にて生成されるデットタイムにより OFF タ
イムの挿入は不要です。
OUT1
M
PWM ON
t1
VCC
OUT1 OUT1
RS
M
PWM OFF → ON
t4 = 300 ns (typ.)
M
PWM ON → OFF
t2 = 300 ns (typ.)
V
CC
OUT1OUT1
RS
V
CC
RS
PWM ON
t5
V
CC
M
RS
PWM OFF
t3
V
CC
M
RS
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OSC
内部 CK
I
OUT
GND
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PWM ON
t1
PWM OFF
t3
PWM ON
t5
PWM OFF
t3
PWM OFF (t3) は、OSC 端子の発振より内部で生成されるクロック周波数により決定されます。
I
が設定値に到達後 PWM OFF し、内部 CK の4発目の立ち上がりで PWM ON する OFF 時間固定タイ
OUT
プです。
負荷条件 (モータの L, R 定数) や設定電流値により、ON 時間が変わりますので、PWM 周波数が可聴周波数
以上 (15 kHz 以上) になるように OFF 時間つまり外付けコンデンサ値を設定ください。
OSC 周波数の発振周波数は、以下の式で近似されます。
fosc = 1/(0.523 × (Cosc × 3700 + Cosc × 600))
また、OFF 時間が小さすぎると、モータ高速回転時、電流引き抜きが不十分となりモータ電流が乱れる場合
がありますのでご注意ください。
5. モータ電流の設定方法
モータ電流は、V
(1) X1 = X2 = L I
(2) X1 =L, X2 = H I
(3) X1 =H, X2 = L I
(4) X1 = X2 = H I
電圧、電流検出抵抗 RS, X1/X2 入力によって設定されます。
ref
O (peak)
O (peak)
O (peak)
O (peak)
= V
× 1/10 × 1/RS[A]
ref
= V
× 1/15 × 1/RS[A]
ref
= V
× 1/30 × 1/RS[A]
ref
= 0[A]: 出力 OFF (OUT 端子はZとなります)
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6. 励磁モード
各励磁モードの入力タイミングチャート例を以下に示します。
(1) 2 相励磁
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Phase A
X1A
X2A
Phase B
X1B
X2B
(B)
100%
−100%
100%
−10%
IO (A)
I
O
(2) 1-2 相励磁
H
L
H
L
H
L
H
L
H
L
H
L
Phase A
X1A
X2A
Phase B
X1B
X2B
I
(A)
O
I
(B)
O
100%
0%
−100%
100%
0%
−100%
H
L
H
L
H
L
H
L
H
L
H
L
: H or L
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