x
TAP2500 型/TAP3500 型
2.5 GHz/3.5 GHz プローブ
ZZZ
取扱説明書
*P071188401*
071-1884-01
xx
TAP2500 型/TAP3500 型
2.5 GHz/3.5 GHz プローブ
ZZZ
取扱説明書
リビジョンA
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071-1884-01
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Tektronix 製品は、登録済および出願中の米国その他の国の特許等により保護されています。 本書の内容は、既に発行されて
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TEKTRONIX および TEK は Tektronix, Inc. の登録商 標です。
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保証
当社では、本製品において、出荷の日から 1 年間、材料およびその仕上がりについて欠陥がないことを保証します。この保証期
間中に製品に欠陥があることが判明した場合、当社では、当社の裁量に基づき、部品および作業の費用を請求せずに当該欠陥
製品を修理するか、あるいは当該欠陥製品の交換品を提供します。保証時に当社が使用する部品、モジュール、および交換す
る製品は、新しいパフォーマンスに適応するために、新品の場合、または再生品の場合もあります。交換したすべての部品、モ
ジュール、および製品は当社で保有されます。
本保証に基づきサービスをお受けいただくため、お客様には、本保証期間の満了前に当該欠陥を当社に通知していただき、
サービス実施のための適切な措置を講じていただきます。お客様には、当該欠陥製品を梱包していただき、送料前払いにて当
社指定のサービス・センターに送付していただきます。本製品がお客様に返送される場合において、返送先が当該サービス・セ
ンターの設置されている国内の場所であるときは、当社は、返送費用を負担します。しかし、他の場所に返送される製品につい
ては、すべての送料、関税、税金その他の費用をお客様に負担していただきます。
本保証は、不適切な使用または不適切もしくは不十分な保守および取り扱いにより生じたいかなる欠陥、故障または損傷にも適
用されません。当社は、以下の事項については、本保証に基づきサービスを提供する義務を負いません。a)当社担当者以外の
者による本製品のインストール、修理またはサービスの試行から生じた損傷に対する修理。b)不適切な使用または互換性のない
機器への接続から生じた損傷に対する修理。c)当社製ではないサプライ用品の使用により生じた損傷または機能不全に対する
修理。d)本製品が改造または他の製品と統合された場合において、改造または統合の影響により当該本製品のサービスの時間
または難度が増加したときの当該本製品に対するサービス。
この保証は、明示的または黙示的な他のあらゆる保証の代わりに、製品に関して当社がお客様に対して提供するものです。当
社およびベンダは、商品性または特定目的に対する適合性についての一切の黙示保証を否認します。欠陥製品を修理または
交換する当社の責任は、本保証の不履行についてお客様に提供される唯一の排他的な法的救済となります。間接損害、特別
損害、付随的損害または派生損害については、当社およびそのベンダは、損害の実現性を事前に通知されていたか否に拘わら
ず、一切の責任を負いません。
[W2 – 15AUG04]
目次
目次
安全にご使用いただくために............................................................................... v
安全に保守点検していただくために ...................................................................... viii
環境条件について........................................................................................ ix
まえがき.................................................................................................. xi
マニュアル ........................................................................................... xi
このマニュアルで使用される表記規則 ................................................................. xi
修理のためのプローブの返送......................................................................... xii
主要な機能 ............................................................................................... 1
インストレーション.......................................................................................... 2
ホスト機器への接続 ................................................................................... 2
プローブ・コントロールとインジケータ ................................................................... 3
機能チェック............................................................................................... 6
必要な機器 ........................................................................................... 6
校正 ...................................................................................................... 8
必要条件 ............................................................................................. 8
必要な機器 ........................................................................................... 8
テスト手順............................................................................................. 9
基本操作................................................................................................. 13
プローブ・ヘッド・アセンブリ ........................................................................... 13
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 i
目次
プローブ入力 ........................................................................................ 14
プローブ・オフセット .................................................................................. 15
アクセサリとオプション..................................................................................... 19
スタンダード・アクセサリの使用 ........................................................................ 19
オプショナル・アクセサリ .............................................................................. 30
オプション............................................................................................ 34
プロービングの原理....................................................................................... 35
グランド・リード長 ..................................................................................... 35
グランド・リード・インダクタンス ............................................................................. 36
低インダクタンスの接地 ................................................................................... 37
シュアフット™ による接地.................................................................................. 38
プローブ・チップのテスト・ポイント.......................................................................... 39
プローブ・チップの安定化................................................................................. 40
仕様 ..................................................................................................... 41
保証特性 ............................................................................................ 42
代表特性 ............................................................................................ 43
公称特性 ............................................................................................ 48
性能検査................................................................................................. 49
必要な機器 .......................................................................................... 49
機器のセットアップ ................................................................................... 51
DC ゲイン確度 ....................................................................................... 52
ii TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
目次
立上り時間........................................................................................... 55
検査記録 ............................................................................................ 63
保守 ..................................................................................................... 65
エラーの状態 ........................................................................................ 65
交換部品 ............................................................................................ 65
クリーニング.......................................................................................... 66
索引
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 iii
目次
iv TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
安全にご使用いただくために
人体への損傷を避け、本製品や本製品に接続されている製品への損傷を防止するために、次の安全性に関す
る注意をよくお読みください。
安全にご使用いただくために、本製品の指示に従ってください。
資格のあるサービス担当者以外は、保守点検手順を実行しないでください。
本製品をご使用の際に、規模の大きなシステムの他の製品にアクセスしなければならない場合があります。シス
テムの操作に関する警告や注意事項については、他製品のマニュアルにある安全に関するセクションをお読み
ください。
火災や人体への損傷を避けるには
接続と切断は正しく行ってください。 プローブと検査リードは、電圧ソースに接続されている間は着脱しないで
ください。
接続と切断は正しく行ってください。 プローブ出力を測定機器に接続してから、プローブを被測定回路に接続
してください。被測定回路にプローブの基準リードを接続してから、プローブ入力を接続してください。プローブ入
力とプローブの基準リードを被測定回路から取り外した後で、プローブを測定機器から取り外してください。
本製品を接地してください。 本製品は、メインフレームの電源コードのグランド線を使用して間接的に接地しま
す。 感電を避けるため、グランド線をアースに接続する必要があります。 本製品の入出力端子に接続する前に、
製品が正しく接地されていることを確認してください。
すべての端子の定格に従ってください。 火災や感電の危険を避けるために、本製品のすべての定格とマーキン
グに従ってください。 本製品に電源を接続する前に、定格の詳細について、製品マニュアルを参照してください。
安全にご使用いただくために
プローブの基準リードは、グランドにのみ接続してください。
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 v
安全にご使用いただくために
共通端子を含むどの端子にも、その端子の最大定格を超える電位をかけないでください。
カバーを外した状態で動作させないでください。 カバーやパネルを外した状態で本製品を動作させないでくだ
さい。
故障の疑いがあるときは動作させないでください。 本製品に故障の疑いがある場合、資格のあるサービス担
当者に検査してもらってください。
露出した回路への接触は避けてください。 電源がオンのときに、露出した接続部分やコンポーネントに触れな
いでください。
湿気の多いところでは動作させないでください。
爆発性のあるガスがある場所では使用しないでください。
製品の表面を清潔で乾燥した状態に保ってください。
vi TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
本マニュアル内の用語
本マニュアルでは、次の用語を使用します。
警告: 人体や生命に危害をおよぼすおそれのある状態や行為を示します。
注意: 本製品やその他の接続機器に損害を与える状態や行為を示します。
本製品に関する記号と用語
本製品では、次の用語を使用します。
DANGER: ただちに人体や生命に危険をおよぼす可能性があることを示します。
WARNING: 人体や生命に危険をおよぼす可能性があることを示します。
CAUTION: 本製品を含む周辺機器に損傷を与える可能性があることを示します。
安全にご使用いただくために
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 vii
安全に保守点検していただくために
本製品では、次の記号を使用します。
安全に保守点検していただくために
資格のあるサービス担当者のみが、保守点検手順を実行する必要があります。保守点検手順を実行する前に、
この『安全に保守点検していただくために』と『安全にご使用いただくために』をお読みください。
一人だけで保守点検しないでください: 応急処置と救急蘇生ができる人の介在がないかぎり、本製品の内部
点検や調整を行わないでください。
電源を切断してください: 感電を避けるため、機器の電源を切り、電源コードを電源コンセントから抜いてください。
電源オン時の保守点検には十分注意してください: 本製品には、危険な電圧や電流が存在している可能性
があります。保護パネルの取り外し、はんだ付け、コンポーネントの交換をする前に、電源の切断、バッテリの取り
外し(可能な場合)、試験導線の切断を行ってください。
感電を避けるため、露出している接続部には触れないでください。
viii TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
環境条件について
このセクションでは、製品の環境に対する影響について説明します。
製品の廃棄方法
機器またはコンポーネントをリサイクルする際には、次のガイドラインを順守してください。
機器のリサイクル: この機器を生産する際には、天然資源が使用されています。この製品には、環境または人
体に有害な可能性がある物質が含まれているため、製品を廃棄する際には適切に処理する必要があります。有
害物質の放出を防ぎ、天然資源の使用を減らすため、機材の大部分を再利用またはリサイクルできるように本製
品を正しくリサイクルしてください。
下に示すシンボルは、この製品が WEEE Directive 2002/96/EC (廃棄電気・電子機器に関する指令)に基づく EU
の諸要件に準拠していることを示しています。リサイクル方法については、当社のホームページ(www.tektronix.com)
のサポート/サービスの項目を参照してください。
環境条件について
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 ix
環境条件について
有害物質に関する規制
この製品は Monitoring and Control(監視および制御)装置に分類されます。2002/95/EC RoHS Directive(電気・
電子機器含有特定危険物質使用制限指令)は適用されません。この製品には、鉛、カドミウム、および六価クロ
ムが含まれています。
x TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
まえがき
このマニュアルでは、TAP2500 型/TAP3500 型アクティブ・プローブの取り付けと操作について説明します。また、
プローブの基本的な操作と概念についても説明します。このマニュアルでは、別途記載のない限り、イラストはす
べて TAP2500 型プローブのものを使用しています。Tektronix の Web サイトでは、このマニュアルとその他の関
連情報にアクセスすることができます。
マニュアル
まえがき
参照する項目 使用するマニュアル
TAP2500 型/TAP3500 型プローブ:初めての操作、機能チェック、基
本操作、仕様、性能検査
オシロスコープの詳細な操作、ユーザ・インタフェース・ヘルプ、GPIB
コマンド
*
機器にインストールされているマニュアルを参照するには、タスク・バーで Start(スタート)をクリックして、Programs(プログラム)
> TekApplications を選択してください。
この取扱説明書をお読みください。
ホスト機器の Help メニューで、オンライ
ン・ヘルプを参照してください。
*
このマニュアルで使用される表記規則
このマニュアルでは、手順の順番を示すために次のアイコンを使用しています。
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 xi
まえがき
修理のためのプローブの返送
プローブの修理が必要な場合は、プローブを当社に返送してください。元の梱包資材が使用に適していないか
使用できない場合は、次の梱包のガイドラインに従ってください。
輸送の準備
1. 内径がプローブの寸法より少なくとも
1 インチ(2.5cm)大きい、ダンボール
の輸送用カートンを用意します。この
箱は 少なくとも 200 ポンド(90 kg) の
カートン・テスト強度を持っている必要
があります。
2. プローブを湿気から防ぐために、静電
気防止用の袋または包装材に収めま
す。
3. 包装資材に入ったプローブをカート
ンに収め、軽い梱包資材を使用して
固定します。
4. 輸送用テープを使用してカートンを
密閉します。
5. 送付先の住所については、このマニュ
アルの開始ページに記載されている
「Tektronix 連絡先」を参照してくださ
い。
xii TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
主要な機能
TAP2500 型/TAP3500 型アクティブ・プローブでは、新しい Tektronix TekVPI インタフェースを搭載したオシロス
コープとの組合せにより、それぞれ、DC ~ 2.5 GHz、DC ~ 3.5 GHz まで、最小の回路負荷で高確度の測定を
行うことが可能です。主要な機能は次の通りです。
帯域幅
DC ~ 2.5 GHz (TAP2500 型)
DC ~ 3.5 GHz (TAP3500 型)
±4 V のダイナミック・レンジと ±10 V
のオフセット機能
10X の減衰比
40 kΩ の入力抵抗
<0.8 pF の入力キャパシタンス
TekVPI インタフェース
高密度配線回路のプロービングに適
した小型で軽量なプローブ・ヘッド
主要な機能
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 1
インストレーション
インストレーション
ホスト機器への接続
1. プローブを TekVPI 差し込み口に差
し込みます。完全に差し込まれると、
カチッと音がします。
プローブが接続されると、ホスト機器
はプローブから情報を読み込み、デ
バイスを特定します。
2. 取り外すには、ラッチ・リリース・ボタン
を押して、機器から引き抜きます。
2 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
プローブ・コントロールとインジケータ
ステータス LED
プローブの電源をオンにすると、次のよう
な多色のステータス LED が点灯します。
緑:電源オン時のセルフ・テスト・ルー
チンが完全に終了し、異常がない場
合に点灯します。プローブは、正常な
動作モードの状態です。
赤:エラー状態が存在する場合に点
灯します。 (65 ページ 「エラーの状
態」 参照)。
インストレーション
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 3
インストレーション
Menu ボタン
1. プローブの Menu ボタンを押して、オ
シロスコープに Probe Control 画面を
表示します。
2. 機器のタッチ・スクリーン・ボタンを使
用して、プローブのパラメータを設定
します。
3. 再度 Menu ボ タンを 押して 、Probe
Control 画面を閉じます。
4 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
AutoZero
次の条件の下で、プローブの AutoZero
ルーチンを実行することを推奨します。
20 分間のウォーム・アップ期間後
プローブの動作温度の変化が ±5 ℃
以内
1. プローブの Menu ボタンを押して、オ
シロスコープに Probe Control 画面を
表示します。
2. プローブ・チップをグランドにショート
させます。
3. 機器の AutoZero ボタンを押して、
AutoZero ルーチンを実行します。
インストレーション
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 5
機能チェック
機能チェック
次の手順を使用して、プローブが正常に動作していることを確認します。プローブが保証仕様を満たしているかど
うかを検査する場合は、「性能検査」の手順を参照してください。 (49 ページ参照)。
必要な機器
名称と数量 性能要件 推奨例
オシロスコープ
Y リード・アダプタ プローブ・チップ接続用の 0.25 イ
TekVPI インタフェース
当社 DPO7000 シリーズ
196-3463-XX
1
2
ンチのスクエア・ピン
SMT クリップ・チップ・アダプタ(2)
0.25 イン チのスクエア・ ピ ンからミ
206-0364-XX
2
ニ・クリップへの変換
1
9 桁の部品番号(xxx-xxxx-xx)は、当社の部品番号です。
2
スタンダード・プローブ・アクセサリです。
6 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
信号
1. オシロスコープのいずれかのチャン
ネルにプローブを接続し、そのチャン
ネルが表示されるようにオシロスコー
プを設定します。
2. Yリード・アダプタと2つのSMTクリッ
プ・チップを使用して、プローブ・チッ
プをオシロスコープの PROBE COMP
端子に接続します。
3. AUTOSET を押すか、あるいはオシロ
スコープを調整して、校正波形を表
示します。安定した波形が表示される
場合は、プローブが正常に動作して
いることを示します。
機能チェック
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 7
校正
校正
プローブ校正作業ルーチンにより、プローブとオシロスコープの組み合わせにおけるゲインとオフセットを最適化
して、測定誤差を最小限に抑えることができます。使用するそれぞれのチャンネルについてプローブの校正を繰
り返すことをお勧めします。各チャンネルのそれぞれのプローブに対する個別の校正定数が保存されます。
必要条件
機器を 20 分間ウォーム・アップします。ホスト機器の校正ステータスは、pass である必要があります。
必要な機器
校正に必要な機器は、機能チェックの場合と同じです。 (6 ページ 「必要な機器」 参照)。
8 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
テスト手順
機器の校正ステータスを確認します。
1. Utilities メニューの Instrument Cali-
bration を選択します。
2. Calibration ボックスで、Status フィー
ルドが Pass になっていることを確認
します。Pass になっていない場合は、
オシロスコープからすべてのプローブ
と信号ソースを取り外して、信号パス
補正ルーチンを実行してください(次
の手順を参照)。
校正
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 9
校正
3. 図に示すように、プローブをオシロス
コープのプローブ補正コネクタに接
続します。
4. Vertical メニューから、Probe Cal を選
択します。
10 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
5. Probe Setup 画 面 が表示 さ れたら 、
Clear ProbeCal を選択し、次に Calibrate Probe を選択します。
プローブ校正ルーチンが開始されま
す。ルーチンが完了すると、通知が表
示されます。通知を閉じ、プローブの
使用を開始します。
校正
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 11
校正
12 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
基本操作
操作ガイドラインに従い、プローブの性能を最適化します。
プローブ・ヘッド・アセンブリ
プローブ・ヘッドは、簡単に使用でき、高
性能が得られるように設計されています。
小型なので、狭い場所でも簡単に扱えま
す。
1. プローブ・チップのソケットは、0.025
インチのピンを簡単に押して、直接ア
クセスできる大きさです。
2. グランド・ソケットは、忠実度の高いグ
ランド接続用に短いグランド・パスを
提供します。
3. 安定化ノッチにより、隣接ピンを使用
した場合の、プローブおよびピンへの
圧力による歪みを低減します。
基本操作
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 13
基本操作
プローブ入力
プローブは、静電気電圧に対して電気的に保護されています。ただし、設計限界を超える電圧が加えられると、
プローブ・チップ増幅器に損傷を与える可能性があります。 (15 ページの 図 1 参照)。
リニア・ダイナミック・レンジ
プローブに使用されているプローブ・ヘッド増幅器のリニア動作レンジには限界があります。リニアリティ・エラーを
1%以下に保つには、信号の入力電圧を ±4 V に制限する必要があります(DC オフセットを含む)。
14 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
図1: ダイナミックおよびオフセット限界
プローブ・オフセット
プローブのオフセットは調整可能で、プローブのリニア・レンジ内で動作させることができ、より高電圧の DC 測定
においてプローブの感度を上げることもできます。オフセットを使用して DC 信号成分をキャンセルすることにより、
プローブ性能を最適化できます。 (15 ページの 図 1 参照)。
基本操作
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 15
基本操作
注: オフセット制御の具体的な手順については、お使いのオシロスコープのマニュアルを参照してください。
プローブのオフセットを設定するには、次
の手順を実行します。
1. 垂直位置コントロールを使用して、オ
シロスコープの表示上でゼロ基準レ
ベルを設定します。
2. オシロスコープのカップリングを DC
および 5 V/div に設定します。この設
定により、オシロスコープはプローブ
の完全なオフセット・ダイナミック・レン
ジを表示できます。
16 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
基本操作
3. プローブを回路に接続します。
4. プローブのオフセットを調整して、ト
レースをオシロスコープのゼロ基準に
合わせます。
5. V/div の設定を必要なレンジに変更
して、オフセットを調整し、トレースを
ゼロ基準レベルに保ちます。
注: プローブのオフセット・レンジは±10 V です。リニアの動作レンジは、±4 V 以内です。(15 ページの 図 1 参
照)。オシロスコープ上でカーソルを使用している場合は、プローブのオフセット電圧がゼロ基準になります。プロー
ブ入力に信号を印加しないでプローブ・オフセットを調整した場合、出力範囲は±10 V (プローブのオフセット・
レンジ)ではなく、±4 V (プローブのリニア動作レンジ)になります。ただし、プローブ入力に±10 V を印加する
と、プローブのオフセット・コントロールはこのオフセットをゼロにできます。
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 17
基本操作
18 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
アクセサリとオプション
このセクションではスタンダード・アクセサリの一覧を示し、アクセサリの使用方法についての情報を提供します。
仕様では、ニーズに合った適切なアクセサリの選択方法が示されています。追加注文するキットの数量が、プロー
ブに付属しているアクセサリの実際の数と異なる場合があります。
スタンダード・アクセサリの使用
プローブ・チップ
プローブ・チップは、手動による汎用的
な目的のプロービングに使用します。プ
ローブ・チップを、他のソケット・リードや
アダプタとともに使用することもできます。
チップを、ぴったりとはまるまでソケットに
押し込みます。チップのいずれの端も使
用できます。チップに無理な力を加えな
いでください。また、先端が鋭いのでけが
をしないようにご注意ください。
追加注文の場合の当社部品番号:
131-5638-11、数量 10
アクセサリとオプション
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 19
アクセサリとオプション
シュアトゥ・アダプタ
シュアトゥ・アダプタは、先のとがったプ
ローブ・チップであり、高密度配線回路の
プローブに適しています。シュアトゥ・アダ
プタは、プローブ・チップと同じ方法で接
続します。
アダプタに無理な力を加えないでくださ
い。また、鋭利なプローブ・チップで自分
の指などを刺さないように気をつけてく
ださい。シュアトゥ・アダプタは、任意のソ
ケット・アクセサリ・リードとともに使用でき
ます。プローブには、4 種類のシュアトゥ・
アダプタが付属しています。
追加注文の場合の当社部品番号:ST501
型、数量 12
131-6254-XX、数量 4
20 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
ポゴ・ピン・グランド
低インダクタンス・グランドのポゴ・ピンを
使用すると、グランド・リード・インダクタン
スを大幅に低減し、被測定回路の別のポ
イントに簡単に移動できます。
取り付けるには、ポゴ・ピンをプローブ・
ヘッドのグランド・ソケットに押し込みます。
プロービング中に信号忠実度を維持す
るには、できるだけ短いグランド・パスを
使用します。 (35 ページ 「グランド・リード
長」 参照)。
追加注文の場合の当社部品番号:0161772-10、数量 10
アクセサリとオプション
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 21
アクセサリとオプション
スクエア・ピン・ソケット
スクエア・ピン・ソケットは、0.100 インチの
スクエア・ヘッダ・ピン上で信号/グラン
ド・ペアを使用するのに最適です。スクエ
ア・ピン・ソケットを、プローブ・ヘッド上の
グランド・ソケットに軽く押し込んで取り付
けます。
可能な場合は常に安定化ノッチを使用し
て、プローブまたは被測定回路が滑って
損傷を受けるのを防いでください。
追加注文の場合の当社部品番号:0161773-10、数量 10
22 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
カスタマイズ可能なグランド・
リード
このグランド・リードは、折り曲げたり、短
くすることができます。
グランド・リード・ワイヤの先端を 30 ~
60°の角度で切り落とすと、プローブの
グランド・ソケットに挿入しやすくなります。
プロービング中に信号忠実度を維持す
るには、できるだけ短いグランド・パスを
使用します。 (35 ページ 「グランド・リード
長」 参照)。
追加注文の場合の当社部品番号:1963482-XX、数量 5
アクセサリとオプション
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 23
アクセサリとオプション
ライトアングル・アダプタ
薄型の 0.025 インチのスクエア・ピンをプ
ロービングするには、ライトアングル・アダ
プタを使用します。ライトアングル・アダプ
タを使用すると、プローブを回路基板に
対して水平にすることができ、回路カード
間などの狭い領域でのプロービングが可
能になります。
ライトアングル・アダプタは、プローブ・ヘッ
ド、Y リード・アダプタ、あるいはグランド・
リードに直接接続して使用できます。
ライトアングル・アダプタは、プローブ・
チップと同じ方法で接続します。
追加注文の場合の当社部品番号:016-
1774-XX、数量 10
24 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
Yリード・アダプタとグランド・
リード
Yリード・アダプタを使用して、プローブお
よびグランドの到達範囲を拡大します。Y
リード・アダプタは、任意のプローブ・チッ
プおよびアダプタで使用可能で、0.025 イ
ンチのスクエア・ピンにも直接押し込んで
接続できます。
グランド・リードは、一般的な低周波のプ
ロービングに使用します。リードのソケッ
ト端は、任意のプローブ・チップおよびア
ダプタに接続でき、0.025 インチのスクエ
ア・ピンにも適合します。
グランド接続に使用する場合は、グラン
ド・パスをできるだけ短くしてください。
(35 ページ 「グランド・リード長」 参照)。
追加注文の場合の当社部品番号:1963456-XX キットの内容:
Y リード・アダプタ、数量 2
3 インチのグランド・リード、数量 3
アクセサリとオプション
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 25
アクセサリとオプション
SMT クリップ・チップ・アダプタ
SMT クリップ・チップ・テスト・クリップを使
用して、壊れやすい、高密度配線回路に
アクセスします。クリップ・チップ・テスト・ク
リップは、Y リードまたはグランド・リードに
接続できます。リード・ソケットを、クリップ・
チップ・ハンドルに押し込むだけです。
クリップ・チップ本体は自由に回転でき、
プローブの方向に合わせることができま
す。圧力による歪みを低減し、被測定コン
ポーネント上で薄型で接続するために、
クリップ・チップの柔軟性を持つスリーブ
は最大 35°の角度まで曲がります。
追加注文の場合の当社部品番号:
206-0364-XX、数量 1
26 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
カラー・バンド・キット(5 色のペ
ア)
1. 片方のバンドをプローブのケーブル
に、もう 1 つの同じ色のバンドをプロー
ブの補正ボックスの近くに装着してく
ださい。
2. プローブを、バンドの色に一致する
チャンネルに接続してください。
追加注文の場合の当社部品番号:0161315-XX
アクセサリとオプション
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 27
アクセサリとオプション
帯電防止リスト・ストラップ
プローブを使用する際には、常に帯電防
止リスト・ストラップを装着して帯電防止作
業台で作業してください。
追加注文の場合の当社部品番号:0063415-XX
ポーチ、中仕切り付きのナイロ
ン製キャリング・ケース
キャリング・ケースを使用して、プローブ、
アクセサリ、および取扱説明書を収納し
ます。
1. プローブ、アクセサリ、およびマニュア
ルをキャリング・ケース内に置きます。
2. キャリング・ケースを閉じて、アクセサ
リを別の場所、または格納場所へ運
びます。
追加注文の場合の当社部品番号:0161952-XX
28 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
取扱説明書
TAP2500 型/TAP3500 型アクティブ・ プ
ローブの操作と保守の手順について説
明しています。この取扱説明書は、いつで
もすぐに参照できるようにプローブ・ケー
ス内に保管しておいてください。
追加注文の場合の当社部品番号:
071-1836-XX (英語)
071-1884-XX (日本語)
071-1885-XX (簡体中国語)
アクセサリとオプション
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 29
アクセサリとオプション
オプショナル・アクセサリ
このセクションでは、プロービング作業の役に立つ、購入可能なオプショナル・アクセサリを一覧で示します。
シュアフット™ プローブ・チップ
シュアフット・チップは、ファインピッチの
SMD パッケージを損傷せずにプロービン
グすることが可能な一体型のプローブ・
チップで、小型のガイドです。シュアフッ
ト・アダプタは、プローブ・チップと同じ方
法で接続します。
シュアフット・チップには、次の 3 つのサ
イズがあります。
黄色の、0.050 インチのシュアフット・チッ
プ: SOIC、PLCC、CLCC などの 50 ミル
の JEDEC パッケージと互換性がありま
す。
追加注文の場合の当社部品番号: SF501
型、数量 12
30 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
青色の、0.025 インチのシュアフット・チッ
プ: 0.65 mm の JEDEC および EIAJ パッ
ケージと互換性があります。
追加注文の場合の当社部品番号: SF502
型、数量 12
赤色の、0.5mm のシュアフット・チップ:
EIAJ パッケージと互換性があります。
追加注文の場合の当社部品番号: SF503
型、数量 12
アクセサリとオプション
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 31
アクセサリとオプション
IC マイクロ・グラバ
IC マイクロ・グラバを使用して、表面実装
の集積回路上のリードにプロービングし
ます。
追加注文の場合の当社部品番号:0130309-XX、数量 2
SMA - プローブ・チップ・アダプ
タ
このアダプタを使用して、プローブを SMA
ケーブルに接続し、校正と性能検査を行
います。アダプタには、50 Ω の SMA 端
末が含まれます。
追加注文の場合の当社部品番号:0150678-XX
32 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
TekVPI 校正アダプタ
この校正アダプタは、プローブの性能検
査を行うために必要です。これは、内部
プローブ測定のためのプローブの信号パ
スの SMA コネクタを提供します。
追加注文の場合の当社部品番号:0671701-XX
アクセサリとオプション
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 33
アクセサリとオプション
オプション
サービス・オプション
オプション CA1。1 回の校正作業を保証
オプション C3。3 年間の校正サービス
オプション C5。5 年間の校正サービス
オプション D1。校正データ・レポート
オプション D3。3 年間の校正データ・レポート(オプション C3 付き)
オプション D5。5 年間の校正データ・レポート(オプション C5 付き)
オプション R3。3 年間の修理サービス
オプション R5。5 年間の修理サービス
マニュアルのオプション
オプション L0。英語版取扱説明書
オプション L5。日本語版取扱説明書
オプション L7。簡体中国語版取扱説明書
34 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
プロービングの原理
役に立つヒントに従い、より簡単でノイズのないプロービングを実行します。
グランド・リード長
回路をプロービングする際には、常にプ
ローブ・ヘッドと回路グランド間のグラン
ド・リードをできるだけ短くしてください。
(リード長が波形の歪みに与える影響に
ついては、図を参照。)
プローブ・チップおよびグランド・リードに
より加えられる直列のインダクタンスは、
回路の共振を引き起こします。これは、オ
シロスコープの帯域幅内で寄生リンギン
グの原因になります。
プロービングの原理
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 35
グランド・リード・インダクタンス
グランド・リード・インダクタンス
回路要素にプローブ・チップを接触させると、新しい抵抗、キャパシタンス、およびインダクタンスが回路に組み込
まれたことになります。
プローブおよびグランド・リードの自己イ
ンダクタンス(L)およびキャパシタンス(C)
が既知の場合は、グランド・リードの影響
がアプリケーションで問題になるかどうか
を確認できます。この寄生回路が共振す
るおおよその共振周波数(f
式で計算できます。
この式は、グランド・リード・インダクタンス
を低減することが、共振周波数を引き上
げることを示しています。測定がリンギン
グの影響を受ける場合は、生じる共振周
波数が測定周波数を十分に上回るまで、
グランド・パスのインダクタンスを下げるこ
とが必要になります。
測定に対するグランド・リード・インダクタ
ンスの影響を低減するには、アクセサリに
関するセクションで説明されている低イン
ダクタンス・グランド・コンタクトが役に立
ちます。
)は、次の公
0
36 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
低インダクタンスの接地
パッケージ上のグランド面を使用して、
パッケージのプロービングを容易にし、グ
ランド・リード長が不必要に長くなり、歪み
が生じるのを防ぎます。
1. パッケージの上部に、銅皮膜された
小片を取り付けます。
2. 銅皮膜を、パッケージのグランド接続
部に接続します。
3. 低インダクタンスのグランド・リードを
使用して、グランド・リード長をできる
だけ短く保ちます。
ヒント
この手法は、同一のパッケージ上で多く
の測定を行う際に非常に有効です。
低インダクタンスの接地
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 37
シュアフット™ による接地
シュアフット™ による接地
推奨する低インダクタンスの接地の手法
が使用できない場合は、シュアフット・ア
ダプタを使用して、プローブを被測定パッ
ケージに接地します。
1. 短いグランド・リードをプローブに接続
します。
2. グランド・リードの端にシュアフット・ア
ダプタを取り付けます。
3. シュアフット・アダプタをパッケージの
グランドに直接接続します。
この手法はグランド・パスを最短にできる
ため、隣接した回路グランドを使用する
際に適しています。
38 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
プローブ・チップのテスト・ポイント
プローブ・チップや 0.025 スクエア・ピン
は、一時的なテスト・ポイントとして、使用
している回路にはんだ付けすることがで
きます。
1. 低電力のはんだごてを使用して、チッ
プをリードまたはピンにはんだ付けし
ます。
2. プローブ・ヘッドをチップに押し当て
て、測定を行います。
3. 測定が終了したら、プローブ・ヘッド
を離します。
ヒント
プローブ・チップは、回路からはんだを除
去して取り外し、次の機会に別の回路に
はんだ付けして再利用できます。
プローブ・チップのテスト・ポイント
注: ソリッドコアの銅線をテスト・ポイントとして使用しないでください。銅線がプローブ・チップのソケット内で破損
した場合、銅線を取り除くことができず、他のアクセサリ・チップを差し込むことができなくなります。
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 39
プローブ・チップの安定化
プローブ・チップの安定化
プローブ・ヘッドは、0.100 インチ間隔の
ヘッダ・ピンを使用するために安定化ノッ
チを備えています。
1. プローブをヘッダ・ピンに押し当てま
す。
2. プローブの安定化ノッチを、隣接した
ピンに挿入します。こうすることにより、
プローブ・チップやピンに直接に不必
要な力が加わるのを防ぎます。
信号グランド・アダプタを、位置がず
れることなく安定化されたピンの上に
載せることができます。
40 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
仕様
仕様
次の仕様は、次の条件の下で有効です。
プローブが環境温度 23 ℃ ±5 ℃ で校正されている。
プローブが、入力インピーダンス 50 Ω でホスト機器に接続されている。
プローブおよびオシロスコープが、記載されている限界値を超えない環境に設置され、少なくとも 20 分間
ウォーム・アップされている。 (表 1 参照)。
信号パス補正(SPC)が、プローブの仕様を検査する前にオシロスコープ上で実行されている。
TAP2500 型/TAP3500 型アクティブ・プローブの仕様は、保証特性、代表特性、公称特性の 3 カテゴリに分類さ
れます。
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 41
仕様
保証特性
保証特性は、許容限界内で保証されている性能または一定のタイプ・テストの要件を表します。保証特性のうち、
性能検査のセクションでチェックする項目については、
機械的特性は、別途記載のない限り、TAP2500 型および TAP3500 型アクティブ・プローブに適用されます。
表 1: 保証電気特性
特性 説明
DC 減衰確度(プローブのみ) 10:1 ±2%(オフセット・エラーを除く)
立上り時間(プローブのみ)
温度
湿度
高度
記号が付いています。保証特性、代表特性、および
140 ps 以下(TAP2500 型)
130 ps 以下(TAP3500 型)
動作時:0 ~ +50 ℃ (+32 ~ +122 ºF)、非動作 時:-40 ~ +71 ℃ (-40
~ +160 ºF)
動作時:5 ~ 95% RH (+30 ℃ (+86 ºF)以下でテスト)、5 ~ 85% RH
(+30 ℃ ~ +50 ℃ (+86 ~ +122 ºF)でテスト)
非動作時:5 ~ 95% RH (+30 ℃ (+86 ºF)以下でテスト)、5 ~ 85% RH
(+30 ℃ ~ +75 ℃ (+86 ~ +167 ºF)でテスト)
動作時:3000 m(9,843 フィート)以下
非動作時:12,000 m(39,370 フィート)以下
42 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
代表特性
代表特性は、標準的であっても保証はされていない性能を表します。
表 2: 代表的電気特性
特性 説明
帯域幅(プローブのみ)
入力抵抗
入力キャパシタンス
入力信号レンジ
入力オフセット・レンジ
出力ゼロ
最大非破壊入力電圧
直線性
DC オフセット・ドリフト
信号遅延
DC ~ 2.5 GHz (TAP2500 型)
DC ~ 3.5 GHz (TAP3500 型)
40 kΩ
≦0.8pF
-4.0 V ~ +4.0 V
-10.0 V ~ +10.0 V
画面表示上で ±10 mV 以下
±30 V
(DC + ピーク AC)
±0.1%未満(ダイナミック・レンジ -3.75 V ~ +3.75 V)、±1.0%未満(ダ
イナミック・レンジ -4.0 V ~ +4.0 V)
画面表示上で 1.5 mV/℃ 以下
5.3 ns ± 0.2 ns
仕様
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 43
仕様
図 2: 代表的な帯域幅(TAP2500 型)
44 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
図 3: 代表的な帯域幅(TAP3500 型)
仕様
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 45
仕様
図 4: 代表的な入力インピーダンスと周波数の関係
46 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
表 3: 代表的な機械特性
特性 説明
寸法、補正ボックス
寸法、プローブ・ヘッド
寸法、ケーブル長
単体重量 1.55 kg (3.44 ポンド)(プローブ、アクセサリ、および梱包材)
107 mm × 41 mm × 26 mm (4.2 インチ × 1.6 インチ × 1.0 インチ)
19.43 mm × 3.30 mm × 7.6 mm (0.765 インチ × 0.130 インチ × 0.300 イ
ンチ)
1.3m(51インチ)(プローブ・ヘッドから補正ボックスまで)
仕様
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 47
仕様
公称特性
公称特性は保証されている特性を表しますが、この特性には公差限度がありません。
表 4: 公称電気特性
特性 説明
入力カップリング
ターミネーション 50 Ω へのターミネーション出力
互換性
互換性
DC
TekVPI インタフェースを搭載したオシロスコープ
TekVPI インタフェースを搭載したオシロスコープ
48 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
性能検査
次の手順を使用して、プローブの保証仕様を検査します。推奨される校正間隔は 1 年間です。示された順番に、
検査手順を実行します。
必要な機器
性能検査の手順を実行するために必要な機器を次に示します。
表5: テスト機器
性能検査
名称と数量 性能要件 推奨例
オシロスコープ
サンプリング・オシロスコープ ≥12.5 GHz の周波数帯域 当社 TDS8000 シリーズ
サンプリング・モジュール ≥12.5 GHz の周波数帯域
サンプリング・モジュール
TekVPI 校正/検査アダプタ
DC 電源
デジタル・マルチメータ(DMM)
HF プローブ・チップ・
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 49
アダプタ
TekVPI インタフェース
TDR 出力:250 mV ステップ、<30 ps
の立上り時間
TekVPI インタフェース
-1.0 ~ +1.0 VDC、0.2%確度
抵抗、0.1%確度
50 Ω ターミネーション
ローブ・チップ・アダプタ
を備えたプ
当社 DPO7000 シリーズ
Tektronix 80E0X 型
Tektronix 80E04 型
067-1701-XX
Wavetek 9100
Keithley 2700
015-0678-00
1
性能検査
表 5: テスト機器 (続き)
名称と数量 性能要件 推奨例
SMA オス - BNC メス・アダプタ
BNC - デュアル・バナナ・アダプタ
SMA オス - BNC メス
015-0554-00
103-0090-00
(2)
BNC ケ ーブル
50 Ω、0.76 m (30 インチ)の長さ
SMA ケーブル(2) オス - オス SMA ケーブル
高確度ターミネーション
50 Ω、0.1%、0.5 W
Y リード・アダプタ プローブ・チップ接続用の 0.25 イ
012-0117-00
012-0649-00
011-0129-00
196-3463-xx
ンチのスクエア・ピン
SMT クリップ・チップ・アダプタ(2)
0.25 イン チのスクエア・ ピ ンからミ
206-0364-xx
ニ・クリップへの変換
SMA ト ルク・レンチ
SMA アダプタ ・レンチ
1
9 桁の部品番号(xxx-xxxx-xx)は、当社の部品番号です。
2
プローブに付属するスタンダード・アクセサリです。
5/16 インチ、7 インチポンド
7/32 インチ
1
2
2
50 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
機器のセットアップ
次の手順に従って、プローブを検査するための機器のセットアップとウォーム・アップを行います。
1. TekVPI オシロスコープの電源をオン
にします。
2. TekVPI 校正/検査アダプタをオシロ
スコープに接続します。
3. プローブを TekVPI 校正/検査アダ
プタに接続し、プローブのステータス
LED が緑色に変わるのを確認します。
4. 残りの測定機器の電源を入れます。
5. 機器を 20 分間ウォーム・アップしま
す。
6. 検査記録をコピーして、検査結果を
記録するのに使用します。 (63 ペー
ジ 「検査記録」 参照)。
性能検査
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 51
性能検査
DC ゲイン確度
この検査では、プローブの DC ゲイン確度をチェックします。
1. BNC - デュアル・バナナ・アダプタを
DMM 入力に接続します。
2. SMAオス-BNCメス・アダプタを
TekVPI 校正/検査アダプタの SMA
出力に接続します。
3. 高確度ターミネーションを SMA オス
-BNCメス・アダプタのBNC端子に
接続します。
4. 高確度ターミネーションおよび DMM
に接続された BNC - デュアル・バナ
ナ・アダプタ間を BNC ケーブルで接
続します。
52 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
5. 2 番目の BNC - デュアル・バナナ・
アダプタを DC 電源の出力に接続し
ます。
6. Y リード・アダプタとクリップ・チップ・ア
ダプタをプローブ入力に接続します。
7. クリップ・チップ・アダプタを DC 電源
に接続された BNC - デュアル・バナ
ナ・アダプタに接続します。極性が正
しいことを確認します(グランドが外側
のシールドで、プローブ入力が中心
の導体)。
性能検査
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 53
性能検査
8. オシロスコープのオフセットを 0.0 V
に設定します。
9. DMM を DCV に設定します。
10. REL ボタンを押して DMM を 0 に調
節します。
11. DC 電源を +1.00 VDC に設定し、出
力を有効にします。
12. DMM 測定を検査記録に記録します。
13. DC 電源を -1.00 VDC に設定します。
14. DMM 測定を検査記録に記録します。
注: 推奨されるターミネーションとして
50 Ω の高確度ターミネーションを使用し
なかった場合、またはオシロスコープの
オフセットをゼロに設定しなかった場合、
許容できないエラーの値になることがあ
ります。
15. TekVPI 校正/検査アダプタとプロー
ブをオシロスコープに接続したままに
して
、プローブをウォーム・アップした
状態に保ち
ます。
54 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
立上り時間
この手順では、プローブが立上り時間の仕様を満たすことを検査します。テスト・システム単独とプローブを含め
たテスト・システムの 2 つの立上り時間を測定します。この 2 つの測定値を使用してプローブの立上り時間を計
算します。
この検査では、80E04 型サンプリング・ヘッドの TDR 機能を高速な立上り時間の信号ソースとして使用します。別
の 80E0X 型サンプリング・ヘッドを使用して、測定を行います。次の手順では TDR と測定機能をオシロスコープ
の特定のチャンネルに割り当てますが、任意のチャンネルを使用することができます。ただし、TDR 機能は 80E04
型サンプリング・ヘッドでのみ利用することができます。
注意: 損傷を防ぐため、SMA コネクタの取り扱いには注意してください。コネクタが機械的に変形するのを防止
するために機器を支え、接続を締め付けるときは、7.5 インチポンドのトルク・レンチを使用してください。
性能検査
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 55
性能検査
テスト・システムの立上り時間
1. 80E04 型サンプリング・ヘッドをサンプ
リング・オシロスコープのチャンネル 1
に接続します。
2. 80E0X 型サンプリング・ヘッドをサン
プリング・オシロスコープのチャンネル
8 に接続します。
3. SMA ケーブルをチャンネル 1 と 8 に
接続します。
4. SMA ケーブルをチャンネル 1 から HF
プローブ・チップ・アダプタに接続しま
す。
56 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
5. 50 Ω のターミネーションを HF プロー
ブ・チップ・アダプタから取り外し、チャ
ンネル 8 の SMA ケーブルをこのアダ
プタに接続します。
6. チャンネル 8 をオンにし、垂直スケー
ルを 50 mV/div に設定します。
性能検査
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 57
性能検査
7. チャンネル 1/2 のサンプリング・ヘッ
ドを TDR モードに設定します。SETUP
DIALOGS ボタンを押し、TDR タブを
選択します。
8. チャンネル 1 (C1)のPolarity を正(立
上り)に設定します。
9. チャンネル 1 の Preset をオンにしま
す。
TDR のプリセット機能によって、Trigger メニューの Internal Clock の設定、
TDR Setups メニューの TDR Step の
選択、TDR Setups メニューのチャン
ネルの選択およびアクイジション単位
の選択、水平軸のスケール、位置、
および基準の設定が行われます。
サンプリング・モジュールの SELECT
チャンネル・ボタンの横にある赤いラ
ンプが点灯し、そのチャンネルの TDR
がアクティブであることを示します。
58 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
10. チャンネル 1 が非表示になり、チャン
ネル 8 のみがスクリーンに表示されま
す。
11. オシロスコープの水平位置コントロー
ルと垂直位置コントロールを調整して、
図に示すような信号を表示します。
12. オシロスコープの水平スケールを 50
ps/div に設定し、波形を中央に配置
します。
注: 校正測定を行っているときは、HF プ
ローブ・チップ・アダプタに触らないでく
ださい。プローブ・チップ・アダプタに触
れると、測定確度が低下します。
13. オシロスコープの測定機能を使用し
て、立上り時間を表示します。必要に
応じ、アベレージングを使用してパル
ス・エッジ測定の安定性を向上させ
ます。立上り時間は、波形の 10%~
90%の振幅ポイントで決定します。立
上り時間を t
として記録します。
s
性能検査
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 59
性能検査
テスト・システムとプローブの
立上り時間
14. HF プローブ・チップ・アダプタのチャ
ンネル 8 側から SMA ケーブルを取
り外し、アダプタの 50 Ω SMA ターミ
ネーションに再接続します。
15. サンプリング・オシロスコープのチャ
ンネル 8 の SMA ケーブルを TekVPI
校正/検査アダプタの SMA コネクタ
に接続します。
16. プローブを HF プローブ・チップ・ア
ダプタに接続します。
17. TekVPI オシロスコープのオフセットを
0.0 V に設定します。
60 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
注: 次の測定は、サンプリング・オシロス
コープを使って行います。TekVPI オシロ
スコープは、電源とプローブに対するオ
フセットのみを供給します。
18. サンプリング・オシロスコープで、水
平スケールを拡大し、ステップ・エッ
ジを見つけます。垂直スケールを
5 mV/div に設定し、エッジが表示さ
れている状態を維持したまま水平方
向のレンジ を 100 ps/div に調整し ま
す。測定の表示をより安定させるため
に、アベレージングをオンにします。
注: 校正測定を行っているときは、HF プ
ローブ・チップ・アダプタに触らないでく
ださい。プローブ・チップ・アダプタに触
れると、測定確度が低下します。
性能検査
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 61
性能検査
19. サンプリング・オシロスコープの位置
のコントロールを調整して、立上りエッ
ジの波形全体を表示します。
20. サンプリング・オシロスコープの測定
機能を使って、立上り時間を表示しま
す。必要に応じ、アベレージングを使
用してパルス・エッジ測定の安定性を
向上させます。立上り時間は、波形の
10%~ 90%の振幅ポイントで決定し
ます。立上り時間を t
として記録し
s+p
ます。
21. 手順 13 で測定したテスト・システムの
立上り時間(t
)と、手順 20 で測定し
s
たテスト・システムとプローブの立上り
時間(t
)を使用して、ここに示す式
s+p
を使ってプローブのみの立上り時間
を計算します。
22. 計算した立上り時間がプローブの仕
様を満たしていることを確認します。
23. 検査記録に結果を記録します。
例:
62 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
検査記録
性能検査
プローブのモデル/シリ
アル番号:
温度: 相対湿度 %:
校正日:
性能試験 電源電圧
DC ゲイン確度
立上り時間
(TAP2500 型)
(TAP3500 型)
+1.00 VDC +98 mV
-1.00 VDC -102 mV
なし
なし
最小 測定値
なし
なし
検査証番号:
検査者:
なし
なし
計算値
なし
なし
最大
+102 mV
-98 mV
140 ps
130 ps
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 63
性能検査
64 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
保守
このセクションでは、プローブの保守情報が説明されています。
エラーの状態
TAP2500 型/TAP3500 型アクティブ・プローブは、TekVPI インタフェースを搭載し たすべ てのオ シロス コープお
よびアダプタと連携して機能するように設計されていますが、プローブの一部の機能が正常に動作しない場合も
あります。
プローブの電源をオンにしている最中、あるいはオンにした後にステータス LED が赤色に点灯する場合は、内部
プローブ診断でエラーが発生しています。プローブを取り外して再度接続し、電源オン診断の手順を再実行して
ください。引き続きステータス LED が赤色に点灯している場合は、プローブに欠陥があるため、当社に返送して
修理する必要があります。
交換部品
プローブ内にはユーザが交換できる部品はありません。プローブ内で交換可能なアクセサリの一覧については、
アクセサリに関するセクションを参照してください。
保守
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 65
保守
クリーニング
プローブは、厳しい気候条件から保護する必要があります。このプローブは防水加工されていません。
注意: スプレーや液体、溶剤に接触させないでください。プローブが損傷する可能性があります。外面をクリーニ
ングしているときにプローブ内部が湿らないようにしてください。
化学薬品の洗浄剤を使用しないでください。プローブを損傷する恐れがあります。ベンジン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、アセトンまたはこれに類似する溶剤を含有する化学薬品を使用しないでください。
プローブの外部表面のクリーニングには、乾いた柔らかい布か柔らかい毛ブラシを使用してください。汚れが落ち
ない場合は、75%のイソプロピル・アルコール溶剤をしみこませた柔らかい布または綿棒を使用してください。綿
棒はプローブの狭い場所のクリーニングに便利です。綿棒または布は十分な溶液で湿らせて使用してください。
研磨剤は、プローブのどの部分にも使用しないでください。
66 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書
索引
索引
ENGLISH TERMS
AutoZero, 5
DC ゲイン確度
性能チェック, 52
LED
ステータス, 3
Menu ボタン, 4
TekVPI, 2
あ
アクセサリ
オプショナル, 30
スタンダード, 19
安全にご使用いただくために, v
い
インジケ-タ, 3
え
エラーの状態, 65
お
オプション, 34
オフセット, 15
か
関連マニュアル, xi
き
機能, 1
機能チェック, 6
く
グランド・リード
インダクタンス, 36
長さの選択, 35
け
検査記録, 63
こ
交換部品, 65
校正, 8
し
仕様, 41
公称, 48
代表, 43
保証, 42
信号パス補正, 9
す
ステータス LED, 3
ステータス LED, 65
せ
性能検査, 49
機器のセットアップ, 51
必要な機器, 49
TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書 67
索引
た
立上り時間
性能チェック, 55
ふ
プローブのクリーニング, 66
プローブの接続, 2
プローブ・コントロールとインジ
ケータ, 3
プローブ・ヘッド, 13
ほ
保守, 65
ま
マニュアル, xi
68 TAP2500 型/TAP3500 型、取扱説明書