Tektronix P7500 シリーズ User manual

xx
P7500 シリーズ TriMode™ プローブ
ZZZ
クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
www.tek.com
071-2159-02
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本保証は、不適切な使用または不適切もしくは不十分な保守および取り扱いにより生じたいかなる欠陥、故障または 損傷にも適用されません。当社は、以下の事項については、本保証に基づきサービスを提供する義務を負いません。 a)当社担当者以外の者による本製品のインストール、修理またはサービスの試行から生じた損傷に対する修理。b) 不適切な使用または互換性のない機器への接続から生じた損傷に対する修理。c)当社製ではないサプライ用品の使用 により生じた損傷または機能不全に対する修理。d)本製品が改造または他の製品と統合された場合において、改造ま たは統合の影響により当該本製品のサービスの時間または難度が増加したときの当該本製品に対するサービス。
この保証は、明示的または黙示的な他のあらゆる保証の代わりに、製品に関して当社がお客様に対して提供するもの です。当社およびベンダは、商品性または特定目的に対する適合性についての一切の黙示保証を否認します。欠陥製 品を修理または交換する当社の責任は、本保証の不履行についてお客様に提供される唯一の排他的な法的救済となり ます。間接損害、特別損害、付随的損害または派生損害については、当社およびそのベンダは、損害の実現性を事前 に通知されていたか否に拘わらず、一切の責任を負いません。
[W2 – 15AUG04]
目次
目次
安全にご使用いただくために ................................................................................. iii
環境条件について............................................................................................. vii
まえがき ....................................................................................................... ix
マニュアル ................................................................................................ ix
主な特長 ....................................................................................................... 1
動作条件 ....................................................................................................... 2
取り付け ....................................................................................................... 3
ホスト機器への接続 ...................................................................................... 3
プローブ本体へのアクセサリの接続 ..................................................................... 5
コントロール・ボックスのコントロールとインジケータ............................................... 7
機能チェックと校正 .......................................................................................... 10
機能チェック............................................................................................. 10
TriMode プローブ校正.................................................................................... 15
基本操作 ...................................................................................................... 21
減衰設定と入力モード設定.............................................................................. 21
回路基板への接続........................................................................................ 24
TekConnect インタフェースのない機器へのプローブの接続 .......................................... 37
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル i
目次
プローブの使用例............................................................................................. 38
P7500 シリーズ・プローブおよび RT-Eye アプリケーション・ソフトウェアを使った PCI Express
信号の測定 ...................................................................................... 38
アクセサリとオプション ..................................................................................... 39
スタンダード・アクセサリ.............................................................................. 39
オプショナル・アクセサリ.............................................................................. 45
オプション ............................................................................................... 54
保守 ........................................................................................................... 56
ホスト機器のファームウェア............................................................................ 56
エラー状態 ............................................................................................... 57
ユーザが交換できる部品................................................................................. 60
プローブの取り扱い ..................................................................................... 66
プローブの清掃 .......................................................................................... 67
修理のためのプローブの返送............................................................................ 67
索引
ii P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
安全にご使用いただくために
人体への損傷を避け、本製品や本製品に接続されている製品への損傷を防止するために、次の安全性に 関する注意をよくお読みください。
安全にご使用いただくために、本製品の指示に従ってください。
資格のあるサービス担当者以外は、保守点検手順を実行しないでください。
火災や人体への損傷を避けるには
接続と切断は正しく行ってください。 プローブ出力を測定機器に接続してから、プローブを被測定回路に
接続してください。被測定回路にプローブの基準リードを接続してから、プローブ入力を接続してくだ さい。プローブ入力とプローブの基準リードを被測定回路から取り外した後で、プローブを測定機器か ら取り外してください。
すべての端子の定格に従ってください。 火災や感電の危険を避けるために、本製品のすべての定格とマー
キングに従ってください。 本製品に電源を接続する前に、定格の詳細について、製品マニュアルを参照 してください。
共通端子を含むどの端子にも、その端子の最大定格を超える電位をかけないでください。
カバーを外した状態で動作させないでください。 カバーやパネルを外した状態で本製品を動作させないで
ください。
故障の疑いがあるときは動作させないでください。 本製品に故障の疑いがある場合、資格のあるサービス
担当者に検査してもらってください。
安全にご使用いただくために
露出した回路への接触は避けてください。 電源がオンのときに、露出した接続部分やコンポーネントに
触れないでください。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル iii
安全にご使用いただくために
湿気の多いところでは動作させないでください。
爆発性のあるガスがある場所では使用しないでください。
製品の表面を清潔で乾燥した状態に保ってください。
iv P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
本マニュアル内の用語
本マニュアルでは、次の用語を使用します。
警告: 人体や生命に危害をおよぼすおそれのある状態や行為を示します。
注意: 本製品やその他の接続機器に損害を与える状態や行為を示します。
本製品に関する記号と用語
本製品では、次の用語を使用します。
DANGER: ただちに人体や生命に危険をおよぼす可能性があることを示します。
WARNING: 人体や生命に危険をおよぼす可能性があることを示します。
CAUTION: 本製品を含む周辺機器に損傷を与える可能性があることを示します。
安全にご使用いただくために
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル v
安全にご使用いただくために
本製品では、次の記号を使用します。
vi P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
環境条件について
このセクションでは、製品の環境に対する影響について説明します。
製品の廃棄方法
機器またはコンポーネントをリサイクルする際には、次のガイドラインを順守してください。
環境条件について
機器のリサイクル。:
または人体に有害となる可能性のある物質が含まれているため、製品を廃棄する際には適切に処理する 必要があります。有害物質の放出を防ぎ、天然資源の使用を減らすため、機材の大部分を再利用または リサイクルできる適切な方法で処理してください。
この記号は、この製品が WEEE Directive 2002/96/EC(廃棄電気・電子機器に関する指令)に基づく EU の諸要件に準拠していることを示しています。リサイクル方法については、Tektronix のホームページ (www.tektronix.com)のサポート/サービスの項目を参照してください。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル vii
この機器を生産する際には、天然資源が使用されています。この製品には、環境
環境条件について
有害物質に関する規制
この製品は Monitoring and Control(監視および制御)装置に分類され、2002/95/EC RoHS Directive(電 気・電子機器含有特定危険物質使用制限指令)の範囲外です。
viii P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
まえがき
このマニュアルでは、P7500シリーズTriModeプローブの取り付けと操作について説明します。また、プ ローブの基本的な操作方法と概念についても説明します。以下のマニュアルは、すべてTektronixのWeb サイト(www.tek.com/manuals)でご覧になれます。
マニュアル
対象となる項目 使用するマニュアル
取り付けおよび操作(概要)
詳細な操作
仕様 テクニカル・リファレンス・マニュアルを使用してくださ
アプリケーション アクセサリの追加注文
まえがき
プローブの使用方法に関する一般的な内容については、ユー ザ・マニュアルを参照してください。
テクニカル・リファレンス・マニュアルおよびユーザ・マ ニュアルを参照してください。
い。 ユーザ・マニュアルの「使用例」を参照してください。 アクセサリを追加注文する場合は、「アクセサリとオプショ
ン」セクションを参照するか、またはアクセサリ・キットに 挿入されているシートを参照してください。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル ix
まえがき
x P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
主な特長
P7500 シリーズ TriMode プローブでは、1 つのプローブ接続で、差動測定、シングルエンド測定、およ びコモン・モード測定が可能です。主な特長は次の通りです。
革新的な TriMode の操作性
TekConnect インタフェース
帯域幅(代表値) >13 GHz P7513 型 >16 GHz P7516 型 >20 GHz P7520 型(A – B モード
のみ。 >18 GHz その他のモード)
立上り時間(10~90%)(代表
値) <40 ps P7513 型 <32 ps P7516 型 <27 ps P7520 型(A – B モードの
み。 <29 ps その他のモード)
差動入力抵抗 100 k Ω、片側 50 k Ωずつ
主な特長
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 1
動作条件
動作条件
表 1: P7500 シリーズ TriMode プローブ
特性 説明 仕様
入力電圧
温度
湿度
汚染度 2、ただし、屋内使用のみ
注意: ESD によってプローブが損傷するのを防止するため、常にプローブに付属している帯電防止リ
スト・ストラップを着用してください。また、プローブを取り扱う時は、静電気防止措置が施された作 業台で作業してください。
ダイナミック・レンジ 入力電圧範囲(DC+ ピー
ク AC、両方のレンジ:入 力はグランドを基準とす る)
動作時 非動作時
動作時 非動作時
P7513 型 、 P7516 型 : ±0.750 V(5X)、±1.75 V (12.5X)
P7513 型 、 P7516 型 : +4.0 V、–2.0 V
0 ~ +40 ℃(+32 ~ +104 ゚F)
-20 ℃~ +71 ℃(-4 ゚F ~ +160 ゚F) 最大 +40 ℃(+104 ゚F)で 20 ~ 80% RH
+30 ~ +46 ℃(+86 ~ +115 ゚F)で 0 ~ 90% RH
P7520 型 : ±0.625 V ( 5X ) 、 ±1.60 V (12.5X)
P7520 型:+3.7 V、–2.0 V
2 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
取り付け
ホスト機器への接続
注: ご使用の TekConnect 機器で、
P7500 シリーズ・プローブの全機能を 使用できるようにするには、ファーム ウェアのアップグレードを必要とする 場合があります。プローブを接続する 前に、必要なバージョンを確認してく ださい。 (56 ページ 「ホスト機器の ファームウェア」 参照)。
1. プローブを TekConnect 差し込み 口に差し込みます。完全に差し込 むと、カチッという音がします。
2. つまみを時計回りに回して指で 締め、プローブを機器に固定しま す。
3. 取り外す場合は、つまみを反時計 回りに回します。
取り付け
4. ラッチ・リリース・ボタンを押し て、機器からプローブを引き抜き ます。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 3
取り付け
プローブの電源投入
プローブの電源を投入すると、セル フ・テスト・ルーチンが実行されすべ ての LED が素早く点滅します。続い て、次の LED が点灯したままの状態 になります。
5X 減衰(±750 mV レンジ)
A–B TriMode(差動)
これは、プローブの動作モードが正常 であることを示します。
注: ホスト機器によって、すべての
プローブ設定に、プローブ/チャンネ ルの組合せの最後の状態が設定されま す。どのレンジ LED も点灯していな い場合は、エラー状態であることが考 えられます。プローブを取り外してか ら、もう一度取り付けて、エラー状態 を解消してください。
4 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
プローブ本体へのアクセサリの接続
注意: プローブには、プローブ本体のコネクタ内部に交換可能な接点があり、アクセサリ・コネクタと
一緒に取り外されます。プローブへの損傷を防ぐため、アクセサリをプローブ本体に接続する前に、必 ずこの接点がプローブ本体部分のみに配置されていることを確認してください。
プローブ本体とチップ・ケーブルの端 が、正しい取り付け位置にあることを 確認します。これらは、次の手順で接 続します。
1. 図のように、プローブ本体の A 入 力と B 入力が上になるようにしま す。
2. 赤い帯があるチップ・ケーブル・ リードが A 入力側になるように合 わせます。
取り付け
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 5
取り付け
3. 手でケーブル・コネクタをつか み、カチッと音がするまでケー ブルをプローブ本体に差し込みま す。ケーブル・ハウジングを、プ ローブ本体の端と同一面になるま で完全に差し込みます。
4. チップを取り外すには、ケーブ ル・タブを真っすぐにプローブ本 体から引っ張り出します。
注意: チップを取り外す場合は、ケー
ブル・タブのみを引っ張ってくださ い。ケーブルを引っ張ると、チップや プローブが損傷することがあります。
6 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
コントロール・ボックスのコントロールとインジケータ
Atten. ボタンと LED
Atten. ボタンを押して、5X(±0.750 V レンジ)と 12.5X(±1.75 V レンジ) の減衰設定を切り替えます。選択した 減衰に対応する LED ライトが点灯し ます。
減衰と入力モードの選択の詳細につ いては、「基本操作」を参照してくだ さい。 (21 ページ 「減衰設定と入力 モード設定」 参照)。
取り付け
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 7
取り付け
Input Mode ボタンと LED
Input Mode ボタンを押して、次の 4 つの TriMode 測定から 1 つを選択し ます。モードは次の順番で表示されま す。
A – B(差動信号測定用)
A – GND(A 入力シングルエンド 測定用)
B – GND(B 入力シングルエンド 測定用)
(A + B)/2 – GND(コモン・モード 測定用)
注: 一部のモデルのオシロスコープ
では、オシロスコープの Probe Setup 画面で選択されている入力チップに よっては A – B 入力モードのみが選択 できます。 (58 ページ 「入力モード の選択」 参照)。
それぞれの TriMode 測定の特徴につい ては、この後のページで説明します。
8 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
TriMode プロービング
この TriMode 機能によって、2 つのシ ングルエンド信号、差動波形、および コモン・モード電圧を、プローブ接続 を移動させずに表示できます。Input Mode ボタンを押して、波形表示を切 り替えます。
この例では、A 入力および B 入力の一 般的な HDMI 信号(1 つのハーフレー ン)を示しています。差動波形および コモン・モード電圧が表示されます。
取り付け
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 9
機能チェックと校正
機能チェックと校正
プローブをオシロスコープに接続したら、プローブに付属している校正ボードを使用して機能チェック を実行してください。
注意: ESD によってプローブが損傷するのを防止するため、常にプローブに付属している帯電防止リ
スト・ストラップを着用してください。また、プローブを取り扱う時は、静電気防止措置が施された作 業台で作業してください。
機能チェック
この手順では、オシロスコープ前面パネルの PROBE COMPENSATION コネクタまたは FAST EDGE コ ネクタを使用して、プローブの 4 つの TriMode 設定をチェックします。最初に A-B (差動モード) が設定さ れ、チェックが行われます。次に、残りの入力モードがチェックされ、差動モード測定と比較されます。
表 2: 必要な機器
チェック項目 性能要件 推奨例
オシロスコープ
テスト・ボード TriMode DC 校正ボード
10 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
TekConnect インタフェース
当 社 の DPO72004 型 、
TDS6154C 型 067-1821-xx
1
2
表 2: 必要な機器 (続き)
機能チェックと校正
チェック項目 性能要件 推奨例
同軸ケーブル 同軸ケーブル
1
9 桁の部品番号(xxx-xxxx-xx)は、当社部品番号です
2
プローブに含まれるスタンダード・アクセサリ
SMA、50 Ω、オス - オス BNC、50 Ω、オス - オス
174-1120-xx 012-0208-xx
1
2
2
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 11
機能チェックと校正
テスト・セットアップ
1. オシロスコープの任意のチャンネ ル(1-4)にプローブを接続しま す。
2. チャンネルが表示されるようにオ シロスコープを設定します。
3. オシロスコープの PROBE COM­PENSATION ま た は FAST EDGE コネクタからの SMA ケーブルを、 TriMode DC 校正ボードの SMA コ ネクタに接続します。
4. TriMode DC 校正ボードにある 2 つ の出力スイッチを、FAST RISE 位 置に設定します。
5. プローブを TriMode DC 校正ボー ドのケーブルに接続します(コ ネクタ極性が合っていることに注 意)。
12 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
テスト手順
6. プローブ減衰を 12.5X に、入力
モードを A-B に設定します。
7. オシロスコープに安定した波形
が表示されるように調節します。 Autoset ボタンを使用することもで きます。
注: 波形が表示されない場合は、プ
ローブ本体の接続部をチェックしてく ださい。 (5 ページ 「プローブ本体へ のアクセサリの接続」 参照)。
8. 安定した方形波が表示されたら、
振幅をチェックします。(水平 カーソルを使用。)オシロスコー プ・モデルの信号出力レベルの例 を以下に示します。
TDS6154C 型:440 mV p-p
DPO72004 型:440 mV p-p
機能チェックと校正
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 13
機能チェックと校正
9. Input Mode ボタンを繰り返し押し て、残りの選択肢を表示し、表示 された波形と手順 8 で測定した波 形を比較します。
A – B(手順 8 の波形)
A – GND(手順 8 で測定したの
と同じ振幅と極性)
B – GND(B 入力はグランド接
続、信号は測定されない)
(A+B)/2 – GND(手順 8 で測定
したのと極性は同じだが、振幅 が1/2)
10. プローブ減衰を 5X に、入力モー ドを A - B に設定します。
11.5X 減衰設定に対して、手順 7 ~ 9 を繰り返します。
14 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
TriMode プローブ校正
プローブの機能チェックを行った後、プローブ校正ルーチンを実行します。4 つの TriMode 設定すべて に対してと使用する各チャンネルで、プローブ校正を実施することをお勧めします。
プローブ校正を行うことによって、各チャンネルのプローブ減衰設定のゲインとオフセットを最適化す ることができるので、結果として測定のエラーを減らすことができます。個別の校正定数は、各プロー ブ、各チャンネルで、校正後の TriMode 設定にそれぞれ保存されます。
注意: ESD によってプローブが損傷するのを防止するため、常にプローブに付属している帯電防止リ
スト・ストラップを着用してください。また、プローブを取り扱う時は、静電気防止措置が施された作 業台で作業してください。
「機能チェック」で説明した機器を使用して、プローブ校正をします。 (10 ページの 表 2 参照)。
機能チェックと校正
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 15
機能チェックと校正
機器の校正ステータスの確認
機器の信号パス補正テストの校正ス テータスが、実行するプローブ校正 ルーチンで "Pass" になる必要があり ます。
1. Utilities メニューの Instrument Cal­ibration を選択します。
2. Calibration ボックスで、Status フィールドが "Pass" になっている ことを確認します。
3. ステータスが pass でない場合は、 オシロスコープからすべてのプ ローブと信号ソースを取り外し て、信号パス補正ルーチンを実行 します。
信号パス補正テストのステータスが "Pass" の場合は、プローブを校正しま す。 (17 ページ 「プローブの校正」 参照)。
16 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
プローブの校正
1. オシロスコープの任意のチャンネ
ル(1-4)にプローブを接続しま す。プローブを 20 分間ウォーム・ アップします。
2. チャンネルが表示されるようにオ
シロスコープを設定します。
3. オシロスコープのプローブ校正
出力コネクタからの BNC ケーブ ルを、TriMode DC 校正ボードの BNC コネクタに接続します。
注: PROBE COMPENSATION 出力
コネクタを使用することもできます。 詳細については、オシロスコープのマ ニュアルまたはオンライン・ヘルプを 参照してください。
4. プローブを TriMode DC 校正ボー
ドのケーブルに接続します。
5. プローブの入力モードを A – B に
設定します。
機能チェックと校正
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 17
機能チェックと校正
6. TriMode DC 校正ボードのスイッチ を、選択した入力モードで表示さ れる位置に設定します。 (表 3 参 照)。
表 3: TriMode DC 校正ボードのスイッチ設定
プローブ入力モード FAST RISE/PROBE CAL GND/SIG
A–B A B (A+B)/2 PROBE CAL SIG
PROBE CAL GND PROBE CAL SIG PROBE CAL SIG
18 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
7. メニュー・バーで、Vertical を選択
して、Probe Cal を選択します。
Probe Setup ダイアログ・ボックスが 表示されます(一部のオシロスコープ では TriMode 自動校正ルーチンをサ ポートしており、以下に示す入力モー ド間で自動的に切り替わります)。
8. Clear ProbeCal を選択してから、
Calibrate Probe を選択します。
プローブ校正ルーチンが実行され、 プローブの両方の減衰設定に対してプ ローブをオシロスコープに最適化しま す。表示される結果はオシロスコープ のモデルによって異なります。
9. TriMode 自動校正ルーチンをサ
ポートしていないオシロスコー プでは、Probe Status ボックスに "Pass" が表示されます。残りの入 力モード設定に対して、手順 5 ~ 8 を繰り返します。
注: Probe Cal ルーチンに失敗した場
合は、プローブ本体の接続部をチェッ クしてください。 (5 ページ 「プローブ 本体へのアクセサリの接続」 参照)。
機能チェックと校正
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 19
機能チェックと校正
10.TriMode 自動校正ルーチンをサポー トしているオシロスコープでは、 校正フィクスチャの SIG/GND ス イッチを切り替えるように画面上 に表示されます。指示に従って残 りの入力モードの校正を完了しま す。
プローブ校正が正常に終了す ると、Probe Status ボックスに "Pass" と表示されます。
注: Probe Cal ルーチンに失敗した場
合は、プローブ本体の接続部をチェッ クしてください。 (5 ページ 「プローブ 本体へのアクセサリの接続」 参照)。
20 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
基本操作
このセクションでは、コントロール・ボックスのプローブ・コントロールの使用とプローブを回路に接 続する手順について詳しく説明します。
減衰設定と入力モード設定
減衰の選択
プローブの ATTEN ボタンで、2 つの公称減衰設定 5X と 12.5X を切り替えます。減衰設定の選択は、プ ローブのダイナミック・レンジとノイズとの兼ね合いによって決定します。プローブのダイナミック・ レンジは、±1% などのように、いくつかの指定されたパーセンテージ内で、プローブが直線になる動 作範囲を示します。プローブ・ノイズは、通常ノイズ・スペクトラムの密度として指定されます。これ は、プローブの帯域幅が広いため、大きくなります。5X 減衰設定によって、ノイズ・パフォーマンスが 最小化されます。12.5X 減衰設定によって、ダイナミック・レンジが最大化されます。実際のプローブ 減衰要因は、インテリジェント TekConnect プローブ・インタフェースを使用して、取り付けられたオシ ロスコープによって自動的に考慮されます。また、オシロスコープは、垂直軸チャンネル・コントロー ルがより大きい垂直スケール・ファクタ設定で変更されると、瞬間的に表示される矢印でプローブ・ダ イナミック・レンジを示します。
測定された信号が指定されたダイナミック・レンジ内にある場合、最高のノイズ・パフォーマンスが提 供されるので、減衰設定には 5X を選択してください。プローブの Offset コントロールを使用すると、 いくつかの信号を使用して、DC バイアスを補正し、表示される信号が指定されたダイナミック・レン ジ内になるようにできます。プローブのダイナミック・レンジ外の信号を測定することも可能ですが、 測定された信号パフォーマンスは、範囲を超えるに従って直線ではなくなります。プローブ信号の制限 がプローブに損傷を与えることはありませんが(最大入力電圧を超えない限り)、測定された応答は入 力信号を正確に表したものではありません。
基本操作
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 21
基本操作
入力モードの選択
Input Mode ボタンによって、内部プローブ入力セレクタが 4 つの入力モード選択間で切り替わります。 この TriMode 機能によって、1 つのはんだ付け接続から差動信号の完全な特性が得られます。
A-B モード。: A-B モードは、差動信号測定を行うのに使用され、従来の差動プローブ機能に相当しま
す。A-B モードは、A 入力信号と B 入力信号間の差を測定するので、プローブの CMRR 性能内での、 両方の入力に共通する DC バイアスなどのあらゆるコモン・モード電圧を除去します。P75PDPM 型な どの P7500 シリーズのプローブ・チップの場合は、TriMode グランド基準がないので、A-B モードが低 ノイズ測定を行う唯一のモードになります。実際に、一部のオシロスコープのモデルでは、接続された チップにグランド基準が含まれていない場合、A–B モードのみが選択できます。また、A-B モードを使っ て、B 入力をローカル回路グランドに接続することによって、P75PDPM 型プローブ・チップと共にシ ングルエンド測定を行うこともできます。
A-GND モード。: A-GND モードは、P75TLRST 型などの TriMode プローブ・チップと共に、プローブ
A 入力シングルエンド測定を行うのに使用されます。P75TLRST 型プローブ・チップには、ローカル回 路グランド用のはんだ接続が含まれます。A-GND モードでは、P7500 シリーズのプローブ入力スイッ チは、このローカル回路グランド基準に関連して、A 入力を測定するように設定されています。A-GND モードの A 入力信号測定は、プローブの A 入力アイソレーション性能内で、B 入力の信号からのカップ リングが最小化されるように設計されています。
A-GND モードには、ローカル回路グランド接続がないので、P75PDPM 型プローブ・チップを使用して 測定することはお勧めしません(また、一部のオシロスコープのモデルでは、P75PDPM 型で A-GND モードを選択できません)。
B-GND モード。: B-GND モードは、P75TLRST 型などの TriMode プローブ・チップと共に、プローブ
B 入力シングルエンド測定を行うのに使用されます。P75TLRST 型プローブ・チップには、ローカル回 路グランド用のはんだ接続が含まれます。B-GND モードでは、P7500 シリーズのプローブ入力スイッ チは、このローカル回路グランド基準に関連して、B 入力を測定するように設定されています。B-GND
22 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
基本操作
モードの B 入力信号測定は、プローブの B 入力分離性能内で、A 入力で示されるあらゆる信号よりカッ プリングが最小化されるように設計されています。B-GND モードには、ローカル回路グランド接続がな いので、P75PDPM 型プローブ・チップを使用して測定することはお勧めしません。B-GND モードは、 P75PDPM 型プローブ・チップと共に使用する場合は動作し続けますが、グランド電圧がコモン・モー ド電流によって異なることがあるため、提供されるプローブ・グランド基準がローカル回路グランドと は異なることがあります。グランド電圧の振幅の差がそれほど大きくない場合は、B-GND モードを使用 して、差動信号測定時に B 入力への信号接続が適切であるかどうかを確認できます。
A-GND モード同様、B-GND モードも、ローカル回路グランド接続がないので、P75PDPM 型プローブ・ チップを使用して測定することはお勧めしません。
(A+B)/2 モード。: (A+B)/2 モードは、差動信号でコモン・モード測定を実行するのに使用されます。
これは、以前はオシロスコープを使用して複数のチャンネルで演算のみを行っていたプローブの新しい 機能です。差動信号の場合、コモン・モード測定は、DC バイアス・レベルおよび A 入力と B 入力間の 非対称の程度を示します。(A+B)/2 モードは、A 入力信号と B 入力信号間の平均を測定し、プローブ の DMRR 性能内で、あらゆるコンプリメンタリ差動信号電圧を排除します。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 23
基本操作
回路基板への接続
プローブを回路に接続するには、P75TLRST 型ロング・リーチ・ソルダ・チップを使用します。プロー ブに付属の P75TLRST 型チップについては、以下で説明します。その他の TriMode ソルダ・チップは、 ハンドヘルド・プロービング・モジュールと同様にオプショナル・アクセサリとして提供されており、 以降のページで説明します。
P75TLRST 型ロング・リーチ・ソ ルダ・チップ
ロング・リーチ・ソルダ・チップは、 マルチポイントはんだ接続からすべて の信号特性が得られるチップです。こ のチップにより TriMode プローブで全 帯域幅測定が可能になります。
はんだ接続は、2 つのコンプリメンタ リ信号(A 信号と B 信号)および回路 からのグランド基準を TriMode プロー ブに渡します。
TriMode プローブの内部電気スイッチ 制御によって、4 つのプローブ入力 モードから 1 つを選択できます。
24 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
TriMode レジスタ・ソルダ・チップ
プローブ用に注文できるオプショナ ル・アクセサリのチップです。この チップにより、はんだチップ基板上で はなく、レジスタ・リードに A およ び B プローブ入力信号のはんだ接続 ポイントが提供されます。
1. 020-2936-XX TriMode レジ スタ・
ソルダ・チップ – <29 ps の立上り 時間を測定します。
2. 020-2944-XX TriMode 拡張 レジス
タ・ソルダ・チップ – <32 ps の立 上り時間を測定します。
このチップ・レジスタは、P75TLRST 型チップ基板よりもはんだ交換に対す る耐性があり、必要に応じて交換でき ます。
チップ基板ではんだ付けグランド接 続を使用する場合に、このチップでは TriMode の全機能を利用できます。
基本操作
注意: TriMode ソルダ・チップはとても小さいので、チップが損傷しないように取り扱いには注意して
ください。このチップの適切な取り扱い方法については、この後のページで説明します。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 25
基本操作
はんだチップ接続の寸法を、参照用に 示します。また、テスト接続が簡単に できるように、回路基盤レイアウトの チップ設置面積を設定することもでき ます。
プローブ・チップを回路に接続するに は、ワイヤ交換キットに含まれるワイ ヤとはんだを使用します。キットには 次が含まれます。
0.004 インチ(0.10 mm)ワイヤ
0.008 インチ(0.20 mm)ワイヤ
SAC305 はんだ(RoHS 準拠)
また、ピンセット、低電力のはんだご て、および先端が尖ったワイヤ・カッ タも必要です。
チップの種類により、回路へのはんだ 付けの手順は異なります。当社Webサ イト(tek.com)でデモ・ビデオを御 覧になれます。
26 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
P75TLRST 型ソルダ・チップの 接続
1. チップを配置する場所を特定し、
はんだ付けして、回路を固定しま す。
注: 長いワイヤ(~ 1 インチ)でも
作業できますが、信号とグランド接続 の最終的なワイヤの長さはできる限り 短くする必要があります。
2. ワイヤを回路基板パッド、トレー
ス、またはその他の導電体に配置 します。(バイアスまたは貫通穴 が近くにある場合、それらにワイ ヤを通すことができます。)
3. ワイヤを回路にはんだ付けしま
す。
注: 適切に仕上がるように、はんだ
付けをする前に、フラックス・ペンを 使って接続部分をきれいにしておいて ください。
基本操作
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 27
基本操作
4. チップ・テープをチップの下部に 接着します。
5. チップを再利用する場合は、ソル ダウィックでチップ・バイアスを きれいにしておいてください。ワ イヤをチップに通します。
6. チップを回路基板に押し込み、す ぐにワイヤをチップにはんだ付け します。最終的なワイヤの長さは できるだけ短くしてください。
7. すべてのはんだ付け部分から余分 なワイヤを取り除きます。
8. プローブをチップに取り付けま す。(極性が合っていることに注 意)。
9. 機械的に固定するには、テープや ホット・ボンドを使用してチップ およびプローブを回路に固定しま す。 (31 ページ 「チップの固定」 参照)。
28 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
TriMode レジスタ・ソルダ・チッ プの接続
次の手順に従って、両方のスタイル のレジスタ・チップを回路に接続しま す。
1. はんだチップ・レジスタ・リード
がテスト・ポイントに届く位置を 選択します。
グランド接続を使用する場合は、 どのはんだチップ・グランドのビ アが回路グランドに最も近いか確 認してください。
2. 回路上のテスト・ポイントにはん
だ付けします。
3. グランドを使用しない場合は、レ
ジスタ・リードを回路にはんだ付 けし、余分なリードを切り取って から、ステップ 11 に進みます。
4. グランド・ワイヤを使用する場合
は、選択したはんだチップ・グラ ンドのビアにはんだ付けします。
基本操作
5. はんだチップのビアの下に約 1 イ
ンチの長さのワイヤを置きます。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 29
基本操作
6. はんだチップのビアを加熱し、ワ イヤを挿入します。
7. はんだチップの反対側の余分なワ イヤを、基盤面と揃えて切断しま す。
8. 回路グランドに届く長さにグラ ンド・ワイヤを切断します。適切 なパフォーマンスを実現するため に、グランド・ワイヤはできるだ け短くしてください。
9. 回路にグランド・ワイヤをはんだ 付けし、余分なワイヤを切り取り ます。
10. 回路上のテスト・ポイントにレジ スタ・リードをはんだ付けし、余 分なワイヤを切り取ります。
30 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
チップの固定
11. プローブ・ヘッドに確実に固定
されるまで、プローブ・ヘッドに チップの端部を差し込みます。
12. 機械的に固定するには、テープや
ホット・ボンドを使用してチップ を回路に固定します。
13. テープまたは面ファスナでプロー
ブを回路基板に固定します。
基本操作
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 31
基本操作
チップ取り扱い上の注意点:
チップをはんだ付けする場合は、次の注意事項に従ってください。
低電力の温度制御装置付きはんだごてと小型のはんだごてチップを使用します。はんだごての温度 は、確実なはんだ付けができる範囲で、できるだけ低温に設定してください。
SAC305 はんだ(ワイヤ交換キットに含まれる)を使って、チップ・ワイヤを被測定回路に取り付 けてください。
相互の間隔を変えるには、取り付けワイヤを左右対称になるように折り曲げます。チップを被測定回 路にはんだ付けする場合は、取り付けワイヤまたはダンピング・レジスタのはんだが取れないよう に注意して行ってください。
最適な性能と信号の整合性を確保するには、DUT(被測定装置)とチップ間のリード線の長さをで きる限り短くし、リード線を同じ長さに揃えます。
注意: プローブやはんだ付けされたリード線が不用意に動いて回路基板や回路基板の接続が損傷しな
いように、アクセサリ・キットに含まれている接着チップ・テープを使用して、チップを回路基板に固 定することをお勧めします。また、Kapton テープやホット・ボンドなどのその他の材料を使うこともで きます。
チップまたは被計測回路への損傷を防ぐために、はんだごてを過熱しすぎないようにしてください。低 電力の温度制御装置付きはんだごてと適切なサイズのはんだごてチップを使用してください。
32 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
P75PDPM 型精密差動プロービング・モジュール(ハンドヘルド)
これはオプションのアクセサリです。 (45 ページ 「オプショナル・アクセサ リ」 参照)。
モジュールの組み立て
1. モジュール・ハウジングを図のよ
うに置きます。
2. プロービング・モジュール・ハン
ドル・アダプタをモジュール・ハ ウジングに差し込みます。
3. ハンドル・アダプタを指で締め
て、固定します。
基本操作
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 33
基本操作
4. プローブをハンドル・アダプタに 挿入します。
5. ケーブルをプローブ本体に取り付 けます。赤い帯が A 入力側になる ように合わせます。
6. 図のようにチャンネルのケーブル を調整できます。前面チャンネル は固定されていますが、後部チャ ンネルは動きます。
34 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
基本操作
調整
1. 止めネジを緩め、チップを回し
て、チップの角度を調整します。 止めネジを締めて、チップを固定 します。
2. 調整ホイールを回して、チップの
スペースを調整します。 プロービング・モジュールには、
チップ間に取り付けるグランド・ スプリングが付属しています。こ のスプリングでは、忠実度が最も 高い信号を機器に渡す必要があり ます。利用できる 2 つのスプリン グ・サイズについては、手順 3 と 4 で説明します。
3. 大きいスプリングは、プローブに
あらかじめ取り付けてあり、チッ プ間のスパンは 0.050 ~ 0.180 イ ンチ(1.27 ~ 4.57 mm)が可能で す。
4. 小さいスプリングでは、チップ間のスパンは 0.030 ~ 0.090 インチ(0.76 ~ 2.28 mm)が可能です。
注: スプリングの交換には専用のツールが必要です。スプリングの交換手順については、テクニカル・
リファレンス・マニュアルを参照してください。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 35
基本操作
部品の取り付け
以下で説明する部品を使用して、プ ロービング・モジュールをさまざまな フィクスチャに取り付け、プロービン グ・アームをカスタマイズできます。
1. P75PDPM 型の後部にあるバレル を、PPM203B 型プローブ・ホル ダの端に合わせます。
2. バレル内部のスレッドは、メート ル単位(M6 x 1)で、Cascade Mi­croTech 製の EZ-Probe Positioner に取り付けます。
3. バレルの下のスロットを、PPM100 型プローブ・ポジショナのタブ に差し込みます。指締めで、モ ジュールをタブに固定します。
4. カスタムマウント・アプリケー ションには、これらのスレッド・ ホール(6-32、8-32、10-32)を使 用します。
36 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
TekConnect インタフェースのない機器へのプローブの接続
80A03 型 TekConnect プ ロ ー ブ ・ インタフェースは、TDS8X00、 CSA8X00、およ び DSA8200 シ リ ー ズ・オシロスコープに接続した Tek­Connect プローブに適合します。
RTPA2A 型 TekConnect プローブ・イ ンタフェースは、Tektronix リアルタ イム・スペクトラム・アナライザに接 続したすべての TekConnect プローブ に適合します。すべての機器のリスト については、RTPA2A 型のマニュアル を参照してください。
注: 80A03 型および RTPA2A 型インタフェースは通過帯域幅が 12 GHz に制限されます。
プローブ操作を適切に行うためには、プローブ・インタフェース・ファームウェアとプローブに互換性 がある必要があります。(56 ページ 「ホスト機器のファームウェア」 参照)。ファームウェア・バージョ ンのラベルは、80A03 型機器の後部パネルにあります。
基本操作
ホスト機器の場合、ファームウェアおよびオペレーティング・システムのアップグレードを必要とする 場合があります。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 37
プローブの使用例
プローブの使用例
P7500 シリーズのプローブの特性を活かして優れた信号忠実度での測定を行うことができる、代表的な 使用例を次に示します。
P7500 シリーズ・プローブおよ びRT-Eyeアプリケーション・ソ フトウェアを使った PCI Express 信号の測定
RT-Eye アプリケーション・ソフト ウェアがインストールされている TDS6000 シリーズまたは TDS7000 シ リーズのリアルタイム・オシロスコー プで P7500 シリーズのプローブを使 用すると、PCI Express 信号の物理層 テストを非常に簡単に高確度で実行で きます。
RT-Eye ソフトウェアは、取得した遷 移ビットと非遷移ビットを分離しま す。また、豊富な測定方法を利用で き、解析した波形レコードの統計も表 示されます。
38 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
アクセサリとオプション
次の交換部品やアクセサリを追加注文できます。追加注文の数量は、プローブに付属していた数量とは 異なることがあります。
スタンダード・アクセサリ
次のアクセサリが、P7500 シリーズ・プローブに同梱されています。数量が一覧に記載されていない場 合、1 アイテムのみが同梱されています。
アクセサリ
追加注文の部品番 号と数量 説明
016-1997-XX
ポーチ、中仕切り付きのナイロン製キャリング・ ケース。このキャリング・ケースには、プローブ とアクセサリを収納するための複数の仕切りがあ ります。
アクセサリとオプション
006-3415-XX
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 39
帯電防止リスト・ストラップ。プローブを使用す る際には、常に帯電防止リスト・ストラップを装 着して帯電防止作業台で作業してください。
アクセサリとオプション
アクセサリ
追加注文の部品番 号と数量 説明
---
校正証明書。すべてのプローブに、トレース可能 な校正の証明書が付属しています。
---
データ校正レポート。データ校正レポートには、 お使いのプローブの出荷時点における製造テスト の結果が一覧で記載されており、このレポートは すべてのプローブに同梱されています。
071-2158-XX (英語)
071-2159-XX (日本語)
クイック・スタート・ユーザ・マニュアル:ユー ザ・マニュアルでは、P7500シリーズTriModeプ ローブの操作を行う手順について説明していま す。
071-2160-XX (簡体字中国語)
40 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
アクセサリ
追加注文の部品番 号と数量 説明
067-1821-xx
TriMode DC 校正フィクスチャ。 このフィクスチャ を使用して、機能チェックとホスト機器と接続し た DC 校正を実行します。
アクセサリとオプション
174-1120-XX
50 Ω SMA-M-SMA-M ケーブル・アセンブリ、8.5 インチ。
機能チェックを行うには、このケーブルを使用し て DC 校正フィクスチャと高速立上り時間出力コ ネクタをホスト機器に接続します。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 41
アクセサリとオプション
アクセサリ
追加注文の部品番 号と数量 説明
012-0208-xx
50 Ω BNC-M-BNC-M ケーブル・アセンブリ、10 インチ。
プローブ校正を行うには、このケーブルを使用し て DC 校正フィクスチャと DC プローブ校正出力 コネクタをホスト機器に接続します。
020-2729-XX
アクセサリ・キット。 このキットには、以下で説 明する各種アクセサリが含まれています。リファ レンス・シートは、クイック・ガイドとして使用 したり、キットのプローブ・アクセサリを追加注 文する際に使用します。
このケースには、注文可能なオプションの P75PDPM 型アクセサリ用のスロットがありま す。
42 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
アクセサリ
追加注文の部品番 号と数量 説明
P75TLRST 型
ロング・リーチ・ソルダ・チップ。 このチップによって、プローブの全帯域幅で Tri-
Mode のすべての測定機能をサポートする、はん だ付けされたマルチポイント接続が可能になりま す。
2 つのチップは、プローブに含まれています。
アクセサリとオプション
006-8237-XX ( 10 片)
接着チップ・テープ。両面接着チップ・テープを 使って、はんだチップ・アセンブリを回路基板に 固定します。
016-0633-XX (5 色ペア・パッ
ク)
カラー・バンド・キット。このキットには、2 組 の 5 色バンドが含まれています。複数のプロー ブを使用する場合にこのバンドを使用すると、プ ローブとそのプローブを接続するチャンネルを視 覚的に一致させることができます。
マーカ・バンドを使用するには、プローブ・ケー ブルの張力緩和モールドにあるくぼみにバンド を取り付けます。コントロール・ボックスで、プ ローブのもう一方の端と同じ色のバンドを使用し てください。
以下メンテナンス用アクセサリ
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 43
アクセサリとオプション
アクセサリ
追加注文の部品番 号と数量 説明
020-2754-XX (3 個のボビン・ パック)
ワイヤ交換キット。 このキットには、SAC305 鉛 フリーはんだ(RoHS 準拠)、4 ミルワイヤ、8 ミ ルワイヤの 3 つのボビンが含まれています。この キットを使用して、ワイヤ・リードをはんだチッ プに追加してください。
013-0359-XX ( 4 パック)
交換用ブレット・コンタクト。信号の完全性を最 適に保つため、プローブ本体のブレットは 200 挿 入ごとに交換してください。
003-1896-XX
ブレット除去ツール。 このツールによって、ブ レット・コンタクトを安全に取り外したり、取り 付けたりできます。
44 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
オプショナル・アクセサリ
オプショナル・アクセサリ 部品番号 説明
020-2936-XX
020-2944-XX
アクセサリとオプション
TriMode レジスタ・ソルダ・チップ・キット。 このチップによって、はんだチップ基板から約 0.2
インチ(5 mm)延長された 100 Ωレジスタではん だ接続ポイントが使用可能になります。このレジ スタは、標準の P75TLRST 型はんだチップよりも はんだ交換に対する耐性があり、はんだが取れた 場合には交換できます。
このチップでは、最低 <29 ps まで立上り時間を測 定できます。
交換レジスタ・キットが入手可能です。以下を参 照してください。
TriMode 拡張レジスタ・ソルダ・チップ・キット。 このチップによって、はんだチップ基板から約 0.6
インチ(15 mm)延長された 100 Ωレジスタでは んだ接続ポイントが使用可能になります。このレ ジスタは、標準の P75TLRST 型はんだチップより もはんだ交換に対する耐性があり、はんだが取れ た場合には交換できます。
このチップでは、最低 <32 ps まで立上り時間を測 定できます。
交換レジスタ・キットが入手可能です。以下を参 照してください。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 45
アクセサリとオプション
オプショナル・アクセサリ 部品番号 説明
020-2937-XX
TriMode ソルダ・チップ用交換レジスタ・キット。 キットの内容は次のとおりです。
100 Ωリード付きレジスタ、50 個
75 Ω、表面実装、0402 レジスタ、50 個
非導電性チューブ、50 個
P75PDPM 型
プロービング・モジュール・キット。 このキットによって、はんだ付けされた接続を使
用することなく、回路で複数のテスト・ポイント にアクセスできます。
このキットには、以下の「P75PDPM 型キットの内 容物」に記載されている部品が含まれています。 その中のいくつかは、個別に注文が可能です。
46 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
P75PDPM 型キットの内容 物 部品番号 説明
P75PDPM 型 キ ッ トを注文する
プロービング・モジュール。 プロービング・モジュールには、P7500 シリーズ
のチップ・ケーブルと、プローブに接続できるよ うにチップ・ペアにあらかじめ取り付けてある大 型グランド・スプリングが含まれています。プロー ビング・モジュールを注文する場合は、P75PDPM 型キットを注文してください。
アクセサリとオプション
P75TC 型
P7500 チップ・ケーブル。 このケーブルは、プ ローブとプロービング・モジュール・チップを 接続します。プロービング・モジュール・キット を注文すると、このケーブルがプロービング・モ ジュールにあらかじめ取り付けられた状態で梱包 されています。ケーブルだけを注文する場合は、 P75TC 型を注文してください。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 47
アクセサリとオプション
P75PDPM 型キットの内容 物 部品番号 説明
P75PMT 型
367-0545-XX
プロービング・モジュール交換チップ(ペア)。
プロービング・モジュール・キットを注文する
と、プロービング・モジュールのチップ基盤が 2 セット同梱されてきます。1 つのセットはプロー ビング・モジュールにあらかじめ取り付けられて います。交換チップ(左と右)は、ペアになって いるので、取り付ける際は 1 つずつにする必要 があります。交換チップだけを注文する場合は、 P75PMT 型を注文してください。
プロービング・モジュール・ハンドル・アダプタ。 ハンドル・アダプタは、プローブ本体をハンドヘ
ルド・プロービング・モジュールに接続します。
48 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
P75PDPM 型キットの内容 物 部品番号 説明
016-1998-XX ( 4 パック)
グランド・スプリング・キット、L サイズ。 ハンドヘルド・プロービング・モジュールでは、
2 つの入力チップの端をグランド接続するのに、 スプリングを必要とします。チップ間に必要なス パン 0.050 ~ 0.180 インチ(1.27 ~ 4.57 mm)の 場合は、汎用表示用の L サイズのグランド・スプ リングを使用してください。
アクセサリとオプション
016-1999-XX ( 4 パック)
グランド・スプリング・キット、S サイズ。 プロービング高密度回路で、狭い場所に複数のプ
ローブを設置する場合は、S サイズのグランド・ スプリングを使用してください。S サイズのスプ リングを使ったチップ間の距離は、0.030 ~ 0.090 インチ(0.76 ~ 2.28 mm)になります。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 49
アクセサリとオプション
P75PDPM 型キットの内容 物 部品番号 説明
003-1900-XX
003-1897-XX
グランド・スプリング・ツール。
このツールによって、スプリングの取り付けと
取り外しが簡単に行えます。ツールの端をプロー ブ・チップ間に取り付けられた 2 つのスプリング に合わせます。ツール中央のタブは、スプリング 交換時にチップのスパンを最適な幅に設定するの に使用します。
コネクタ・セパレータ・ツール。
このツール を 使 用して、P7500 シリー ズ の チッ
プ・ケーブルをプロービング・モジュール・チッ プから取り外します。このツールを使用すると、 余計な力を加えずに取り外すことができるので、 コネクタとチップを損傷せずにすみます。
50 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
オプショナル・アクセサリ 部品番号 説明
067-1586-xx
デスキュー・フィクスチャ。 このフィクスチャを 使って、プローブと測定システムに接続している その他のプローブの時間を調整できます。
アクセサリとオプション
PPM203B 型
PPM203B 型プロービング・アーム。 この高確度 なプロービング・アームは、3 軸すべてに対する 微調整用のコントロールを備えています。この アームは、ピッチの細かいデバイスや相互配線を 使用しているプロービング回路基板、ハイブリッ ド、および MCM(マルチチップ・モジュール) 用に設計されています。このプロービング・アー ムを使用すると、測定を行う際にプローブを固定 して支えることができます。PPM203B 型プロー ビング・アームにプローブを取り付ける場合は、 プローブ・アーム・アダプタを使用します。
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 51
アクセサリとオプション
オプショナル・アクセサリ 部品番号 説明
PPM100 型
PPM100 型プロービング・アーム。 この柔軟な アームを持つ汎用の作業台プローブ・ホルダは、 ハンズフリー・プロービングと位置の微調整を行 うために設計されています。さまざまな状態でプ ローブ・アームを固定する場合は、重量のある台 座をクランプに交換できます。
52 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
オプショナル・アクセサリ 部品番号 説明
80A03 型
80A03 型 TekConnect プローブ・インタフェース・ モジュール。このモジュールを 80E0X 型サンプリ ング・モジュールと共に使用して、TekConnect プ ローブを CSA8200 および TDS8200 シリーズ・サ ンプリング・オシロスコープに適応させることが できます。
注: 80A03 型インタフェースは通過帯域幅が 12
GHz に制限されます。
このインタフェースは、1 つの 80E0X 型電気サン プリング・モジュールおよび 2 つの TekConnect プローブ入力に対して 1 つの区画を備えた 1 つの エンクロージャで構成されています。このインタ フェースは、前面パネルの SMA コネクタを通し てプローブの信号出力を送ります。少し剛性を持 つ SMA ケーブルで、プローブの出力を 80E0X 型 モジュールの入力に接続します。
注: P7500 シリーズ・プローブの機能をすべて
使用するためには、80A03 型アダプタ・ファーム ウェアのバージョンが 2.3 以降である必要があり ます。
アクセサリとオプション
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 53
アクセサリとオプション
オプショナル・アクセサリ 部品番号 説明
オプション
オプション CA1。 単一の校正作業または指定された校正間隔での作業のいずれか先に発生したサービ スが提供されます。
オプション C3。 3 年間の校正サービス
オプション C5。 5 年間の校正サービス
オプション D1。 校正データレポート、スタンダード・プローブ付属
オプション D3。 3 年間の校正データ・レポート(オプション C3 付き)
オプション D5。 5 年間の校正データ・レポート(オプション C5 付き)
オプション R3。 3 年間の修理サービス
RTPA2A 型
RTPA2A 型 TekConnect プローブ・アダプタ。 こ のアダプタによって、TekConnect プローブをリア ル・タイム・スペクトラム・アナライザに接続で きます。
注: RTPA2A 型インタフェースは通過帯域幅が
12 GHz に制限されます。
P7500 シリーズ・プローブの機能をすべて使用す るためには、RTPA2A 型アダプタ・ファームウェ アのバージョンが 2.3 以降である必要があります。
54 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
オプション R5。 5 年間の修理サービス
オプション L0。 ユーザ・マニュアル(英語)
オプション L5。 ユーザ・マニュアル(日本語)
オプション L7。 ユーザ・マニュアル(簡体字中国語)
-R1PW。 修理サービス保証:1 年間
-R2PW。 修理サービス保証:2 年間
-R3PW。 修理サービス保証:3 年間(製品保証期間を含む)、購入時からの 3 年間
-R5PW。 修理サービス保証:5 年間(製品保証期間を含む)、購入時からの 5 年間
アクセサリとオプション
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 55
保守
保守
このセクションでは、プローブの保守およびサポート情報について説明します。
ホスト機器のファームウェア
機器によっては、P7500 シリーズ・プローブの全機能を使用できるようにするには、ファームウェアの アップグレードを必要とする場合があります。ファームウェアのバージョンが古い機器の場合、画面に プローブ・コントロールとインジケータの一部が表示されないことがあります。また、機器を通常の操 作状態に戻すために、電源を入れなおす必要がある場合があります。
次の表は、現在 P7500 シリーズ・プローブをサポートする機器の一部に関して、機器に必要なファーム ウェアのバージョンを一覧にしたものです。
機器 ファームウェアのバージョン
TDS6000B シリーズ・オシロスコープ TDS6000C シリーズ・オシロスコープ TDS7000B シリーズ・オシロスコープ DPO/DSA72000 シリーズ・オシロスコープ 80A03 型 TekConnect プローブ・アダプタ RTPA2A TekConnect プローブ・アダプタ
1
P7500 シリーズ・プローブは TDS7000B シリーズで動作しますが、プローブ校正はサポートされていません。
V 5.1.3 以降 V 5.1.7 以降
1
V 5.1.3 以降 V3.0以降 V2.3以降 V2.3以降
56 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
Windows ベースの機器でファームウェアのバージョンを確認するには、メニュー・バーから Help、About TekScop の順にクリックします。Linux ベースの機器では、前面パネルの Utilities ボタンを押します。機 器のファームウェアをアップグレードする必要がある場合は、www.tektronix.com/software にアクセスし て、最新のファームウェアをダウンロードしてください。
エラー状態
LED インジケータ
プローブの接続後もレンジまたは TriMode LED の 1 つが点灯している場合、内部プローブ診断でエラー が発生しています。プローブを取り外して再度接続し、パワーオン診断の手順を再実行してください。 この状況が改善されない場合は、プローブに欠陥があるため、当社サービス受付センターに返送して修 理する必要があります。
信号表示
プローブがアクティブな信号ソースに接続されているのに、オシロスコープに信号表示が表示されない 場合は、以下を実行してください。
回路上のプローブ・チップ接続部をチェックします。 (24 ページ 「回路基板への接続」 参照)。
プローブ本体のプローブ・チップ接続部をチェックします。 (5 ページ 「プローブ本体へのアクセサ リの接続」 参照)。
保守
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 57
保守
プローブ付属の TriMode 校正基板を使用して、機能チェックを実行します。 (10 ページ 「機能チェッ ク」 参照)。
ブレット・コンタクトが存在し、プローブ本体に損傷がないことをチェックします。 (62 ページ 「ブ レットとコネクタの検査」 参照)。
入力モードの選択
A-B 以外の入力モードを選択できず、回路グランド接続がない TriMode チップ(P75PDPM 型ハンドヘル ド・モジュールなど)を使用している場合は、これが通常の動作です。その他の入力モードは回路グラ ンドを基準にし、回路グランド接続がある TriMode チップが選択されている場合のみ有効となります。
回路グランド接続がある TriMode チップ(P75TLRST 型など)を使用しているが、A-B 以外の入力モー ドを選択できない場合は、オシロスコープの Probe Setup 画面をチェックします。不適切なプローブ・ チップが選択されている可能性があります。Probe Setup 画面にアクセスするには、メニュー・バーで Vertical/Probe Cal を選択します。
58 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
保守
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 59
保守
ユーザが交換できる部品
このセクションでは、通常の使用によって交換が必要になるプローブ・コンポーネントについて説明し ます。
ブレット・コンタクト
プローブ本体アセンブリの入力ソケッ トは、交換できるブレット・コンタク トで保護されています(交換できるブ レットはアクセサリ・キットに含まれ ています)。
ブレット・コンタクトは、アクセサ リ・チップの取り付けと取り外しの繰 り返しによって、入力ソケットが磨耗 しないようにしています。
ブレット・ツールは、プローブに付属 しており、プローブ本体アセンブリの ブレット・コンタクトを交換するため に使用されます。
注意: プローブ・ハウジングが磨耗するのを防ぐため、プローブ本体アセンブリからのブレットの取り
付けと取り外しには必ずブレット・ツールを使用してください。プローブへの損傷を防ぐため、アクセ サリをプローブ本体に接続する前に、必ずこのコンタクトがプローブ本体部分のみに配置されているこ とを確認してください。
60 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
ブレットの取り外し
取り外しツールを使用してブレットを 取り外す場合は、次の手順に従ってく ださい。
1. ツール・プランジャをつまんで、 ホルダの突起部を伸ばします。
2. ホルダの突起部がブレットの 1 つ を囲むように、ツールをプローブ 本体に挿入します。
3. プランジャを開放し、ホルダの突 起部をブレットに固定します。
4. ゆっくりとツールを外側にひっぱ り、ブレットを取り外します。
5. ほかのブレットに対しても同じよ うに繰り返します。
注: 使用済みブレットは、誤って再
使用することのないよう、破棄してく ださい。
保守
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 61
保守
ブレットとコネクタの検査
マイクロスコープを使って、ブレット とコネクタを詳細に検査します。図を 参考にして、コンタクトが磨耗してい たり、破損していないことを確認しま す。交換する場合は必ずペアで行って ください。
1. 正常な状態
2. グランド・コンタクトが欠けて いるか、曲がっている(外側の導 体)
3. 信号コンタクトが欠けているか、 曲がっている(内側の導体)
4. 内部コンタクトが外側の導体に対 してずれている
62 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
ブレットの取り付け
1. ツール・プランジャをつまんで、
ホルダの突起部を伸ばします。
2. ホルダの突起部がブレットを囲む
ように、新しいブレットをツール に挿入します。
3. プランジャを開放し、ホルダの突
起部をブレットに固定します。
4. ツールをプローブ本体に挿入し、
ブレットをくぼみに固定します。
5. ツール・プランジャをつまんで、
ブレットを開放します。
6. ツールをプローブ本体からそっと
引き出します。
7. ほかのブレットに対しても同じよ
うに繰り返します。
8. プローブ本体でプローブ・チップ
を接続して、再度取り外します。 プローブ本体でブレットが保持さ れることを確認します。
保守
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 63
保守
TriMode ソルダ・チップ・レジス タの交換
チップにあらかじめはんだ付けされ ているレジスタは、使用中に折れて しまうことがあります。交換レジス タ・キットが入手可能です。(45 ペー ジ 「オプショナル・アクセサリ」 参 照)。レジスタを交換するには、次の 手順を実行します。
1. チップ基板のビアにはんだごてを 慎重に当て、レジスタ・リードを 取り外します。低温のはんだごて で素早く作業します。
ワイヤの切れ端がビア内に残っている 場合は、はんだを加熱し、別のワイヤ を使用して、ビアから切れ端を押し出 します。
2. 必要に応じて、ビアにはんだを付 けなおします。
3. 交換レジスタの一方のリードを長 いチップに対して約 0.6 インチ(15 mm)に切断し、短いチップに対し て約 0.2 インチ(5 mm)に切断し ます。
64 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
4. 拡張レジスタ・チップでレジス
タを交換する場合は、レジスタ・ キットに付属するチューブをリー ドに装着します。これにより、レ ジスタ・リードが絶縁されます。
5. ビア内ではんだを加熱し、ビアに
レジスタ・リードを挿入します。 拡張レジスタ・チップでレジスタ
を交換する場合は、絶縁チューブ がチップ基板と接触するまで挿入 します。
(短い)レジスタ・チップでレジ スタを交換する場合は、レジスタ 本体がチップ基板に接触するくら いまで挿入します。
6. 基板下部で余分なリードを切断し
ます。
7. 残りのレジスタ・リードを 0.1 イ
ンチ(2.5 mm)に切断します。
保守
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 65
保守
プローブの取り扱い
このプローブは精密な高周波デバイスです。プローブを使用および保管する際は注意してください。プ ローブとケーブルは慎重に取り扱わないと損傷する可能性があります。常にコントロール・ボックスと プローブ本体を使用してプローブを取り扱ってください。プローブのケーブルをねじったり、折り曲げ たり、引っ張ることによって、過度な物理的変形を加えないでください。ケーブルに目に見えるような へこみがあると、信号アベレーションが増加します。
注意: プローブが損傷するのを防ぐために、プローブを取り扱うときは常に静電気防止措置が施された
作業台に接続された帯電防止リスト・ストラップを着用してください。プローブ入力には、静電気の放 電を含む高電圧との接触により、損傷する可能性のある電子部品が含まれています。
プローブを取り扱う場合は、次のことに注意してください。また、次のことは避けてください。
プローブを落としたり、物理的な衝撃を与えること
プローブを厳しい気候条件に置くこと
プローブ・ケーブルをねじったり、2 インチ以下で束ねること
チップのはんだ付けで、加熱しすぎたり、長時間使用すること
尖ったチップで怪我をしないようにご注意ください。
66 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
プローブの清掃
注意: スプレーや液体、溶剤に接触させないでください。プローブが損傷する可能性があります。外面
を清掃しているときにプローブ内部が湿らないようにしてください。
化学薬品の洗浄剤を使用しないでください。プローブを損傷する恐れがあります。ベンジン、ベンゼン、 トルエン、キシレン、アセトンまたはこれに類似する溶剤を含有する化学薬品を使用しないでください。
プローブの外部表面の清掃には、乾いた柔らかい布か柔らかい毛ブラシを使用してください。汚れが落 ちない場合は、75% のイソプロピル・アルコール溶剤をしみこませた柔らかい布または綿棒を使用し、 純水で拭きとってください。綿棒はプローブの狭い場所の清掃に便利です。綿棒または布は十分な溶液 で湿らせて使用してください。研磨剤は、プローブのどの部分にも使用しないでください。
修理のためのプローブの返送
プローブの修理が必要な場合は、プローブを当社サービス受付センターに返送してください。元の梱包 資材が使用に適していないか使用できない場合は、次の梱包のガイドラインに従ってください。
保守
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 67
保守
輸送の準備
1. 内径がプローブの寸法より少なく とも 1 インチ(2.5cm)大きい、ダ ンボールの輸送用カートンを用意 します。この箱は少なくとも 200 ポンド(90kg)のカートン・テス ト強度を持っている必要がありま す。
2. プローブを湿気から防ぐために、 静電気防止用の袋または包装材に 収めます。
3. 包装資材に入ったプローブをカー トンに収め、軽い梱包資材を使用 して固定します。
4. 輸送用テープを使用してカートン を密閉します。
5. 送付先の住所については、このマ ニュアルの開始ページに記載され ている「Tektronix 連絡先」を参照 してください。
68 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
索引
索引
ENGLISH TERMS
Input Mode, 8, 22, 58 Probe コントロール
Atten ボタンと LED, 7, 21 Input Mode ボタンと
LED, 8, 9, 22
TriMode 測定, 9
TriMode ソルダ・チップ
拡張レジスタ, 25, 45 レジスタ, 25, 45 レジスタの交換, 64
アクセサリ
オプショナル, 45 標準, 39
安全にご使用いただくため
に, iii
エラー状態
Input Mode, 58 Range & TriMode LED, 57
信号表示, 57
オプショナル・アクセサリ, 45 オプション, 54
回路への接続
はんだチップ, 24 ハンドヘルド・モジュー
ル, 33, 34
関連マニュアル, ix
機器への接続
TekConnect インタフェー
スとの, 3
TekConnect インタフェー
スなし, 37
機能チェック, 10
交換できる部品
はんだチップ・レジス
タ, 64
ブレット・コンタクト, 60
校正
TriMode, 15 機器のステータスのチェッ
ク, 15 機器を起動する, 20 プローブ, 15
コントロールとインジケータ
Atten ボタンと LED, 7 Input Mode ボタンと
LED, 8 TriMode, 9 起動時シーケンス, 4
スタンダード・アクセサリ, 39
接続
P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル 69
索引
プローブ本体へのチップ・
ケーブル, 5
調整, 35
動作条件, 2 ドキュメンテーション, 40 取り付け, 3
入力チップ, 24, 26
はんだチップ
接続, 27
も参照
(tek.com)
はんだチップ・レジスタ, 46
デモ・ビデオ
ファームウェア, 56 ブレット・コンタクト, 60
検査, 62 取り付け, 63 取り外し, 61
プローブ
校正, 17
使用例, 38 清掃, 67
取り扱い, 66 プローブの清掃, 67 プローブの取り扱い, 66 プローブの返品, 67
保守, 56 ホスト機器のファームウェ
ア, 56
マニュアル, ix
70 P7500 シリーズ TriMode プローブ・クイック・スタート・ユーザ・マニュアル
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