Steinberger Cubase 4 Operation Manual

オペレーションマニュアル
Cristina Bachmann, Heiko Bischoff, Marion Bröer, Sabine Pfeifer
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目 次
パート I:詳細マニュアル
13
マニュアルについて
14
ようこそ!
15
VST の接続:入出力バスの設定
16
この章について
16
バスのセットアップ
19
バスを使用する
22
グループ/FXチャンネルの設定
22
モニタリングについて
22
外部インストゥルメント/エフェクト(Cubaseのみ)
27
プロジェクトウィンドウ
28
背景
30
ウィンドウについて
38
操作について
62
オプション
65
プレイバックとトランスポートパネル
66
背景
67
操作について
70
オプションと設定
73
レコーディング
74
背景
74
基本的なレコーディング方法
77
オーディオレコーディングについて
87
MIDIレコーディングについて
93
オプションと設定内容
95
システムクラッシュ後のオーディオレコーディング復帰
97
フェード、クロスフェードとエンベロープ
98
オーディオのフェードを生成する
100
"フェード(Fade)" ダイアログ
101
クロスフェードを生成する
102
"クロスフェード(Crossfade)"ダイアログ
103
オートフェードとクロスフェード
105
イベントエンベロープ
107
アレンジャトラック
108
はじめに
108
アレンジャトラックの設定
109
アレンジャイベントの取り扱い
111
アレンジャチェーンにしたがって再構成を行う
113
ライブモード
114
ビデオに合わせて音楽をアレンジする
115
フォルダトラック
116
フォルダトラックについて
116
フォルダトラックの取り扱い
117
フォルダパートの取り扱い
119
マーカーの使い方
120
マーカーの使い方
120
マーカーウィンドウ
121
マーカートラック の使い方
123
マーカーのキーコマンド
124
プロジェクトブラウザでマーカーを編集する
125
移調機能
126
はじめに
126
楽曲を移調する
129
その他の機能
133
ミキサー
134
はじめに
134
オーバービュー
136
ミキサーの構成
141
オーディオチャンネルストリップ
142
MIDIチャンネルストリップ
142
コモンパネル
143
インプット/ アウトプットチャンネル
143
ミキシングの基本的な手順
147
オーディオチャンネルの基本的な手順
155
MIDIチャンネルの基本的な手順
156
実践的な手順
160
VST ミキサー - 回路ダイアグラム
163
コントロールルームについて(Cubase のみ)
164
背景
165
コントロールルームの構成
168
コントロールルーム・オーバービュー
168
コントロールルーム・ミキサー
170
コントロールルームの操作
175
スタジオとスタジオセンド
178
ダイレクトモニタリングとレイテンシー
4
目次
179
オーディオエフェクト
180
はじめに
180
背景
182
インサートエフェクト
187
センドエフェクト
192
サイドチェーンインプットを使用する
193
外部エフェクトの使用(Cubaseのみ)
194
エフェクトの設定
194
エフェクトプリセット
197
エフェクトプラグインのインストールと管理
201
VST インストゥルメントとインストゥルメントトラック
202
はじめに
202
インストゥルメント・チャンネルかインストゥルメント・ トラックのどちらを使用すべきか?
202
インストゥルメントチャンネル
204
インストゥルメント・トラック
207
比較
207
オートメーションに関する考察
208
今の作業に必要なものは?インストゥルメント・チャン ネル vs. インストゥルメント・トラック
208
インストゥルメントフリーズ
209
VSTインストゥルメントとプロセッサーの負荷
210
VSTi 構成にプリセットを適用
213
レイテンシーについて
214
外部インストゥルメント(Cubase のみ)
215
サラウンドサウンド(Cubase のみ)
216
背景
218
操作
225
オートメーション
226
背景
227
オートメーション化できるパラメーター
228
オートメーショントラックの操作
231
オートメーションの書込み/読込み機能の使い方
234
オートメーションカーブの操作
237
ヒントと一般的な使用方法
237
オプションと設定内容
239
オーディオプロセッシングとその機能
240
背景
240
オーディオプロセッシング
249
プラグインを適用する(Cubase のみ)
250
"オフラインプロセッシング履歴(Offline Process History)"ダイアログ
251
"プロセッシング結果を固定(Freeze Edits)"
253
"無音部分の検出(Detect Silence)"
254
"周波数スペクトルアナライザ(Spectrum Analyzer)"
(Cubaseのみ)
256
"数値属性の検出(Statistics)"(Cubaseのみ)
257
サンプルエディタ
258
背景
258
ウィンドウについて
263
操作について
269
オプションと設定内容
270
リアルタイムプロセッシング「オーディオ・ワープ」/オー ディオをプロジェクトのテンポにマッチさせる
276
ヒットポイントとスライスを使った作業
284
フリーワープ
287
オーディオイベントのリアルタイムピッチシフト
287
リアルタイムプロセッシングを展開する
289
オーディオパートエディタ
290
背景
290
オーディオパートエディタを開く
290
ウィンドウについて
292
操作
293
一般的な操作
294
オプションと設定内容
295
プール
296
背景
297
ウィンドウのオーバービュー
299
操作について
311
サウンドフレーム
312
はじめに
315
メディアベイ
316
はじめに
317
ウィンドウの概観
318
メディア・ファイルをブラウズ
320
ビューアー・セクションでファイルを検索
324
スコープ・セクションでファイルを試聴
325
タグ・エディタ(Cubaseのみ)
327
メディアを管理する
5
目次
329
トラック・プリセット
330
はじめに
330
トラック・プリセットの種類
332
VSTプリセット
333
プリセットをブラウズ
335
トラック・プリセットの作成
335
トラック・プリセットまたは VSTプリセットからトラック を作成
336
トラック・プリセットを適用
338
トラック・プリセットと VSTプリセットのプレビュー
339
トラック・プリセットのインサートと EQ設定を適用
341
トラックのクイックコントロール
342
はじめに
342
クイックコントロールタブをセットアップ
343
クイックコントロールのヒント
344
外部リモートコントローラーをクイックコントロールに アサイン
345
MIDI リアルタイム・パラメーターと MIDI エフェクト
346
はじめに
346
インスペクター - 一般的な操作
347
基本的なトラックの設定
349
"MIDIモディファイア(MIDIModifiers)"
351
MIDIエフェクト
353
プラグインの管理
355
MIDI の各種機能とクオンタイズ
356
はじめに
356
クオンタイズの各機能
361
行った設定を実際のMIDIイベントに反映させる
363
"パートを分解(Dissolve Part)"
364
"出力ノートの変換(O-Note Conversion)"
364
"独立ループをパートに適用(Repeat Loop)"
364
MIDIの他の機能
369
MIDI エディタ
370
MIDIエディタについて
370
MIDIエディタを開く
372
キー・エディタ - 概要
375
キー・エディタの操作
389
"インプレイス編集(Edit In-Place)"
391
ドラム・エディタ - 概要
392
ドラム・エディタの操作
394
ドラム・マップの使用
398
ドラム・サウンド名称リストを使用する
399
リスト・エディタ - 概要
400
リスト・エディタの操作について
401
イベント・ディスプレイで編集する
405
ロジカル・エディタ、トランスフォーマー、 インプット・トランスフォーマー
406
はじめに
406
ロジカル・エディタを開く
407
ウィンドウの概観
407
プリセットを選択する
407
フィルタリング条件を設定する
413
機能を選択する
414
動作を指定する
416
定義したタスクを適用する
416
プリセットを使うには
417
"インプットトランスフォーマ−(Input Transformer)"機 能について
419
プロジェクトのロジカルエディタ
420
はじめに
420
プロジェクトのロジカルエディタの操作
420
ウィンドウの概観
421
プリセットを選択
421
フィルター条件をセットアップする
427
機能の選択
427
アクション(変更操作)を指定する
428
定義されたアクションを実行する
429
プリセットの取扱い
431
システムエクスクルーシブ
432
はじめに
432
バルクダンプ
433
SysExパラメーター・チェンジのレコーディング
434
システムエクスクルーシブ・メッセージを編集する
435
テンポ・トラック・エディタ
436
背景
436
テンポ・トラック・エディタ - 概観
438
操作について
441
"テンポ処理(Process Tempo)"(Cubaseのみ)
441
"小節のテンポ処理(Process Bars)"ダイアログ(Cubaseの み)
6
目次
442
オプションと設定内容
442
"テンポの計算(Beat Calculator)"
443
"タップテンポ情報とマージ(Merge Tempo From Tapping)"
444
タイムワープ・ツール
451
プロジェクト・ブラウザ
452
ウィンドウについて
453
トラックの編集
459
オーディオ・ミックスダウンのファイル書き出し
460
はじめに
460
オーディオ・ミックスダウンのファイルを作成する
462
対応ファイル・フォーマット
469
同期
470
背景
470
同期信号の種類
471
トランスポートの同期 vs. オーディオの同期
472
基本設定と接続
473
同期の設定
477
マシン・コントロール
479
同期オプション
479
480
準備
482
VST System Linkをアクティブにする
486
応用例
505
オプションと設定内容
506
ライブラリを利用する(Cubaseのみ)
506
"最後に保存した状態に戻す(Revert)"
506
オーディオの読み込みについて
509
OMFファイルの読み込みと書き出し(Cubaseのみ)
511
スタンダード MIDIファイルの読み込み/書き出し
513
MIDI ループの書き出しと読み込み
513
トラックの書き出しと読み込み(Cubase のみ)
515
その他の読み込み/書き出しに関して
515
"ファイルの整理(Cleanup)"
517
カスタマイズについて
518
背景
518
ワークスペース
520
セットアップ・ダイアログ
521
トラック・コントロールのカスタマイズ
522
初期設定のプリセットについて(Cubaseのみ)
523
外観について
524
トラック/イベントカラーの適用
527
設定の保存場所について
529
キーコマンド
530
はじめに
530
キーコマンドのセットアップ
534
ツール拡張キーを設定する
534
デフォルトのキーコマンド
489
ビデオ
490
背景
490
作業の前に
491
操作について
497
ReWire
498
はじめに
498
起動と停止について
499
ReWireチャンネルの起動
499
トランスポートとテンポツマミの使い方
500
CubaseのR eWireチャンネルの操作方法
500
ReWire2でMIDIのルーティングを行う方法
500
注意事項と制限について
501
ファイルの扱い方
502
プロジェクト・ファイルの取扱いについて
7
目次
パート II:スコアマニュアル
541
スコアエディタの原理
542
ここで学ぶこと
542
ようこそ!
542
スコアエディタでのデータ処理の仕組み
542
MIDIノート vs スコアノート
543
表示用クオンタイズ機能
545
手動音符入力と音符のレコーディング
547
基本的な使用方法
548
ここで学ぶこと
548
準備
548
スコアエディタを開く
548
プロジェクトカーソル
549
ページモード
550
拡大率の変更
550
アクティブな譜表
550
印刷およびページ設定
551
作業環境の設計
553
スコアエディタのコンテキストメニュー
553
スコアエディタのダイアログ
553
調号、音部記号、拍子記号の設定
558
移調楽器の譜表
558
作業の順序
559
画面表示を更新
561
MIDI レコーディングをスコアに
562
ここで学ぶこと
562
スコア化について
562
パートの準備
562
ヒント:スコア作成のためのパートの準備
563
譜表設定
563
"構成(Main)"タブ
566
"オプション(Options)"タブ
567
"ポリフォニック(Polyphonic)"ページ
567
"タブ譜(Tablature)"ページ
567
特別なテクニックを必要とする状況
568
表示用クオンタイズの変更を挿入
569
ヒント:表示用クオンタイズの追加
569
"声部の振り分け(Explode)"
570
"スコア上の音符情報を MIDIに適用(Scores Notes To MIDI)"
571
音符の入力と編集
572
ここで学ぶこと
572
"スコア設定(Score Settings)"
573
音価と位置
575
音符の追加と編集
577
音符の選択
578
音符の移動
579
音符を複製する
580
切り取り、コピー、貼り付け
580
個々の音符のピッチを編集
581
音符の長さを変更
582
音符を2つに分割
582
表示用クオンタイズツールを使って作業する
582
分割(ピアノ)譜表
583
ヒント:総譜表
584
音部記号、調号、拍子記号の挿入と編集
585
音符の削除
587
譜表設定
588
ここで学ぶこと
588
譜表の設定
588
譜表の設定方法
589
譜表プリセットの使い方
589
譜表の名称
590
調号と音部記号
590
"表示用クオンタイズ(Display Quantize)"と" 音符の解釈
(Interpretation Options)"
591
"移調表示(Display Transpose)"
591
"オプション(Options)"ページ
592
"ポリフォニック(Polyphonic)"ページ、"タブ譜
(Tablature)"ページ
593
多声部化機能
594
ここで学ぶこと
594
はじめに:多声部化(ポリフォニック化)機能とは
595
多声部化の設定
596
ヒント:いくつの声部が必要ですか ?
597
声部への音符入力
597
音符がどの声部に属しているのかを確認
597
声部間の音符の移動
599
休符の処理
599
声部と表示用クオンタイズ
600
交差する声部の作成
8
目次
601
自動多声部化機能 - "譜表を別トラックにマージ(Merge All Staves)"
601
"声部を個別トラックに分割(Extract Voices)"
603
音符と休符の追加的処理
604
ここで学ぶこと
604
はじめに:符尾について
604
符尾の向きの設定
605
符尾の長さの設定
606
臨時記号と異名同音変換
607
符頭形状の変更
607
音符情報の詳細
608
音符のカラー表示について
609
音符間での設定のコピー
609
連桁の処理
613
タイで連結された音符について
615
音符の表示上の移動
615
キューノート
616
装飾音符
617
連符
619
記号の処理
620
ここで学ぶこと
620
背景: 複数のレイヤー
621
記号インスペクター
625
重要:記号、譜表、声部
625
スコアに記号を追加
631
記号の選択
632
記号の移動と複製
635
長さ、サイズと形状の変更
636
記号の削除
636
コピーと貼り付け
636
整列
637
記号の詳細
643
コードの処理
644
ここで学ぶこと
644
コード記号
646
全般的なコード設定
647
テキストの処理
648
ここで学ぶこと
648
一般的なテキストの追加と編集
650
様々な種類のテキスト
654
テキスト機能
659
レイアウトの処理
660
ここで学ぶこと
660
はじめに:レイアウト
660
レイアウトの作成
660
レイアウトを開く
661
"レイアウト(Layout)"での設定
662
レイアウトの使用例
662
"マーカートラックから記号を作成(Marker Track to Form)"
663
MusicXML を使用する
664
はじめに
665
MusicXMLファイルのインポートとエクスポート
667
補足:レイアウトの設定とテクニック
668
ここで学ぶこと
668
"レイアウト設定(Layout Settings)"ダイアログ
669
譜表サイズ
669
オブジェクトを隠す/表示する
671
ノートに色をつける
671
長休符
672
縦線の編集
672
弱起の作成
673
1段あたりの小節数
674
縦線(小節線)の移動
675
譜表のドラッグ
676
大括弧(ブラケット、ブレース)の追加
677
"オートレイアウト(Auto Layout)"
678
"レイアウトをリセット(Reset Layout)"
679
縦線の切断
681
ドラム譜の作成
682
ここで学ぶこと
682
はじめに:ドラムマップとスコアエディタ
682
ドラムマップの設定
684
ドラムスコアのための譜表設定
684
音符の入力と編集
684
"単線のドラム譜表(Single Line Drum Staff)"の使用
685
タブ譜の作成
686
ここで学ぶこと
686
タブ譜の自動作成
9
目次
687
タブ譜の手動作成
687
タブ譜上の数字の表示
687
タブ譜の編集
688
符頭の形状
689
スコアと MIDI プレイバック
690
ここで学ぶこと
690
スコアと アレンジャ・モード
690
"スコア情報を MIDIに適用(MIDI Meaning)"機能
691
ダイナミッククレッシェンド記号
693
ページ印刷と画像の保存
694
印刷
694
画像ファイルとして保存
695
トラブルシューティング
696
この章の利用方法
696
音符の追加と編集
697
記号とレイアウト
699
スコア作成のテクニック
700
便利な編集テクニック
701
もっと高速なコンピュータが欲しいと感じる場合
703
索 引
10
目次
パートI:
詳細マニュアル
1

マニュアルについて

ようこそ !

『オペレーション マニュアル』では、全ての特徴、機能を細かく説明し
ています。
プログラムのバージョンについて
本書では Cubase、および Cubase Studio の Windows および Mac OS X 上での使用方法について解説いたします。
記述された手順で使用される機能の内のいくつかは、Cubase バージョ ンでの み有効です。そのような機能 に関しては但し書きが 明記されて
います。 同様に、Windows か Mac(Mac OSX)、どちらか一方のプラットフォー
ムでだ け利用できる機能もあり ます。この場合も見出しに その旨明記 いたします。
本書で特に但し書きがない場合、記載された説明や手順は Windows
と Mac OS X の両プラットホームにおける Cubase と Cubase Studio に当てはまります。
本マニ ュアル で使 用する スクリ ーン・ショ ットは Windows 版の Cubase を使用しています。
キー・コマンドの取り扱い
デフォ ルトで設定されているキ ー・コマンドの多くにはモ ディファイ ヤー・キー が使用されています が、オペレーション・システ ムによっ
て使用 するモディファイヤー・キ ーが異なりますので、ご注 意くださ い。例えば、" 元に戻す(Undo)" のキーコマンドは、Windows 版では
[Ctrl]+[Z]、Mac 版では [Command]+[Z] となります。 本書に おけるモディファイヤ ー・キーを併用するキー・コマ ンドの説
明では、[Windows のモディファイヤー・キー]/[Mac の モディファイ ヤ ー・キー ]+[キ ー] のよう に、Windows 版 でのモ ディフ ァイヤ ー・
キーを先に、続いてMac版のモディファイヤー・キーを後に表記します : 例えば、[Ctrl]/[Command]+[Z] は「Windows 版の場合は [Ctrl] キー、Mac
版の場合は [Command] キーを押してから、[Z] キーを押す」という意 味になります。
同様に、[Alt]/[Option]+[X] は「Windows 版の場合は [Alt] キー、Mac 版 の場合は [Option] キーを押してから、[X]キーを押す」という意味にな
ります。
さらに、本書では右クリックについての記 述もあります(コンテキ
スト・メニューを開く場合など)。Mac 版で、シングル・ボタンのマ ウスを使用している場合は、代わりに [Ctrl] キー + クリックをご使
用ください。
14
マニュアルについて
2

VSTの接続: 入出力バスの設定

この章について

Cubase は、プログラムとオーディオ・デバイスの間でオーディオ信号 をやり 取りするために、入力バス / 出 力バスというシステ ムを使用し
ています。
オーディオ・デバイスの入力に接続された オーディオ信号は、入力 バスを通じてプログラムへと渡されます。オ ーディオのレコーディ
ングを行う場合は、必ず入力バスを使用します。 プログラムからのオーディオ信号は、出力バスを通じてオーディオ・
デバイスへ 渡されます。オ ーディオのプ レイバック を行う場合は、 必ず出力バスを使用します。
以上のように、Cub ase にとって入出力のバスは不可欠な存在です。マ ニュア ルの冒頭にこの章があ るのも、そういった理由に よります。こ
こで一度バス・システムを理解してしまえば、そして適切なセットアッ プを済 ませてしまえば、後はスム ーズにレコーディング、プ レイバッ
ク、ミキシング、サラウンド・オーディオ制作(Cubase のみ)などの 作業を開始することができるでしょう。

バスのセットアップ

バス構成の設計
Cubase は、現実的にはご使用になるオーディオ・デバイスによって制 限があ るものの、ソフトウェア的に はバスを無制限に作成 することが
できま す。サラウンドのフォーマッ トに関してもあらかじ めいくつか 用意しています(Cubase のみ)。Cubase Studio に関してはモノラル、
またはステレオのチャンネル構成だけご使用頂けます。
バスの構成情報はプロジェクトに保存さ れるので、頻繁に使用する
バス構成をテンプレート(503 ページの『" テンプレートとして保存
(Save as Template)"』参照)として保存しておくと便利です。
新規プ ロジェクトをあらかじめ プログラムに含まれる(ま たはご自身 で作成 した)テンプレートからス タートすることで、プロジ ェクトご
とに、バス構成を最初からセットアップする手間が省けます。何種類か 異なる バス構成を使用するよう な場合は、いくつかのテン プレートを
用意す るとよいでしょう。あるい は、バス構成をプリセット として保 存することもできます(19 ページの『その他のバスの取り扱いについ
』を参照)。また、サンプルレートやレコーディングのフォーマット、
基本的 なトラック構成などに関 しても、テンプレートに標 準的な設定 を記憶させることができます。
それで は、実際にどんな種類のバ スを用意すればいいの でしょう?こ れは、お使 いのオーディオ・デバイ スや全体的なオーデ ィオ・システ
ムの構成(例えばサラウンド・スピーカーが設置されているなど)、作 成するプロジェクトなどによって異なります。
1 つ例を挙げてみましょう。 ご使用されているオーディオ・デバイスに、8 つのアナログ入出力と 1
組のステレオ・デジタル入出力(全部で入出力× 10)が備えられてい るとします。さらに5.1サラウンド・システム(サラウンド対応はCubase
のみ)をセット アップしているとし ます。最低限必要なバスは 以下の とおりです。
入力バス
ステレオのオーディオを録音するときには、例外 を除いて、少なく
ても 1 組のステレオ入力バスが必要です。Cubase のステレオ入力バ スをオーディオ・デバイスのアナログ入力(ペア)に 割り当ててく
ださい。端 子に余裕があり、尚且つ別 のアナログ入力からも ステレ オ・ソースを録音したい場合は、ステレオ入力バスを 追加して割り
当ててください。 ステレオ入力の片側からモノラルのトラックを録音 することもでき
ますが、やはり専用のモノ入力バスを使って録音 しましょう。例え ば、マイク・プリアンプ(アナログのモノラル出力)を 接続する場
合は、プリアンプのモノ出力をオーディオ・デバイス のアナログ入 力に接続して、Cubase 内でその入力をモノ入力バスに割り当ててく
ださい。もちろん必要に応じて、複数のモノ入力バス を作成するこ とができます。
CDやMD などデジタル出力を搭載した機器を接続するためのデジタ ルのステレオ入力バスが必要な場合もあるかも しれません。その場
合はオーディオ・デバイスのデジタル・ステレオ(S/PDIF など)入 力端子を入力バスに割り当ててください。
サラウンドのオーディオ・ソース(例えば、5.1サラウンド・フォー マットでライブ録音された素材など)をサラウン ド・トラックに取
り込む場合には、そのサラウンド・フォーマット(Cubaseのみ)と 同じチャンネル数をもった入力バスが必要です。
出力バス
モニタリングやステレオミックスを聞くため、いく つかのステレオ 出力バスが必要となるでしょう。
S/PDIF などのステレオのデジタル入力端子を搭載した機器を接続す るためには、オーディオ・デバイスのデジタル・ステ レオ出力端子
をデジタル・ステレオ出力バスに割り当ててください。 サラウンドを扱う場合は、スピーカーの構成に合わせたサラウンド・
バス(5.1サラウンドなど)を用意して、適切なアウトプットに割り 当ててください(Cubaseのみ)。
異なるサラウンド・フォーマットを扱う場合、サ ラウンド・バスを 追加する必要があるかもしれません。
16
VSTの接続:入出力バスの設定
オーディオ・デバイスの入力と出力端子を、異なるバスで共有す ることができます!例えばサラウンド出力バスのフロント・チャ
ンネルに割り当てられたステレオ出力を、ステレオ出力バスにも 同時に割り当てることで、ケーブルをスピーカーに接続し直さず
にステレオ・ミックスを再生することができます。
準備
バスを セットアップする前に、オ ーディオ・デバイスの入力 と出力に 名前をつけます。例えば、5.1サラウンド・スピーカー・システムを構
築して いる場合、各出力の名前をチ ャンネル名にするとわ かりやすい です("Left"、"Right"、"Center" など)。
こうして おくことで他のコンピュ ータにプロジェクトを移 動した時の セット アップ作業をスムーズに 行なえます。プロジェクト を他のスタ
ジオに 持ち込む場合、使用してい たものとは違うオーデ ィオ・デバイ スを使 用するかもしれません が、もし、あなたとスタジオの オーナー
がオー ディオ・デバイスの入出力 に同じ名前をつけてお けば、簡単に 適切な 入出力に正しいバスを割 り当てることができま すので。名前は
デ バイス 名では なく、チャ ンネ ル構成 を表す ものに した方 がよ いで しょう。
" デバイス設定(Device Setup)" ダイアログで、使用するオーディオ・ デバイスの入出力に名前をつけましょう :
1. " デバイス(Devices)" メニューから " デバイス設定(Device Setup)" ダイアログを開きます。
2. "VST オーディオ・システム(VST Audio System)" ページで、使用 しているオーディオ・デバイスのドライバ を選択すると左側の " デ
バイス(Devices)" リストに選択したオーディオ・デバイスのドラ イバ名が表示されます。
3. リストに表示されているオーディオ・デバイ スのドライバ名を選択 してください。
オーディオ・デバイスの有効な入出力ポート が右側にリストアップ されます。
4. 名称を変更したい場合は、" 表示名(Show as)" コラムをクリックし て新規名称を入力してください。
必要に応じてポートを有効(アクティブ)/ 無効(オフ)に設定する ことができます。"表示(Visible)" のコラムをクリックしてください。
バス設 定を行 う際、無効 にした ポート は "VST コネクショ ン(VST Connections)" ウィンドウに表示されません。また、バスが使用中の
ポートを無効にしようとした場合、ダイアロ グを表示して確認を求 めます。無効に設定するとバスからポートが 削除されてしまいます
のでご注意ください。
5. "OK" ボタンをクリックして " デバイス設定(Device Setup)" を閉じ ます。
他のコンピュータで作成したプロジェクトを開 いた場合や、ポート
の名称が一致しない場合(または、マルチチャンネル 入出力のシス テムで作 成され たプロジ ェクト をステレ オ入出 力のシス テムで 開
くなど 、ポー トの 構成が 異な る場 合)、 " 接続 未決 定(P end ing Connections)" ダイアログが表示されます。
このダ イアログ を使っ て、開いた プロジ ェクト に使用 されてい る ポートを、現在のシステムで有効なポートに手動で 切り替えること
ができます。
"VST コネクション(VST Connections)" ウィンドウ
バスの 追加、セットアッ プは "VST コネクション(VST Connections)" ウィンドウで行います。" デバイス(Devices)" メニューをプルダウン
して "VST コネクション(VST Connections)" を選択してください。
VST コネクション・ウィンドウには以下のタブがあります :
"入力(Inputs)"/" 出力(Outputs)"タブ:入力バスと出力バスを設定 することができます。
" グループ /FX(Group/FX)"タブ:グループおよび FXチャンネル / ト ラックを作成して、出力を割り当てることができます(22 ページ
グループ /FX チャンネルの設定』をご参照ください)。
"外部FX(External FX)"タブ(Cubase のみ):外部のエフェクトに接
続するために使用するセンド / リターン・バスを作成できます。本 機能を使うことで、プ ログラム内部のエ フェクト・ポップアッ プ・
メニューから、外部エフェクトを選択できるよう になります。詳細 に関し ては 22 ページの『外 部イン スト ゥルメ ント / エフェクト
(Cubase のみ)』、また、さらに詳しい内容に関しては別冊の『プラ
グイン・リファレンス・マニュアル』をご参照ください。
" 外部インストゥルメント(ExternalInstruments)"タブ(Cubase の み):外部のインストゥルメントに対する入力/ 出力バスを作成でき
ます。詳細に関し ては 22 ページの『外部インストゥルメ ント / エ
フェクト(Cubase のみ)』、また、さらに詳しい内容に関しては『プ
ラグインリファレンスマニュアル』もご参照ください。 " スタジオ(Studio)"タブ(Cubase のみ):コントロール・ルームの
使用と構成の設定を行います。163 ページの『コントロールルーム
について(Cubaseのみ)』をご参照ください。
17
VSTの接続:入出力バスの設定
まずは、入力 / 出力バスの設定方法を中心に説明します。
入力、また は出力タブをクリック すると現在の入力バス または、現在 の出力バスがリストアップされます。以下の項目が表示されます。
項目 説明
4. バスの " デバイスポート(Device Port)" 欄をクリックして、バスの チャンネルに入出力用のポートを設定します。
デバイスポート欄をクリックした時に表示され るポップアップ・メ ニューには、" デバイス設定(Device Setup)" ダイアログで設定した
名称のポートがリストアップされます。
"バス名称
(Bus Name)"
"スピーカー
(Speakers)"
"オーディオ デバイス
(Audio Device)"
"デバイスポート
(Device Port)"
"クリック
(Click)"
バスのリスト です。クリックしてバスの名称を変更 することができます。
モノラル、ステ レオ、サラウンド・フォーマットな ど、各バスのスピーカー構成を示します。
現在選択され ているオーディオ・デバイスのドライ バを表示します。
"バス名称(Bus Name)"の項目、左端の"+"をクリッ クしてバス表 示を開いた場合、バスによって使用さ れているオー ディオ・デバイスの実際の入出力ポー トが表示されます。
クリック音を特 定の出力バスにルーティングできま す。この時、実際の コントロール・ルームとは異な る出 力へルーティング したり、またコントロ ール・ ルームを未使用の場合も利用できます。
バスを追加する
1. 追加したい " 入力(Inputs)" または " 出力(Outputs)" のタブをク リックしてください。
2. " バスを追加(Add Bus)" ボタンをクリックします。
ダイアログが現れます。
チャイルド・バス(Child Bus)を追加する(Cubase のみ)
サラウン ド・バスは、通常複数のモノ ラル・チャンネルを一組 として 作られます(5.1 サラウンド・フォーマットの場合は 6 つのモノラル・
チャンネルを使います)。プロジェクトのモノ・トラックを、サラウン ド・バス内の独 立したスピーカー・チャ ンネルにルーティング するこ
とができます(あるいはサラウンド・バス全体にルーティングして、サ ラウンド・パンナーを使って音像を定位させることもできます)が、ス
テレオ・トラ ックをサラウンド・バ ス内のステレオ・チャ ンネル・ペ ア(例えば "Left" と" Right"、または "Left Surround" と "Right Surround"
など)に接 続するにはど うすればよいで しょう? このよ うな場合は、
「チャイルド・バス(Child Bus)」を使用してください。
1. VST コネクション・ウィンドウのバスの名称欄のリストにあるサラ ウンド・バス名を右クリックしてください。
ポップアップ・メニューが現れます。
3. 必要なチャンネル構成を選択します。
ポップア ップ・メニュー には "Mono"、"Stereo " オプション に加え て、サラウンド・フォーマット(Cubase のみ)も表示されます。こ
こで表示される以外のサラウ ンド・フォーマットに関しては " 詳細 設定(More)" サブメニューから選択してください。
"VST コネクション(VST Connections)" ウィンドウを右クリック、
し、コンテキスト・メニューから任意のフォー マットを直接選択す ることもできます。
新しいバスとポートが表示されます。
VSTの接続:入出力バスの設定
2. " チャイルド・バスを追加(Add Child Bus)" サブ・メニューから任 意のチャンネル構成を選択します。
前述のとおり、ステレオ(サラウンド・バスを構成す るチャンネル 内にある、特定のチャンネル・ペアにルーティン グ可能)のチャイ
ルド・バス、および、異なるサラウンド・バス・フォーマット(「親 の」パスよりも少 ないチャン ネル構成のフ ォーマット を使用可能)
が作成できます。
ミキサーで は、ここで作成したチャ イルド・バスに直接ルーテ ィング すること ができます。チャイル ド・バスは「親」のバスの一部 である
ので、チャイルド・バス専用のチャンネル・ストリップはありません。
18
チャイ ルド・バスは出力バスを扱 う上でとても便利な機 能ですが、サ ラウンド入力バスの中にチャイルド・バスを作成することもできます。
例えば、サ ラウンド・バス内の ステレオ・チャンネ ル・ペア(フロン トL-R など)に 入力された信号を、独 立したステレオ・トラ ックにレ
コーディングすることができるようになります。

バスを使用する

ここでは、作成 した入力バス、出力バス の使用について簡単に 説明し ます。詳細については、73 ページの『レコーディング』、133 ページ
ミキサー』の章をご参照ください。
Main Mix バスの設定(デフォルト出力バス)
"Main Mix"は、ミキサーで新しくチャンネルが作成された際に、最初に ルーティングされる出力バスです。
VST コネクション・ウィンドウに表示されている出力バスのうち 1 つ をデフ ォルトの出力バスに設定 できます。デフォルト出力 バスに設定
したい出力バスの名称を右クリックして、バス名を選択してください。
VST コネクション・ウィンドウでデフォルト出力バスを設定
ミキサー 上に新しくオーディオ / グループ /FXチャンネルを作成する と、これら のチャンネルは自動的に デフォルト出力バスに ルーティン
グされます。
デフォルト出力バスは、VST コネクション・ウィンドウ内で、バ ス名の隣のスピーカー・アイコンがオレンジ色で表示されます。
その他のバスの取り扱いについて
バスのポートの割り当てを変更する場合 は、追加した時と同じ手順 を実行します。まず、チャンネルが表示されて いることを確認して
ください(バスの名称の左の "+" ボタン、またはウィンドウ上部の "+ 全て(+ All)" ボタンをクリックすると表示されます)。次に " デ
バイスポート(Device Port)" の欄をクリックしてポップアップから ポートを選択します。
必要のないバスを削除するには、リストでバ スの名称欄を選択して から 右ク リ ック し、 ポップアップ・メニューから " バスを除去
(Remove Bus)" を選択するか、[Backspace] キーを押してください。
ウィンドウ上部のポップアップ・メニューを 使ってバスプリセット を保存、または呼び出すことができます。
現在の設定をプリセットとして保存する には、プリセットの右横に あるポップアップの右側にある "+" ボタンを クリックし、ダイアロ
グでプリセットに名称を与えます。保存さ れたプリセットは、この 後いつでも、プリセット・ポップアップ・メニ ューから選択するこ
とができます。プリセットを削除するには、選択して一番右の "-" ボ タンをクリックします。
ルーティング
オーデ ィオ・トラック(または VST インストゥルメントや ReWire な ど、ミキサー の他のオーディオ・チ ャンネル)を再生する 場合、出力
バスへの ルーティングが必要 です。逆に、オーディオ・トラッ クに何 かを録音す る場合、どの入力バスから オーディオ信号が送られ るのか
を選択しなければなりません。
入出力のバスはインスペクターで選択することができます。" 入力 /
出力(Input/Output Routing)" ポップアップ・メニューを使用して ください。
オーディオ・トラック以外のチャンネル・タイプでは(VST インストゥ ルメン ト・チャンネル、ReWire チ ャンネル、グルー プ・チャンネル、
FX チャンネルなど)、"出力(Output Routing)" ポップアップ・メニュー だけ用意されています。
ミキサ ーの 各チ ャンネ ル・スト リッ プの最 上部 、" ル ーテ ィング
(Routing)" パネルでは、入出力のバスを選択できます。
VST インストゥルメント・チャンネル、ReWire チャンネル、グルー プ・チャンネルについては、出力バスだけ選択できます。
19
VSTの接続:入出力バスの設定
Cubase のみ:[Alt]/[Option] キーを押しながら、ミキサーのルーティ
ングビューで入力 / 出力バスを選択すると、選択した全てのトラッ クに対して同じバスを設定できます。
同様に、[Shift] キーを押 しながらバスを選択すると、選 択した以降 のバス が 1 つずつ繰 り上が って設 定され ます - 2 つ目に選択 した
チャンネルは 2 番目のバス、3 つ目のチャンネルは 3 番目のバスと なります。
" ルーティング(Routing)" パネルが表示されない場合は、拡張コモ ンパネルの " 表示 -ルーティング(Show Routing)" ボタンをクリッ
クするか、ミキサーのコンテキスト・メニューを開き、" ウィンドウ
(Window)" サブメニューから " 表示 - ルーティング(Show
Routing)" を選択します。
ミキサーの拡張コモンパネルの " 表示 - ルーティング(Show Routing)" ボタン
例えば トラックに入力バスを選 択する際、そのトラックの チャンネル 構成に一致するバスだけが有効です。入力バスの詳細を説明します :
モノ・トラックは、モノ入力バス、もしくはス テレオ入力バスやサ
ラウンド・バス 内の個別チャンネルにルーティングできます
(Cubase のみ)。
モノ・トラックは、"VST コネクション(VST Connections)" ウィンド ウの " スタジオ(Studio)" タブで設定される外部入力("Ext.")のモ
ノ・チャンネル、もしくはステレオやサラウン ド入力バス内の個別 チャンネルにルーティングできます(Cubase のみ)。また、トーク
バック入力に接続することも可能です。 モノ・トラックは、モノ出力バス、モノのグ ループ出力バス、モノ
のFXチャンネル出力バスにルーティングすることも可能です。ただ し、フィードバックを生じる接続はできません。
ステレオ・トラックは、モノ入力バス、ステ レオ入力バス、そして サラウンド・バス内のステレオのチャイル ド・バスにルーティング
できます (Cubase のみ)。 ステレオ・トラックは、"VST コネクション(VST Connections)"ウィ
ンドウの " スタジオ(Studio)" タブで設定される外部入力("Ext.") のモノ入力バス、もしくはステレオ入力バス にルーティングできま
す。また、トークバック入力に接続することも可能です。 ステレオ・トラックは、モノまたはステレ オ出力バス、モノまたは
ステレオのグループ出力バス、モノまたはステレオの FX チャンネル 出力 バスに ルーテ ィン グする こと も可能 です。ただ し、フィ ード
バックを生じる接続はできません。 サラウンド・トラックはサラウンド入力バス にルーティングできま
す(Cubase のみ)。
サラウンド・トラックは、 入力構成が同じである場合に限り、"VST
コネクション(VST Connections)" ウィンドウの " スタジオ(Studio)" タブで設定される外部入力("Ext.")にルーティングできます。
サラウンド・トラックは、入力構成が同じである 場合に限り、出力 バスにルーティングすることも可能です。ただし、フ ィードバック
を生じる接続はできません。
出力バスのアサインについては、制限はありません。
フィードバックを生じるようなアサインを行なえません。ポップ アップメニュー内で、選択が無効となっています(一方通行の
標識のようなマークで示されています)。
入力 バス または 出力バ スの接 続を切 断す るには、そ れぞれ のポッ プ アップメニューから " バスなし(No Bus)" を選択してください。
ミキサーでバスを表示する
ミキサー(Cubase のみ)では、バスはインプット・チャンネル、アウ トプット・チャ ンネルとして表示さ れます(ウィンドウ内の左 右の別
枠に表示)。コモ ン パネ ルの "隠 す - 入 力チ ャン ネ ル(Hide Input Channels)" ボタン、" 隠す- 出力チャンネル(Hide Output Channels)"
ボタンを使用して、それらを個別に表示 / 非表示することができます。
"隠す-入力チャンネル
(Hide InputChannels)" ボタン
"隠す-出力チャンネル
(Hide OutputChannels)" ボタン
Cubase Studioのミキサー上には、アウトプット・バスのみ現れます。
"VST コ ネクション(VST Connections)" で作成した インプット(入 力)バスは、入力バスのルーティング・ポップアッ プ・メニューに
現れます。インプット(入力)バスに対してミキサー 上で特別な設 定を行うことはできません。
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VSTの接続:入出力バスの設定
インプット・チャンネル(Cubase のみ)
アウトプット・チャンネル
インプット・チャンネルは、ミキサーの左の枠に表示されます。ご覧の とおり、ミ キサーの通常のチャ ンネル・ストリップに似 ています。こ
こでは以下のことが行なえます。
" 入力ゲイン(Input Gain)" ノブとレベル・フェーダーを使用して、
レコーディング・レベルの確認と調整ができます。
79 ページの『入力レベルの設定』をご参照ください。
入力信号の位相を反転できます。
" 入力ゲイン(Input Gain)" コントロールの右、" 入力の位相(Input Phase)" ボタンをクリックしてください。
入力バスに EQ やその他エフェクトを使用することができます。
エフェクトの掛け録りについては、86 ページの『エフェクトを含む
レコーディング(Cubase のみ)』をご参照ください。
インプット・チャンネル・ストリップで行う設定は、録音される オーディオ・ファイルに影響を及ぼします。録音後に設定を変え
ることはできません!
アウトプット・チャンネルは、ミキサーの右の枠に表示されます。ここ では以下のことが可能です。
フェーダーを操作して、バスの出力レベルを調整できます。 エフェクト、EQ を追加できます。
これらはバス 全体に影響 を及ぼします。一 般的にコン プレッサー、 リミッター、ディザリング・エフェクトなどを追 加します。詳しく
179 ページの『オーディオエフェクト』をご参照ください。
21
VSTの接続:入出力バスの設定

グループ /FX チャンネルの設定

"VST コ ネクショ ン(VST Connections)"ウィンドウの " グ ループ /FX
(Group/FX)" タブには、プロジェクト内で使用しているグループ・チャ
ンネルと FX チャンネルが表示されます。グループ /FXチャンネルの作 成は " グループを追加(Add Group)"、"FX を追加(Add FX)" ボタンを
クリッ クして行ないます。この作 業はプロジェクト・ウィン ドウ内で グループ・チャンネル、あるいは FX チャンネルを作成することと同じ
です(詳細は 154 ページの『グループチャンネル設定について』、別冊
『プラグインリファレンスマニュアル』の『オーディオエフェクト』の
章をご参照ください)。 "VST コネクション(VST Connections)" ウィンドウでは、グループ /FX
チャンネルのチャイルド・バスも作成できます(Cubase のみ)。例え ば、サラウン ド・フォーマットの中でグルー プ /FX チャンネルを使用
し、サラウンド・チャンネルの特定のチャンネル・ペアに、ステレオ・ チャンネルを割り当てたい場合などに便利です。
サラウンド・フォーマットのグループ・チャンネル /FX チャンネルに、 チャイルド・バスを作成する方法は以下のとおりです :
1. "VST コネクション(VSTConnections)" ウィンドウを開き、" グルー プ/FX(Group/FX)" タブを選択します。
2. リストからグループ /FX チャンネルを選択して、右クリックします。
3. " チャイルド・バスを追加(Add Child Bus)" サブメニューから、チャ ンネル構成を選択します。
作成し たチャイルド・バスは、ミキサ ーから直接ルーティン グできる ようにな ります。これは、各グループ /FX チャンネルの一部として構
成されます。個別のチャンネル・ストリップは用意されません。

モニタリングについて

デフォ ルトでは、モニタリンク゛は コントロールルームを 介して行わ れます (163 ページの『コントロールルームについて(Cubase のみ)
参照)。VST コネクション・ウィンドウの " スタジオ(Studio)" タブで、 コントロ ールルームがオフになっている 場合は、"Main Mix" バス(19
ページの『 Main Mix バスの設定(デフォルト出力バス)』参照)を使用
してモニタリングが行なわれます。
Cubase Studio では常に Main Mix バスを使用してモニタリングが行
われます。
サンプル・エディタの試聴とスクラブ再生を行う際、サンプル・エディ タのツール・バーにある小さなフェーダーを使用してモニタリング・レ
ベルを設定できます。

外部インストゥルメント / エフェクト (Cubase のみ)

Cubase はソフトウェア内のオーディオ信号の流れの中に、外部エフェ クト機器、外 部インストゥルメン ト(ハードウェア・シンセサ イザー
など)を統合することができます。 VST コネクション・ウィンドウの " 外部インストゥルメント(External
Instrument)"タブと "外部FX(External FX)"タブを使用してリター ン・ポートの定義を行うと、VST インストゥルメント・ダイアログでそ
のインストゥルメントへアクセスできるようになります。
ポップアップ・メニューを開くと、外部インストゥルメントとエ フェクトの名称の左側には、"x" のアイコンが付されています。
必要な要件
外部エフェクトを使用する場合は、レコーディング/ モニタリングに
使用しているポートとは別 に、最低 1 つずつの入出力(ステレ オ・ エフェクトの場合はステレオ入出力のペア)が必 要です。外部イン
ストゥルメ ントを使用 するには、MIDI イ ンターフ ェイスが必 要で す。
レイテンシーを低く設定できるオーディオ・デバイ スを使用すると 良好な結果を得られます。
Cubase は外部の エフェクターを 使って処理し たオーディオ信 号が Cubaseに戻ってきた時に、その他のトラックとタイミングのズレが
生じないように、遅れた時間分だけ、その他のトラッ クの発音タイ ミングを遅らせて補正するので、オーディオ・デバイ スのレイテン
シーが高いと、問題を起こす可能性がございます。
モニタリング・レベルの設定
モ ニタリ ングに コント ロー ルルー ムを使 用して いる場 合は、コ ント ロール ルームのミキサー でレベルを設定し ます(163 ペ ージの『コン
トロールルームについて(Cubase のみ)』参照)。"Main Mix" バスを介
してモ ニタリングしている場合 は、通常のプロジェクトの ミキサー上 でモニタリング・レベルを調整できます。
VSTの接続:入出力バスの設定
22
外部エフェクト / インストゥルメントの接続
以下の 要領で、外部エフェクト / インストゥルメントのセ ットアップ を行います :
1. 外部エフェクトを使用する場合はオーデ ィオ・デバイスの未使用の 出力を、外部エフェクターの入力に接続します。
ここでは、外部エフェクターにはステレオ入 出力端子が搭載されて いると想定します。
2. 外部エフェクターの出力を、オーディオ・デバ イスの未使用の入力 に接続します。
すでに使用している外部エフェクト / インストゥルメント用の入 出力ポートを選択することも可能です(すなわち VST コネクショ
ンウィンドウで選択した入出力)。外部エフェクト / インストゥル メント用に使用しているポートを選択すると、それらのポートの
ルーティングは解除されてしまいます。このとき警告などのメッ セージは表示されませんのでご注意ください !
外部 機器とコ ンピュー ターのオー ディオ・デバ イスが接続 されたら、 Cubase の入出力バスの設定を行います :
外部エフェクトの設定
1. " デバイ ス(Devi ces)"メニューから "VST コネクション(VST Connections)" ウィンドウを開きます。
2. " 外部 FX(External FX)" タブを開き、"外部FXを追加(Add External FX)" をクリックします。
3. 表示されたダイアログの中で、外部エフェクトの 名称を入力し、セ ンド / リターン構成を定義します。外部エフェクトに対する MIDI デ
バイス設 定を行う 場合は、"MIDI デ バイスの 設定(Associate MIDI Device)" ボタンをクリックしてください。
エフェクトの仕様に合わせて、モノ / ステレオ /サラウンド等の設 定が行なえます。"MIDI デバイスの設定(Associate MIDI Device)"ボ
タンをクリックすると、エフェクト用の新しい MIDI デバイスを作成 するための、MIDI デバイス・マネージャ機能が使用できます。MIDI
デバイスを使用した場合は、遅延補正はエフェクト にだけ適用され ます。
4. "OK" ボタンをクリックします。これで新しい外部エフェクト・バス が追加されます。
5. センド・バスの下に表示されるポート名の右側にある " デバイスポー ト(Device Port)" 欄をクリックして、上記の 1 で接続したオーディ
オ・デバイスの出力ポートを選択してください。
6. 同様に、リターン・バスの下に表示されるポート名右側にある " デ バイスポート(Device Port)" 欄をクリックして、上記の 2 で接続し
たオーディオ・デバイスの入力ポートを選択してください。
7. 必要に応じて、バスの設定を行なってください。
VST コネクション・ウィンドウの外部 FX タブの右側の項目の設定を 行います。実際に外部エフェクトを使用しながら、こ れらの設定を
調整するこ ともできま す - 結果 を聴きなが ら行えるため 簡単です。 以下のオプションがあります :
設定 説明
"ディレイ
(Delay)"
外部エフェクターがDSPなどの使用により処理に伴う 遅延(レイテンシー)を発生させる場合は、この欄に 補正値を入力することで、プレイバック時に自動で遅 れを補正します。プログラムに遅 延時間を測定させる こともできます。"ディレイ(Delay)"欄を右クリック して、" ユーザ ー ディ レ イを チェ ッ ク(Check User Delay)"を選択します。オーディオ・デバイス のレイ テンシーはCubaseが自動的に調整します。
"センドゲイン
(Send Gain)"
"リターン ゲイン
(Return Gain)"
23
VSTの接続:入出力バスの設定
外部エフェクトに送るオーディオ・レベルを調整しま す。
外部エフェクトから入力されるオーディオ・レベルを 調整します。 外部エフェクト機器の出力レベルが高すぎると、オー ディオ・デバイス内でクリッピングが生じる可能性が あります。リターンゲイン設定でこれを補正すること はできません ので、エフェクト機器の出力レベルを低 くしてください。
設定 説明
"MIDIデバイス
(MIDI Device)"
"使用(Used)" オーディオ・トラックで外部エフェクトを選択した場
8. 設定をが終了したら、VST コネクション・ウィンドウを閉じます。
外部エフェクトを接続するデバイスポート は接続したエフェクター でだけ使用することができます。詳細については 23 ページの『外部
エフェクト / インストゥルメントの接続』をご参照ください。
この欄をクリックするとポップアップ・メニューが開 きます。ここでは、MIDIデバイスからエフェクトの切 断、MIDIデバイスの選択/新規作成、Cubase でMIDIデ バイスを編集するMIDIデバイス・マネージャを開くこ とができます。 Studio Manager 2がインス トールされている場合は、 外部エフェクトにアクセスする"OPTエディタ"を選択 することも可能です。
合は、この欄にチェックマーク(×)が現れ、そのエ フェクトが使用されていることを示します。
外部エフェクトの使用方法について
インサート・エフェクト・スロットをクリックすると表示されるエフェ クト・ポップアップ・メニューの中に、新しく作成した外部 FX バスが
表示されます。外部 FX を複数作成した場合は " 外部ブラグイン
(External Plugins)" サブメニューの中にリスト表示されます。
外部 FX を選択すると、以下の事が行われます:
通常のエフェクト・プラグインと同様に、外部 FX バスがエフェクト スロットに読み込まれます。
オーディオ信号は、オーディオ・デバイス の出力に送られ、外部エ フェクト機器を通過して、再度オーディオ・デ バイスの入力を介し
てプログラムに戻されます。 外部 FX バスに対する各設定(" ディレイ(Delay)"、 " センドゲイン
(Send Gain)"、" リターンゲイン(Return Gain)")をもつパラメー
ター・ウィンドウが現れます。プレイバックし ながらこれらの設定 を調整できます。パラメーター・ウィンドウには、エフェクト・ルー
プ・ディレイの遅延補正を測定する機能をもったボタンがあります。 これは VST コネクション・ウィンドウにおける " ユーザー・ディレ
イをチェック(Check User Delay)" と同じ機能 です。遅延を補正す るために、Cubase にディレイ時間を提供するものです。エフェクト
用の MIDI デバイスを定義すると、対応するデバイス・ウィンドウが 開きます。Studio Manager 2 がインストー ルされ、対応す る "OPT
エディタ " を設定すると、"OPT エディタ " が開きます。
外部エフェクトのデフォルト・パラメーター・ウィンドウ
他のエフェクトと同様に、外部 FX バスをインサート・エフェクトやセ ンド・エフェクト(FX チャンネル・トラックのインサート・エフェク
ト)として使 用可能です。通常の操作 で、外部エフェクトを無 効にし たり、バイパスすることもできます。
外部インストゥルメントの設定
1. " デバイ ス(D evices)"メニューから "VST コネクション(VST Connection)" ウィンドウを開きます。
2. " 外部インストゥルメント(External Instrument)" タブを開き、"外 部インストゥルメントを追加(Add External Instrument)" をクリッ
クします。
3. " 外部インストゥルメントを追加 "ダイアログで、外部インストゥル メントの名称を入力して、モノ / ステレオによるセンド / リターン
構成を定義します。外部インストゥルメントに対する MIDI デバイス 設定を行う場合は、"MIDI デバイスの設定(Associate MIDI Device)"
ボタンをクリックします。
インストゥルメントにあわせて、モノ / ステレオのリターン・チャ ンネルの構成を定義できます。"MIDI デバイスの設定(Associate MIDI Device)"ボタンをクリックすると、新しい MIDI デバイス を作成す
るための、MIDI デバイス・マネージャ機能が使用できます。MIDI デ バイス・マネージャ、およびユーザーパネルにつ いては、別冊の電
子マニュアル『MIDI デバイス』をご参照ください。
4. "OK" ボタンをクリックします。これで新しい外部インストゥルメン トバスが追加されます。
5. リターンバスの下に表示されるポートの右側にある " デバイスポー ト(Device Port)" 欄をクリックして、外部インストゥルメントを接
続したオーディオ・デバイスの入力ポートを選択してください。
24
VSTの接続:入出力バスの設定
6. 必要に応じて、各バスに対して設定が行なえます。
"外部インストゥルメント " タブの右側の表示されている各欄で設定 が行えます。実際に外部インストゥルメン トを使用しながら、調整
することも可能です - 結果を聴きながら行えるため簡単です。以下 のオプションがあります :
設定 説明
"ディレイ
(Delay)"
ご使用される音源に遅延(レイテンシー)がある場合 は、この欄にその 値を入力しま す。Cubaseはプレイ バック時にこの遅延を補正します。オーディオ・デバ イスの レイテン シーに 関しては プログラ ムが自 動的 に補正します。
外部インストゥルメントの使用方法について
VST コネクション・ウィンドウの中で外部インストゥルメントを設定す ると、VST インストゥルメントと同じような手順で使用できるようにな
ります。VST インストゥルメント・ウィンドウを開き、空のインストゥ ルメント・スロ ットをクリックしま す。インストゥルメントの ポップ
アップ・メニューに表 示される、" 外部イン ストゥルメント(External Instruments)"サブ・メニューに、外部インストゥルメントがリスト表
示されます。
"リターン ゲイン
(Return Gain)"
"MIDIデバイス
(MIDI Device)"
"使用(Used)" VST インストゥルメントで外部インストゥルメントを
7. 設定が終了したら、VST コネクション・ウィンドウを閉じます。
外部インストゥルメントを接続するデバイ スポートは接続したイン
ストゥルメントでだけ使用することができます。詳細については 23
ページの『外部エフェクト / インストゥルメントの接続』をご参照
ください。
外部インストゥルメントから入力されるオ ーディオ・ レベルを調整します。 外部インストゥ ルメントの出力レ ベルが高すぎると、 オーディオ・デバイス内でクリッピングが生じる可能 性があります。リターンゲイン設定でこれを補正する ことはできませんので、インストゥルメント 機器の出 力レベルを低くしてください。
この欄 をクリッ クする とポップ アップメ ニュー が開 きます。ここでは、MIDIデバイスからインストゥルメ ントの切断、MIDIデバイスの選択/新規作成、Cubase でMIDIデバイスを編集するMIDI デバイス・マネージャ を開くことができます。 Studio Manager 2がインス トールされている場合は、 ご使 用 の外 部インストゥルメントにアクセスする "OPTエディタ"を選択することも可能です。
選択した場合は、この欄にチェックマーク(×)が現 れ、そのインストゥルメントが使用されていることを 示します。
VST インストゥルメント・ウィンドウで外部インストゥルメントを選択 すると、以下の設定が行われます。
外部機器のパラメーター・ウィンドウが自動的に 開きます。これは " デバイス(Device)" ウィン ドウの場合もあります。ここ では一般
的なデバイス・パネル、"OPT エディタ " ウィンドウ、デフォルトの エディタ の作成が 行なえま す。" デ バイス(Device)"ウィンドウ、
MIDI デバイス・マネージャ、ユーザー・デバイス・パネルについて は、別冊電子マニュアル『MIDI デバイス』をご参照ください。
外部インストゥルメントに MIDI ノートを送信する場合は、MIDI ト ラックのインスペクターにあるポップアップ・メ ニューを開き、外
部インストゥル メントが接続さ れている MIDI デバイスを選択しま す。これにより遅延補正が確実に行われます。インス トゥルメント
は、このトラックに入力された MIDI ノートをプレイバックし、設定 したリターン・チャンネル(ポート)を通じて Cubase に戻されます。
外部インストゥルメントは、Cubase における他の VST インストゥルメ ントと同様に動作します。
25
VSTの接続:入出力バスの設定
" お気に入り(Favorites)" ボタンについて
VST コネクションウィンドウの " 外部 FX(External FX)"/ " 外部インス トゥルメント(External Instrument)" タブに、" お気に入り(Favorites)"
ボタンがあります。
"外部FX(External FX)" タブにある " お気に入り(Favorites)" ボタン
" お気に入り(Favorites)" はデバ イス構成をい つでも呼び出せ るもの で、(ご使用のコンピューターと常に接続されているわけではない)外
部 機器の ライブ ラリの よう なもの です。たと えばマ ルチエ フェ クト ボードやモノ / ステレオ・モードの両方を提供するエフェクトなど、同
じ機器における異なる構成を保存することもできます。
デバイス 構成を " お気 に入り(Favorites)" に保存す る場合は、以下の 手順で行います :
VSTコネクション・ウィ ン ドウ で新 しい 機 器が ある 場合 は、" バ
ス名称( Bus Name)"欄でこれを選 択し、" お気に入り(Favorites)" ボタンをクリックします。
コンテクスト・メニ ューが現れ、" お気に入り(Favorites)" に選択 したエフェクト / インストゥルメントを追加する際のオプションが
表示されます。
"お気に入り(Favorites)" ボタンをクリックして保存した構成を呼び
出したり、コンテクスト・メニューからデバイ ス名称を選択して追 加することができます。
プラグインが見つからない場合のメッセージについて
外部エ フェクト / インストゥルメントを使用するプロジェ クトを開い た際に、プ ラグインが見つからない 旨のメッセージが現れ る場合があ
ります。保存したプ ロジェクトで使用していた外部機器を VST コネク ション・ウ ィンドウから削除した 場合や、外部機器が定義さ れていな
い別のコンピュータにプ ロジェクトを移した場合に現れます。Cubase SX 3 で保存したプロジェクト・ウィンドウを開いた場合も、このメッ
セージが現れます。
接続が切れた外部機器がある場合は、VST コネクション・ウィンドウの " バス名称(Bus Name)" 欄にアイコンで表示されます。
外部機器の接続を回復するには、該当する " バス名称(Bus Name)"欄 を右クリックして、" 外部エフェクトの接続(Connect External Effect)"
を選択 します。アイコンが消え、以前 のプロジェクトと同様 に外部機 器を使用できるようになります。
外部エフェクト / インストゥルメントのバス設定は、「グローバ ル」設定に保存されます - すなわ ちご使用のコンピューター固有
の設定となります。
外部エフェクト / インストゥルメントの固定
VST インストゥルメント / エフェクトを使用する際と同様、外部インス トゥルメン ト / エフェクトもフリーズすることができます。通 常の手
順については、179 ページの『オーディオエフェクト』と 201 ページ の『VST インストゥルメントとインストゥルメントトラック』の各章で
説明しています。
外部エフェクト、外部インストゥルメントを " フリーズ(Freeze)" する場合はリアルタイム処理で行なってください。
外部エフェクト / インストゥルメントをフリーズする際に、" チャンネ ルの フリー ズ オプシ ョン(Freeze Channel Options)" ダイアログで、
テール時間 を調整できます。リバーブ やディレイが有効なチャ ンネル をフリーズ した場合に、残響音がいき なり切れてしまうことが ないよ
うにするためのオプションです。
" テールサイズ(Tail Size)" フィールドの右側にある小さな矢印を使 用して、必要なテール時間、すなわちフリーズ範囲に 含める部分よ
り後の範囲を設定します。値フィールドを直接クリ ックして必要な 時間を入力することもできます(最大値 60 秒)。
" テールサイズ(Tail Size)"を "0s"(デフォルト)に設定すると、範囲 指定したパートのデータ部分だけフリーズします。
26
VSTの接続:入出力バスの設定
3

プロジェクトウィンドウ

背景
プロ ジェクト ウィンド ウは、Cubase の メインウィ ンドウで す。この ウィン ドウでは、プロジェクトの 概要をグラフィカルに 表示し、ナビ
ゲートし、「大規模な」編集、およびアレンジを行なえます。プロジェ クトウィンドウは、1 つのプロジェクトにつき 1つです。
トラックについて
プロジェクトウィンドウ内でトラック(Track)は上下方向に並んでい ます 。また、時 間軸(タ イムライン )は左から 右へと進み ます。
トラックの種類説明
"オーディオ
(Audio)"
"フォルダ
(Folder)"
FXチャンネル
"
(FX Channel)"
オーディオイベン ト、オーディオパートの録音 と再生 を行うトラックで す。各オーディオ・トラック に対応 するオーディオ・チャ ンネルがミキサーに作成 されま す。オーディオトラッ クには、ミキサーのチャ ンネル パラメーターと、イン サートエフェクトなどの 設定を オートメーション化するための、オートメーション「サ ブトラック」を作成することができます。
様々な種類のトラッ クを一箇所にまとめて表 示するこ とができます。トラッ ク構成の整理や管理に役 立ちま す。複数のトラックを 同時に編集することも可 能です
115ページの『フォルダトラック』参照)。
FX チャンネルは、センドエフェクトをインサートする チャンネルです。各FXチャンネルには最大8つのエフェ クターをインサー トできます。オーディオチャ ンネル のエフェクトセンドをFXチャンネルに接続し、FXチャ ンネルか らエフェ クトにオ ーディ オ信号を 送ります。 ミキサーでは、各FX チャンネルに専用のチャンネルス トリップ(すなわち エフェクト・リターン・チ ャンネ ル)が用意されます。詳しくは別冊『プラグインリファ レンスマニュア ル』の『オーディオエフェ クト』の章 をご参照ください。) ミキサーのチャン ネル・パラメーターやエフェ クト設 定のオートメーション用に、各FX チャンネルには任意 の数のオートメー ション・サブトラックを設け ること がで きます。画 面が 雑然 とし ないよ うに、全 ての FX チャンネルトラックは、トラックリストのFX チャンネ ル・フォルダの中に自動的に配置されます。
トラックの種類説明
"グループ チャンネル
(Group
Channel)"
"インストゥル メント
(Instrument)"
"MIDI" MIDI パートのレコーディングやプレイバックに使用す
"マーカー
(Marker)"
いくつかのオーディオトラ ックを 1 つのグループ チャ ンネルにルーティング することによって、それら をサ ブミックスし、たとえば同 じエフェクトを適用す るこ とができます(154ページの『 グループチャンネル設定
について』参照)。
グループ・チャンネル・トラ ックにはイベントの よう なものは含まれてい ませんが、そのグループ・チ ャン ネルの設定やオートメー ションのカーブなどを表 示し ます。ミキサーでは各 グループ・チャンネル・ト ラッ クにチャンネルストリ ップが与えられます。プロ ジェ クトウィンドウでは、グル ープトラックのフォル ダの 中でサブトラックとして整理されています。
インストゥルメント用のトラックを作成します。VSTイ ンストゥルメントラックから VST インストゥル メント を選択よりも取り扱い が容易です。ミキサーには イン ストゥルメントトラック 用のチャンネルストリッ プが 作成されます。またプロジ ェクトウィンドウには 各イ ンストゥルメントトラ ックに対し、複数のオート メー ショ ン・サブ トラ ック を設 ける こと がで きま す。ボ リュームとパンはミキサ ー内でオートメーション する こともできます。" インプレイス編集(Edit In-Place)" を利用して、プロジェクト ウィンドウ上でインス トゥ ルメントトラックを直接編集することができます(389
ページの『"インプレイス編集(Edit In-Place)"』参照)。
インストゥ ルメント トラックの 詳細は、201 ページ
VST インストゥルメントとインストゥルメントトラッ
』をご参照ください。
るトラックです。各 MIDIトラックに対応するMIDI チャ ンネルがミキサーに作 成されます。プロジェクト ウィ ンドウ上で "インプレイス編集(Edit In-Place)" を利用 して、MIDI ト ラッ クを直 接編集 するこ とも できま す
389ページの『" インプレイス編集(Edit In-Place)"』参
照)。 ミキサーのチャンネル パラメーターやインサ ート、セ ンドエフェクトの設定 のオートメーション用 に、オー トメーション・サブトラックを設けることができます。
マーカー情報を表示す るトラックです。プロジェ クト ウィンドウで作業中に マーカー間を移動した り、マー カーの名称を変 更することがで きます(121 ペー ジ
マーカートラック の使い方』参照)。マーカートラッ
クは、1つのプロジェクトに1つだけ作成できます。
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プロジェクトウィンドウ
トラックの種類説明
"アレンジャ トラック (Arranger Track)"
"ルーラー (Ruler)" (
Cubaseのみ
"移調 (Transpose)"
"ビデオ (Video)"
アレンジャトラッ クはプロジェクト内で曲 の構成(イ ントロ、Aメロ、Bメロ、サビなど)に合わせて、再生 する範囲を指定し たり、指定した範囲を再生す る順番 を決 め るア レンジを追加する際に使用します。107
ページの『アレンジャトラック』をご参照ください。
ルー ラート ラッ クは時 間軸 を示す 補助 的ル ーラー で す。いくつ作成しても 構いません。それぞれが 任意の
フォーマットで時 間の流れを示します。ルーラ ーと表 示フォーマットの詳細については、37 ページの『ルー
ラー』をご参照ください。
移調トラックでは、全 体の調を変更できま す。各プロ ジェクトに1つの移調トラックを作成できます。詳細に つきましては 、125 ページの『移調 機能』をご参照く ださい。
ビデオイベントの プレイバック・トラック です。ビデ オトラックは、1つのプロジェクトにつき1つだけです。
イベントとパートについて
「イベント(Event)」は、Cubase プロジェクトの基本構成要素です。イ
ベント のタイプによって、プロジェ クトウィンドウにおけ る取り扱い
方が異なります。
ビデオイベントとオートメーションイベント(カーブ上のポイント) は、直接プロジェクトウィンドウで表示 / 編集できます。
MIDIイベントは常に、MIDI パート(MIDIノート情報、MIDI コントロー ル情報などの MIDI イベントが入れられる「容器」)に記録されます。
MIDIパートは、プロジェクトウィンドウで操作 / 編集できます。パー トの中の MIDI イベントを編集する場合は、編集内容に合わせて複数
用意された MIDI エディタを使用します(370 ページの『MIDI エディ
タについて』参照)。
オーディオイベントは、直接プロジェクトウィンドウで表示/ 編集で きますが、いくつかのイベントを含ん だ「オーディオパート」を作
成/操作することもできます。プロジェクト上 で複数のオーディオ イベン トを 1 つのユニッ トとして 扱いた いときに 便利で す。オー
ディオパートも、プロジェクトにおける時間 的な位置の情報を保持 しています。
オーディオの取り扱いについて
オーディオファイルを使用するにあたって、Cubase がどのようにオー ディオを扱うのかを理解することは非常に重要です。
プロジェク トウィンドウでオーデ ィオを編集したり、プロセッ シング を適 用しようと する場合、常 に 1 つの「オーディオク リップ」(オー
ディ オを読み込 んだりレコ ーディング すると自 動的に作成 されます) が作業の対象となります。しかしながら、このオーディオクリップは、
ハードディ スクに存在するオーディ オファイルを参照してい るだけで あり、ファイル自体に手が加えられることはありません。つまり、オー
ディオ編 集やプロセッシン グは「非破壊的」です。これは、行 った変 更を取り消 したり、元の状態に戻すこ とが可能であることを意 味しま
す。
「オーディオクリップ」は、常に 1 つのオリジナルのオーディオファイ
ルを参照し ているとは限りませ ん!例えば、あるオーディオク リップ の一 部分に何ら かのプロセ ッシングを 適用する 場合を考え ましょう。
実際には、まず、該 当する部分だけを含 む新規のオーディオフ ァイル が作成され ます。そしてプロセッシ ングは、この新規ファイル に対し
て適用され ます。すなわち、オリジナル のオーディオファイル に手が 加わること はありません。最後に、オー ディオクリップが自動 的に調
整され、オリジ ナルファイルとプロセ スされたファイルの両方 を参照 するように なります。プレイバック を開始すると、プログラム はオリ
ジナルファ イルとプロセスされたフ ァイルを正確なポイント で切り替 えて再生し ます。これは、ある部分にだ けエフェクトをかけら れた単
一の録音と 同じように聞こえる でしょう。この仕組みによ り、単に処 理後の取り 消しが可能なだけでな く、同一のオリジナルファイ ルを参
照する異な るクリップに、異なるプロ セッシングを適用するこ とも可 能となっています。
「オーディオイベント」は Cubase のタイムポジションに置かれるオブ
ジェクトです。1 つのオーディオイベントのコピーをいくつか作成して プロジェク トの異なる位置に移動 した場合も、すべてのコピー は同じ
オーディオクリップを参照しています。各オーディオイベントは " オフ セット(Offset)"と"長さ(Length)" の値を保持してい ます。これに
より、イベント がクリップのどの位置 から開始してどの位置で 終了す るのか、つま り、オーディオイベント の再生によって、オーデ ィオク
リップのど の部分がプレイバッ クされるのか、が定義され ます。例え ば、オーディオ イベントのサイズを 変更した場合、これはオー ディオ
クリップに おけるイベントの開始 / 終 了の位置を変更したに過 ぎませ ん。クリップ自体には何の影響もありません。
「オーディオリージョン」は1つのクリップの 1 つのセクション(範囲)
です。長さ、スタ ートタイム、スナップポ イントの情報によっ て定義 されます。オー ディオリージョンは プールに表示され、その作 成や編
集にはサンプルエディタが最適です。
オーディオイベントとオーディオパート
29
プロジェクトウィンドウ
同一のオーディオファイルの色々な範囲 を使用する場合、あるいは
同一のオーディオファイルから複数のル ープを作成する場合、オー ディオクリップの対応するリージョン(範 囲)をオーディオイベン
トに変換し、それぞれを異なるオーディオフ ァイルにバウンスして 使用してください。異なるイベントも、同じク リップを参照する限
り、同じクリップ情報にアクセスするからです。
プロジェクト オーバービュー

ウィンドウについて

ルーラー情報ライン ツールバー
インスペクター
様々な種類のトラック
トラックリスト
トラッ クリストには、プロジェクト で使用するすべてのト ラックが表
示され ます。トラックの名称フィー ルドとトラック設定が 表示されま
す。トラッ クリストには、トラックの 種類によって異なる各 種のコン
トロー ルが設けられています。トラ ックリストのサイズ変 更について
は、41 ページの『トラックリストのサイズを変更する』をご参照くだ
さい。
プロジェクトウィンドウ
オーディオトラック
30
オーディオパート、イベント、MIDI パート、 オートメーション、マーカーなどを表示する イベントディスプレイ
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