Steinberger Cubase 4 Getting Started

入門マニュアル
Tutorials by Steve Kostrey
Revision and Quality Control: Cristina Bachmann, Heiko Bischoff, Marion Bröer, Sabine Pfeifer
Thanks to: Georg Bruns
本書の記載事項は、Steinberg Media Technologies GmbH 社によって予告なしに変更されることがあり、同社は記載内容に対する責任を負いませ ん。
本書で取り扱われているソフトウェアは、ライセンス契約に基づいて供与されるもので、ソフトウェアの複製は、ライセンス契約の範囲内でのみ 許可されます(バックアップコピー)。
Steinberg Media Technologies GmbH 社の書面による承諾がない限り、目的や形式の如何にかかわらず、本書のいかなる部分も記録、複製、翻訳 することは禁じられています。
本書に記載されている製品名および会社名は、すべて各社の商標、および登録商標です。
Steinberg Media Technologies GmbH, 2007.
©
All rights reserved.
目 次
5
はじめに
6
ようこそ!
6
マニュアルとヘルプファイルについて
7
プログラムのバージョンについて
7
キーコマンドの記述について
7
Steinberg社の Webページへのアクセス方法
9
システムの必要環境とインストール
10
この章について
10
最小必要環境
12
ハードウェアのインストール
13
Cubaseのインストール
13
ハードディスクをデフラグする(Windowsのみ)
13
必ず登録してください。
15
システムのセットアップ
16
オーディオのセットアップ
20
MIDIのセットアップ
22
シンクロナイザーの接続
22
ビデオのセットアップ
22
オーディオパフォーマンスを最適化する
25
チュートリアル 1:オーディオのレコーディング
26
新しくプロジェクトを作成する
27
VSTコネクションのセットアップ
28
レベルの設定と録音
31
再生する
32
サイクル未使用時の録音モード
32
サイクル録音
34
"スタック "録音
35
チュートリアル 2:オーディオの編集
36
イベントの操作
42
イベント・エンベロープ
42
オーディオのプロセッシング
55
チュートリアル 4:ループの取り扱い
56
ループブラウザ
56
ループの追加
57
コピーの作成
57
プロジェクトに挿入(Insert into Project)
59
チュートリアル 5:外部 MIDI インストゥルメント
60
はじめに
60
MIDIデバイスのセットアップ
60
外部インストゥルメントのVSTコネクション設定
62
外部MIDIインストゥルメントのモニタリング
63
MIDIおよび外部インストゥルメントの録音
65
チュートリアル 6:ミキシングとエフェクト
66
はじめに
66
レベルの設定
67
パンの設定
67
ミュートとソロ
68
EQの追加
70
オーディオエフェクト
72
オートメーションについて
73
オーディオの書き出し
75
チュートリアル 7:サラウンド制作(Cubase のみ)
76
サラウンドバス
78
サラウンドミックスの設定
79
サラウンド録音
80
サラウンドファイルの書き出し
83
チュートリアル 8:オーディオの編集 II - テンポとグルーブ
84
背景
84
例1:テンポがわかっているドラムループ
85
例2:ドラムループテンポの自動調整
86
例3:ドラムループテンポの手動調整
88
例4:選択範囲を利用した操作
45
チュートリアル 3:MIDI の録音と編集
46
はじめに
46
インストゥルメントトラックの作成
47
サウンドのブラウズ
48
MIDIの録音
49
MIDIの再生
49
サイクル未使用時の録音モード
50
サイクル録音
51
キーエディタ(Key Editor)
53
コントローラーレーン
4
目次
89
チュートリアル 9:メディアの管理
90
背景
90
メディアベイ、ループブラウザ、サウンドプラウザ
92
ブラウザのスキャン
94
メディアの検索
95
スコープでメディアを試聴する
96
タグの設定(Cubaseのみ)
97
索 引
1

はじめに

ようこそ!

Steinberg Cubase 4/Cubase Studio 4 をお買い上げいただき心から感謝 申し上 げます。これであなたも、世界 規模の音楽プロダクシ ョンソフ
ト ウェア ユーザ ーの一人と なった のです ! コン ピューター ベース の 音楽プロダクションの開発にたずさわりはじめてから 20 年以上、
Steinberg は常にソフトウェア技術の先端を走り続け、また Cubase は この開 発におけるベンチマーク の役割を担ってきまし た。今回のバー
ジョン 4 では、Cubase はソフトウェア / ハードウェアの完全なシステ ム統合に向けて、革命的なステップを踏み出しました。
あなた がコンポーザー、ミュージ シャン、プロデューサーの 立場だと して - 楽器やエフェクトのサウンドを「孤立」させることなく、「共に」
含めて 創作を行いたいでしょ う。今後はひとつの環境の 中で、お手元 のすべ てのインストゥルメ ント(ソフトウェア / ハード ウェア)にお
けるあ らゆるサウンドを管理す ることができます。これま でよりもご 自身の サウンドをよりすば やく、より直観的に作成 / 管 理し、アクセ
ス するこ とが可 能です。ループ やあら かじめ 準備したオー ディ オク リップ をベースに音楽を創り上 げるような場合に備え、新 機能である
"メディアベイ(MediaBay)" データベー スを使用して、ループなどの ブラウズとプレビューを行えます。新しいエフェクトプラグイン・セッ
トと強力なシンセエンジンにより、数千もの新しい楽器、サウンド、エ フェクトを提供しています。Cubase 4/Cubase Studio 4 では、Steinberg
の最新のプラグイン技術 - VST3 を導入し、各プラグインをさらに柔軟 に、効率的に、また簡単に利用できるようになります。
業務ユーザー向けに、Cubase 4 では新しく、柔軟なコントロールルー ム・セクシ ョンを用意しました。また コンポーザーやソング ライター
向けには、Cubase Studio 4 で新しく、強力なスコアレイアウトと印刷 機能を簡単に利用できるようにしました。これらはこれまでの Cubase
独自の 機能 - たと えばパターンベースのアレンジに活用できる " プレ イオーダートラック(Play Order Track)" 機能、さらに静的なオーディ
オファイルを時間 / ピッチに対してロックすることができる" オーディ オワープ(AudioWarp)" 機能と結合され ます。仕事からホビーまで全
ての音 楽創作で「やりやすい」環境を 提供するべくデザイン されてい ます。新バージョンの Cubase で、是非あなた自身の使い方を見出して
みてください。
初めてご使用になるユーザーの方は、本書のチュートリアル・セクショ ンが使 用上のヒントおよび参考 になることでしょう。チュ ートリアル
の教 材として Cubase のプロジェクトファ イルも同梱して います。ま た、短いトレーニングビデオ(英語)もプログラム DVD に収録してい
ますので、あわせてご活用ください。すでに Cubase をご使用になって いる ユーザーの方 にとっても、本書 のチュートリアルでは Cubase 4/
Cubase Studio 4 の新機能についての説明が掲載されていますので是非 ご一読ください。
また、ソフトウェアの登録をされることを強くおすすめします ! Stei nberg よりアップデート情報、最新情報、特別イベントな
どを定期的に提供いたします。Cubase のユーザーフォーラム
http://www.steinberg.net/ にも是非ご参加ください。世界中の Cubase
ユーザーとコミュニケーションを交わすことが可能です !
Steinberg Cubase 開発チーム

マニュアルとヘルプファイルについて

Cubase のマニュアルは、以下のいくつかのセクションに分かれていま す。いくつかのマニュアルは、Adobe Acrobat 形式(拡張子 ".pdf")で
提供されて います。これらの電子マ ニュアルは、以下の方法で 開くこ とができます。
プログラムの "ヘルプ(Help)" メニューの " ドキュメント(Documen-
tation)" サブメニューから、各電子 マニュアルを開くことができま す。
Windows の場合は、スタートメニュー内の "Cubase 4">"Documen tation" サブフォルダから、これらのマニュアルを開くこともできま
す。 MacO S Xの場合、マニュアルは"/Library/Documentation/Steinberg/
Cubase4" のフォルダに収録されています。
電子マニュアルを表示するには、Acrobat Reader がコンピュータに
インストールされている必要があります。
Adobe Reader のインストーラーは、プログラム DVD に収録されて います。
『入門マニュアル』
本書です。『入門マニュアル』には、以下の内容が記載されています。
動作環境 インストール方法
オーディオ /MIDI/ ビデオの設定 Cubase でのレコーディング、プレイバック、ミキシング、エディ
ティングの基本操作を説明するチュートリアル
なお本書では Cubase の各ウィンドウ、機能、操作手順の詳細について は取り扱いません。
『オペレーションマニュアル』
『オペレ ーショ ンマニ ュアル』が、Cubaseのメ インマ ニュア ルです。
Cubaseの操作方法、パラメーター、機能、テクニックなどの詳細を説 明、さらにスコ アエディタについて も取り扱います。このマニ ュアル
では、入門マニュアルで説明している Cubase のコンセプトと基本的な 操作方法について理解されていることを前提としています。
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はじめに
『MIDI デバイス』
標準付 属の MIDI エフ ェクトプラグイン、MIDI デバイスの管理、MIDI システ ムエクスクルーシブメッ セージの取り扱い、ロジカ ルエディタ
の使用について説明しています。
『プラグインリファレンス』
この 電子マニュア ルでは、Cubase に含まれている 各 VST プラグイン
(リアルタイムオーディオ・エフェクトと VST インストゥルメント)、各
MIDI エフェクトの機能とパラメーターについて説明しています。

キーコマンドの記述について

Cubase の多くのデフォルトキーコマンドは、コンピュータのオペレー ショ ンシス テムに よって異なる モディ ファイ ヤキーを使用 してい ま
す。例えば、" 元に戻す( Undo)" のデフォルトキーコマンドは、Windows の場合は [Ctrl]+[Z] キー、Macintoshの場合は [Command]+[Z] キーです。
このマニュ アルでは、モディファイヤ キーを使用したキーコマ ンドを 記述する場合、以下のとおり、初めに Windows のモディファイヤキー
を表記します。
『リモートコントロールデバイス』
この電子マニュアルでは、対応している MIDI リモートコントロールデ バイスの一覧と、それらを Cubase で使用するための設定の方法を説明
しています。
『Mackie Control と Cubase の使用』
この電 子マニュアルでは、Mackie Control リモートデバイスで対応す る各機能について説明しています。
『メニューリファレンス』
こ の電子 マニ ュアルは、クイッ クリ ファレ ンスとして、す べて のメ ニュー 項目およびオプション項 目を一覧し、簡単な説明を 掲載してい
ます。
各ダイアログのヘルプについて
現在アクティブに なっているダイアログの " ヘ ルプ(Help)" ボタンを 押すと、各種の情報が現れます。

プログラムのバージョンについて

このマニュアルは、CubaseとCubaseStudio の Wind ows およ び Macintosh の 2 つの異なるオペレーションシステム用に作られてい
ます。
このマニュアルに記載されている機能の中には、Cubase にのみ有効な ものが あります。その場合、関連する 項目にその旨を明記し てありま
す。 いくつかの機能は、Windows または Macintosh のどちらか特有の機能
です。その 場合、どちらのバージョン に特有の機能か明記し てありま す。
つまり、
もし 特 に何 も記し てい な い場合 は、Cubase と Cubase Studio
のWindowsおよび Macin tosh 両 方にあ ては まり ます。
ほとんどのスクリーンショットについては Cubase の Windowsバー ジョンを載せてあります。
例:Windows の場合 [ モディファイヤキー ]+[ キー ]、Macintosh の場 合[モディファイヤキー]+ [ キー ] をクリックして…
[Ctrl]/[Command]+[Z] と記述 されて いる場合、Windows の 場合 [Ctrl] キーを、Macintosh の場合[Command] キーを押しながら [Z] キーを押
します。同様に、[Alt]/[Option]+[X] と記述されて いる場合、Windows の場 合[Alt] キーを、Macintosh の場合[Option] キ ーを押し ながら [X]
キーを押します。
本書では、「右クリック」という呼び方で説明することが多くありま
す(コンテキストメニューを開く場合など)。Macintosh コンピュー ターで、シングルボタンマウスをご使用の場合、[Ctrl] キー + クリッ
クの動作が「右クリック」と同じことになります。

Steinberg 社の Web ページへのアクセス方法

Cubase の " ヘルプ(Help)"メニューに、オン ラインでのユーザー 登 録(Mac の場合 "Cubase" メニュー)や追加の情報やヘルプを入手する
ためのアイテムが用意されています。
"Steinberg Webサイト(Steinberg on theWeb)"サブメニューから、 Steinberg社の Web ページへアクセスすることができます。このメ
ニューを選択 すると、自動的 にインターネ ットブラウザが起動し、 Steinberg社の Web ページを表示します。
Steinberg 社の Web ページで は、製品に関するサポ ートや対応表、 最新ドライバのダウンロード、FAQ などのサポートを使用すること
ができます。Web ページへアクセスするには、インターネットブラ ウザがインストールされている必要があります。
7
はじめに
8
はじめに
2

システムの必要環境とインストール

この章について

この章では、Windows 版および Mac 版の Cubase におけるそれぞれの 必要環境とインストール手順について説明します。

最小必要環境

Cubase を使用するためには、ご使用のコンピューターで以下の環境が 最小限必要となります。
Windows
Intel Pentium または AMD Athlon 1.4 GHz 以上のプロセッサ
RAM : 512 MB 以上
OS:Windows XP(Home または Professional Edition)
または Windows Vista (32-bit・64-bit - 以下参照 ) オーディオ・デバイス:Windows DirectX または ASIO 対応のデバイ
スが必要です(ASIO デバイスを強く推奨)。 ディスプレイ:1024x768ピクセル以上の解像度
DVD-ROM ドライブ Steinberg Key(製品に付属する USB プロテクション・デバイス)接
続用の USB 端子 Steinberg Key の最新ドライ バをダウンロー ドするためのインター
ネット接続環境
Macintosh
Power Mac G4 1 GHz 以上 または Core Solo 1.5 GHz 以上
RAM:512MB RAM 以上
OS:Mac OS X 10.4 以上
オーディオ・デバイス:CoreAudio 対応デバイス ディスプレイ:1024x768ピクセル以上の解像度
DVD-ROM ドライブ Steinberg Key(製品に付属する USB プロテクション・デバイス)接
続用の USB 端子 Steinberg Key の最新ドライ バをダウンロー ドするためのインター
ネット接続環境 インターネット接続環境
(ユーザー登録、ソフトウェアおよびSteinberg Keyドライバのアップ
データ・ダウンロード用)
より快適なシステムの留意点
Steinberg Web サイトの "Support - DAWコンポーネット "で、コ ンピューターシステムでオーディオを取り扱うためのセット
アップにあたり考慮すべき事項について、詳細な情報を掲載して います。
メモリ-メモリと同時再生できるオー ディオチャンネル数の間には
直接的な関係があります。
上記の RAM 容量は必要最小限であり、多ければより快適な動作が行 えます。
ハードディスク-ハードディスク の容量によって、レコーディング
できるオーディオの長さが決まります。
CD クォリティのオーディオ(ステレオ 16bit / 44.1kHz)を1分間レ コーディングすると、約 10 MB のファイルが作成されます。すなわ
ち、Cubase で 8 つのステレオトラックでレコーディングする場合、 1分間につき 80 MB 以上のディスク容量を消費する計算になります。
ハードディスクスピ ード-ハードディスクのスピードによって、使
用可能なオーディオトラック数が決まります。
ハードディスクのスピードは、ハードディスクが時 間当たりに読み 取ることができる情報量で、通常「連続転送速度(sustained tranfer
rate)」と呼ばれています。スピードが高速なほど、より快適に使用 することができます。
ホイールマウス-Cubaseを使う際、通常のマウスでもまったく問題
はありませんが、Microsoft社の Intellimouse などのホイールマウス をお使いになることをお薦めします。
編集やスクロールを早く快適に行えるようになります。
MIDI 機能の必要環境
Cubase の MIDI 機能を使用する場合は、以下が必要となります。
外部 MIDI 機器とご使用のコ ンピューターを接続するための MIDI イ ンターフェース
MIDI 対応の楽器・機器 ご使用の MIDI 機器からのサウンドを聴くためのオーディオ機器
64bit バージョンの Cubase をインストールされる場合には、あらか じめ同梱の "ReadMe" ドキュメントをご一読ください。
インストー ル DVD の "ReadMe Files" フォルダの中に、"Windows Vista64bitJapanese.rtf" ドキュメントが用意されています。
システムの必要環境とインストール
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オーディオハードウェア
Cubase は、以下の仕様を満たすオーディオハードウェアが必要です。
最低限 1 系統のステレオ入出力 16 ビット以上
44.1kHz 以上のサンプリングレートをサポート Windowsの場合 - 専用のASIOドライバ、あるいは DirectX対応ドライ
バを持つオーディオハードウェア Mac の場合 - Mac OS X 対応のドライバ(CoreAudio/ASIO)を持つ
オーディオハードウェア
Macintosh 内蔵のオーディオハードウェアを使用する
(Mac のみ)
Cubase は マルチチャンネル入出力 の設計ですが、「ベ ーシックな」ス テ レオ入 出力環 境でプログ ラムを 使用し てもかまいま せん。こ のマ
ニュアルを作 成している時点では、現行のすべての Macintosh の機種 に16ビットステレオのオー ディオハードウェアが内蔵されています。
詳 細につ いては ご使用のコン ピュー タのマ ニュアルをご 参照く ださ い。
行う作 業によっては、この内蔵オー ディオハードウェアで 十分な場合 もあり ます(ただし、マルチ出力のオ ーディオハードウェア をご使用
になることをお す すめ します)。内 蔵 オー ディオ ハ ードウ ェア は Cubase から選択することができます。特別なドライバをインストール
する必要はありません。
コンピュータの機種によっては、オーディオ出力しか搭載してい ないものもあります。その場合、オーディオレコーディングのプ
レ イバック はできま すが、レコーディン グには別 途オーデ ィオ ハードウェアを追加する必要があります。
オーディオ・デバイス専用 ASIO ドライバは、カードのメーカーから供 給されるも のです。ドライバの最新 バージョンについては、メ ーカー
の Web サイトなどで確認してください。
オーディオハードウェアに専用 ASIO ドライバが付属している場 合は、そ のドライ バをお使 いになることを 強くお薦 めいた しま
す。
DirectX を介してオーディオ・デバイスを使用する場合
(Windows のみ)
DirectX は、様々な種類のマルチメディアデータを Windows で取り扱 うため に、Microsoft 社が 開発したも のです。Cubase は DirectX をサ
ポートして います。もっと正確にい うと、オーディオのプレイ バック やレコーディングに用いられる DirectXのパーツである、"DirectSound"
をサポートしています。使用するには、2 種類のドライバが必要となり ます。
オーディオ・デバイスが DirectXとデータ転送するためのDirectXドラ
イバ。オーディオ・デバイスが DirectX をサポートする場合、このド ライバはオーディオ・デバイスのメーカーより提 供されます。ドラ
イバがオーディオ・デバイスと共にインストールさ れていない場合 は、メーカーの Web サイトなどにて詳細を確認してください。
Cubase と DirectX がデータ転送するための "ASIO DirectX Full Duplex..." ドライバ。このドライバは Cubase に付属するため、特に
インストールする必要はありません。
ドライバについて
「ドライバ」は、プログラムとハードウェア間のデータ転送を行うソフ
トウェアです。この場合、ドライバによって、Cubaseでオーディオハー ドウェ アを使用することができ るようになります。オーデ ィオハード
ウェアには通常、以下の 2 とおりの設定方法があります。
オーディオハードウェアに専用の ASIO ドライバが備わって いる場合
オーディオ・デバイスには、カード専用の ASIO ドライバが備わってい る場合があります。これにより、Cubase とオーディオ・デバイスの間
で、直接音声情報のやりとりを行えます。その結果、専用 ASIO ドライ バを 持つカードは、Cubase や VST インストゥル メントを介し てオー
ディオ をモニタリングする 際に重要となる「低レイ テンシー(= 入出 力ディレイ)」を実現します。また、ASIO ドライバは複数のオーディ
オ入出 力、ルーティング、同期などに 対する特別なサポート も提供し ます。
システムの必要環境とインストール
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ハードウェアのインストール

Steinberg Key について
Cubase ソフトウェアをインストールする前に、以下をお読みく ださい。
Cubase パッ ケージには、Cubase のコピー防止システムであるハード ウェアキーが入っています(「ドングル」ともいいます)。Cubase は、
このキーが正しく装着されていないと稼働しません。
Steinberg Key
Steinberg Key は、Steinberg ソフト ウェアのライセンスが 保存された 小さなコンピューターです。キーを必要とするすべての Steinberg 製品
で、同じタイプの Steinberg Key を使用しており、また1 つのキーに複 数のラ イセンスを保存する こともできます。また、ライ センスは(特
定の範囲内で)キー間で転送することも可能です。
"Syncrosoft License Control Center" で、お手元の Steinberg Key にイン ストール されているライセンスを確 認できます(Windows の場合は "
スタート " ボタン> " プログラム " > " Syncrosoft" メニュー内に、Mac の場合は " アプリケーション " フォルダ内にあります)。
コピープロテクトされた他の Steinberg 製品をご使用の場合は、USB
ポートに挿入されている 1 つの Steinberg Key に、すべてのライセ ンスを転送することができます。ライセンス をキー間で転送するに
は、"Syncr oso ft Licens e C on trol Center" の "Lic ens e Trans fer wizard" を起動し、指示にしたがって作業してください。
Steinbergのソフトウェア製品は、必ずライセンス取得用のアクティ ベーショ ン(認証)コードも 同梱され ます(ただし Steinberg Key
と同梱される、というわけではありません)。Steinberg ソフトウェ ア(VST イン ストゥル メント など)のラ イセン スを 、Cubase の
Steinberg Key 上で認 証 させるために は、"Syn crosoft License Control Center" の "License Download wizard" を起動し、指示にし
たがって作業してください。
オーディオハードウェアとそのドライバをインストー ルする
1. オーディオ・デバイスと関連機器(同期用オプションなど)を、カー ドのマニュアルにしたがって、コンピュータに取り付けます。
2. カードのドライバをコンピュータ上でインストールします。
ご使用のコンピューター における OS によって、適用され るドライ バのタイプが異なります : カード専用 ASIO ドライバ、DirectX ドラ
イバ(Windows)、Mac OSX ドライバ(Mac)
ハードウェア「専用」ASIO ドライバ
オーディオ・デバイスに専用の ASIO ドライバがある場合、ドライバは オーディオ・デバイスに付属している場合がありますが、必ずオーディ
オ・デバイスのメーカーの Web サイトなどにてドライバの最新版を確 認してくだ さい。ドライバのインス トール方法については、オ ーディ
オ・デバイスのメーカーの指示にしたがってください。
DirectX ドライバ(Windows のみ)
オーディオ・デバイスが DirectX 対応である場合、たいていはカードを インストールすると、その DirectX ドライバもインストールされます。
オーディオ・デバイスに対する専用 DirectX ドライバをダウンロードし た場合は、メーカーのインストール指示にしたがってください。
Mac OS X ドライバ(Mac のみ)
Macintosh コンピューターをご使用の 場合は、オーディオ・デバ イス の最新の Mac OSX ドライバを使用するようにしてください。ドライバ
のインスト ール方法については、オ ーディオ・デバイスのメー カーの 指示にしたがってください。
オーディオハードウェアをテストする
オーディオ ハードウェアが適切に 動作することを確認する ために、次 の2つのテストを行います。
オーデ ィオハー ドウェ アの付属ソフ トウェ アなど を使って、オー ディオのレコ ーディングと プレイバック が問題なく実行できるか、
確認します。 オーディオハードウェアを OS 標準のドライバでアクセスしている
場 合は、コ ンピューター標準のオーディオアプリケーション
(Windows Media Playerや Apple iTunes など)を使用して、オーディ
オの再生をお試しください。
12
システムの必要環境とインストール
MIDI インターフェイス / シンセサイザカードをインス トールする
MIDI インターフェイスのインストール手順のマニュアルは、製品に付 属して いますので、そちらをご参 照ください。ここでは必要 な手順を
概要だけ示します。
1. インタ ーフェ イス(ある いは M IDI シ ンセサ イザカード )をコ ン ピュータ の内部に組 み込むか、コン ピュータの「ポート」(コ ネク
タ)に接続するかします。
手順は、インターフェイスの種類によって異なります。
2. インターフェイスの電源スイッチがあれば、オンにします。
3. インターフェイスのドライバを、インターフ ェイス付属のマニュア ルにしたがってインストールします。
各メーカーの Web サイト で最新のドライ バアップデートに関する 情報を確認することをおすすめします。

Cubase のインストール

インストーラによって、Cubase用のファイルがすべて自動的に正しい 保存場所にインストールされます。
Windows の場合
1. "Cubase4.msi" または "CubaseStudio4.msi" のファイルをダブルク リックします。
2. 画面上の指示にしたがってください。

ハードディスクをデフラグする(Windows のみ)

ハードディ スクにはすでに他のフ ァイルが存在していて、この ディス クで新しくオーディオのレコーディングを行う場合、先に「デフラグ」
を実行しておきましょう。デフラグ(デフラグメンテーション)とは、 パフォーマ ンスを最適化するため に、ハードディスク上の領域 の物理
的な割当て を再編することです(ファ イルとファイルの間に不 要な空 き領域が存在することが多くあります)。作業はデフラグ専用のプログ
ラムを使って行います。
オー ディオの レコーデ ィングパフォー マンスに とって、ハ ード ディスクの最適化(デフラグ)は重要です。定期的にデフラグを
実行しましょう。

必ず登録してください。

お手元の ソフトウェアを ご登録されるこ とをおすすめします ! 登録す ることでテ クニカルサポートやアッ プデートサービスをお受 けいただ
けます。
2 つの登録方法があります。
Cubase のヘルプメニューを開き、"登録(Registration)" を選択して
ください。
Steinberg Web サイトの登録ページにリンクしま す。以後、画面上 の指示にしたがってすすめていくと登録を行えます。また、Cubase
の起動時にも、登録処理を行うか尋ねられます。
Macintosh の場合
1. "Cubase4.mpkg" または "CubaseStudio 4.mpkg"のファイルをダブ ルクリックします。
2. 画面上の指示にしたがってください。
チュートリアルについて
プログラム DVD には、チュートリアル・プロジェクトとビデオも同梱 してい ます。これらはプログラムの インストール時にはイ ンストール
されませんが、DVD から手動でコピーしてご利用いただけます。 本書の チュートリアル各章で、こ れらチュートリアル・プロ ジェクト
を参照します。つまり、ファイルをコンピューターにドラッグすれば、 本書の 内容に沿ってチュ ートリアルを " 実践する " ことが可 能なので
す。 チュートリアル・プロジェクトは、"Additional Content" フォルダに含
まれています。
システムの必要環境とインストール
13
14
システムの必要環境とインストール
3

システムのセットアップ

オーディオのセットアップ

接続の作業を行う前に、すべての機器の電源をオフにしてくださ い!
オーディオの接続
実質的 なシステムのセットアッ プ方法は、作成するプロジ ェクトの種 類、使用す る外部機器、お手元のコン ピューターハードウェ アの構成
など、様々 な要因によって異なる ものとなります。以下は一 例として お考えください。
お手元の機器を接続する際、デジタル接続 / アナログ接続に関わらず、 ご自身のセットアップによって異なります。
ステレオ入力 / 出力‐最もシンプルな接続例
Cubase からのステレオ入力 / 出力だけを使用する場合は、入力ソース
(ミキサーなど)、出力先(アンプやスピーカー)とオーディオハード
ウェアを直接接続してしまうのもひとつの方法です。
外部ミキサーを使用したマルチチャンネルオーディオのセットアップ
入力ソース(ミキサーなど)をオーディオハードウェ アに接続する 場合、プレイバックしている内容をレコーディン グしないよう、出
力バ スやセ ンド など、ミキサ ー出 力と は別に接続 して ください。 Firewire 接 続による、専用のミキシングハードウェアを使用する場
合もあるでしょう。 Cubase 内部のミキサーを使用する場合は、ご使用のオーディオハー
ドウェアの入力を使用して、マイクや外部機器を接 続してもよいで しょう。出力はご使用のモニター機器に接続します。
Cubase のみ : あらゆる外部機器(楽器 / エフェクト)を使用して非 常に込み入ったセットアップも可能です。これらは、Cubase のコン
トロールルーム機能を利用してシームレスに統合できます。(『オペ レーションマニュア ル』の『VST コネクショ ン - 入出力バスのセッ
トアップ』、『コントロールルーム』の各章を参照).
シンプルなステレオオーディオのセットアップ
あらゆ るセットアップの中 でも最もシンプルな ものです - プログラム の内部 で入出力バスをセット アップし、オーディオソー ス(マイクな
ど)をオー ディオインターフェー スに接続して、レコーディ ングを行 えます。
マルチチャンネルの入力 / 出力
多くの場合は、他のオーディオ機器もマルチチャンネルで Cubase と統 合したいものです。
ご使用の機器によって、2 とおりの方法を選択できます : 外部ミキ
サーを使用してミックスを行う、Cubase 内部のミキサーを使用して ミックスを行う
次の例では、オ ーディオハ ードウェアの 入力に信号を送るために、 ミキサーの 4 つのバスを使用しています。また、カードからの 4 つ
の出力は、モニタリング、およびプレイバックを行うためにミキサー に戻されています。ミキサーの他の入力は、マイク、楽器、MIDI 音
源などのオーディオソースの接続に使用できます。
システムのセットアップ
Cubase 内部でミキシングを行う
16
サラウンドサウンド用の接続(Cubase のみ)
サラウ ンドサウンドを使うミキ シングを行う場合は、オー ディオ出力 をマル チチャンネルのアンプに 接続して、ひと組のサラウ ンドチャン
ネルを構成できます。
ワー ドクロッ クの同期 が正しく行われる ことがき わめて大 切で す。これを欠くとレコーディングやプレイバックにノイズが混じ
る可能性があります。
レコーディングのレベルと入力について
レコ ーデ ィング 機器を接続し たら、オー ディ オソースと入 力のイ ン ピーダンス とレベルが一致するよ うに設定する必要があり ます。通常
は、マイク、コンシューマーラインレベル(-10 dBV)、プロフェッショ ナルラインレベル(+4 dBV)に別々の入力を設定することができます。
または、オーディオインターフェイスやそのコントロールパネルで、入 力の設定を 調節することができ ます。詳細については、各オー ディオ
ハードウェアのマニュアルをご参照ください。 正しい種類 の入力の使用は、ノイズや ディストーションを防止 するた
めに非常に重要です。
オーディオハードウェアが受信する信号の入力レベル調節は カードに よって異なるため、Cubase で、これを調節することは
できません。入力レベルの調節は、ハードウェアに付属の専用ア プリケーション、またはハードウェアのコントロールパネルなど
で行います(以下参照)。
サラウンドサウンドのプレイバック構成
Cubase は、最大 6 つのスピーカーチャンネルのサラウンドフォーマッ トに対応しています。上の図は、5.1 サラウンド設定です。
CD/DVD-ROM ドライブからレコーディングする場合
たいていのコンピュータには、CD プレイヤーとしても使用可能な CD/ DVD-ROM ドライブが付属しています。通常、CD/DVD-ROM ドライブ
とオー ディオハードウェアは内 部接続されているので、ド ライブの出 力を直接 Cubase でレコーディングすることができます。
CD からのレコーディング(使用可能な場合)のルーティングやレベ
ル調整は、すべてオーディオハードウェアセ ットアップアプリケー ションで 行います(下記『オー ディオハー ドウェアの設定を行う』
をご参照ください)。 また、Cubase で、コンピュータの CD / DVD ドライブを使って、直
接オーディオ CD の各トラックを取り込む事(=Grab)ができます。
『オペレ ーションマニュア ル』の『ファイルの取り扱 い』の章 をご
参照ください。
ワードクロックの接続
デジタ ルのオーディオ機器を使 用する際は、オーディオハ ードウェア とデジタ ル機器の間にワードクロ ックを接続する必要があ るかもしれ
ません。詳 細はオーディオハードウ ェアのマニュアルをご 参照くださ い。
オーディオハードウェアの設定を行う
ほとんどの オーディオカードには、ハ ードウェアの入力設定を 行うこ とができるソフトウェアが 1 つ以上付属しています。
以下の設定が可能です。
アクティブにする入力 / 出力の選択
ワードクロックの同期のセットアップ(可能な場合) ハードウェアのモニタリングの切り替え(20 ページの『モニタリン
グについて』)
各入力のレベル設定(きわめて重要です !)
モニタリングに使用する機器に合わせた出力レベルの設定 デジタル入出力フォーマットの選択
オーディオバッファの設定
多くの場合、オーディオハードウェアに設定可能なすべての設定は、コ ントロールパネルに集約されています。このコントロールパネルは、以
下で説明するとおり、Cubaseから開くことができます(または、Cubase が起動していない場合は、別に開くこともできます)。オーディオハー
ドウェアに よっては、他にいくつかの アプリケーションやパネ ルがあ る場合もあ ります。詳細については、各 ハードウェアのマニュ アルを
確認してください。
Cubase でドライバの選択とオーディオ設定を行う
まず始めに、Cubase とオーディオハードウェアの連携を確実にするた め、Cubase で正しいドライバを選択する必要があります。
17
システムのセットアップ
1. Cubase の " デバイス( Devices )"メニューから " デバイス設 定
(Device Setup)" を選択し、左側の " デバイス(Devices)" リストか
ら "VST オーディオシステム(VST Audio System)" をクリックしま す。
" デバイス設定(Devices Setup)" ダイアログの "VST オーディオシス テム(VST Audio System)" ページ
2. "ASIO ドライバ(ASIO Driver)" から使用するオーディオハードウェ アドライバを選択します。
選択項目に、同じオーディオハードウェアを 参照するオプションが 存在する場合があります。ドライバを選択している場合、" デバイス
(Devices)" リストに追加されます。
Windows 環境下で、専用の ASIO ドライバが付属されている場合 は、ASIO を使ってハードウェアへアクセスすることを強く推奨い
たします。ASIO ドライバがインストールされていない場合は、た とえば、インターネットでダウンロード可能なドライバがあるか
チェックするか、ハードウェアのメーカーや輸入代理店などにお 問い合わせください。
3. " デバイス(Devices)" リストからドライバを選択して、オーディオ ハードウェアの設定画面を開きます。
4. " コントロールパネル(Control Panel)" ボタンをクリックして、オー ディオハードウェアのメーカーが推 奨 / 指定す るように設定値を調
整します。
" コントロールパネル(Control Panel)" ボタンをクリックすること
によってコントロールパネルを開きます。
この ボ タン をクリックして表示されるコントロールパネルは、 Cubaseではなく、使用しているオーディオハードウェアのメーカー
が開発しています(DirectX オーディオハードウ ェアの場合を除く。 以下参照)。そのため表示されるコントロールパネルは使用している
オーディオカードによって異なります。バッ ファ、同期、デジタル 入出力フォーマットなどの設定を行うことができます。
ASIO DirexcX ドライバのコントロールパネルは、Steinberg 社が開発 しています。ダイアログの " ヘルプ(Help)" ボタンをクリックする
と詳細の説明が開きますので(英語)、こちらもご参照ください。ま た下記の注釈もご確認ください
MacOS X 環境下では、"Apple"メニューまたはDockの" システム環境
設定 "(" その他" セクション)から、オーディオハードウェアのコ ントロールパネルを開くことができます。
コンピュータ内蔵のオーディオハードウェアを使用 している場合に は、" システム環境設定 " の " サウンド " コントロールパネルでレベ
ルやバランスなどの設定を行います。 ASIO オーディオハードウェアを使用している場合、" コントロール
パネル(Control Panel)" ボタンをクリックして開きます。
5. 同時に複数のオーディオアプリケーションを使うときは、"VST オー ディオシステム(VST Audio System)" ページの" バックグラウンド
時は ASIO ドライバを解放する(Release Driver when Application is in Background)"を選択してもよ いで しょう。こ うす ることで、
Cubase プログラムが起動していても、別のアプリケーションでオー ディオハードウェアを使ってプレイバックさせるこ とが可能になり
ます。
オーディオハードウェアにアクセス可能なのは、現 在アクティブな アプリケーション(= デスクトップの「トップウィンドウ」)です。
Cubaseを再度アクティブにしたときに ASIO ドライバを使用できる ように、オーディオハードウェアにアクセスしてい るその他のオー
ディオアプリケーションも ASIO(もしくは Mac OSX)ドライバを 解放するように設定してください。
6. オーディオハー ドウェアとその ドライバがASIO ダイレクトモニ タ リングをサポートしている場合、ドライバのペー ジで " ダイレクト
モニタリング(DirectMonitoring)" チェックボックスをアクティブ にしてもよいでしょう。
モニタリングの詳細は、この後の項、そして『オペレーションマニュ アル - レコーディング』の章をご参照ください。
7. " 適用(Apply)" ボタンをクリックしてから、"OK" ボタンをクリッ クしてダイアログを閉じます。
18
システムのセットアップ
DirectX ドライバがインストールされたオーディオハード ウェアを使用している場合(Windows の場合)
使用している Windows 用オーディオハードウェアに ASIOドライ バが付 属していない場合は、DirectX ドライバを使用してくださ
い。
Cubase には、"ASIO DirectX Full Duplex" というドライバが標準で付属 してい ます。このドライバは、"ASIO ドライバ(ASIO Driver)" ポップ
アップメニューから 選択することができます("VST オーディオシステ ム(VST Audio System)" ページ)。
"DirectXFullDuplex"を最大限 に活用す るには、オー ディオハード ウェアがWDM(Windows Driver Model)とDirectX バージョン8.1
以降に対応している必要があります。
その他の場合、オーディ オ入力は DirectX によってエミ ュレートさ れま す(これ がど のよう にレ ポー トされる かに ついては、"ASIO
DirectX Full Duplex Setup" ダイアログのヘルプ(英語)をご参照く ださい)。
Cubase をインス トールする と、もっと も最新の DirectX がコ ン
ピュータにインストールされます。
" デバイス設定(Device Setup)"で"ASIO DirectX Full Duplex..." ドライ バを 選択し、コン トロール パネルボタンをクリ ックするこ とで開く、
ASIO コントロールパネルで以下の設定を調節することができます(詳 細はコントロールパネルの " ヘルプ(Help)"(英語)をご参照ください)。
Direct Sound Output/ Input Ports
ウィンドウの左側に、使用可能な "Direct Sound" 入出力ポートがす べてリスト表示されます。リスト左側のチェ ックボックスをクリッ
クすることによって、各ポートのオン / オフを切り替えることがで きます。チェックボックスにチェックを入 れると、そのポートがオ
ンになります。
必要に応じて、このリスト内でバッファサイ ズやオフセット設定を
修正することもできます。数値欄をダブル クリックして、新しい数 値を入力してください。
通常は、デフォルト設定のままで問題あり ません。オーディオバッ ファは、Cubase とオーディオカードの間でオーディオデータを転送
する際に使用します。バッファサイズを大 きくすると、プレイバッ ク時に生じる音のズレなどが少なくなります。しかし、レイテンシー
(Cubase がデータを 送信してから、出力に届くまでの時間)は大き
くなります。
オフセット
オーディオと MIDI のレコーディングで、オフセットが頻繁に確認さ れる場合は、この数値を調節して、入力または 出力のレイテンシー
タイムを調節できます。
入出力ポートを設定する
ドライバの 選択を行い、上記の説明 のとおりに設定を行っ たら、使用 する入出力を指定し、名称を設定できます。
1. " デバイス設定(Device Setup)" ダイアログで、左側の "デバイス
(Devices)" リストでご使用のドライバを選択して、オーディオハー
ドウェアのドライバ設定を表示します。
オーディオハードウェアのすべての入出力ポートが一覧表示されます
2. ポートを非表示にするには、ポートの " 表示(Visible)" 欄をクリッ クして、チェックを外した状態にします。
非表示状態になっているポートは、入出力バスの設定を行う "VST コ ネクション(VST Connections)" ウィンドウで 選択することはでき
ません。(27 ページの『VST コネクションのセットアップ』、および
『オペレーションマニュアル』の『VST コネクション : 入出力バスの
セットアップ』の各章参照)。
バスで既に使用しているポートを非表示にしようとすると、本当 に非表示にしても良いか確認するダイアログが表示されます。非
表示にすると、その出力ポートは使用不可能になります!
3. ポート名を変更 するには、" 表 示名( Show as)" 欄のポート名を ク リックして、新しい名称を入力します。
各ポートに、(実際のハードウェア名の代わりに)、チャンネル設定 と関連した名称をつけておくことをおすすめします。
例えば、5.1 サラウンドオーディオ設定(Cubase のみ)を使用して いる場合、6 つのポート名を、それぞれ " 左(Left)", " 右(Right)",
"中央(Center)", "LFE", "Ls(Left Surround)", "Rs(Right Surround)" にすることによって、プロジェクトを複数のコン ピュータ(別々の
スタジオなどでプロジェクトを共有する場合な ど)で共有する場合 に便利です。2 台のコンピュー タで同じポート名が使用されている
場合、もう 1 台のコンピュータでプロジェクトを開くと Cubase は 自動的に正しいバス接続を行います。
19
システムのセットアップ
4. "OK" ボタンをクリックして " デバイス設定(Device Setup)" ダイア ログを閉じ、変更を適用します。
モニタリングについて
Cubase で、モニタリングとは、レコーディングの準備中、あるいはレ コーデ ィング中に入力されてい る信号を聴くことを意 味します。モニ
タリングは次の 3 とおりの方法で行われます。
外部モニタリングによる方法
外部モニタリング(Cubase に達する前に入力信号を聴く)を行うには、 コンピュータ からのオーデ ィオプレイバックとオーディオソースの入
力信号 をミックスするために、外 部ミキサーが必要です。ミ キサーは 入力するオーディオを外に出すモード(通常「スルー」「ダイレクトス
ルー」など と呼ばれます)が備わっ ているならば、お手元の ミキサー デスク や、使用しているオーディオ ハードウェアに適した ミキサーア
プリケーションでもかまいません。
Cubase を介する方法
この場合、オーディオは入力から Cubase へ渡され、エフェクトや EQ などを通過し、出力へ戻ります。そこで、Cubase の設定を介してモニ
タリングをコントロールできます。 これによって、Cubase でモニタリングレベルのコントロールを行うこ
とがで き、モニタリングされた信号 だけにエフェクトを追 加すること ができるようになります。
ASIO Direct Monitoring
ASIO 2.0 対 応のオーディオハードウェアを使用している場合は、ASIO ダイレクトモニタリングがサポートされている可能性があります。(こ
の機能は、Mac OS X ドライバ付属のオーディオハードウェアでも使用 可能な場合があります)。このモードでは、実際のモニタリングは、入
力信号 を外部に戻すことによっ て、オーディオハードウェ アで実行さ れます。ただし、モニタリングの制御は Cubase から行われます。この
こと は、オーディ オハード ウェアのダイレクト モニタリン グ機能を、 Cubase によってオ ン / オフの切 り替えができること を意味して いま
す。 モニタリングについては、『オペレーションマニュアル‐レコーディン
グ』の章で詳細に解説しています。ただし、セットアップに際し、1 つ だけ留意したい点があります。
オーディオ ハードウェア を介してモニ タリングを使用する場合は、
付属のミキ サーアプリケ ーションなど で対応させるべき諸機能を、 よく確認してください。
RME Audio Hammerfall DSP のオーディオハードウェアをご使用の 場合は、カードの初期設定 で、パン Law 設定を "-3dB" にしてくだ
さい。

MIDI のセットアップ

接続の作業を行う前に、すべての機器の電源をオフにしてくださ い。
この項では、MIDI 機器の接続とセットアップについて説明します。MIDI 機器がない 場合、この項を読み飛ば してかまいません。実際に は他の
ものが必要 になったり、追加したい 場合もあると思います。以 下は一 例としてお考えください。
MIDI 機器の接続
この例では、MIDI キーボードと外部の MIDI 音源モジュールがあること が前提です。キーボードからは、コンピュータ上の MIDI トラックへの
レコーディングが可能であり、同時にプレイバックの MIDI メッセージ を受 け付けま す。なお、音源 モジュールは、プレイ バック専 用です。
Cubase の "MIDI スルー(MIDI Thru)"機能(後述)を使って、キーボー ドの演奏中、あ るいはレコーディン グ中に、音源モジュールか ら正し
いサウンドが聞こえるようにすることができます。
典型的な MIDI のセットアップ
プレ イバッ クには さらに多くの 音源を 使用し たい場合もあ るでし ょ う。その場合、音源モジュールの MIDI スルーと次の音源の MIDI 入力
を接続します(以下同じ)。この接続例では、レコーディングの際には キーボードのサウンドだけが鳴ります。ただし、MIDI プレイバックで
サウンドを供給する際は、すべての機器を鳴らせます。
4 つ以上の M IDI 機器を使う場合 は、複数の出力ポートを備え た MIDI インターフェイスを使うか、あるいは、各ユニットのスルー
端子ではなく、別 の MIDI スルーボックスを使用することをお薦 めします。
20
システムのセットアップ
"MIDI スルー(MIDI Thru)"と"Local On / Off" の設定
Windowsの場合 " ファイル(File)" メニュー、Macintoshの場合 "Cubase" メニューの、"初期設定(Preferences)"‐"MIDI" に "MIDI スルー オン
(MIDI Thru Active)" という設定項目があります。これは、MIDI キーボー
ドにおける "Local On / Off"、あるいは "Local Control On / Off" という 設定項目に関連します。
この章ですでに説明した MIDI キーボードを使用する場合は、キー ボード側 で "MIDI スルー(MIDI Thru)" をアク ティブにし、さらに
"Local Off" に設定 してお く必要があります("Local Control Off" と なっている場合もあります。詳細はキーボー ドのマニュアルをご参
照ください)。理由は、キーボードと Cubase から同じ MIDI 情報を 二重に受け取ってしまうことになるから です。オフにしておくこと
で、キーボードからの MIDI 情報は、直接 Cubase にレコーディング され、Cubase からキーボードの音源部分に戻るようにルーティング
される事で、キーボードによる直接のトリ ガーでなくても、演奏し ているサウンドを聞くことができるのです。
Cubaseで "MIDI スルー(MIDI Thru)" がアクティブになっていると、
Cubaseが受信したMIDIデータはただ ちに「エコーバック」されて出力され
ます。
キーボードが受信するMIDIデータ は、その内部 の音源部分によって
プレイされます。
"Synth"
キー を 押 すと、その 情 報は MIDIを介して Cubaseに送信
されます。
別のMIDIキーボード(サウンドの生成を行わないキーボード)を使
用する場合、Cubase で "MIDI スルー(MIDI Thru)" をアクティブに しておく必 要があります が、インストゥ ルメントの "Local On/Off"
設定は確認する必要はありません。 "MIDI スルー(MIDI Thru)" をアクティブにしておかないケースは、
Cubase を 1 台のキ ーボードだけと併 用する場合であ り、そのキー ボードが "Local Off" モードの設定ができない場合だけです。
キ ーボー ドで "Local Control" が オ になっていると、演奏したキーはキー
ボ ード内部 の音源部 分によって演 されます。
"Local Control" が オフ になって い と、この接続は断たれます。
"MIDI スルー(MIDI Thru)" は、レコーディング可能な状態になって
いる、またはモニターボタンがアクティブになっている MIDI トラッ クにだけ 有効です。詳細 は、『オペ レーションマニュ アル』の「レ
コーディング」の章で説明しています。
Cubase で MIDI ポートを設定する
" デバイス設定(Device Setup)" ダイアログで、以下のとおり MIDI シ ステムの設定を行うことができます。
注意:" デバイス設定(Device Setup)" ダイアログで MIDI ポート設定
を変更すると、プログラムにも自動で適用されます。
MIDI ポートを表示 / 非表示する
MIDI ポートは "MIDI ポートのセットアップ(MIDI Port Setup)" ページ に一覧表示されます。MIDI 入出力の " 表示(Visible)" コラムをクリッ
クして、プログラムの MIDI ポップアップにポートを表示させるかどう かを設定できます。
すでにトラックで選択したりMIDIデバイスで使用しているMIDIポー
トを非表示にしようとすると、警告メッセージが 現れます。ポート を非表示にして切断するか、MIDI ポートをそのまま表示し使用する
か、選択します。
"All MIDI Inputs " オプションを設定する
Cubase で MIDI レコーディングを行う場合、各MIDI トラックのレコー ディ ングに 使用する MIDI 入力を設定 するこ とができます。"All MIDI
Inputs に含める(In All Inputs)" オプションを選択して、すべてのMIDI 入力の MIDI データをレコーディングすることもできます。
"MIDI ポ ートのセット アップ(MIDI Port Setup)" ページ の "All MIDI Inputs に含める(In All Inputs)" は、MIDI トラックで "All MIDI Inputs"
を選択した 際に含められる入力 を設定できます。これは、シス テムに 同じ MIDI 入力 が複数存在 する場合、不要な入力をオ フにするこ とに
よって必要な MIDI データだけをレコーディングすることができるので 便利です。
MIDI リ モート コントロールユ ニットを 接続している場 合は、その
MIDI 入力で "All MIDI Inputs に含める(In All Inputs)" オプションを オフにしておいてください。
これは、MIDI トラックの入力として "All MIDI Inputs" オプションが 選択されている場合に、間違ってリモートコントロ ールからのデー
タをレコーディングしてしまうことを防ぐためです。
システムのセットアップ
21

シンクロナイザーの接続

接続の作業を行う前に、すべての機器の電源をオフにしてくださ い。
Cubase の時間軸(タイムコード)を外部のトランスポートを使って管 理する ことを考えるならば、おそら くシンクロナイザーを システムに
追加し なければなりません。同期 のためのすべての接続、お よびセッ トアップ手順については、『オペレーションマニュアル』の「同期」の
章で説明しています。

ビデオのセットアップ

機器間のケーブル接続時は、必ずそれぞれの電源を切った上で作 業してください。
Cubase は、AVI, Quicktime, MPEG フォーマットのビデオをプレイバッ クす ることが できます。Windows 環境下では、"Video for Windows",
"DirectShow Video" , "Quicktime Video" のど ちらかのプ レイバッ クエ ンジン を使用します。Macintosh 環境下では、常に Quicktime をプレ
イバックエンジンとして使用します。これによって、幅広いビデオハー ドウェアとの互換性を保ちます。
通常、2 通りの方法でビデオをプレイバックします。
特別なハードウェアは使わないで、コンピュータの CPU を使って手
前の画面上だけでプレイバックする方法
この場合、"CODEC" はシステムソフトウェアとして存在しています。 これで十分な場合も多いのですが、画質と ともに、ビデオウィンド
ウのサイズにも制限が生じることは確かです。
ビデオハードウェア(カードなど)を使って外 部モニターでもプレ イバックする方法
Maincotsh バージョンの場合、FireWire ポートを使用することによっ て、DV/ アナログコンバーター や DV カメラを使って外 部モニター
でビデオをプレイバックすることがで きます(『オペレーションマ ニュアル』の「ビデオ」の章も確認してください)。
これは DV ビデオに 有効で、QuickTime をプレイバックに使用しま す。
Windows バージョンの場合、オーバーレイ機能に対応しているマル チヘッ ドグラ フィッ クカードを使用 するこ とによ って、外部モニ
ターでビデオをプレ イバックすることがで きます。以下 のメーカー の製品が対応しています:nVIDIA, Matrox
特定の ビデオハードウェアを使 用する場合、そのハードウ ェアをイン ストー ルして、ハードウェアメーカ ーの推奨する方法で設 定を行って
ください。
ビデオハードウェアを Cubase で使用する前に、ハードウェアに付属の ユーティリティソフトウェア、または WindowsMediaPlayer
(Macintosh の場合、Quicktime Player)を使って、ハー ドウェアが正
常にインストールされていることを確認されることをお勧めします。

オーディオパフォーマンスを最適化する

この項では、Cubase システムから最高のパフォーマンスを引き出すた めのヒントを紹介します。ハードウェア属性についての説明も含み、シ
ステムのア ップグレードを行う際 のガイドとしても活用で きます。こ こでは簡単な説明にとどめます。詳細と最新情報は、Web サイトでも
提供していま すので、これもご活用ください(7 ページの『Steinberg
社の Web ページへのアクセス方法』参照)。
パフォーマンスの 2 つの側面
Cubase のパフォーマンスには、明確に区別できる 2 つの側面がありま す。
トラックとエフェクト
簡単にいうと、コンピュータの処理速度が速いほど、より多くのトラッ ク、エフェクト、EQ を使用できます。「高速なコンピュータ」の構成要
素とは、というテーマ自体で科学の一分野となりそうな勢いですが、い くつかの以下のようなヒントがあります。
レスポンスタイム(レイテンシー)が短いこと
パフォーマンスのもうひとつの側面は、レスポンスタイムです。『レイ テンシー』は「バッファリング」の際に生じます。バファリングは、す
なわちオー ディオデータを小さな プロックに分け、これを一時 的に保 管するもの で、コンピューターにおけ るレコーディングや再生 などの
各処理にあらゆる段階で行われます。そのブロックが大きくなるほど、 レイテンシーは大きくなります。
レイテンシーが高いことが大きく問題となるのは、VST インストゥルメ ント の演奏時 や、コンピュ ータ上でモニタリ ングする 場合、つまり、
Cubase のミキサー、およびエフェクトを介して、生のオーディオソー スを聴くと きに、実際の発音タイミン グよりも遅れて聞こえて くるの
です。レイテンシータイムが大きいために(時に数百ミリ秒 !)、ミキ シングなど 他の処理の際にも影響 が及びます。たとえばフェー ダーを
移動した場 合に、実際に音に反映さ れるまでに、認識できるほ どの遅 れを生じます。
「ダイレク トモニタリ ング」をはじ めとする数々のテク ニックに よっ
て、「高いレイテンシー」による問題を軽減することはできますが、む しろレスポ ンスの速いコンピュータ システムを使うことで解 決できる
かもしれません。
22
システムのセットアップ
オーディ オハードウェ アによって は、一般的には「バッファの数」
と、「バッファあたりのサイズ」をおさえる設定にすることで、レイ テンシーを「切り縮める」ことができるでしょう。
詳細 は オ ーディ オハ ードウェアのマニュアルをご覧ください。 Windows 環境下で、DirectX ドライバを使用し ている場合は、ダイ
アログのヘルプに追加の情報が掲載され ていますので、ご参照くだ さい。(英語)
パフォーマンスに影響するシステムの要因
CPU とプロセッサーのキャッシュ
コンピュ ータのプロセッサーが高 速なほどパフォーマンス が良いとい うことは言うまでもありませんが、バスのスピードとタイプ(PCI を強
くおす すめします)、プロセッサ ーのキャッシュサイズ、そ してプロ セ ッサの タイプ とブランド などの 要因に よって、コンピュ ータ のス
ピードが影響されます。Cubase は、「浮動小数点演算(FPU)」に深く 依存し ています。プロセッサー の導入にあたっては、必 ず、浮動小数
点演算のパワフルなものをお選びください。 Cubase は、マルチプロセッサーシステムに完全対応しています。その
ため、Cubase で 1 つ以上のプロセッサーを搭載したコンピュータをご 使用の場合、すべての使用可能なプロセッサーに均等に負荷を配分し、
すべての プロセッサー合計のパフ ォーマンスを活用するこ とができま す。24 ページの『詳細設定』をご参照ください。
ハードディスクとコントローラー
ハードデ ィスク上でレコーディン グとプレイバックを同時 に行えるト ラック 数も、ハードディスクとハー ドディスクコントロー ラーの速度
によって決まります。E-IDE のディスクとコントローラーを使用する場 合、転送モードが "DMA Busmaster" になっていることを確認してくだ
さ い。Win dows 環境下では、 "デバ イスマネー ジャ "で、「IDE ATA/ ATAPI コントローラー‐プライマリ / セカンダリ IDE チャンネル」のプ
ロパティを表示させて、現在選択されているモードを確認できます。デ フォル ト設定では、「DMA 転送モード」が選択されてい ますが、ハー
ドウェ アに何らかの問題が起こ った場合は、システムによ ってこの転 送モードがオフにされる場合があります。
オーディオハードウェアとオーディオドライバ
ハード ウェアとそのドライバが、日 常的なパフォーマンス に影響を及 ぼす可 能性があります。完成度の 低いドライバのせいで、コ ンピュー
タ、およびプログラムのパフォーマンスが低下することもあります。し かしな がら、ハードウェアドライバ の設計によって最も大 きな違いが
生じるのは、レイテンシーです。
繰り返しますが、専用の ASIO ドライバを持つオーディオハード ウェアを使用することを強くお薦めします !
以下は、特に Windows 版の Cubase 使用時に当てはまります。
Windows環境下では、ハードウェア専用に開発された ASIO ドライバ は、より効率的で低いレイテンシーを実現します。
Macintosh環境下では、Mac OS X(Core Audio)用に開発されたド ライバを付属したオーディオハードウェアは、より 効率的で低いレ
イテンシーを実現します。
ただし、"ASIO Positioning Protocol" などの機能は、現在は ASIO ド ライバでだけ使用可能です。
パフォーマンスに影響する設定を行う
オーディオハードウェアに合ったドライバを選ぶ
17 ページの『 Cubase でドライバの選択とオーディオ設定を行う』で説
明したとお り、ご使用になる特定のハ ードウェアのために用意 されて いるならば、その標準 ASIO ドライバをインストールして使用すること
をお薦めします。最新ドライバの情報などは、各オーディオハードウェ アメーカーの Web サイトを確認してください。
オーディオバッファを設定する
オーディオ バッファは、オーディオ データを、オーディオハー ドウェ アと どの ように やり取りする かに影 響を 与えます。オーデ ィオバ ッ
ファサイ ズは、レイテンシー(遅れ)とオ ーディオパフォーマ ンスの 両方に影 響を与えます。一般的 に、小さなバッファ設 定は「遅れ」を
少なくし ますが、コンピュータに 負荷を与えます。もし、コン ピュー タの性能がそのバッファ設定についていけない場合、クリック音、ポッ
プ音 やその他の プレイバッ ク時の問題を起こす ことがあり ますので、 ご注意ください。
MacOS X では、Cubase の " デバイス設定(Devices Setup)"‐"VST オーディオシステム(VST Audio System)"で、バッファサイズを設
定できます。
たいていの場合は、オーディオハードウェア用のコ ントロールパネ ルでバッファを設定できます。
Windowsでは、オー ディオハードウェ アのコ ントロー ルパネルで
バッファサイズの設定を調整することができま す。そのコントロー ルパネ ルを開 くには、た いていの場合 Cubase の " デバイス設 定
(Devices Setup)" ‐ドライバ画面の " コントロールパネル(Control
Panel)" ボタンをクリックして開きます。
23
システムのセットアップ
詳細設定
"VST オーディオシ ステム(VST Audio System)" ページに、" 詳細設定
(Advanced options)")" セクションがあります。ここでは VST エンジン
の高度な設定を行えます。" マルチプロセッサ対応(Multi Processing)" オプションをアクティブにすると(ハイパースレッド(hyper-
threading)またはマルチ CPU システムを使用している場合は、このボ タンはデフォルトでアクティブに設定されています)、システムに 1 つ
以上の CPU を搭載している場合、プロセッシングの負荷がすべての使 用可能 な CPU に均等に配 分され、Cubase で、マルチプロセ ッサーの
合計パ ワーを活用することがで きます。詳細はオンライン ヘルプをご 参照ください。
" 低レーテンシー(Lower Latency)" オプションをアクティブにすると、 基本 的に CPU オーバーロードプロテクシ ョンを無 効にし、レイテン
シーを低くします。詳細はダイアログのヘルプをご参照ください。(英 語)
プロセッサスケジュールの最適化(Windows のみ)
(シングル CPU の)Windows XP システムで ASIO を使用する場合にレ
イテンシーを低くおさえるには、" システムパフォーマンス " をバック グラウンド作業に最適化する必要があります。
1. " スタート " メニューから Windows のコントロールパネルを開き、 " システム "を選択します。
2. " 詳細設定 " タブを選択して、" パフォーマンス " セクションの " 設 定" ボタンをクリックします。
" パフォーマンス オプション " ダイアログが表示されます。
3. " 詳細設定 " タブを選択します。
4. " プロセッサのスケジュール " セクションで、" バックグラウンド サービス " を選択します。
5. "OK" ボタンをクリックしてダイアログを閉じます。
24
システムのセットアップ
4

チュートリアル1:オーディオのレコーディング

新しくプロジェクトを作成する

この章 では、プロジェクトの作 成方法、保存方法、および開 き方につ いて説明します。初めて Cubase を開いたときには、空のスクリーンが
現れます。
ここで、新 しいプロジェクトを作 成するか、既存のプロジェ クトを開 くか、選択します。
新しくプロジェクトを作成するには :
1. " ファイル(File)" メニューの " 新規プロジェクト(New Project)" を選択します
2. 各種テンプレートの選択を行うダイアログボックスが現れます。
各テンプレートについては、『オペレーションマニュアル』の『ファ イルの取り扱い』の章で説明しています。
3. " 空白(Empty)" を選択します。
この場合、いかなる情報 / 状態も含まれていないプロジェクトが新 しく作成されます
4. "OK" をクリックします。
5. ハードディスク上にフォルダを作成するよう指示されます。Cubase のプロジェクトファイル、および関連する 各種ファイルが、この一
箇所に安全に保存されるようになります。
各プロジェクトを個別の(独自の)フォルダに 保存していくことは 重要です。複数の(異なる)プロジェクトはを 同じフォルダ内で保
存と、後々混乱する要因となります。
6. 今回プロジェクトを作成するフォルダの場所を指定します。
メモ : この時点ではまだプロジ ェクトはディスク上に保 存していま せん ! ここでは ハード ディスク上に プロジ ェクト の保存先と する
フォルダを作成するだけです。
7. " 作成(Create)"(PC)/" 新規フォルダ(New Folder)"(Mac) をクリッ クして、プロジェクト用にフォルダを新しく作成します。
8. 新しいフォルダに名称を付けます。
プロジェクト名は "My First Project" とする予定です。そごフォルダ 名は "My First Project" または "First Project" としておきます。これは
プロジェクトを保存するフォルダをハードドライブ 上に作成する際 に、重要となります。このフォルダの名称は、以前に 作成した他の
Cubaseプロジェクトとは異なる、独自の名称にしておきましょう。
9. "OK"(PC)/" 作成(Create)"(Mac) をクリックします。
ハードディスク上に " プロジェクトフォルダ " が作成されます !
10."OK"(PC)/" 選択(Choose)"(Mac) をクリックします。
11.Cubase プログラムの中で、この最初のプロジェクトを探してみま しょう。
Cubaseのトップ・ウィンドウを見ると(" プロジェクトウィンドウ " と呼びます)、このプロジェクトの名称が " 名称未定 1(Untitled1)"
となっているはずです。続いて、このプロジェクトを保存します。
プロジェクトの名称
ここで終わりではありません ! この時点で、空の Cubase プロジェクトがプログラム上で作成さ
れました。ハードディスク上のフォルダは存在しますが、実際の Cubase ブロジェクトはまだディスクに保存していません。
26
チュートリアル1:オーディオのレコーディング
プロジェクトの保存方法
1. " ファイル(File)" メニューから" 名称を付けて保存 ...(SaveAs...)" を選択します。
"保存"と"名称を付けて保存... " の違いについては、『オペレーショ ンマニュアル』の『ファイルの取り扱い』の章で説明しています。
2. この時、Cubase はすでに作成した "My First Project" フォルダの中 に居る状態となっています。ここにプロジ ェクトを保存します。保
存するプロ ジェクトの名 称を入力しま す-たとえ ば"My First Cubase Project" としても良いでしょう。
3. " 保存(Save)" をクリックすると保存されます。
プロジェクトを閉じる
1. プロジェクトウィンドウが選択されている状態にします。
プロジェクトウィンドウは実際に作業する 上でのメインウィンドウ です。『オペレー ションマニュアル』の『プロジェクトウィンドウ』
の章をご参照ください。
2. " ファイル(File)" メニューから " 閉じる(Close)" を選択します。
プロジェクトを最後に保存した時点から何 らかの変更を加えていた 場合、" 保存(Save)"、" 保存しない(Don't Save)"、" キャン セル
(Cancel)" のどちらかの操作を 選択できま す。" 保存(Save)"をク
リックすると、変更された内容が保存されます。
プロジェクトを開く
プロジェクトの保存方法と閉じ方を説明しました。次は開き方です。
" 開く(Open)" コマンドを使用してプロジェクトを開く
1. " ファイル(File)" メニューから " 開く(Open)" を選択します。
開きたいプロジェクトが存在するフォルダをナビゲートします。
2. プロジェクトのファイルが見つかったら、" 開く(Open)" をクリッ クします。すると読み込まれます。

VST コネクションのセットアップ

"VST コネクション(VST Connections)" ウィンドウでは、ご使用のオー ディオカードにおける、Cubase で使用する入出力のセットアップを行
いま す。Cubase ではこれ らを " バス(Bus)" と呼びます。ここでは、 再生と録音の際に使用するバスの設定方法について説明します。
オー ディオカ ードを確 実にセットアッ プするた めに、あら かじめ 10
ページの『最小必要環境』、およひ 15 ページの『システムのセットアッ』の各章をお読みください。
ここで、"Tutorial 1" フォルダに含まれる "VST Connections" プロ ジェクトを読み込んでみましょう。
Cubaseプログラムのインストール時には、これらのチュートリ アル プロ ジェ クト はインス トー ルさ れません。プ ログ ラム DVD の
"Additional Content" フォルダをお手元のハ ードディスクに コピー してご利用ください。
出力の追加
1. " デバイス(Devices)" メニューを開き、"VST コネクション(VST Connections)" を選択します。この操作のデフォルトキー コマンド
は[F4]です。 ウィンドウ上部に複数のタブが存在します。ここでは " 入力(Input)"
と" 出力(Output)" についてだけ取り上げます。さらなる詳細につ いては『オペレーションマニュアル』の『VST コネ クション』の章
をお読みください。
2. まず " 出力(Output)" を選択します。そのままでは不適切なセット アップなので、一からセットしなおしましょう。" バスの名称(Bus
Name)" 欄を右クリックして、" バスを除去(Remove Bus)" を選択 します。
" 最近使用したプロジェクト(Recent Projects)" コマンドを 使用してプロジェクトを開く
Cubase は 最近使用したプロ ジェクトを記憶し、" ファイ ル(File)"メ ニューの " 最近使用したプロジェクト(Recent Projects)" サブメニュー
にリストします。
1. " ファイル(File)" メニューから " 最近使用したプロジェクト(Recent Projects)" を選択します。
2. 開きたいプロジェクトをリストから選択してクリックします
チュートリアル1:オーディオのレコーディング
3. " バスを追加(Add Bus)" ボタンをクリックします。そして " ステレ オ(Stereo)"、数 "1" を選択して OK をクリックします。
これにより新しい ステレオバス(左 + 右チャ ンネル)が追加され、 Cubase 内のオー ディオをご使用 のオーディオカードに送れる よう
になります。
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4. すべてを主にステレオミックスの状態で 聴くためには、出力はすべ てステレオにします。
2 チャンネル以上の状態 にすることも可能です。たとえばサラウン ドのセットアップを選択できます。
5. ご使用のオーディオカードにおける出力をセットアップします。"デ バイスポート(Device Port)" プルダウンメニューから出力を選択し
ます
オーデ ィオカ ードに おけるメインの ステレ オ出力 として、通常は "Out 1"/"Out 2"、あるいは "Left 1"/"Right 2" を選択します。より高度
なセットアップを行うには、他の出力を選 択したり、バスをさらに 追加します。
入力の追加
"入力(Input)" タブを開き、Cubase への録音の際に使用するオーディ オ入力をセットアップします。
1. 出力の場合と同様、右クリックして " バスを除去(Remove Bus)"を 選択します。
2. " バスを追加(Add Bus)" ボタンをクリックします。そして " ステレ オ(Stereo)"、数 "1" を選択して OK をクリックします。
Cubase で録音する際に使用する、オーディオカードの入力に対応す るステレオバス(左 + 右チャンネル)が追加されます。
ステレオ入力は2 チャンネル録音を行う際に便利です。たとえば左右
のオーディオチャンネルでキーボードを録音できます。モノラル(1 チャンネル)録音を行いたい場合には、別個の バスを作成しておく
こともできます。
1. " バスを追加(Add Bus)" ボタンをクリックします。そして " モノ
(Mono)"、数 "2" を選択してOK をクリックします。
Cubase で録音する際に使用する、オーディオカードの入力に対応す る2 つのモノラルバスが追加されます。
2. " デバイスポート(Device Port)" 欄をクリックして、オーディオカー ドのオーディオ入力を、ステレオ / モノラルどちらで入力するか、取
り扱い方を選択します。
このように設定します ! これで Cubase でオーディオ録音を行い、再生 できるようになります。

レベルの設定と録音

ここでは、"Mono In" 入力でベースをモノラル録音します。オーディオ カードのセットアップを行い、27 ページの『VST コネクションのセッ
トアップ』の部分もご一読ください。
ここで、"Tutorial 1" フォルダに含まれる "Recording" プロジェク トを読み込んでみましょう。
モノトラックの追加
1. 録音するオーディオトラックを作成します。"プロジェクト(Project)" メニューを開き、" トラックを追加(Add Track)" サブメニューから
2. " カウント(count)"から"1"、" 構成(configuration)"から"Mono" を選択して OK をクリックし、"OK" をクリックします。
プロジェクトウィ ンドウにモノラル のオーディオトラッ クが追加 / 作成されます。
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チュートリアル1:オーディオのレコーディング
3. 新しく 作成し たこのトラ ックを クリッ クして、" イ ンスペクタ ー (Inspector)" が表示されている状態にします
インスペクターでは、選択したトラックにお けるあらゆる情報の確 認と操作を行えます。
ここをクリックしてインスペクターを開きます。
メトロノームのクリックを有効にする
ベースを録音する際、Cubase の小節 / 拍にあわせるために、バックで メトロノームを鳴らすことができます。
1. トランスポートパネルの " メトロノーム / クリック(Metronome/ Click)" ボタンをオンにします。
2. 録音する前に 2 小節のプリカウント(予備拍)を用意するには、"プ リカウント / クリック(Precount/Click)" ボタンをオンにします。
インスペクター
4. オーディオトラックの入力は "Mono In" を、出力は "Stereo Out" を 選択します。
オーデ ィオカー ドに搭 載されているあ らゆる 入出力を 利用できま す。詳細については『オペレ ーションマニュアル』の『VST コネク
ション』の章をご参照ください。"Mono In" を設定した場合は、オー ディオカードの左チャ ンネルを利用して Cubase で録音が行われま
す。出力を "Stereo Out" に設定すると、録音している内容を聞くこ とができます。
3. プロジェクトのスピード、あるいはテンポを設定し ておく必要があ ります。この設定がそのままクリック再生の速度 となります。テン
ポはクリックの直下で設定します。
"TEMPO" をクリックして "FIXED" にし、"125" の設定すると、 "125bpm"(=Beat per Minute)のテンポ値になります。
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チュートリアル1:オーディオのレコーディング
レベルの設定
ベース は、ベースアンプのスピー カーをマイクでピック アップし、増 幅して 演奏します。このマイクを Steinberg MI¦4 のマイク 入力に直接
接続します。MI¦4 のレベルを、クリッピングが生じない程度のボリュー ムに設定します。
1. " モニタリング(Monitor)" ボタンをクリックすると、ベースの音を 聞くことができます。
トラックの右側でオーディオ入力のレベ ルを確認し、また聴くこと も可能です。
入力されたオーディオ
2. トラックの " 録音可能(Record Enable)" ボタンをクリックします。
トラ ック の " 録音可 能(Record Enable)"ボタンを設 定す ると、 Cubase のそのトラック上で録音ができる状態となります。同時に複
数のトラックを " 録音可能(Record Enable)" に設定することもでき ます。
ここをクリックしてチャン ネルフェーダーを表示
オーディオカードにおけるオーディオ入力のボ リュームを、歪みを
生じない範囲で、できるだけ大きく設定しましょう。ほとんどのオー ディオカードでは、レベル / ボリューム表示機能が搭載されていま
す。搭載されていない場合は、ここでボリュームを変更しましょう。
4. フェーダーを上下して、チャンネルメーターの赤い レベルエリアに かからないように設定します。赤いエリアにかか ると、クリッピン
グや歪みを生じる原因となります。チャンネルメー ターの最上部に あるラインを見てください - このラインを超えないように注意しま
しょう !
3. インスペクターで、" チャンネル(Channel)" タブを開きます。
選択したトラックのチャンネルフェーダーが表示されます。
チュートリアル1:オーディオのレコーディング
オーディオレベルはこの ラインを超えないように !
録音時の安全エリア
レベルを設定したら、録音の準備は完了です !
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