
クイック・スタート・ガイド
00825-0304-4750, Rev CA
2016年8月
上下水およびユーティリティ向け
Rosemount 電磁流量計システム 8750W

クイック・スタート・ガイド
2016年8月
注記
この文書は、 Rosemount® 8750W 電磁流量計システムの基本的な設置ガイドラインを規定
しています。詳細な設定、診断、メンテナンス、サービス、設置またはトラブルシュー
ティングの総合的手順については、 Rosemount 8750W リファレンスマニュアル(文書番号
00809-0100-4750 Rev. BA)を参照してください。マニュアルとこの QSG は、
www.rosemount.com でもご利用いただけます。
設置時にこれらの指針に従わないと、死傷事故につながる恐れがあります。
■ 設置およびサービスの手順は、資格のある担当者のみが使用するためのものです。資格
がない場合は、操作手順に含まれているもの以外のサービスは実施しないでください。
■ センサおよびトランスミッタの動作環境が動作環境と調和していることを確認してくだ
さい。
■ Rosemount トランスミッタは、爆発の可能性がある環境に配置されている Rosemount 以
外のセンには接続しないでください。
■ センサライナーは損傷しやすいため取扱いには気を付けてください。持ち上げたり梃子
として使用したりする目的でセンサにものを通さないでください。ライナーの損傷によ
り、センサが動作不能になる可能性があります。
■ 金属またはスパイラル巻きのガスケットは、センサのライナー面が損傷するので、使用
すべきではありません。
■ 頻繁に取り外す予定がある場合は、ライナーの末端を保護するよう注意してください。
保護対策として、センサの末端に取り付けられる短いスプールがよく用いられます。
■ 非標準の塗装オプションで発注された Rosemount 電磁流量計トランスミッタは、静電放
電にさらされることがあります。帯電蓄積を避けるため、溶剤や乾いた布でこすったり
洗浄したりしないでください。
■ 耐用年数の間にセンサを適切に操作するには、フランジ ボルトを適切に締めることが重
要です。ボルトはすべて、適切な順序で指定されたトルク仕様まで締める必要がありま
す。この手順が守られない場合、センサのライナーに深刻な損傷が発生しセンサを交換
する必要が出てくる場合もあります。
目次
設置前の準備 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ページ 3
取り扱い . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ページ 7
取り付け . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ページ 8
設置 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .ページ 10
接地 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ページ 15
配線 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .ページ 17
基本的なコンフィギュレーション. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .ページ 28
2

2016年8月
148
(5.82)
165 (6.48)
190 (7.49)
LOI カバー
126
(4.97)
224
(8.81)
76
(3.00)
78
(3.07)
126
(4.97)
1/2”-14 NPT (3 箇所)*
1/2”-14 NPT (2 箇所)*
クイック・スタート・ガイド
ステップ 1: 設置前の準備
Rosemount 8750W 流量計を設置する前に、設置プロセスを容易にするために
完了すべき準備手順がいくつかあります。
■ 用途に適したオプションと構成を識別します。
■ 必要に応じてハードウェアのスイッチを設置します。
■ 機械的要件、電気要件、環境要件を確認してください。
機械に関する注意事項
Rosemount 8750W トランスミッタを設置する場所は、十分なスペースが必
要です。トランスミッタをしっかりと取り付け、電線管ポートに容易にアク
セスでき、トランスミッタカバーを完全に開けることができ、LOI 画面が読
みやすくなければなりません (図 1 および 図 2 参照)。
Rosemount 8750W をセンサとは分離してに取り付ける場合、センサに適用さ
れる制限と同じ制限は適用されません。
図 1 現場取り付けトランスミッタの寸法図
注記
*非標準の電線管ねじ。ねじ式電線管アダプタを使用する場合、M20 接続が使用できます。
3

クイック・スタート・ガイド
109
(4.31)
LOI キーパッ
ド・カバー
229
(9.01)
283
(11.15)
71
(2.81)
79
(3.11)
305
(12.02)
11
(0.44)
接地ラグ
1/2–14 NPT 電線
管接続 (4 箇所)
標準カバーの場合
75
(2.96)
LOI カバーの場合
図
2 壁取り付けのトランスミッタの寸法図
2016年8月
寸法はミリメートル[インチ]で示されています。
4

2016年8月
クイック・スタート・ガイド
環境的な注意事項
トランスミッタの寿命を最大限に延ばせるように極端な温度や振動は避けて
ください。一般的に以下のような点が問題になります。
■ 振動の強いラインにトランスミッタを一体的に設置する場合
■ 直射日光の当たる暖かい場所に設置されている
■ 気温の低い屋外に設置されている
リモート取り付けのトランスミッタは制御室に設置すると、厳しい環境から
電子機器を保護できるほか、簡単に設定やサービスを行えます。
Rosemount 8750W トランスミッタ
は、リモートで取り付けられたものでも、
一体的に取り付けられたのものでも外部からの電力が必要です。このため、
適切な電源にアクセスする必要があります。
設置手順
Rosemount 8750W の設置には、詳細な機械的および電気的な設置手順が含ま
れています。
トランスミッタの取り付け
遠隔地では、直径が最高 5 センチ (2 インチ) の管、または平らな表面にト
ランスミッタを取り付けられます。
管取り付け
トランスミッタを管に取り付けるには以下の手順に従ってください。
1 取り付け金具を使ってブラケットを管に取り付けます。
2 取り付けねじを使って、Rosemount 8750W をブラケットに取り付けます。
オプションと構成の識別
8750W の標準的なアプリケーションには、4~20 mAの出力とセンサコイルお
よび電極の制御が含まれています。他のアプリケーションでは、以下の構成
やオプションが必要な場合もあります。
■ HART マルチドロップ構成
■ ディスクリート出力
■ ディスクリート入力
■ パルス出力
設置に適用する追加のオプションと構成を必ず識別してください。設置手順
および設定手順の実施中、検討のため、これらのオプションのリストを手
元においておくようにして下さい。
5

クイック・スタート・ガイド
ハードウェアのジャンパ/スイッチ
8750W の電子ボードは、注文したトランスミッタのモデルに応じてユーザ
が選択可能なハードウェアスイッチが装備されています。このスイッチは、
エラー アラーム モード、内部/外部アナログ出力、内部/外部パルス出力、ト
ランスミッタのセキュリティを設定します。工場から出荷された時点でのス
イッチの標準構成は以下の通りです。
エラーアラームモード:
内部/外部アナログ出力:
内部/外部パルス出力:
トランスミッタ
のセキュリティ:
HIGH
INTERNAL
EXTERNAL(現場取り付けのみ)
OFF
ハードウェア スイッチ設定の変更
ほとんどの場合、ハードウェアスイッチの設定を変更する必要はありません。
スイッチの設定を変更する必要がある場合は、マニュアルに記載されている
手順に従ってください。
非金属のツールを使用してスイッチ位置を移動させます。
電気的な注意事項
Rosemount 8750W の電気接続を行う前に、国家、地域、工場の電気設備の要
件を考慮します。これらの規格に準拠するのに必要な適切な電源装置、電線
管、および他の附属品が揃っていることを確認してください。
2016年8月
トランスミッタのハウジングを回転
現場取り付けトランスミッタのハウジングは、ハウジングの底面にある 4 本
の取り付けボルトを取り外して、90°単位でセンサ上で回転させることがで
きます。いずれかの方向にも 180° 以上ハウジングを回転させないでくださ
い。締める前に、合わせ面が清潔であり、Oリングが溝に着座し、ハウジン
グとセンサ間の隙間がないことを確認してください。
6

2016年8月
1/2~4 インチ (約 1.2~10 センチ) のセンサ
5 インチ (約 13 センチ) 以上のセンサ
クイック・スタート・ガイド
ステップ 2: 取り扱い
損傷を防ぐため、あらゆる部位を注意して取り扱ってください。可能な限り、
システムは元の梱包容器に入れて設置場所まで運んでください。Rosemount
流量センサは、機械的損傷から保護するためのエンドカバーが付属していま
す。 PTFE ライニングセンサの場合、カバーは、通常のライナーが緩むのを防
ぎます。エンドカバーは設置の直前に取り外してください。
図 3 Rosemount 8750W フランジセンサを取り扱う際のサポート
7

クイック・スタート・ガイド
ステップ 3: 取り付け
上流/下流配管
さまざまなプロセス条件に対して仕様の精度を維持するため、センサには電
極相から最低 5 つの直管径を上流に、2 つの管径を下流に設置します (図 4 参
照)。
図 4 上流および下流の直管径
上流および下流の直管を減らした設置をすることもできます。短めの直管を
設置した場合、絶対的性能が変化することがあります。報告されている流
量は高度に再現可能です。
センサは、FORWARDと示されている端がセンサを通る流れの向きを指すよ
うに取り付ける必要があります(図 5参照)。
2016年8月
図 5 流れ方向
8

2016年8月
クイック・スタート・ガイド
センサは、操作中に満管の状態を維持できる位置に設置する必要があります。
垂直に設置すると上向きの流れが可能になり、流量に関係なく横断面がフル
になります。水平設置は、通常フルになっている配管の低い部分に制限され
ます。
図 6 センサの方向
取り付け位置
センサの電極は、2 つの測定電極が 3 時と 9 時の位置にある場合、または垂直
方向から 45°以内の場合、適切な方向を向いています (図 7 の右を参照)。2 つ
の測定電極が、図 7 の左に示すような 6 時と 12 時の位置にある取り付け方向
は避けてください。
図 7 センサ取り付け位置
9

クイック・スタート・ガイド
お客様支給のガ
スケット
接地リングおよびオプ
ションのガスケット
流れ
2016年8月
ステップ 4: 設置
フランジセンサ
ガスケット
隣接するデバイスや配管に接続するセンサの各末端ではガスケットが必要で
す。選択されたガスケットの素材は、プロセス流体や操作状況に適したもの
でなくてはなりません。ガスケットは、接地リングの両側で必要です。他の
アプリケーション(ライニング保護付きセンサや接地電極など)はすべて、
接続の両端にそれぞれ 1 つずつガスケットが必要です。
金属またはスパイラル巻きのガスケットは、センサのライナー面が損傷するので、使用
しないでください。うず巻形や金属製のガスケットが用途に必要な場合、ライニング プ
ロテクタを使用する必要があります。
図 8 フランジガスケットの配置
10

2016年8月
クイック・スタート・ガイド
フランジ ボルト
注記
1 つの側ごとに別々にボルトで締めないでください。各側を同時に締めてく
ださい。例:
1 上流側でほぼ締め付ける
2 下流側でほぼ締め付ける
3 上流側で完全に締め付ける
4 下流側で完全に締め付ける
上流側でほぼ締めと完全締めを行ってしまってから下流側でこの手順を繰り
返すことはできません。
フランジのボルトを上流側と下流側で交互に締めないと、ライナーが損傷す
る恐れがあります。
センサのライン サイズやライナーの種類別推奨トルクについては、ページ 12
の表1 に記載されています。センサのフランジ定格が一覧に含まれていない
場合は工場に問い合わせてください。センサの上流側のフランジ ボルトを
ページ11の図 9 に示されている順序で推奨トルク値の 20% まで締めます。セ
ンサの下流側でもこれを繰り返します。フランジボルトが多い、または少な
いセンサの場合は、十字を描く順序でボルトを締めます。この手順を推奨ト
ルク値の 40%、60%、80%、100%で繰り返すか、プロセスとセンサ フランジ
間の漏出が止まるまで繰り返します。
推奨トルク値では漏出が止まらない場合は、接続箇所の漏出が止まるまで、
または、トルク測定値がボルトの最大トルク値に達するまで、さらに 10% 増
しでボルトを締めることができます。フランジやボルト、ガスケット、セン
サのライナー素材は独特な方法で組み合わされているため、ライナーの完全
性を考慮すると漏出を止めるための特定のトルク値が得られます。
ボルトを締めた後、フランジ部分で漏出がないか確認してください。ボルトを
適切な方法で締めないと、重大な損傷が発生する可能性があります。セ
ンサは、最初の設置から 24 時間後に再度締め付ける必要があります。時間が
経つにつれて、センサのライナー素材は圧力により変形することがあります。
図 9 フランジボルトのトルク順序
表 1 、表 2 、または表 3 に記載されていないトルク値については、テクニカ
ル・サポートにお問い合わせください。
11

クイック・スタート・ガイド
表 1 ASME の推奨フランジボルトトルク値
PTFE ライナー ネオプレン ライナー
サイズ コー
ド
005
010
015
020
025
030
040
050
060
080
100
120
140
160
180
200
240
300
360
ライン サイズ
15 mm
(0.5 インチ)
25 mm
(1 インチ)
40 mm
(1.5 インチ)
50 mm
(2 インチ)
65 mm
(2.5 インチ)
80 mm
(3 インチ)
100 mm
(4 インチ)
125 mm
(5 インチ)
150 mm
(6 インチ)
200 mm
(8 インチ)
250 mm
(10 インチ)
300 mm
(12 インチ)
350 mm
(14 インチ)
400 mm
(16 インチ)
450 mm
(18 インチ)
500 mm
(20 インチ)
600 mm
(24 インチ)
750 mm
(30 インチ)
900 mm
(36 インチ)
Class 150
(ポンドフ
ィート)
8 8 - -
8 12 - -
13 25 7 18
19 17 14 11
22 24 17 16
34 35 23 23
26 50 17 32
36 60 25 35
45 50 30 37
60 82 42 55
55 80 40 70
65 125 55 105
85 11 0 70 95
85 160 65 140
120 170 95 150
110 175 90 150
165 280 140 250
195 415 165 375
280 575 245 525
Class 300
(ポンド
フィート)
Class 150
(ポンドフ
ィート)
2016年8月
Class 300
(ポンドフ
ィート)
12

2016年8月
表 2 EN1092-1 の推奨フランジボルトトルク値
PN10 PN16 PN 25 PN 40
サイズ
コード
005
010
015
020
025
030
040
050
060
080
100
120
140
160
180
200
240
ライン サイ
ズ
15 mm
(0.5 インチ)
25 mm
(1 インチ)
40 mm
(1.5 インチ)
50 mm
(2 インチ)
65 mm
(2.5 インチ)
80 mm
(3 インチ)
100 mm
(4 インチ)
125 mm
(5.0 インチ)
150 mm
(6 インチ)
200 mm
(8 インチ)
250 mm
(10 インチ)
300 mm
(12 インチ)
350 mm
(14 インチ)
400 mm
(16 インチ)
450 mm
(18 インチ)
500 mm
(20 インチ)
600 mm
(24 インチ)
(ニュートン
メートル)
130 90 130 170
100 130 190 250
120 170 190 270
160 220 320 410
220 280 410 610
190 340 330 420
230 380 440 520
290 570 590 850
(ニュートン
メートル)
50 70
70 100
90 130
クイック・スタート・ガイド
PTFE ライナー
(ニュートン
メートル)
(ニュートン
メートル)
10
20
50
60
50
50
13

クイック・スタート・ガイド
2016年8月
表 2. EN1092-1 の推奨フランジボルトトルク値(続き)
ネオプレン ライナー
PN 10 PN 16 PN 25 PN 40
サイズ
コード
010
015
40 mm (1.5 インチ)
020
025
65 mm (2.5 インチ)
030
040
100 mm (4 インチ)
050
125 mm (5.0 インチ)
060
150 mm (6 インチ)
080
200 mm (8 インチ)
100
250 mm (10 インチ)
120
300 mm (12 インチ)
140
350 mm (14 インチ)
160
400 mm (16 インチ)
180
450 mm (18 インチ)
200
500 mm (20 インチ)
240
600 mm (24 インチ)
ライン サイズ
25 mm (1 インチ)
50 mm (2 インチ)
80 mm (3 インチ)
(ニュートンメー
トル)
110 150 210 280
150 190 280 410
130 230 220 280
150 260 300 350
200 380 390 560
(ニュートンメー
トル)
40 50
50 70
60 90
90 60 90 11 0
70 80 130 170
80 11 0 130 180
表 3 フランジ ボルトのトルクおよびボルト荷重の仕様
(大きなラインサイズ)
AWWA C207 (Ft-Lbs) EN 1092-1 (N-m)
1,000 mm
(40インチ)
1,050 mm
(42インチ)
1,200 mm
(48インチ)
クラス D
クラス E
クラス D
クラス E
クラス D
クラス E
757
757 PN10 413
839 PN16 478
839
872 PN10 622
1,000 mm
(40インチ)
1,200 mm
(48インチ)
872
(ニュートンメー
トル)
PN6 208
PN6 375
(ニュートンメー
トル)
20
30
40
35
30
AS2129 (N-m) AS4087 (N-m)
1,000 mm
(40インチ)
1,200 mm
(48インチ)
表 D
表 E
表 D
表 E
614
652 PN21 515
786
839 PN21 840
1,000 mm
(40インチ)
1,200 mm
(48インチ)
14
PN16 612
PN16 785