Rosemount クイック・スタート・ガイド: Rosemount シリーズの4390 腐食/エロージョン無線送信機 Manuals & Guides

クイック・スタート・ガイド
00825-0104-4393, Rev AA
2021 4
Rosemount™ シリーズの 4390 腐食/エ ロージョン無線送信機
クイック・スタート・ガイド 2021 4
通知
米国向けには 2 つのフリーダイヤルサポート電話番号および 国際向けに 1 つのサポート電話番号 があります:
米国カスタマーセントラル: 1 800 999 9307 (午前 7:00 ~午後 7:00 [CST])
全国レスポンスセンター: 1 800 654 7768 24 時間対応)装置サービスニーズ
国際サポート: 1 952 906 8888
無線製品の配送時の考慮事項: (リチウム電池: Black 電源モジュール、モデル番号 701PBKKF)。Black 電源モジュールが取り付けられていない状態でユニットが出荷されました。ユニットを出荷する 前に Black 電源モジュールを取り外してください。各 Black 電源モジュールには 2 本の「C(単二 型)」サイズの一次リチウム電池が含まれています。 一次リチウム電池はアメリカ合衆国運輸省に より輸送が規制されています。また IATA(国際航空運送協会)ICAO(国際民間航空機関)および ARD(危険物の欧州陸送)の対象でもあります。これらの要件およびその他の地域要件を確実に遵 守することは発送者の責任です。発送前に最新の規則および要件を確認してください。
警告
注意
本ガイドに記載の本製品は、原子力施設適合用途に設計されていません。
原子力施設適合のハードウェアまたは製品を必要とする用途に非原子力施設適用製品を使用する と、読取値が不正確になります。
Rosemount の原子力施設適合製品についての情報は、Emerson™ の販売代理店にお問い合わせくだ さい。
目次
概要............................................................................................................................................. 5
無線の考慮事項........................................................................................................................... 8
設定と試運転.............................................................................................................................10
物理的設置................................................................................................................................ 23
運用と保守................................................................................................................................ 35
参照データ................................................................................................................................ 46
製品仕様.................................................................................................................................... 50
2 Emerson.com/Rosemount
2021 4 クイック・スタート・ガイド
適合宣言.................................................................................................................................... 55
デバイス変数インデックス番号のマッピング..........................................................................57
クイック・スタート・ガイド
3
クイック・スタート・ガイド 2021 4
4 Emerson.com/Rosemount
2021 4 クイック・スタート・ガイド
1

概要

本ガイドは、Rosemount 4390 シリーズの腐食/エロージョン無線送信機の 設置、環境設定、試運転、運転およびメンテナンスに関する基本的なガイ ドラインを提供しています。本ガイドは、 Emerson.com/Rosemount でも 閲覧できます。
Rosemount 4390 ワイヤレスは、腐食/エロージョンモニタリング用途の貫 入型モニタリングプローブとともに使用される送信機ファミリーです。
送信機は 2 つのベースモデルに分けられます:
1.
4391 腐食無線送信機は、金属ロスと金属ロスの経時変化(腐食速
度ともいう)として与えられる流体の腐食性についてのデータを提 供するため、貫入型腐食プローブからの電気信号を測定し処理する ように設計されています。
2. 4392 エロージョン無線送信機は、金属ロスと金属ロスの経時変化 として与えられる流体のエロージョンについてのデータを提供す るため、サンド/エロージョンプローブからの電気信号を測定し処 理するように設計されています。デバイスは、腐食/エロージョン の測定を両方行える Emerson 独自の複数のエレメントを組み合わ せた貫入プローブとともに使用することもできます。
デバイスは、 動します。プローブ接続専用の接続箱に適合させた金属筐体内に収容さ れた電子モジュールに成形されたラジオモジュールを含むプリント基板 が含まれます。
無線
HART® 通信プロトコルを使用しており、バッテリー駆
クイック・スタート・ガイド
5
クイック・スタート・ガイド 2021 4
1-1 : 腐食/エロージョンワイヤレス送信機の Rosemount 4390 シリー ズ
A.
プローブケーブルグランド (オプション
B.
接地つまみ
C.
電子機器カバー
D. 2.4 GHz
E.
取り付けブラケットキット
F.
電源モジュール拡張カバー
G.
プローブ接続の接続箱
関連情報
箱の中身 設置に必要なツールと装置
1.1
6 Emerson.com/Rosemount

箱の中身

デバイスは、以下の内容物を含む段ボール箱に入れて配送されます:
Rosemount 4390 腐食/エロージョン無線送信機シリーズ 1
マウンティングブラケットキット 1 式
外部アンテナ
)
2021 4 クイック・スタート・ガイド
本ガイド 1 枚
プローブケーブルグランド 1 個 (デバイスモデルコード上でグランド
オプションが選択された場合。)
配送時、デバイスにはバッテリーは付属しません。Rosemount 4390 無線 送信機には、別個のアイテムとして注文される Black 電源モジュールモデ ル 701BKKF が必要です。詳細については、 701P SmartPower™ ウェブサイ ト Emerson.com/SmartPower を参照してください。
1.2
1.2.1
1.2.2

設置に必要なツールと装置

本セクションは、Rosemount 4390 無線送信機の物理的取付、環境設定お よび試運転のために必要なツールと装置について掲載しています。

設定と試運転

物理的な設置に先立ち Rosemount 4390 無線送信機の設定が必要になり ます。 フィールドコミュニケータまたは AMS デバイスマネージャを用い てダイレクトに設定が可能です。
AMS Trex デバイスコミュニケータ。詳細については、 Emerson.com/
AMS-Trex を参照してください。
AMS デバイスマネージャ。詳細については、 Emerson.com/AMS-
Device-Manager を参照してください。
HART モデムとケーブル (AMS デバイスマネージャ使用時)

物理的設置

デバイスをプラントにマウントする際に以下のツールが必要になります。
接続箱の蓋とカバーの固定ネジを開けるための六角レンチ 3 mm
マウンティングブラケットを組み立てるための六角レンチ 5 mm およ
13 mm
プローブ配線端子用のマイナスドライバー 3 mm
プローブケーブルマウント用の自在スパナ (0 ~ 40 mm)
本セクションに掲載された装置やツールは付属しません。
クイック・スタート・ガイド
7
クイック・スタート・ガイド 2021 4
2
2.1
2.2

無線の考慮事項

関連情報
コンジット接続

電源投入手順

Rosemount 4390 の腐食/エロージョン無線送信機シリーズならびにその 他全ての無線デバイスは、無線ゲートウェイがインストールされ、適正に 動作している場合にのみ設置すべきです。また、無線機器はゲートウェイ からの距離が最も近いものから順に電源投入する必要があります。これ により、ネットワークのインストールがよりシンプルで高速になります。 ゲートウェイのアクティブアドバタイジングを有効にし、新しい機器をネ ットワークにより速く参加するようにします。詳細については Emerson
Wireless 1410 Gateway and 781S Smart Antenna Reference Manual を参照して
ください。

アンテナ位置

アンテナは垂直または真上または真下に配置し、 他の装置と明瞭にコミュ ニケーションできるように大型構造物、ビル、または導電面から約 1 m 離 れている必要があります。
2-1 : アンテナ位置
8 Emerson.com/Rosemount
2021 4 クイック・スタート・ガイド
2.3

コンジット接続

設置したら、ハウジングにある空きのコンジットエントリーがコンジット プラグで塞がれていることを確認のうえ、ジャンクションボックスにある プローブケーブルエントリーにコンジットフィッティングかケーブルグ ランドがあることを確認してください。
デバイスは、ハウジングにある空きのコンジットエントリーを塞ぐための コンジットプラグを付属して配送されます。オプションで、プローブケー ブルの設置用にケーブルグランドを付属して配送されることもあります。
2-2 : コンジット接続
空きのコンジットエントリー (未使用
A. B.
プローブケーブルコンジットエントリー
クイック・スタート・ガイド
)
9
クイック・スタート・ガイド 2021 4
3

設定と試運転

本章には、物理的な設置に先立って実施すべき設定と検証についての情報 が含まれます。
ユーザーは、運転を開始するためには、無線ネットワークへの接続やプロ ーブタイプやアラーム設定の選択を含む Rosemount 4390 無線送信機の 設定が必要になります。
通知
設定と試運転の間、Rosemount 4390 無線送信機に Black 電源モジュール を設置する必要があります。
HART 通信用に、Device Description (DD) ファイルが必要です。
DD ファイルの最新バージョンは、Rosemount 4390 無線送信機ウェブサ イトで入手可能です Emerson.com/4390
警告
感電により死亡または重傷を負う可能性があります。リード線および端 子に接触する場合は、極力注意してください。
Black 電源モジュールを設置した後、ケーブル接続する前に 5 分間待って ください。装置の電子回路がフル充電されるために必要な時間です。 電 子回路がフル充電された場合にのみ、デバイスの設定が可能です。
関連情報
エンジニアリング単位 工場出荷時の設定
HART 端子接続 AMS Trex デバイスコミュニケータとの接続 HART モデムおよび AMS デバイスマネージャとの接続
無線ネットワークに参加する 機器 ID センサタイプおよびパラメータを設定する 更新レートの設定 アラートの設定
10 Emerson.com/Rosemount
2021 4 クイック・スタート・ガイド
3.1
3.2

エンジニアリング単位

Rosemount 4390 無線送信機は、国際単位系 (SI)に従った工学単位のみサ ポートしています。
以下の工学単位は、設定と試運転で使用されます:
3-1 : サポートしている工学単位
変数 単位
電気抵抗 mΩ (ミリオーム)
電流 mA (ミリアンペア)
電圧 V および mV (ボルトおよびミリボルト)
長さ / 厚さ µm (マイクロメートル)
バッテリー寿命
プローブ寿命 % (パーセント)
腐食速度 mm/年 (ミリメートル/年)
温度 °C (摂氏温度)

工場出荷時の設定

Rosemount 4390 無線送信機は工場出荷時の設定で配送されます。工場出 荷時の設定は、デバイスの使用用途に適合するように変更可能な各パラメ ータのデフォルト値からなります。
工場出荷時の設定値を下記表に示します:
3-2 : 工場出荷時の設定
変数 単位
タグとロングタグ なし
ネットワーク ID
参加キー
更新レート バーストメッセージ 1 2 および 3: 60
プローブタイプ - 4391: ER 腐食プローブ
取得レート 10
入力パラメーター エレメント厚さ 250 µm
アラート アラートの設定をご参照ください。
クイック・スタート・ガイド
1229
44555354, 4e455457, 4f524b53, 524f434b
- 4392: 4 エレメント ER サンド/腐食プローブ
11
クイック・スタート・ガイド 2021 4
3.3
3.4

HART 端子接続

Rosemount 4390 無線送信機を環境設定し、試運転するには、フィールド
コミュニケータまたは HART モデムから拡張カバーの下にある COMM 専 用端子までの配線をする必要があります。
A. COMM
端子接続

AMS Trex デバイスコミュニケータとの接続

AMS Trex デバイスコミュニケータを使用する場合、以下の手順に従って
ください:
手順
1. AMS Trex デバイスコミュニケータキットにある 2 つのクリップコ ネクタを Rosemount 4390 無線 COMM 端子に接続します。COMM 端子接続は極性に敏感ではありません。
2. AMS Trex ポート HART をワイヤーの接続に使用します。 Rosemount 4390 無線送信機の電源として AMS Trex を使用しない
でください。
3. 最新の DD ファイルが AMS Trex デバイスコミュニケータに設置さ れていることを確認します。
4. AMS Trex デバイスコミュニケータの電源をオンにします。
5. 本ガイドの無線ネットワークに参加するから始まる手順に従って
デバイスの環境設定を開始します。環境設定の変更は、Send (送 信) キーを用いて送信機に送る必要があります。 3-1 参照。
12 Emerson.com/Rosemount
2021 4 クイック・スタート・ガイド
3-1 : AMS Trex デバイスコミュニケータとの接続
3.5
A. Rosemount 4390 B.
リード/クリップコネクタキット
C. AMS Trex
無線
デバイスコミュニケータ
警告
AMS Trex から
に損傷を与えることがあります。
Rosemount 4390 無線送信機の電源として AMS Trex ユニットを使 用しないでください。
無線
HART デバイスに電力を供給すると、デバイス

HART モデムおよび AMS デバイスマネージャとの接続

AMS デバイスマネージャを設置して HART モデムや PC と使用する場合、
以下の手順に従ってください
手順
1. HART モデムにある 2 つのクリップコネクタを Rosemount 4390 の 無線 COMM 端子に接続します。COMM 端子接続は極性に敏感で はありません。
2. HART モデムに必要な全てのドライバをインストールしアップデ ートします。
3. 最新の DD ファイルを AMS デバイスマネージャにインストールし ます。
クイック・スタート・ガイド
13
クイック・スタート・ガイド 2021 4
4. AMS デバイス マネージャを開始する
5. HART Modem (HART モデム) タブの下にある Device (デバイス)
イコンをダブルクリックしてから Configure/Setup (環境設定/セ ットアップ) タブを選択します。Direct Connection (直接接続) メ ニューを使用します。
6. 本ガイドの 無線ネットワークに参加するから始まる手順に従って デバイスの環境設定を開始します。
Apply (適用) ボタンを選択したら AMS デバイスマネージャの環境 設定変更が実行されます。
3-2 : HART モデムおよび AMS デバイスマネージャとの接続
A. Rosemount 4390 B. HART C. AMS
3.6
14 Emerson.com/Rosemount

無線ネットワークに参加する

ネットワークゲートウェイと通信し、最終的にはホストシステムと通信す るためには、送信機はワイヤレスネットワーク上で通信できるように設定 されている必要があります。このステップは、送信機からホストシステム にワイヤーを接続するのに相当する無線手順です。
手順
AMS Trex または AMS デバイスマネージャを用いて、 ネットワーク ID と 参加キーを入力し、ネットワークにあるゲートウェイやその他のデバイス のネットワーク ID と参加キーとマッチするようにします。
ネットワーク ID と参加キーが一致しない場合、通信機はネットワークと 通信しません。ネットワーク ID と参加キーは無線ゲートウェイ Web
モデム (リード/クリップコネクタキット付属
デバイスマネージャをインストールしたコンピュータ
無線送信機
)
2021 4 クイック・スタート・ガイド
ースユーザーインターフェースの System Settings (システム設定) → Network (ネットワーク) → Network Settings (ネットワーク設定) ペ ージにあるゲートウェイから入手できます。
3-3 : 無線ネットワークに参加する
A.
ネットワーク
B.
参加キー
3.7
クイック・スタート・ガイド

機器 ID

ユーザーは、試運転されるデバイスに関する基本的な特定パラメータを設 定する必要があります。
Rosemount 4390 無線送信機は、 Tag (タグ) (8 文字) および Long Tag (ロン グタグ) (32 文字)をサポートしており、Device Information (デバイス情報) タブで設定することができます。ユーザーは、 Device ID (デバイス ID)Distributor (代理店)、および Model (モデル)などの設定不可の特定情報を 見ることもできます。 図 3-4 を参照。
ID
15
クイック・スタート・ガイド 2021 4
3-4 : デバイス特定 – AMS デバイスマネージャ
A.
タグおよびロングタグフィールド
3.8

センサタイプおよびパラメータを設定する

Rosemount 4390 無線送信機は、選択されたモデルに応じて様々な種類の インラインモニタリングプローブをサポートしています。
環境設定する際、ユーザーはプローブタイプ、エレメント厚さまたは露出 表面積(プローブタイプに依存する)、金属ロスオフセット(該当する場合)、 取得レートといったプローブパラメータの設定を要求されます。センサ ーの環境設定には以下の手順に従ってください:
手順
1. 環境設定する送信機モデルに適合する Probe Type (プローブタイ) を選択します。
3-3 : サポートしているプローブタイプ
送信機モデル サポートしているプローブタイプ
4391 腐食無線送信機 シングルエレメント ER プロー
二重または三重電極 LPR プロー
ガルバニプローブ
16 Emerson.com/Rosemount
2021 4 クイック・スタート・ガイド
表 3-3 : サポートしているプローブタイプ (続き)
送信機モデル サポートしているプローブタイプ
4392 エロージョン無線送信機 マルチプルエレメント ER サン
ド/エロージョンプローブ
マルチプルエレメント ER 複合
プローブ
2. Acquisition Rate (取得レート)の設定。取得レートは、センサーデ ータポイント測定の時間間隔であり、1 分から 24 時間の範囲で選 択できます。
3. ご使用のプローブに Input Parameters (入力パラメータ) を追加し ます。プローブパラメータはプローブタイプによります:
ER プローブについては、パラメータは Element Thickness (エレ
メント厚さ)Metal Loss Offset (金属ロスオフセット)です
LPR プローブについては、パラメータは Working Electrode
Area (作用電極面積)Rate Factor (レートファクター) および B Constant B 定数)です。
ガルバニプローブは入力を必要としません。
クイック・スタート・ガイド
17
クイック・スタート・ガイド 2021 4
3-5 : センサータブの設定 – AMS デバイスマネージャ
A.
プローブタイプ選択リスト
B.
取得レート設定フィールド
C.
入力パラメータ設定フィールド
3.9
3.9.1
18 Emerson.com/Rosemount

更新レートの設定

Update Rate(更新レート) は、1 組のデータセットが無線ネットワーク 上を伝送される頻度である。
ユーザーは、1 秒から 60 分の範囲で Update Rate(更新レート)を選択で きます。
デフォルトでは、更新レートは 1 分に設定されています。このレートは、 AMS デバイスマネージャ、無線ゲートウェイベースのユーザーインターフ ェースまたは AMS Trex デバイスコミュニケータのいずれかを通じていつ でも変更できます。

バーストメッセージ

Rosemount 4390 無線送信機には、3 つの設定可能なバーストメッセージ があります。各バーストメッセージには、それ自体に独立した更新レート があり、更新レート設定プロセスにおいてユーザーが設定する HART コマ ンドに応じて最高 8 個のデバイス変数が含まれます。伝送すべき変数の 数によっては、3 個のバーストメッセージ全てが必要でないこともありま す。Emerson は、使用しないメッセージを無効にすることを推奨します。
Loading...
+ 42 hidden pages