クイック・スタート・ガイド
00825-0104-4004, Rev FG
2020 年 8 月
Rosemount™ 8800D シリーズ渦流量計
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
目次
本ガイドについて....................................................................................................................... 3
返品について...............................................................................................................................6
エマソン流量計 カスタマーサービス......................................................................................... 7
設置前の準備...............................................................................................................................8
基本的な設置.............................................................................................................................22
基本的な構成.............................................................................................................................42
安全計装システムの設置.......................................................................................................... 50
製品の認定証明書..................................................................................................................... 51
2 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
1
1.1
本ガイドについて
本ガイドでは、Rosemount ™ 8800D シリーズ渦流量計と単一、デュアル、
またはクアッドトランスミッタの基本的な設置手順と構成手順について
説明します。
設置と設定の手順、診断、メンテナンス、整備、トラブルシューティング
の詳細に関する参照先:
• Foundation Fieldbus 装置については、00809-0100-4772 マニュアルを
参照してください
• MultiVariable 以外の流量計、HART の MTA オプションコード付き流量
計、Foundation Fieldbus 全装置については、00809-0100-4004 マニュ
アルを参照してください
MPA または MCA オプションコード付きの流量計の設置と構成の手順、診
断、メンテナンス、整備、トラブルシューティングについては、
00809-1100-4004 マニュアルを参照してください。
防爆、耐炎性、または本質安全(I.S )など危険場所での設置については、
00825-VA00-0001 認可ドキュメントを参照してください。
危険に関するメッセージ
このドキュメントでは、ANSI 標準 Z535.6-2011(R2017 )を基に、危険に
関するメッセージに対し次の基準を使用します。
危険
危険な状況を回避しない場合、重大なケガまたは死亡事故が発生します。
警告
危険な状況を回避しない場合、重大なケガまたは死亡事故が発生する可能
性があります。
注意
危険な状況を回避しない場合、軽度または中程度のケガが発生するか、発
生する可能性があります。
クイック・スタート・ガイド
3
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
通知
状況を回避しない場合、データ損失、物的損害、ハードウェアの損傷、ま
たはソフトウェアの損傷が発生する可能性があります。人身事故が生じ
る確たるリスクはありません。
物理的アクセス
通知
許可されていない人員の場合、エンドユーザーの危機に重大な損傷を引き
起こしたり、誤まった設定を行ったりする可能性があります。意図的また
は偶発的なあらゆる不正使用から保護してください。
物理的なセキュリティは、どのセキュリティ計画にとっても重要な部分で
あり、システムを保護する上で必要不可欠です。ユーザーの資産を保護す
るために、物理的アクセスを制限してください。これは、施設内で使われ
るすべてのシステムが対象です。
1.2
安全上の注意事項
警告
爆発の危険。これらの指示に従わない場合、爆発して死傷事故が生じるお
それがあります。
• トランスミッタの動作環境が、危険区域の使用認可条件に適合してい
ることを確認してください。
• 爆発の可能性がある環境に本トランスミッタを設置する場合は、国、
地方、および国際的な規格、規則、慣行に従う必要があります。安全
な設置に関する制限事項については、認可に関する文書を参照してく
ださい。
• 爆発の危険性がある環境で回路が生きているときに、トランスミッタ
カバーまたはサーモカップル(ある場合)を外さないでください。防
爆要件を満たすため、トランスミッタカバーを完全にはめ込んでくだ
さい。
• ハンドヘルドコミュニケータを爆発の危険性がある環境で接続する前
に、ループ内の計器が本質安全防爆あるいはノンインセンディブ防爆
に適合した配線方法に従って設置されていることを確認してくださ
い。
4 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
警告
感電の危険。これらの指示に従わないと、死傷事故が生じるおそれがあり
ます。リード線や端子に触らないでください。リード線に高電圧が残留
している場合、感電するおそれがあります。
警告
一般的な危険。これらの指示に従わないと、死傷事故が生じるおそれがあ
ります。
• 本製品は、液体、気体、または蒸気の用途に使用するためのものです。
他の目的には使用しないでください。
• 設置作業は必ず資格を有する要員が実行しなければなりません。
クイック・スタート・ガイド
5
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
2
返品について
弊社では製品の返品手続きが定められております。これは政府の定める
輸送機関の法令に従っており、弊社従業員の作業環境の安全性を維持する
上で重要な要件となっております。定められた返品手続きが守られない
場合、当該製品の返品をお受けできない場合があります。
6 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
3
エマソン流量計 カスタマーサービス
E メール:
• 世界共通: flow.support@emerson.com
• アジア太平洋地域: APflow.support@emerson.com
電話:
南北アメリカ 欧州および中東 アジア太平洋地域
合衆国
カナダ
メキシコ
アルゼンチン
ブラジル
ベネズエラ
800 522 6277
+1 303 527
5200
+41 (0) 41
7686 111
+54 11 4837
7000
+55 15 3413
8000
+58 26 1731
3446
イギリス
オランダ
フランス
ドイツ
イタリア
中央・東ヨー
ロッパ欧州
ロシア/CIS
エジプト
オマーン
カタール
クウェート
南アフリカ
サウジアラビ
ア
アラブ首長国
連邦
0870 240
1978
+31 (0) 704
136 666
0800 917 901
0800 182
5347
8008 77334
+41 (0) 41
7686 111
+7 495 995
9559
0800 000
0015
800 70101
431 0044
663 299 01
800 991 390
800 844 9564
800 0444
0684
オーストラリ
ア
ニュージーラ
ンド
インド
パキスタン
中国
日本
韓国
シンガポール
タイ
マレーシア
800 158 727
099 128 804
800 440 1468
888 550 2682
+86 21 2892
9000
+81 3 5769
6803
+82 2 3438
4600
+65 6 777
8211
001 800 441
6426
800 814 008
クイック・スタート・ガイド
7
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
4
4.1
4.1.1
4.1.2
設置前の準備
計画
適切な設置を行うには、用途および設置するメータについてあらゆる面を
考慮してください。
サイズ決定
最適な流量計の性能を得るために、正しい流量計のサイズを決定するに
は:
• 測定する流量の限界値を決定します。
• レイノルズ数と速度に関する指定の要件内に収まるようにプロセス条
件を決定します。
サイズ決定の詳細については、製品のリファレンスマニュアルを参照して
ください。
適切な流量計サイズを選択するには、サイズの計算が必要です。サイズの
計算から、圧力損失、精度、最小流量、最大流量のデータがわかり、適切
な選択を行う際の参考になります。選択およびサイジングツールを使っ
て渦サイジングソフトウェアを見つけてください。選択およびサイジン
グツールには、次のリンクを使ってオンラインでアクセスすることも、ダ
ウンロードしてオフラインで使用することもできます:
www.Emerson.com/FlowSizing
接液部材質の選択
Rosemount 8800D を指定する際は、プロセス流体とメータ本体の接液部
材質の適合性を確認してください。腐食が生じると、メータ本体の耐用年
数が短くなります。詳細については、腐食データに関する信頼できる情報
源を参照するか、弊社流量計担当者までお問い合わせください。
注
合金成分分析(PMI: Positive Material Identification )が必要な場合は、メー
タの表面に対してテストを実施してください。
4.1.3
8 Rosemount™ 8800D
向き
メータの最適な向きは、プロセス流体、環境要因、付近にある他の機器に
よります。
垂直設置
垂直、上向きの設置は、プロセス流体の流れが上方向になり、一般的な設
置方法です。上向きの流れによって、メータ本体は常に流体で満ち、流体
内の固形物が均等に分散されます。
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
気体または蒸気流を測定する場合、メータを垂直下向きに設置できます。
液体流の場合、適切な配管設計であれば可能ですが、垂直下向きに設置し
ないことを強くお奨めします。
図 4-1 : 垂直設置
A B
A.
液体流または気体流
B.
気体流
注
メータ本体を常に流体で満たすには、背圧が不適切である垂直下方の流体
の流れは避けてください。
水平設置
水平設置の場合、望ましい向きは、電子部をパイプ横面に配置することで
す。流体の場合、このような向きにすると、気泡混入や固形物がシェダー
バーに当たるのを防ぎ、渦の離脱頻度が低減されます。気体または蒸気の
場合は、(結露などによる)液体混入や固形物がシェダーバーに当たるの
を防ぎ、渦の離脱頻度が低減されます。
クイック・スタート・ガイド
9
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
図 4-2 : 水平設置
B
A
A.
推奨される設置方法: 電子部品が配管の側方にくるようにメータ
本体を設置
B.
許容される設置方法: 電子部品が配管の上方にくるようメータ本
体を設置
高温設置
一体型電子部の最大プロセス温度は、流量計を設置した周囲温度に依存し
ます。電子部は 85 °C (185 °F) 以下である必要があります。
図 4-3 に、ハウジングの温度を 85 °C (185 °F) 未満に維持するのに必要な周
囲温度とプロセス温度の組み合わせを示します。
10 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
図 4-3 : 周囲温度/ プロセス温度の制限
200 (93)
180(82)
160 (71)
600 (316)
700 (371)
C
800 (427)
900 (482)
1000 (538)
A
140 (60)
120 (49)
100 (38)
80 (27)
60 (16)
0
100 (38)
200 (93)
300 (149)
400 (204)
500 (260)
B
A.
周囲温度
B.
プロセス温度
C. 85 °C (185 °F)
°C (°F)
°C (°F)
のハウジング温度制限。
注
ここに示す温度制限は、水平管と垂直管の位置に対するもので、メータと
パイプは 77 mm (3 インチ) のセラミック繊維絶縁体で絶縁されています。
図 4-4 に示すように、電子部がパイプの横または下になるようにメータ本
体を設置してください。電子部の温度を 85 °C (185 °F )以下に保つには、
パイプ周囲を絶縁する必要があります。絶縁に関する特記事項について
は、図 5-2 を参照してください。
クイック・スタート・ガイド
11
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
図 4-4 : 高温設置の例
B
A
A.
推奨される設置方法: 電子部がパイプ横側になるように設置された
メーター本体
B.
許容される設置方法: 電子部がパイプの下になるように設置され
たメータ本体。
4.1.4
場所
危険場所
トランスミッタには、本質安全防爆およびノンインセンダイブ防爆を必要
とする用途に適した防爆ハウジングと回路が備わっています。個々のト
ランスミッタには、取得した証明書がタグで明示されています。製品の認
定証明書を参照してください。
環境に関する注意事項
流量計の耐用年数を最大限に保つため、過剰な熱と振動を避けてくださ
い。問題となる典型的な設置場所には、電子部が一体化された高振動ライ
ン、温暖な気候環境での直射日光下の設置、寒冷気候下での屋外設置など
があります。
信号処理機能によって外部騒音への感受性が軽減されますが、設置場所に
は向き不向きがあります。強い電磁場と静電界を生み出す機器の近くに
流量計を配置したり、流量計の配線を行ったりしないでください。そのよ
うな機器の例には、電気溶接機、大型電気モーターと変圧器、通信用送信
機があります。
上流/ 下流の配管
流量計には、上流側で直管径の最小 10 倍の直管部(D )を、下流側で直管
径の最小 5 倍の直管部(D )を取り付けることができます。
基準精度を達成するには、上流側に直管径の 35 倍の直管部(35D )、下流
側に直管径の 5 倍の直管部(5D )が必要です。上流の直管部の長さが 10D
~ 35D の間では、K 係数の値が最大 0.5% ずれることがあります。最適な
12 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
K 係数の補正については、Rosemount ™ 8800
技術データシート
を参照してください。
渦流量計設置の影響に関する
スチーム配管
蒸気の用途の場合、次の図に示すような設置は避けてください。このよう
な設置では、閉じ込められた凝縮物により、起動時にウオーターハンマー
現象が生じるおそれがあります。 感知機構に水撃からの強い力がかかっ
て、センサが完全に故障することがあります。
図 4-5 : スチーム管の不適切な取付け
圧力および温度トランスミッタの位置
圧力および温度トランスミッタを渦流量計と併用して補正質量流量に対
応する場合は、トランスミッタを渦流量計の下流側に取り付けてくださ
い。
クイック・スタート・ガイド
13
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
図 4-6 : 圧力および温度トランスミッタの位置
C
A
B
D
A.
圧力トランスミッタ
B.
下流に直管径の
C.
温度トランスミッタ
D.
下流に直管径の
4
倍の直管部
6
倍の直管部
4.1.5
電源(HART )
アナログ 4 ~20 mA 電源
外部電源が必要です。各トランスミッタは 10.8 VDC ~42 VDC 端子電圧で
動作します。図 4-7 を参照してください。
消費電力
1 ワット最大/ トランスミッタ
14 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
5വ
9SV
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
HART 通信
図 4-7 : HART 通信の電圧/ 抵抗要件
最大ループ抵抗は、グラフで説明するように、外部電源の電圧レベルによ
って決定されます。
HART 通信には、最小 250 Ω から最大 1100 Ω のループ抵抗が必要です。
R( Ω) 負荷抵抗値
V
ps
必要な最小電源電圧
R(Ω)max = 41.7 (Vps – 10.8 V)
配線に関するその他の情報
• 直流電源は、2% リップル未満の電源を給電する必要があります。全体
の抵抗負荷は、信号線の抵抗と、コントローラ、インジケータ、およ
び関連機器の負荷抵抗の総和です。使用されている場合は、本質安全
バリヤの抵抗も含めなければならないことに注意してください。
• IEC 62591 (WirelessHART ® プロトコル)技術を介して情報を交換する
ために Smart Wireless THUM ™ アダプタを流量計と併用している場合
クイック・スタート・ガイド
は、250 Ω の最小ループ抵抗が必要です。さらに、24 mA の出力には、
19.3 V の最小電源電圧( Vps)が必要です。
• 複数のトランスミッタに対して 1 台の電源が使用されている場合、使
用される電源、およびトランスミッタに共通の回路では、 1200 Hz で
20 Ω のインピーダンスを超えないようにする必要があります。表 4-1
を参照してください。
15
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
表 4-1 : ワイヤゲージに基づく抵抗
ゲージ番号 20 °C (68 °F )相当時の 305 m (1,000
ft )あたりのオーム数
14 AWG ( 2 mm2)
16 AWG ( 1 mm2)
18 AWG ( 0.8mm2)
20 AWG ( 0.5 mm2)
22 AWG ( 0.3 mm2)
24 AWG ( 0.2 mm2)
2.5
4.0
6.4
10
16
26
4.1.6
4.2
4.2.1
電源(FOUNDATION Fieldbus )
流量計の電力端子では、9 ~32 VDC が必要です。各フィールドバス電源に
は、フィールドバス配線区画からの電源出力を分離するため電源調整器が
必要です。
試運転
適切な構成と動作のため、メータを実際に使用する前に試運転を行ってく
ださい。ベンチ試運転でも、ハードウェア設定をチェックし、流量計の電
子部をテストし、流量計の構成データを検証し、出力変数をチェックでき
ます。設置環境で使用する前に、問題を解決したり、設定を変更したりす
ることができます。 ベンチ試運転を実施するには、設定用デバイスをデバ
イスの説明書に従ってシングルループに接続してください。
HART ジャンパの設定
トランスミッタの 2 つのジャンパはアラームモードとセキュリティモー
ドに対応します。電子部を工場環境にさらすことを避けるため、試運転の
段階でこれらのジャンパをセットしてください。ジャンパは 2 つとも、電
子基板スタックまたは LCD メータにあります。
アラーム通常運転の一環として、トランスミッタは自己診断手順を常時実
行します。自己診断で電子部内部に障害が見つかると、障害モー
ドのジャンパの位置に応じて流量計の出力が低または高アラーム
レベルになります。ジャンパは工場で構成データシート(該当す
る場合)に従って設定されるか、デフォルトで HI (高)に設定さ
れます。
構成データはセキュリティ・ロックアウト・ジャンパで保護でき
セキ
ます。セキュリティ・ロックアウト・ジャンパを ON にすると、電
ュリ
ティ
子部に対する構成の変更ができなくなります。動作パラメータの
いずれにもアクセスして表示したり、利用可能なパラメータをス
クロールしたりすることができますが、変更はできません。ジャ
16 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
ンパは工場で構成データシート(該当する場合)に従って設定さ
れるか、デフォルトで OFF に設定されます。
注
変数の設定を頻繁に変更する場合、流量計の電子部が工場環境に
さらされないように、セキュリティ・ロックアウト・ジャンパを
OFF 位置のままにするといいかもしれません。
ジャンパにアクセスするには、端子ブロックの反対側にあるトランスミッ
タ電子部のハウジングまたは LCD カバー(ある場合)を外します。図 4-8
と図 4-9 を参照してください。
図 4-8 : アラームジャンパとセキュリティジャンパ(LCD オプションなし)
VORTEX
4-20mA
HART
TEST FREQ
IN
クイック・スタート・ガイド
TP1
17
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
図 4-9 : LCD インジケータのアラームジャンパとセキュリティジャンパ
(LCD オプションあり)
H I L O
HI LO
A L A R M
ALARM
FLOW
S E C U R I T Y
SECURITY
O N O F F
ON OFF
故障モードと飽和出力値
故障モードアラームの出力レベルは、動作流量が範囲外になったときに生
じる出力値とは異なります。動作流量が範囲外になっても、アナログ出力
は以下に示すリストの飽和値に達するまで動作流量を追跡し続けます。
動作流量にかかわらず出力がリストの飽和値を超えることはありません。
たとえば、標準的なアラームレベルと飽和レベルで、流量が 4 ~20 mA 範
囲外の場合、出力は 3.9 mA または 20.8 mA で飽和状態になります。トラ
ンスミッタ診断で障害が検出されると、アナログ出力は特定のアラーム値
に設定されます。この値は、適切なトラブルシューティングを行えるよう
にするため、飽和値とは異なっています。飽和レベルとアラームレベル
は、ソフトウェアを使って Rosemount 標準レベルと NAMUR レベルの選択
を行うことができます。
表 4-2 : アナログ出力: 標準アラーム値と飽和値
レベル 4 ~20 mA の飽和値 4 ~20 mA のアラーム値
低
高
3.9 mA
20.8 mA
3.75 mA 以下
21.75 mA 以上
表 4-3 : アナログ出力: NAMUR 準拠アラーム値と飽和値
レベル 4 ~20 mA の飽和値 4 ~20 mA のアラーム値
低
高
18 Rosemount™ 8800D
3.8 mA
20.5 mA
3.6 mA 以下
22.6 mA 以上
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
4.2.2
FOUNDATION Fieldbus ジャンパの設定
トランスミッタの 2 つのジャンパはシミュレーションモードとセキュリ
ティモードに対応します。電子部を工場環境にさらすことを避けるため、
試運転の段階でこれらのジャンパをセットしてください。ジャンパは 2
つとも、電子基板スタックまたは LCD メータにあります。
シミ
シミュレーション対応ジャンパはアナログ入力(AI )ブロックと
ュレ
共に使用します。ジャンパは、AI 機能ブロックのロックアウト機
ーシ
能としても使用されます。シミュレーション対応機能を有効に
ョン
するには、トランスミッタの電源を入れてからジャンパを OFF か
ら ON にして、トランスミッタが誤ってシミュレータモードのま
まにならないようにする必要があります。工場ではデフォルト
でジャンパを OFF に設定しています。
設定データはセキュリティ・ロックアウト・ジャンパで保護する
セキ
ことができます。セキュリティ・ロックアウト・ジャンパを ON
ュリ
ティ
にすると、電子部に対する設定の変更ができなくなります。 動作
パラメータのいずれにもアクセスして表示したり、利用可能なパ
ラメータをスクロールしたりすることができますが、変更はでき
ません。工場ではデフォルトでジャンパを OFF に設定していま
す。
ジャンパにアクセスするには、端子ブロックの反対側にあるトランスミッ
タの LCD カバー(ある場合)または電子部ハウジングカバーを外します。
図 4-10 と 図 4-11 を参照してください。
クイック・スタート・ガイド
19
I n s t a l l a t i o n
M a y 2 0 1 9
T h e h a r d w a r e j u m p e r s o n t h e f l o w m e t e r e n a b l e y o u t o s e t t h e f i e l d b u s s i m u l a t e e n a b l e a n d
t r a n s m i t t e r s e c u r i t y ( s e e F i g u r e 3 - 1 9 ) . T o a c c e s s t h e j u m p e r s , r e m o v e t h e e l e c t r o n i c s
h o u s i n g c o v e r f r o m t h e e n d o f t h e f l o w m e t e r . I f t h e f l o w m e t e r d o e s n o t i n c l u d e a n L C D
d i s p l a y , t h e j u m p e r s a r e a c c e s s i b l e b y r e m o v i n g t h e c o v e r o n t h e e l e c t r o n i c s s i d e . I f t h e
f l o w m e t e r i n c l u d e s a n L C D d i s p l a y o p t i o n , t h e f i e l d b u s s i m u l a t e e n a b l e a n d s e c u r i t y
j u m p e r s a r e f o u n d o n t h e f a c e o f t h e L C D d i s p l a y ( s e e F i g u r e 3 - 2 0 ) .
N o t e
I f y o u w i l l b e c h a n g i n g c o n f i g u r a t i o n v a r i a b l e s f r e q u e n t l y , l e a v e t h e s e c u r i t y l o c k o u t j u m p e r
i n t h e O F F p o s i t i o n t o a v o i d e x p o s i n g t h e f l o w m e t e r e l e c t r o n i c s t o t h e p l a n t e n v i r o n m e n t .
S e t j u m p e r s d u r i n g t h e c o m m i s s i o n i n g s t a g e t o a v o i d e x p o s i n g t h e e l e c t r o n i c s t o t h e p l a n t
e n v i r o n m e n t .
F i g u r e 3 - 1 9 . F i e l d b u s S i m u l a t e E n a b l e a n d T r a n s m i t t e r S e c u r i t y J u m p e r s
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
図 4-10 : アラームジャンパとセキュリティジャンパ(LCD オプションな
し)
20 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
R e f e r e n c e M a n u a l
0 0 8 0 9 - 0 1 0 0 - 4 7 7 2 , R e v F B
A f t e r y o u c o n f i g u r e t h e t r a n s m i t t e r , y o u m a y w a n t t o p r o t e c t t h e c o n f i g u r a t i o n d a t a f r o m
u n w a r r a n t e d c h a n g e s . E a c h t r a n s m i t t e r i s e q u i p p e d w i t h a s e c u r i t y j u m p e r t h a t c a n b e
p o s i t i o n e d O N t o p r e v e n t t h e a c c i d e n t a l o r d e l i b e r a t e c h a n g e o f c o n f i g u r a t i o n d a t a . T h e
j u m p e r i s l o c a t e d o n t h e f r o n t s i d e o f t h e e l e c t r o n i c s m o d u l e a n d i s l a b e l e d S E C U R I T Y ( s e e
F i g u r e 3 - 1 9 ) .
I f y o u r e l e c t r o n i c s a r e e q u i p p e d w i t h t h e L C D d i s p l a y ( O p t i o n M 5 ) , t h e f i e l d b u s s i m u l a t e
e n a b l e a n d t r a n s m i t t e r s e c u r i t y j u m p e r s a r e l o c a t e d o n t h e f a c e o f t h e i n d i c a t o r a s s h o w n i n
F i g u r e 3 - 2 0 .
F i g u r e 3 - 2 0 . L C D D i s p l a y F i e l d b u s S i m u l a t e E n a b l e a n d T r a n s m i t t e r S e c u r i t y J u m p e r s
SIMULATE ENABLE
SECURITY
ON
OFF
OFF
ON
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
図 4-11 : LCD インジケータのアラームジャンパとセキュリティジャンパ
(LCD オプションあり)
4.2.3
校正
流量計は工場で湿式校正されているため、設置中さらに校正を行う必要は
ありません。 校正係数(K 係数)は各メータ本体に表記されており、電子
部内に入力されています。 設定用デバイスで検証を行うことができます。
クイック・スタート・ガイド
21
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
5
5.1
基本的な設置
取り扱いについて
損傷を防ぐため、あらゆる部位を注意して取り扱ってください。可能な限
り、システムは元の梱包容器に入れて設置場所まで運んでください。接続
と密封の準備ができるまで、シッピングプラグは接続し、シーリングする
準備ができるまで、コンジット接続内に残しておいてください。
通知
メータへの損傷を避けるため、流量計をトランスミッタ部分で持ち上げな
いでください。流量計はメータ本体ごと持ち上げてください。図に示す
ように、リフティングサポートを本体に結び付けることができます。
図 5-1 : リフティングサポート
5.2
5.3
22 Rosemount™ 8800D
流れの方向
メータ本体にある流れの矢印の FORWARD の端が、パイプの流れの向きを
指すようにメータ本体を取り付けます。
ガスケット
流量計にはガスケット(ユーザ側で用意)が必要です。特定の設置環境の
プロセス流体と圧力定格に合った材質のガスケットを選んでください。
注
ガスケットの内径は、流量計と隣接パイプの内径より大きいものにしてく
ださい。ガスケットが流体の中に突き出る場合、流れを妨げてしまい、測
定が不正確になります。
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
5.4
絶縁
絶縁は、メータ本体底部のボルト端部まで行い、電子部ブラケットの周り
に少なくとも 25 mm (1 インチ)のスペースを設ける必要があります。
電子部ブラケットと電子部ハウジングは絶縁しないでください。図 5-2
を参照してください。
図 5-2 : 電子部の過熱を避けるための絶縁ベストプラクティス
注意
高温環境での一体型と別置型両方の電子部の損傷を避けるには、図に示す
ようにメータ本体のみを絶縁し、電子部周囲は絶縁しないでください。
5.5
クイック・スタート・ガイド
フランジ型流量計の取付け
ほとんどの渦流量計ではフランジ型プロセス接続を使用します。フラン
ジ型流量計の取付けは、通常のパイプ接合部の取付けと似ています。従来
の工具、機器、アクセサリ(ボルトやガスケットなど)が必要です。図
5-4 に示す順序でナットを締めます。
注
ガスケットの接合部を密封するために必要なボルトの負荷は、操作圧力、
ガスケットの素材、幅、および状態を含む、いくつかの要因の影響を受け
ます。ボルトのねじ山の状態、ナット頭部とフランジの間の摩擦およびフ
ランジの平行度を含む多数の要因も、測定されたトルクから生じる実際の
ボルトの負荷に影響を及ぼします。これらの用途によって変わる要因に
より、各用途に必要なトルクが異なる場合があります。ボルトを適切に締
23
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
めるには、ASME PCC-1 に概要が記載されているガイドラインに従ってく
ださい。流量計が流量計と同じ公称サイズのフランジ間の中央に位置し
ていることを確認してください。
図 5-3 : フランジ型流量計の取付け
A.
取付け用のスタッドボルトとナット (お客様側で用意
B.
ガスケット (お客様側で用意
C.
流れ
)
)
24 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
図 5-4 : フランジボルトのトルク順序
注
8800D から 8800A への改修取付けについては、製品のリファレンスマニ
ュアルを参照してください。
5.6
クイック・スタート・ガイド
ウエハ型流量計のアライメントと取付け
ウエハ型メータ本体の内径を、接続する上流/下流パイプの内径に対し中
央に配置します。 このように配置することで、流量計は指定の精度を確実
に達成できます。中央に配置のためのアライメントリングが各ウエハ型
メータ本体に付属しています。 これらの手順に従って、メータ本体の取付
け位置を合わせてください。図 5-5 を参照してください。
1. アライメントリングをメータ本体の各端に配置します。
2. パイプフランジ間のメータ本体底部にスタッドを挿入します。
3. (アライメントリングを付けた)メータ本体をフランジの間に配置
します。
• アライメントリングがスタッド上に適切に位置するようにし
てください。
• 使用しているフランジに対応する、リングのマークとスタッド
の位置を合わせてください。
• スペーサを使用する場合は、リファレンスマニュアルを参照し
てください。
25
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
注
電子部にアクセスでき、コンジットからドレンされ、流量計が直接
熱に当たらないように流量計の位置を決めてください。
4. 残りのスタッドをパイプフランジの間に配置します。
5. 図 5-4 に示す順序でナットを締めます。
6. フランジボルトを締めた後、フランジ部分で漏出がないか確認して
ください。
注
ガスケットの接合部を密封するために必要なボルトの負荷は、操作
圧力、ガスケットの素材、幅、および状態を含む、いくつかの要因
の影響を受けます。ボルトのねじ山の状態、ナット頭部とフランジ
の間の摩擦およびフランジの平行度を含む多数の要因も、測定され
たトルクから生じる実際のボルトの負荷に影響を及ぼします。こ
れらの用途によって変わる要因により、各用途に必要なトルクが異
なる場合があります。ボルトを適切に締めるには、ASME PCC-1 に
概要が記載されているガイドラインに従ってください。流量計が
流量計と同じ公称サイズのフランジ間の中央に位置していること
を確認してください。
図 5-5 : ウエハ型流量計とアライメントリングの取付け
B
B
A
C
A.
取付けスタッドボルトおよびナット (お客様側で用意
B.
アライメントリング
C.
スペーサ(
Rosemount 8800D 用、8800A
D
の寸法を維持するた
め)
D.
流れ
5.6.1
26 Rosemount™ 8800D
ウエハ型流量計用のスタッドボルト
次の表に、ウエハ型流量計本体サイズと各種フランジ定格に推奨される最
小スタッドボルト長を示します。
)
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
表 5-1 : ウエハ型流量計用のスタッドボルト長(ASME B16.5 フランジ)
ラインサイズ 各フランジ定格の最小推奨スタッドボルト長(インチ単位)
クラス 150 クラス 300 クラス 600
½ インチ
1 インチ
1½ インチ
2 インチ
3 インチ
4 インチ
6 インチ
8 インチ
6.00 6.25 6.25
6.25 7.00 7.50
7.25 8.50 9.00
8.50 8.75 9.50
9.00 10.00 10.50
9.50 10.75 12.25
10.75 11.50 14.00
12.75 14.50 16.75
表 5-2 : ウエハ型流量計用のスタッドボルト長(EN 1092 フランジ)
ラインサイズ 各フランジ定格の最小推奨スタッドボルト長(mm 単位)
PN 16 PN 40 PN 63 PN 100
DN 15 160 160 170 170
DN 25 160 160 200 200
DN 40 200 200 230 230
DN 50 220 220 250 270
DN 80 230 230 260 280
DN 100 240 260 290 310
DN 150 270 300 330 350
DN 200 320 360 400 420
ラインサイズ 各フランジ定格の最小推奨スタッドボルト長(mm 単位)
15 mm 150 155 185
25 mm 175 175 190
40 mm 195 195 225
50 mm 210 215 230
80 mm 220 245 265
100 mm 235 260 295
クイック・スタート・ガイド
JIS 10k
27
JIS 16k と 20k
JIS 40k
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
ラインサイズ 各フランジ定格の最小推奨スタッドボルト長(mm 単位)
JIS 10k
150 mm 270 290 355
200 mm 310 335 410
JIS 16k と 20k
JIS 40k
5.7
5.8
ケーブルグランド
コンジットの代わりにケーブルグランドを使用する場合は、ケーブルグラ
ンドの目^カーの説明書に従って準備し、地域または工場の電気に関する
規制に従って従来の方法で接続を行ってください。電子部ハウジングの
端子ブロックコンパートメントに湿気や他の汚染物質が入り込まないよ
うに、未使用ポートを適切に密封してください。
流量計の接地
通常の渦流量の用途では接地は必要ありませんが、適切な接地によって、
電子部によるノイズピックアップの可能性が排除されます。静電気防止
用ストラップを使って、流量計をプロセス配管に確実に接地できます。過
渡保護オプション(T1 )を使用している場合、適切な低インピーダンス接
地を実現するには、静電気防止用ストラップが必要です。
注
地域の規制に従って流量計本体とトランスミッタを適切に接地してくだ
さい。
静電気防止用ストラップを使用するには、静電気防止用ストラップの片端
を流量計本体の側面から出ているボルトに固定し、もう一方の端を適切な
アースに取り付けます。図 5-6 を参照してください。
28 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
図 5-6 : 接地接続
A.
内部接地接続
B.
外部接地アセンブリ
5.9
クイック・スタート・ガイド
トランスミッタケースの接地
トランスミッタケースは必ず、国および地方の電気関連の規則に従って接
地する必要があります。トランスミッタケースの最も効果的な接地方法
は、最小インピーダンスで接地地面に直接接続する方法です。トランスミ
ッタケースの接地方法は次のとおりです。
内部
接地
接続
外部
接地
アセ
ンブ
リ
注
ねじ込み型コンジット接続を使ったトランスミッタケースの接地方法だ
と、十分に接地されない可能性があります。トランスミッタケースを適切
に接地しないと、過渡保護端子ブロック(オプションコード T1 )による
過渡保護は行われません。過渡保護端子ブロックの接地については、リフ
ァレンスマニュアルを参照してください。上記のガイドラインを参照し
てトランスミッタケースを接地してください。落雷が発生するとアース
電子部ハウジングの FIELD TERMINALS 側の内側に内部接地接続
ねじがあります。このねじには接地記号( )が付いており、す
べての Rosemount 8800D トランスミッタに標準で付属してい
ます。
このアセンブリは電子部ハウジングの外側にあり、オプション
の過渡保護端子ブロック(オプションコード T1 )が含まれてい
ます。外部接地接続は、トランスミッタ(オプションコード V5 )
とも注文でき、特定の防爆認定も自動的に付属します。外部接
地アセンブリの位置については、図 5-6 を参照してください。
29
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
線に大量の電流が流れる可能性があるため、過渡保護アース線を信号線と
共に配線しないでください。
5.10
電線管の設置
流量計を電線管経路の高い位置に取り付けることによって、電線管の中の
結露がハウジングに流入するのを防ぎます。流量計が電線管経路の低い
位置に取り付けられた場合、終端コンパートメントは液体でいっぱいにな
ることがあります。
電線管が流量計の上方から始まる場合、電線管が流量計に入る前に流量計
の下に這わせてください。状況によって、ドレインシールの設置が必要に
なる場合があります。
図 5-7 : 適切な電線管の取り付け
A A
A.
電線管ライン
5.11
30 Rosemount™ 8800D
配線
信号端子は、流量計の電子部とは別の電子部ハウジングのコンパートメン
ト内にあります。構成ツールと電流テスト接続用の接続部は信号端子の
上にあります。
注
メンテナンス、取り外し、交換のためにトランスミッタの電気を切るに
は、電源を外す必要があります。
一般的な配線の手法
4 ~20 mA の信号およびデジタル通信信号でノイズピックアップを最小限
に抑えるにはツイストペアが必要です。強度の EMI / RFI 環境の場合、シー
ルド付きの信号線が必要であり、これは他のすべての設置においても推奨
されます。通信を確実に実現するには、配線を 24 AWG (0.205 mm² )以
上とし、1500 m (5,000 ft )を超えないものとします。
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
5.11.1
アナログ ゙出力
本流量計は、流量に対して直線性をなす 4 ~20 mA dc の絶縁された電流出
力を出します。接続を行うには、電子部ハウジングの FIELD TERMINALS サ
イドカバーを外してください。電子部へのすべての電力は 4 ~20 mA 信
号配線を介して供給されます。図に示すようにワイヤを接続してくださ
い。
注
4 ~20 mA の信号およびデジタル通信信号でノイズピックアップを最小限
に抑えるにはツイストペアが必要です。強度の EMI / RFI 環境の場合、シー
ルド付きの信号線が必要であり、これは他のすべての設置においても推奨
されます。通信を確実に実現するには、配線を 24 AWG 以上とし、1500 m
(5,000 ft )を超えないものとします。
図 5-8 : 4 ~20 mA 配線
A.
電源電源(
5.11.2
FOUNDATION Fieldbus の配線
各フィールドバス電源装置には、フィールドバス配線区画の電源出力を分
離するための電力調整器が必要です。
トランスミッタへのすべての電力は配線区画を介して供給されます。最
良の結果を得るには、シールド付きツイストペアを使用してください。新
しい設置環境の場合、または最大限の性能を得るには、フィールドバス専
用に設計されたツイストペアケーブルを使用してください。表 5-3 に、ケ
ーブルの特性と最適な仕様を示します。
表 5-3 : フィールドバス配線に最適なケーブル仕様
特性 最適な仕様
インピーダンス 100 Ohms ±20% (31.25 kHz )
クイック・スタート・ガイド
HART)
31
を参照してください。
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
表 5-3 : フィールドバス配線に最適なケーブル仕様 (続き)
特性 最適な仕様
ワイヤサイズ 18 AWG (0.8 mm 2)
シールドカバー
減衰
不均衡容量
90%
3 db/km
2 nF/km
注
フィールドバス区画の装置の数は、電源の電圧、ケーブルの抵抗、各装置
に引かれる電流量によって制限されます。
トランスミッタの配線接続
トランスミッタのワイヤーを接続するには、電子部ハウジングの FIELD
TERMINALS エンドカバーを外してください。電力リード線を正(+ )端子
と負(–)端子に接続します。電力端子は極固有ではありません。電力端
子に接続する際、DC 電力リード線の極はどちらでも関係ありません。ね
じ端子に配線する場合、クリンプラグをお奨めします。適切に接触するよ
うに端子を締めてください。追加の電源線は必要ありません。
32 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
図 5-9 :
H
A
I
FOU DATION
Configuration
J
Tool
A.
電源調整器およびフィルタ内蔵
B.
電源装置、フィルタ、第一ターミネータ、設定ツールは通常、制御
G
F
E
D
C*
D
室にあります。
C.
装置 1~
16
(本質安全の取り付けにより、
I.S.
バリアあたりの機器
台数を減らすことができます)
D.
スパー
E.
トランク
F.
フィールドバス区画
G.
ターミネータ
H.
最長
1900 m (6234 ft
I.
電源
J.
フィールドバス設定ツール
)(ケーブル特性による)
5.12
別置型設置
別置電子部オプション(Rxx または Axx )を注文された場合、流量計部品
は 2 つに分かれて配送されます。
• 支持管内に設置されているアダプタとアダプタに取り付けられている
相互接続用の同軸ケーブルが付いたメータ本体。
• 取付け用ブラケットに設置されている電子部ハウジング。
外装別置電子部オプション(Axx )を注文された場合は、標準のリモート
ケーブル接続と同じ手順に従ってください。ただし、ケーブルはコンジッ
ト内を通す必要がない場合もあります。外装にはグランドが付属します。
別置型設置については、ケーブル接続 を参照してください。
5.12.1
取り付け
このセクションの最初の部分に説明されているように、メーター・ボディ
をプロセス・フロー・ライン内に取り付けます。ブラケットおよび電子部
クイック・スタート・ガイド
33
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
ハウジングを目的の位置に取り付けます。フィールド配線および電線管
のルート作成を容易にするために、ブラケット上でハウジングの位置を変
えることができます。
34 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
5.12.2
ケーブル接続
これらの手順に従って、同軸ケーブルの未接続の側を電子部ハウジングに
接続してください。メータアダプタへのメータ本体の接続または取り外
しについては、製品のリファレンスマニュアルを参照してください。
図 5-10 : 別置型
A
B
C
D
E
F
G
H
I
A. ½ NPT
B.
C.
D.
E.
F.
G.
H.
I.
J.
K.
L. ½ NPT
M.
N.
O.
P.
電線管アダプタまたはケーブルグランド (お客様側で用意
同軸ケーブル
メータアダプタ
ユニオン (継手
)
ワッシャ
ナット
センサ・ケーブル・ナット
支持管
メータ本体
電子部ハウジング
同軸ケーブル
SMA
ナット
電線管アダプタまたはケーブルグランド (お客様側で用意
ハウジングアダプタねじ
ハウジングアダプタ
ハウジングベースねじ
接地接続
P
O
N
M
J
K
L
)
)
クイック・スタート・ガイド
35
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
注意
水分が同軸ケーブルの接続部に入るのを防ぐために、相互接続同軸ケーブ
ルを一方向専用電線管経路内に敷設するか、またはケーブルの両端にシー
ルド付きのケーブルグランドを使用します。
別置構成で防爆オプションコードと共に注文した場合、リモート・セン
サ・ケーブルと相互接続用の熱電対ケーブル(MTA または MCA オプショ
ン)は、別個の本質安全回路によって保護されており、地域および国内の
配線に関する条例に従って相互同士、他の安全本質回路、非本質安全回路
から分離する必要があります。
注意
同軸リモートケーブルは、フィールド終端したり長さをカットしたりする
ことはできません。余った同軸ケーブルは、半径が 51 mm (2 インチ) 以上
の輪になるように巻いてください。
1. 同軸ケーブルを電線管内に這わせることを計画する場合は、ハウジ
ングで適切な組み立てが行えるように、慎重に電線管を希望の長さ
に切ってください。余長同軸ケーブル用のスペースを確保するた
めに電線管の経路内に端子箱を置くことができます。
2. 電線管アダプタまたはケーブルグランドを同軸ケーブルの開放端
を通して、メータ本体の支持管上のアダプタに結び付けます。
3. 電線管を使用する場合、同軸ケーブルは電線管の中を通します。
4. 電線管アダプタまたはケーブルグランドを同軸ケーブルの端の上
に配置します。
5. 電子部ハウジングからハウジングアダプタを取り外します。
6. ハウジングアダプタを同軸ケーブルの上にスライドさせます。
7. 4 本のハウジングベース用ねじの内の 1 本を取り外します。
8. 同軸ケーブルの接地線をハウジングベースの接地ねじを介してハ
ウジングに取り付けます。
9. 同軸ケーブルの SMA ナットを電子部ハウジングに取り付けて、 7
in-lbs( 0.8 N-m)のトルクで手で締め付けます。
36 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
図 5-11 : SMA ナットの取付けと締付け
A
B
5.12.3
A. SMA
B.
注
同軸ケーブルのナットを電子部ハウジングで強く締めすぎないで
ください。
10. ハウジングアダプタの位置をハウジングと調整して、2 本のねじで
取り付けます。
11. 電線管アダプタまたはケーブルグランドをハウジングアダプタに
しっかりと取り付けます。
ナット
手で締める
ハウジングの回転
見やすいように電子部ハウジング全体を 90° 刻みで回転させることがで
きます。以下の手順に従がって、ハウジングの向きを変えてください。
1. 5/32 インチ六角レンチで電子部ハウジングのベースにある 3 ハウ
ジング回転セットねじを緩めます。支持管が外れるまで、ねじを時
計回りの方向 (内向き) に回します。
2. 電子部ハウジングを支持管の中からゆっくりと引き出します。
注意
ハウジングを支持管の先端から 40 mm (1.5 インチ) 以上、センサケ
ーブルが外れるまで引き抜かないください。このセンサケーブル
が圧力を受けると、センサへの損傷が生じる可能性があります。
3. 5/16 インチのオープン・エンド・スパナを使用して、ハウジング
からセンサケーブルを外します。
クイック・スタート・ガイド
37
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
4. 希望する向きにハウジングを回転させます。
5. センサケーブルをハウジングのベースにねじで取り付ける間、ハウ
ジングをこの向きで保持してください。
注意
センサケーブルをハウジングのベースに取り付けている間に、ハウ
ジングを回転させないでください。回転させると、ケーブルに圧力
がかかって、センサを損傷する可能性があります。
6. 電子部ハウジングを支持管の先端に入れます。
7. 六角レンチを使用して、 3 ハウジング回転ねじを反時計回り (外向
き ) に回して、支持管をはめ込みます。
5.12.4
リモート・センサ・ケーブルの仕様と要件
Rosemount リモート・センサ・ケーブルを使用する場合は、以下の仕様と
要件を参照してください。
• リモート・センサ・ケーブルは専用の 3 軸ケーブルです
• 低電圧信号ケーブルとされています
• 本質安全環境またはその一部に対応した定格となっています
• 非外装版は、金属製コンジット内を配線するように設計されています
• ケーブルは防水性ですが、水中に入れることはできませんベストプラ
クティスとして、可能であれば湿気を避けてください
• 定格動作温度は -50°C~+200°C (–58°F~+392°F )です
• IEC 60332-3 に準拠した難燃性
• 非外装版または外装版の最小曲げ直径は 203 mm (8 インチ)です
• 非外装版の呼び外径は 4 mm (0.160 インチ)です
• 外装版の呼び外径は 7.1 mm (0.282 インチ)です
38 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
図 5-12 : 非外装ケーブル
A.
トランスミッタ端部
B.
センサ端部
C.
最小曲げ直径
D.
呼び外径
図 5-13 : 外装ケーブル
A.
トランスミッタ端部
B.
センサ端部
C.
最小曲げ直径
5.12.5
クイック・スタート・ガイド
クアッドトランスミッタの番号と向き
クアッド渦流量計を注文する際には、設定を行う目的のため、トランスミ
ッタにはトランスミッタ 1 、トランスミッタ 2 、トランスミッタ 3 、トラ
ンスミッタ 4 という番号を付けます。トランスミッタとクアッド渦流量
計本体の銘板を使って、トランスミッタ番号を識別し、確認することがで
39
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
きます。クアッドトランスミッタの向きと銘板の場所については、図 5-14
を参照してください。クアッドトランスミッタと流量計本体の銘板の番
号の位置については、図 4-14 と 4-15 を参照してください。
図 5-14 : クアッドトランスミッタの番号
A.
トランスミッタ
B.
トランスミッタ
40 Rosemount™ 8800D
1
のトランスミッタ銘板
1
の流量計本体の銘板
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
図 5-15 : クアッドトランスミッタの銘板
図 5-16 : クアッド流量計本体の銘板
クイック・スタート・ガイド
41
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
6
6.1
6.1.1
基本的な構成
トランスミッタを動作させるには、特定の基本的な変数を設定する必要が
あります。 ほとんどの場合、これらの変数はすべて工場で事前に設定され
ます。 購入されたトランスミッタが設定されていない場合、または設定変
数の変更が必要な場合には、設定が必要となることがあります。 基本設定
のセクションでは、通常の基本動作に必要なパラメータについて説明して
います。
注
ProLink III パスは HART 装置のみを対象としています。Fieldbus 計器の詳
細については、8800D Fieldbus プロトコルの製品マニュアル
(00809-0100-4772 )を参照してください。
プロセス変数
プロセス変数は、流量計の出力を定義します。流量計の試運転中に各プロ
セス変数、機能および出力を確認し、必要な場合は、流量計をプロセス用
途に使用する前に変更する措置を行ってください。
一次変数のマッピング
トランスミッタが出力する変数を選択できます。
ProLink III
Device Tools → Configuration → Communications
(HART)
注
一次変数はアナログ出力変数でもあります。
Process Temperature (プロセス温度)(MTA または MCA オプションのみ)
または Flow (流量)のいずれかにすることができます。流量変数は、補
正体積流量、質量流量、流速、または体積流量として指定できます。ベン
チ試運転の際、各変数の流量の値はゼロにし、温度の値は周囲温度にする
必要があります。
流量または温度変数の単位が正しくない場合は、プロセス変数の単位を参
照してください。用途に合った単位を選択するには、Process Variables
Units (プロセス変数の単位)を使用してください。
6.1.2
42 Rosemount™ 8800D
範囲の割合
ProLink III
範囲の割合としての一次変数は、測定されたメータの流量がメータの設定
範囲内であるかどうかの測定基準になります。たとえば、範囲は 0 gal/ 分
Device Tools → Configuration → Outputs → Analog
Output
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
~20 gal/ 分として定義できます。測定した流量が 10 gal/ 分の場合、範囲の
割合は 50 パーセントになります。
6.1.3
6.1.4
アナログ ゙出力
ProLink III
アナログ出力変数は、一次変数のアナログ値です。アナログ出力は、 4~
20 mA 範囲の業界標準出力を指します。アナログ出力値とマルチメータ
による実際のループ読取り値を比較してください。4 ~20 mA に一致しな
い場合、調整が必要です。
Device Tools → Configuration → Outputs → Analog
Output
プロセス変数の単位
ProLink III
補正体積特殊単位の設定を含む、体積、速度、質量流量、電子部温度、プ
ロセス密度、補正体積の単位などのプロセス変数単位を表示したり設定し
たりすることができます。
体積流量
体積流量の値を表示できます。
体積流量単位
利用可能なリストから体積流量単位を選択できます。
表 6-1 : 体積流量単位
Device Tools → Configuration → Process
Measurement → (タイプを選択)
ガロン/ 秒 ガロン/ 分 ガロン/ 時
ガロン/ 日 立方フィート/ 秒 立方フィート/ 分
立方フィート/ 時 立方フィート/ 日 バレル/ 秒
バレル/ 分 バレル/ 時 バレル/ 日
英ガロン/ 秒 英ガロン/ 分 英ガロン/ 時
英ガロン/ 日 リットル/ 秒 リットル/ 分
リットル/ 時 リットル/ 日 立方メートル/ 秒
立方メートル/ 分 立方メートル/ 時 立方メートル/ 日
メガ立方メートル/ 日 特殊単位
補正体積流量単位
利用可能なリストから補正体積流量単位を選択できます。
クイック・スタート・ガイド
43
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
表 6-2 : 補正体積流量単位
ガロン/ 秒 ガロン/ 分 ガロン/ 時
ガロン/ 日 立方フィート/ 秒 標準立方フィート/ 分
標準立方フィート/ 時 立方フィート/ 日 バレル/ 秒
バレル/ 分 バレル/ 時 バレル/ 日
英ガロン/ 秒 英ガロン/ 分 英ガロン/ 時
英ガロン/ 日 リットル/ 秒 リットル/ 分
リットル/ 時 リットル/ 日 標準立方メートル/ 分
標準立方メートル/ 時 標準立方メートル/ 日 立方メートル/ 秒
立方メートル/ 分 立方メートル/ 時 立方メートル/ 日
特殊単位
注
補正体積流量を測定する際には、基本密度とプロセス密度を入力する必要
があります。
質量流量
質量流量の値と単位を表示できます。
質量流量単位
利用可能なリストから質量流量単位を選択できます。(1 STon = 2000 lb; 1
MetTon = 1000 kg )
表 6-3 : 質量流量単位
グラム/ 時 グラム/ 分 グラム/ 秒
キログラム/ 日 キログラム/ 時 キログラム/ 分
キログラム/ 秒 ポンド/ 分 ポンド/ 時
ポンド/ 日 特殊単位 ショートトン/ 日
ショートトン/ 時 ショートトン/ 分 ポンド/ 秒
トン(メートル)/ 日 トン(メートル)/ 時 トン(メートル)/ 分
注
Mass Flow Units (質量流量単位)オプションを選択する場合は、構成でプ
ロセス密度を入力する必要があります。
44 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
流速
流速の値と単位を表示できます。
流速単位
利用可能なリストから流速単位を選択できます。
• フィート/秒
• メートル/秒
速度測定ベース
速度測定を接合パイプ ID またはメータ本体 ID を基にするかを決定しま
す。 この選択はレジューサー™渦用途で重要です。
6.2
6.3
6.4
タグ
ProLink III
流量計を識別、区別する最速の方法です。流量計には、用途の要件に応じ
てタグを付けられます。タグは、最長 8 文字です。
Device Tools → Configuration → Informational
Parameters → Transmitter
長いタグ
ProLink III
HART 7 で利用でき、 32 文字まで記入できます。
Device Tools → Configuration → Informational
Parameters → Transmitter
プロセスの設定
ProLink III
本流量計は液体、気体、または蒸気の用途に使用できますが、その用途に
合うように設定する必要があります。 流量計が適切なプロセスに合わせ
て設定されていない場合、正しい読取りが行われません。 用途に合わせて
適切なプロセス設定パラメータを選択してください。
プロセス流体の設定
非 MultiVariable
メータと MTA メ
ータ
Device Tools → Configuration → Device Setup
液体タイプ—Liquid (流体)、Gas/Steam (気体/ 蒸気)、
Tcomp Sat Steam (温度補正飽和蒸気)、または
Tcomp Liquids (温度補正液体)のいずれかを選択し
ます。 Tcomp Sat Steam (温度補正飽和蒸気)と
Tcomp Liquids (温度補正液体)には MTA オプション
が必要です。これらは、プロセス温度の読取り値を
クイック・スタート・ガイド
45
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
基に動的な密度補正を行います。温度補正設定の詳
細については、00809-0100-4004 マニュアルの「操
作」のセクションにある高度な機能を参照してくだ
さい。
MPA メータと
MCA メータ
流体タイプ - Liquid (液体)、 Gas (気体)、または
Steam (蒸気)のいずれかを選択してください。圧力
および温度補正設定の詳細については、
00809-1100-4004 マニュアルの高度な設置と高度な
構成のセクションを参照してください。
固定プロセス温度
プロセス温度が基準温度と異なるときに、電子部により流量計の熱膨張を
補正するために必要。プロセス温度とは、流量計が稼働しているときのラ
インの液体または気体の温度です。
MTA または MCA オプションが設置されている場合、温度センサが故障し
たときのバックアップ温度値としても使用できます。
固定プロセス密度
質量流量または補正された体積流量の測定値を使用する場合、プロセス密
度を正確に構成する必要があります。質量流量では、体積流量を質量流量
に変換するために使われます。補正体積流量では、密度比を得るために基
本プロセス密度と共に使用されます。密度比は、体積流量を補正体積流量
に変換するために使われます。温度補正流体の場合、固定プロセス密度
は、体積流量のセンサ制限値を温度補正流体のセンサ制限値に変換するた
めに使われるため、引き続き必要です。
注
質量または補正体積の単位を選択した場合、プロセス流体の密度をソフト
ウェアに入力する必要があります。必ず正しい密度を入力してください。
次の場合を除き、質量流量と密度比は、ユーザが入力したこの密度を使っ
て計算されます。
MTA オプ
ション付き
メータ
トランスミッタは、MTA メータ用の Tcomp Sat Steam (温
度補正飽和蒸気)または TComp Liquids (温度補正液体)内
にあります。プロセス流体を Tcomp Sat Steam (温度補正
飽和蒸気)または TComp Liquids (温度補正液体)に設定し
た場合、密度の変化は自動的に補正され、ユーザが入力し
た密度に誤りがあると、測定に誤りが生じます。
MPA また
は MCA オ
プション付
きメータ
実際の補正では、温度、圧力、または圧力と温度の補正が
読み取られます。実際の補正で温度、圧力、または圧力と
温度の補正が読み取られる場合、密度が自動的に補正され、
ユーザが入力した密度に誤りがある場合、測定で誤りが生
じます。
46 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
基本プロセス密度
基本条件下の流体密度。この密度は、補正体積流量の測定に使用されま
す。体積流量、質量流量、または流速には必要ありません。基本プロセス
密度は、密度比を計算するためにプロセス密度と共に使用されます。温度
補正流体では、プロセス密度がトランスミッタによって計算されます。温
度補正されない流体では、固定プロセス密度が固定密度比の計算に使用さ
れます。密度比は次の式を基に、実際の堆積流量から標準体積流量への変
換に使用されます。
密度比 = 実 (流れている) 条件での密度/標準(基本)条件での密度
6.5
6.6
基準 K 係数
ProLink III
メータからの流量を電子部で測定された離脱頻度に関連付ける、工場で付
けられる校正番号。 弊社製の各渦流量計は水による校正を実施してこの
値を決定します。
Device Tools → Configuration → Device Setup
フランジタイプ
ProLink III
流量計のフランジタイプを指定し、後で参照できます。この変数は工場で
あらかじめ設定されていますが、必要な場合は変更できます。
表 6-4 : フランジタイプ
ウェーハ型
ASME 300
ASME 600 レジューサー
ASME 1500
ASME 2500 レジューサー
PN16
PN25 レジューサー
PN64
PN100 レジューサー
JIS 10K
JIS 16K/20K レジューサー
Spcl
Device Tools → Configuration → Device Setup
ASME 150
ASME 300 レジューサー
ASME 900
ASME 1500 レジューサー
PN10
PN16 レジューサー
PN40
PN64 レジューサー
PN160
JIS 10K レジューサー
JIS 40K
ASME 150 レジューサー
ASME 600
ASME 900 レジューサー
ASME 2500
PN10 レジューサー
PN25
PN40 レジューサー
PN100
PN160 レジューサー
JIS 16K/20K
JIS 40K レジューサー
クイック・スタート・ガイド
47
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
6.7
パイプ内径
ProLink III
流量計に隣接するパイプの I.D (内径)によって入口に影響が生じて、流
量計の読取り値が変わる可能性があります。実際の接合パイプの内径を
構成すると、これらの影響を正すことができます。この変数の適切な値を
入力してください。
次の表に、スケジュール 10 、40 、80 配管のパイプ内径値を示します。接
合パイプの内径が表にない場合は、メーカーに確認するか、ご自身で測定
してください。
表 6-5 : スケジュール 10 、40 、80 配管のパイプ内径
パイプのサイズ
mm (インチ)
15 (½ ) 17.12 ( 0.674) 15.80 ( 0.622) 13.87 ( 0.546)
25 ( 1) 27.86 ( 1.097) 26.64 ( 1.049) 24.31 ( 0.957)
40 ( 1½) 42.72 ( 1.682) 40.89 ( 1.610) 38.10 ( 1.500)
50 ( 2) 54.79 ( 2.157) 52.50 ( 2.067) 49.25 ( 1.939)
80 ( 3) 82.80 ( 3.260) 77.93 ( 3.068) 73.66 ( 2.900)
100 ( 4) 108.2 ( 4.260) 102.3 ( 4.026) 97.18 ( 3.826)
150 ( 6) 161.5 ( 6.357) 154.1 ( 6.065) 146.3 ( 5.761)
200 ( 8) 211.6 ( 8.329) 202.7 ( 7.981) 193.7 ( 7.625)
250 ( 10) 264.67 ( 10.420) 254.51 ( 10.020) 242.87 ( 9.562)
300 ( 12) 314.71 ( 12.390) 304.80 ( 12.000) 288.90 ( 11.374)
Device Tools → Configuration → Device Setup
スケジュール 10
mm (インチ)
スケジュール 40
mm (インチ)
スケジュール 80
mm (インチ)
6.8
上限値と下限値
ProLink III
Device Tools → Configuration → Outputs → Analog
Output
アナログ出力の解像度を最大化するために、上限値と下限値を設定できま
す。流量計の精度は、用途で予測される流量範囲内で動作するときに最も
高くなります。読取り予測値の限界に範囲を設定すると、流量計の性能が
最大化します。
読取り予測値の範囲は、上限値と下限値で定義します。用途で使用するラ
インサイズとプロセス材質で定義される、流量計の動作の制限値内で値を
設定してください。これらの範囲外に値を設定することはできません。
48 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
上限値 流量計の 20 mA 設定点です。
下限値 流量計の 4 mA 設定点です。一次変数が流量変数である場合は
通常、0 に設定します。
6.9
6.10
ダンピング ゙
ProLink III
ダンピングによって、入力の急な変化で生じる出力読取りの穏やかな変動
に対する流量計の応答時間が変わります。ダンピングは、アナログ出力、
一次変数、範囲の割合、渦周波数に適用されます。
デフォルトのダンピング値は 2.0 秒です。PV が流量変数の場合はダンピ
ングの値を 0.2 ~255 秒の範囲で、または PV を Process Temerature (プロ
セス温度)に設定した場合、0.4 ~ 32 秒の範囲で構成できます。必要な応
答時間、信号の安定、装置でのループ変動のその他の要件に基づき、適切
なダンピング設定を決定します。
注
渦の離脱頻度が選択したダンピング値より遅い場合、ダンピングは適用さ
れません。PV を Process Temperature (プロセス温度)に設定した場合、
プロセス温度のダンピングを変更できます。
Device Tools → Configuration → Outputs → Analog
Output
最適なデジタル信号処理( DSP)
ProLink III
この機能を使用すると、流体に密度に応じて流量計の範囲を最適化するこ
とができます。電子部は、少なくとも 4:1 の信号/ トリガーレベル比を維持
しながら、プロセス密度を使って測定可能な最小流量を計算します。この
機能により、新しい範囲に対する流量計の性能を最適化するために、すべ
てのフィルタがリセットされます。機器の設定を変更する場合、信号処理
パラメータが最適な設定にセットされるようにこの方法を実行する必要
があります。 動的プロセスの密度の場合、予測される最小流量密度より低
い密度値を選択してください。
Device Tools → Configuration → Process
Measurement → Signal Processing
クイック・スタート・ガイド
49
クイック・スタート・ガイド 2020 年 8 月
7
安全計装システムの設置
安全認定に準じて取り付けるために、Rosemount 8800D 安全マニュアル
(文書番号 00809-0200-4004) に記載されている取付手順およびシステム
要件を参照してください。
50 Rosemount™ 8800D
シリーズ渦流量計
2020 年 8 月 クイック・スタート・ガイド
8
製品の認定証明書
製品の証明書については、Rosemount ™ 8800D
(00825-VA00-0001 )を参照してください。この文書は emerson.com に掲
載されています。または、弊社流量計担当者までお問い合わせください
(最終ページを参照)。
シリーズ渦流量計認可文書
クイック・スタート・ガイド
51
*00825-0104-4004*
クイック・スタート・ガイド
00825-0104-4004, Rev. FG
2020 年 8 月
エマソン オートメーションソリューシ
ョンズ
日本エマソン株式会社
〒 140-0002 東京都品川区東品川 1-2-5
T 03–5769–6803
F 03-5769-6844
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Micro Motion アメリカ
Worldwide Headquarters
7070 Winchester Circle
Boulder, Colorado USA 80301
T: +1 800-522-6277
T: +1 303-527-5200
F: +1 303-530-8459
メキシコ: 52 55 5809 5473
アルゼンチン: 54 11 4733 5400
ブラジル: 55 15 3413 8888
チリ: 56 22 4310 7432
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Micro Motion ヨーロッパ /中東
中央・東ヨーロッパ: +41 41 7686 111
ドバイ: +971 4 811 8100
アブダビ: +971 2 697 2000
フランス: 0800 917 901
ドイツ: +49 (0) 2173 3348 0
イタリア: 8008 77334
オランダ: +31 (0) 318 495 555
ベルギー: +32 2 716 77 11
スペイン: +34 913 586 000
イギリス: 0870 240 1978
ロシア/CIS 諸国: +7 495 981 9811
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Micro Motion アジアパシフィック地域
オーストラリア: (61) 3 9721 0200
中国: (86) 21 2892 9000
インド: (91) 22 6662 0566
日本: (81) 3 5769 6803
韓国: (82) 31 8034 0000
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