Roland V-SYNTH XT User Manual [ja]

取扱説明書
V-Synth XT にはローランド「V-Card」シリーズのソフ トウエア、VC-1 と VC-2 がプリインストールされてい ます。電源を入れ直すことなくスイッチひとつで機能を 切り替え、V-Synth XT を全く異なる製品として使用す ることも可能です。
VC-1「D-50」を使うと、V-Synth XT を Roland D-50
(1987 年発表の歴史的デジタル・シンセサイザー)相
当の音源モジュールに変身させることができます。プリ セット・パッチをはじめ、全ての機能が当時のままに再 現され、最新の安定したハードウエアで D-50 独特のサ ウンドが得られます。
※ MIDI は社団法人 音楽電子事業協会(AMEI)
の登録商標です。
※ 文中記載の会社名及び製品名は、各社の商標または登録商標です。
03897745 ’05-3-2N
 2005 ローランド株式会社
©
本書の一部、もしくは全部を無断で複写・転載することを禁じます。
目次
はじめに.................................................................................................................6
各部の名称と働き........................................................................................8
音を鳴らしてみよう ..................................................................................11
電源を入れる .........................................................................................................................11
パッチを切り替えていろいろな音を鳴らす ................................................................... 12
いろいろな情報を確認する ................................................................................................ 14
ビープ音を鳴らす/鳴らさない ........................................................................................ 14
音にいろいろな効果をかける....................................................................15
コントローラーにパラメーターを割り当てる ............................................................... 16
パッチ・ファクターの設定のしかた................................................................................ 19
作ったパッチを保存する...........................................................................26
パッチに名前を付ける......................................................................................................... 26
パッチを保存する................................................................................................................. 27
製品出荷時の設定に戻す..................................................................................................... 28
D-50/550 とパッチをやり取りする...........................................................29
D-50 → V C-1 へパッチを転送する.................................................................................. 29
VC-1 → D-50/550 へパッチを転送する ........................................................................ 33
リバーブ・タイプをコピーする ........................................................................................ 35
VC-1 の内部構成 .......................................................................................37
メモリーの構造 ..................................................................................................................... 37
音作りの基本的な考えかた ................................................................................................ 38
トーン・パラメーターの構成 ............................................................................................ 41
パッチを作る.............................................................................................43
パッチの作りかた................................................................................................................. 43
エディットに便利な機能..................................................................................................... 44
トーン・パラメーターの働き....................................................................50
コモン・パラメーター......................................................................................................... 50
パーシャル・パラメーター ................................................................................................ 56
4
VC-1 全体の設定をする.............................................................................71
システム機能の設定のしかた ............................................................................................ 71
システム機能の設定を初期化する.................................................................................... 75
キー・モードの変化.............................................................................................76
サウンド・リスト ................................................................................................78
プリセット・パッチ................................................................................................................................................... 78
パッチ・ファクター................................................................................................................................................... 81
トーン・パラメーター............................................................................................................................................... 82
システム・パラメーター........................................................................................................................................... 85
ウェーブフォーム ....................................................................................................................................................... 86
MIDI インプリメンテーション.............................................................................88
主な仕様...............................................................................................................97
索引......................................................................................................................98
目次
5

はじめに

主な特長
D-50 の音色をパーフェクト・シミュレーション!
fig.01-01
Fantasia Digital Native Dance といった有名なプリセット音色 をはじめ、オリジナル D-50 のプリセット・パッチ 64 個をすべて 搭載しています。また、D-50/550 サウンド・ライブラリー: PN-D50-01 〜 04 のパッチ(計 256 個) も収録しました。MIDI バルク・ダンプにも対応していますから、お使いの D-50 であな た自身が作り上げたオリジナル音色も、そっくりそのまま VC-1 で 鳴らすことができます。もちろん、音源アルゴリズムからパラメー ターの動作に至るまで、D-50 の音色をパーフェクト・シミュレー ション! 微妙な演奏ニュアンスをも再現しています。
さらに、オリジナル D-50 では技術的に搭載できなかった大容量 ウェーブ(28 種類)と、それらを使ったパッチ(64 個)も新規 追加収録しました(P.86)。
エディットもパフォーマンスもオリジナルを凌駕!
充実したエディットつまみには、あらゆる音源パラメーターを割り当てることができます。タッチパネル でのパラメーター・エディットにも対応していますから、頭に浮かんだイメージを一瞬で音色に反映でき ます。音作りの楽しみもパフォーマンス・プレイの醍醐味も、オリジナル D-50 をはるかに凌駕しています。
プロ・スペックで甦るレガシー・シンセサイザー!
内部処理を最新技術でリメイクしたことにより、押鍵から発音までの応答速度やダイナミックレンジが飛 躍的に向上しました。サウンドの出口として V-Synth XT のハードウェアを使うことで、デジタル出力
(オプティカル/コアキシャル)にも対応。最先端レコーディング環境にも十分マッチするプロ・スペッ
のレガシー・シンセサイザーを実現しています。
6
デジタル・シンセサイザー:D-50 とは ?
D-50 は、1987 年に発売された、ローランド初のフル・デジタル・シンセサイザーです。PCM
方式と減算方式を融合させた LA 方式(Linear Arithmetic Synthesis)の音源を搭載し、それ までの想像を超える新しいサウンドを数え切れないほど生み出してきました。デジタル・シ ンセサイザーの基礎を築いた、ローランドが誇る歴史的名機のひとつです。
D-550 は、D-50 のパワフルなシンセサイザー・エンジンを 2U ラック・サイズに凝縮し、同 じく 1987 年に発売されました。
fig.01-04
はじめに
誕生から 15 年以上が過ぎた現在でも、世界中のクリエイターのもとで、D-50/550 は使われ 続けています。たくさんのオリジナル・パッチをストックしているサウンド・デザイナーも 多いことでしょう。しかし、やがて鍵盤やボタンは老朽化していきます。D-50/550 のサウ ンドを耳にできなくなってしまう日が、いつかは訪れてしまうかもしれません。
シンセサイザーの新たな可能性に挑戦するため、ローランドは技術革新を重ねてきました。同 時に、あなたの大切な財産である D-50/550 とオリジナル音色も、ずっと安心して使い続け てほしいと願っています。老朽化の憂いを払拭するのはもちろんのこと、オリジナルを越え るポテンシャルをも新提案するのが、V-Synth XTをD-50/550 に変身させる VC-1なのです。
いままで考えられなかった D-50/550 の魅力にも、きっと気づいていただけるでしょう。も し、これまで D-50/550 に触れたことがなかったのなら、その歴史的サウンドをぜひお試し ください。
7

各部の名称と働き

VC-1 を使うときには、V-Synth XT パネルのボタンやツマミは、VC-1 専用の動作をします。VC-1 と組 み合わせたときの各部の名称と働きを説明します。V-Synth XT 取扱説明書の『各部の名称とはたらき』 と合わせてお読みください。
フロント・パネル
fig.02-01(FrontPanel1 〜 8)
1
2
3
9
4
5
1
VOLUME(ボリューム)つまみ
MAIN OUT ジャックと PHONES ジャックから出力される全体の音量を調節します(P.11)。
2
V- CARD(V カード)ボタン
「VC-1」を起動します(P.11 )。また、V-CARD シリーズのソフト ウェア「VC-1」、「VC-2」と、「V-
Synth」を切り替えます。
3
PREVIEW(プレビュー)ボタン
カレントのパッチを試聴(プレビュー)することができます。
4
USB コネクター
USB のコネクターです。お使いのコンピューターと接続して、MIDI メッセージを送受信します。
※ VC-1 では USB オーディオ機能と USB ストレージ機能は動作しません。VC-1 のデータをコンピュー
ターにバックアップする場合は、「V-Synth XT 取扱説明書」の『USB を使ってコンピューターと接続 する(USB モード)』の手順でバックアップしてください。
5
PHONES(フォーンズ)ジャック
ヘッドホン(別売)を接続します(P.11)。
6 7
8
10
POWER
11
8
6
NUMBER KEY(ナンバー・キー)
パッチを切り替えます(P.12)。
表示 機能
[NUMBER](1 〜 8) パッチを選びます。 [BANK-]、[BANK+] パッチ・バンクを切り替えます。
7
LCD CONTRAST(コントラスト)つまみ
ディスプレイ表示の濃さを調節します。
8
ディスプレイ
操作に応じていろいろな情報を表示します。
※ この説明書では、画面を使用して機能説明をしていますが、製品出荷時の設定(音色名やパラメー
ター名など)と、本文中の画面表示は一致していないことがあります。あらかじめご了承ください。
9
E1 〜 E8 つまみ
D-50 のさまざまな機能を割り当てて、音色をリアルタイムに変化させます(P.16)。
10
ボタン群
表示 機能
VALUE ダイヤル
[DEC/-][INC/+]
[][][][]カーソル位置を上下左右に移動します(P.44)。 [MODE] モード・メニュー・ウィンドウを開きます。
[SHIFT] 他のボタンと組み合わせて、いろいろな機能を実行します。
[EXIT]
設定値を変更します。[SHIFT]を押しながら VALUE ダイヤル を回すと、値が大きく変わります(P.44)。
値を変更します。片方のボタンを押しながら、もう一方のボタン を押すと値が速く変わります。[SHIFT]を押しながらこのボタ ンを押すと、値の変化が大きくなります(P.44)。
PATCH TOP 画面に戻ったり、開いているウィンドウを閉じま す。画面によっては実行中の機能を中断します。
各部の名称と働き
11
POWER(パワー)スイッチ
電源をオン/オフします(P.11)。
オン オフ
9
各部の名称と働き
リア・パネル
12
AC インレット
付属の電源コードの差し込み口です。
13
DIGITAL AUDIO INTERFACE(デジタル・オーディオ・インターフェース)コネクター
デジタル・オーディオ信号(ステレオ)を出力します。IEC60958 に準拠しています。出力される信号は、 MAIN OUT ジャックから出力される信号と同じになります。
※ IEC60958 は、デジタル・インターフェースのフォーマットのひとつです。民生用のデジタル・オー
ディオ機器に使われています。
14
MIDI コネクター(IN、OUT、THRU)
外部 MIDI 機器を接続します。接続には MIDI ケーブル(別売)を使います。
表示 機能 IN(イン) 外部機器から MIDI メッセージを受信します。
OUT(アウト) 外部機器へ MIDI メッセージを送信します。
12 13 14 15
10
15
MAIN OUT(メイン・アウト)ジャック(L(MONO)、R)
アンプやミキサーに音声信号をステレオで出力します。モノで出力するときには L 側に接続します
(P.11)。

音を鳴らしてみよう

電源を入れる

他の機器と接続するときは、誤動作やスピーカーなどの破損を防ぐため、必ずすべての機器の音量を絞っ た状態で電源を切ってください。
fig.03-01j(ConnectionImage)
すべての機器の電源がオフになっていることを確認します。
1.
V-Synth XT とアンプやスピーカーを接続します。
2.
V-Synth XT の POWER スイッチをオンにします。
3.
アンプやスピーカーの電源をオンにします。
4.
5.
V-Synth XT が起動したら、[V-CARD]ボタンを押して表示され る画面から、「D-50」(VC-1)をタッチします。VC-1 の起動画
面が表示されます。
モニター
スピーカー
ミキサー
など
パワー・アンプ
※ [V-CARD]ボタンは、PATCH PLAY 画面(V-Synth System)または TOP 画面(VC-1、VC-2)での
み動作します。その他の画面で[V-CARD]ボタンを押しても反応しません。
※ 電源投入時は最後に起動した V-Card が起動します。
6.
VC-1 が起動すると、このような画面が表示されます。ディスプレイには選んだパッチの設定が表示され ています。
fig.03-02j(Card&LCDdefault)
パッチ・ナンバー
キー・モード スプリット・ポイント
パッチ・ネーム トーン・ネーム
トーンの音量バランス
11
音を鳴らしてみよう

パッチを切り替えていろいろな音を鳴らす

VC-1 にはあらかじめ多くの音色が内蔵されています。その中で、通常の演奏に使う 1 つの音色をパッチ と呼びます。パッチは、パッチ・バンク(Pre1 〜 6、Int1 〜 8)、バンク(1 〜 8)、ナンバー(1 〜 8) によって整理されています。
fig.03-03j(PatchBankImage)
プリセット(Pre1〜6)
Pre6
Pre5
Pre4
Pre3
Pre2
Pre1
ナンバー
1
2 3 4 5 6 7 8 1 2 3
4
5
6 7 8
パッチ・バンク 収録パッチ 書き替え 備考 Pre1 D-50 × オリジナル D-50 プリセット・パッチ
Pre2 VC-1 × Pre3 PN-D50-01 × D-50 / D-550 用サウンド・ライブラリー
Pre4 PN-D50-02 × D-50 / D-550 用サウンド・ライブラリー Pre5 PN-D50-03 × D-50 / D-550 用サウンド・ライブラリー
Pre6 PN-D50-04 × D-50 / D-550 用サウンド・ライブラリー Int1 Pre1 と同じ
Int2 Pre2 と同じ Int3 Pre3 と同じ
Int4 Pre4 と同じ Int5 Pre5 と同じ
Int6 Pre6 と同じ Int7 (未収録)
Int8 (未収録)
インターナル(Int1〜8)
Int8
Int7
Int6
Int5
Int4
Int3
Int2
Int1
ナンバー
1
2 3 4 5 6 7 8 1 2 3
4
5
6 7 8
パッチ番号:I1-72パッチ番号:P1-34
新規収録パッチ
12
マークはオリジナル D-50 から追加された項目です。
以下の 3 種類の方法をお好みで使い分けてください。
VALUE ダイヤルでパッチを選ぶ リストからパッチを選ぶ
VALUE ダイヤルでパッチを選ぶ
fig.03-04j
1.
PATCH TOP 画面が表示されていることを確認します。PATCH TOP 画面が表示されていないときは、表示されるまで[EXIT]
1 回か 2 回押します。
2.
鍵盤を弾いて音を鳴らします。他のパッチに切り替えるときは、
パッチ・ナンバー表示部分にタッチして反転表示させてから VALUE ダイヤルを回します(または[INC/+][DEC/-]を押しま
す)このとき、[SHIFT]を押しながら操作すると、早く切り替え ることができます。
リストからパッチを選ぶ
パッチの一覧を表示させて、その中からパッチを選ぶことができます。
1.
PATCH TOP 画面が表示されていることを確認します。PATCH TOP 画面が表示されていないときは、表 示されるまで[EXIT]を 1 回か 2 回 押してください。
2.
画面左上にある< PATCH LIST >にタッチします。PATCH LIST ウィンドウが表示されます。
fig.03-05
3.
一覧表示の中からパッチを選びます。 VALUE ダイヤルを回すか、[INC/+]または[DEC/-]を押して選 んでください。タッチ・パネルで直接タッチして選ぶこともでき ます。
音を鳴らしてみよう
パッチ・ナンバー
17 個目(パッチ・ナンバー 28 以降)以降のパッチを選ぶとき
4.
は、画面下側にある< 31-48 >< 71-88 >にタッチして画面 を切り替えます。また、他のパッチ・バンクのパッチを選ぶとき は、画面両側にある< Pre1 >< Pre6 >< Int1 >< Int8
にタッチします。
<OK>にタッチします。パッチが選ばれて PATCH LIST ウィンド
5.
ウが閉じます。
ボタンでパッチを選ぶ
フロント・パネルの NUMBER[1][8]を押すと、現在のパッチ・バンク内のパッチ(64 個)を、バ ンクとナンバーで選ぶことができます。
fig.03-06
PATCH TOP 画面が表示されていることを確認します。
1.
NUMBER[1]〜[8]を押してパッチを選びます。バンクを切り替えるときは、[BANK -]、[BANK +]
2.
を押して選びます。
13
音を鳴らしてみよう

いろいろな情報を確認する

VC-1 のシステム・バージョンなどを確認することができます(インフォ)。
1.
画面右上の<▼>にタッチします。プルダウン・メニューが表示されます。
2.
プルダウン・メニューの< Info >にタッチします。PATCH Information ウィンドウが表示されます。
fig.08-13(PulldownInfo)
3.
このウィンドウでは、以下の内容が確認できます。
Ver.: VC-1 のプログラム・バージョン
4.
確認が終わったら、[EXIT]を押してウィンドウを閉じます。

ビープ音を鳴らす/鳴らさない

タッチ・パネルの有効なポイントにタッチしたときに、ピッというビープ音を鳴らすか鳴らさないかを切 り替えることができます。製品出荷時の設定では、ビープ音は鳴るように設定されています。
fig.03-07
1.
画面右上の<▼>にタッチします。プルダウン・メニューが表示 されます。
2.
プルダウン・メニューの< Beep >にタッチしてチェック・マー ク( ✔)を付けます。ビープ音が鳴るようになります。 もう一度同じ操作をするとチェック・マークが消えて、ビープ音 は鳴らなくなります。
14

音にいろいろな効果をかける

あらかじめ設定されているパッチ(プリセット・パッチ)の中には、音色に合った演奏機能(ファクター) の設定がされています。さらに、好みに応じて変更することもできます。このような操作をエディットと 呼びます。 ファクターは、次のように構成されています。
fig.05-01(PatchFactorImage)
トーンのチューン
アッパー側のトーン
キー・モード
コントロール機能の
変化のしかた
ロアー側のトーン
トーンのチューン
トーンの
音量バランス
アウトプット・モード
(リバーブなど)
15
音にいろいろな効果をかける

コントローラーにパラメーターを割り当てる

V-Synth XT のコントローラーには、さまざまなパッチ・ファクター(P.19)やトーン・パラメーター
(P.50)などを割り当てることができます。これをコントロール・セットアップと呼びます。つまみで直
感的に音源をエディットしたり、演奏表現を高めたりといった、オリジナル D-50 を越える使いかたがで きます。
コントローラー パラメーター
パッチ・ファクター(P.81)
E1 〜 E8 つまみ
1.
PATCH TOP 画面が表示されていることを確認します。
画面左側にある にタッチします。CTRL SETUP 画面が表示されます。
2.
トーン・パラメーター(P.82) パーシャル・パラメーター(P.83)
16
3.
パラメーターを割り当てたいコントローラーのバリュー・ボックスへカーソルを移動します。次に、 VALUE ダイヤルを回すか、[INC/+]または[DEC/-]を押して値を変更します。
この説明書では、コントロール・セットアップを使ってコントロールできるパラメーターには
マークを付けています。各パラメーターについて詳しくは、それぞれの参照ページでの説明をお
読みください。このとき、画面下部のボタンは以下のように動作します。
表示 機能
割り当てたいパラメーターをリスト表 示します。
画面に戻ります。 割り当てられたパラメーターを製品出
荷時の状態に戻します。
LIST
トーン・パラメーターを割り当てたときは、どちらのトーン(アッパー/ロアー)に効かせるのかを、 トーン・セレクト・ボタンで選びます。
パーシャル・パラメーターを割り当てたときは、どのパーシャル(L1、L2、U1、U2)に効かせるの かを、パーシャル・セレクト・ボタンで選びます。
fig.05-11a
パッチ・ファクター
トーン・パラメーター
パーシャル・パラメーター
ページ切り替え
コントロールするトーン/パーシャルを選ぶ
フロント・パネル右側のつまみ(E1 〜 E8)に割り当てられたパラメーターを、どのトーン/パーシャル に適用するかを指定します。インジケーターが点灯しているトーン/パーシャルのパラメーターをコント ロールできます(トーン・セレクト)。
音にいろいろな効果をかける
トーン・パラメーターを割り当てたときは、どちらのトーン(アッパー/ロアー)に効かせるのかを、 トーン・セレクト・ボタンで選びます。
パーシャル・パラメーターを割り当てたときは、どのトーン(L1、L2、U1、U2)に効かせるのかを、 パーシャル・セレクト・ボタンで選びます。
fig.05-11b
パーシャル・セレクト
On On Off
On
※V-Synth XT 版の VC-1 では、画面のジョイス ティックは動作しません。
※トーン・セレクトとパーシャル・セレクトの設定 は記憶させることができます(→『パッチを保存す る』(P.27))。
On Off
トーン・セレクト
17
音にいろいろな効果をかける
各コントローラーに割り当てられる機能は以下のとおりです。
表示 パラメーター
PATCH TOP(P.19 ) ToneBal Tone Balance PATCH EDIT CONTRL(P.21) BendRang Bender Range
AftrPB
PortTime Portamento Time PortMode Portamento Mode PATCH EDIT OUTPUT(P.22) Rev Bal Reverb Balance TotalVol Total Volume PATCH EDIT CHASE(P.24) ChasLevl Chase Level ChasTime Chase Time PATCH EDIT TONE TUNE(P.25)
LowerKey
UpperKey
LowerTun
UpperTun
TONE COMMON STRUCT(P.50) PartBal Partial Balance TONE COMMON P-ENV(P.51)
PEnvVelo
PEnvTKF
PEnvT1 P-ENV Time 1 PEnvT2 P-ENV Time 2 PEnvT3 P-ENV Time 3 PEnvT4 P-ENV Time 4 PEnvL0 P-ENV Level 0 PEnvL1 P-ENV Level 1 PEnvL2 P-ENV Level 2 PEnvSusL P-ENV Sustain Level PEnvEndL P-ENV End Level PModLFOD P-Mod LFO Depth PModLevr P-Mod Lever
PModAftr
TONE COMMON LFO(P.53) LFO1Wave LFO-1 Waveform LFO1Rate LFO-1 Rate LFO1Dely LFO-1 Delay Time
Aftertouch Bend Range
Lower Tone Key Shift
Upper ToneKey Shift
Lower Tone Fine Tune
Upper Tone Fine Tune
P-ENV Velocity Range
P-ENV Time Keyfollow
P-Mod Aftertouchtouch
表示 パラメーター
LFO1Sync LFO-1 Sync LFO2Wave LFO-2 Waveform LFO2Rate LFO-2 Rate LFO2Dely LFO-2 Delay Time LFO2Sync LFO-2 Sync LFO3Wave LFO-3 Waveform LFO3Rate LFO-3 Rate LFO3Dely LFO-3 Delay Time LFO3Sync LFO-3 Sync TONE COMMON EQ/CHORUS
(P.54)
EQ Lg Low EQ Gain EQ Hg High EQ Gain ChorRate Chorus Rate ChorDpth Chorus Depth ChorBal Chorus Balance TONE PARTIAL FORM(P.57) Waveform WG Waveform PCM No# WG PCM Wave No. PW WG Pulse Width
PW Velo
PW Aftr
PW LFO WG PW LFO Select PW LFOD WG PW LFO Depth TONE PARTIAL PITCH(P.59) PichCors WG Pitch Coarse PichFine WG Pitch Fine PichKF WG Pitch Keyfollow PichLFO WG Mod LFO Mode
PichENV
PichBend
TONE PARTIAL TVF(P.61)
TVF Freq
TVF Reso TVF Resonance TVF KF TVF Keyfollow TVF BP TVF Bias Point/Dir TVF Blvl TVF Bias Level TVFDpth TVF ENV Depth
TVFVelo
TVF DKF
WG PW Velocity Range
WG PW Aftertouch Range
WG Mod P-ENV Mode
WG Mod Bend Mode
TVF Cutoff Frequency
TVF ENV Velo city Range
TVF ENV D epth Keyfollow
表示 パラメーター
TVF TKF
TVF T1 TVF ENV Time 1 TVF T2 TVF ENV Time 2 TVF T3 TVF ENV Time 3 TVF T4 TVF ENV Time 4 TVF T5 TVF ENV Time 5 TVF L1 TVF ENV Level 1 TVF L2 TVF ENV Level 2 TVF L3 TVF ENV Level 3
TVF SusL
TVF EndL TVF ENV End Level TONE PARTIAL TVA(P.66) TVA Levl TVA Level TVA Velo TVA Velocity Range TVA BP TVA Bias Point/Dir TVA Blvl TVA Bias Level
TVA Velo
TVA TKF
TVA T1 TVA ENV Time 1 TVA T2 TVA ENV Time 2 TVA T3 TVA ENV Time 3 TVA T4 TVA ENV Time 4 TVA T5 TVA ENV Time 5 TVA L1 TVA ENV Level 1 TVA L2 TVA ENV Level 2 TVA L3 TVA ENV Level 3
TVA SusL
TVA EndL TVA ENV End Level TONE PARTIAL MOD(P.69)
TVF LFO
TVF LFOD
TVF Aftr
TVA LFO
TVA LFOD
TVA Aftr
TVF ENV Time Keyfollow
TVF ENV Sustain Level
TVA ENV Velo city Follow
TVA ENV Time Keyfollow
TVA ENV Sustain Level
TVF Mod LFO Select
TVF Mod LFO Depth
TVF Mod Aftertouch Range
TVA Mod LFO Select
TVA Mod LFO Depth
TVA Mod Aftertouch Range
18

パッチ・ファクターの設定のしかた

エディットできる要素は、画面ごとにまとめていくつか表示されます。必要に応じてディスプレイの画面 を切り替えながら、エディットしたい要素を見つけ出します。
fig.05-12(LCDPatchEditControl)
1.
PATCH TOP 画面が表示されていることを確認します。
2.
画面下部にある< PATCH EDIT >ボタンにタッチします。
3.
画面左側にあるタブにタッチして、目的のエディット画面を選び ます。
< CONTROL >: コントロール機能(P.21) < OUTPUT >: アウトプット・モード(P.22) < CHASE >: チェイス機能(P.24) < TONE TUNE >: トーンのデチューン(P.25) < MIDI >: パッチごとのMIDI ファンクション(P.25)
4.
エディットするファクターにタッチします。次に、VALUE ダイ ヤルを回すか、[INC/+]または[DEC/-]を押して値を変更します。
5.
手順 3 〜 4 を繰り返して、パッチ・ファクターを設定します。
変更した設定を保存したいときは保存操作をします(→『パッチを保存する』(P.27))。保存しないとき
6.
[EXIT]を押して PATCH TOP 画面に戻します。保存操作をせずに PATCH TOP 画面に戻したときは < EDITED >と表示され、パッチの設定が変更されていることを示します。
※ < EDITED >が表示された状態で他のパッチを選んだり、または電源を切ったりすると、変更した
パッチの設定は失われてしまいます。
音にいろいろな効果をかける

各画面共通の設定

fig.05-13(LCDPatchEditControl)
UPPER / LOWER(トーン・セレクト・ボタン)
コントロールするトーン(アッパー側/ロアー側/両方)を選びま す。
KEY MODE(キー・モード)
キー・モードとは、アッパー側とロアー側のトーンをどのように発
音させるかの機能です。 設定値:WHOLE, DUAL, SPLIT, SEP, WHOL-S, DUAL-S, SPL-US, SPL-LS, SEP-S
表示 発音
WHOLE
(ホール)
DUAL
(デュアル)
アッパー側のトーンを 16 音まで同時に発音可能
1 つのキーでアッパー側とロアー側のトーンを重ねて発音(8 音ま で同時発音可能
19
音にいろいろな効果をかける
表示 発音
SPLIT
(スプリット)
SEP
(セパレート)
WHOL-S
(ホール・ソロ)
DUAL-S
(デュアル・ソロ)
SPL-US
(スプリット・アッパー・ソロ)
SPL-LS
(スプリット・ロアー・ソロ)
SEP-S
※ キー・モードによる発音のしかたは、VC-1 をモノ・モードとポリ・モードのどちらで動作させるか
によって異なります(→『キー・モードの変化』(P.76))。
SPLIT(スプリット・ポイント)
KEY MODE(キー・ モード)を、SPLIT(ス プリット) / SPL-US(スプリット・アッパー・ソロ)/ SPL-LS(スプリット・ロアー・ソロ)のいずれかに設定したときの、スプリット・ポイントを設定しま
す。設定値は、次のように鍵盤上のキーに対応しています。 設定値:C2 〜 C7
fig.05-14j
鍵盤上の任意の位置(スプリット・ポイント)を境に、アッパー 側とロアー側のトーンを分けて発音。キー・モードの隣りには、 スプリット・ポイントを表示。スプリット・ポイントを含む右側 のキーでアッパー側、左側のキーでロアー側のトーンを、それぞ れ 8 音まで同時に発音(中央 C は =C4)。
外部の MIDI 機器から、本体をコントロールする(→『MIDI イン プリメンテーション』(P.88))
アッパー側のトーンを単音で発音
1 つのキーで、アッパー側とロアー側のトーンを重ねて発音(単音 で発音)
スプリット・ポイントを境に分けた、アッパー側のトーンを単音 で、ロアー側のトーンを 8 音ポリフォニックで発音
スプリット・ポイントを境に分けた、ロアー側のトーンを単音で、 アッパー側のトーン を 8 音ポリフォニックで発音
外部の MIDI 機器から、本体をコントロールする(→『MIDI イン プリメンテーション』(P.88))
C2〜B2 C3〜B3 C4〜B4 C5〜B5 C6〜B6
BALANCE(トーンの音量バランス)
アッパー側とロアー側のトーンの音量バランスを設定します。
設定値:0〜100
CHASE(チェイス・ボタン)
チェイス機能(P.24)をオン/オフします。ボタンにタッチするとオンになり、もう一度タッチするとオ フに戻ります。
設定値:OFF, ON
PORTAMENTO(ポルタメント・ボタン)
ポルタメント機能をオン/オフします。ポルタメントとは、ある音の高さからある音の高さまでをなだら かに変化させる機能で、バイオリンの奏法でよく使われます。ボタンにタッチするとオンになり、もう一 度タッチするとオフに戻ります。 設定値:OFF, ON
20
C7
(中央C)

CONTROL(パッチ・コントロール)

fig.05-15(LCDPatchEditControl/Bend)
パッチごとに、コントロール機能での変化のしかたを設定します。
Bend(ベンダー・レンジ)
ベンダー・レバーを左右に動かしたときのピッチの可変範囲を設 定します。トーン・パラメーターのベンダー・モード(P.60)の 設定によっては、設定した可変範囲が変わることがあります。
設定値:0〜12
AfterPB(アフタータッチ(ピッチ・ベンダー))
アフタータッチの強弱でピッチを変化させる感度を設定させる感 度を設定します。設定値が大きくなるほど感度が高くなります。 マイナス側(-)に設定するとピッチが 下がり、プラス側(+)に 設定するとピッチが上がります。
設定値:-12 〜 +12
Hold(ホールド・モード)
ホールド・ペダルでホールドさせるトーンを選びます。キー・モー ドが WHOLE(ホール)のときは、設定したモードに関係なくホー ルド効果が得られます。 設定値:U, L, UL
音にいろいろな効果をかける
表示 機能
U アッパー側のトーン
L ロアー側のトーン
UL 両方のトーン
Time(ポルタメント・タイム)
ポルタメントの変化する時間を設定します。設定値が大きくなるほど時間が遅くなります。
設定値:0〜100
Mode(ポルタメント・モード)
ポルタメントするトーンを選びます。キー・モードが WHOLE(ホー ル)のときは、設定したモードに関係なくポルタメント効果が得ら れます。
設定値:U, L, UL
※ ポルタメントを ON に設定していても、外部 MIDI 機器からの信号を受けたときには、ポルタメント
の ON / OFF は切り替わります。
表示 機能
U アッパー側のトーン
L ロアー側のトーン
UL 両方のトーン
21
音にいろいろな効果をかける

OUTPUT(アウトプット・モード)

リバーブを含めた 2 つのトーンの出力のしかたを設定します。リバーブ音とは、直接聞き手に届く音(直
接音)とは別に、いろいろなところに反射して聞き手に届く残響音のことです。
fig.05-16j(LCDPatchEditControl/Output)
リバーブ音
直接音
音源
聞き手
Mode(アウトプット・モード)
2 つのトーンにリバーブ効果をどのようにつけ、アウトプットからどのように出力させるかを、次の 4 種 類の中から選びます。
設定値:1〜4
表示 機能
2 つのトーンをミックスした音にステレオ・リバーブ効果がつき、アウト プットからは 2 つのトーンをミックスしたステレオ出力となります。
2 つのトーンをミックスした音にステレオ・リバーブ効果がつき、ダイレク ト音はアッパー側とロアー側を分けて出力します。
アッパー側のトーンのみリバーブ効果がつき、アウトプットからは、アッ パー側とロアー側を分けて出力します。
ロアー側のトーンのみリバーブ効果がつき、アウトプットからは、アッ パー側とロアー側を分けて出力します。
22
音にいろいろな効果をかける
RevType(リバーブ・タイプ)
リバーブ効果を 32 種類の中から選びます。
設定値:1〜32
表示 種類 表示 種類
1 スモール・ホール 17 ブライト・ホール 2 ミディアム・ホール 18 ラージ・ケイブ
3 ラージ・ホール 19 スチール・パン 4 チャペル 20 ディレイ(248ms)
5 ボックス 21 ディレイ(338ms) 6 スモール・メタル・ルーム 22 クロス・ディレイ(157ms)
7 スモール・ルーム 23 クロス・ディレイ(252ms) 8 ミディアム・ルーム 24 クロス・ディレイ(274 〜 137ms)
9 ミディアム・ラージ・ルーム 25 ゲート・リバーブ
10 ラージ・ルーム 26 リバース・ゲート(360ms) 11 シングル・ディレイ(102ms) 27 リバース・ゲート(480ms)
12 クロス・ディレイ(180ms) 28 スラップ・バック 13 クロス・ディレイ(224ms) 29 スラップ・バック
14 クロス・ディレイ(148 〜 296ms) 30 スラップ・バック 15 ショート・ゲート(200ms) 31 ツイステッド・スペース
16 ロング・ゲート(480ms) 32 スペース
※ 上記はパッチ・バンク Int1 の例です。他のパッチ・バンク(Int2 〜 8)に保存されているリバーブ・
タイプ(17 〜 32)はそれぞれ異なります。インターナル・バンクのリバーブ・タイプ(17 〜 32 の いずれか)には、他バンクのリバーブ・タイプ(17 〜 32 のいずれか)をコピーすることができます
(→リバーブ・タイプをコピーする(P.35))。
RevBal(リバーブ・バランス)
リバーブ音と直接(ダイレクト)音との音量バランスを設定します。
設定値:0〜100
表示 機能 100 リバーブ音:最大、ダイレクト音:0
0 リバーブ音:0、ダイレクト音:最大
Vol(トータル・ボリューム)
トーンの音量を設定します。この設定によって各パッチの音量のバラツキを補正します。 設定値:0〜100
23
音にいろいろな効果をかける

CHASE(チェイス)

キーを押さえたと同時にアッパー側の音を発音させた後、ロアー(またはアッパー)側の音を遅らせて発 音させる機能です。キー・モードWHOLE(ホール)か DUAL(デュアル)のときに効果があります。
fig.05-17(LCDPatchEditControl/Chase)
Mode(チェイス・モード)
発音する音の並びかたを設定します。遅れて発音される音の回数 は、チェイス・レベルとベロシティーによって決まります。
設定値:UL, ULL, ULU
キー・モードが DUAL(デュアル)のとき
表示 機能
UL アッパー→ロアーと発音するが繰り返さない。
ULL アッパー→ロアー→ロアーと、ロアーを繰り返して発音。
ULU
キー・モードが WHOLE(ホール)のとき
表示 機能
UL
ULL
ULU ULL と同じ発音になる。
Level(チェイス・レベル)
はじめに発音されるアッパー側の音に対して、遅れて発音される音のレベルをどの大きさにするかを調整 します。設定値が大きくなるほどレベルが大きくなります。
設定値:0〜100
Time(チェイス・タイム)
発音する間隔を調整します。設定値が大きくなるほど間隔が長くなります。 設定値:0〜100
アッパー→ロアー→アッパーと、アッパーとロアーを繰り 返して発音。
アッパー→アッパーと発音するが繰り返さない。
アッパー→アッパー→アッパーと、アッパーを繰り返して 発音。
24

TONE TUNE(トーン・チューン)

アッパー側とロアー側のピッチを設定します。2 つのトーンのピッチを微妙にずらせば、音の広がりが選 られます。また、2 つのトーンのピッチを大きくずらせば、スプリット・モードで発音させるときに、そ れぞれのトーンの音域を合わせることもできます。
fig.05-18(LCDPatchEditControl/Tone)
LKey(ロアー側のキー・シフト)
ロアー側のピッチを半音ステップで移動します。
設定値:-24 〜 +24(± 2 オクターブ)
UKey(アッパー側のキー・シフト)
アッパー側のピッチを半音ステップで移動します。
設定値:-24 〜 +24(± 2 オクターブ)。
LTune(ロアー側のファイン・チューン)
ロアー側のピッチを微調整します。
設定値:-50 〜 +50(約± 50 セント)。
UTune(アッパー側のファイン・チューン)
アッパー側のピッチを微調整します。 設定値:-50 〜 +50(約± 50 セント)。
音にいろいろな効果をかける

MIDI(MIDI ファンクション)

パッチ・ファクターに含まれる MIDI ファンクションを設定します。
fig.05-19(LCDPatchEditControl/Midi)
TxCH(送信チャンネル)
送信チャンネルをベーシック・チャンネル以外に変えたいときは パッチごとに設定します(P.73)。Basic に設定したときにベー シック・チャンネルと同じになります。
設定値:Basic, 1 〜 16
TxPC(送信プログラム・チェンジ・ナンバー)
送信するプログラム・チェンジ・ナンバーをパッチごとに設定し ます。OFF のときはあらかじめ各パッチに対応しているプログラ ム・チェンジ・ナンバーにしたがって切り替わります。
設定値:OFF, 1 〜 100
TxBS(送信バンク・セレクト・ナンバー)
送信するバンク・セレクト・ナンバー(MSB)をパッチごとに設定します(LSB=0)。OFF のときはあ らかじめ各パッチに対応しているバンク・セレクト・ナンバーにしたがって切り替わります。
設定値:OFF, 0 〜 99
SepCH(セパレート・モードの受信チャンネル)
セパレート・モードの受信チャンネルをパッチごとに設定します。OFF のときはシステム機能で設定し た受信チャンネルになります(P.73)。 設定値:OFF, 1 〜 16
25

作ったパッチを保存する

パッチの設定を変更すると、PATCH TOP 画面に< EDITED >が表示され、設定が変更されたことを示 します。< EDITED >が表示された状態で他のパッチに切り替えたり、電源を切ったりすると、変更した パッチの設定は失われてしまいます。設定を変えたパッチを残しておきたいときは、パッチに名前を付け てから、保存操作をします。

パッチに名前を付ける

保存する前に、パッチ(トーン)に新しい名前を付けます。それぞれのパッチおよびトーンのネームを変 更することをネーミングと呼びます。 パッチ・ネーム:最大 18 文字、トーン・ネーム:最大 10 文字
名前を付けたいパッチが選ばれていることを確認します。
1.
fig.06-01(LCDPulldownPatchName)
画面右上の<▼>にタッチします。プルダウン・メニューが表示
2.
されます。
プルダウン・メニューの< PATCH NAME >(または< TONE
3.
NAME >)にタッチします。ネーミング用のウィンドウが表示さ れます。
26
fig.06-02(LCDPatchName&ToneName)
画面内のアルファベットや数字のキーにタッチして、テキスト・
4.
ボックスに新しい名前を入力します。画面内の各キーの働きは次 の通りです。
キー 働き
※ カーソル・ボタンの[ ]、[ ]を押して、入力位置のカーソルを移動することもできます。
また、[ ]を押すとカーソル位置の文字が大文字になり、[ ]を押すと小文字になります。
名前の入力が終わったら、<OK>にタッチしてパッチ(トーン)の名前を確定します。
5.
テキスト・ボックス内の名前を入力する位置 にカーソルを移動します。
大文字のアルファベットや記号類を入力する ときにオンにします。
カーソル位置に文字を挿入するときにオンに します。
テキスト・ボックス内の文字をすべて消去し ます。
カーソル位置の文字を削除します。
カーソル位置の 1 つ前の文字を削除します。

パッチを保存する

設定を変更した音色は一時的なもので、電源を切ったり他の音色を選ぶと、失われてしまいます。設定を 変更した音色を残しておきたいときは、保存します(パッチ・ライト)。
保存操作をすると、保存先に記憶されていたデータは上書きされて失われてしまいます。ただし、製品出 荷時に内蔵されていたデータは、ファクトリー・リセットをすることで復活させることができます(→製
品出荷時の設定に戻す(P.28))。
1.
保存したいパッチが選ばれていることを確認します。
fig.06-03(PulldownPatchWrite)
2.
画面右上の<▼>にタッチします。プルダウン・メニューが表示 されます。
3.
プルダウン・メニューの< PATCH WRITE >にタッチします。 PATCH WRITE ウィンドウが表示されます。
fig.06-04j(PatchWrite+PatchList)
4.
VALUE ダイヤルを回して保存先のパッチ(Destination)を指定 します。
作ったパッチを保存する
保存先パッチ
ネーム画面を開く
<ReName>にタッチすると PATCH NAMEウィンドウが表示 され、保存先のパッチ名を付けなおすことができます。
<Compare>にタッチすると、現在選ばれている保存先のパッ チ(Destination)が発音 できるよ うになり ます。大切な パッ
チを誤って上書きしてしまうことを未然に防ぐことができま す。
5.
< Compare >にタッチしてオンにした後、鍵盤を弾いて保存先 のパッチを鳴らし、書き替えてもよいパッチかどうかを確認しま
す。
※ コンペア機能によるパッチの発音は、通常の演奏時とは多少
鳴りかたが異なることがあります。
※ 現在のパッチ・バンクとは異なるパッチ・バンクへパッチを保存するときには、リバーブ・タイプは
保存されません(→リバーブ・タイプをコピーする(P.35))。そのため、音の響きが変わってしまう ことがあります。
< Execute >にタッチして保存します。
6.
コンペア機能
27
作ったパッチを保存する

製品出荷時の設定に戻す

VC-1 に記録されているすべてのデータを製品出荷時の設定に戻します(ファクトリー・リセット)。 すでに作った大切なデータが保存されているときは、ファクトリー・リセットの操作をすると、それらの データがすべて失われてしまいます。データを残しておきたいときは、以下のようにします。
オリジナル D-50(外部 MIDI 機器)にデータを転送する(P.33)
V-Synth XT の USB 機能を使って PC にバックアップする
V-Synth XT の USB 機能に関して詳しくは、V-Synth XT の取扱説明書をご覧ください。
1.
[MODE]を押します。MODE MENU ウィンドウが表示されます。
2.
< FACTORY RESET >にタッチします。FACTORY RESET 画面が表示されます。
fig.08-11(ModeMenu)
3.
<OK>にタッチします。確認メッセージが表示されます。
4.
< Execute >にタッチしてファクトリー・リセットを実行します。Completed! と表示されたら、ファク トリー・リセットは完了です。
VC-1 のファイル構造
コンピューターから見える VC-1 のファイ ル構造は、このようになっています。
コンピューターを操作して、これらの ファイルをコンピューターのドライブ
(ハード・ディスクなど)へコピーする
ことができます(バックアップ)。
これらのフォルダやファイルをコン ピューターからの操作で消去(フォー
マット)したり、名前を変更したりしな いでください。
28
fig.11-09j(Vc1FileStructure)
システム・パラメーター
インターナル・バンクのパッチ

D-50/550 とパッチをやり取りする

お使いの D-50/550 に保存されているパッチ(64 個)を MIDI 経由で転送し、VC-1(V-Synth XT)で 受信することができます。このような操作をバルク・ロードと呼びます。あなた自身が D-50/550 で作っ たオリジナル・パッチを、VC-1 でも使いたいときに便利です。 逆に、お使いの VC-1 でエディットしたパッチ(64 個)を、MIDI 経由で D-50/550 へ転送することもで きます。このような操作をバルク・ダンプと呼びます。
※ お使いの D-50/550 の取扱説明書と合わせてお読みください。

D-50 → VC-1 へパッチを転送する

D-50 → VC-1 へバルク・ロードされるパッチ(64 個)は、現在選んでいるパッチが含まれるパッチ・
バンクへ一時的に転送されます。
例:現在のパッチ 例:転送先パッチ・バンク I1-11:Fantasia Int1-11 Int1-88
I6-88:Big Wave Int 6-11 Int 6-88
転送先パッチ・バンクにもともとあったパッチ(64 個)は、一時的に書き替えられたように見えます が、失われたわけではありません。電源を入れ直せば復帰できます(P.11)。
バルク・ロードされたパッチ(64 個)は、そのまま電源を切ると失われてしまいます。必ず VC-1 へ保 存しましょう(P.32)。
D-50 でお使いのメモリー・カード(M-256D)に保存されているパッチを、そのまま VC-1 へ転送する ことはできません。いったん、メモリー・カード(M-256D)→D-50 へパッチ・データを転送し、そ
の後に D-50 → VC-1 へパッチ・データを転送します。
fig.04-01j(BulkDumpImage)
M-256D
1 2 3
4
5
6 7 8
ナンバー
1
2 3 4 5 6 7 8
バ ン ク
D-50
1 2 3 4 5 6 7 8
ナンバー
1
2 3 4 5 6 7 8
VC-1:Int1
バ ン ク
以下の順番で操作しましょう。
メモリー・カード→ D-50/550 へパッチを転送する(P.30) ↓ D-50/550 → VC-1 へパッチを転送する(P.31) ↓ 転送されたパッチを保存する(P.32)
ナンバー
1
2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8
29
D-50/550 とパッチをやり取りする

メモリー・カード→ D-50/550 へパッチを転送する

D-50 をお使いのとき
2-1 6-1
D-50 にメモリー・カード(M-256D)を差し込みます。
1.
D-50 のメモリー・プロテクトをオフにします。
2.
[TUNE/FUNCTION]を押します。
2-1.
2-2.
セレクト・ボタンProtect の項目を選び、ジョイスティックなどでオフにします。
3.
[DATA TRANSFER]を押します。
4.
セレクト・ボタン(Card → Int)を選びます。
5.
[ENTER]を押します。パッチが正しく転送されると「Complete.」と表示された後、演奏中の画面に戻
ります。
6.
D-50 のメモリー・プロテクトをオンに戻します。
6-1.
[TUNE/FUNCTION]を押します。
6-2.
セレクト・ボタンProtect の項目を選び、ジョイスティックなどでオフにします。
6-2
4 [EXIT] 3 52-2
D-550 をお使いのとき
30
4, 6 533
1.
D-550 にメモリー・カード(M-256D)を差し込みます。
2.
[DATA TRANS]を押します。
[][]で(Card → Int)を選びます。
3.
[ENTER]を押します。パッチが正しく転送されると「Complete.」と表示された後、演奏中の画面に戻
4.
ります。
[WRITE]を押し、一時的にメモリー・プロテクトをオフにします。
5.
6.
もう一度[ENTER]を押します。
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