R&S®RTM
デジタル・オシロスコープ
クイック・ガイド
(=55ÐB)
1305.0566.18 ─ 03
電子計測器
クイック・ガイド
このマニュアルでは、以下の R&S®RTM モデルについて説明します。
●
R&S®RTM1052 (1305.0008K52)
●
R&S®RTM1054 (1305.0008K54)
ローデ・シュワルツ製品のファームウェア開発には、さまざまなオープンソースソフトを使用しています。オープンソース開発者の
方々ならびにコミュニティ参加者の方々に、心よりの感謝とお礼を申し上げます。
詳細につきましては、同梱の CD-ROM に収録されている "Open Source Acknowledgement" をご参照ください。
© 2011 Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG
Muehldorfstr. 15, 81671 Munich, Germany
Phone: +49 89 41 29 - 0
Fax: +49 89 41 29 12 164
E-mail: info@rohde-schwarz.com
Internet: http://www.rohde-schwarz.com
Printed in Germany – お断りなしに記載内容の一部を変更させていただくことがあります。
あらかじめご了承ください。 R&S® は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG. の登録商標です。
R&S®RTM は、本書を通して R&S RTM と省略して記載されます。
基本的な安全指示
以下の安全指示を常に確認して遵守してください。
ROHDE & SCHWARZ 社では、弊社が提供する製品が常に最新の安全基準を満足し、お客様に対して最
善の安全性が提供できるよう、あらゆる努力をしております。弊社の製品およびそれらに必要な補助機
器は、対応する安全基準に従って設計され、試験されています。これらの安全基準に対する適合性は、
弊社の品質保証システムによって、常に確認されています。この製品は、EC Certificate of Conformity
(ヨーロッパ共同体適合証明)に従って設計・検査され、安全基準に完全に合致した状態で弊社の工場
から出荷されています。この状態を維持し、安全に動作させるためには、このマニュアルに示されてい
るすべての指示と注意事項を守ってください。安全指示についてご質問があれば、弊社の支店/営業所
にお問い合わせください。
さらに、使用者は、適切な方法で製品を使用しなければなりません。この製品は、産業環境やラボ環境、
または作業現場でのみ使用するよう設計されており、どのような場合であっても、個人の身体の安全や
資産を損なう可能性があるような方法で使用することはできません。指定されている目的を逸脱して製
品を使用したり、製造者の指示を守らなかったりした場合には、使用者が全責任を負うものとします。
このような状態で製品が使用された場合には、製造者は一切の責任を負わないものとします。
製品の資料に従い、処理能力の範囲内(データ・シート、資料、以下の安全指示参照)で製品が使用さ
れた場合には、製品は指定の目的で使用されたものとします。製品を使用するためには、技術的な能力
が必要とされ、英語が理解できなければなりません。したがって、製品は、適切な技術力を備えた専門
の要員、または必要な技術によって完璧な訓練を受けた要員によってのみ使用することが重要です。
ROHDE & SCHWARZ 社の製品を使用するにあたり、個人の安全を確保するための器具が必要な場合に
は、製品の資料のそれぞれの箇所に説明してあります。安全な場所で基本的な安全指示および製品の資
料を順守して、それらを今後のユーザにも伝えてください。
安全指示を守ることによって、危険な状態から生じる身体への傷害やあらゆる損傷を、できるかぎり回
避することができます。したがって、製品の操作を開始する前に、以下の安全指示をよく読み、厳守し
てください。また、資料の他の部分に示されている、身体の安全を確保するためのその他の安全指示に
も、必ず従ってください。これらの安全指示の中で、“ 製品” とは、計測器本体、システム、およびすべ
てのアクセサリを含め、ROHDE & SCHWARZ 社が販売し、提供しているすべての商品を示します。
マークおよび安全表示
注意、一般的な危
険個所
製品資料の遵守
重い装置を
扱う場合に
注意
感電の危険 警告!
高温面
PE端子 接地 接地端子 静電気に弱い
装置を扱う場合
に注意
ON/OFF
供給電圧
スタンバイ表示直流(DC) 交流(AC) 直/交流(DC/AC) 二重絶縁/絶縁強化に
よって完全に保護されて
いる装置
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基本的な安全指示
タグと表示内容
以下の警告表示は、リスクや危険を警告するために製品資料で使用されています。
回避しなければ、死亡または重傷を負う可能性がある危険な状態を示してい
ます。
回避しなければ、死亡または重傷を負う可能性もある危険な状態を示してい
ます。
回避しなければ、軽度または中程度の負傷を負う可能性もある危険な状態を
示しています。
不適切な操作を行うと製品を損傷する可能性があることを示しています。
製品資料では、ATTENTION が同じ意味として使用されています。
これらのタグは、欧州経済圏の一般市場で使用されている標準的な定義に従って表示されています。他
の経済圏または軍事的に利用する場合は、標準の定義とは異なることもあります。したがって、ここで
説明されているタグは、常に、対応する製品資料および対応する製品に関連してのみ使用されているこ
とを確認してください。対応していない製品や対応していない資料に当てはめてタグを使用すると、誤っ
て解釈し、その結果、身体の安全を損なったり、製品に損傷を与えたりすることがあります。
操作状態と操作位置
製品は、製造者によって指定された操作条件下で、指定の位置でのみ使用することができます。使用中
は、換気が妨げられないようにしなければなりません。製造者の仕様を遵守しないと、感電、火災、ま
たは重傷や死亡を招く可能性があります。該当する地域または国内における安全指示および事故防止の
規制をすべての実施作業において遵守する必要があります。
別段の指定がないかぎり、ROHDE & SCHWARZ 社の製品には、次の必要条件が適用されます。
所定の動作位置では、必ず、ケースの底が下方に向いていること、IP 保護 2X 、公害重大度 2 、過
電圧カテゴリ 2 、密閉された場所でのみ使用すること、最大動作高度は海抜 2000 m 、最大運搬光
度は海抜 4500 m 。公称電圧に対しては ±10 % 、公称周波数に対しては ±5 % の許容範囲が適用さ
れるものとします。
重量や安定性の理由から製品の設置に適していない面、乗物、キャビネット、またはテーブルに製品を
置かないでください。製品を設置し、物体や構造物(壁、棚など)に固定するときには、必ず、製
造者の設置指示に従ってください。製品資料で説明されているとおりに設置しないと、身体への障
害または死亡の可能性があります。
ラジエータやファンヒータなど、熱を発生する装置の上に製品を置かないでください。周囲温度が製品
資料またはデータシートで指定されている最高温度を超えることはできません。製品がオーバーヒー
トすると、感電、火災、または重傷や死亡を招く可能性があります。
1171.0000.4J-05.00 Page 2
基本的な安全指示
電気保安
電気保安情報の必要な範囲内すべてを遵守しないと、感電、火災、または身体への重度の傷害や死亡を
招く可能性があります。
1. 製品の電源を入れる前に、製品の公称電圧の設定と、AC 電源ネットワークの公称電圧とが一致し
ているか確認しなければなりません。別の電圧を設定しなければならない場合には、それに対応し
て、製品の電源ヒューズを交換する必要が生じることもあります。
取り外しのできる電源コードとコネクタのついた安全クラス I の製品の場合には、接地端子と PE 接
地のあるソケットでのみ、操作することができます。
給電ラインや製品本体の接地は、絶対に切断しないでください。接地を切断した場合、製品に感電する
危険があります。延長コードやコネクタのストリップを使用している場合には、安全に使用できる
かどうか、定期的に点検しなければなりません。
製品に、AC 電源から切断するための電源スイッチがない場合には、接続ケーブルのプラグが切断装置
とみなされます。この場合には、電源プラグが簡単に手の届く位置にあり、いつでも操作できるよ
うにしなければなりません。(接続ケーブルの長さは約 2 m です。)AC 電源ネットワークから切
断する場合、機能的スイッチや電子式スイッチは適切ではありません。電源スイッチのついていな
い製品をラックに取りつけたり、システムに組み込んだりする場合には、システムレベルで切断装
置を準備しなければなりません。
電源ケーブルが破損している場合には、絶対に製品を使用しないでください。正しい操作条件下にある
かどうか電源ケーブルを定期的に点検してください。適切な安全対策を講じ、慎重に電源ケーブル
を設置することによって、ケーブルが破損しないよう、また、ケーブルにつまずいたり、感電した
りしてけがをすることがないようにしてください。
製品は、最大 16 A のヒューズが取りつけられた TN/TT 電源ネットワークからのみ、操作することが
できます(高いヒューズは ROHDE & SCHWARZ 社に相談後のみ)。
プラグをほこりがついていたり、汚れたりしているソケットに差し込まないでください。プラグは、ソ
ケットの奥までしっかりと差し込んでください。プラグが十分に差し込まれていないと、火花が出
たり、火災の原因になったり、けがをしたりすることがあります。
ソケット、延長コード、またはコネクタのストリップをオーバロード状態にしないでください。火災や
感電の原因になる可能性があります。
Vrms > 30 V の電圧の回路を測定する場合には、あらゆる危険を避けるために、適切な手段(適切な計
測器、ヒューズ、電流制限器、電気分離、絶縁など)を講じる必要があります。
PC または他の産業用コンピュータなどの IT 機器との接続が、どの場合においても、標準規格 IEC
60950-1/EN 60950-1 または IE C61010-1/EN 61010-1 に準拠していることを確認してください。
製品を操作しているときには、絶対に、カバーをはずしたり、ケースの一部をはずしたりしないでくだ
さい。回路や構成部品が露出し、けがをしたり、火災の原因になったり、製品が損傷したりするこ
とがあります。
固定位置に製品を設置する場合には、最初に設置場所の PE 端子と製品の PE コンダクタを接続し、
そのあとで他の接続を行わなければなりません。製品は、熟練の電気技師によってのみ、設置し、
接続することができます。
ヒューズ、サーキット・ブレーカ(回路遮断器)、または同様の保護装置が組み込まれていない機器を
固定して設置する場合には、使用者や製品をけがや損傷から適切に保護できるような方法で、電源
回路を保護しなければなりません。
1171.0000.4J-05.00 Page 3
基本的な安全指示
適切な過電圧保護機能を使用し、雷雨によって生じるような過電圧が、製品に達しないようにしてくだ
さい。高圧保護機能がないと、操作要員に感電の危険が及ぶ可能性があります。
設計が意図していないかぎり、どのような物もであっても、ケースの開口部に差し込まないでください。
製品内部が短絡状態になり、感電したり、火災の原因になったり、けがをしたりすることがありま
す。
別段の記載がないかぎり、製品は防水ではありません。(「操作状態と操作位置」セクションの項目 0
も参照してください。したがって、機器を水滴の浸入から保護する必要があります。)必要な予防
策を取らないと、感電する危険が生じたり、製品に損傷を与えたり、その結果、身体への損傷を招
く可能性があります。
低温の環境から暖かい環境へと製品を移動した場合など、製品の内外に結露が生じている状態、あるい
は生じる可能性があるような条件下では、絶対に製品を使用しないでください。水の浸入は感電の
危険性が増します。
電源(AC 供給ネットワークまたはバッテリなど)と製品の接続を完全に外してから、製品を掃除して
ください。柔らかく、糸くずの出ない布を使用して製品を掃除してください。アルコール、アセト
ン、またはセルロースラッカー用の希釈剤などの化学洗剤を使用しなでください。
操作
1. 製品を操作するためには、専門的な訓練と高度な集中力が必要です。製品を使用する要員が、肉体
的、精神的、および情緒的見地から、製品の操作に適切かどうか確認してください。不適切な場合
には、けがまたは製品への損傷の可能性があります。製品の操作に適した要員を選択することは、
雇用者/ 運営担当者の責務です。
「輸送」セクションを確認して遵守しながら、製品の移動および輸送を行います。
すべての工業製品同様、通常、ニッケルなど、アレルギー症状を引き起こす物質(アレルゲン)の使用
を避けることはできません。ROHDE & SCHWARZ 社の製品を使用して皮膚に発疹ができたり、く
しゃみが頻発したり、目が充血したり、または呼吸困難な状態など、アレルギー症状が現れた場合
には、すみやかに医者に相談し、原因を確認して、健康上の問題またはストレスを予防してくださ
い。
製品の機械的処理、熱処理、または解体前に、「値の入力 − パラメータの設定」セクションの項目1
を必ず確認して注意を払ってください。
RF 無線設備など、特定の製品の機能によっては、高レベルな電磁放射が生じる可能性があります。胎
児に対しては保護を強化する必要があるため、妊婦は適切な方法で保護する必要があります。また、
電磁放射は、ペースメーカを使用している人に対しても危険を及ぼす可能性があります。雇用者/
運用担当者は、電磁放射を被ばくする危険性の高い仕事場を調査し、必要に応じて、潜在的な危険
を回避するための方策を講じる必要があります。
火災が発生した場合には、健康に害を与える恐れのある有毒物質(気体、液体など)が製品から流出す
る可能性があります。したがって、防護マスクや防護服の装着など、適切な対策を講じる必要があ
ります。
ROHDE & SCHWARZ 社の製品にレーザ製品(CD/DVD ドライブなど)が組み込まれている場合には、
製品資料で説明されている設定や機能以外は使用しないでください。これは身体への損傷(レーザ
光線などによる)を防ぐためです。
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基本的な安全指示
修理とサービス
1. 製品は、専門的訓練を受けた資格のある要員以外が開くことはできません。製品に対して作業をす
る場合、あるいは製品を開く場合には、事前に、製品を AC 供給ネットワークから切断しておかな
ければなりません。切断しておかないと、要員に感電の危険が及ぶ可能性があります。
ROHDE & SCHWARZ 社から許可された電気技師以外が、調整、部品の交換、保守、および修理を行う
ことはできません。安全性に関わる部品(電源スイッチ、電源トランス、ヒューズなど)を交換す
る場合には、オリジナルの部品以外を使用することはできません。安全性に関わる部品を交換した
場合には、必ず、安全テスト(外観検査、PE コンダクタ・テスト、絶縁抵抗測定、漏えい電流測
定、機能テスト)を行わなければなりません。これにより製品の安全を引き続き確保します。
バッテリと蓄電池
バッテリと蓄電池に関する情報の必要な範囲内すべてを遵守しないと、破裂や火災の発生、または重傷
や死亡の可能性があります。アルカリ性のバッテリおよび蓄電池(リチウム電池など)は、標準規格EN
62133に従って処理する必要があります。
1. 電池を分解したり、または破壊したりしないでください。
2. 電池またはバッテリを熱や火に近づけないでください。日光が直接当たる場所への保管を避けてく
ださい。電池およびバッテリを清潔で乾いた状態で保管してください。乾いた清潔な布でコネクタ
の汚れを取り除いてください。
3. 電池またはバッテリを短絡させないでください。互いに短絡を起こしたり、他の伝導体により短絡
が引き起こされるため、電池またはバッテリを箱や引き出しに保管しないでください。電池および
バッテリを使用する時まで元の梱包から取り出さないでください。
4. 電池およびバッテリを子供の手の届かない所に保管してください。電池またはバッテリを飲み込ん
だ場合には、すみやかに医者に相談してください。
5. 許容範囲外の強い機械的衝撃を電池およびバッテリに与えてはいけません。
6. 電池から液体が漏れている場合、その液体が皮膚または目に直接触れないようにしてください。触
れてしまった場合には、十分な水でその部分を洗い、医者に相談してください。
7. アルカリ性の蓄電池またはバッテリ(リチウム電池など)は正しく交換しないと、破裂する可能性
があります。製品の安全性を確保するために、ROHDE & SCHWARZ 社のタイプに一致する電池ま
たはバッテリ(部品リストを参照してください)とのみ交換してください。
電池およびバッテリをリサイクルして、残留廃棄物とは区別してください。鉛、水銀、およびカドミウ
ムを含む蓄電池および通常のバッテリは有害廃棄物です。廃棄物処理およびリサイクルに関する国
内の規則を遵守してください。
輸送
1. 製品は非常に重いため、慎重に扱う必要があります。一部では、背中や体のその他の部分の損傷を
避けるため、製品の持ち上げまたは移動には適切な方法(リフトトラックなど)が必要になります。
1171.0000.4J-05.00 Page 5
基本的な安全指示
2. 製品の取っ手は、操作要員が製品を運ぶ目的でのみ設計されています。したがって、クレーン、フォー
クリフト、自動車などの輸送手段に製品を固定するために取っ手を使用することはできません。輸
送または持ち上げる際に製品をしっかりと固定する場合、使用者が責任を負います。輸送または持
ち上げの際は、製造者の安全規則を遵守してください。規則に従わない場合には、身体または製品
への損傷を招く可能性があります。
車中で製品を使用する場合には、車の安全な運転については、運転者が全責任を負うものとします。事
故や衝突については、製造者は一切の責任を負わないものとします。車の運転者の注意力が散漫に
なる可能性があるため、移動中の車の中では絶対に製品を使用しないでください。事故の際に身体
またはその他への損傷を避けるために、製品を車中で適切に固定してください。
廃棄物処理
1. 製品または構成部品に対して本来の使用目的を超えて機械的処理または熱処理を行うと、有害な物
質(鉛、ベリリウム、ニッケルなどの重金属粉)が放出されることがあります。このため、専門的
訓練を受けた要員以外が製品を解体することはできません。適切に解体しないと、健康に害を与え
ることがあります。各国の廃棄物処理規則を遵守しなければなりません。
2. 特殊な方法で廃棄しなければならない有害物質や燃料、たとえば定期的な補給を必要とする冷却液
やエンジンオイルなどを生じる製品を取り扱う場合には、有害物質や燃料の製造者からの安全指示、
および、各地で適用されている廃棄物処理規則を遵守しなければなりません。また、製品資料に示
されている安全規則も遵守してください。有害物質または燃料を適切に処理しないと、健康被害お
よび環境問題を引き起こす可能性があります。
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R&S®RTM
目次
目次
1 はじめに.......................................................5
1.1 主な機能....................................................................5
1.2 ドキュメントの概要..........................................................5
1.3 本書の表記について..........................................................6
1.3.1 文字体裁....................................................................6
2 使用の準備.....................................................7
2.1 パッケージ内容の確認........................................................7
2.2 本機の設置..................................................................7
2.2.1 ベンチトップで使用する場合..................................................8
2.2.2 ラックに取り付ける場合......................................................8
2.3 本機の起動..................................................................9
2.3.1 電源の投入..................................................................9
2.3.2 電源のオン/オフ............................................................9
2.3.3 電源の切断.................................................................10
2.3.4 EMI の抑制.................................................................10
2.4 外部デバイスの接続.........................................................11
3 本機の詳細....................................................12
3.1 フロント・パネル...........................................................12
3.1.1 SETUP コントロール.........................................................13
3.1.2 MEASURE キー...............................................................14
3.1.3 NAVIGATION コントロール....................................................14
3.1.4 ANALYZE キー...............................................................15
3.1.5 TRIGGER コントロール.......................................................16
3.1.6 HORIZONTAL コントロール....................................................17
3.1.7 VERTICAL コントロール......................................................18
3.1.8 SEARCH キー................................................................20
3.1.9 入力チャネル...............................................................21
3.1.10 フロント・コネクタ.........................................................22
3.2 リア・パネル...............................................................22
4 本機の試験使用................................................25
3 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
目次
4.1 基本信号の表示.............................................................25
4.2 マーカを使用したディスプレイのズーム表示...................................26
4.3 基本的な測定結果の表示.....................................................27
4.4 カーソル測定の実行.........................................................29
4.5 演算機能の使用.............................................................31
4.6 測定結果の印刷.............................................................34
4.7 データの保存...............................................................35
5 本機の操作....................................................36
5.1 ディスプレイに関する情報...................................................36
5.2 波形の操作.................................................................38
5.3 機能へのアクセス...........................................................38
5.4 データの入力...............................................................40
5.5 ヘルプの利用...............................................................42
6 本機の設定....................................................43
6.1 基本的な設定...............................................................43
6.2 セルフ・アライメントの実行.................................................43
6.3 パッシブ・プローブの校正...................................................44
7 保守..........................................................46
7.1 クリーニング...............................................................46
7.2 保管と梱包.................................................................46
7.3 ヒューズの交換.............................................................47
7.4 データのセキュリティ.......................................................47
索引..........................................................48
4 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
はじめに
主な機能
1 はじめに
1.1 主な機能
R&S RTM は、優れた測定性能と実用的な機能を備えたオシロスコープです。
●
低ノイズのフロントエンド
●
クロストークを防止する優れたチャネル・アイソレーション
●
1mV/div の分解能でも最大の帯域幅で測定
以下の機能や設定を使用して、R&S RTM を簡単かつ効率よく操作できます。
●
高解像度の 8.4 インチ・カラー・ディスプレイ
色によるチャネル識別
●
スマートなメニュー構造
●
十分な回数の Undo/Redo 機能
●
ワンボタンで、スクリーン・ショットを取得
●
高速起動システム
●
コンパクトなデザイン
R&S RTM は、一般的な測定機能に加えて、信号のデバッグや解析を行う際に必要な測定
結果を迅速に得ることができる独自の機能を備えています。
●
高速測定: ワンボタンで主要な測定結果を取得できます。
●
高機能なカーソル測定: 拡張機能により、すばやく簡単にカーソルを配置すること
ができます。
●
捕捉モード: デシメーション・モード(サンプル、ピーク、高分解能)と波形表示
(エンベロープ、平均、スムージング)を任意に組み合わせることができます。
●
スムージング: 非周期性信号を平滑化します。
詳しい仕様についてはデータ・シートを参照してください。
1.2 ドキュメントの概要
R&S RTM のユーザ・ドキュメントは以下のように構成されています。
●
本機のオンライン・ヘルプ・システム
●
クイック・ガイド(印刷物)
●
以下を収録したドキュメント CD-ROM
–
クイック・ガイド
–
User Manual
–
データ・シートおよび製品カタログ
–
R&S サイト内の有益なページへのリンク集
5 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
はじめに
本書の表記について
オンライン・ヘルプ
オンライン・ヘルプは本機のファームウェアに組み込まれています。オンライン・ヘル
プでは、ソフトキーおよびフロント・パネルの制御について、状況に応じた説明がすみ
やかに表示されます。
クイック・ガイド
このマニュアルは印刷物として本機に付属しており、ドキュメント CD-ROM に PDF 形
式で収録されています。このマニュアルには、本機の設定と操作に必要な情報が記載さ
れています。このマニュアルでは、基本的な操作および一般的な測定例について説明し
ています。さらに、安全にご使用いただくための注意事項などの一般的な情報も含まれ
ています。
User Manual
User Manual は、本機に付属するドキュメント CD-ROM に、印刷可能な PDF 形式で収
録されています。このマニュアルでは、本機の全機能について詳しく説明しています。
さらに、リモート制御の概要と、リモート制御コマンドの詳細な説明がプログラミング
例を添えて示されています。保守、装置のインタフェース、エラー・メッセージに関す
る情報も含まれています。
1.3 本書の表記について
この章では、本書で使用される表記について説明します。
1.3.1 文字体裁
本書では、次のテキスト書式を使用しています。
表記 説明
"Graphical user interface elements" ダイアログ・ボックスや、メニュー、オプション、
KEYS キー名は大文字で表記します。
File names, commands, program code
Input
Links
ボタン、ソフトキーなどのグラフィカル・ユーザ・
インタフェースの名前はクォーテーション・マーク
で囲みます。
ファイル名、コマンド名、プログラムコード、スク
リーン表示文字などは、 このフォントで表記しま
す。
ユーザが入力する内容は、イタリック体で表記しま
す。
クリックできるハイパーリンクは、青いフォントで
表記します。
"References" 参照は、クォーテーション・マークで囲みます。
6 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
使用の準備
パッケージ内容の確認
2 使用の準備
このセクションでは、R&S RTM を初めて使用する際の基本的な手順について説明しま
す。
本機への損傷の危険
一般的な安全注意事項には、本機の損傷を防止するための操作条件についても記載して
います。本機のデータ・シートに、その他の操作条件が記載されている場合がありま
す。
2.1 パッケージ内容の確認
次の手順に従って本機を梱包から取り出し、不足しているものがないか確認してくださ
い。
1. 本機のリアのスタンド部からポリエチレン製の梱包保護材を外し、フロントのハン
ドルから梱包保護材をていねいに外します。
2. 本機リア部分を保護している段ボール・カバーを外します。
3. 本機フロントのハンドルを保護している段ボール・カバーを注意して外します。
4. 納品書や付属品リストと照合して不足しているものがないか確認してください。
5. 本機に損傷がないか点検します。損傷が見つかった場合は、直ちに弊社へ連絡くだ
さい。梱包箱と包装材は廃棄しないでください。
包装材
元の包装材は保管しておいてください。本機を輸送したり、出荷する場合に、元の包装
材を使用してコントロール機能やコネクタが損傷しないようにすることができます。
2.2 本機の設置
本機は、ベンチトップに設置するかまたはラックに収容して、ラボ環境での使用を目的
として設計されています。
7 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
使用の準備
本機の設置
けがの危険性
本機は奥行きが小さいため、本機の上に機器を積み重ねて使用するようには設計されて
いません。使用者のけがや機器の破損を避けるため、本機をラックに設置することをお
勧めします。
2.2.1 ベンチトップで使用する場合
本機をベンチトップで操作する場合には、平らな面に設置してください。本機は底部の
支持脚を延長して、水平な姿勢で使用します。
傷害の危険
スタンドを引き出したまま本機を移動すると、スタンドが折り畳まれてしまうことがあ
ります。本機を安定させるため、また作業者の安全を確保するためにも、スタンドは完
全に引き出すか、完全に折り畳んでください。けが防止のため、スタンドを引き出した
まま本機を移動しないでください。
けがや損傷の原因になりますので、スタンドを引き出して本機を使用しているときは、
本機の下で作業したり本機の下に物を置いたりしないでください。
スタンドに過大な重量がかかると、スタンドが破損する場合があります。伸ばした状態
で脚部にかかる総重量が、200 N を超えないようにしてください。
2.2.2 ラックに取り付ける場合
本機は、ラック・アダプタ・キットを使用してラックに取り付けることができます(キ
ットのオーダー番号についてはデータシートを参照)。アダプタ・キットに取り付け説
明書が添付されています。
本機への損傷の危険
ラックに取り付ける場合は、ファンの開口部が塞がれてなく、通風孔も遮られていない
ことを確認してください。本機の過熱を防止するためにも注意してください。
8 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
使用の準備
本機の起動
2.3 本機の起動
本機への損傷の危険
本機の電源を入れる前に、次の条件が満たされていることを確認してください。
●
本機の筐体が閉じていて、すべてのねじが固く締めてあること。
●
ファンの開口部が塞がれてなく、通風孔も遮られていないこと。壁面までの距離
は 10cm 以上取ってください。
●
本機に湿気がなく、結露がないこと。
●
本機は平面上に水平にして使用されること。
●
周囲温度はデータ・シートに指定されている範囲を外れていないこと。
●
入力コネクタから入力される信号レベルがすべて指定範囲内にあること。
●
信号出力が適切に接続され、オーバロード状態になっていないこと。
以上の条件が守られていないと、本機あるいは試験システムの他の装置にも損傷を与え
る可能性があります。
2.3.1 電源の投入
R&S RTM は AC 電源に接続するコネクタが実装されています。本機は何通りかの AC 電
源電圧に自動的に対応して動作します。この電圧と周波数の要件についてはデータシー
トを参照ください。
感電の危険
本機の筐体は開けないでください。本機の通常操作時には、筐体を開ける必要はありま
せん。このマニュアルの冒頭に示した安全注意事項および規則を参照してください。
AC 電源コネクタと主電源スイッチは、本機のリア・パネルに配置されています。
1. 本機に付属の AC 電源ケーブルを使用して、本機を AC 電源に接続します。
2. リア・パネルの AC 電源スイッチの "I" 側を押します。
AC 電源を常時オンにしておくと、直前の設定を保持することができます。本機を電源
から完全に切断する必要がある場合のみ、主電源スイッチを切る必要があります。
2.3.2 電源のオン/オフ
POWER スイッチは、フロント・パネルの左下にあります。
9 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
使用の準備
本機の起動
電源のオン
1. R&S RTM が AC 電源に接続され、リア・パネルの主電源スイッチが I の位置にあ
ることを確認します。
2. フロント・パネルの POWER キーを押します。
はじめにシステム・チェックが実行され、その後 R&S RTM ファームウェアが起動
します。フロント・パネルの内照キーが点灯します。本機は、前回の設定状態を保
持して起動します。
電源のオフ
►
POWER キーを押します。
現在の設定がすべて保存され、ソフトウェアが終了します。
2.3.3 電源の切断
本機を電源から完全に切断する必要がある場合のみ、主電源スイッチを切る必要があり
ます。
1. フロント・パネルの POWER キーを押し、電源をオフにします。
2. リア・パネルの AC 電源スイッチの "0" 側を押します。
3. AC 電源から AC 電源ケーブルを取り外します。
データ損失の危険
本機の動作中にリア・パネルの電源スイッチを押したり電源コードを取り外して電源か
ら切断すると、本機から現在の設定が失われます。さらに、プログラム・データも失わ
れる可能性があります。
必ず POWER キーを使用して、アプリケーションを正しく終了してください。
2.3.4 EMI の抑制
電磁妨害(EMI; Electromagnetic Interference)の影響を抑制するために、筐体のカ
バーをすべて装着した状態で操作してください。EMI 適合クラスは、本機のデータ・シ
ートを確認してください。
操作時に電磁妨害の影響を抑制するには、適切にシールドされたケーブルを使用しま
す。以下のコネクタ・タイプは特に注意が必要です。
●
信号ケーブル: シールド・ケーブル(同軸ケーブル、RG58/U)を使用します。グラ
ンドを正しく接続する必要があります。シグナル・ジェネレータと接続する場合
は、必ず二重シールドのケーブル(RG223/U、RG214/U)を使用し、ケーブルの長さ
はできる限り短くしてください。
10 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
使用の準備
外部デバイスの接続
●
USB: 二重シールドされた USB ケーブルを使用し、接続する USB デバイスが EMC
規格に適合していることを確認してください。
●
GPIB(IEEE/IEC 625): 二重シールドされた GPIB ケーブルを使用してください。
●
LAN: CAT6 または CAT7 ケーブルを使用してください。
各コネクタ・タイプのコネクタ、ケーブル、ケーブル長に関する要件も順守してくださ
い。マニュアルで特に指定されていない場合、ケーブル長は 3m 未満とし、屋外ではケ
ーブルを使用しないでください。
2.4 外部デバイスの接続
外部デバイス用に以下のインタフェースが用意されています。
●
USB コネクタ。 3.1.10,「フロント・コネクタ」 (22 ページ) も参照してくださ
い。
●
モニタ・コネクタ。 3.2,「リア・パネル」 (22 ページ) も参照してください。
USB デバイスの接続
フロント・パネルおよびリア・パネルの USB インタフェースを使用して USB メモリ
を R&S RTM に接続すると、ファームウェアのアップデートなどコンピュータとのデー
タのやり取りや、測定結果を印刷のためにプリンタへのデータ転送を簡単に行うことが
できます。
すべての USB デバイスは、本機が動作中でも接続したり外したりすることができます。
USB メモリやプリンタが接続されると、本機は速やかに検出します。
外部モニタの接続
外部モニタは、本機のリア・パネルにある DVI-D コネクタに接続します。適切なアダ
プタを使用して、VGA モニタを接続することもできます。
モニタの接続
モニタを接続する前に、本機のスイッチがオフになっていることを確認してください。
本機のスイッチがオンのまま接続すると、正常に動作しません。
11 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の詳細
フロント・パネル
3 本機の詳細
この章では、本機のフロント・パネルとリア・パネルの概要を説明します。
3.1 フロント・パネル
R&S RTM のフロント・パネルを 図 3-1 に示します。ファンクション・キーは、ディス
プレイの左右にある機能ブロックにまとめて配置されています。
図 3-1: 4 つの入力チャネルを搭載した RTM 1054 のフロント・パネル
1 = ディスプレイ
2 = SETUP コントロール
3 = MEASURE キー
4 = NAVIGATION コントロール
5 = ANALYZE キー
6 = TRIGGER コントロール
7 = HORIZONTAL コントロール
8 = VERTICAL コントロール
9 = SEARCH キー
10 = POWER キー
11 = ソフトキー
12 = 入力チャネル
13 = USB コネクタおよびプローブ補正用コネクタ
ディスプレイとその情報については 5.1,「ディスプレイに関する情
報」 (36 ページ) で説明します。キー、ロータリ・ノブ、およびコネクタについて
は後の章で説明します。
12 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
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本機の詳細
フロント・パネル
3.1.1 SETUP コントロール
ディスプレイ左側の SETUP キーとノブで、既定の状態の設定、基本設定の変更、印刷
機能、ヘルプ機能を実行します。
AUTOSET
本機をデフォルト状態へリセットし、アクティブなチャネル信号の解析を行います。ま
た、適切な横軸設定、縦軸設定、およびトリガ設定を取得し、安定した波形を表示しま
す。
PRESET
本機をデフォルト状態にリセットします。信号の解析は行いません。
FILE
"File" メニューを開きます。このメニューでは以下の操作が可能です。
●
本機の設定、波形、基準波形、演算波形(数式)を保存する。
●
事前に保存された設定値をリコールする。
●
ファイルの閲覧、コピー、削除、フォルダの作成などのデータ管理を行う。
●
スクリーン・ショットの出力を設定する。
●
PRINT キーの動作を設定する。
SETUP
"Setup" メニューを開きます。このメニューでは以下の操作が可能です。
●
言語、日時、フィードバック音を設定する。
●
プリンタを設定する。
●
USB、LAN、GPIB インタフェースを設定する。
●
セルフ・アライメントとプローブの校正を実行する。
●
ファームウェアのアップデートをインストールする。
●
サービス作業時、ハードウェアに関する情報を入手する。
PRINT
FILE > "Print-Key" の設定に従って、スクリーン・ショット、波形設定の印刷や保存
を行います。
HELP
オンライン・ヘルプを開きます。キーを押すまたはノブを回すと、該当するヘルプ・ト
ピックが表示されます。オンライン・ヘルプを閉じるには、もう一度 HELP キーを押し
ます。
DISPLAY
"Display" メニューを開きます。このメニューでは、波形やグリッド、残光モード、
X-Y モードの表示設定を行ないます。
INTENSITY
波形の輝度およびスクリーンのバックライトの輝度を調整します。ノブを押すと設定が
切り替わります。スクリーン右上のデータ入力ボックスに、対象のパラメータとその値
が表示されます。
13 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
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本機の詳細
フロント・パネル
3.1.2 MEASURE キー
MEASURE 機能ブロックのキーを使用して、自動測定機能や各種の測定を行います。
QUICK MEAS
アクティブなチャネルについて、主要な測定値を行い結果を表示します。測定結果は波
形表示にも追記されます。電圧測定の場合は、最大電圧(Vp+)、最小電圧(Vp-)、最大
電圧振幅(Vpp)、電圧実効値(V RMS)、平均値、立ち上がり時間(tr)、立ち下り時間
(tf)、周期(T)、周波数(f)が表示されます。
もう一度キーを押すと、結果が非表示になります。
メモ: クイック測定をアクティブにすると、カーソル測定の基準メニューと演算メニ
ューは自動的に非アクティブになります。これらの機能メニューを選択する場合は、あ
らかじめクイック測定を非アクティブにしてください。クイック測定モードでは、選択
されていないチャネルはオフに切り替わります。
MEAS
"Measurement" メニューを開きます。このメニューでは最大 4 つの測定設定(振幅や
時間測定、パルス数のカウントなど)を行なうことができます。
CURSOR
"Cursor" メニューを開きます。このメニューでは、カーソルを用いたマニュアル測定
を行うことができます。
3.1.3 NAVIGATION コントロール
ロータリ・ノブおよびナビゲーション・キーで、ダイアログ・ボックス内での移動と数
値データの入力を行うことができます。
14 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
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本機の詳細
フロント・パネル
NAVIGATION
ナビゲーション・ノブにはさまざまな機能があります。
●
数値入力または選択メニューがあるソフトキーを選択している場合は、ノブを回し
て値を設定します。
●
ノブを押すと選択メニューがクローズします。
●
カーソルがオンのときにキーを押すと、カーソル線が選択されます。ノブを回す
と、選択されたカーソル線の位置を変更します。
●
入力エディタ(オンスクリーン・キーパッドまたはオンスクリーン・キーボード)
が開いている場合は、ノブを回して入力する文字をハイライトし、ノブを押して文
字を適用します。
UNDO
設定を直前に行ったものから 1 つずつ元に戻します。プリセット、ロード、リコール
処理の後、および基準波形の作成後は "Undo" は機能しません。
REDO
UNDO 操作を逆順で取り消します。
3.1.4 ANALYZE キー
ANALYZE 機能ブロックのキーを使用して、信号解析メニューにアクセスできます。
PROTOCOL
"Protocol" メニューを開きます。このメニューでは、シリアル・インタフェースやバ
ス・システムの選択と設定をすることができます。
15 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
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本機の詳細
フロント・パネル
MASKS
"Masks" メニューを開き、選択した波形にマスク・テストを実行します。マスクを使用
して、エラーの検出やデジタル信号の適合性テストを行います。
以下の操作が可能です。
●
マスク・テストの実行
●
チャネル信号を元に新しいマスクを設定
●
マスク違反によってトリガされた場合の処理を設定
FFT
FFT キーは、選択したチャネルについて高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier
Transformation)の設定とアクティブ/非アクティブの切り替えをします。
FFT がアクティブの場合は、FFT キーが点灯します。ウィンドウが 2 つに分割表示さ
れ、上ウィンドウには信号対時間、下ウィンドウには FFT 解析の結果が表示されます。
FFT を非アクティブにすると、FFT 実行前のディスプレイが復元されます。
他のチャネルの FFT を表示するには、対応するチャネル・キーを押します。
3.1.5 TRIGGER コントロール
TRIGGER 機能ブロックのキーとロータリ・ノブで、トリガと波形捕捉のスタート/スト
ップや調整を行ないます。
RUN CONT
連続的な波形捕捉をスタート/ストップします。緑色のライトは捕捉が実行中であるこ
とを示しています。赤色のライトは捕捉が停止中であることを示しています。
情報バーの右端にも、捕捉のステータスが "Run" または "Complete" として表示され
ます。
RUN Nx SINGLE
指定された回数の波形捕捉を開始します。もう一度キーを押すと、実行中の捕捉が停止
します。
捕捉回数を設定するには、ACQUISITION キーを押し、"Nx Single" と入力します。
FORCE
標準モードで波形捕捉の実行中に有効なトリガが発生しなかった場合、強制的にトリガ
を行い波形の捕捉をします。これにより、入力信号の存在と信号のトリガ方法を認識し
て波形を表示することができます。
16 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
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本機の詳細
フロント・パネル
MODE
自動トリガ・モードと標準トリガ・モードを切り替えます。トリガが発生しない場合
は、トリガ・モードによって本機の動作が決まります。現在の設定は情報バーに表示さ
れます。
LEVEL
このロータリ・ノブでトリガ・レベルを設定します。ノブを回してトリガしきい値を変
更します。
ノブを右に回すとトリガ・レベルが上昇します。ゼロ設定が容易にできるように、ゼロ
交点の近傍ではトリガ・レベルの分解能が向上します。ノブを押すと、トリガ・レベル
は信号振幅の 50% に設定されます。
B トリガが有効な場合は、このノブを使用して A トリガと B トリガのそれぞれのレベ
ルを設定します。A トリガ/ B トリガの切り替えには、"Trigger" メニューの "Trigger
Level" を使用します。
SETUP
"Trigger" メニューを開きます。
SOURCE
"Trigger Source" メニューを開きます。キーを繰り返し押して、希望のソースを選択
してください。このキーは、選択したトリガ・チャネルと同じ色で点灯します。選択し
たソースは情報バーに表示されます。
SLOPE
アナログ・トリガ・ソースのトリガ・タイプとして "Edge" を選択した場合に、SLOPE
キーでトリガ・スロープを切り替えます。現在の設定は、情報バーにアイコンで表示さ
れます。
B トリガが有効な場合は、このキーを使用して A トリガと B トリガのそれぞれのスロ
ープを設定します。A トリガ/ B トリガの切り替えには、"Trigger" メニューの
"Trigger Level" を使用します。
3.1.6 HORIZONTAL コントロール
ロータリ・ノブで、波形の横軸パラメータを調整します。"Acquisition" の設定メニュ
ーもあります。
17 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
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本機の詳細
フロント・パネル
POSITION
標準の波形ウィンドウでは、このロータリ・ノブでトリガ・オフセットを変更します。
トリガ・オフセットとは、基準点(時間軸がゼロの位置)と水平の位置にあるトリガ・
ポイントを指します。これを使用して、ダイアグラムの外側にトリガ・ポイントを設定
して、トリガの前または後の時点における信号を解析することができます。
ノブを右に回すと位置が右に移動し、ノブを押すと値がリセットされます。ゼロ設定が
容易にできるように、ゼロ交点の近傍ではトリガ・レベルの分解能が向上します。
ズームまたは FFT のウィンドウが表示されている場合は、このノブを使用して各ウィ
ンドウに固有の横軸パラメータを変更することができます。パラメータを切り替えるに
は、SCALE ロータリ・ノブを押します。
SCALE
標準の波形ウィンドウでは、このロータリ・ノブを使用して全信号の横軸のタイム・ス
ケール(タイム・ベースとも呼ばれる)を調整します。ノブを右に回すと、スケール
値 time/div が減少し、波形が拡大表示されます。
ズームまたは FFT ウィンドウが表示されている場合は、ノブを押すとウィンドウのフ
ォーカスが切り替わります。ノブを回して選択した横軸パラメータのスケール値を調整
します。SCALE ノブを押すと、POSITION ノブで変更するパラメータも切り替わります。
ACQUISITION
"Acquisition" メニューを開きます。このメニューではデータ処理、すなわち取得し
た ADC サンプルから波形を形成する方法を設定します。現在の捕捉モードは、上部の
情報バーの右から 2 番目に値で示されます。
3.1.7 VERTICAL コントロール
VERTICAL 機能ブロックのキーとノブで信号を選択し、その波形の縦軸パラメータのス
ケールと位置を調整します。
18 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
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本機の詳細
フロント・パネル
CH N
各チャネルの起動、選択、設定を行います。チャネルを選択すると、"Channel" メニュ
ーを開きます。このメニューには、選択したチャネルの縦軸設定が表示されます。チャ
ネルがアクティブなときには、チャネルと同じ色でキーが点灯します。
キーを押したときの動作は、チャネルの状態により異なります。
●
チャネルがオフの場合、キーを押すとチャネルがオンになり、そのチャネルが選択
されます。隣にあるロータリ・ノブは、チャネルと同じ色で点灯します。
●
チャネルがオンの場合、キーを押すと縦軸設定に対応するチャネル波形が選択され
ます。
POSITION / OFFSET
このロータリ・ノブは、選択した波形の縦軸位置(DC オフセット)を変更します。こ
のノブは、選択した波形と同じ色で点灯します。ノブを押してパラメータを切り替えま
す。現在のパラメータとその値は、チャネルと同じ色でマークされた一時ラベルに表示
されます。
ゼロ設定が容易にできるように、ゼロ交点の近傍ではオフセットの分解能が向上しま
す。
メモ: デフォルトでは、オフセットは無効になっています。オフセットを有効にする
には、"Channel" メニューで "Offset" ソフトキーを押します。
SCALE
選択した波形の振幅を変更するために、1 目盛りあたりの電圧における縦軸スケールを
調整します。現在の値はグリッドの上にある波形ラベルに表示されます。このノブは選
択した波形と同じ色で点灯します。
SCALE を右に回すと波形が拡大されます。波形を拡大すると、スケール値 V/div は減
少します。ノブを押すと調整のステップ幅が切り替わります。
SIGNAL OFF
選択した信号をオフにし、次のチャネル/演算波形/基準波形を選択します。
19 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
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本機の詳細
フロント・パネル
このキーは選択した信号の色で点灯します。新たに選択された信号に応じて、ライトの
色が変更されます。
REF
本機で基準波形を設定および表示するための機能を提供します。
MATH
演算の作成と演算済みデータの表示機能を提供します。
3.1.8 SEARCH キー
SEARCH 機能ブロックには、ズーム、サーチ、マーカの機能があります。
ZOOM
ZOOM ディスプレイを設定して、信号を詳細に観察できます。
SEARCH MENU
"Search" メニューをオープンします。このメニューでは、ピークや特定の帯域幅条件
など、捕捉時の様々なイベントをサーチし、結果を解析することができます。
NEXT
ディスプレイまたはズーム・エリアの基準点を次(右)のマーカへ移動します。
注: 右側にある使用可能なマーカがスクリーンに表示されていない場合、ディスプレイ
の右端に小さな赤い矢印が表示されます。サーチが有効な場合、このキーで移動できる
のはサーチ結果マーカだけです。
PREV
ディスプレイまたはズーム・エリアの基準点を前(左)のマーカへ移動します。
注: 左側にある使用可能なマーカがスクリーンに表示されていない場合、ディスプレイ
の左端に小さな赤い矢印が表示されます。サーチが有効な場合、このキーで移動できる
のはサーチ結果マーカだけです。
20 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
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本機の詳細
フロント・パネル
SET
ディスプレイの基準点に既存のマーカが設定されていなければ、その場所に新しいマー
カを設定します。
検索結果のディスプレイで、"Event Table" で選択された検索結果にマーカが設定され
ます。
CLEAR
基準点にあるマーカを削除します。基準点を前後のマーカへ移動するには、NEXT およ
び PREV キーを使用します。
サーチ結果のディスプレイで、"Event Table" で選択されたサーチ結果からマーカが削
除されます。
3.1.9 入力チャネル
入力チャネルは、アクティブ・プローブおよびパッシブ・プローブ用のコネクタです。
入力インピーダンスの値は 50Ω または 1MΩ のいずれかを選択できます。
けがの危険性
入力電圧が 30 V RMS、42 V peak、または DC 60 V を超える場合は、適切な保護措置
を講じて測定装置に直接触れないようにしてください。
21 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
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本機の詳細
リア・パネル
けがおよび装置損傷の危険性
本機は測定カテゴリ I に対応しています。したがって、入力電圧が最大 200 V、入力
インピーダンス 1MΩ で 150V RMS、入力インピーダンス 50Ω で 5V RMS を超えない
ようにしてください。
過渡電圧は 200V を超えないようにしてください。
カテゴリ Ⅰ よりも高い過渡過電圧が発生する回路で測定を行う場合は、そのような過
電圧が の入力部に印加されないようにしてください。そのためには、DIN EN 61010-031
対応のプローブを使用してください。カテゴリ Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ の回路で測定を行う場合
は、必ず電圧を適切に低減するプローブを挿入し、カテゴリ Ⅰ よりも高い過電圧が本
機に印加されないようにしてください。詳しい説明については、プローブ・メーカーの
マニュアルと安全上の注意を参照してください。
説明:テスト・カテゴリ I は、主電源に直接接続されない回路で行われる測定に対す
るカテゴリです(IEC / UL / CSA / 61010-1 ‒ 6.7.4 を参照)。
3.1.10 フロント・コネクタ
フロント・パネルには、主要なコネクタが配置されています。
プローブ補正
オシロスコープのチャネルに合わせてパッシブ・プローブを調整するためのプローブ補
正端子。
周波数 1kHz または 1MHz のプローブ補正用方形波信号。信号は
SETUP > "Probe Adjust" で調整できます。
プローブ用グランド・コネクタ。
USB
USB タイプ A コネクタに、プリンタ、USB メモリなどのデバイスを接続し、本機の設
定や測定データのセーブ/リロードおよびファームウェアやヘルプのアップデートを行
なうことができます。また、同じタイプのコネクタがリア・パネルにも配置されていま
す。
3.2 リア・パネル
R&S RTM のリア・パネルとそのコネクタを図 3-2 に示します。
22 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の詳細
リア・パネル
図 3-2: R&S RTM のリア・パネル図
1 = AC 電源コネクタと主電源スイッチ
2 = LAN コネクタ
3 = USB コネクタ、タイプ B
4 = USB コネクタ、タイプ A
5 = 外部モニタ用 DVI-D コネクタ
6 = 外部トリガ入力
AC 電源: メイン・コネクタと主電源スイッチ
本機は何通りかの AC 電源に自動的に対応して動作します。
AC 主電源スイッチを使用して、本機を AC 電源から完全に切り離します。
LAN
本機を Local Area Network(LAN)に接続する際に使用する RJ-45 コネクタ。最大
100Mbit/s までサポートしています。
USB タイプ B
USB(Universal Serial Bus)タイプ B コネクタ(デバイス USB)。 本機のリモート制
御に使用します。
メモ: 電磁妨害(EMI)が測定結果に影響を与える可能性があります。この影響を防ぐ
ためには、USB 接続ケーブルは、1m 以内の長さのものを使用してください。
USB タイプ A
USB タイプ A コネクタに、プリンタ、USB メモリなどのデバイスを接続し、本機の設
定や測定データのセーブ/リロードを行なうことができます。また、同じタイプのコネ
クタがフロント・パネルにも配置されています。
DVI-D
外部モニタ用デジタル・コネクタ。
23 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の詳細
リア・パネル
外部トリガ入力
外部トリガ入力用 BNC コネクタは、測定を外部信号で制御する場合に使用します。入
力インピーダンスは 1MΩ です。トリガ・レベルは -5 ~ 5V まで設定可能です。最大
入力電圧は 150 V peak です。
GBIP インタフェース(オプション RTM-B10)
リモート制御用 GPIB インタフェース。本機は、リア・パネルの LAN、USB タイプ B
インタフェース、GPIB のいずれかを使用してリモート制御することができます。
24 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
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本機の試験使用
基本信号の表示
4 本機の試験使用
この章では、R&S RTM の主要な機能と設定について順を追って説明します。機能の詳し
い説明と使用方法は「User Manual」に記載されています。
前提条件
●
本機の使用準備が整い、メイン・システムに接続され、 2,「使用の準
備」 (7 ページ) の説明に従って起動されていること。
●
パッシブ・プローブが本機に接続されていること。また、プローブ補正ピンに接続
され、 6.3,「パッシブ・プローブの校正」 (44 ページ) の説明通りに補正され
ている。
この章で説明する設定および測定では内蔵のプローブ補正信号を使用するため、追加の
信号発生器や装置は必要ありません。以下の操作を実験を通して行ないます。
●
基本信号の表示.........................................................25
●
マーカを使用したディスプレイのズーム表示...............................26
●
基本的な測定結果の表示.................................................27
●
カーソル測定の実行.....................................................29
●
演算機能の使用.........................................................31
●
測定結果の印刷.........................................................34
●
データの保存...........................................................35
4.1 基本信号の表示
プローブを入力コネクタ CH 1 に接続すると、本機がプローブを認識し、チャネル 1
をオンにします("CH1" キーが点灯します)。
►
スクリーンの左側にある AUTOSET ボタンを押します。
自動設定機能により、適切な横軸スケール、縦軸スケール、トリガ条件を設定し、
波形を安定表示することができます。
方形波信号が表示されます。
25 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の試験使用
マーカを使用したディスプレイのズーム表示
4.2 マーカを使用したディスプレイのズーム表示
SCALE ロータリ・ノブを使用して、時間軸と信号振幅のスケールを変更し、波形を拡大
表示することができます。さらに詳細な表示が必要な場合は、ズーム機能を使用しま
す。マーカを併用すると、対象領域の指定と拡大を簡単に行うことができます。
1. SET キーを押して、基準位置(タイム・ベースの "0s")に新しいマーカを追加し
ます。
2. "Position" ロータリ・ノブを使用して、ディスプレイの拡大したい位置にマーカ
を移動します。
3. ZOOM キーを押します。
キーが点灯し、2 つのウィンドウが表示されます。上部には、信号対時間を表示
し、下部にはズーム・ウィンドウが表示されます。マーカ線は両方のウィンドウに
表示されます。マーカのある位置に、ズーム・エリアの中心が設定されます。マー
カ周辺の領域がズーム表示されます。
26 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の試験使用
基本的な測定結果の表示
4. ズーム・エリアを移動して波形の他の部分を拡大するには、POSITION ロータリ・
ノブを回します。ノブを左に回すとズーム・エリアが左へ移動し、右に回すと右へ
移動します。
►
スクリーンからマーカを削除します。
a) CLEAR を押します。
b) NEXT を押します。
c) CLEAR を押します。
4.3 基本的な測定結果の表示
QUICK MEAS を押すだけで、アクティブなチャネルの基本的な測定結果をすべて表示す
ることができます。結果は波形のすぐ横、または結果テーブルとしてダイアグラムの下
に表示されます。測定結果には、平均値、ピーク値、エッジ時間、周期が含まれます。
►
QUICK MEAS キーを押します。
27 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
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本機の試験使用
基本的な測定結果の表示
自動測定
さらに複雑な測定結果を得たり、複数のチャネルから同時に結果を得たりするために、
最大 4 つの測定設定(振幅や時間測定、パルス数のカウントなど)を行なうことがで
きます。
例えば、アクティブな信号波形の振幅と基準波形の振幅を比較することができます。以
下の例では、信号の最初のパルスの最大レベルと基本レベルを測定します。結果はダイ
アグラムの下の結果テーブルに表示されます。
1. MEAS キーを押します。
2. "Meas. Place" を押して、測定位置を選択します。ここでは、4 つの測定位置のう
ち 1 番目を選択するために、1 をハイライトします。
3. "Measure 1" を押し、"On" をハイライトします。
4. "Meas. Type" を押し、実行する測定タイプを選択します。ここでは、"Top
Level" をハイライトします。
5. "Source" を押して測定のソースを選択します。ここでは、"CH1" をハイライトし
ます。
28 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の試験使用
カーソル測定の実行
6. "Meas. Place" を押して、2 番目の測定位置を選択するために、2 をハイライトし
ます。
7. "Measure 2" を押し、"On" をハイライトします。
8. "Meas. Type" を押し、"Base Level" をハイライトします。
9. "Source" を押し、"CH1" をハイライトします。
アクティブな信号の最大レベルと基本レベルが、結果テーブルに表示されます。
10. QUICK MEAS を押して、クイック測定モードをオフにします。
4.4 カーソル測定の実行
クイック測定と自動測定では、表示された波形全体の測定結果、または、あらかじめ定
義された範囲での測定結果が表示されます。一方、カーソル測定では、ダイアグラム上
で測定範囲を指定することができます。測定タイプに応じて 2 つまたは 3 つのカーソ
ルを配置し、各ポイントに対する結果を表示します。
例えば、V マーカ・カーソルを使用して 2 つのカーソルをパルスの始点と終点に配置
すると、電圧の最大レベルと基本レベル、2 つの値の差、およびパルス幅(Δt)が得
29 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の試験使用
カーソル測定の実行
られます。基本レベルと最大レベルの自動測定の結果も、結果テーブル( 図 4-1 の左
側)に表示されます。
図 4-1: カーソル測定の例
1. CURSOR キーを押します。
カーソル線がオンになります。
2. "Meas. Type" を押し、"V-Marker" をハイライトします 。
3. "Source" を押して測定のソースを選択します。ここでは、"CH1" をハイライトし
ます。
4. NAVIGATION ロータリ・ノブを押して、1 番目のカーソルを選択します。ロータリ・
ノブを回し、カーソル線をパルスの始点へ移動します。
5. もう一度 NAVIGATION ロータリ・ノブを押し、2 番目のカーソルを選択します。ロ
ータリ・ノブを回し、カーソル線をパルスの終点へ移動します。
正のパルスについて、以下の結果が結果テーブルに表示されます。
●
V1: トップ電圧
●
V2: ベース電圧
●
Δt: パルス幅
30 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
●
ΔV: トップ電圧とベース電圧の差異
6. "Cursor" ソフトキーを押してカーソル線をオフにします。
本機の試験使用
演算機能の使用
4.5 演算機能の使用
測定した波形と計算データを表示して現在の測定結果と比較することもできます。演算
波形は、5 つまで設定することができ、様々な計算を実行できます。
例えば波形を積分計算すると、パルス信号の電力が分かります。単一パルスの電力を測
定するには、演算波形で V マーカ・カーソルを使用します。
1. MATH を押して "Mathematics" メニューを表示します。
2. "Equation" を押して "MA1" を表示し、1 番目の演算波形を設定します。
3. "Edit Equations" を押します。
"Equation Set Editor" が表示され、各演算波形の設定を確認できます。アクティ
ブな方程式がハイライトされます。
4. "Equation" を押して、"MA1" を表示し、1 番目の数式を設定します。この数式は
1 番目の測定チャネル(MA1)に代入されます。
5. "Operator" を押し、"Integral" をハイライトします。
6. "Operand1" を押して "CH1" をハイライトし、1 番目の信号チャネルを計算のソー
スとして選択します。
7. "Equation Label" を押し、"Integral" など方程式の名前を指定しま
す。"Navigation" ロータリ・ノブを使用して個々の文字を選択してか
ら、"Accept" を押します。
このラベルは "Equation" ソフトキーと "Equation Set Editor" に表示されます。
31 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の試験使用
演算機能の使用
8. "Back" を押してエディタを終了し、"Mathematics" メイン・メニューに戻ります。
9. "Unit" を押して計算信号の電力の単位を指定します。ここでは、W(Watt)をハイ
ライトします。
10. "Visible" を押して "On" をハイライトし、1 番目の演算波形を表示します。
信号チャネルの積分値が演算波形として表示されます。必要に応じて、SCALE ロー
タリ・ノブを使用して演算波形の縦軸スケールを変更し、表示を調整します。
32 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の試験使用
演算機能の使用
11. 1 番目の演算波形("MA1" または "Integral")に V マーカ・カーソルを設定した
シングル・パルスの積分値を表示するには、パルスの始点と終点にカーソルを置き
ます。これについては前述の 4.4,「カーソル測定の実行」 (29 ページ) の例で説
明しています。
2 つのカーソル間の積分値が、"ΔV" として結果テーブルに表示されます。
33 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の試験使用
測定結果の印刷
4.6 測定結果の印刷
現在の画面表示を印刷し、結果を文書化することができます。データを見やすくするた
めに、スクリーンの表示色を印刷用に反転させることができます。つまり、白い背景に
波形を黒で印刷できます。
1. プリンタをフロント・パネルまたはリア・パネルの USB インタフェースに接続し
ます。
2. FILE キーを押します。
3. "Screenshots" ソフトキーを押します。
4. 色を反転させて印刷するには、"Color Mode" を押して "Inverted" をハイライト
します。
5. "Print" を押します。
現在の画面表示が、背景は白、データは黒で印刷されます。
34 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の試験使用
データの保存
あらかじめ印刷設定を行っておくと、測定中に PRINT キーを押すだけで、画面表示を
設定した内容で印刷することができます。これについては "User Manual" の
"Configuring the PRINT-key behaviour" で説明しています。
4.7 データの保存
R&S RTM で測定を行った後、その結果を保存し、その後の評価や比較に利用できます。
保存できるデータの種類は次のとおりです。
●
測定波形、基準波形、演算波形の波形データ
●
本機の設定
●
演算機能の数式
●
スクリーン・ショット
波形データとスクリーン・ショットは、 USB メモリのみに保存できます。それ以外の
データは、内蔵のハード・ディスクにも保存することができます。
以下の例では、現在の測定設定を保存した後、本機をリセットし、再度、測定設定をロ
ードして測定を再実行します。
1. FILE キーを押してから "Device Settings" を押します。
2. "Save" を押します。
3. "Storage" を押して、"Internal" を選択し、測定設定の保存先を選択します。
4. "File Name" を押し、"Example01" と入力します。
5. "Save" を押します。
デバイス設定が、Example01.SET というファイル名でデバイスに保存されます。
6. PRESET を押して R&S RTM 機をデフォルト設定にリセットします。
7. 以前に行った測定を再実行するために、保存されている本機の測定設定をロードし
ます。FILE キーを押してから "Device Settings" を押します。
8. "Load" を押します。
9. "Storage" を押して "Internal" を選択し、設定ファイルをロードします。
10. "Navigation" ロータリ・ノブを使用して、Example01.SET という名前のファイ
ルを選択します。
11. "Load" を押します。
本機の設定が復元され、測定を再実行することができます。
あらかじめストレージの設定を行っておくと、測定中に PRINT キーを押すだけでデー
タや設定を保存することができます。これについては "User Manual" の "Configuring
the PRINT-key behaviour" で説明しています。
35 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
5 本機の操作
R&S RTM には以下の 2 つの操作方法があります。
●
マニュアル操作: フロント・パネルのファンクション・キー、ロータリ・ノブ、ソ
フトキーを使用します。このセクションでは、マニュアル操作の概要について説明
します。
●
リモート制御: 繰り返し設定、テスト、測定を自動化するプログラムを作成しま
す。このプログラムが実行されているコンピュータに本機を接続します。
リモート制御の操作方法については、『User Manual』の「Remote Control」の章で
説明しています。
本機の操作
ディスプレイに関する情報
5.1 ディスプレイに関する情報
本機のディスプレイには波形のほかに、情報、測定結果、ソフトキー・メニューも表示
されます。図 5-1 に表示機能の概要を示します。
図 5-1: ディスプレイの概要
36 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の操作
ディスプレイに関する情報
1 = 情報バー
2 = 波形ラベル
3 = 波形ウィンドウ
4 = ズーム・ウィンドウの情報バー
5 = ズーム・ウィンドウ
6 = 結果テーブル
7 = メニュー
8 = トリガ位置
情報バー
ディスプレイの上部には情報バーがあり、次の主要な設定が表示されます。
1 = タイム・ベース(横軸スケール)
2 = トリガ・オフセット(横軸位置)
3 = トリガ・モード
4 = トリガの設定: トリガ・ソース、トリガ・タイプ(エッジ・トリガの場合はレベル、スロープ、カップ
リング、フィルタ)
5 = サンプリング・レート
6 = 捕捉モード
7 = 捕捉状態
ズーム・ウィンドウと FFT ウィンドウのそれぞれに、情報バーがあります。これにつ
いては「User Manual」の対応する章で説明しています。
波形ラベル
チャネル波形、演算波形、基準波形のラベルには、縦軸スケール値とカップリングが表
示されます。アクティブな波形のラベルは、その波形と同じ色でハイライトされます。
ウィンドウ
メイン・ウィンドウには 1 つ以上の波形(チャネル波形、基準波形、演算波形)が表
示されます。グリッドには縦軸および横軸の目盛りが付けられています。ズーム、
FFT、 XY ビューを選択すると、ディスプレイには 2 つ以上のウィンドウが表示されま
す。ズーム、FFT、 XY トレースは、大きいメイン・ウィンドウに表示されます。基本
波形については、小さい方のウィンドウに概要が表示されます。
結果テーブル
自動測定とカーソル測定の結果は結果テーブルに表示されます。設定した測定の結果
は、左の 2 つのカラムに表示されます。カーソル測定とクイック測定の結果は、右の
3 つのカラムに表示されます。
メニュー
ソフトキーの現在の機能が表示されます。
トリガ位置
トリガ位置マーカの色はトリガ・ソース波形と同じです。
37 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の操作
波形の操作
5.2 波形の操作
R&S RTM では、以下に示す複数の波形タイプを捕捉、作成、および表示できます。
●
入力信号のチャネル波形
●
基準波形:
比較や解析の基準として使用する 基準波形を 4 つまで設定できます。
●
演算波形:
数学的演算を使用して、チャネル波形、基準波形、他の演算波形による演算波形
を 5 つまで作成できます。
●
ズーム波形には、アクティブ波形の詳細が表示されます。
●
XY 波形: この波形は 2 つのチャネル波形の電圧値で構成されます。xy 波形の輝
度は 3 つ目のチャネル波形によって定義できます。
カラー・システムは様々な波形の識別に役立ちます。縦軸ロータリ・ノブと波形ラベル
の色は、選択中の波形を示しています。
波形の状態
ディスプレイと設定内容に応じて、波形は以下のいずれかの状態になります。
●
オフ
●
アクティブ: 波形が表示されます。
●
選択中: アクティブ波形のうちの 1 つで、フォーカスが置かれています。波形固
有の設定は、選択中の波形に適用されます。縦軸の POSITION ノブ、SCALE ノブ、
および SIGNAL OFF キーは選択中の波形の色で点灯します。選択中の波形と他の波
形が同一のダイアグラムに表示される場合には、選択中の波形がダイアグラムの
「最前面」に表示され、グリッド・ラベルの色は選択中の波形の色になります。
波形のオン
プローブを接続すると、ただちにチャネル波形が起動されます。必要に応じてチャネル
波形のオン/オフを切り替えることができます。
►
チャネル波形をオンにするには、対応するチャネル・キーを押します。
波形がアクティブかつ選択中の状態でウィンドウに表示されます。
波形のオフ
►
該当するチャネル・キーを押して波形を選択してから、SIGNAL OFF を押します。
5.3 機能へのアクセス
本機の制御にはファンクション・キーとソフトキーを使用します。ソフトキーはスクリ
ーンの下部に配置されており、現在の機能がメニューに表示されています。
38 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の操作
機能へのアクセス
ファンクション・キー(ハード・キー)
ファンクション・キーは、その機能に応じて動作が異なります。
●
FILE、MEAS、ACQUISITION などのファンクション・キーは、関連するメニューを開
きます。
●
AUTOSET、PRINT、RUN CONT、MODE などのファンクション・キーは、直接、処理を
開始したりパラメータを変更したりします。
●
FFT、ZOOM、MASKS キーは、各表示モードを起動し、関連するメニューを開きます。
表示モードを終了するには、次の手順を実行します。
–
表示モードのメイン・メニューが表示されている場合は、ファンクション・キ
ーを 1 回押します。
–
表示モードのサブメニューが表示されている場合は、ファンクション・キーを
2 回押します。1 回目でメイン・メニューに戻り、2 回目でその表示モードが
クローズします。
メニュー操作
各メニューには、複数の下位メニューが含まれている場合があります。下位メニューが
ある場合は、ソフトキーに小さい三角形が表示されています。1 つのメニューに 7 種
類以上の機能がある場合、複数ページに分かれて配置されます。右側の "More" キーを
押すと、メニューのページが切り替わります。このキーには、メニューの総ページ数
と、表示中のページの番号が示されます。
図
5-2: メニュー画面の例: 「Probe」、「Threshold」には下位メニューがあります。「More」でメニュー
のページを切り替えます。
1. ファンクション・キーを押します。
関連するメニューが開きます。
2. メニューに必要な機能が表示されない場合は、右端の "More" ソフトキーを押して
ページのページを切り替えます。
3. 上位メニューに戻るには、右側の "Back" ソフトキーを押します。
パラメータ値の選択
各パラメータは、パラメータ値を選択して設定します。選択肢が 2 ~ 3 個の場合は、
ソフトキーに値が直接表示されます。値が多数の場合は選択メニューが表れます。
1. ソフトキー上の値を選択するには、キーを押して、所望の値をハイライトします。
2. 選択メニューから値を選択するには、次の手順を実行します。
●
キーを押して、必要な値をハイライトします。
39 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の操作
データの入力
●
NAVIGATION ノブを回して、必要な値をハイライトします。
3. Navigation ノブを押すと、選択メニューがクローズします。
操作をしないで "Menu Off" で設定された時間が経過すると、メニューが自動的に
クローズします("Setup" メニュー)。
5.4 データの入力
NAVIGATION ノブを使用して、数値を設定します。スケールや位置の設定には、ロータ
リ・ノブを使用します。
"DC Offset" などの数値パラメータは、"Off" または値を入力して設定するものがあり
ます。これらの値は NAVIGATION ノブで設定します。
その他、"Zoom" メニューなどのパラメータは、数値を指定します。数値は、
NAVIGATION ノブまたはオンスクリーン・キーパッドで設定します。
オンスクリーン・キーパッドを開く
1. 数値パラメータのソフトキーを押します。
NAVIGATION ノブが有効になり、アイコンがソフトキーに表示されます。
2. ソフトキーをもう一度押します。
オンスクリーン・キーパッドが開きます。
40 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の操作
データの入力
オンスクリーン・キーパッドまたはキーボードによるデータ入力
オンスクリーン・キーパッドとオンスクリーン・キーボードの使用方法は同じです。テ
キストの入力が必要な場合は、オンスクリーン・キーボードが自動的に表示されます。
1. NAVIGATE ノブを回して必要な文字をハイライトし、ノブを押して 1 文字ずつ確定
して入力します。
2. 入力行内でカーソルの左にある文字を削除するには、"Backspace" を押します。
3. 入力行内でカーソルを移動するには、"Cursor ←" または "Cursor →" を押しま
す。
4. 入力内容をすべて削除するには "Clear All" を押します。
5. オンスクリーン・キーボードのみ: 必要な文字が文字セットに表示されていない場
合、"Character Set" を押すと、他に使用可能な文字があればそれらの文字が表示
されます。
6. 入力が完了したら、"Accept" を押して入力内容を本機に保存します。
41 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の操作
ヘルプの利用
5.5 ヘルプの利用
ファンクション・キー、ロータリ・ノブ、ソフトキーに関するトピックを提供する、ヘ
ルプ・システムを内蔵しています。
ヘルプの表示
1. ディスプレイ左側にある黄色の HELP キーを押します。
ヘルプ・ウィンドウが開きます。
2. トピックを確認したいキーまたはソフトキーを押します。
ヘルプ・ウィンドウに、操作したキーに関する説明が表示されます。
ヘルプの非表示
►
HELP キーをもう一度押します。
42 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の設定
基本的な設定
6 本機の設定
6.1 基本的な設定
この章では、本機の基本的な設定の方法について説明します。
本機の日時設定
1. "SETUP > Date & Time" を押します。
2. "Year" を押します。
3. "Navigation" ノブを使用して、年を設定します。
4. "Month" を押します。
5. "Navigation" ノブを使用して、月を設定します。
6. 同じ方法で "Day"、"Hour"、"Minute" を設定します。
7. "Accept" を押して、変更した日時を保存します。
サウンドの設定
サウンドを鳴らすイベントを定義することができます。
1. "SETUP > Sound" を押します。
2. サウンドを設定するイベントのソフトキーを押します。サウンドが有効のソフトキ
ーがハイライトされます。以下のイベントに設定できます。
●
Control Beep: ロータリ・ノブの設定範囲の限界に達した場合や
"Automeasure" メニューで測定モードを変更した場合など、一般的な制御イベ
ントに対してサウンドを鳴らします。
●
Error Beep: 入力が 50Ω を超えた場合や不正な値がダイアログに入力された
場合など、本機でエラーが発生した場合にサウンドを鳴らします。
●
Trigger Beep: トリガ条件が満たされた時にサウンドを鳴らします。
6.2 セルフ・アライメントの実行
セルフ・アライメントは、複数の入力チャネルのデータを同時に表示する場合に、時間
軸、振幅、位置を同期させるために、データを縦軸方向および横軸方向にアライメント
を行ないます。セルフ・アライメントのプロセスには、基本的なハードウェアのチェッ
クが含まれます。
セルフ・アライメント実施を推奨する場合
●
本機を初めて使用するとき。
●
週に 1 度など定期的に。
●
5°を超える急激な温度変化があった場合。
43 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の設定
パッシブ・プローブの校正
本機のウォームアップ
セルフ・アライメントを実行する前に、本機を起動しウォームアップが完了しているこ
とを確認してください。最小ウォームアップ時間はデータ・シートに記載されていま
す。
1. チャネルおよび外部入力から、すべての信号ケーブルを取り外します。
2. "SETUP > Self Alignment" を押します。
3. "Start" を押してセルフ・アライメントを開始します。
6.3 パッシブ・プローブの校正
R&S RTM-ZP10 パッシブ・プローブは、あらかじめ R&S RTM のフロントエンド特性に合
わせて補正されているため、補正処理は必要ありません。
他のパッシブ・プローブを使用する場合は、プローブを R&S RTM に接続するときに補
正を行うことができます。補正によってプローブ・ケーブルの容量を本機の入力容量に
適合させ、DC から上限周波数までの全帯域で十分な振幅確度を得ることができます。
補正が不十分なプローブは、プローブ-オシロスコープ・システムの性能低下や測定エ
ラーを引き起こし、波形のゆがみや不正確な結果の原因となります。
フロント・パネルには 2 つのコネクタ・ピンが配置されています。右側のピンはグラ
ンド・レベルになっています。左側のピンは調整用の方形波信号を供給します。通常の
低周波補正用と、高周波補正用の 2 種類の周波数からいずれかを選択できます。設定
が違っても立ち上がり時間は同じです。
1. プローブの BNC コネクタを入力チャネル CH1 に接続します。
2. プローブのグランド・コネクタを右側の補正ピンに接続し、プローブ・チップを左
側のピンに接続します。
3. "SETUP > Probe Adjust" を選択します。
4. ソフトキーを押して調整信号の周波数を選択します。以下の周波数を使用できま
す。
●
1 kHz : 周波数 1 kHz の方形波が "Probe Adjust" ピンから供給されます。プ
ローブの LF 帯域を調整するには、この設定を使用します。
●
1 MHz : 周波数 1 MHz の方形波が "Probe Adjust" ピンから供給されます。プ
ローブの HF 帯域を調整するには、この設定を使用します。
●
自動 : "Probe Adjust" ピンから方形波が供給されます。方形波の周波数は、
定義した時間軸により異なります。時間軸が 1 kHz 信号を表示できないほど小
さい場合は、自動的に 1 MHz 信号に切り替わります。プローブ校正にこの設定
を使用することはお勧めできません。
5. AUTOSET を押します。
ディスプレイに方形波が表示されます。
44 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
本機の設定
パッシブ・プローブの校正
6. 方形波応答が最適になるように、プローブの補正トリマを調整します。詳しい説明
については、プローブのマニュアルを参照してください。
45 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
クリーニング
7 保守
本機は、定期的な保守作業は必要ありませんが、クリーニングを実施してください。
フロント・パネルの保護と、本機の持ち運びに便利な、以下の 2 つのアクセサリが用
意されています。
●
ソフト・ケース(R&S RTM-Z3、オーダー番号 1305.0289.02)
●
フロント・カバー(R&S RTM-Z1、オーダー番号 1305.0272.02)
モジュールの交換やスペア部品を注文する際は、サービス・マニュアルの説明と安全上
の注意に従ってください。スペア部品のオーダー番号は、サービス・マニュアルに記載
されています。サービス・マニュアルには、トラブルシューティング、修理、モジュー
ルの交換とアライメントについて詳しく説明されています。
ローデ・シュワルツ・サポート・センターのアドレスは http://
www.customersupport.rohde-schwarz.com で確認できます。全サービス・センターのリ
ストは http://www.services.rohde-schwarz.com から入手できます。
保守
7.1 クリーニング
本機のクリーニングは、柔らかく糸くずの出ない布で本体の外側を拭いてください。そ
の際、通気孔をふさがないように注意してください。
感電の危険
本機をクリーニングする前に、電源を切り、本機が電源から完全に切断されていること
を確認してください。
洗浄剤による装置の損傷
洗浄剤には、装置を損傷する可能性のある物質が含まれています。例えば、溶剤を含む
洗浄剤は、フロント・パネルの標示部やプラスチック部を損傷する可能性があります。
溶剤(シンナー、アセトン、その他)、酸性/アルカリ性の強い洗浄剤は絶対に使用し
ないでください。
本機の外面は、柔らかく、糸くずの出ない布で十分に清掃してください。
7.2 保管と梱包
本機の保管温度の範囲はデータ・シートに記載されています。本機を長期間保管する場
合は、ほこりがつかないよう保護する必要があります。
46 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
保守
ヒューズの交換
本機を輸送したり、出荷する場合は、元の梱包材を使用して、コントロール機能やコネ
クタが破損しないように再梱包してください。本体を包んでいるフィルムは、静電気の
発生を抑制します。
元の梱包材を使用しない場合は、適切な大きさの丈夫な段ボール箱を使用し、本機が内
部で動かないように十分な詰め物を入れてください。また、静電気から保護するため
に、本機を静電気防止用のフィルムで包んでください。
7.3 ヒューズの交換
本機は 2 つのヒューズで保護されています。これらのヒューズは、リア・パネルの主
電源スイッチと AC 電源コネクタの間に配置されています。
ヒューズは、タイプ:IEC 127 Bl. III 、定格:250 V-T2A(スローブロー)、寸法: 5
x 20 mm です。
感電の危険
ヒューズを取り外す前に、電源を切り、本機が電源から完全に切断されていることを確
認してください。
ヒューズは、必ずローデ・シュワルツがスペア部品として提供しているヒューズを使用
してください。
1. リア・パネルのスロットからヒューズ・ホルダを引き出します。
2. 2 つのヒューズを交換します。
3. ヒューズ・ホルダをスロットに戻し、留め具がかかるまで慎重に挿入します。
7.4 データのセキュリティ
本機をサービスセンタに送る必要がある場合、または機密保護が厳重な環境で本機を使
用する場合は、ドキュメント CD-ROM に収録されている「Resolving Security Issues
When Working in Secure Areas」を参照してください。このドキュメントは R&S RTM
インターネット Web ページからも入手することができます。
SETUP > "More > More > Secure Erase > OK" を押すと、現在の本機の設定データとユ
ーザ・データをすべて削除できます。
47 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
索引
索引
A
ACQUISITION ...................................... 18
AUTOSET .......................................... 13
C
CLEAR ............................................ 21
CURSOR .......................................... 14
D
DISPLAY .......................................... 13
DVI コネクタ .................................... 23
E
EMI の抑制 ...................................... 10
F
FFT .............................................. 16
FILE ............................................ 13
FORCE ............................................ 16
H
HELP ............................................ 13
L
LAN
コネクタ ...................................... 23
LEVEL ............................................ 17
M
MASKS ............................................ 16
MATH ............................................ 20
MEAS ............................................ 14
MODE ............................................ 17
N
NEXT ............................................ 20
P
PRESET .......................................... 13
PREV ............................................ 20
PRINT ............................................ 13
PROTOCOL ........................................ 15
Q
QUICK MEAS ...................................... 14
R
REDO ............................................ 15
REF .............................................. 20
RUN CONT ........................................ 16
RUN Nx SINGLE .................................... 16
S
SEARCH MENU ...................................... 20
SET .............................................. 21
SETUP(装置) .................................... 13
SETUP(トリガ) .................................. 17
SIGNAL OFF ...................................... 19
SLOPE ............................................ 17
SOURCE(トリガ) ................................ 17
U
UNDO ............................................ 15
USB
USB メモリ .................................... 11
コネクタ ...................................... 22
接続 .......................................... 11
USB メモリ ...................................... 11
X
XY 波形 .......................................... 38
Z
ZOOM ............................................ 20
あ
アクティブ波形 .................................. 38
い
位置
縦軸 .......................................... 19
横軸 .......................................... 18
う
ウィンドウ ...................................... 37
え
演算波形 ........................................ 38
お
オフ
装置 .......................................... 10
波形 .......................................... 38
オフセット ...................................... 19
オン
装置 .......................................... 9
波形 .......................................... 38
か
外部トリガ・コネクタ ............................ 24
き
基準波形 ........................................ 38
輝度 ............................................ 13
キー
ACQUISITION .................................. 18
48 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
索引
AUTOSET ...................................... 13
CH N .......................................... 19
CLEAR ........................................ 21
CURSOR ........................................ 14
DISPLAY ...................................... 13
FFT .......................................... 16
HELP .......................................... 13
MASKS ........................................ 16
MATH .......................................... 20
MEAS .......................................... 14
NEXT .......................................... 20
PRESET ........................................ 13
PREV .......................................... 20
PRINT ........................................ 13
PROTOCOL ...................................... 15
QUICK MEAS .................................... 14
REDO .......................................... 15
REF .......................................... 20
Run Nx Single ................................ 16
SEARCH MENU .................................. 20
SET .......................................... 21
SETUP ........................................ 13
SIGNAL OFF .................................... 19
UNDO .......................................... 15
ZOOM .......................................... 20
強制 .......................................... 16
Run Cont ...................................... 16
スロープ ...................................... 17
セットアップ .................................. 17
ソース ........................................ 17
ファイル ...................................... 13
モード ........................................ 17
く
クリーニング .................................... 46
け
ケーブルの要件 .................................. 10
こ
コントロール
位置(横軸) .................................. 18
位置 / オフセット(縦軸) .................... 19
輝度 .......................................... 13
スケール(縦軸) .............................. 19
スケール(横軸) .............................. 18
レベル ........................................ 17
梱包 ............................................ 46
さ
サウンド ........................................ 43
し
時間 ............................................ 43
情報バー ........................................ 37
す
スケール
縦軸 .......................................... 19
横軸 .......................................... 18
ズーム、例 ...................................... 26
ズーム波形 ...................................... 38
せ
接続
USB メモリ .................................... 11
プリンタ ...................................... 11
セルフ・アライメント ............................ 44
選択済み波形 .................................... 38
そ
操作のコンセプト ................................ 36
ち
チャネル
キー .......................................... 19
コネクタ ...................................... 22
チャネル波形 .................................... 38
て
ディスプレイに関する情報 ........................ 36
ディスプレイの情報 .............................. 36
電源 ............................................ 23
電源のオフ ........................................ 9
電源のオン ........................................ 9
と
トリガ
エッジ・トリガ、スロープ ...................... 17
外部入力 ...................................... 24
強制 .......................................... 16
自動 / 標準 .................................. 17
セットアップ .................................. 17
ソース ........................................ 17
モード ........................................ 17
レベル ........................................ 17
は
波形
XY ............................................ 38
演算 .......................................... 38
オフへの切り替え .............................. 19
概要と使用方法 ................................ 38
基準 .......................................... 38
状態 .......................................... 38
ズーム ........................................ 38
チャネル ...................................... 38
ディスプレイの輝度 ............................ 13
ひ
日付 ............................................ 43
ふ
プリンタ ........................................ 11
プローブ
パッシブ、補正 ................................ 44
補正コネクタ .................................. 22
へ
ヘルプ、使用方法 ................................ 42
ベンチ・トップ操作 ................................ 8
49 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03
R&S®RTM
ほ
保管 ............................................ 46
補正、パッシブ・プローブ ........................ 44
捕捉
開始と停止 .................................... 16
制限数 ........................................ 16
ま
マーカ
設定 .......................................... 21
次へ進む ...................................... 20
前に戻る ...................................... 20
マーカを 1 つクリア .......................... 21
例 ............................................ 26
も
モニタ .......................................... 11
モニタ・コネクタ ................................ 23
ら
ラックに取り付ける場合 ............................ 8
索引
り
リモート制御 .................................... 36
50 クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03