R&S®UPP
オーディオ・アナライザ
クイック・スタート・ガイド
(>;:ËB)
1411.1061.18 ─ 04
電子計測器
クイック・スタート・ガイド
本書では、以下のオーディオ・アナライザおよび各オプションについて説明します。
●
R&S®UPP200
●
R&S®UPP400
●
R&S®UPP800
ローデ・シュワルツ製品のファームウェア開発には、さまざまなオープンソースソフトを使用しています。オープンソース開発者の
方々ならびにコミュニティ参加者の方々に、心よりの感謝とお礼を申し上げます。
詳細につきましては、同梱の CD-ROM に収録されている "Open Source Acknowledgement" をご参照ください。
© 2013 Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG
Mühldorfstr. 15, 81671 München, Germany
Phone: +49 89 41 29 - 0
Fax: +49 89 41 29 12 164
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Internet: www.rohde-schwarz.com
Printed in Germany – お断りなしに記載内容の一部を変更させていただくことがあります。
あらかじめご了承ください。 R&S® は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG. の登録商標です。
本書では、以下のような省略表記を使用します。R&S®UPP は R&S UPP と表記します。
基本的な安全指示
以下の安全指示を常に確認して遵守してください。
ローデ・シュワルツでは、弊社が提供する製品が常に最新の安全基準を満足し、お客様に対して最善の安
全性が提供できるよう、あらゆる努力をしております。弊社の製品およびそれらに必要な補助機器は、対
応する安全基準に従って設計され、試験されています。これらの安全基準に対する適合性は、弊社の品質
保証システムによって、常に確認されています。この製品は、EC Certificate of Conformity (ヨーロッパ
共同体適合証明)に従って設計・検査され、安全基準に完全に合致した状態で弊社の工場から出荷されて
います。この状態を維持し、安全に動作させるためには、このマニュアルに示されているすべての指示と
注意事項を守ってください。安全指示についてご質問があれば、弊社の支店/営業所にお問い合わせくだ
さい。
さらに、使用者は、適切な方法で製品を使用しなければなりません。この製品は、産業環境やラボ環境、
または作業現場でのみ使用するよう設計されており、どのような場合であっても、個人の身体の安全や資
産を損なう可能性があるような方法で使用することはできません。指定されている目的を逸脱して製品を
使用したり、製造者の指示を守らなかったりした場合には、使用者が全責任を負うものとします。このよ
うな状態で製品が使用された場合には、製造者は一切の責任を負わないものとします。
製品の資料に従い、処理能力の範囲内(データ・シート、資料、以下の安全指示参照)で製品が使用され
た場合には、製品は指定の目的で使用されたものとします。製品を使用するためには、技術的な能力が必
要とされ、英語が理解できなければなりません。したがって、製品は、適切な技術力を備えた専門の要員、
または必要な技術によって完璧な訓練を受けた要員によってのみ使用することが重要です。ローデ・シュ
ワルツの製品を使用するにあたり、個人の安全を確保するための器具が必要な場合には、製品の資料のそ
れぞれの箇所に説明してあります。安全な場所で基本的な安全指示および製品の資料を順守して、それら
を今後のユーザにも伝えてください。
安全指示を守ることによって、危険な状態から生じる身体への傷害やあらゆる損傷を、できるかぎり回避
することができます。したがって、製品の操作を開始する前に、以下の安全指示をよく読み、厳守してく
ださい。また、資料の他の部分に示されている、身体の安全を確保するためのその他の安全指示にも、必
ず従ってください。これらの安全指示の中で、“製品”とは、計測器本体、システム、およびすべてのア
クセサリを含め、ローデ・シュワルツが販売し、提供しているすべての商品を示します。
マークおよび安全表示
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基本的な安全指示
接地 二重絶縁/絶縁強化によって完全に保護されて
いる装置
電池および蓄電池に対するリサイクルマーク表
示(EU 指令)
詳細情報については、「廃棄物処理/環境保
全」 項目 1 を参照ください。
電気・電子機器の分別に対するリサイクルマー
ク表示(EU 指令)
詳細情報については、"廃棄物処理/環境保全 "
項目 2 を参照ください。
警告!レーザ放射
詳細情報については、「操作」 項目 7 を参照
ください。
回避しなければ、死亡または重傷を負う可能性がある危険な状態を示してい
ます。
回避しなければ、死亡または重傷を負う可能性もある危険な状態を示してい
ます。
回避しなければ、軽度または中程度の負傷を負う可能性もある危険な状態を
示しています。
不適切な操作を行うと製品を損傷する可能性があることを示しています。製
品資料では、ATTENTION が同じ意味として使用されています。
タグと表示内容
以下の警告表示は、リスクや危険を警告するために製品資料で使用されています。
これらのタグは、欧州経済圏の一般市場で使用されている標準的な定義に従って表示されています。他の
経済圏または軍事的に利用する場合は、標準の定義とは異なることもあります。したがって、ここで説明
されているタグは、常に、対応する製品資料および対応する製品に関連してのみ使用されていることを確
認してください。対応していない製品や対応していない資料に当てはめてタグを使用すると、誤って解釈
し、その結果、身体の安全を損なったり、製品に損傷を与えたりすることがあります。
1171.0000.4J - 06.00 Page 2
基本的な安全指示
操作状態と操作位置
製品は、製造者によって指定された操作条件下で、指定の位置でのみ使用することができます。使用中は、
換気が妨げられないようにしなければなりません。製造者の仕様を遵守しないと、感電、火災、または重
傷や死亡を招く可能性があります。該当する地域または国内における安全指示および事故防止の規制をす
べての実施作業において遵守する必要があります。
1. 別段の指定がないかぎり、ローデ・シュワルツの製品には、次の必要条件が適用されます。
predefined 所定の動作位置では、必ず、ケースの底が下方に向いていること、 IP 保護 2X、公害重大
度 2、過電圧カテゴリ 2、密閉された場所でのみ使用すること、最大動作高度は海抜 2000 m、最大
運搬高度は海抜 4500 m。公称電圧に対しては ±10 %、公称周波数に対しては ±5 % の許容範囲が
適用されるものとします。
2. 重量や安定性の理由から製品の設置に適していない面、乗物、キャビネット、またはテーブルに製品
を置かないでください。製品を設置し、物体や構造物(壁、棚など)に固定するときには、必ず、製
造者の設置指示に従ってください。製品資料で説明されているとおりに設置しないと、身体への障害
または死亡の可能性があります。
3. ラジエータやファンヒータなど、熱を発生する装置の上に製品を置かないでください。周囲温度が製
品資料またはデータ・シートで指定されている最高温度を超えることはできません。製品がオーバー
ヒートすると、感電、火災、または重傷や死亡を招く可能性があります。
電気保安
電気保安情報の必要な範囲内すべてを遵守しないと、感電、火災、または身体への重度の傷害や死亡を招
く可能性があります。
1. 製品の電源を入れる前に、製品の公称電圧の設定と、AC 電源ネットワークの公称電圧とが一致して
いるか確認しなければなりません。別の電圧を設定しなければならない場合には、それに対応して、
製品の電源ヒューズを交換する必要が生じることもあります。
2. 取り外しのできる電源コードとコネクタのついた安全クラス I の製品の場合には、接地端子と PE 接
地のあるソケットでのみ、操作することができます。
3. 給電ラインや製品本体の接地は、絶対に切断しないでください。接地を切断した場合、製品に感電す
る危険があります。延長コードやコネクタのストリップを使用している場合には、安全に使用できる
かどうか、定期的に点検しなければなりません。
4. 製品に、AC 電源から切断するための電源スイッチがない場合には、接続ケーブルのプラグが切断装
置とみなされます。この場合には、電源プラグが簡単に手の届く位置にあり、いつでも操作できるよ
うにしなければなりません。(接続ケーブルの長さは約 2 m です。)AC 電源ネットワークから切断
する場合、機能的スイッチや電子式スイッチは適切ではありません。電源スイッチのついていない製
品をラックに取りつけたり、システムに組み込んだりする場合には、システムレベルで切断装置を準
備しなければなりません。
5. 電源ケーブルが破損している場合には、絶対に製品を使用しないでください。正しい操作条件下にあ
るかどうか電源ケーブルを定期的に点検してください。適切な安全対策を講じ、慎重に電源ケーブル
を設置することによって、ケーブルが破損しないよう、また、ケーブルにつまずいたり、感電したり
してけがをすることがないようにしてください。
6. 製品は、最大 16 A のヒューズが取りつけられた TN/TT 電源ネットワークからのみ、操作することが
できます(大容量のヒューズについては、事前に弊社にご相談ください)。
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基本的な安全指示
7. プラグをほこりがついていたり、汚れたりしているソケットに差し込まないでください。プラグは、
ソケットの奥までしっかりと差し込んでください。プラグが十分に差し込まれていないと、火花が出
たり、火災の原因になったり、けがをしたりすることがあります。
8. ソケット、延長コード、またはコネクタのストリップをオーバロード状態にしないでください。火災
や感電の原因になる可能性があります。
9. Vrms > 30 V の電圧の回路を測定する場合には、あらゆる危険を避けるために、適切な手段(適切な
計測器、ヒューズ、電流制限器、電気分離、絶縁など)を講じる必要があります。
10. PC または他の産業用コンピュータなどの IT 機器との接続が、どの場合においても、標準規格
IEC60950-1/EN 60950-1 または IEC61010-1/EN 61010-1 に準拠していることを確認してください。
11. 製品を操作しているときには、絶対に、カバーをはずしたり、ケースの一部をはずしたりしないでく
ださい。回路や構成部品が露出し、けがをしたり、火災の原因になったり、製品が損傷したりするこ
とがあります。
12. 固定位置に製品を設置する場合には、最初に設置場所の PE 端子と製品の PE コンダクタを接続し、
そのあとで他の接続を行わなければなりません。製品は、熟練の電気技師によってのみ、設置し、接
続することができます。
13. ヒューズ、サーキット・ブレーカ(回路遮断器)、または同様の保護装置が組み込まれていない機器
を固定して設置する場合には、使用者や製品をけがや損傷から適切に保護できるような方法で、電源
回路を保護しなければなりません。
14. 適切な過電圧保護機能を使用し、雷雨によって生じるような過電圧が、製品に達しないようにしてく
ださい。高圧保護機能がないと、操作要員に感電の危険が及ぶ可能性があります。
15. 設計が意図していないかぎり、どのような物もであっても、ケースの開口部に差し込まないでくださ
い。製品内部が短絡状態になり、感電したり、火災の原因になったり、けがをしたりすることがあり
ます。
16. 別段の記載がないかぎり、製品は防水ではありません。(「操作状態と操作位置」セクションの項目
0 も参照してください。したがって、機器を水滴の浸入から保護する必要があります。)必要な予防
策を取らないと、感電する危険が生じたり、製品に損傷を与えたり、その結果、身体への損傷を招く
可能性があります。
17. 低温の環境から暖かい環境へと製品を移動した場合など、製品の内外に結露が生じている状態、ある
いは生じる可能性があるような条件下では、絶対に製品を使用しないでください。水の浸入は感電の
危険性が高くなります。
18. 電源(AC 供給ネットワークまたはバッテリなど)と製品の接続を完全に外してから、製品を掃除し
てください。柔らかく、糸くずの出ない布を使用して製品を掃除してください。アルコール、アセト
ン、またはセルロースラッカー用の希釈剤などの化学洗剤を使用しなでください。
操作
1. 製品を操作するためには、専門的な訓練と高度な集中力が必要です。製品を使用する要員が、肉体的、
精神的、および情緒的見地から、製品の操作に適切かどうか確認してください。不適切な場合には、
けがまたは製品への損傷の可能性があります。製品の操作に適した要員を選択することは、雇用者/
運営担当者の責務です。
2. 「輸送」セクションを確認して遵守しながら、製品の移動および輸送を行います。
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基本的な安全指示
3. すべての工業製品同様、通常、ニッケルなど、アレルギー症状を引き起こす物質(アレルゲン)の使
用を避けることはできません。ローデ・シュワルツの製品を使用して皮膚に発疹ができたり、くしゃ
みが頻発したり、目が充血したり、または呼吸困難な状態など、アレルギー症状が現れた場合には、
すみやかに医者に相談し、原因を確認して、健康上の問題またはストレスを予防してください。
4. 製品の機械的処理、熱処理、または解体前に、「廃棄物処理/環境保全」セクションの項目 1 を必ず
確認して注意を払ってください。
5. RF 無線設備など、特定の製品の機能によっては、高レベルな電磁放射が生じる可能性があります。
胎児に対しては保護を強化する必要があるため、妊婦は適切な方法で保護する必要があります。また、
電磁放射は、ペースメーカを使用している人に対しても危険を及ぼす可能性があります。雇用者/ 運
用担当者は、電磁放射を被ばくする危険性の高い仕事場を調査し、必要に応じて、潜在的な危険を回
避するための方策を講じる必要があります。
6. 火災が発生した場合には、健康に害を与える恐れのある有毒物質(気体、液体など)が製品から流出
する可能性があります。したがって、防護マスクや防護服の装着など、適切な対策を講じる必要があ
ります。
7. ローデ・シュワルツの製品にレーザ製品(CD/DVD ドライブなど)が組み込まれている場合には、製
品資料で説明されている設定や機能以外は使用しないでください。これは身体への損傷(レーザ光線
などによる)を防ぐためです。
8. EMC クラス(CISPR 11)
クラス A:住宅地域(家庭環境)にて低電圧電源ネットワークに直接接続され、使用される製品
クラス B:工業地域・環境(家庭環境以外)にて低電圧電源ネットワークに直接接続され、使用され
る製品
修理サービス
1. 製品は、専門的訓練を受けた資格のある要員以外が開かないでください。製品に対して作業をする場
合、あるいは製品を開く場合には、事前に、製品を AC 供給ネットワークから切断しておかなければ
なりません。切断しておかないと、要員に感電の危険が及ぶ可能性があります。
2. ローデ・シュワルツから許可された電気技師以外が、調整、部品の交換、保守、および修理を行うこ
とはできません。安全性に関わる部品(電源スイッチ、電源トランス、ヒューズなど)を交換する場
合には、オリジナルの部品以外を使用することはできません。安全性に関わる部品を交換した場合に
は、必ず、安全テスト(外観検査、PE コンダクタ・テスト、絶縁抵抗測定、漏えい電流測定、機能
テスト)を行わなければなりません。これにより製品の安全を引き続き確保します。
バッテリと蓄電池
バッテリと蓄電池に関する情報の必要な範囲内すべてを遵守しないと、破裂や火災の発生、または重傷や
死亡の可能性があります。アルカリ性のバッテリおよび蓄電池(リチウム電池など)は、標準規格
62133
1. 電池を分解したり、または破壊したりしないでください。
に従って処理する必要があります。
EN
2. 電池またはバッテリを熱や火に近づけないでください。日光が直接当たる場所への保管を避けてくだ
さい。電池およびバッテリを清潔で乾いた状態で保管してください。乾いた清潔な布でコネクタの汚
れを取り除いてください。
3. 電池またはバッテリを短絡させないでください。互いに短絡を起こしたり、他の伝導体により短絡が
引き起こされたりするため、電池またはバッテリを箱や引き出しに保管しないでください。電池およ
びバッテリを使用する時まで元の梱包から取り出さないでください。
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基本的な安全指示
4. 許容範囲外の強い機械的衝撃を電池およびバッテリに与えてはいけません。
5. 電池から液体が漏れている場合、その液体が皮膚または目に直接触れないようにしてください。触れ
てしまった場合には、十分な水でその部分を洗い、医者に相談してください。
6. アルカリ性の蓄電池またはバッテリ(リチウム電池など)は正しく交換しないと、破裂する可能性が
あります。製品の安全性を確保するために、ローデ・シュワルツが指定する電池またはバッテリ(部
品リストを参照してください)とのみ交換してください。
7. 電池およびバッテリをリサイクルして、残留廃棄物とは区別してください。鉛、水銀、およびカドミ
ウムを含む蓄電池および通常のバッテリは有害廃棄物です。廃棄物処理およびリサイクルに関する国
内の規則を遵守してください。
輸送
1. 製品は非常に重いため、慎重に扱う必要があります。一部では、背中や体のその他の部分の損傷を避
けるため、製品の持ち上げまたは移動には適切な方法(リフトトラックなど)が必要になります。
2. 製品の取手は、操作要員が製品を運ぶ目的でのみ設計されています。したがって、クレーン、フォー
クリフト、自動車などの輸送手段に製品を固定するために取手を使用することはできません。輸送ま
たは持ち上げる際に製品をしっかりと固定する場合、使用者が責任を負います。輸送または持ち上げ
の際は、製造者の安全規則を遵守してください。規則に従わない場合には、身体または製品への損傷
を招く可能性があります。
3. 車中で製品を使用する場合には、車の安全な運転については、運転者が全責任を負うものとします。
事故や衝突については、製造者は一切の責任を負わないものとします。車の運転者の注意力が散漫に
なる可能性があるため、移動中の車の中では絶対に製品を使用しないでください。事故の際に身体ま
たはその他への損傷を避けるために、製品を車中で適切に固定してください。
廃棄物処理/環境保全
1. 電池や蓄電池を地方自治体の廃棄物と一緒に処分せず、分別して収集しなければならない電池や蓄電
池が使用された機器であることが明記されています。これらは、適切な処理施設またはローデ・シュ
ワルツのサービスセンターを経由して処分しなければなりません。
2. 電気・電子機器は、一般廃棄物と一緒に処分せず、分別して収集する必要があります。
Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG は、環境にやさしい廃棄物の処理およびリサイクルに関するコン
セプトを策定しました。製品の廃棄処分については、ローデ・シュワルツのサービスセンターにご連
絡ください。
3. 製品または構成部品に対して本来の使用目的を超えて機械的処理または熱処理を行うと、有害な物質
(鉛、ベリリウム、ニッケルなどの重金属粉)が放出されることがあります。このため、専門的訓練
を受けた要員以外が製品を解体することはできません。適切に解体しないと、健康に害を与えること
があります。各国の廃棄物処理規則を遵守しなければなりません。
4. 特殊な方法で廃棄しなければならない有害物質や燃料、たとえば定期的な補給を必要とする冷却液や
エンジンオイルなどを生じる製品を取り扱う場合には、有害物質や燃料の製造者からの安全指示、お
よび、各地で適用されている廃棄物処理規則を遵守しなければなりません。また、製品資料に示され
ている安全規則も遵守してください。有害物質または燃料を適切に処理しないと、健康被害および環
境問題を引き起こす可能性があります。
環境保護について詳しくは、ローデ・シュワルツの web サイトを参照ください。
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R&S®UPP
目次
目次
ドキュメントの概要.............................................5
1
2 本機の操作.....................................................7
2.1 フロント・パネル............................................................7
2.2 リア・パネル...............................................................15
2.3 本機の操作.................................................................18
2.4 機能チェック...............................................................24
2.5 プリセット.................................................................24
2.6 Windows XP.................................................................26
2.7 外部モニタの接続...........................................................27
2.8 キーボードとマウスの接続...................................................29
2.9 オプションのインストール...................................................29
2.10 R&S UPP をネットワーク(LAN)に接続する....................................30
2.11 ファームウェアのアップデート...............................................46
2.12 Windows XP のリカバリとバックアップ........................................47
3 はじめに......................................................53
3.1 概要 - はじめに............................................................53
3.2 測定に関する重要事項.......................................................53
3.3 操作の概要.................................................................55
3.4 例を用いた本機の操作の概要.................................................67
3.5 定義済み機器設定のリコール.................................................85
4 マニュアル操作................................................87
4.1 概要-マニュアル操作.......................................................87
4.2 オーディオ・アナライザの機能...............................................88
4.3 操作に関する一般的な情報...................................................94
4.4 ディスプレイ...............................................................97
4.5 パネル....................................................................100
4.6 本機の設定................................................................106
4.7 パネルの設定..............................................................106
4.8 測定ディスプレイ..........................................................118
4.9 メニュー・バーの設定......................................................144
3 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
目次
4.10 ツールバーの設定..........................................................
4.11 オペレーティング・システムの設定..........................................151
4.12 Auxiliaries パネル........................................................151
4.13 出力の停止................................................................152
4.14 ヘルプ・システム..........................................................152
4.15 ファイル管理..............................................................155
4.16 マニュアル・リモート操作..................................................157
4.17 単位......................................................................159
4.18 キーの概要................................................................163
4.19 パネルおよび測定ディスプレイ(グラフィカル・ウィンドウ)の概要............166
4.20 ステータス・メッセージの概要..............................................169
150
索引.........................................................171
4 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
1 ドキュメントの概要
R&S UPP のユーザ・ドキュメントは以下のように構成されています。
●
クイック・スタート・ガイド
●
本体およびオプションのオペレーティング・マニュアル
●
サービス・マニュアル(英語のみ)
●
オンライン・ヘルプ
●
リリース・ノート
ドキュメントの概要
各ドキュメントの最新版は、弊社 web
schwarz.com/downloads/manuals/upp.html)。
クイック・スタート・ガイド
本機にはクイック・スタート・ガイド(印刷版)が付属しています。内容は、本機の設
定と操作に必要なもので、基本的な操作方法と測定方法を説明しています。クイック・
スタート・ガイドは 3 つの章に分かれています。
●
使用の準備
●
基本操作
●
マニュアル操作
オペレーティング・マニュアル
オペレーティング・マニュアルは付属の CD-ROM に収録されています。クイック・スタ
ート・ガイドの内容を補い、本機のすべての機能およびリモート制御に関する説明が記
載されています。さらに、R&S UPP 安全にご使用いただくための注意事項などの一般的
な情報も含まれています。また、本機のインタフェースやエラー・メッセージに関する
情報も記載されています。オペレーティング・マニュアルは以下の章に分かれていま
す。
●
本機の操作
●
基本操作
●
マニュアル操作
●
本機の機能
●
リモート制御 - 基本
●
リモート制御 - コマンド
●
本機の保守とインタフェース
ページに掲載されています(www.rohde-
サービス・マニュアル
英語版のサービス・マニュアルは付属の CD-ROM に収録されています。R&S UPP につい
て、モジュール交換を伴う保守作業や、機能拡張のためのオプション追加作業に必要な
情報が記載されています。サービス・マニュアルは以下の章に分かれています。
●
性能試験
●
調整
●
修理
5 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
●
ファームウェアのアップデート/オプションのインストール
●
資料
オンライン・ヘルプ
ドキュメントの概要
オンライン
作とリモート制御について説明します。オンライン・ヘルプはデフォルトで R&S UPP
にインストールされています。また、ドキュメント CD-ROM に独立したヘルプ機能とし
ても使用できる .chm ファイルが収録されています。
リリース・ノート
リリース・ノートには、ファームウェアのインストール方法、新機能や変更された機
能、解消された問題、ドキュメント内容の変更など、最新の変更情報を記載していま
す。対応するファームウェアのバージョンは、リリース・ノートの表紙に記載されてい
ます。リリース・ノートの最新版、弊社 web ページに掲載されています(www.rohde-
schwarz.com/downloads/firmware/upp.html)。
・ヘルプは、R&S UPP およびオプションの操作をサポートし、マニュアル操
6 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
フロント・パネル
2 本機の操作
R&S UPP オーディオ
・アナライザには、8 チャネル・モデルの R&S UPP 800、4 チャネ
ル・モデルの R&S UPP 400、2 チャネル・モデルの R&S UPP 200 の 3 つのモデルがあ
ります。これらのモデルには、ディスプレイ、フロント・パネルの操作キー、CD/DVD
ドライブが備わっていません。3 つのモデルは、チャネル数以外の機能は同一です。そ
のため説明は共通とします。
この章では、フロント・パネルとリア・パネルを参照しながら、オーディオ・アナライ
ザ R&S UPP のコントロール機能とポートについて説明し、本機の操作方法を説明しま
す。また、プリンタ、キーボード、マウス、モニタなどの周辺装置の接続についても説
明します。インタフェースの仕様についてはデータ・シートを参照してください。
3.1,「概要 - はじめに」 (53 ページ)では、オーディオ・アナライザの機能と操作
の概要を説明します。詳細な操作手順とメニューについては、 4.1,「概要-マニュア
ル操作」 (87 ページ)で説明します。
CD-ROM には、すべての章が揃ったマニュアルが PDF 形式で収録されています。本機の
メニューと機能および対応するリモート制御コマンドについては、「本機の機能」の章
のリファレンス・セクションに詳細説明があります。本機のリモート制御の基本的な情
報については、「リモート制御 - 基本」および「リモート制御 - コマンド」の各章で
説明します。本機のインタフェースの詳細については、「本機の保守とインタフェース」
の章で説明します。
オーディオ・アナライザは、Windows XP® オペレーティング・システムを搭載してい
ます。本機の操作には、オペレーティング・システムに関する特別な知識は必要ありま
せん。
ただし、Windows Explorer ® を使用したファイルやディレクトリの操作、データ移動
の方法といった基本的な PC の知識を有していることを前提としているので、詳細な説
明は省略します。
R&S UPP オーディオ・アナライザは、外付けしたキーボードやマウスを使用して操作し
ます。操作方法は、一般的な Windows プログラムと同様の基本規則に従っています。
ユーザがこれらの基本的な知識を有していることを前提としているので、本書ではそれ
らについての詳細な説明は省略します。
2.1 フロント・パネル
このセクションでは、
本機のフロント・パネルのコントロール機能およびコネクタの概
要を説明します。コネクタの仕様についてはデータ・シートを参照してください。
7 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
フロント・パネル
図 2-1: R&S UPP-B4 オプション(HDMI インタフェースおよびデジタル・オーディオ・インタフェース)を
1 = USB コネクタ
2 = デジタル・オーディオ/HDMI インタフェースまたはマルチチャネル・ジェネレータ
3 = アナログ・オーディオ・インタフェース
4 = LAN リセット・ボタン
5 = STANDBY ボタン
6 = ステータス LED
2.1.1 USB コネクタ
搭載した R&S UPP 400(4 チャネル・モデル)のフロント・パネル。R&S UPP 200(2 チャネ
ル・モデル)および R&S UPP 800(8 チャネル・モデル)のフロント・パネルも同様です。
タイプ A(ホスト)の USB 2.0 ポート(ユニバーサル・シリアル・バス)。
●
マウス、キーボード、プリンタなどの周辺装置の接続
●
USB メモリなどの補助記憶装置の接続
リア・パネルにも USB コネクタがあります。
2.1.2 デジタル・オーディオ・インタフェース
プロオーディオと民生機器のデジタル・オーディオ・インタフェース
注:
このインタフェースは、R&S UPP B2 オプション(デジタル・オーディオ・インタフェ
ース)を搭載した場合のみ使用できます。
DIGITAL OUT
SPDIF および AES/EBU フォーマットの BNC 出力と TOSLINK システムに準拠したオプ
ティカル出力。EMC クラス B に適合するためには、
二重シールド BNC ケーブルを使用
する必要があります。
8 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
フロント・パネル
DIGITAL IN
SPDIF および AES/EBU フォーマットの BNC 入力と TOSLINK システムに準拠したオプ
ティカル入力。EMC クラス B に適合するためには、
二重シールド BNC ケーブルを使用
する必要があります。
SYNC IN
同期入力のための BNC コネクタ。"デジタル・オーディオ"機器のジェネレータの外部
同期オプション "Sync To" = "Ext DARS"、"Ext Clock"、または "Ext Inv Clock" の
ジェネレータ機、および "Sync To" = "Extern Masterclk" または "Ext Wordclk" の
ジェネレータ機 "I2S" の BNC 同期入力。EMC クラス B に適合するためには、二重シ
ールド BNC ケーブルを使用する必要があります。
DIGITAL BAL
SPDIF および AES/EBU フォーマットのバランス信号の入出力を接続する 9 ピン DSub コネクタ。ピンの割り当てについては、ドキュメント CD-ROM に収録されたオペレ
ーティング・マニュアルに説明があります。EMC クラス B に適合するためには、
R&S UPP Z2 ケーブル・オプションを使用する必要があります。
I2S
I²S インタフェースの入出力ラインを接続するための 25 端子 D-Sub コネクタ。ピン
の割り当てについては、ドキュメント CD-ROM に収録されたオペレーティング・マニュ
アルに説明があります。EMC クラス B に適合するためには、R&S UPP Z3 ケーブル・オ
プションを使用する必要があります。
2.1.3 デジタル・オーディオ/HDMI インタフェース
プロオーディオと民生機器のデジタル・オーディオ・インタフェース
注:
このインタフェースは、
R&S UPP B4 オプション(HDMI およびデジタル・オーディオ・
インタフェース)を搭載した場合のみ使用できます。
DIGITAL OUT
SPDIF および AES/EBU フォーマットの BNC 出力と TOSLINK システムに準拠したオプ
ティカル出力。EMC クラス A に適合するためには、二重シールド BNC ケーブルを使用
する必要があります。
DIGITAL IN
SPDIF および AES/EBU フォーマットの BNC 入力と TOSLINK システムに準拠したオプ
ティカル入力。EMC クラス A に適合するためには、二重シールド BNC ケーブルを使用
する必要があります。
9 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
フロント・パネル
SYNC IN
同期入力のための BNC コネクタ。"デジタル・オーディオ"機器のジェネレータの外部
同期オプション "Sync To" = "Ext DARS"、"Ext Clock"、または "Ext Inv Clock" の
ジェネレータ機、および "Sync To" = "Extern Masterclk" または "Ext Wordclk" の
ジェネレータ機 "I2S" の BNC 同期入力。EMC クラス A に適合するためには、二重シ
ールド BNC ケーブルを使用する必要があります。
I2S
I²S インタフェースの入出力ラインを接続するための 26 端子 D-Sub コネクタ。ピン
の割り当てについては、
アルに説明があります。EMC クラス A に適合するためには、R&S UPP Z4 ケーブル・オ
プションを使用する必要があります。
SOURCE
HEAC をサポートする HDMI 1.4 ジェネレータ・ソケット。ビデオ・フォーマットは、
内部で生成することも、AUX IN ソケット経由で入力することもできます。オーディオ
信号は常に本機内で生成されます。EMC クラス A に適合するためには、最大 3 m の長
さの、多重シールドされ 2 つのフェライトを備えた適切な HDMI ケーブル(例:Würth
Elektronik 分割フェライト 722-712-21)を使用する必要があります。
ドキュメント CD-ROM に収録されたオペレーティング・マニュ
AUX IN
外部で生成されたビデオ信号用の入力ソケット。ビデオ・データは、内部で生成された
オーディオ情報フレームを除くすべての HDMI プロトコル・データおよび情報フレーム
とともに、内部で生成されたオーディオ・データと組み合わされ、SOURCE ソケットを
経由して出力されます。EMC クラス A に適合するためには、最大 3 m の長さの、多重
シールドされ 2 つのフェライトを備えた適切な HDMI ケーブル(例:Würth Elektronik
分割フェライト 722-712-21)を使用する必要があります。
HEC(SOURCE 側)
HEC RJ-45 ソケットでホーム・イーサネット・チャネルを分離します。下図に典型的な
使用状況を示します。本機に実装の HDMI 1.4 は、ホーム・イーサネット・チャネル
(HEC)に加えてオーディオ・リターン・チャネル(ARC)もサポートします。両方の信
号は専用のワイヤ・ペアで一緒に転送され、HEAC と呼ばれます。HDMI 1.4 準拠の送受
信モジュールは、これら 2 つの信号を伝送および分離することができます。HDMI 1.4
準拠のケーブルと、HEC をサポートする HDMI 1.4 準拠のレシーバを使用すると、イー
サネット機能をテストできます。EMC クラス A に適合するためには、二重シールドの
イーサネット・ケーブルを使用する必要があります。
10 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
フロント・パネル
SINK
HEAC をサポートする HDMI 1.4 アナライザのソケット。このインタフェースに入力さ
れたオーディオ信号とビデオ信号に対して、さまざまな測定機能を使用できます。EMC
クラス A に適合するためには、最大 3 m の長さの、多重シールドされ 2 つのフェラ
イトを備えた適切な HDMI ケーブル(例:Würth Elektronik 分割フェライト
722-712-21)を使用する必要があります。
AUX OUT
HDMI SINK ソケットに入力されたオーディオ信号とビデオ信号は、1:1 で AUX OUT 出
力に接続されます。この HDMI SOURCE にディスプレイ
ーバまたは Blu-ray プレーヤのユーザ・インタフェースを表示できます。EMC クラス
A に適合するためには、最大 3 m の長さの、多重シールドされ 2 つのフェライトを備
えた適切な HDMI ケーブル(例:Würth Elektronik 分割フェライト 722-712-21)を使
用する必要があります。
・デバイスを接続して、AV レシ
11 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
フロント・パネル
HEC(SINK 側)
HEC RJ-45 ソケットでホーム
・イーサネット・チャネルを分離します。下図に典型的な
使用状況を示します。本機に実装の HDMI 1.4 は、ホーム・イーサネット・チャネル
(HEC)に加えてオーディオ・リターン・チャネル(ARC)もサポートします。両方の信
号は専用のワイヤ・ペアで一緒に転送され、HEAC と呼ばれます。HDMI 1.4 準拠の送受
信モジュールは、これら 2 つの信号を伝送および分離することができます。HDMI 1.4
準拠のケーブルと、HEC をサポートする HDMI 1.4 準拠のソース・デバイスを使用する
と、イーサネット機能をテストできます。EMC クラス A に適合するためには、二重シ
ールドのイーサネット・ケーブルを使用する必要があります。
2.1.4 マルチチャネル・ジェネレータ
アナログ出力とデジタル出力を備えたジェネレータです。
注:
このインタフェースは、R&S UPP B8 オプション(マルチチャネル・オーディオ・ジェ
ネレータ)を搭載した場合のみ使用できます。
ANALOG OUT
8 つのアナログ出力のための D-Sub 25 ピン・ソケット。
オプション R&S UPP B8(マルチチャネル・オーディオ・ジェネレータ)のアクセサリ
である、
一方が D-Sub 25 ピン・コネクタで他方が 8 つの XLR コネクタに分岐してい
るブレイクアウト・ケーブル(R&S UP-Z8A オプション、オーダー番号はデータシート
を参照)を使用できます。
DIGITAL OUT
IEC 60958(不平衡)に準拠した S/P DIF フォーマットの 8 つの出力のための D-Sub
9 ピン・ソケット 。
オプション R&S UPP B8(マルチチャネル・オーディオ・ジェネレータ)のアクセサリ
である、一方が D-Sub 9 ピン・コネクタで他方が 5 つの BNC コネクタに分岐してい
るブレイクアウト・ケーブル(R&S UP-Z8D オプション、オーダー番号はデータシート
を参照)を使用できます。
2.1.5 アナログ・オーディオ・インタフェース
アナログ・ジェネレータ/アナライザの入出力コネクタ(XLR)。
12 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
フロント・パネル
図 2-2: R&S UPP。上から順に、R&S UPP800、R&S UPP400、R&S UPP200
不適切な入力電圧による本機の損傷のおそれ
本機は測定カテゴリ I に準拠しています。アナログ・アナライザのコネクタの入力電
圧が 50 V(実効値、正弦波)および 70 V(ピーク値)を超えないようにしてくださ
い。
本機を測定カテゴリ II、III、および IV で使用しないでください。
解説:テスト・カテゴリ I は、高電圧の主電源に直接接続されない回路で行われる測
定に対するカテゴリです(IEC/UL/CSA/61010-1 ‒ 6.7.4 を参照)
。
2.1.6
ANALOG OUT 1/2
2 チャネルのジェネレータ信号(XLR コネクタ)
ANALOG IN 1/2/3/4/5/6/7/8
R&S UPP の各モデルに対応した数のアナログ入力(XLR ソケット)
LAN リセット・ボタン
CASCADE/LAN RESET
LAN RESET ボタンには 3 つの機能があります。
●
R&S UPP のカスケード構成:
キーを短時間押した場合、
複数の UPP を組み合わせて 9 つ以上のアナログ・オー
ディオ・チャネルを備えた 1 つの測定ユニットとします。ユーザ・マニュアルを
参照してください。
●
LXI LAN デフォルト設定のリセット:
キーを 10 秒以上押した場合、LXI LAN のデフォルト設定をリセットし「DHCP +
AutoIP/VXI-11 検出」をオンにして、本機を再起動します。
13 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
フロント・パネル
●
Master PRESET:
Master PRESET を使用すると、
画面やモニタの構成を終了して操作可能な状態に戻
ります。本機をオフにした後、再度オンにします。ソフトウェアの起動が始まる
と、ANLR OVRG-LED が黄色で点灯します。この LED が点灯したら、すぐに LAN
RESET ボタンを押します。操作を受け付けると、この LED が点滅します。5 秒以
内に LAN RESET ボタンを再度押します。Master PRESET が実行され、解像度が
1024 x 768 ピクセルの外部モニタに変更され、出荷時のデフォルト設定に戻りま
す。
2.1.7 STANDBY ボタン
本機のオン/オフを切り替えます。あらかじめ、リア・パネルの AC 電源スイッチをオ
ンにしておく必要があります。本機がオンのときは、
イ・モードのときは、POWER LED が黄色です。
感電の危険
スタンバイ・モードのときは、本機に AC 電源が供給されています。
電源スイッチの操作を妨げることのないように本機を設置してください。
2.1.8 ステータス LED
POWER LED が緑色です。スタンバ
ERROR
●
LED が点灯:測定時にエラーが検出されました。
●
LED が点滅:カスケード構成時にエラーが検出されました。
REMOTE
本機はリモート制御モードであることを示します。
BUSY
測定の実行中、LED が点灯します。
14 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
リア・パネル
READY
本機の起動動作が終了し、
手動またはリモートにより動作準備完了であることを示しま
す。
POWER
●
黄色の LED:本機はスタンバイ・モードです。
●
緑色の LED:本機は動作状態です。
CASCADE
●
LED が点灯:本機はカスケード・モードです。
●
LED が点滅:本機はカスケード構成中です。
LAN
本機は LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)に接続されています。
GEN OVLD
●
黄色の LED:誤動作によりオーディオ・アナライザの出力がオフになりました。
●
赤色の LED:ジェネレータは ≥ 12 V 以上のピーク外部信号入力によってオーバー
ロード状態になり、高インピーダンスでオフになりました。
再度、出力をオンにするには、以下のいずれかの操作を実行します。
●
外部キーボードで CTRL+F12 を押す
●
STANDBY ボタンを押して、本機をオフにした後、再度オンにする
●
SCPI コマンド「OUTPut ON」を送信する
ANLR OVRG
●
赤色の LED:アナログ・オーディオ入力のどれかがオーバーロード状態です。信号
レベルが、現在の帯域幅に対して高すぎます。IF "帯域幅"外の信号が、測定範囲
を超過することがあります。
●
黄色の LED:アナログ・オーディオ入力のどれかがオーバーロード状態です。測定
結果が不正確または不安定になるおそれがあります。
2.2 リア・パネル
このセクションでは、本機のリア・パネルに搭載しているコネクタについて説明しま
す。コネクタの仕様についてはデータ・シートを参照してください。
図 2-3: リア・パネル
15 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
リア・パネル
1 = リモート制御コネクタ
2 = PC インタフェース
3 = カスケード接続用コネクタ
4 = BNC モニタ出力
5 = AC 電源コネクタ
2.2.1 リモート制御コネクタ
IEEE 488
本機のリモート制御用 IEC/IEEE(IEC 625/IEEE 488)バス・インタフェース
USB DEVICE
USB 2.0 インタフェース・タイプ B(デバイス USB)
2.2.2
PC インタフェース
DVI-D
本機に外部モニタを接続するための DVI-D コネクタ。適切にシールドされたフェライ
ト・スリーブ付のケーブルを使用することをお勧めします。
LAN
LAN インタフェース
●
オーディオ・アナライザのネットワークへの接続。例:本機を複数台組み合わせ
て、9 つ以上のアナログ・オーディオ・チャネルでの測定のためにカスケード接続
●
リモート・デスクトップを使用して、リモート・コンピュータからオーディオ・ア
ナライザのリモート制御
●
SCPI コマンドを用いて、コントローラからオーディオ・アナライザのリモート制
御
USB
タイプ A(ホスト)の USB 2.0 ポート(ユニバーサル・シリアル・バス)。
●
マウス、キーボード、プリンタなどの周辺装置の接続
●
USB メモリなどの補助記憶装置の接続
フロント・パネルにも USB コネクタがあります。
16 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
リア・パネル
2.2.3 カスケード接続用コネクタ
本機をカスケード接続する場合や、被測定物との接続に使用する接続ケーブルは、二重
シールドされた BNC ケーブルをお勧めします。
CLOCK IN
カスケード接続に使用します。前段の機器の CLOCK OUT に接続してください。
CLOCK OUT
●
カスケード接続に使用します。後段の機器の CLOCK IN に接続してください。
●
クロック出力レベルは 3.3 V です。
●
被測定物への接続に使用できます。
TRIGGER IN
カスケードに使用します。前段の機器の TRIGGER OUT に接続してください。
TRIGGER OUT
●
カスケードに使用します。後段の機器の TRIGGER IN に接続してください。
●
トリガ出力レベルは 3.3 V です。
●
被測定物への接続に使用できます。
2.2.4
BNC モニタ出力
本機の設定によって、BNC コネクタから出力される信号が決まります。
●
入力信号(最大 ± 5 V ピーク)
●
アナライザでフィルタリングされた信号(最大 ± 5 V ピーク)
●
DC レベル(最大 ± 5 V)
最大出力レベルは ± 5 V ピークです。
2.2.5 AC 電源コネクタ
AC 電源コネクタと主電源スイッチ
(シリアル番号:120100、140100、180100 以降)
17 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
本機の操作
オペレーティング・システムのシャットダウン
STANDBY ボタンを押してオペレーティング
・システムをシャットダウンしてから、電源
スイッチをオフにすることを強くお勧めします。シャットダウン前の POWER LED はオ
レンジ色です。
AC 電源コネクタ
本機を AC 電源に接続すると、
電源電圧に自動的に対応して動作します(電圧と周波数
の要件についてはラベルを参照)。電圧を手動で設定したり、ヒューズを交換する必要
はありません。
ヒューズ
AC 電源コネクタと電源スイッチの間にあるヒューズ・ホルダには 2 つのヒューズが格
納されています。ヒューズが回路を保護します。
電源スイッチ
電源スイッチの状態は、次の 2 つに設定することができます。
●
0: 本機は、AC 電源から完全に切り離されています。
●
1: 本機に電源が供給されています。フロント・パネルにある STANDBY ボタンに応
じて、本機はスタンバイ・モード(POWER LED が黄色)または動作モード(POWER
LED が緑色)になります。
2.3 本機の操作
以下のセクションでは、本機の操作、プリンタやモニタなどの外部デバイスの接続、ネ
ットワークへの接続について説明します。本機の操作に関する一般的な安全注意事項
も記載しています。
オプションのインストールの詳細については、 2.9,「オプションのインストー
ル」 (29
ページ)を参照してください。
ファームウェアのアップデートの詳細については、 2.11,「ファームウェアのアップデ
ート」 (46 ページ)を参照してください。
安全のための注意事項
使用者のけがや本機への損傷を防ぐために、以下のセクションの指示に従ってくださ
い。特に、
本機を初めて使用する場合には注意が必要です。本書の巻頭に示した安全注
意事項も参照してください。
18 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
本機の操作
2.3.1 パッケージ内容の確認
本機は、
各種アクセサリを同梱して出荷されます。次の手順に従って本機を梱包から取
り出してください。
1. 本機を箱から取り出し、納品書や付属品リストと照合して不足しているものがない
か確認してください。
2. 本機のリアのスタンド部からポリエチレン製の梱包保護材を外し、フロントのハン
ドルから梱包保護材をていねいに外します。
3. 本機リア部分を保護している段ボール・カバーを外します。
4. 本機フロントのハンドルを保護している段ボール・カバーを注意して外します。
5. 本機に損傷がないか点検します。損傷が見つかった場合は、直ちに弊社へ連絡くだ
さい。この場合、梱包箱と包装材を廃棄しないでください。
包装材
元の包装材は保管しておいてください。本機を輸送したり、出荷する場合に、元の包装
材を使用してコントロール機能やコネクタが損傷しないようにすることができます。
2.3.2 本機の設置
本機は屋内での使用を目的としています。ベンチ・トップに設置することも、19 イン
チ・ラックに収容して使用することもできます。
以下の条件を満たす場所に設置してください。
●
周囲温度は、データ・シートに記載された範囲内であること。
●
ファンの開口部と側面の通気孔が塞がれていないこと。壁面までの距離は 10 cm
以上必要です。
19 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
本機の操作
静電放電の危険
放電によって、本機のコンポーネントや接続された被測定物が損傷を受ける可能性があ
ります。
これを防止するために、本機は静電放電から保護された作業区域で使用してください。
静電放電から保護するために、以下の方法を個別または組み合わせて適用してくださ
い。
●
接地コード付きリストバンド
●
静電気対策床材
EMI 抑制
電磁干渉(EMI)を抑制するために、必ず筐体のカバーを取り付けた状態で操作してく
ださい。EMC クラスはデータ・シートに記載されています。
干渉を防ぐために、以下の条件を守ってください。
●
適切な二重シールドのケーブルを使用してください。
●
USB 接続ケーブルの長さは、1 m 以内のものを使用してください。
●
EMI の規制に適合する USB デバイスを使用してください。
●
出力およびケーブルは、50 Ω で終端してください。
●
デジタル・インタフェースには、ケーブル R&S UP-Z2、R&S UP-Z3、R&S UP-Z4 を
使用してください。
2.3.2.1 ベンチ・トップで使用する場合
R&S UPP は、水平に設置または下部のスタンドを伸ばして設置することができます。
20 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
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本機の操作
本機の操作
開いた脚部による負傷のおそれ
スタンドを完全に引き出していない場合やスタンドを引き出したまま本機を移動する
と、スタンドが折り畳まれてしまう場合があります。これは、けがや損傷の原因になり
ます。
本機の安定性と操作の安全を確保するために、スタンドは完全に引き出すか完全に折り
畳んでください。スタンドを引き出したまま本機を移動しないでください。スタンド
を引き出して使用しているときは、本機の下で作業したり物を置かないでください。
スタンドに過大な負荷がかかるとスタンドが破損する可能性があります。スタンドを
引き出して使用する場合、スタンドにかかる総重量が 500 N を超えないようにしてく
ださい。
2.3.2.2 ラックに収容する場合
19 インチ・ラックに収容する場合にはラック・アダプタが必要です。オーダー番号は
データ
・シートを参照してください。アダプタ・キットに取付説明書が添付されていま
す。
過熱による本機の損傷のおそれ
エアフローが不足すると、本機が過熱する原因になります。
ファンの開口部と通気孔が塞がれていないことを確認してください。また、
距離は 10 cm 以上必要です。
壁面までの
21 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
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本機の操作
本機の操作
2.3.3 R&S UPP と AC 電源の接続
本機の損傷のおそれ
本機の電源を投入する前に、本機の損傷を防ぐために以下の項目に注意してください。
●
本機の筐体が閉じていて、すべてのねじが固く締めてあること。
●
通風孔が遮られてなく、
エアフローが確保されていること。したがって壁面までの
距離は 10cm 以上取ってください。
●
本機に湿気がなく、結露がないこと。
●
本機は平面上に水平にして使用されること。
●
周囲温度はデータ・シートに指定されている範囲を外れていないこと。
●
入力される信号レベルは許容限度を超えていないこと。
●
本機は測定カテゴリ I に準拠しています。アナログ・アナライザのコネクタの入
力電圧が 50 V(実効値、正弦波)および 70 V(ピーク値)を超えないようにして
ください。本機を測定カテゴリ II、III、および IV で使用しないでください。
解説:
EN61010-1「Measuring category I」のセクション 6.7.4 で定義される測定回路で
す。
これは、高圧電流システムに接続されていない回路での測定を目的としています。
●
本機の出力が、オーバーロード状態ではないこと、適切な極性であることを確認す
る必要があります。
本機を AC 電源に接続すると、電源電圧に自動的に対応して動作します(電圧と周波数
の要件についてはラベルを参照)
はありません。
2.3.3.1 本機の電源投入
1. 付属の電源ケーブルを使用して、オーディオ・アナライザを AC 電源に接続しま
す。
R&S UPP は安全規格 EN61010-1 に適合するように設計されています。AC 電源の
接続に当たっては接地された端子を持つコンセントに接続します。
電源スイッチの状態は、次の 2 つに設定することができます。
●
0: 本機は、AC 電源から完全に切り離されています。
●
1: 本機に AC 電源が供給されています。電源スイッチを使用して、
状態からオンにすると起動プロセスが開始されます。フロント・パネルにある
STANDBY ボタンに応じて、本機はスタンバイ・モード(POWER LED が黄色)ま
たは動作モード(POWER LED が緑色)になります。
。電圧を手動で設定したり、ヒューズを交換する必要
本機をオフ
22 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
本機の操作
2. フロント・パネルにあるボタンは、本機のオンとオフを切り替えます。あらかじ
リア・パネルの AC 電源スイッチをオンにしておく必要があります。本機がオ
め、
ンのときは POWER LED が緑色になり、スタンバイ・モードのときは POWER LED が
黄色になります。
2.3.3.2 起動時の表示と R&S UPP のブート
●
モニタを接続していない場合
STANDBY ボタンを押して本機の電源をオンにすると、POWER LED はオレンジ色から
緑色に変わります。BUSY LED が点灯した後、READY LED が点灯します。ブート時
には、Windows XP オペレーティング・システム、本機のファームウェアの順に起
動します。本機のファームウェアの起動時にセルフテストを実行します。前回、電
源切断時に自動保存された本機の設定がリコールされます。起動処理が終了する
と、READY LED が点灯し、リモート制御により操作が可能になります。
●
モニタ、外部キーボード、マウスを接続した場合
電源を入れると、起動時の表示として、インストールされている BIOS バージョン
およびプロセッサの詳細が数秒間表示されます。
その後、Windows XP オペレーティング・システム、本機のファームウェアの順に
起動します。本機のファームウェアの起動時にセルフテストを実行します。前回、
電源切断時に自動保存された本機の設定がリコールされます。起動処理が終了す
ると、オーディオ・アナライザの画面が表示され、外部キーボードとマウスを使用
したマニュアル操作、またはリモート制御により本機の操作が可能になります。
2.3.3.3 R&S UPP の再起動
●
モニタを接続していない場合
STANDBY ボタンを押します。BUSY LED と READY LED が同時に消灯します。しば
らくすると、POWER LED が緑色からオレンジ色に変わります。もう一度、STANDBY
ボタンを押します。本機がスタンバイ状態になり、READY LED が再度緑色に点灯し
ます。
●
モニタ、外部キーボード、マウスを接続した場合
タイトル・バーの
アイコンをクリックするか、キーボードの ALT F4 を押し
て、オペレーティング・システムをシャットダウンせずに R&S UPP のファームウ
ェアを終了した場合、マウスを使用して以下の 2 通りの方法でプログラムを再起
動できます。
–
デスクトップの "R&S UPx firmware" アイコンをクリックする。
–
タスクバーの Start ボタンをクリックして "All Programs、
UPP" の順にフォルダを選択し、"R&S UPx firmware" アイコンをクリックする。
●
リモート制御の場合
「SYSTem:SHUTdown」コマンドを使用してオペレーティング・システムをシャットダ
ウンすることもできます。
Rohde & Schwarz、
23 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04
R&S®UPP
本機の操作
機能チェック
ソフトウェアのロックアップが発生した場合は、電源スイッチのオン/オフ操作と
STANDBY ボタンを押して再起動してください。外部モニタ、
外部キーボードとマウスを
使用している場合は、ショート・カット Ctrl+Alt+Del(再起動)を使用したウォーム・
スタートの実行や、緑色の矢印(Restart アイコン)のクリックを試してみることをお
勧めします。
2.3.3.4 電源の切断
データ損失のおそれ
オペレーティング・システムをシャットダウンせずに R&S UPP の電源を遮断すると、
データが損失するおそれがあります。これにより、
生する可能性があります。
本機の電源を切断する際には、SHUTDOWN ボタンまたはマウス操作によってオペレーテ
ィング・システムをシャットダウンしてください。オペレーティング・システムをシャ
ットダウンすることによって、開いているファイルをクローズすることができます。
●
モニタを接続していない場合
STANDBY ボタンを押します。BUSY LED と READY LED が同時に消灯します。POWER
LED が緑色からオレンジ色に変わります。必要に応じて、
る電源スイッチをオフにして、本機を AC 電源から完全に切断することができま
す。
●
モニタ、外部キーボード、マウスを接続した場合
–
Start、Shut Down、OK を選択、または赤い Shutdown アイコンをクリックしま
す。
–
ショート・カット Ctrl+Alt+Del、Shut down、OK
次回の電源投入に、起動エラーが発
本機のリア・パネルにあ
2.4 機能チェック
オーディオ・アナライザは、電源が投入されると、自動的に主要な機能の機能チェック
を実行します。
2.5 プリセット
●
モニタを接続していない場合
プリセットは、リモート制御コマンド(共通コマンド) *RST でのみ実行できま
す。
●
モニタ、外部キーボード、マウスを接続した場合
メニュー・バーを開いて、Preset (Load Default) を選択します。
24 クイック・スタート・ガイド 1411.1061.18 ─ 04