
R&S®RTM
デジタル・オシロスコープ
クイック・ガイド
(=55ÐB)
1305.0566.18 ─ 03
電子計測器
クイック・ガイド

このマニュアルでは、以下の R&S®RTM モデルについて説明します。
●
R&S®RTM1052 (1305.0008K52)
●
R&S®RTM1054 (1305.0008K54)
ローデ・シュワルツ製品のファームウェア開発には、さまざまなオープンソースソフトを使用しています。オープンソース開発者の
方々ならびにコミュニティ参加者の方々に、心よりの感謝とお礼を申し上げます。
詳細につきましては、同梱の CD-ROM に収録されている "Open Source Acknowledgement" をご参照ください。
© 2011 Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG
Muehldorfstr. 15, 81671 Munich, Germany
Phone: +49 89 41 29 - 0
Fax: +49 89 41 29 12 164
E-mail: info@rohde-schwarz.com
Internet: http://www.rohde-schwarz.com
Printed in Germany – お断りなしに記載内容の一部を変更させていただくことがあります。
あらかじめご了承ください。 R&S® は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG. の登録商標です。
R&S®RTM は、本書を通して R&S RTM と省略して記載されます。

基本的な安全指示
以下の安全指示を常に確認して遵守してください。
ROHDE & SCHWARZ 社では、弊社が提供する製品が常に最新の安全基準を満足し、お客様に対して最
善の安全性が提供できるよう、あらゆる努力をしております。弊社の製品およびそれらに必要な補助機
器は、対応する安全基準に従って設計され、試験されています。これらの安全基準に対する適合性は、
弊社の品質保証システムによって、常に確認されています。この製品は、EC Certificate of Conformity
(ヨーロッパ共同体適合証明)に従って設計・検査され、安全基準に完全に合致した状態で弊社の工場
から出荷されています。この状態を維持し、安全に動作させるためには、このマニュアルに示されてい
るすべての指示と注意事項を守ってください。安全指示についてご質問があれば、弊社の支店/営業所
にお問い合わせください。
さらに、使用者は、適切な方法で製品を使用しなければなりません。この製品は、産業環境やラボ環境、
または作業現場でのみ使用するよう設計されており、どのような場合であっても、個人の身体の安全や
資産を損なう可能性があるような方法で使用することはできません。指定されている目的を逸脱して製
品を使用したり、製造者の指示を守らなかったりした場合には、使用者が全責任を負うものとします。
このような状態で製品が使用された場合には、製造者は一切の責任を負わないものとします。
製品の資料に従い、処理能力の範囲内(データ・シート、資料、以下の安全指示参照)で製品が使用さ
れた場合には、製品は指定の目的で使用されたものとします。製品を使用するためには、技術的な能力
が必要とされ、英語が理解できなければなりません。したがって、製品は、適切な技術力を備えた専門
の要員、または必要な技術によって完璧な訓練を受けた要員によってのみ使用することが重要です。
ROHDE & SCHWARZ 社の製品を使用するにあたり、個人の安全を確保するための器具が必要な場合に
は、製品の資料のそれぞれの箇所に説明してあります。安全な場所で基本的な安全指示および製品の資
料を順守して、それらを今後のユーザにも伝えてください。
安全指示を守ることによって、危険な状態から生じる身体への傷害やあらゆる損傷を、できるかぎり回
避することができます。したがって、製品の操作を開始する前に、以下の安全指示をよく読み、厳守し
てください。また、資料の他の部分に示されている、身体の安全を確保するためのその他の安全指示に
も、必ず従ってください。これらの安全指示の中で、“製品”とは、計測器本体、システム、およびすべ
てのアクセサリを含め、ROHDE & SCHWARZ 社が販売し、提供しているすべての商品を示します。
マークおよび安全表示
注意、一般的な危
険個所
製品資料の遵守
重い装置を
扱う場合に
注意
感電の危険 警告!
高温面
PE端子 接地 接地端子 静電気に弱い
装置を扱う場合
に注意
ON/OFF
供給電圧
スタンバイ表示直流(DC) 交流(AC) 直/交流(DC/AC) 二重絶縁/絶縁強化に
よって完全に保護されて
いる装置
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基本的な安全指示
タグと表示内容
以下の警告表示は、リスクや危険を警告するために製品資料で使用されています。
回避しなければ、死亡または重傷を負う可能性がある危険な状態を示してい
ます。
回避しなければ、死亡または重傷を負う可能性もある危険な状態を示してい
ます。
回避しなければ、軽度または中程度の負傷を負う可能性もある危険な状態を
示しています。
不適切な操作を行うと製品を損傷する可能性があることを示しています。
製品資料では、ATTENTION が同じ意味として使用されています。
これらのタグは、欧州経済圏の一般市場で使用されている標準的な定義に従って表示されています。他
の経済圏または軍事的に利用する場合は、標準の定義とは異なることもあります。したがって、ここで
説明されているタグは、常に、対応する製品資料および対応する製品に関連してのみ使用されているこ
とを確認してください。対応していない製品や対応していない資料に当てはめてタグを使用すると、誤っ
て解釈し、その結果、身体の安全を損なったり、製品に損傷を与えたりすることがあります。
操作状態と操作位置
製品は、製造者によって指定された操作条件下で、指定の位置でのみ使用することができます。使用中
は、換気が妨げられないようにしなければなりません。製造者の仕様を遵守しないと、感電、火災、ま
たは重傷や死亡を招く可能性があります。該当する地域または国内における安全指示および事故防止の
規制をすべての実施作業において遵守する必要があります。
別段の指定がないかぎり、ROHDE & SCHWARZ 社の製品には、次の必要条件が適用されます。
所定の動作位置では、必ず、ケースの底が下方に向いていること、IP 保護 2X、公害重大度 2、過
電圧カテゴリ 2、密閉された場所でのみ使用すること、最大動作高度は海抜 2000 m、最大運搬光
度は海抜 4500 m。公称電圧に対しては ±10 %、公称周波数に対しては ±5 % の許容範囲が適用さ
れるものとします。
重量や安定性の理由から製品の設置に適していない面、乗物、キャビネット、またはテーブルに製品を
置かないでください。製品を設置し、物体や構造物(壁、棚など)に固定するときには、必ず、製
造者の設置指示に従ってください。製品資料で説明されているとおりに設置しないと、身体への障
害または死亡の可能性があります。
ラジエータやファンヒータなど、熱を発生する装置の上に製品を置かないでください。周囲温度が製品
資料またはデータシートで指定されている最高温度を超えることはできません。製品がオーバーヒー
トすると、感電、火災、または重傷や死亡を招く可能性があります。
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基本的な安全指示
電気保安
電気保安情報の必要な範囲内すべてを遵守しないと、感電、火災、または身体への重度の傷害や死亡を
招く可能性があります。
1. 製品の電源を入れる前に、製品の公称電圧の設定と、AC 電源ネットワークの公称電圧とが一致し
ているか確認しなければなりません。別の電圧を設定しなければならない場合には、それに対応し
て、製品の電源ヒューズを交換する必要が生じることもあります。
取り外しのできる電源コードとコネクタのついた安全クラス I の製品の場合には、接地端子と PE 接
地のあるソケットでのみ、操作することができます。
給電ラインや製品本体の接地は、絶対に切断しないでください。接地を切断した場合、製品に感電する
危険があります。延長コードやコネクタのストリップを使用している場合には、安全に使用できる
かどうか、定期的に点検しなければなりません。
製品に、AC 電源から切断するための電源スイッチがない場合には、接続ケーブルのプラグが切断装置
とみなされます。この場合には、電源プラグが簡単に手の届く位置にあり、いつでも操作できるよ
うにしなければなりません。(接続ケーブルの長さは約 2 m です。)AC 電源ネットワークから切
断する場合、機能的スイッチや電子式スイッチは適切ではありません。電源スイッチのついていな
い製品をラックに取りつけたり、システムに組み込んだりする場合には、システムレベルで切断装
置を準備しなければなりません。
電源ケーブルが破損している場合には、絶対に製品を使用しないでください。正しい操作条件下にある
かどうか電源ケーブルを定期的に点検してください。適切な安全対策を講じ、慎重に電源ケーブル
を設置することによって、ケーブルが破損しないよう、また、ケーブルにつまずいたり、感電した
りしてけがをすることがないようにしてください。
製品は、最大 16 A のヒューズが取りつけられた TN/TT 電源ネットワークからのみ、操作することが
できます(高いヒューズは ROHDE & SCHWARZ 社に相談後のみ)。
プラグをほこりがついていたり、汚れたりしているソケットに差し込まないでください。プラグは、ソ
ケットの奥までしっかりと差し込んでください。プラグが十分に差し込まれていないと、火花が出
たり、火災の原因になったり、けがをしたりすることがあります。
ソケット、延長コード、またはコネクタのストリップをオーバロード状態にしないでください。火災や
感電の原因になる可能性があります。
Vrms > 30 V の電圧の回路を測定する場合には、あらゆる危険を避けるために、適切な手段(適切な計
測器、ヒューズ、電流制限器、電気分離、絶縁など)を講じる必要があります。
PC または他の産業用コンピュータなどの IT 機器との接続が、どの場合においても、標準規格 IEC
60950-1/EN 60950-1 または IE C61010-1/EN 61010-1 に準拠していることを確認してください。
製品を操作しているときには、絶対に、カバーをはずしたり、ケースの一部をはずしたりしないでくだ
さい。回路や構成部品が露出し、けがをしたり、火災の原因になったり、製品が損傷したりするこ
とがあります。
固定位置に製品を設置する場合には、最初に設置場所の PE 端子と製品の PE コンダクタを接続し、
そのあとで他の接続を行わなければなりません。製品は、熟練の電気技師によってのみ、設置し、
接続することができます。
ヒューズ、サーキット・ブレーカ(回路遮断器)、または同様の保護装置が組み込まれていない機器を
固定して設置する場合には、使用者や製品をけがや損傷から適切に保護できるような方法で、電源
回路を保護しなければなりません。
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基本的な安全指示
適切な過電圧保護機能を使用し、雷雨によって生じるような過電圧が、製品に達しないようにしてくだ
さい。高圧保護機能がないと、操作要員に感電の危険が及ぶ可能性があります。
設計が意図していないかぎり、どのような物もであっても、ケースの開口部に差し込まないでください。
製品内部が短絡状態になり、感電したり、火災の原因になったり、けがをしたりすることがありま
す。
別段の記載がないかぎり、製品は防水ではありません。(「操作状態と操作位置」セクションの項目 0
も参照してください。したがって、機器を水滴の浸入から保護する必要があります。)必要な予防
策を取らないと、感電する危険が生じたり、製品に損傷を与えたり、その結果、身体への損傷を招
く可能性があります。
低温の環境から暖かい環境へと製品を移動した場合など、製品の内外に結露が生じている状態、あるい
は生じる可能性があるような条件下では、絶対に製品を使用しないでください。水の浸入は感電の
危険性が増します。
電源(AC 供給ネットワークまたはバッテリなど)と製品の接続を完全に外してから、製品を掃除して
ください。柔らかく、糸くずの出ない布を使用して製品を掃除してください。アルコール、アセト
ン、またはセルロースラッカー用の希釈剤などの化学洗剤を使用しなでください。
操作
1. 製品を操作するためには、専門的な訓練と高度な集中力が必要です。製品を使用する要員が、肉体
的、精神的、および情緒的見地から、製品の操作に適切かどうか確認してください。不適切な場合
には、けがまたは製品への損傷の可能性があります。製品の操作に適した要員を選択することは、
雇用者/運営担当者の責務です。
「輸送」セクションを確認して遵守しながら、製品の移動および輸送を行います。
すべての工業製品同様、通常、ニッケルなど、アレルギー症状を引き起こす物質(アレルゲン)の使用
を避けることはできません。ROHDE & SCHWARZ 社の製品を使用して皮膚に発疹ができたり、く
しゃみが頻発したり、目が充血したり、または呼吸困難な状態など、アレルギー症状が現れた場合
には、すみやかに医者に相談し、原因を確認して、健康上の問題またはストレスを予防してくださ
い。
製品の機械的処理、熱処理、または解体前に、「値の入力 − パラメータの設定」セクションの項目1
を必ず確認して注意を払ってください。
RF 無線設備など、特定の製品の機能によっては、高レベルな電磁放射が生じる可能性があります。胎
児に対しては保護を強化する必要があるため、妊婦は適切な方法で保護する必要があります。また、
電磁放射は、ペースメーカを使用している人に対しても危険を及ぼす可能性があります。雇用者/
運用担当者は、電磁放射を被ばくする危険性の高い仕事場を調査し、必要に応じて、潜在的な危険
を回避するための方策を講じる必要があります。
火災が発生した場合には、健康に害を与える恐れのある有毒物質(気体、液体など)が製品から流出す
る可能性があります。したがって、防護マスクや防護服の装着など、適切な対策を講じる必要があ
ります。
ROHDE & SCHWARZ 社の製品にレーザ製品(CD/DVD ドライブなど)が組み込まれている場合には、
製品資料で説明されている設定や機能以外は使用しないでください。これは身体への損傷(レーザ
光線などによる)を防ぐためです。
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基本的な安全指示
修理とサービス
1. 製品は、専門的訓練を受けた資格のある要員以外が開くことはできません。製品に対して作業をす
る場合、あるいは製品を開く場合には、事前に、製品を AC 供給ネットワークから切断しておかな
ければなりません。切断しておかないと、要員に感電の危険が及ぶ可能性があります。
ROHDE & SCHWARZ 社から許可された電気技師以外が、調整、部品の交換、保守、および修理を行う
ことはできません。安全性に関わる部品(電源スイッチ、電源トランス、ヒューズなど)を交換す
る場合には、オリジナルの部品以外を使用することはできません。安全性に関わる部品を交換した
場合には、必ず、安全テスト(外観検査、PE コンダクタ・テスト、絶縁抵抗測定、漏えい電流測
定、機能テスト)を行わなければなりません。これにより製品の安全を引き続き確保します。
バッテリと蓄電池
バッテリと蓄電池に関する情報の必要な範囲内すべてを遵守しないと、破裂や火災の発生、または重傷
や死亡の可能性があります。アルカリ性のバッテリおよび蓄電池(リチウム電池など)は、標準規格EN
62133に従って処理する必要があります。
1. 電池を分解したり、または破壊したりしないでください。
2. 電池またはバッテリを熱や火に近づけないでください。日光が直接当たる場所への保管を避けてく
ださい。電池およびバッテリを清潔で乾いた状態で保管してください。乾いた清潔な布でコネクタ
の汚れを取り除いてください。
3. 電池またはバッテリを短絡させないでください。互いに短絡を起こしたり、他の伝導体により短絡
が引き起こされるため、電池またはバッテリを箱や引き出しに保管しないでください。電池および
バッテリを使用する時まで元の梱包から取り出さないでください。
4. 電池およびバッテリを子供の手の届かない所に保管してください。電池またはバッテリを飲み込ん
だ場合には、すみやかに医者に相談してください。
5. 許容範囲外の強い機械的衝撃を電池およびバッテリに与えてはいけません。
6. 電池から液体が漏れている場合、その液体が皮膚または目に直接触れないようにしてください。触
れてしまった場合には、十分な水でその部分を洗い、医者に相談してください。
7. アルカリ性の蓄電池またはバッテリ(リチウム電池など)は正しく交換しないと、破裂する可能性
があります。製品の安全性を確保するために、ROHDE & SCHWARZ 社のタイプに一致する電池ま
たはバッテリ(部品リストを参照してください)とのみ交換してください。
電池およびバッテリをリサイクルして、残留廃棄物とは区別してください。鉛、水銀、およびカドミウ
ムを含む蓄電池および通常のバッテリは有害廃棄物です。廃棄物処理およびリサイクルに関する国
内の規則を遵守してください。
輸送
1. 製品は非常に重いため、慎重に扱う必要があります。一部では、背中や体のその他の部分の損傷を
避けるため、製品の持ち上げまたは移動には適切な方法(リフトトラックなど)が必要になります。
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基本的な安全指示
2. 製品の取っ手は、操作要員が製品を運ぶ目的でのみ設計されています。したがって、クレーン、フォー
クリフト、自動車などの輸送手段に製品を固定するために取っ手を使用することはできません。輸
送または持ち上げる際に製品をしっかりと固定する場合、使用者が責任を負います。輸送または持
ち上げの際は、製造者の安全規則を遵守してください。規則に従わない場合には、身体または製品
への損傷を招く可能性があります。
車中で製品を使用する場合には、車の安全な運転については、運転者が全責任を負うものとします。事
故や衝突については、製造者は一切の責任を負わないものとします。車の運転者の注意力が散漫に
なる可能性があるため、移動中の車の中では絶対に製品を使用しないでください。事故の際に身体
またはその他への損傷を避けるために、製品を車中で適切に固定してください。
廃棄物処理
1. 製品または構成部品に対して本来の使用目的を超えて機械的処理または熱処理を行うと、有害な物
質(鉛、ベリリウム、ニッケルなどの重金属粉)が放出されることがあります。このため、専門的
訓練を受けた要員以外が製品を解体することはできません。適切に解体しないと、健康に害を与え
ることがあります。各国の廃棄物処理規則を遵守しなければなりません。
2. 特殊な方法で廃棄しなければならない有害物質や燃料、たとえば定期的な補給を必要とする冷却液
やエンジンオイルなどを生じる製品を取り扱う場合には、有害物質や燃料の製造者からの安全指示、
および、各地で適用されている廃棄物処理規則を遵守しなければなりません。また、製品資料に示
されている安全規則も遵守してください。有害物質または燃料を適切に処理しないと、健康被害お
よび環境問題を引き起こす可能性があります。
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R&S®RTM
目次
目次
1 はじめに.......................................................5
1.1 主な機能....................................................................5
1.2 ドキュメントの概要..........................................................5
1.3 本書の表記について..........................................................6
1.3.1 文字体裁....................................................................6
2 使用の準備.....................................................7
2.1 パッケージ内容の確認........................................................7
2.2 本機の設置..................................................................7
2.2.1 ベンチトップで使用する場合..................................................8
2.2.2 ラックに取り付ける場合......................................................8
2.3 本機の起動..................................................................9
2.3.1 電源の投入..................................................................9
2.3.2 電源のオン/オフ............................................................9
2.3.3 電源の切断.................................................................10
2.3.4 EMI の抑制.................................................................10
2.4 外部デバイスの接続.........................................................11
3 本機の詳細....................................................12
3.1 フロント・パネル...........................................................12
3.1.1 SETUP コントロール.........................................................13
3.1.2 MEASURE キー...............................................................14
3.1.3 NAVIGATION コントロール....................................................14
3.1.4 ANALYZE キー...............................................................15
3.1.5 TRIGGER コントロール.......................................................16
3.1.6 HORIZONTAL コントロール....................................................17
3.1.7 VERTICAL コントロール......................................................18
3.1.8 SEARCH キー................................................................20
3.1.9 入力チャネル...............................................................21
3.1.10 フロント・コネクタ.........................................................22
3.2 リア・パネル...............................................................22
4 本機の試験使用................................................25
3クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03

R&S®RTM
目次
4.1 基本信号の表示.............................................................25
4.2 マーカを使用したディスプレイのズーム表示...................................26
4.3 基本的な測定結果の表示.....................................................27
4.4 カーソル測定の実行.........................................................29
4.5 演算機能の使用.............................................................31
4.6 測定結果の印刷.............................................................34
4.7 データの保存...............................................................35
5 本機の操作....................................................36
5.1 ディスプレイに関する情報...................................................36
5.2 波形の操作.................................................................38
5.3 機能へのアクセス...........................................................38
5.4 データの入力...............................................................40
5.5 ヘルプの利用...............................................................42
6 本機の設定....................................................43
6.1 基本的な設定...............................................................43
6.2 セルフ・アライメントの実行.................................................43
6.3 パッシブ・プローブの校正...................................................44
7 保守..........................................................46
7.1 クリーニング...............................................................46
7.2 保管と梱包.................................................................46
7.3 ヒューズの交換.............................................................47
7.4 データのセキュリティ.......................................................47
索引..........................................................48
4クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03

R&S®RTM
はじめに
主な機能
1 はじめに
1.1 主な機能
R&S RTM は、優れた測定性能と実用的な機能を備えたオシロスコープです。
●
低ノイズのフロントエンド
●
クロストークを防止する優れたチャネル・アイソレーション
●
1mV/div の分解能でも最大の帯域幅で測定
以下の機能や設定を使用して、R&S RTM を簡単かつ効率よく操作できます。
●
高解像度の 8.4 インチ・カラー・ディスプレイ
色によるチャネル識別
●
スマートなメニュー構造
●
十分な回数の Undo/Redo 機能
●
ワンボタンで、スクリーン・ショットを取得
●
高速起動システム
●
コンパクトなデザイン
R&S RTM は、一般的な測定機能に加えて、信号のデバッグや解析を行う際に必要な測定
結果を迅速に得ることができる独自の機能を備えています。
●
高速測定: ワンボタンで主要な測定結果を取得できます。
●
高機能なカーソル測定: 拡張機能により、すばやく簡単にカーソルを配置すること
ができます。
●
捕捉モード: デシメーション・モード(サンプル、ピーク、高分解能)と波形表示
(エンベロープ、平均、スムージング)を任意に組み合わせることができます。
●
スムージング: 非周期性信号を平滑化します。
詳しい仕様についてはデータ・シートを参照してください。
1.2 ドキュメントの概要
R&S RTM のユーザ・ドキュメントは以下のように構成されています。
●
本機のオンライン・ヘルプ・システム
●
クイック・ガイド(印刷物)
●
以下を収録したドキュメント CD-ROM
–
クイック・ガイド
–
User Manual
–
データ・シートおよび製品カタログ
–
R&S サイト内の有益なページへのリンク集
5クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03

R&S®RTM
はじめに
本書の表記について
オンライン・ヘルプ
オンライン・ヘルプは本機のファームウェアに組み込まれています。オンライン・ヘル
プでは、ソフトキーおよびフロント・パネルの制御について、状況に応じた説明がすみ
やかに表示されます。
クイック・ガイド
このマニュアルは印刷物として本機に付属しており、ドキュメント CD-ROM に PDF 形
式で収録されています。このマニュアルには、本機の設定と操作に必要な情報が記載さ
れています。このマニュアルでは、基本的な操作および一般的な測定例について説明し
ています。さらに、安全にご使用いただくための注意事項などの一般的な情報も含まれ
ています。
User Manual
User Manual は、本機に付属するドキュメント CD-ROM に、印刷可能な PDF 形式で収
録されています。このマニュアルでは、本機の全機能について詳しく説明しています。
さらに、リモート制御の概要と、リモート制御コマンドの詳細な説明がプログラミング
例を添えて示されています。保守、装置のインタフェース、エラー・メッセージに関す
る情報も含まれています。
1.3 本書の表記について
この章では、本書で使用される表記について説明します。
1.3.1 文字体裁
本書では、次のテキスト書式を使用しています。
表記 説明
"Graphical user interface elements" ダイアログ・ボックスや、メニュー、オプション、
KEYS キー名は大文字で表記します。
File names, commands, program code
Input
Links
ボタン、ソフトキーなどのグラフィカル・ユーザ・
インタフェースの名前はクォーテーション・マーク
で囲みます。
ファイル名、コマンド名、プログラムコード、スク
リーン表示文字などは、 このフォントで表記しま
す。
ユーザが入力する内容は、イタリック体で表記しま
す。
クリックできるハイパーリンクは、青いフォントで
表記します。
"References" 参照は、クォーテーション・マークで囲みます。
6クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03

R&S®RTM
使用の準備
パッケージ内容の確認
2 使用の準備
このセクションでは、R&S RTM を初めて使用する際の基本的な手順について説明しま
す。
本機への損傷の危険
一般的な安全注意事項には、本機の損傷を防止するための操作条件についても記載して
います。本機のデータ・シートに、その他の操作条件が記載されている場合がありま
す。
2.1 パッケージ内容の確認
次の手順に従って本機を梱包から取り出し、不足しているものがないか確認してくださ
い。
1. 本機のリアのスタンド部からポリエチレン製の梱包保護材を外し、フロントのハン
ドルから梱包保護材をていねいに外します。
2. 本機リア部分を保護している段ボール・カバーを外します。
3. 本機フロントのハンドルを保護している段ボール・カバーを注意して外します。
4. 納品書や付属品リストと照合して不足しているものがないか確認してください。
5. 本機に損傷がないか点検します。損傷が見つかった場合は、直ちに弊社へ連絡くだ
さい。梱包箱と包装材は廃棄しないでください。
包装材
元の包装材は保管しておいてください。本機を輸送したり、出荷する場合に、元の包装
材を使用してコントロール機能やコネクタが損傷しないようにすることができます。
2.2 本機の設置
本機は、ベンチトップに設置するかまたはラックに収容して、ラボ環境での使用を目的
として設計されています。
7クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03

R&S®RTM
使用の準備
本機の設置
けがの危険性
本機は奥行きが小さいため、本機の上に機器を積み重ねて使用するようには設計されて
いません。使用者のけがや機器の破損を避けるため、本機をラックに設置することをお
勧めします。
2.2.1 ベンチトップで使用する場合
本機をベンチトップで操作する場合には、平らな面に設置してください。本機は底部の
支持脚を延長して、水平な姿勢で使用します。
傷害の危険
スタンドを引き出したまま本機を移動すると、スタンドが折り畳まれてしまうことがあ
ります。本機を安定させるため、また作業者の安全を確保するためにも、スタンドは完
全に引き出すか、完全に折り畳んでください。けが防止のため、スタンドを引き出した
まま本機を移動しないでください。
けがや損傷の原因になりますので、スタンドを引き出して本機を使用しているときは、
本機の下で作業したり本機の下に物を置いたりしないでください。
スタンドに過大な重量がかかると、スタンドが破損する場合があります。伸ばした状態
で脚部にかかる総重量が、200 N を超えないようにしてください。
2.2.2 ラックに取り付ける場合
本機は、ラック・アダプタ・キットを使用してラックに取り付けることができます(キ
ットのオーダー番号についてはデータシートを参照)。アダプタ・キットに取り付け説
明書が添付されています。
本機への損傷の危険
ラックに取り付ける場合は、ファンの開口部が塞がれてなく、通風孔も遮られていない
ことを確認してください。本機の過熱を防止するためにも注意してください。
8クイック・ガイド 1305.0566.18 ─ 03

R&S®RTM
使用の準備
本機の起動
2.3 本機の起動
本機への損傷の危険
本機の電源を入れる前に、次の条件が満たされていることを確認してください。
●
本機の筐体が閉じていて、すべてのねじが固く締めてあること。
●
ファンの開口部が塞がれてなく、通風孔も遮られていないこと。壁面までの距離
は 10cm 以上取ってください。
●
本機に湿気がなく、結露がないこと。
●
本機は平面上に水平にして使用されること。
●
周囲温度はデータ・シートに指定されている範囲を外れていないこと。
●
入力コネクタから入力される信号レベルがすべて指定範囲内にあること。
●
信号出力が適切に接続され、オーバロード状態になっていないこと。
以上の条件が守られていないと、本機あるいは試験システムの他の装置にも損傷を与え
る可能性があります。
2.3.1 電源の投入
R&S RTM は AC 電源に接続するコネクタが実装されています。本機は何通りかの AC 電
源電圧に自動的に対応して動作します。この電圧と周波数の要件についてはデータシー
トを参照ください。
感電の危険
本機の筐体は開けないでください。本機の通常操作時には、筐体を開ける必要はありま
せん。このマニュアルの冒頭に示した安全注意事項および規則を参照してください。
AC 電源コネクタと主電源スイッチは、本機のリア・パネルに配置されています。
1. 本機に付属の AC 電源ケーブルを使用して、本機を AC 電源に接続します。
2. リア・パネルの AC 電源スイッチの "I" 側を押します。
AC 電源を常時オンにしておくと、直前の設定を保持することができます。本機を電源
から完全に切断する必要がある場合のみ、主電源スイッチを切る必要があります。
2.3.2 電源のオン/オフ
POWER スイッチは、フロント・パネルの左下にあります。
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R&S®RTM
使用の準備
本機の起動
電源のオン
1. R&S RTM が AC 電源に接続され、リア・パネルの主電源スイッチが I の位置にあ
ることを確認します。
2. フロント・パネルの POWER キーを押します。
はじめにシステム・チェックが実行され、その後 R&S RTM ファームウェアが起動
します。フロント・パネルの内照キーが点灯します。本機は、前回の設定状態を保
持して起動します。
電源のオフ
►
POWER キーを押します。
現在の設定がすべて保存され、ソフトウェアが終了します。
2.3.3 電源の切断
本機を電源から完全に切断する必要がある場合のみ、主電源スイッチを切る必要があり
ます。
1. フロント・パネルの POWER キーを押し、電源をオフにします。
2. リア・パネルの AC 電源スイッチの "0" 側を押します。
3. AC 電源から AC 電源ケーブルを取り外します。
データ損失の危険
本機の動作中にリア・パネルの電源スイッチを押したり電源コードを取り外して電源か
ら切断すると、本機から現在の設定が失われます。さらに、プログラム・データも失わ
れる可能性があります。
必ず POWER キーを使用して、アプリケーションを正しく終了してください。
2.3.4 EMI の抑制
電磁妨害(EMI; Electromagnetic Interference)の影響を抑制するために、筐体のカ
バーをすべて装着した状態で操作してください。EMI 適合クラスは、本機のデータ・シ
ートを確認してください。
操作時に電磁妨害の影響を抑制するには、適切にシールドされたケーブルを使用しま
す。以下のコネクタ・タイプは特に注意が必要です。
●
信号ケーブル: シールド・ケーブル(同軸ケーブル、RG58/U)を使用します。グラ
ンドを正しく接続する必要があります。シグナル・ジェネレータと接続する場合
は、必ず二重シールドのケーブル(RG223/U、RG214/U)を使用し、ケーブルの長さ
はできる限り短くしてください。
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R&S®RTM
使用の準備
外部デバイスの接続
●
USB: 二重シールドされた USB ケーブルを使用し、接続する USB デバイスが EMC
規格に適合していることを確認してください。
●
GPIB(IEEE/IEC 625): 二重シールドされた GPIB ケーブルを使用してください。
●
LAN: CAT6 または CAT7 ケーブルを使用してください。
各コネクタ・タイプのコネクタ、ケーブル、ケーブル長に関する要件も順守してくださ
い。マニュアルで特に指定されていない場合、ケーブル長は 3m 未満とし、屋外ではケ
ーブルを使用しないでください。
2.4 外部デバイスの接続
外部デバイス用に以下のインタフェースが用意されています。
●
USB コネクタ。 3.1.10,「フロント・コネクタ」 (22 ページ) も参照してくださ
い。
●
モニタ・コネクタ。 3.2,「リア・パネル」 (22 ページ) も参照してください。
USB デバイスの接続
フロント・パネルおよびリア・パネルの USB インタフェースを使用して USB メモリ
を R&S RTM に接続すると、ファームウェアのアップデートなどコンピュータとのデー
タのやり取りや、測定結果を印刷のためにプリンタへのデータ転送を簡単に行うことが
できます。
すべての USB デバイスは、本機が動作中でも接続したり外したりすることができます。
USB メモリやプリンタが接続されると、本機は速やかに検出します。
外部モニタの接続
外部モニタは、本機のリア・パネルにある DVI-D コネクタに接続します。適切なアダ
プタを使用して、VGA モニタを接続することもできます。
モニタの接続
モニタを接続する前に、本機のスイッチがオフになっていることを確認してください。
本機のスイッチがオンのまま接続すると、正常に動作しません。
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