Rohde&Schwarz R&S®FSVA and R&S®FSV Quick Start Guide Getting started

®
R&S
FSVA/FSV シグナル・スペクトラム・ アナライザ
クイック・スタート・ガイド
(=ENÐB)
電子計測器
クイック・スタート・ガイド
本書では、ファームウェア・バージョン 3.00 以降の R&S FSVA/FSV 各モデルにつ いて説明します。
R&S®FSVA4(1321.3008K05)
R&S®FSVA7(1321.3008K08)
R&S®FSVA13(1321.3008K14)
R&S®FSVA30(1321.3008K31)
R&S®FSVA40(1321.3008K41)
R&S®FSV4(1321.3008K04)
R&S®FSV7(1321.3008K07)
R&S®FSV13(1321.3008K13)
R&S®FSV30(1321.3008K30)
R&S®FSV40(1321.3008K39/1321.3008K40)
また、本書は以下の R&S®FSV 各モデルにも適用されますが、 1.5,「R&S FSV
1307.9002Kxx モデルの注意」 (13 ページ)で説明する相違点に注意してくださ
い。
R&S®FSV3(1307.9002K03)
R&S®FSV7(1307.9002K07)
R&S®FSV13(1307.9002K13)
R&S®FSV30(1307.9002K30)
R&S®FSV40(1307.9002K39/1307.9002K40)
本製品に同梱されているソフトウェアでは、重要なオープンソース・ソフトウェア・パッケージを複数使 用しています。詳細につきましては、同梱の CD-ROM に収録されている「Open Source Acknowledgment」 をご参照ください。 ローデ・シュワルツは、オープン・ソース・コミュニティのエンベデッド・コンピューティングへの多大 な貢献に対して謝意を表します。
© 2016 Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG Mühldorfstr. 15, 81671 München, Germany Phone: +49 89 41 29 - 0 Fax: +49 89 41 29 12 164 E-mail: info@rohde-schwarz.com Internet: www.rohde-schwarz.com お断りなしに記載内容の一部を変更させていただくことがあります。 あらかじめご了承ください。 R&S® は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG. の登録商標です。
本書では以下の表記を使用します。R&S®FSV は R&S FSV、R&S®FSVA は R&S FSVA と表記します。両者を合 わせて R&S FSVA/FSV と表記します。R&S®EX-I/Q-Box は R&S EX-I/Q-Box と表記します。

基本的な安全指示

以下の安全指示を常に確認して遵守してください。
ローデ・シュワルツでは、弊社が提供する製品が常に最新の安全基準を満足し、 お客様に対して最善の安全性が提供できるよう、あらゆる努力をしております。 弊社の製品およびそれらに必要な補助機器は、対応する安全基準に従って設計さ れ、試験されています。これらの安全基準に対する適合性は、弊社の品質保証シ ステムによって、常に確認されています。この製品は、EC Certificate of Conformity(ヨーロッパ共同体適合証明)に従って設計・検査され、安全基準に 完全に合致した状態で弊社の工場から出荷されています。この状態を維持し、安 全に動作させるためには、このマニュアルに示されているすべての指示と注意事 項を守ってください。安全指示についてご質問があれば、弊社の支店/営業所に お問い合わせください。
さらに、使用者は、適切な方法で製品を使用しなければなりません。この製品は、 産業環境やラボ環境、または作業現場でのみ使用するよう設計されており、どの ような場合であっても、個人の身体の安全や資産を損なう可能性があるような方 法で使用することはできません。指定されている目的を逸脱して製品を使用した り、製造者の指示を守らなかったりした場合には、使用者が全責任を負うものと します。このような状態で製品が使用された場合には、製造者は一切の責任を負 わないものとします。
製品の資料に従い、処理能力の範囲内(データ・シート、資料、以下の安全指示 参照)で製品が使用された場合には、製品は指定の目的で使用されたものとしま す。製品を使用するためには、技術的な能力が必要とされ、英語が理解できなけ ればなりません。したがって、製品は、適切な技術力を備えた専門の要員、また は必要な技術によって完璧な訓練を受けた要員によってのみ使用することが重要 です。ローデ・シュワルツの製品を使用するにあたり、個人の安全を確保するた めの器具が必要な場合には、製品の資料のそれぞれの箇所に説明してあります。 安全な場所で基本的な安全指示および製品の資料を順守して、それらを今後のユ ーザにも伝えてください。
安全指示を守ることによって、危険な状態から生じる身体への傷害やあらゆる損 傷を、できるかぎり回避することができます。したがって、製品の操作を開始す る前に、以下の安全指示をよく読み、厳守してください。また、資料の他の部分 に示されている、身体の安全を確保するためのその他の安全指示にも、必ず従っ てください。これらの安全指示の中で、“製品”とは、計測器本体、システム、 およびすべてのアクセサリを含め、ローデ・シュワルツが販売し、提供している すべての商品を示します。製品に関する詳細情報については、データ・シートや 製品の資料を参照して下さい。
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マークおよび安全表示
マーク
安全表示
マーク
安全表示
注意、一般的な危険個所
製品資料の遵守
電源電圧のオン/オフ
重い装置を扱う場合に注意
スタンバイ状態の表示
感電の危険
直流 (DC)
警告!
高温面
交流 (AC)
PE 端子
外部導体への接続や、故障時に感 電から保護するための端子、また は保護用のアース端子を示しま す。
/交流 (DC/AC)
(アース)接地
クラス II 装置
クラス II 装置(二重または絶縁 強化により完全に保護されている 装置)の安全要件を満たす装置を 意味します。
フレームまたはシャーシの接地端 子
電池および蓄電池に対するリサイ クルマーク表示(EU 指令)
詳細情報については、「廃棄物処 理/環境保全」 項目 1 を参照く ださい。
静電気に弱い装置を扱う場合に注 意
電気・電子機器の分別に対するリ サイクルマーク表示(EU 指令)
詳細情報については、"廃棄物処 理/環境保全" 項目 2 を参照く ださい。
警告!レーザ放射
詳細情報については、「操作」 項目 7 を参照ください。
基本的な安全指示
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基本的な安全指示
回避しなければ、死亡または重傷を負う可能性がある危
険な状態を示しています。
回避しなければ、死亡または重傷を負う可能性もある危険 な状態を示しています。
回避しなければ、軽度または中程度の負傷を負う可能性も ある危険な状態を示しています。
不適切な操作を行うと製品を損傷する可能性があることを 示しています。製品資料では、ATTENTION が同じ意味とし て使用されています。
タグと表示内容
以下の警告表示は、リスクや危険を警告するために製品資料で使用されています。
これらのタグは、欧州経済圏の一般市場で使用されている標準的な定義に従って 表示されています。他の経済圏または軍事的に利用する場合は、標準の定義とは 異なることもあります。したがって、ここで説明されているタグは、常に、対応 する製品資料および対応する製品に関連してのみ使用されていることを確認して ください。対応していない製品や対応していない資料に当てはめてタグを使用す ると、誤って解釈し、その結果、身体の安全を損なったり、製品に損傷を与えた りすることがあります。
操作状態と操作位置
製品は、製造者によって指定された操作条件下で、指定の位置でのみ使用するこ とができます。使用中は、換気が妨げられないようにしなければなりません。製 造者の仕様を遵守しないと、感電、火災、または重傷や死亡を招く可能性があり ます。該当する地域または国内における安全指示および事故防止の規制をすべて の実施作業において遵守する必要があります。
1. 別段の指定がないかぎり、ローデ・シュワルツの製品には、次の必要条件が
適用されます。
predefined 所定の動作位置では、必ず、ケースの底が下方に向いていること、 IP 保護 2X、公害重大度 2、過電圧カテゴリ 2、密閉された場所でのみ使用
すること、最大動作高度は海抜 2000 m、最大運搬高度は海抜 4500 m。公称 電圧に対しては ±10 %、公称周波数に対しては ±5 % の許容範囲が適用さ れるものとします。
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基本的な安全指示
2. 重量や安定性の理由から製品の設置に適していない面、乗物、キャビネット、
またはテーブルに製品を置かないでください。製品を設置し、物体や構造物 (壁、棚など)に固定するときには、必ず、製造者の設置指示に従ってくだ さい。製品資料で説明されているとおりに設置しないと、身体への障害また は死亡の可能性があります。
3. ラジエータやファンヒータなど、熱を発生する装置の上に製品を置かないで
ください。周囲温度が製品資料またはデータ・シートで指定されている最高 温度を超えることはできません。製品がオーバーヒートすると、感電、火災、 または重傷や死亡を招く可能性があります。
電気保安
電気保安情報の必要な範囲内すべてを遵守しないと、感電、火災、または身体へ の重度の傷害や死亡を招く可能性があります。
1. 製品の電源を入れる前に、製品の公称電圧の設定と、AC 電源ネットワークの
公称電圧とが一致しているか確認しなければなりません。別の電圧を設定し なければならない場合には、それに対応して、製品の電源ヒューズを交換す る必要が生じることもあります。
2. 取り外しのできる電源コードとコネクタのついた安全クラス I の製品の場合
には、接地端子と PE 接地のあるソケットでのみ、操作することができます。
3. 給電ラインや製品本体の接地は、絶対に切断しないでください。接地を切断
した場合、製品に感電する危険があります。延長コードやコネクタのストリ ップを使用している場合には、安全に使用できるかどうか、定期的に点検し なければなりません。
4. 製品に、主電源から切断するための電源スイッチがない場合には、接続ケー
ブルのプラグが切断装置とみなされます。この場合には、電源プラグが簡単 に手の届く位置にあり、いつでも操作できるようにしなければなりません。 (接続ケーブルの長さは約 2 m です。)AC 電源ネットワークから切断する 場合、機能的スイッチや電子式スイッチは適切ではありません。電源スイッ チのついていない製品をラックに取りつけたり、システムに組み込んだりす る場合には、システムレベルで切断装置を準備しなければなりません。
5. 電源ケーブルが破損している場合には、絶対に製品を使用しないでください。
正しい操作条件下にあるかどうか電源ケーブルを定期的に点検してください。 適切な安全対策を講じ、慎重に電源ケーブルを設置することによって、ケー ブルが破損しないよう、また、ケーブルにつまずいたり、感電したりしてけ がをすることがないようにしてください。
6. 製品は、最大 16 A のヒューズが取りつけられた TN/TT 電源ネットワークか
らのみ、操作することができます(大容量のヒューズについては、事前に弊 社にご相談ください)。
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基本的な安全指示
7. プラグをほこりがついていたり、汚れたりしているソケットに差し込まない
でください。プラグは、ソケットの奥までしっかりと差し込んでください。 プラグが十分に差し込まれていないと、火花が出たり、火災の原因になった り、けがをしたりすることがあります。
8. ソケット、延長コード、またはコネクタのストリップをオーバロード状態に
しないでください。火災や感電の原因になる可能性があります。
9. Vrms > 30 V の電圧の回路を測定する場合には、あらゆる危険を避けるため
に、適切な手段(適切な計測器、ヒューズ、電流制限器、電気分離、絶縁な ど)を講じる必要があります。
10. PC または他の産業用コンピュータなどの IT 機器との接続が、どの場合
においても、標準規格 IEC60950-1/EN 60950-1 または IEC61010-1/EN
61010-1 に準拠していることを確認してください。
11. 製品を操作しているときには、絶対に、カバーをはずしたり、ケースの一
部をはずしたりしないでください。回路や構成部品が露出し、けがをしたり、 火災の原因になったり、製品が損傷したりすることがあります。
12. 固定位置に製品を設置する場合には、最初に設置場所の PE 端子と製品の
PE コンダクタを接続し、そのあとで他の接続を行わなければなりません。製 品は、熟練の電気技師によってのみ、設置し、接続することができます。
13. ヒューズ、サーキット・ブレーカ(回路遮断器)、または同様の保護装置
が組み込まれていない機器を固定して設置する場合には、使用者や製品をけ がや損傷から適切に保護できるような方法で、電源回路を保護しなければな りません。
14. 適切な過電圧保護機能を使用し、雷雨によって生じるような過電圧が、製
品に達しないようにしてください。高圧保護機能がないと、操作要員に感電 の危険が及ぶ可能性があります。
15. 設計が意図していないかぎり、どのような物もであっても、ケースの開口
部に差し込まないでください。製品内部が短絡状態になり、感電したり、火 災の原因になったり、けがをしたりすることがあります。
16. 別段の記載がないかぎり、製品は防水ではありません。(「操作状態と操
作位置」セクションの項目 0 も参照してください。したがって、機器を水滴 の浸入から保護する必要があります。)必要な予防策を取らないと、感電す る危険が生じたり、製品に損傷を与えたり、その結果、身体への損傷を招く 可能性があります。
17. 低温の環境から暖かい環境へと製品を移動した場合など、製品の内外に結
露が生じている状態、あるいは生じる可能性があるような条件下では、絶対 に製品を使用しないでください。水の浸入は感電の危険性が高くなります。
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基本的な安全指示
18. 電源(AC 供給ネットワークまたはバッテリなど)と製品の接続を完全に
外してから、製品を掃除してください。柔らかく、糸くずの出ない布を使用 して製品を掃除してください。アルコール、アセトン、またはセルロースラ ッカー用の希釈剤などの化学洗剤を使用しなでください。
操作
1. 製品を操作するためには、専門的な訓練と高度な集中力が必要です。製品を
使用する要員が、肉体的、精神的、および情緒的見地から、製品の操作に適 切かどうか確認してください。不適切な場合には、けがまたは製品への損傷 の可能性があります。製品の操作に適した要員を選択することは、雇用者/運 営担当者の責務です。
2. 「輸送」セクションを確認して遵守しながら、製品の移動および輸送を行い
ます。
3. すべての工業製品同様、通常、ニッケルなど、アレルギー症状を引き起こす
物質(アレルゲン)の使用を避けることはできません。ローデ・シュワルツ の製品を使用して皮膚に発疹ができたり、くしゃみが頻発したり、目が充血 したり、または呼吸困難な状態など、アレルギー症状が現れた場合には、す みやかに医者に相談し、原因を確認して、健康上の問題またはストレスを予 防してください。
4. 製品の機械的処理、熱処理、または解体前に、「廃棄物処理/環境保全」セ
クションの項目 1 を必ず確認して注意を払ってください。
5. RF 無線設備など、特定の製品の機能によっては、高レベルな電磁放射が生じ
る可能性があります。胎児に対しては保護を強化する必要があるため、妊婦 は適切な方法で保護する必要があります。また、電磁放射は、ペースメーカ を使用している人に対しても危険を及ぼす可能性があります。雇用者/運用担 当者は、電磁放射を被ばくする危険性の高い仕事場を調査し、必要に応じて、 潜在的な危険を回避するための方策を講じる必要があります。
6. 火災が発生した場合には、健康に害を与える恐れのある有毒物質(気体、液
体など)が製品から流出する可能性があります。したがって、防護マスクや 防護服の装着など、適切な対策を講じる必要があります。
7. ローデ・シュワルツの製品にレーザ製品(CD/DVD ドライブなど)が組み込ま
れている場合には、製品資料で説明されている設定や機能以外は使用しない でください。これは身体への損傷(レーザ光線などによる)を防ぐためです。
8. EMC クラス(CISPR 11)
クラス A:住宅地域(家庭環境)にて低電圧電源ネットワークに直接接続さ れ、使用される製品 クラス B:工業地域・環境(家庭環境以外)にて低電圧電源ネットワークに 直接接続され、使用される製品
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基本的な安全指示
修理サービス
1. 製品は、専門的訓練を受けた資格のある要員以外が開かないでください。製
品に対して作業をする場合、あるいは製品を開く場合には、事前に、製品を AC 供給ネットワークから切断しておかなければなりません。切断しておかな いと、要員に感電の危険が及ぶ可能性があります。
2. ローデ・シュワルツから許可された電気技師以外が、調整、部品の交換、保
守、および修理を行うことはできません。安全性に関わる部品(電源スイッ チ、電源トランス、ヒューズなど)を交換する場合には、オリジナルの部品 以外を使用することはできません。安全性に関わる部品を交換した場合には、 必ず、安全テスト(外観検査、PE コンダクタ・テスト、絶縁抵抗測定、漏え い電流測定、機能テスト)を行わなければなりません。これにより製品の安 全を引き続き確保します。
バッテリと蓄電池
バッテリと蓄電池に関する情報の必要な範囲内すべてを遵守しないと、破裂や火 災の発生、または重傷や死亡の可能性があります。アルカリ性のバッテリおよび 蓄電池(リチウム電池など)は、標準規格 EN 62133 に従って処理する必要があ ります。
1. 電池を分解したり、または破壊したりしないでください。
2. 電池またはバッテリを熱や火に近づけないでください。日光が直接当たる場
所への保管を避けてください。電池およびバッテリを清潔で乾いた状態で保 管してください。乾いた清潔な布でコネクタの汚れを取り除いてください。
3. 電池またはバッテリを短絡させないでください。互いに短絡を起こしたり、
他の伝導体により短絡が引き起こされたりするため、電池またはバッテリを 箱や引き出しに保管しないでください。電池およびバッテリを使用する時ま で元の梱包から取り出さないでください。
4. 許容範囲外の強い機械的衝撃を電池およびバッテリに与えてはいけません。
5. 電池から液体が漏れている場合、その液体が皮膚または目に直接触れないよ
うにしてください。触れてしまった場合には、十分な水でその部分を洗い、 医者に相談してください。
6. アルカリ性の蓄電池またはバッテリ(リチウム電池など)は正しく交換しな
いと、破裂する可能性があります。製品の安全性を確保するために、ロー デ・シュワルツが指定する電池またはバッテリ(部品リストを参照してくだ さい)とのみ交換してください。
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基本的な安全指示
7. 電池およびバッテリをリサイクルして、残留廃棄物とは区別してください。
鉛、水銀、およびカドミウムを含む蓄電池および通常のバッテリは有害廃棄 物です。廃棄物処理およびリサイクルに関する国内の規則を遵守してくださ い。
輸送
1. 製品は非常に重いため、慎重に扱う必要があります。一部では、背中や体の
その他の部分の損傷を避けるため、製品の持ち上げまたは移動には適切な方 法(リフトトラックなど)が必要になります。
2. 製品の取手は、操作要員が製品を運ぶ目的でのみ設計されています。したが
って、クレーン、フォークリフト、自動車などの輸送手段に製品を固定する ために取手を使用することはできません。輸送または持ち上げる際に製品を しっかりと固定する場合、使用者が責任を負います。輸送または持ち上げの 際は、製造者の安全規則を遵守してください。規則に従わない場合には、身 体または製品への損傷を招く可能性があります。
3. 車中で製品を使用する場合には、車の安全な運転については、運転者が全責
任を負うものとします。事故や衝突については、製造者は一切の責任を負わ ないものとします。車の運転者の注意力が散漫になる可能性があるため、移 動中の車の中では絶対に製品を使用しないでください。事故の際に身体また はその他への損傷を避けるために、製品を車中で適切に固定してください。
廃棄物処理/環境保全
1. 電池や蓄電池を地方自治体の廃棄物と一緒に処分せず、分別して収集しなけ
ればならない電池や蓄電池が使用された機器であることが明記されています。 これらは、適切な処理施設またはローデ・シュワルツのサービスセンターを 経由して処分しなければなりません。
2. 電気・電子機器は、一般廃棄物と一緒に処分せず、分別して収集する必要が
あります。 Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG は、環境にやさしい廃棄物の処理およびリ サイクルに関するコンセプトを策定しました。製品の廃棄処分については、 ローデ・シュワルツのサービスセンターにご連絡ください。
3. 製品または構成部品に対して本来の使用目的を超えて機械的処理または熱処
理を行うと、有害な物質(鉛、ベリリウム、ニッケルなどの重金属粉)が放 出されることがあります。このため、専門的訓練を受けた要員以外が製品を 解体することはできません。適切に解体しないと、健康に害を与えることが あります。各国の廃棄物処理規則を遵守しなければなりません。
1171.0000.47 - 08 Page 8
基本的な安全指示
4. 特殊な方法で廃棄しなければならない有害物質や燃料、たとえば定期的な補
給を必要とする冷却液やエンジンオイルなどを生じる製品を取り扱う場合に は、有害物質や燃料の製造者からの安全指示、および、各地で適用されてい る廃棄物処理規則を遵守しなければなりません。また、製品資料に示されて いる安全規則も遵守してください。有害物質または燃料を適切に処理しない と、健康被害および環境問題を引き起こす可能性があります。
環境保護について詳しくは、ローデ・シュワルツの web サイトを参照ください。
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R&S® FSVA/FSV
目次
1 はじめに..............................................5
1.1 ドキュメントの概要............................................ 5
1.2 本書の表記について............................................ 7
1.3 ヘルプ・システムの使い方...................................... 9
1.4 R&S FSP と比較した本機の新機能について....................... 10
1.5 R&S FSV 1307.9002Kxx モデルの注意.............................13
2 フロント・パネルとリア・パネル.......................14
2.1 フロント・パネル............................................. 14
目次
2.2 リア・パネル................................................. 25
3 使用準備.............................................31
3.1 使用前準備................................................... 31
3.2 USB デバイスの接続........................................... 45
3.3 外部モニタの接続............................................. 47
3.4 R&S FSVA/FSV の設定........................................... 47
3.5 Windows オペレーティング・システム........................... 58
3.6 ネットワーク(LAN)接続の設定................................ 62
3.7 LXI の設定................................................... 68
3.8 GPIB インタフェースの設定.................................... 74
4 ファームウェアのアップデートとオプションのインストール
.....................................................76
4.1 ファームウェアのアップデート................................. 76
4.2 ファームウェア・オプションの有効化........................... 78
5 基本的な操作.........................................80
5.1 ダイアグラム・エリアの情報................................... 80
3クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
R&S® FSVA/FSV
5.2 ユーザ・インタフェース....................................... 88
5.3 パラメータの設定............................................. 98
5.4 フォーカス.................................................. 104
6 基本的な測定例......................................114
6.1 正弦波信号の測定............................................ 114
6.2 正弦波信号の高調波測定...................................... 119
6.3 複数の信号のスペクトラムの測定.............................. 123
6.4 ゼロ・スパンでの測定........................................ 130
6.5 本機の設定情報のセーブ/リコール............................ 142
7 リモート制御の概要..................................145
目次
7.1 リモート制御プログラミングの基本ステップ.................... 145
7.2 詳細なプログラミングの例.................................... 154
8 付録:LAN インタフェース............................169
8.1 ネットワークの設定.......................................... 169
8.2 Windows リモート・デスクトップの操作 ....................... 177
8.3 VNC クライアントによる操作.................................. 181
8.4 リモート操作の開始と終了.................................... 182
8.5 R&S FSVA/FSV リモート操作により本機の電源をオフにする方法.... 185
索引................................................186
4クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
R&S® FSVA/FSV

1 はじめに

はじめに

1.1 ドキュメントの概要

R&S FSVA/FSV のユーザ・ドキュメントは、次の冊子から構成されています。
クイック・スタート・ガイド
オペレーティング・マニュアル
サービス・マニュアル
リリース・ノート
クイック・スタート・ガイド
このマニュアルは印刷物と CD-ROM に PDF 形式で収録されたものとが本体に同 梱されています。内容は、本機の設定と操作に必要なもので、 基本的な操作と基 本的な測定方法を説明しています。また、リモート制御の概要、安全にご使用い ただくための注意事項などの一般的な事項のほか、次の各章が続きます。
第 1 章 本書の説明および本機の概要
第 2 章 フロント・パネルとリア・パネル
第 3 章 使用準備
第 4 章 ファームウェアのアップデートとオプションのインストール
第 5 章 基本的な操作
第 6 章 基本的な測定例
第 7 章 リモート制御の概要
付録 LAN インタフェース
オペレーティング・マニュアル
オペレーティング・マニュアルは、クイック・スタート・ガイドを補足するもの です。オペレーティング・マニュアルは、本体ごとに用意されます。
本体のオペレーティング・マニュアルでは、R&S FSVA/FSV の基本事項について概 要を説明し、"Spectrum" モードについて詳細に説明します。また、様々な測定モ
ードソフトウェア・オプションも解説します。クイック・スタート・ガイドで説
5クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
R&S® FSVA/FSV
明した測定例を、詳細に解説しています。リモート制御については、クイック・ スタート・ガイドで述べた概要のほかに、コマンドの詳細とプログラミングの例 も示してあります。保守および本機のインタフェースやエラー・メッセージに関 する情報も提供します。
各オプション・マニュアルでは、追加される本機の機能を具体的に解説します。 デフォルトの設定とパラメータの詳細については、データ・シートを参照してく ださい。R&S FSVA/FSV の基本的な操作方法は、ユーザー・マニュアル、もしくは
オペレーティング・マニュアル内に記載されています。
R&S FSVA/FSV では、下記のオプション・マニュアルが提供されます。
R&S FSVA/FSV 本体。次のマニュアルも含みます。
R&S FSV-K9 パワー・センサ・サポート
R&S FSV-K14 スペクトログラム測定
R&S FSV-K7 アナログ復調および R&S FSV-K7S FM ステレオ測定
はじめに
R&S FSV-K10 GSM/EDGE 測定
R&S FSV-K30 雑音指数測定
R&S FSV-K40 位相雑音測定
R&S FSV-K70 ベクトル信号解析(オペレーティング・マニュアル) R&S FSV-K70 ベクトル信号解析(クイック・スタート)
R&S FSV-K72 3GPP FDD BTS 解析
R&S FSV-K73 3GPP FDD UE 解析
R&S FSV-K76/77 3GPP TD-SCDMA BTS/UE 測定
R&S FSV-K82/83 CDMA2000 BTS/MS 解析
R&S FSV-K84/85 1xEV-DO BTS/MS 解析
R&S FSV-K91 WLAN IEEE 802.11
R&S FSV-K93 WiMAX IEEE 802.16 OFDM/OFDMA 解析
R&S FSV-K100/K104 EUTRA/LTE ダウンリンク測定
R&S FSV-K101/K105 EUTRA/LTE アップリンク測定
このマニュアルは CD-ROM に PDF 形式で収録され、本体に添付で出荷されます。
サービス・マニュアル
このマニュアルは、CD-ROM に PDF 形式で収録され、本体に添付で出荷されます。 正確な測定を行うために必要な、本機の機能が定格仕様を満たしているかのチェ
6クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
R&S® FSVA/FSV
はじめに
ック方法、修理、トラブルシューティング、および故障の予防について説明しま す。R&S FSVA/FSV をモジュールの交換によって修理するときに必要な情報が説明
してあります。サービス・マニュアルの内容は、次のとおりです。
第 1 章 性能確認試験
第 2 章 調整
第 3 章 修理
第 4 章 ソフトウェアのアップデート/オプションのインストール
第 5 章 ドキュメント
オンライン・ヘルプには、R&S FSVA/FSV および使用可能なオプションの操作につ いて、項目別のヘルプ情報が収録されています。マニュアル操作とリモート操作
の両方について説明しています。オンライン・ヘルプは R&S FSVA/FSV にデフォ ルトでインストールされているほか、本機に添付の CD に実行可能形式の chm フ
ァイルとしても収められています。
リリース・ノート
リリース・ノートには、ファームウェアのインストール方法をはじめ、機能の追 加や修正、解決済みの問題点、ドキュメントの収録に間に合わなかった変更内容 などを記載しています。対応するファームウェアのバージョンは、リリース・ノ ートの表紙に示されています。最新版のリリース・ノートは、インターネット上 で提供しています。

1.2 本書の表記について

1.2.1 文字の表記

本書では、以下のテキスト書式を使用しています。
7クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
R&S® FSVA/FSV
表記 説明
はじめに
"グラフィカル・ユーザ・イ ンタフェース・エレメント"
キー キー名は大文字で表記します。
ファイル名コマンド プログラム・コード
入力
リンク クリックできるハイパーリンクは、青いフォントで表記します。
"参照" 参照は、クォーテーション・マークで囲みます。

1.2.2 手順の説明について

スクリーン上のダイアログ・ボックスや、メニュー、オプショ ン、ボタン、ソフトキーなどのグラフィカル・ユーザ・インタフ ェース・エレメントの名前はクォーテーション・マークで囲みま す。
ファイル名、コマンド、コーディング・サンプル、スクリーン表 示文字は、左記のフォントで表記します。
ユーザが入力する内容は、イタリック体で表記します。
本機は、同じ動作について複数の操作方法がある場合があります。ここでは、タ ッチ・スクリーンを使用する方法を説明します。タッチ操作できるエレメントは、 マウス・クリックで操作することもできます。同じ操作をパネル上のキーやタッ チ・スクリーン上のキーボードを使用して行う方法については、標準以外の手順 の場合にのみ記述します。
操作の説明で「選択」という場合、タッチ・スクリーンをタッチ操作、マウス・ ポインタ、パネル上のキー、キーボードのいずれかで行ってください。

1.2.3 スクリーンショットに関する注記

本機の機能を説明する際には、サンプルのスクリーンショットを使用します。こ れらのスクリーンショットは、提供される機能とパラメータの相互依存性をでき るだけ多く説明することを意図しています。
通常、スクリーンショットにはフルオプションが搭載された製品が表示されます。 そのため、スクリーンショットに表示される機能には、ご使用の製品構成で使用 できない機能があります。
8クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
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はじめに
ヘルプ・システムの使い方

1.3 ヘルプ・システムの使い方

操作状況に対応したヘルプおよび一般ヘルプの呼び出し方
一般ヘルプ・ダイアログ・ボックスを表示するには、フロント・パネルの HELP キーを押します。
ヘルプ・ダイアログ・ボックスに "View" タブが表示されます。現在のメニュ ーに関するトピック、または現在開いているダイアログ・ボックスとその機能 に関するトピックが表示されます。
標準の Windows のダイアログ・ボックス(ファイルのプロパティ、印刷ダ イアログなど)では、操作状況に対応したヘルプは利用できません。
ヘルプが既に表示されているときは、ヘルプを表示したいソフトキーを押しま す。
そのソフトキーに関する情報のトピックと、その機能が表示されます。
ソフトキーを押すとサブメニューが表示されるようになっている場合があ ります。ソフトキーもう一度押すと、ソフトキーのサブメニューが表示され ます。
ヘルプ・ダイアログ・ボックスの内容
ヘルプ・ダイアログ・ボックスには次の 4 つのタブがあります。
"Contents" - ヘルプの目次
"View" - 個別のヘルプ・トピック
"Index" - ヘルプ・トピックを検索する索引項目
"Zoom" - ヘルプ表示のズーム機能
タブを切り替えるには、タッチ・スクリーンのタブを押します。
目次内の移動
表示されている目次の項目間を移動するには、上/下矢印キーを使用します。 下位項目がある項目には、プラス記号が表示されます。
ヘルプ・トピックを表示するには、ENTER キーを押します。対応するヘルプ・ トピックを含む "View" タブが表示されます。
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R&S® FSVA/FSV
はじめに
R&S FSP と比較した本機の新機能について
次のタブに切り替えるには、タッチ・スクリーンでそのタブを押します。
ヘルプ・トピック間の移動
ページ内をスクロールするには、ロータリ・ノブを使用するか、上/下矢印キ ーを使用します。
リンクされたトピックにジャンプするには、タッチ・スクリーンのリンク・テ キストを押します。
トピックの検索
1. "Index" タブに切り替えます。
2. 調べたいトピックの文字を入力します。入力した文字から始まる項目が表示 されます。
3. ENTER キーを押してフォーカスを切り替えます。
4. 上/下矢印キー、またはロータリ・ノブを使用して、キーワードを選択します。
5. ENTER キーを押してヘルプ・トピックを表示します。
対応するヘルプ・トピックを含む "View" タブが表示されます。
表示倍率の変更
1. "Zoom" タブに切り替えます。
2. ロータリ・ノブを使用して表示倍率を設定します。設定は、1 ~ 4 の 4 段階 です。一番小さい倍率は 1 で、一番大きい倍率は 4 で選択されます。
ヘルプ・ウィンドウのクローズ
ESC キーまたはフロント・パネルのファンクション・キーを押します。

1.4 R&S FSP と比較した本機の新機能について

R&S FSVA/FSV では、R&S シグナル・アナライザとスペクトラム・アナライザにい くつかの機能を新たに搭載しました。R&S FSP の使用経験のあるお客様なら、以
下の機能の有効性がわかるでしょう。
10クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
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R&S FSP と比較した本機の新機能について
タッチ・スクリーン機能がソフトキーとダイアログ・ボックスの操作に使用さ れています。これにより、ユーザ・インタフェースが改善されました。
マーカやディスプレイ・ラインもタッチ・スクリーンを使って移動可能になり ました。また、RBW の切り替えや中心周波数などの本機の設定情報の変更も、 画面をタッチするだけで可能になりました。
Windows の "Start" メニューを開くキーを追加しました。
オン・スクリーン・キーボードを呼び出すキーを追加し、ファイル名や英数文 字の入力が容易になりました。このキーは、本機のファームウェア上での操作 以外の操作、例えば Windows 上でプリンタを追加するときなどにも使用でき ます。
UNDO/REDO キーで、入力の取り消しとやり直しができます。
DISPLAY キーはタッチ・スクリーンや、アイコンを表示したツールバー、ソフ ト・フロント・パネルなどの有効化やメニューを開くときに使います。表示中 のソフトキーを消すこともできます。
はじめに
MAXIMIZE/SPLIT と CHANGE FOCUS キーは、画面上のブルーで強調されたフレ ームを図と表の間で移動したり、図表の 1 つを画面のフルサイズに拡大表示 したりするときに使用します。
HOME キーは、それぞれのアプリケーションの最初のソフトキー・メニューに 戻します。
USER キーは、本機の設定に使用するユーザ定義のソフトキーを定義すること ができます。
PEAK SEARCH キーは、アクティブになっているマーカのレベルのピークを検出 して表示します。
RUN SINGLE と RUN CONT キーは、ソフトキー・メニューを変えることなく 1 回掃引または連続掃引を行います。
MEAS CONFIG キーは、例えば ACLR 測定を選択したときにこれを押すと、直接 その測定(この場合は ACLR)の条件設定に進みます。
R&S FSP でファームウェア・オプションを起動するホットキーは FSP でした が、R&S FSVR では FSV MODE キーとして定義されており、このキーで各アプ リケーションのソフトキーのメニューを開きます。
FSV-K9 "Power Sensor" ソフトキーと FSV-B10 外部コントロールは、INPUT/ OUTPUT キーのメニューの中に組み込まれています。
AUTO SET キーは、レベルと周波数の自動調整機能を起動します。この機能は 正弦波を想定して起動しますが、バースト波などに対しても測定時間が最短に なるように機能します。
周波数掃引モードでは、"Sweep type" の設定は SWEEP または AUTO SET メニ ューの中に組み込まれています。掃引タイプの "Auto" モードでは、スパンや
11クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
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R&S FSP と比較した本機の新機能について
掃引時間、RBW などの設定に基づいて、掃引時間が最短になるように FFT 掃 引か周波数掃引のどちらを実行すべきかを決定します。
掃引タイプの "Sweep" では、周波数掃引のみが選択され、掃引タイプの "FFT" では FFT 掃引のみが選択されます。FSP では、FFT モードは "Filter type" ソフトキーから設定します。FSV では、この設定は "Sweep type" ソフトキー で行います。
HELP キーは、リモート・コマンドのヘルプ機能を含む操作状況に対応したオ ンライン・ヘルプを呼び出します。
あるアプリケーション(例えばアナログ復調)を選択すると、1 つの新しいタ ブがディスプレイの上部に開きます。これにより、タブを選択するだけでアプ リケーションを瞬時に切り替えることができます。
16 個のマーカが使えるとともに、マーカテーブルの表示もできます。表が大 きくなりすぎた場合は、タッチ・スクリーンでスクロールすることができま す。また、CHANGE FOCUS と MAXIMIZE/SPLIT のキーで 1 つの表を拡大表示す ることができます。
はじめに
TRACE メニューの中でウィザードを使用して、6 個のトレースすべてを一度に 設定できます。
ソフトキーの近く、画面の右上にダイアログ・ボックスと入力フィールドが配 置されています。これらの表示位置は画面上のどこへでも移動させることが でき、再びオープンしたときもその場所に表示されます。
FSP 互換モードも選択できます。互換モードの場合、FSVR は FSP として動作 します(掃引時のポイント数やバンド幅など FSP の条件を受け継ぎます)。ま た、*IDN コマンドに対して自身を FSP として識別します。これによって、 FSP 用に開発したリモート・プログラムがそのまま使用できます。
"Setup > Display Setup" を開くと、色の指定ができます。例えば "GrayStone" を選択すると、FSVR はあたかも FSP のソフトキーを持ったかの ように表示されます。
USB コネクタはフロント・パネルに実装されています。
本機のアカウント・パスワードが FSP とは異なります。従来のアカウント・ パスワード モート・デスクトップでの使用後に、本機のテンキー入力でローカル・コント ロールに復帰できます。
instrument
の代わりに、
894129
が使用されます。このため、リ
Windows のデスクトップおよび "Start" メニューに、R&S ユーザ・データへ のリンクが組み込まれています。リンク先は、ハードコピーやファイルのセー ブ/リコール用の標準ディレクトリとなっているため、USB メモリにコピーす るときにも容易にファイルを探し出すことができます。
FSP にあった小数点キーを用いたコールド・ブート機能は実装していません。 代わりにシャットダウン・ファイルやキャリブレーションファイルを削除する
12クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
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はじめに
R&S FSV 1307.9002Kxx モデルの注意
には、"Start > All Programs" メニューから "Delete Shutdown Files" を選 択することで削除できます。
オプションの外部ミキサ機能は、柔軟性と操作性の面で改良されました。主な 改良点は次のとおりです。
帯域ごとのミキサ設定は、本機のプリセット後にも保存・維持されます。 ミキサの設定内容は、"Preset Band" 機能を使用しプリセットすることが できます。
2 番目のバンド(高調波)が存在する場合、基本波と同様に、有効化や定 義を自由に行うことができます。
1 つの帯域で 2 つのバンドを使用するときは、ハンドオーバ周波数を重複 する周波数範囲内で自由に定義することができます。これは、基本波に対 しても同様です。
信号識別機能の Signal ID や Auto ID を使用するときのために、追加の トレースが利用できます。
使用可能なすべての変換損失のテーブルが提供されていて、ここから選択 できるようになっています。選択後には検証の試験が実行されます。

1.5 R&S FSV 1307.9002Kxx モデルの注意

R&S FSV 1307.9002Kxx モデルを使用する際は、新しい R&S FSVA/FSV
1321.3008Kxx モデルの説明に対して以下の相違点があることにご注意ください。
印刷やネットワークの設定など Windows 7 オペレーティング・システムに基 づく機能は、Windows XP ベースのモデルと比べて、表示や設定方法が異なっ ている場合があります。これらの機能については、Windows のドキュメントま たは R&S FSV に付属のドキュメントを参照してください。
R&S FSV 1307.9002K03 モデルの最大周波数は 3 GHz に制限されていますが、 R&S FSVA/FSV1321.3008K04 モデルの最大周波数は 4 GHz です。
帯域幅拡張オプション R&S FSV-B160(1311.2015.xx)は R&S FSV 1307.9002Kxx モデルでは使用できません。これらのモデルで使用できる最大 I/Q 解析帯域
幅は 28 MHz です。また、オプション R&S FSV-B70 を搭載した場合は 40 MHz です。
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フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル

2 フロント・パネルとリア・パネル

2.1 フロント・パネル

本章では、フロント・パネルにあるすべてのファンクション・キーとコネクタにつ いて説明します。
図 2-1 に、R&S FSVA のフロント・パネルの外観を示します。R&S FSV も見た目は
ほぼ変わりません。個々についての詳細な説明は、それぞれのセクションを参照 してください。
8
1
4
2
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12
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9
13
14 15
3
5 76
20 21
図 2-1: R&S FSVA のフロント・パネル
No. 説明 参照先
1 本機の基本的な設定に使用するファ
ンクション・キー。測定モードの切り
2.1.1,「フロント・パネルのファンクション・キ ー」 (16 ページ)
替え、初期設定の変更、ヘルプなど
2 USB コネクタ。外部装置(マウス、キ
ーボードなど)を接続するときに使用
2.1.3,「フロント・パネルのコネク タ」 (20 ページ)
3 電源 ON/OFF スイッチ 3.1.8,「電源のオン/オフ」 (43 ページ)
4 タッチ・スクリーン。測定結果の表示
領域
2.1.2,「タッチ・スクリーンの表 示」 (19 ページ)
14クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
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No. 説明 参照先
フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル
5 補助機能。Windows のスタート・メニ
ューやオン・スクリーン・キーボード を呼び出す
6 画面の表示モード切り替え 5.4,「フォーカス」 (104 ページ)
7 画面メニューのナビゲーション 5.2.6,「矢印キー、UNDO/REDO キ
8 測定条件の設定。周波数、レベルなど 2.1.1,「フロント・パネルのファンクション・キ
9 マーカ機能 2.1.1,「フロント・パネルのファンクション・キ
10 測定の手順、構成 2.1.1,「フロント・パネルのファンクション・キ
11 測定開始の指示 2.1.1,「フロント・パネルのファンクション・キ
12 テンキー。単位やデータの入力キー 5.2.4,「キーパッド」 (92 ページ)
13 ロータリ・ノブ 5.2.5,「ロータリ・ノブ」 (93 ページ)
14 矢印キー 5.2.6,「矢印キー、UNDO/REDO キ
2.1.1,「フロント・パネルのファンクション・キ ー」 (16 ページ)
ー」 (93 ページ)
ー」 (16 ページ)
ー」 (16 ページ)
ー」 (16 ページ)
ー」 (16 ページ)
ー」 (93 ページ)
15 取り消し/やり直し機能 5.2.6,「矢印キー、UNDO/REDO キ
ー」 (93 ページ)
16 AF(オーディオ)出力。ボリューム・
コントロール付き(オプション)
17 ノイズ・ソースの制御 2.1.3,「フロント・パネルのコネク
18 パワー・センサ(オプション) 2.1.4,「フロント・パネルのコネクタ(オプショ
19 プローブ電源コネクタ。測定用アク
セサリに電圧を供給
20 トラッキング・ジェネレータ出力(オ
プション)
21 外部ミキサ(LO 出力、IF 入力)(オ
プション)
22 RF 入力 2.1.3,「フロント・パネルのコネク
2.1.4,「フロント・パネルのコネクタ(オプショ ン)」 (22 ページ)
タ」 (20 ページ)
ン)」 (22 ページ)
2.1.3,「フロント・パネルのコネク タ」 (20 ページ)
2.1.4,「フロント・パネルのコネクタ(オプショ ン)」 (22 ページ)
2.1.4,「フロント・パネルのコネクタ(オプショ ン)」 (22 ページ)
タ」 (20 ページ)
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フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル

2.1.1 フロント・パネルのファンクション・キー

対応するメニュー、およびその他のファンクション・キーについては、オペレー ティング・マニュアルの第 6 章 "Instrument Functions" に詳しい説明がありま す。
表 2-1: フロント・パネルのファンクション・キー
ファンクション・キー 割り当てられている機能
本機をオン/オフします。
本機の基本的なファンクション・キー
PRESET 本機をデフォルト状態にリセットします。
SAVE/RCL 本機の設定情報をセーブ/リコールと、セーブファイルを管理す
る機能があります。
SETUP
本機を設定するための基本的な機能があります。
基準周波数(外部/内部)、雑音信号源(ノイズ・ソース)
日付、時間、表示の設定
LAN インタフェース
セルフアライメント
ファームウェアのアップデートとオプションの追加
ファームウェア・バージョン、システム・エラー・メッセー ジなど、本機の設定に対する情報
セルフテストなど、簡易自己診断機能
PRINT プリンタと保存形式の設定をします。
HELP オンライン・ヘルプを表示します。
MODE 測定モードと測定オプションの選択をします。
外部機能
Windows のスタート・メニューを表示します。
オン・スクリーン・キーボードの表示を切り替えます。
スクリーンの最上部に表示
スクリーンの最下部に表示
表示しない
表示オプション
DISPLAY スクリーンのエレメントをオン/オフするダイアログ・ボックス
を開きます。
フォーカスしている領域を最大表示と分割表示に切り替えます。
16クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
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フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル
ファンクション・キー 割り当てられている機能
フォーカスしている領域の表示を表形式と図形式に切り替えま す。
ナビゲーション機能
USER ユーザ定義の設定ファイルをリコール、ソフトキーの定義と設定
をします。
HOME 現在の動作モードのルート・メニューを開きます。
測定条件の設定
FREQ (CHANNEL)
SPAN 解析する周波数スパンを設定します。
AMPT (SCALE)
AUTO SET 周波数やレベル、掃引モードの設定などを自動的に行います。
BW 分解能帯域幅とビデオ帯域幅を設定します。
SWEEP 掃引時間と測定ポイント数を設定します。
TRACE トレースモードの設定、ディテクタの設定、トレースのテキスト
TRIG トリガ・モード、トリガ閾値、トリガ遅延、ゲート設定(ゲート
中心周波数、スタート周波数とストップ周波数を設定します。周 波数オフセットやシグナル・トラック機能の設定にも使用しま す。
(特定のアプリケーションでは CHANNEL と呼ばれます)
基準レベル、表示するダイナミック・レンジ、RF アッテネーシ ョン、単位を設定します。
レベル・オフセットと入力インピーダンスを設定します。 プリアンプ(オプションの RF プリアンプ、R&S FSV-B22)を起動
します。
(特定のアプリケーションでは SCALE と呼ばれます)
連続掃引または 1 回掃引を選択します。
データ出力を行います。
掃引の場合)を設定します。
マーカ機能
MKR 絶対測定と相対測定のマーカ(マーカとデルタ・マーカ)を設定
します。
PEAK SEARCH アクティブなマーカに対しピーク・サーチを実行します。アクテ
ィブなマーカがないときは、ノーマル・マーカ 1 をアクティブ にしてピーク・サーチを実行します。
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ファンクション・キー 割り当てられている機能
フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル
MKR FUNC
MKR-> 測定マーカのサーチ機能に使用します(トレースの最大値と最小
測定機能
MEAS
測定マーカは次の解析機能も備えています。
周波数カウンタ(Sig Count)
相対測定マーカ用の固定基準点(Ref Fixed)
ノイズ・マーカ(Noise Meas)
位相雑音
n dB ダウン機能
AM/FM オーディオ復調(オプション R&S FSV-B3 使用時)
ピーク・リスト
値)。 マーカ周波数を中心周波数に設定することや、マーカ・レベルを
基準レベルに設定します。 サーチ・エリアを限定し(Search Limits)、最大点と最小点の特
性を表示します(Peak Excursion)。
測定を実行するときに使用します。
マルチキャリア隣接チャネル・パワーの測定(Ch Power ACLR)
キャリア対ノイズ比(C/N C/No)
占有帯域幅(OBW)
スペクトラム・エミッション・マスク測定(Spectrum Emission Mask)
スプリアス・エミッション(Spurious Emissions)
タイム・ドメイン・パワー測定(Time Domain Power)
信号の統計データ:振幅確率分布(APD)と累積分布補関数
(CCDF)
3 次インタセプト・ポイント(TOI)
AM 変調度(AM Mod Depth)
MEAS CONFIG 測定条件を定義するときに使用します。
LINES 表示ラインとリミット・ラインを設定します。
TRIGGER OUTPUT 入出力機能用のソフトキーを表示します。
測定開始機能
RUN SINGLE 1 回掃引(Single Sweep Mode)を開始します。
RUN CONT 連続掃引(Continuous Sweep Mode)を開始します。
機能の実行
UNDO 直前の操作を取り消します。
REDO 直前に取り消した操作を再度実行します。
18クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
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フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル

2.1.2 タッチ・スクリーンの表示

すべての測定結果は、フロント・パネルの画面に表示されます。また、画面上で 測定の状態や設定内容を確認できるほか、複数の測定タスクを切り替えることも できます。この画面は指でタッチして素早く容易に操作できるようになっていま す。
タッチ・スクリーン操作中の注意 タッチ・スクリーンは、適切でない道具の使用や、力の入れ過ぎによって損
傷するおそれがあります。 タッチ・スクリーンの操作時や清掃時には、次の注意事項に従ってくださ
い。
ボールペンなど先の尖ったものを使用しないでください。
タッチ・スクリーンは、指で操作してください。 または、先の滑らかなスタイラス・ペンを使用してください。
タッチ・スクリーンに過剰な力を加えないでください。タッチは軽く行 ってください。
スクリーンの表面を爪などで引っかかないようにしてください。 また、スクリーンを布などで強くこすらないでください。
図 2-2 に、R&S FSVA/FSV のタッチ・スクリーンの画面とその周辺を示します。個
々のエレメントについては、 5,「基本的な操作」 (80 ページ) で詳細に説明 しています。
19クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
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フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル
図 2-2: タッチ・スクリーンのエレメント
1 = 基本的な動作のツールバーです。印刷、ファイルのセーブ/オープンなどの機能が利用でき
ます。 2 = 個々の測定タスクのタブです。 3 = 現在の測定の条件設定に関するチャネル情報バーです。 4 = ダイアグラムのヘッダ部。トレースモード、トレースディテクタを表示します。 5 = 測定結果の表示領域です。 6 = 測定結果のフッタ部。測定モードに応じたダイアグラムの情報を表示します。 7 = エラー表示、ユーザー注意喚起 8 = エラーがあったときにエラー・メッセージが表示されます。 9 = 本機の状態 10 = 測定の進捗度を示すバーが表示されます。 11 = 日付と時間 12 = メニューを選択するソフトキーです。

2.1.3 フロント・パネルのコネクタ

このセクションでは、R&S FSVA/FSV のフロント・パネルのコネクタとインタフェ ースについて説明します。オプションで追加されるコネクタやインタフェース
20クイック・スタート・ガイド 1321.3066.18 ─ 03
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フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル
は、括弧内にオプション名を示します。USB 以外のほとんどのコネクタは、フロ ント・パネルの右下にあります。
2.1.3.1 USB
フロント・パネルには、キーボードやマウスなどのデバイスを接続するための 2 つの USB コネクタがあります。また USB メモリを接続して、本機の設定情報や 測定値のセーブ、ロードに使うこともできます。
2.1.3.2 ノイズ・ソースの制御
外部ノイズ・ソースの電源として使用するためのノイズ・ソース制御用コネクタ です。アンプや周波数変換デバイスの雑音指数やゲインの測定などに使用しま す。
通常使われるノイズ・ソースの多くは、スイッチがオンのときに +28 V、オフの ときに 0 V の電圧を必要とします。この出力では最大 100 mA の電流をサポー トしています。
2.1.3.3 RF 入力 50
RF 入力は、適切なコネクタの付いたケーブルで被測定物に接続してください。
本機の損傷の危険 入力をオーバーロード状態にしないでください。最大許容値については、デ
ータシートを参照してください。 入力を AC カップリングで使用するときは、重畳できる DC
電圧の最大値は 50 V です。また DC カップリングのときには、いかなる DC 電圧も重畳させてはなりません。どちらのカップリングでも、これらの 制限内で使用ください。
2.1.3.4 プローブ・パワー
R&S FSVA/FSV には、アクティブ・プローブやプリアンプに +15 V ~ -12 V の電圧印加とアース接続をするためのコネクタを備えています。最
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