Rohde&Schwarz FSVR7, FSVR13, FSVR30, FSVR40, FSV-B17 Quick Start Guide

...
R&S®FSVR リアルタイム・スペクトラ ム・アナライザ
クイック・スタート・ガイ ド
1311.0670.18 ─ 03
電子計測器
クイック・スタート・ガイ
このマニュアルは、ファームウェア・バージョン 1.46 以上の下記のアナライザ・ モデルに適用します。
R&S®FSVR7 (1311.0006K7)
R&S®FSVR13 (1311.0006K13)
R&S®FSVR30 (1311.0006K30)
ローデ・シュワルツ製品のファームウェア開発には、さまざまなオープンソースソフトを使用しています。 オープンソース開発者の方々ならびにコミュニティ参加者の方々に、心よりの感謝とお礼を申し上げます。 詳細につきましては、同梱の CD-ROM に収録されている "Open Source Acknowledgement" をご参照くださ い。
© 2011 Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG Muehldorfstr. 15, 81671 Munich, Germany Phone: +49 89 41 29 - 0 Fax: +49 89 41 29 12 164 E-mail: info@rohde-schwarz.com Internet: http://www.rohde-schwarz.com Printed in Germany – お断りなしに記載内容の一部を変更させていただくことがあります。 あらかじめご了承ください。 R&S® は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG. の登録商標です。
本書では、「R&S®FSVR」を「R&S FSVR」と略記します。
基本的な安全指示
以下の安全指示を常に確認して遵守してください。 ROHDE & SCHWARZ 社では、弊社が提供する製品が常に最新の安全基準を満足し、お客様に対して最
善の安全性が提供できるよう、あらゆる努力をしております。弊社の製品およびそれらに必要な補助機 器は、対応する安全基準に従って設計され、試験されています。これらの安全基準に対する適合性は、 弊社の品質保証システムによって、常に確認されています。この製品は、EC Certificate of Conformity (ヨーロッパ共同体適合証明)に従って設計・検査され、安全基準に完全に合致した状態で弊社の工場 から出荷されています。この状態を維持し、安全に動作させるためには、このマニュアルに示されてい るすべての指示と注意事項を守ってください。安全指示についてご質問があれば、弊社の支店/営業所 にお問い合わせください。
さらに、使用者は、適切な方法で製品を使用しなければなりません。この製品は、産業環境やラボ環境、 または作業現場でのみ使用するよう設計されており、どのような場合であっても、個人の身体の安全や 資産を損なう可能性があるような方法で使用することはできません。指定されている目的を逸脱して製 品を使用したり、製造者の指示を守らなかったりした場合には、使用者が全責任を負うものとします。 このような状態で製品が使用された場合には、製造者は一切の責任を負わないものとします。
製品の資料に従い、処理能力の範囲内(データ・シート、資料、以下の安全指示参照)で製品が使用さ れた場合には、製品は指定の目的で使用されたものとします。製品を使用するためには、技術的な能力 が必要とされ、英語が理解できなければなりません。したがって、製品は、適切な技術力を備えた専門 の要員、または必要な技術によって完璧な訓練を受けた要員によってのみ使用することが重要です。 ROHDE & SCHWARZ 社の製品を使用するにあたり、個人の安全を確保するための器具が必要な場合に は、製品の資料のそれぞれの箇所に説明してあります。安全な場所で基本的な安全指示および製品の資 料を順守して、それらを今後のユーザにも伝えてください。
安全指示を守ることによって、危険な状態から生じる身体への傷害やあらゆる損傷を、できるかぎり回 避することができます。したがって、製品の操作を開始する前に、以下の安全指示をよく読み、厳守し てください。また、資料の他の部分に示されている、身体の安全を確保するためのその他の安全指示に も、必ず従ってください。これらの安全指示の中で、製品とは、計測器本体、システム、およびすべ てのアクセサリを含め、ROHDE & SCHWARZ 社が販売し、提供しているすべての商品を示します。
マークおよび安全表示
注意、一般的な危 険個所 製品資料の遵守
重い装置を 扱う場合に 注意
感電の危険 警告!
高温面
PE端子 接地 接地端子 静電気に弱い
装置を扱う場合 に注意
ON/OFF 供給電圧
スタンバイ表示直流(DC) 交流(AC) 直/交流(DC/AC) 二重絶縁/絶縁強化に
よって完全に保護されて いる装置
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基本的な安全指示
タグと表示内容 以下の警告表示は、リスクや危険を警告するために製品資料で使用されています。
回避しなければ、死亡または重傷を負う可能性がある危険な状態を示してい ます。
回避しなければ、死亡または重傷を負う可能性もある危険な状態を示してい ます。
回避しなければ、軽度または中程度の負傷を負う可能性もある危険な状態を 示しています。
不適切な操作を行うと製品を損傷する可能性があることを示しています。 製品資料では、ATTENTION が同じ意味として使用されています。
これらのタグは、欧州経済圏の一般市場で使用されている標準的な定義に従って表示されています。他 の経済圏または軍事的に利用する場合は、標準の定義とは異なることもあります。したがって、ここで 説明されているタグは、常に、対応する製品資料および対応する製品に関連してのみ使用されているこ とを確認してください。対応していない製品や対応していない資料に当てはめてタグを使用すると、誤っ て解釈し、その結果、身体の安全を損なったり、製品に損傷を与えたりすることがあります。
操作状態と操作位置
製品は、製造者によって指定された操作条件下で、指定の位置でのみ使用することができます。使用中 は、換気が妨げられないようにしなければなりません。製造者の仕様を遵守しないと、感電、火災、ま たは重傷や死亡を招く可能性があります。該当する地域または国内における安全指示および事故防止の 規制をすべての実施作業において遵守する必要があります。
別段の指定がないかぎり、ROHDE & SCHWARZ 社の製品には、次の必要条件が適用されます。
所定の動作位置では、必ず、ケースの底が下方に向いていること、IP 保護 2X、公害重大度 2、過 電圧カテゴリ 2、密閉された場所でのみ使用すること、最大動作高度は海抜 2000 m、最大運搬光 度は海抜 4500 m。公称電圧に対しては ±10 %、公称周波数に対しては ±5 % の許容範囲が適用さ れるものとします。
重量や安定性の理由から製品の設置に適していない面、乗物、キャビネット、またはテーブルに製品を
置かないでください。製品を設置し、物体や構造物(壁、棚など)に固定するときには、必ず、製 造者の設置指示に従ってください。製品資料で説明されているとおりに設置しないと、身体への障 害または死亡の可能性があります。
ラジエータやファンヒータなど、熱を発生する装置の上に製品を置かないでください。周囲温度が製品
資料またはデータシートで指定されている最高温度を超えることはできません。製品がオーバーヒー トすると、感電、火災、または重傷や死亡を招く可能性があります。
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基本的な安全指示
電気保安
電気保安情報の必要な範囲内すべてを遵守しないと、感電、火災、または身体への重度の傷害や死亡を 招く可能性があります。
1. 製品の電源を入れる前に、製品の公称電圧の設定と、AC 電源ネットワークの公称電圧とが一致し ているか確認しなければなりません。別の電圧を設定しなければならない場合には、それに対応し て、製品の電源ヒューズを交換する必要が生じることもあります。
取り外しのできる電源コードとコネクタのついた安全クラス I の製品の場合には、接地端子と PE
地のあるソケットでのみ、操作することができます。
給電ラインや製品本体の接地は、絶対に切断しないでください。接地を切断した場合、製品に感電する
危険があります。延長コードやコネクタのストリップを使用している場合には、安全に使用できる かどうか、定期的に点検しなければなりません。
製品に、AC 電源から切断するための電源スイッチがない場合には、接続ケーブルのプラグが切断装置
とみなされます。この場合には、電源プラグが簡単に手の届く位置にあり、いつでも操作できるよ うにしなければなりません。(接続ケーブルの長さは約 2 m です。)AC 電源ネットワークから切 断する場合、機能的スイッチや電子式スイッチは適切ではありません。電源スイッチのついていな い製品をラックに取りつけたり、システムに組み込んだりする場合には、システムレベルで切断装 置を準備しなければなりません。
電源ケーブルが破損している場合には、絶対に製品を使用しないでください。正しい操作条件下にある
かどうか電源ケーブルを定期的に点検してください。適切な安全対策を講じ、慎重に電源ケーブル を設置することによって、ケーブルが破損しないよう、また、ケーブルにつまずいたり、感電した りしてけがをすることがないようにしてください。
製品は、最大 16 A のヒューズが取りつけられた TN/TT 電源ネットワークからのみ、操作することが
できます(高いヒューズは ROHDE & SCHWARZ 社に相談後のみ)。
プラグをほこりがついていたり、汚れたりしているソケットに差し込まないでください。プラグは、ソ
ケットの奥までしっかりと差し込んでください。プラグが十分に差し込まれていないと、火花が出 たり、火災の原因になったり、けがをしたりすることがあります。
ソケット、延長コード、またはコネクタのストリップをオーバロード状態にしないでください。火災や
感電の原因になる可能性があります。
Vrms > 30 V の電圧の回路を測定する場合には、あらゆる危険を避けるために、適切な手段(適切な計
測器、ヒューズ、電流制限器、電気分離、絶縁など)を講じる必要があります。
PC または他の産業用コンピュータなどの IT 機器との接続が、どの場合においても、標準規格 IEC
60950-1/EN 60950-1 または IE C61010-1/EN 61010-1 に準拠していることを確認してください。
製品を操作しているときには、絶対に、カバーをはずしたり、ケースの一部をはずしたりしないでくだ
さい。回路や構成部品が露出し、けがをしたり、火災の原因になったり、製品が損傷したりするこ とがあります。
固定位置に製品を設置する場合には、最初に設置場所の PE 端子と製品の PE コンダクタを接続し、
そのあとで他の接続を行わなければなりません。製品は、熟練の電気技師によってのみ、設置し、 接続することができます。
ヒューズ、サーキット・ブレーカ(回路遮断器)、または同様の保護装置が組み込まれていない機器を
固定して設置する場合には、使用者や製品をけがや損傷から適切に保護できるような方法で、電源 回路を保護しなければなりません。
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基本的な安全指示
適切な過電圧保護機能を使用し、雷雨によって生じるような過電圧が、製品に達しないようにしてくだ
さい。高圧保護機能がないと、操作要員に感電の危険が及ぶ可能性があります。
設計が意図していないかぎり、どのような物もであっても、ケースの開口部に差し込まないでください。
製品内部が短絡状態になり、感電したり、火災の原因になったり、けがをしたりすることがありま す。
別段の記載がないかぎり、製品は防水ではありません。(「操作状態と操作位置」セクションの項目 0
も参照してください。したがって、機器を水滴の浸入から保護する必要があります。)必要な予防 策を取らないと、感電する危険が生じたり、製品に損傷を与えたり、その結果、身体への損傷を招 く可能性があります。
低温の環境から暖かい環境へと製品を移動した場合など、製品の内外に結露が生じている状態、あるい
は生じる可能性があるような条件下では、絶対に製品を使用しないでください。水の浸入は感電の 危険性が増します。
電源(AC 供給ネットワークまたはバッテリなど)と製品の接続を完全に外してから、製品を掃除して
ください。柔らかく、糸くずの出ない布を使用して製品を掃除してください。アルコール、アセト ン、またはセルロースラッカー用の希釈剤などの化学洗剤を使用しなでください。
操作
1. 製品を操作するためには、専門的な訓練と高度な集中力が必要です。製品を使用する要員が、肉体 的、精神的、および情緒的見地から、製品の操作に適切かどうか確認してください。不適切な場合 には、けがまたは製品への損傷の可能性があります。製品の操作に適した要員を選択することは、 雇用者/運営担当者の責務です。
「輸送」セクションを確認して遵守しながら、製品の移動および輸送を行います。 すべての工業製品同様、通常、ニッケルなど、アレルギー症状を引き起こす物質(アレルゲン)の使用
を避けることはできません。ROHDE & SCHWARZ 社の製品を使用して皮膚に発疹ができたり、く しゃみが頻発したり、目が充血したり、または呼吸困難な状態など、アレルギー症状が現れた場合 には、すみやかに医者に相談し、原因を確認して、健康上の問題またはストレスを予防してくださ い。
製品の機械的処理、熱処理、または解体前に、「値の入力 − パラメータの設定」セクションの項目1
を必ず確認して注意を払ってください。
RF 無線設備など、特定の製品の機能によっては、高レベルな電磁放射が生じる可能性があります。胎
児に対しては保護を強化する必要があるため、妊婦は適切な方法で保護する必要があります。また、 電磁放射は、ペースメーカを使用している人に対しても危険を及ぼす可能性があります。雇用者/ 運用担当者は、電磁放射を被ばくする危険性の高い仕事場を調査し、必要に応じて、潜在的な危険 を回避するための方策を講じる必要があります。
火災が発生した場合には、健康に害を与える恐れのある有毒物質(気体、液体など)が製品から流出す
る可能性があります。したがって、防護マスクや防護服の装着など、適切な対策を講じる必要があ ります。
ROHDE & SCHWARZ 社の製品にレーザ製品(CD/DVD ドライブなど)が組み込まれている場合には、
製品資料で説明されている設定や機能以外は使用しないでください。これは身体への損傷(レーザ 光線などによる)を防ぐためです。
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基本的な安全指示
修理とサービス
1. 製品は、専門的訓練を受けた資格のある要員以外が開くことはできません。製品に対して作業をす る場合、あるいは製品を開く場合には、事前に、製品を AC 供給ネットワークから切断しておかな ければなりません。切断しておかないと、要員に感電の危険が及ぶ可能性があります。
ROHDE & SCHWARZ 社から許可された電気技師以外が、調整、部品の交換、保守、および修理を行う
ことはできません。安全性に関わる部品(電源スイッチ、電源トランス、ヒューズなど)を交換す る場合には、オリジナルの部品以外を使用することはできません。安全性に関わる部品を交換した 場合には、必ず、安全テスト(外観検査、PE コンダクタ・テスト、絶縁抵抗測定、漏えい電流測 定、機能テスト)を行わなければなりません。これにより製品の安全を引き続き確保します。
バッテリと蓄電池
バッテリと蓄電池に関する情報の必要な範囲内すべてを遵守しないと、破裂や火災の発生、または重傷 や死亡の可能性があります。アルカリ性のバッテリおよび蓄電池(リチウム電池など)は、標準規格EN 62133に従って処理する必要があります。
1. 電池を分解したり、または破壊したりしないでください。
2. 電池またはバッテリを熱や火に近づけないでください。日光が直接当たる場所への保管を避けてく
ださい。電池およびバッテリを清潔で乾いた状態で保管してください。乾いた清潔な布でコネクタ の汚れを取り除いてください。
3. 電池またはバッテリを短絡させないでください。互いに短絡を起こしたり、他の伝導体により短絡 が引き起こされるため、電池またはバッテリを箱や引き出しに保管しないでください。電池および バッテリを使用する時まで元の梱包から取り出さないでください。
4. 電池およびバッテリを子供の手の届かない所に保管してください。電池またはバッテリを飲み込ん だ場合には、すみやかに医者に相談してください。
5. 許容範囲外の強い機械的衝撃を電池およびバッテリに与えてはいけません。
6. 電池から液体が漏れている場合、その液体が皮膚または目に直接触れないようにしてください。触 れてしまった場合には、十分な水でその部分を洗い、医者に相談してください。
7. アルカリ性の蓄電池またはバッテリ(リチウム電池など)は正しく交換しないと、破裂する可能性
があります。製品の安全性を確保するために、ROHDE & SCHWARZ 社のタイプに一致する電池ま たはバッテリ(部品リストを参照してください)とのみ交換してください。
電池およびバッテリをリサイクルして、残留廃棄物とは区別してください。鉛、水銀、およびカドミウ
ムを含む蓄電池および通常のバッテリは有害廃棄物です。廃棄物処理およびリサイクルに関する国 内の規則を遵守してください。
輸送
1. 製品は非常に重いため、慎重に扱う必要があります。一部では、背中や体のその他の部分の損傷を 避けるため、製品の持ち上げまたは移動には適切な方法(リフトトラックなど)が必要になります。
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基本的な安全指示
2. 製品の取っ手は、操作要員が製品を運ぶ目的でのみ設計されています。したがって、クレーン、フォー クリフト、自動車などの輸送手段に製品を固定するために取っ手を使用することはできません。輸 送または持ち上げる際に製品をしっかりと固定する場合、使用者が責任を負います。輸送または持 ち上げの際は、製造者の安全規則を遵守してください。規則に従わない場合には、身体または製品 への損傷を招く可能性があります。
車中で製品を使用する場合には、車の安全な運転については、運転者が全責任を負うものとします。事
故や衝突については、製造者は一切の責任を負わないものとします。車の運転者の注意力が散漫に なる可能性があるため、移動中の車の中では絶対に製品を使用しないでください。事故の際に身体 またはその他への損傷を避けるために、製品を車中で適切に固定してください。
廃棄物処理
1. 製品または構成部品に対して本来の使用目的を超えて機械的処理または熱処理を行うと、有害な物 質(鉛、ベリリウム、ニッケルなどの重金属粉)が放出されることがあります。このため、専門的 訓練を受けた要員以外が製品を解体することはできません。適切に解体しないと、健康に害を与え ることがあります。各国の廃棄物処理規則を遵守しなければなりません。
2. 特殊な方法で廃棄しなければならない有害物質や燃料、たとえば定期的な補給を必要とする冷却液 やエンジンオイルなどを生じる製品を取り扱う場合には、有害物質や燃料の製造者からの安全指示、 および、各地で適用されている廃棄物処理規則を遵守しなければなりません。また、製品資料に示 されている安全規則も遵守してください。有害物質または燃料を適切に処理しないと、健康被害お よび環境問題を引き起こす可能性があります。
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R&S®FSVR
目次
1 はじめに..............................................5
1.1 文書の概要....................................................5
1.2 本書の表記について............................................7
2 フロント・パネルとリア・パネル........................9
2.1 フロント・パネル..............................................9
2.2 リア・パネル.................................................19
3 使用準備.............................................24
3.1 使用前準備...................................................24
目次
3.2 USB デバイスの接続...........................................31
3.3 外部モニタの接続.............................................33
3.4 本機の設定...................................................33
3.5 Windows オペレーティング・システム...........................43
3.6 ネットワーク(LAN)接続の設定................................45
3.7 LXI の設定...................................................48
3.8 GPIB インタフェースの設定....................................54
3.9 リモート・デスクトップ接続...................................55
4 ファームウェアのアップデートとオプションのインストール
.....................................................59
4.1 ファームウェアのアップデート.................................59
4.2 ファームウェア・オプションの有効化...........................60
5 基本的な操作.........................................62
5.1 ダイアグラム・エリア内の情報.................................62
5.2 ユーザとのインタフェース.....................................70
5.3 パラメータの設定.............................................80
3クイック・スタート・ガイド 1311.0670.18 ─ 03
R&S®FSVR
5.4 表示の変更...................................................86
6 基本的な測定例.......................................96
6.1 リアルタイム・アナライザの使用...............................96
6.2 正弦波信号の測定............................................108
6.3 正弦波信号の高調波測定......................................113
6.4 複数の信号のスペクトラムの測定..............................117
6.5 ゼロ・スパンでの測定........................................124
6.6 本機の設定情報のセーブ/リコール............................135
7 リモート制御の概要..................................139
7.1 リモート制御プログラミングの基本ステップ....................139
目次
7.2 プログラミングの詳細例......................................147
8 付録................................................163
8.1 付録:プリンタ・インタフェース..............................163
8.2 付録:LAN インタフェース....................................166
8.3 RSIB プロトコル.............................................192
索引................................................193
4クイック・スタート・ガイド 1311.0670.18 ─ 03
R&S®FSVR

1 はじめに

はじめに
文書の概要

1.1 文書の概要

本機のユーザ・ドキュメントは、次の冊子から構成されています。
クイック・スタート・ガイド
オペレーティング・マニュアル
サービス・マニュアル
オンライン・ヘルプ
リリース・ノート
クイック・スタート・ガイド
このマニュアルは印刷物と CD に PDF 形式で記録されたものとが本体に同梱され ています。 内容は、本機の設定と操作に必要なもので、基本的な操作方法と測定 方法を説明しています。 またリモート制御の概要、安全にご使用いただくための 注意事項などの一般的な事項のほか、次の各章が続きます。
第 1 章 本書の説明および本機の概要
第 2 章 フロント・パネルとリア・パネル
第 3 章 使用準備
第 4 章 ファームウェアのアップデートとファームウェア・オプションのイン
ストール
第 5 章 基本的な操作
第 6 章 基本的な測定例
第 7 章 リモート制御の概要
付録 1 プリンタ・インタフェース
付録 2 LAN インタフェース
オペレーティング・マニュアル
オペレーティング・マニュアルは、クイック・スタート・ガイドを補足するもの です。 オペレーティング・マニュアルは、基本ユニットおよび追加(ソフトウェ ア)オプションごとに用意されます。
5クイック・スタート・ガイド 1311.0670.18 ─ 03
R&S®FSVR
基本ユニットのオペレーティング・マニュアルでは、本機の基本事項について概 説し、"Spectrum" モードについて詳細に説明します。 さらに、様々な測定モー ドの基本機能を向上させるソフトウェア・オプションも解説します。 クイック・ スタート・ガイドで説明した測定例を、より高度な測定例を使ってさらに詳細に 解説しています。 リモート制御については、クイック・スタート・ガイドで述べ た概要のほかに、コマンドの詳細とプログラミングの例も示してあります。 保守 および本機のインタフェースやエラー・メッセージに関する情報も提供します。
各々のオプション・マニュアルでは、そのオプションで追加される本機の機能を 具体的に詳述します。 デフォルトの設定とパラメータの詳細については、デー タ・シートを参照してください。 本機の基本的な操作方法は、オプション・マニ ュアルでは説明しません。
本機では、下記のオペレーティング・マニュアルが提供されます。
R&S FSV 基本ユニット。次のオペレーティング・マニュアルもあります。
R&S FSV-K9 パワー・センサ・サポート
はじめに
文書の概要
R&S FSV-K14 スペクトログラム測定
R&S FSV-K7 アナログ復調および R&S FSV-K7S FM ステレオ測定
R&S FSV-K10 GSM/EDGE 測定
R&S FSV-K30 ノイズ・フィギュア測定
R&S FSV-K40 位相雑音測定
R&S FSV-K70 ベクトル信号解析
R&S FSV-K72 3GPP FDD BTS 解析
R&S FSV-K73 3GPP FDD UE 解析
R&S FSV-K76/77 3GPP TD-SCDMA BTS/UE 測定
R&S FSV-K82/83 CDMA2000 BTS/MS 解析
R&S FSV-K84/85 1xEV-DO BTS/MS 解析
R&S FSV-K91 WLAN IEEE 802.11a/b/g/j/n
R&S FSV-K93 WiMAX IEEE 802.16 OFDM/OFDMA 解析
R&S FSV-K100/K104 EUTRA/LTE ダウンリンク測定アプリケーション
R&S FSV-K101/K105 EUTRA/LTE アップリンク測定アプリケーション
このマニュアルは CD に PDF 形式で収録され、本体に添付されて出荷されま す。 印刷版のマニュアルをご希望の場合は営業担当へご請求ください。
6クイック・スタート・ガイド 1311.0670.18 ─ 03
R&S®FSVR
はじめに
本書の表記について
サービス・マニュアル
このマニュアルは、PDF 形式で CD に記録されて本体と共に出荷されます。 本機 の機能について、正確な測定を行うための定格仕様との適合性のチェック方法、 修理、トラブルシューティング、および故障除去について説明します。 モジュー ルの交換によって本機を修理するときに必要な内容が、詳細に説明してありま す。 サービス・マニュアルの内容は、次のとおりです。
第 1 章 性能確認試験
第 2 章 調整
第 3 章 修理
第 4 章 ソフトウェアのアップデート/オプションのインストール
第 5 章 ドキュメント
オンライン・ヘルプ
オンライン・ヘルプには、本機および使用可能なすべてのオプションの操作につ いて、項目別のヘルプ情報が収録されています。 マニュアル操作とリモート操作 の両方について説明しています。 オンライン・ヘルプは本機にデフォルトでイン ストールされているほか、本機に添付の CD に実行可能形式の chm ファイルとし ても収められています。
リリース・ノート
リリース・ノートには、ファームウェアのインストール方法をはじめ、機能の追 加や修正、解決済みの問題点、ドキュメントの収録に間に合わなかった変更内容 などを記載しています。 対応するファームウェアのバージョンは、リリース・ノ ートの表紙に示されています。 現時点のリリース・ノートは、インターネット上 で提供しています。

1.2 本書の表記について

1.2.1 文字体裁

本書では、次のテキスト書式を使用しています。
7クイック・スタート・ガイド 1311.0670.18 ─ 03
R&S®FSVR
はじめに
本書の表記について
表記 説明
"Graphical user interface elements" ダイアログ・ボックスや、メニュー、オプショ
ン、 ボタン、ソフトキーなどのグラフィカル・ ユーザ・インタフェースの名前はクォーテーシ ョン・マークで囲みます。
KEYS キー名は大文字で表記します。
File names, commands, program code
Input
Links クリックできるハイパーリンクは、青いフォン
"References" 参照は、クォーテーション・マークで囲みま

1.2.2 手順説明の表記について

ファイル名、コマンド名、プログラムコード、 スクリーン表示文字などは、 このフォントで 表記します。
ユーザが入力する内容は、イタリック体で表記 します。
トで表記します。
す。
本機は、同じ動作について複数の操作方法がある場合があります。ここでは、タ ッチ・スクリーンを使用する方法を説明します。タッチ操作できるエレメントは、 マウス・クリックで操作することもできます。同じ操作をパネル上のキーやタッ チ・スクリーン上のキーボードを使用して行う方法については、標準以外の手順 の場合にのみ記述します。
操作の説明で「選択」という場合、タッチ・スクリーンに指を触れるか、マウス・ ポインタ、パネル上のキー、キーボードのいずれかで行ってください。
8クイック・スタート・ガイド 1311.0670.18 ─ 03
R&S®FSVR
フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル

2 フロント・パネルとリア・パネル

2.1 フロント・パネル

本章では、すべてのファンクション・キーとコネクタを含め、フロント・パネル について説明します。
図 2-1 に、本機のフロント・パネルの外観を示します。 個々についての詳細な
説明は、それぞれのセクションを参照してください。
図 2-1:
No. 説明 参照先
1 本機の基本的な設定に使用するファン
クション・キー。測定モードの切り替 え、初期設定の変更、ヘルプなど
2 USB コネクタ。外部装置(マウス、キ
ーボードなど)を接続するときに使用
3電源 ON/OFF スイッチ3.1.6, "電源のオン/オフ",
4 タッチ・スクリーン。測定結果の表示
領域
2.1.1, "フロント・パネルのファンクション・ キー", (ページ 10)
2.1.3, "フロント・パネルのコネクタ",
(ページ 15)
(ページ 28)
2.1.2, "タッチ・スクリーン上の表示",
(ページ 14)
9クイック・スタート・ガイド 1311.0670.18 ─ 03
R&S®FSVR
No. 説明 参照先
フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル
5 補助機能。Windows のスタート・メニ
ューや オン・スクリーン・キーボー ドを呼び出す
6スクリーンの表示モード切り替え5.4, "表示の変更", (ページ 86)
7 スクリーン・メニューのナビゲーション5.2.6, "矢印キー、UNDO/REDO キー",
8測定条件の設定。周波数、レベルなど2.1.1, "フロント・パネルのファンクション・
9マーカ機能2.1.1, "フロント・パネルのファンクション・
10測定の手順、組み立て2.1.1, "フロント・パネルのファンクション・
11測定開始の指示2.1.1, "フロント・パネルのファンクション・
12テンキー。単位やデータの入力キー5.2.4, "キーパッド", (ページ 74)
13ロータリ・ノブ5.2.5, "ロータリ・ノブ", (ページ 75)
14矢印キー5.2.6, "矢印キー、UNDO/REDO キー",
2.1.1, "フロント・パネルのファンクション・ キー", (ページ 10)
(ページ 75)
キー", (ページ 10)
キー", (ページ 10)
キー", (ページ 10)
キー", (ページ 10)
(ページ 75)
15取り消し/やり直し機能5.2.6, "矢印キー、UNDO/REDO キー",
(ページ 75)
16ノイズ・ソースの制御2.1.3, "フロント・パネルのコネクタ",
(ページ 15)
17パワー・センサ(オプション)2.1.4, "フロント・パネルのオプション・コネ
クタ", (ページ 17)
18 プローブ電源コネクタ。測定用の付属
品に電圧を供給
19RF 入力2.1.3, "フロント・パネルのコネクタ",

2.1.1 フロント・パネルのファンクション・キー

2.1.3, "フロント・パネルのコネクタ",
(ページ 15)
(ページ 15)
対応するメニュー、およびその他のファンクション・キーについては、オペレー ティング・マニュアルの第 6 章 "Instrument Functions" で詳しく解説してあり ます。
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表 2-1: ファンクション・キー
フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル
本機をオン/オフします。
本機をデフォルト状態にリセットします。
本機の設定情報をセーブしたりリコールしたり する機能と、セーブされているファイルを管理 する機能があります。
本機を設定する基本機能。
日付と時間
表示の設定
LAN の設定
ファームウェアに関する情報およびアップ デート
その他
プリンタとプリントアウト形式の設定。
オンライン・ヘルプを表示します。
モードの選択
Windows のスタート・メニューを開きます。
オン・スクリーン・キーボードの表示を次のよ うに切り替えます。
スクリーンの最上部に表示
スクリーンの最下部に表示
表示しない
英数字キーボード
スクリーンのエレメントをオン/オフするダイ アログ・ボックスを開きます。
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フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル
フォーカスしている領域を最大表示と分割表示 に切り替えます。
フォーカスしている表示を表形式と図形式に切 り替えます。
ユーザ固有の設定ファイルをリコールできるよ うに、ソフトキーの定義と設定をします。
現在の動作モードのルート・メニューを開きま す。
FREQ (CHANNEL) 設定しようとする周波数範囲の中心周波数、ス
タート周波数、およびストップ周波数を設定し ます。 このキーは、周波数オフセットやシグ ナル・トラック機能の設定にも使用します。
(特殊なアプリケーションでは CHANNEL と呼ば
れます)
SPAN 解析する周波数スパンを設定します。
リアルタイム・モードではスパンは RBW に連 動し、40 MHz に制限されます。
AMPT (SCALE) レベル表示のときの基準レベル、表示するダイ
ナミック・レンジ、RF アッテネーション、お よび単位を設定します。
レベル・オフセットと入力インピーダンスを設 定します。
プリアンプ(オプションの RF プリアンプ、 R&S FSV-B22)を起動します。
(特殊なアプリケーションでは SCALE と呼ばれ
ます)
AUTO SET 周波数やレベル、掃引モードの設定などを自動
的に行います。
BW 分解能帯域幅とビデオ帯域幅を設定します。
リアルタイム・モードでは、RBW はスパンに連 動します。 ビデオ帯域幅は使用できません。
SWEEP 掃引時間と測定ポイント数を設定します。 リ
アルタイム・モードでは、測定ポイント数は 801 に固定されます。
連続測定または単測定を選択します。
TRACE 測定データの収集と解析の方法を設定します。
TRIG ゲート掃引の場合のトリガ・モード、トリガ閾
値、遅延トリガ、およびゲート・コンフィグレ ーションを設定します。
MKR 絶対測定と相対測定のマーカ(マーカとデル
タ・マーカ)を設定して位置を決めます。
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フロント・パネル
PEAK SEARCH 有効になっているマーカに対しピーク・サーチ
を実行します。 有効になっているマーカがな いときは、ノーマル・マーカ 1 を有効にして ピーク・サーチを実行します。
MKR FUNC この測定マーカには次の解析機能も付随してい
ます。
相対測定マーカ用の固定基準点(Ref Fixed)
周波数カウンタ(Sig Count)
ノイズ・マーカ(Noise Meas)
位相雑音(Phase Noise)
n dB ダウン機能
AM/FM オーディオ復調(オプション R&S FSV-B3 使用時)
リアルタイム・モードでは、マーカ機能は使用 できません。
MKR
MEAS 測定を実行するときに使用します。
測定マーカのサーチ機能に使用します(トレー スの最大値と最小値)。
マーカ周波数を中心周波数に設定し、マーカ・ レベルを基準レベルに設定します。
サーチ・エリアを限定し(Search Limits)、最 大点と最小点の特性を明らかにします(Peak Excursion)。
スペクトラム・モードでは、以下の測定が実施 できます。
マルチキャリア隣接チャネル・パワーの測 定(Ch Power ACLR)
搬送波対雑音間隔(C/N C/No)
占有帯域幅(OBW)
スペクトラム・エミッション・マスク測定
(Spectrum Emission Mask)
スプリアス・エミッション(Spurious Emissions)
タイム・ドメイン・パワー測定(Time Domain Power)
信号の統計データ 振幅確率分布(APD)と 累積分布補関数(CCDF)
3 次インタセプト・ポイント(TOI)
AM 変調度(AM Mod Depth)
リアルタイム・モードでは、以下の測定が実施 できます。
リアルタイム・スペクトラム
スペクトログラム
持続性スペクトラム
MEAS CONFIG 測定条件を定義するときに使用します。
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フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル
LINES 表示ラインと規格線を設定します。
TRIGGER OUTPUT 入出力機能用のソフトキーを表示します。
RUN SINGLE 単測定(Single Sweep Mode)を開始します。
RUN CONT 連続測定(Continuous Sweep Mode)を開始し
ます。
UNDO 直前の操作を取り消します。
一部のアプリケーションには対応していませ ん。詳細はリリース・ノートを参照してくださ い。
REDO 直前に取り消した操作を再度実行します。
一部のアプリケーションには対応していませ ん。詳細はリリース・ノートを参照してくださ い。

2.1.2 タッチ・スクリーン上の表示

すべての測定結果は、フロント・パネルのスクリーンに表示されます。 また、ス クリーンを通して測定の状態や条件設定を確認できるほか、複数の測定タスクを 切り替えることもできます。 このスクリーンは指で触れて制御することもでき、 ユーザは素早く容易に操作できるようになっています。
図 2-2 に、本機のタッチ・スクリーンの画面とその周辺を示します。 個々のエ
レメントについては、5, "基本的な操作", (ページ 62) で詳細に説明し ています。
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フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル
図 2-2: タッチ・スクリーンのエレメント
1 = 基本的な動作のツールバーです。印刷、ファイルのセーブ/オープンなどの機能が利用でき
ます。 2 = 個々の測定タスクのタブです。 3 = 現在の測定の条件設定に関するチャネル情報バーです。 4 = ダイアグラムのヘッダ部。ダイアグラム特有の情報(トレース)を示します 5 = 測定結果の表示領域です。 6 = 測定結果のフッタ部。測定モードに応じたダイアグラム特有の情報を示します 7 = エラー表示 8 = エラーがあったときにエラー・メッセージが表示されます。 9 = 装置の状態 10 = 測定の進捗度を示すバーが表示されます。 11 = 日付と時間 12 = メニューを選択するソフトキーです。

2.1.3 フロント・パネルのコネクタ

このセクションでは、本機のフロント・パネル上のコネクタとインタフェースに ついて説明します。 オプションで追加されたコネクタやインタフェースは、括弧
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フロント・パネル
内にオプション名を示します。 USB コネクタ以外のほとんどのコネクタは、フロ ント・パネルの右下に実装されています。
2.1.3.1 USB
フロント・パネルには、キーボードやマウスなどのデバイスを接続するために、 2 つの USB コネクタがあります(キーボードには R&S PSL-Z2、オーダー番号
1157.6870.03 を、またマウスには R&S PSL-Z10、オーダー番号 1157.7060.03 を 推奨します)。 また USB メモリを接続して、本機の設定情報や測定値のセーブ、 リロードに使うこともできます。
測定結果への EMI の影響 電磁妨害(EMI)により測定結果が影響される場合があります。 影響を排除
するために、次の条件を守ってください。
ケーブルは 2 重シールドされたものを使用してください。
USB 接続ケーブルの長さは、1m 以内のものを使用してください。
また EMI の規制に適合する USB 装置だけを使用してください。
本機に IEC バス・ケーブルを接続する場合は、他の機器またはコントロ ーラで必ず終端させてください。
2.1.3.2 ノイズ・ソースの制御
外部のノイズ・ソースに電源電圧を与えるためのノイズ・ソース制御用コネクタ です。ノイズ・フィギュアやアンプ・ゲインの測定、周波数を変換するような被 試験装置の測定などに使用します。
通常使われるノイズ・ソースは多くの場合、スイッチ・オンのときに +28V、オフ のときに 0V を必要とします。 この出力では最大 100mA の電流をサポートして います。
2.1.3.3
RF 入力 50Ω
RF 入力は、適切なコネクタの付いたケーブルで被試験装置に接続してください。
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フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル
本機への損傷の危険 入力をオーバーロード状態にしないでください。 最大許容値については、
データシートを参照してください。 入力を AC カップリングで使用すると きは、重畳できる DC 電圧の最大値は 50V です。 また DC カップリングの ときには、いかなる DC 電圧も重畳させてはなりません。 どちらのカップ リングでも、これらの制限内で使用ください。
2.1.3.4 プローブ・パワー
本機には、アクティブなプローブやプリアンプに電圧 +15V ~ -12V およびアースを接続するためのコネクタを備えています。 最大 で 140 mA までの電流が使用できます。 このコネクタは、Agilent
のハイインピーダンス・プローブの電源として適しています。

2.1.4 フロント・パネルのオプション・コネクタ

2.1.4.1
AF 出力(オーディオ復調器オプション、R&S FSV-B3)
この AF 出力コネクタには、ミニチュア・ジャック・プラグ付きヘッドホンを接 続することができます。 内部インピーダンスは 10 Ω です。 このコネクタの右 にあるボリューム・コントロールで出力電圧を設定できます。 プラグを接続した 場合、内蔵スピーカは自動的にオフになります。
このコネクタとボリューム・コントロールは、オーディオ復調器オプション
(R&S FSV-B3)でのみ使用できます。 AF 出力を使用するには、"In-/Output" メ
ニュー(INPUT/OUTPUT キー)から "Video Output" を選択します。 出力電圧(ボ リューム)は 1V です。
聴覚障害の危険 聴覚を保護するため、ヘッドホンを装着する前に、ボリュームの設定が高す
ぎないことを確認してください。
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フロント・パネルとリア・パネル
フロント・パネル
2.1.4.2
パワー・センサ(追加インタフェース・オプション、R&S FSV-B5)
R&S NRP-Zxy 系列のパワー・センサの接続には、LEMOSA コネクタを使用します。
2.1.4.3
外部ミキサ用コネクタ(EXT MIXER、オプション R&S FSV-B21)
外部ミキサは、R&S FSVR 30(オプション R&S FSV-B21)の LO OUT/IF IN と IF IN のコネクタに接続できます。 2 ポート構成および 3 ポート構成のミキサの両 方に対応しています。 ミキサは次のように接続します。
LO 信号を入力するには、付属の同軸ケーブルを使用してください。 本機に 外部ミキサを接続しない場合は、フロント・パネルのコネクタ LO OUT/IF IN と IF IN の両方を、付属の SMA キャップでカバーしてください。
3 ポート・ミキサ
1. 本機の LO OUT/IF IN 出力を外部ミキサの LO ポートに接続します。
2. 本機の IF IN 入力を外部ミキサの IF ポートに接続します。
3. 測定する信号を、外部ミキサの RF 入力に供給します。
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2 ポート・ミキサ
フロント・パネルとリア・パネル
リア・パネル
1. 1. 本機の LO OUT/IF IN 出力を外部ミキサの LO/IF ポートに接続します。
公称 LO レベルは 15.5dBm です。 本機にダイプレクサが内蔵されているため、ミキサに LO 信号を入力するため のラインから、IF 信号を取り込むことができます。
2. 測定する信号を、外部ミキサの RF 入力に供給します。

2.2 リア・パネル

図 2-3 に、本機のリア・パネルの外観を示します。 個々についての詳細な説明
は、それぞれのセクションを参照してください。 オプションで追加されたコネク タやインタフェースは、括弧内にオプション名を示します。
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フロント・パネルとリア・パネル
リア・パネル
図 2-3: リア・パネル
1 = LAN 2 = EXT TRIGGER / GATE IN 3 = MONITOR (VGA) 4 = REF IN 5 = REF OUT 6 = GPIB インタフェース 7 = AC 電源入力、およびヒューズ付き主電源スイッチ

2.2.1 リア・パネルの標準コネクタ

2.2.1.1 AC 電源コネクタと主電源スイッチ
AC 電源に接続するコネクタと主電源スイッチは、リア・パネルの 1 箇所に実装 されています。
主電源スイッチの機能:
Position 1 にあるときは、本機が使用状態にあることを示します。
Position 0 にあるときは、AC 電源から完全に切り離されています。
詳細については、3.1.6, "電源のオン/オフ", (ページ 28) を参照して ください。
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フロント・パネルとリア・パネル
リア・パネル
OCXO に必要なウォームアップ時間 本機の電源を入れたときには十分な OCXO ウォームアップ時間が必要です(デ
ータシートを参照)。待機モードから起動する場合には、ウォームアップ時 間の必要はありません。
2.2.1.2 LAN
LAN インタフェースを使用して、本機をローカル・ネットワークに接続し、リモ ート制御、プリントアウト、およびデータ転送を行うことができます。 RJ-45 コ ネクタを採用することによって、星形構成においてカテゴリ 5 の UTP/STP ツイ スト・ペア・ケーブルを使用することができます。UTP は
pair
(シールドされていないツイスト・ペア)、STP は
unshielded twisted
shielded twisted pair
(シールドされたツイスト・ペア)を表します。
2.2.1.3 MONITOR (VGA)
VGA コネクタは、外部モニタを接続するために使用します。 モニタの接続方法の 詳細は、3.3, "外部モニタの接続", (ページ 33) を参照してください。
2.2.1.4 EXT TRIGGER / GATE IN
EXT TRIGGER/GATE IN コネクタは、外部信号で測定を制御するときに使用しま す。 電圧レベルは 0.5 ~ 3.5V、初期値では 1.4V です。 入力インピーダンス は、標準で 10 kΩ です。
2.2.1.5 REF IN
基準信号は、内部基準信号を使うか外部基準信号を接続して使うかを選択できま す。 この切り替えは設定メニューの中で行います。 外部の基準信号を使用する ときは REF IN コネクタに外部基準信号を入力します。周波数が 1 ~ 20MHz、レ ベルが 0 ~ 10dBm の信号を印加してください。
2.2.1.6 REF OUT
このコネクタは、本機に接続された装置に外部基準信号(OCXO 基準信号など)を 出力するときに使用します。 基準信号は 10 MHz、出力レベル 0 dBm で出力され ます。
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リア・パネル
2.2.1.7 GPIB インタフェース
GPIB インタフェースは、IEEE488 および SCPI 規格に準拠しています。 外部の コンピュータからリモート制御するときにこのコネクタを使います。 接続の際に は、シールド・ケーブルをご使用ください。 詳細ついては、オペレーティング・ マニュアルの第 7 章 "Remote Control Basics" を参照してください。

2.2.2 リア・パネルのオプション・コネクタ

2.2.2.1
OCXO オプション(R&S FSV-B4)
このオプションは、出力レベル ≧ 0dBm の 10MHz の基準信号を高精度で生成し ます。 このオプションが実装され、外部から基準信号が入力されていないときに は、このオプションの信号が内部基準信号として使用されます。 この基準信号 を REF OUT コネクタから出力すると、他の装置を同期させるときにも使用できま す。
OCXO に必要なウォームアップ時間 本機の電源を入れたときには十分な OCXO ウォームアップ時間が必要です(デ
ータシートを参照)。待機モードから起動する場合には、ウォームアップ時 間の必要はありません。
2.2.2.2
TRIGGER OUTPUT(オプション番号、R&S FSV-B5)
別の装置に信号を出力するときに BNC コネクタを使用できます。 出力は TTL レ ベルです(0V/5V)。 "In-/Output" メニュー(INPUT/OUTPUT キー)から "Trigger out" ソフトキーを選択して、トリガ出力をコントロールします。
トリガ出力では、リアルタイム・モードで利用できる周波数マスク・トリガによ って信号をコントロールすることもできます。
2.2.2.3
IF/VIDEO(オプション番号、R&S FSV-B5)
この BNC コネクタは、次に示す様々な出力に使用できます。
約 20MHz の中間周波数(IF)出力
ビデオ出力(1V)
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フロント・パネルとリア・パネル
リア・パネル
IF 出力とビデオ出力の切り替えは、"In-/Output" メニュー(INPUT/OUTPUT)で 行います。
2.2.2.4
USB(オプション番号、R&S FSV-B5)
リア・パネルにはさらに 2 個の USB コネクタが実装されています。ここに、キ ー・ボード(推奨品 R&S PSL-Z2、オーダー番号 1157.6870.03)やマウス(推奨 品 R&S PSL-Z10、オーダー番号 1157.7060.03)を接続できます。 また USB メモ リを挿入し、装置設定や測定データのセーブ、リロードができます。
測定結果への EMI の影響 電磁妨害(EMI)により測定結果が影響される場合があります。 影響を排除
するために、次の条件を守ってください。
ケーブルは 2 重シールドされたものを使用してください。
USB 接続ケーブルの長さは、1m 以内のものを使用してください。
また EMI の規制に適合する USB 装置だけを使用してください。
本機に IEC バス・ケーブルを接続する場合は、他の機器またはコントロ ーラで必ず終端させてください。
2.2.2.5
AUX PORT(オプション番号、R&S FSV-B5)
9 ピンの D-SUB コネクタから、外部装置をコントロールするための制御信号が出 力されます。 電圧レベルは TTL レベルです(最大 5V)。
ピン番号 信号 説明
1 +5V/最大 250mA 外部回路への電圧供給
2 ~ 7 I/O 未使用(将来の機能拡張用)
8 GND 接地
9 トリガ準備 OK 本機にトリガ信号受信の準備ができ
ていることを示す信号
ピンの短絡(接地)に注意 ピンの短絡によって本機が壊れることがあります。ピンの配列に十分な注意
を払ってください。
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3 使用準備

使用準備
使用前準備

3.1 使用前準備

このセクションでは、本機を最初に設定するときの基本手順を説明します。
感電の危険 本機のケーシングは開けないでください。本機の通常操作時には、ケーシン
グを開ける必要はありません。このマニュアルの冒頭に示した安全注意事項 および規則を参照してください。
本機への損傷の危険 一般的な安全注意事項には、本機の損傷を防止するための操作条件について
も記載しています。本機のデータ・シートに、その他の操作条件が記載され ている場合があります。
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