
R&S®Spectrum Rider
ハンドヘルド・スペクトラム・
アナライザ
クイック・ガイド
(=E9îB)
1321099618
クイック・ガイド
バージョン 01.00

このマニュアルでは、以下の R&S®FPH モデルおよびオプションについて説明しま
す。
●
R&S® FPH(1321.1111.02)
●
R&S ®FPH-B3(1321.0667.02)
●
R&S ®FPH-B4(1321.0673.02)
●
R&S ®FPH-B22(1321.0680.02)
●
R&S ® FPH-K9(1321.0709.02)
●
R&S ® FPH-K19(1321.0721.02)
●
R&S ® FPH-K29(1321.0738.02)
このマニュアルの内容は、バージョン 1.00 以降のファームウェアに対応します。
R&S Spectrum Rider のファームウェアでは、重要なオープンソース・ソフトウェア・パッケージを複数使
用しています。詳細については、付属のユーザ・ドキュメント CD-ROM に収録されている「オープン・ソ
ース・アクノリッジメント」を参照してください。
ローデ・シュワルツは、オープン・ソース・コミュニティのエンベデッド・コンピューティングへの多大
な貢献に対して謝意を表します。
© 2015 Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG
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あらかじめご了承ください。 R&S® は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG. の登録商標です。
1321.0996.18 | バージョン 01.00 | R&S®Spectrum Rider
本書では以下の表記を使用します。R&S® Spectrum Rider は R&S Spectrum Rider と表記します。R&S®FPH
は R&S FPH と表記します。R&S®InstrumentView は R&S InstrumentView と表記します。

目次
1 はじめに..............................................7
1.1 ドキュメントの概要............................................ 7
1.2 本書の表記について............................................ 8
1.2.1 文字の表記.................................................... 8
1.2.2 手順の説明について............................................ 9
1.2.3 その他の表記.................................................. 9
2 使用の準備...........................................11
2.1 本機を使用する............................................... 11
目次R&S®Spectrum Rider
2.1.1 本機の開梱と確認............................................. 13
2.1.2 付属品リスト................................................. 13
2.1.3 設定 R&S Spectrum Rider...................................... 14
2.1.4 AC アダプタの使用............................................ 15
2.1.5 バッテリ動作................................................. 16
2.1.6 バッテリの保守............................................... 19
2.1.6.1 取り扱い..................................................... 19
2.1.6.2 保管......................................................... 20
2.1.6.3 輸送......................................................... 20
2.1.6.4 寿命......................................................... 20
2.2 本機のオン/オフの切り替え................................... 21
2.3 付属オプションの確認......................................... 22
3 本機の詳細...........................................25
3.1 コントロールの概要........................................... 25
3.2 本機のコネクタ R&S Spectrum Rider............................ 26
3.2.1 RF 入力...................................................... 27
3.2.2 BNC コネクタ................................................. 28
3クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

目次R&S®Spectrum Rider
3.2.3 ヘッドホン・ジャック......................................... 28
3.2.4 USB ポート................................................... 29
3.2.5 DC ポート.................................................... 29
3.2.6 機械的ロック・デバイス....................................... 30
3.2.7 Mini USB ポートと LAN ポート................................. 30
3.2.8 SD カード・スロット.......................................... 31
3.3 タッチ・スクリーン・ディスプレイ............................. 31
3.3.1 タイトル・バー............................................... 33
3.3.2 測定結果ビュー............................................... 33
3.3.3 測定トレース・ウィンドウ..................................... 34
3.3.4 パラメータ・ビュー........................................... 35
3.3.4.1 設定概要..................................................... 37
3.4 オンスクリーン・キーボード................................... 39
3.5 フロント・パネル・キー....................................... 40
3.5.1 POWER キー................................................... 40
3.5.2 スクリーンショット・キー..................................... 41
3.5.3 ソフトキー................................................... 41
3.5.4 システム・キー............................................... 41
3.5.5 ファンクション・キー......................................... 42
3.5.6 キーパッド................................................... 43
3.5.7 ナビゲーション・コントロール................................. 44
3.6 オプションの管理............................................. 45
3.6.1 オプションの有効化........................................... 45
3.6.2 オプションの確認............................................. 45
3.6.3 R&S License Manager によるオプションの管理................... 46
3.7 本機の設定 R&S Spectrum Rider................................ 48
3.7.1 ハードウェアの設定........................................... 49
4クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

目次R&S®Spectrum Rider
3.7.2 日時の設定................................................... 50
3.7.3 地域設定の選択............................................... 51
3.7.4 ディスプレイの設定........................................... 52
3.7.5 音声出力の設定............................................... 54
3.7.6 電源の設定................................................... 55
3.7.7 本機のリセット R&S Spectrum Rider............................ 57
3.8 R&S Spectrum Rider と PC の接続...............................58
3.8.1 LAN 接続..................................................... 59
3.8.2 USB 接続..................................................... 64
4 本機の試験使用.......................................67
4.1 スペクトラム・アナライザの使用............................... 67
4.1.1 信号の減衰................................................... 67
4.1.2 プリアンプの使用............................................. 69
4.1.3 CW 信号の測定................................................ 69
4.1.4 高調波の測定................................................. 73
4.2 パワー・センサの使用......................................... 75
4.2.1 パワー・センサを使用したパワー測定........................... 76
4.3 結果と設定の保存/リコール................................... 79
4.3.1 測定結果の保存............................................... 79
4.3.2 測定結果のリコール........................................... 81
索引.................................................83
5クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

目次R&S®Spectrum Rider
6クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

はじめにR&S®Spectrum Rider
ドキュメントの概要
1 はじめに
1.1 ドキュメントの概要
R&S Spectrum Rider のユーザ・ドキュメントは、以下の内容で構成されます。
●
クイック・ガイド
●
ユーザ・マニュアル
●
サービス・マニュアル
●
リリース・ノート
●
インターネット・サイト
クイック・ガイド
クイック・ガイドでは、本機の機能に関する基本的な情報を提供します。
以下のトピックを説明します。
●
フロント・パネルとリア・パネルの全機能の概要。
●
R&S Spectrum Rider の設定方法に関する基本的な情報。
●
ネットワーク内で R&S Spectrum Rider を操作するための情報。
●
測定を実行するための手順。
ユーザ・マニュアル
ユーザ・マニュアルでは、本機の機能を詳細に説明します。
このマニュアルでは、本機の機能を詳細に説明します。さらに、本機のリモート
制御コマンドとステータス・レポート・システムの詳細も説明します。
以下のトピックを説明します。
●
さまざまな動作モードで R&S Spectrum Rider を使用するための手順。
●
R&S Spectrum Rider で測定を実行するための手順。
●
使用可能なソフトウェア・オプションとアプリケーションで作業するための手
順。
サービス・マニュアル
サービス・マニュアルでは、保守作業について説明します。
7クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

はじめにR&S®Spectrum Rider
本書の表記について
以下のトピックを説明します。
●
性能試験を実行するための手順。
●
R&S Spectrum Rider を修理するための手順。スペア部品のリストも含まれま
す。
●
機械製図。
リリース・ノート
リリース・ノートでは、ファームウェアのインストール、新機能と変更された機
能、解消された問題、およびリリース直前のドキュメントの変更について説明し
ます。リリース・ノートの標題紙には、対応するファームウェアのバージョンが
記載されています。最新のリリース・ノートはインターネット上で提供されます。
インターネット・サイト
インターネット・サイト(http://www.rohde-schwarz.com/product/fph.html)で
は、R&S Spectrum Rider に関する最新情報を提供します。最新のマニュアルは、
ダウンロード・エリアにおいて印刷可能な PDF 形式で提供されます。
また、ファームウェアの最新版もダウンロードでき、対応するリリース・ノート、
制御用ドライバ、最新のデータ・シート、アプリケーション・ノート、およびイ
メージ・バージョンが含まれています。
1.2 本書の表記について
R&S Spectrum Rider のマニュアルでは以下の表記を使用します。
1.2.1 文字の表記
本書では、以下のテキスト書式を使用しています。
表記 説明
"グラフィカル・ユーザ・インタフェース・エ
レメント"
スクリーン上のダイアログ・ボックスや、メニ
ュー、オプション、ボタン、ソフトキーなどの
グラフィカル・ユーザ・インタフェース・エレ
メントの名前はクォーテーション・マークで囲
みます。
[KEYS] キー名は大文字で表記します。
8クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

はじめにR&S®Spectrum Rider
本書の表記について
表記 説明
ファイル名、コマンド、プログラム・コード ファイル名、コマンド、コーディング・サンプ
ル、スクリーン表示文字は、左記のフォントで
表記します。
入力
リンク クリックできるハイパーリンクは、下線と青い
"参照" 参照は、クォーテーション・マークで囲みま
ユーザが入力する内容は、イタリック体で表記
します。
フォントで表記します。
す。
1.2.2 手順の説明について
本機は、同じ動作について複数の操作方法がある場合があります。ここでは、タ
ッチ・スクリーンを使用する方法を説明します。同じ操作をパネル上のキーやタ
ッチ・スクリーン上のキーボードを使用して行う方法については、標準以外の手
順の場合にのみ記述します。
操作の説明で「選択」という場合、タッチ・スクリーンをタッチ操作、パネル上
のキー、キーボードのいずれかで行ってください。
1.2.3 その他の表記
リモート・コマンドには入力を簡略化するために短縮形が含まれている場合があ
ります。このようなコマンドの説明では、入力する必要がある部分はすべて大文
字で表記されています。小文字のテキストは参考用です。
9クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

はじめにR&S®Spectrum Rider
本書の表記について
10クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

使用の準備R&S®Spectrum Rider
本機を使用する
2 使用の準備
●
本機を使用する..................................................... 11
●
本機のオン/オフの切り替え......................................... 21
●
付属オプションの確認............................................... 22
2.1 本機を使用する
この章は、R&S Spectrum Rider を初めて使用するときに参照してください。本機
を初めて使用する際の基本的な手順について説明します。
けがおよび装置損傷の危険
感電事故や、火災、傷害、損傷を防止するために、必ず適切な方法で本機を
使用してください。
●
本機の筐体は開けないでください。
●
本機に同梱の印刷されたカタログに記載の、「基本的な安全注意事項
(Basic Safety Instructions)」をお読みになって、記載内容に従ってく
ださい。ドキュメント CD-ROM にも電子形式で収録されています。
また、以下のセクションの安全注意事項をお読みになって、記載内容に
従ってください。本機のデータ・シートに、その他の操作条件が記載さ
れている場合があります。
本機への損傷の危険
一般的な安全注意事項には、本機の損傷を防止するための操作条件について
も記載しています。本機のデータ・シートに、その他の操作条件が記載され
ている場合があります。
11クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

使用の準備R&S®Spectrum Rider
本機を使用する
静電放電(ESD)の危険
静電放電(ESD)は本機と被測定物(DUT)の電子部品に損傷を与える可能性
があります。ESD が最も発生しやすいのは、本機のテスト・ポートに DUT
または試験装置を接続するときと取り外すときです。ESD を防止するため
に、リスト・ストラップとコードを使用して体をグランドに接続するか、伝
導性のフロア・マットとヒール・ストラップを組み合わせて使用してくださ
い。
詳細については、ドキュメント CD-ROM に電子形式で収録されている安全注
意事項を参照してください。
操作中の本機への損傷の危険
不適切な操作場所または試験セットアップは、本機や接続したデバイスに損
傷を与える可能性があります。本機の電源を投入する前に、以下の操作条件
を確認してください。
●
本機に湿気がなく、結露がないこと。
●
本機が以降のセクションで説明するように配置されていること。
●
周囲温度はデータ・シートに指定されている範囲を外れていないこと。
●
入力コネクタから入力される信号レベルがすべて指定範囲内にあるこ
と。
●
信号出力が適切に接続され、オーバーロード状態になっていないこと。
測定結果に対する EMI の影響
電磁妨害(EMI)が測定結果に影響を与える可能性があります。
電磁妨害(EMI)の発生を抑制するには、以下のようにしてください。
●
適切にシールドされた高品質のケーブルを使用します。例えば、二重シ
ールドされた RF ケーブルおよび LAN ケーブルを使用します。
●
開放端を必ず終端します。
●
EMI 適合クラスは、本機のデータ・シートを確認してください。
12クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

使用の準備R&S®Spectrum Rider
本機を使用する
●
本機の開梱と確認................................................... 13
●
付属品リスト....................................................... 13
●
設定 R&S Spectrum Rider............................................ 14
●
AC アダプタの使用.................................................. 15
●
バッテリ動作....................................................... 16
●
バッテリの保守..................................................... 19
2.1.1 本機の開梱と確認
物品書と付属品リストを使用して、本機の付属品に不足がないことを確認してく
ださい。本機に損傷がないか確認してください。損傷を受けている場合は、本機
を納入した運送業者にただちに連絡してください。
梱包材
元の梱包材は保管しておいてください。本機を輸送したり、出荷したりする
場合に、元の梱包材を使用してコントロール機能やコネクタを保護すること
ができます。
輸送時および出荷時の損傷の危険
輸送時や出荷時に力学的影響および静電気への保護が不十分だと、本機が損
傷する可能性があります。
●
力学的影響および静電気に対して適切に保護されていることを必ず確認
してください。
●
本機を輸送する場合は元の梱包材を使用してください。元の梱包材がな
い場合は、本機が内部で動かないように十分な詰め物を入れてください。
また、静電気から保護するために、本機を静電気防止用のラップで包ん
でください。
●
輸送時に本機が動いたり力学的影響を受けたりしないように、本機を固
定してください。
2.1.2 付属品リスト
本機には以下の付属品が同梱されています。
●
電源ケーブルとアダプタ・セット
13クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

使用の準備R&S®Spectrum Rider
本機を使用する
●
リチウム・イオン充電式バッテリ
●
USB2.0 ケーブル A-Mini
●
サイド・ストラップ
●
クイック・ガイド(印刷物)
●
安全注意事項と校正証明書が格納されたドキュメント・フォルダ
●
R&S Spectrum Rider CD-ROM
2.1.3 設定 R&S Spectrum Rider
R&S Spectrum Rider は研究室での活動にも現場での保守作業にも使用できるよ
うに設計されています。
環境に応じてディスプレイの視野角を調整し、横向きに置いたり、R&S Spectrum
Rider の背面のスタンドを使用して支えたりすることができます。
横向きに置いて上から操作する場合、R&S Spectrum Rider は背面の極小スタンド
のためにわずかに傾きます。この位置はディスプレイの最適な視野角です。
正面から操作した場合でもディスプレイを読み取りやすくするために、R&S
Spectrum Rider の背面のスタンドを引き出すことができます。
現場での使用や保守測定では、本機を両手で持つのが最も良い方法です。すべて
のコントロールを容易に操作することができます。被測定物(DUT)に対して作業
する際は、輸送時の作業が容易になるので、ショルダ・ストラップ(R&S HAZ323、オーダー番号 1321.1363.00)を使用することを推奨します。
R&S Spectrum Rider をオンにする前に、R&S Spectrum Rider の背面にあるバッテ
リ収納部に付属のリチウム・イオン・バッテリを挿入してください。
14クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

バッテリの挿入
1. バッテリ収納部にある 2 つの蝶ねじを取り外します。
2. カバーを開けます。
3. R&S Spectrum Rider にバッテリを挿入します。
4. カバーを閉めて、蝶ねじを締めます。
使用の準備R&S®Spectrum Rider
本機を使用する
R&S Spectrum Rider は AC アダプタでもバッテリでも操作できます。両方とも
本機に付属しています。
2.1.4 AC アダプタの使用
本機への損傷の危険
本機の損傷を防ぐために、以下の点に注意してください。
●
付属の電源(R&S HA-Z301)だけを使用してください。
●
AC 電源の電圧が電源ユニットに記載された電圧に適合していることを
確認してください。
●
適切なアダプタを電源に接続してください。
AC アダプタ(R&S HA-Z301、オーダー番号 1321.1386.00)を、R&S Spectrum Rider
の左側の DC ポートに接続します(図 2-1 の 1)。プラグがポートに完全に挿入
されていることを確認してください。
必要なシステムに応じて、本機に付属している適切な電源ケーブルを AC アダプ
タにしっかりと接続します(図 2-1 の 2)。
15クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

最後に、プラグを AC 電源のコンセントに接続します。
使用の準備R&S®Spectrum Rider
本機を使用する
図 2-1: AC アダプタ
1 = AC アダプタ
2 = 電源ケーブル
AC 電源の電圧範囲は AC 100 ~ 240 V です。
R&S Spectrum Rider を電源に接続したら、フロント・パネルの [Power] キーを
オンにすることができます。
2.1.5 バッテリ動作
R&S Spectrum Rider にはスマート・バッテリ・インジケータが搭載されており、
[Power] キーの上にはバッテリ充電ステータス、ディスプレイの右上にはバッテ
リ・アイコンが表示されます。 3.3.1,「タイトル・バー」 (33 ページ)を参照
してください。
リチウム・イオン・バッテリの容量は約 6.4 Ah であり、満充電時で最大 8 時間
の動作が可能です。
16クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

使用の準備R&S®Spectrum Rider
本機を使用する
実際の動作時間は、現在の充電ステータス、周囲温度、および R&S Spectrum Rider
の動作モードによって変わります。
R&S Spectrum Rider の動作時、電源の LED は ボタンの上に緑で表示されま
す。"タイトル・バー" ではバッテリ充電ステータスも参照できます。 3.3.1,「タ
イトル・バー」 (33 ページ)を参照してください。
R&S Spectrum Rider が動作中ではない場合、電源の LED は満充電されたバッテ
リに対しては青 で表示され、バッテリ充電プロセスを示すときは青で点滅し
ます。
"Measurement Title" に表示されるバッテリ・アイコンのバッテリ充電プロセス
およびバッテリ放電プロセスを下の図に示します。
図 2-2: バッテリ充電プロセス
図 2-3: バッテリ放電プロセス
充電中は、バッテリ・アイコンの緑のスロットが右から左に増加していき、電源
に接続している間にバッテリが充電されていることを示します。
バッテリが満充電された場合、バッテリ・アイコンには緑のスロットが 4 つあり
ます。それぞれのスロットがバッテリ容量の約 25% を表します。図 2-2 を参照
してください。
放電プロセスでは、バッテリ・アイコンの白いスロットが単一の赤いスロットに
なるまで減少していきます。これはバッテリ残量が少ないことを示します。
図 2-3 を参照してください。
R&S Spectrum Rider がオフ状態の場合(つまり、R&S Spectrum Rider の電源が
入っていない)、充電時間は約 3 時間です。本機がアクティブ・モードの場合(つ
まり、R&S Spectrum Rider の電源が入っている)、電力の一部が R&S Spectrum
Rider の動作に使用されて充電電流が減少するため、充電時間は約 4 時間に伸び
ます。
出先で操作する場合、カー・アダプタ(R&S HZ-Z302、オーダー番号
1321.1340.02)でバッテリを充電することもできます。カー・アダプタは DC ポ
ートに接続できます。カー・アダプタを使用すると、自動車のシガレット・ライ
タ・ソケットを用いて R&S Spectrum Rider を充電できます。必要に応じて、容
17クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

使用の準備R&S®Spectrum Rider
本機を使用する
量と充電時間が付属の標準バッテリと同じ交換用バッテリ(R&S HA-Z306、オーダ
ー番号 1321.1334.02)も利用できます。
出荷時に発送されるバッテリは満充電されていないので、バッテリ動作を行
うには最初にバッテリを充電する必要があります。
バッテリを充電するには、充電器を付属の AC 電源アダプタに接続します。
詳細については、「外部バッテリ充電器の使用」 (18 ページ)を参照して
ください。
外部バッテリ充電器の使用
外部バッテリ充電器(R&S HA-Z303、オーダー番号 1321.1328.02)を使用してバ
ッテリを充電することもできます。
外部でバッテリを充電するには、バッテリを外部充電器に置き、AC 電源アダプタ
を用いて電力を供給します。
充電器の LED が黄色い場合は充電プロセスを示します。バッテリが満充電され
ると LED は緑になります。充電器の LED が赤い場合は、バッテリが充電されて
いないか、充電に失敗したことを示します。
図 2-4: 外部バッテリ充電器
1 = リチウム・イオン・バッテリ R&S HA-Z306
2 = 外部充電器 R&S HA-Z303
3 = 電源ユニット R&S HA-Z301 またはカー・アダプタ R&S HA-Z302
18クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

使用の準備R&S®Spectrum Rider
本機を使用する
操作の禁止 R&S Spectrum Rider
運転中またはエンジンの動作中は R&S Spectrum Rider をオフにしてくだ
さい。
運転中またはエンジンの動作中にシガレット・ライタ・ソケットを用いて
R&S Spectrum Rider を操作することを禁じます。
2.1.6 バッテリの保守
R&S Spectrum Rider にはリチウム・イオン・バッテリが付属しています。一般
に、リチウム・イオン・バッテリは取り扱いが容易です。バッテリを取り扱う場
合は、安全注意事項と以降の章に記載された指示に従ってください。
●
取り扱い........................................................... 19
●
保管............................................................... 20
●
輸送............................................................... 20
●
寿命............................................................... 20
2.1.6.1 取り扱い
●
バッテリは特定の用途向けに設計されています。その他の用途には使用しな
いでください。
●
深刻な損傷を引き起こすおそれがあるため、バッテリを直列または並列に接続
しないでください。
●
取り付け時および充電時には、正しい極性で使用してください。
●
70°C 以上に加熱しないでください。バッテリには温度ヒューズが含まれて
いるので、温度ヒューズが作動してバッテリが動作不能になる可能性がありま
す。
●
バッテリには、深放電、過充電、および端子間の短絡から保護するための電子
デバイスが搭載されています。
–
バッテリを放電できない場合、バッテリは深放電されている可能性があり
ます。バッテリを 30 分間充電してもう一度確認してください。
–
バッテリを充電できない場合、バッテリは過充電されている可能性があり
ます。バッテリを放電してもう一度確認してください。
–
バッテリが短絡した場合は、充電して電子機器回路をリセットしてくださ
い。
19クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

使用の準備R&S®Spectrum Rider
本機を使用する
–
それでもバッテリが動作しない場合は、ローデ・シュワルツのカスタマ・
サポートに連絡してください。
●
端子に金属製の物体を接触させないでください。
●
バッテリを直接はんだ付けしないでください。
2.1.6.2 保管
バッテリは使用していない間も自己放電します。バッテリを長期間保管する場合
は、以下の点に注意してください。
●
バッテリを注意深く取り扱い、短絡させないようにしてください。リード線と
端子が絶縁されていることを確認してください。
●
バッテリは使用前に提供された梱包材に入れて保管してください。温度が
30°C を超えないようにしてください。
●
バッテリは容量の 15% ~ 50% が充電された初期状態で保管してください。
充電の初期状態を計算する場合は、以下を考慮します。
–
電子デバイスの最大消費量。
–
バッテリの自己放電 - 充電状態が高いほど自己放電の割合が高くなりま
す。
●
バッテリの深放電を防止してください。深放電が発生するのは、充電状態がバ
ッテリの容量の 5% 以下になったときです。
●
少なくとも 6 か月ごとにバッテリを再充電してください。
バッテリ電圧が低下または 0 V になっている場合は、バッテリ保護回路がスリー
プ・モードになっている可能性があります。その場合は、認可された充電器でバ
ッテリをリセットしてください。
2.1.6.3 輸送
バッテリの輸送には特別な規定は適用されません。バッテリ・セルには金属リチ
ウムは含まれていません。
2.1.6.4 寿命
充電サイクルを繰り返し寿命が近くなると、バッテリの容量は減少します。バッ
テリが動作しなくなった場合、バッテリを開けないでください。また、バッテリ
を火に入れないでください。
20クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

使用の準備R&S®Spectrum Rider
本機のオン/オフの切り替え
2.2 本機のオン/オフの切り替え
本機をオンにする
本機は AC 入力でも DC 入力(バッテリ動作またはカー・アダプタによる動作)
でも電力を供給することができます。 2.1.4,「AC アダプタの使用」 (15 ページ)
を参照してください。
[Power] キーを押すと本機がオンになります。緑の LED は、本機が動作モー
ドにあることを示します。
詳細については、 2.1.5,「バッテリ動作」 (16 ページ)を参照してください。
起動中、R&S Spectrum Rider には本機が動作可能な周波数範囲を示すスプラッシ
ュ画面が表示されます。周波数アップグレード・オプションを取り付けた場合、
スプラッシュ画面には、R&S FPH-B3 オプションでは "5 kHz to 3 GHz"、R&S FPHB4 オプションでは "5 kHz to 4 GHz" と表示されます。デフォルトのスプラッ
シュ画面には "5kHz to 2 GHz" と表示されます。
取り付けた周波数アップグレード・オプションに対応したスプラッシュ画面がロ
ードされます。利用可能なオプションのリストについては、本機のカタログを参
照してください。
起動後、本機はスタンバイ状態になります。
21クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

使用の準備R&S®Spectrum Rider
付属オプションの確認
本機をオフにする
[Power] キーを押すと本機がオフになります。青い LED ボタンはバッテリが
満充電されていることを示します。青い LED が点滅している場合は、バッテリを
充電中であることを示します。 2.1.5,「バッテリ動作」 (16 ページ)を参照して
ください。
R&S Spectrum Rider にバッテリが挿入されていない場合は、黄色い LED が表
示されます。
概して、赤い LED はバッテリ充電エラーを示します。
表 2-1: POWER キーの LED 表示の一覧
[Power] キーの LED 表示 説明
緑の LED 本機は動作モードです。
青い LED バッテリが満充電され、本機はスイッチ・オフ・モー
ドです。青い LED が点滅している場合は、バッテリ
を充電中であることを示します。
黄色い LED 本機は AC 電源に接続されスイッチ・オフ・モードに
あり、バッテリは入っていません。
赤い LED バッテリの充電にエラーが発生しています。
LED「オフ」 これは、本機に AC 電源も DC 電源も接続されていな
いことを示します。本機はスイッチ・オフ・モードで
す。
データ損失の危険
バッテリがない状態で動作中の本機から電源コードを直接取り外した場合、
本機の現在の設定は失われます。さらに、プログラム・データも失われる可
能性があります。
必ず [Power] キーを押して、アプリケーションを正しく終了してください。
2.3 付属オプションの確認
本機にはさまざまなハードウェアおよびオプションを取り付けることができま
す。R&S Spectrum Rider でサポートされるハードウェアおよびオプションのリ
ストについては、本機のカタログを参照してください。
22クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

使用の準備R&S®Spectrum Rider
付属オプションの確認
搭載済みのオプションが物品書に記載されたオプションに対応しているかどうか
を確認するには、以下の手順を実行します。
1. [SETUP] キーを押します。
2. "Installed Options" ソフトキーを選択します。
使用可能なすべてのオプションと現在のステータスのリストが表示されます。
3. 物品書に記載されている搭載済みオプションの使用可否を確認します。
4. 物品書に記載されているハードウェア・オプションの使用可否を確認します。
5. "HW/SW Info" ソフトキーを押します。
ハードウェアとファームウェアの情報が含まれたリストが表示されます。
23クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

使用の準備R&S®Spectrum Rider
付属オプションの確認
24クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

本機の詳細R&S®Spectrum Rider
コントロールの概要
3 本機の詳細
この章では、すべてのファンクション・キーとコネクタを含めて、フロント・パ
ネルについて説明します。
また、R&S Spectrum Rider の全般的なシステム設定および本機と PC の接続につ
いても説明します。
●
コントロールの概要................................................. 25
●
本機のコネクタ R&S Spectrum Rider.................................. 26
●
タッチ・スクリーン・ディスプレイ................................... 31
●
オンスクリーン・キーボード......................................... 39
●
フロント・パネル・キー............................................. 40
●
オプションの管理................................................... 45
●
本機の設定 R&S Spectrum Rider...................................... 48
●
R&S Spectrum Rider と PC の接続.................................... 58
3.1 コントロールの概要
図 3-1: 本機のフロント・パネル R&S Spectrum Rider
25クイック・ガイド 1321.0996.18 ─ 01.00

本機のコネクタ R&S Spectrum Rider
1 = RF 入力(N コネクタ)
2 = BNC コネクタ
3 = ヘッドホン・ジャック
4 = USB ポート
5 = タッチ・スクリーン・エリア
6 = ソフトキー・ラベル(ディスプレイ上)
7 = ソフトキー
8 = システム・キー
9 = DC ポート(保護キャップの後ろ)
10 = ケンジントン・ロック
11 = ファンクション・キー
12 = POWER キー
13 = 英数字キー
14 = 単位キー
15 = BACK キー
16 = CANCEL キー
17 = ロータリ・ノブ
18 = スクリーンショット・キー
19 = LAN ポートおよび Mini USB ポート(保護キャップの後ろ)
**20 = SD カード・スロット (バッテリ収納部の後ろにあるため見えません)
本機の詳細R&S®Spectrum Rider
洗浄剤による装置の損傷
洗浄剤には、装置を損傷する可能性のある物質が含まれています。例えば、
溶剤を含む洗浄剤は、フロント・パネルの標示部やプラスチック部、ディス
プレイを損傷する可能性があります。
溶剤(シンナー、アセトン、その他)、酸性/アルカリ性の強い洗浄剤は絶
対に使用しないでください。
本機の外面は、柔らかく、糸くずの出ない布で十分に清掃してください。
3.2 本機のコネクタ R&S Spectrum Rider
R&S Spectrum Rider には複数のコネクタがあります。コネクタは本機の上側、左
側、または右側にあります。
●
RF 入力............................................................ 27
●
BNC コネクタ....................................................... 28
●
ヘッドホン・ジャック............................................... 28
●
USB ポート......................................................... 29
●
DC ポート.......................................................... 29
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