Propellerhead REASON 2.0, REASON 2.5 User Manual [ja]

日本語
Version
2.0
Digital Sampler , 14 Channel Expandable Mixer , Master Song Sequencer , Multiple Effects P rocessors Analog Po lysynth , Shelving and Parametric EQs RE X-loop Player Pattern Sequencer Drum Machine , ReBirth Input Device , 64 Channel Audio Output , 64 Channel ReWire Output
GettingStarted入門マニュアル
目次
5 インストール
6 ようこそ! 6 このマニュアルについて 7 REASON のパッケージに含まれるもの 7 必要となるシステム 8 オーディオハードウェアについて 10 MIDI インターフェースについて 11 REASON をインストールする
13 セットアップ
14 この章について 15 オーディオハードウェアのセットアップ 16 MIDI 入力のセットアップ 17 サーチパスのセットアップ 18 デフォルトソングの設定
19 クイックチュートリアル
20 この章について 20 ソングファイルをプレイバックする 22 新規ソングの作成 26 ガイドツアー
33 基本的な操作方法
34 この章について 34 Macintosh / Windows の違いについて 34 基本的な操作方法 36 ツールティップ 36 コンテクストメニュー 37 アンドゥ 39 ウィンドウテクニック
43 オーディオの基本
44 この章について 44 REASON とオーディオハードウェアとのコミュニケー
ション
45 サンプルレートとビットレゾリューションについて 46 オーディオレベルについて 46 マスターチューン
47 ラックの概要
48 この章について 48 ラックの概要 48 デバイスの作成 49 デバイスの選択 49 デバイスの削除 50 デバイスの整理 51 デバイスの複製 51 デバイスのカット / コピー / ペースト 51 ルーティングの概要 55 デバイスのネーミング 56 デバイスを折りたたむ
57 "Sequencer" の概要
58 "Sequencer" について 59 シーケンサーウィンドウの
取り扱い
63 2種類の表示形式について 64 ルーラー、ソングポジション、ロケーターについて 65 トランスポートコントロールの概要 65 レコーディングのセットアップ 66 レコーディング 67 プレイバックとポジショニング 69 ミュート / ソロ 70 "Sequencer" のその他の機能
2
71 パターンデバイスを使用する
72 この章について 72 パターンデバイスとは? 73 パターンの選択 74 パターンのプログラミング 75 パターンのクリア 75 カット / コピー / ペーストを使う 75 パターンファンクション
77 ブラウザー
78 バックグラウンド 80 Browser(ブラウザ) 82 サウンドファイルを検索できないとき
85 パッチファイル
86 パッチファイルについて 86 パッチファイルを選択する 87 パッチファイルを保存する 88 デバイス間でパッチファイルのコピー / ペーストを行う 88 パッチの初期化
89 ソングファイルの取り扱い
90 セルフコンテンツ ソングファイルについて 91 ソングインフォメーション 92 ソングを保存する 92 ソングファイルを公開する 93 ソングファイルを開く 93 ソングファイルを閉じる 93 新規ソングファイルを作成する 93 デフォルトソングファイルの作成 94 オーディオファイルのエクスポート
97 索引
3
4
1
インストール

ようこそ!

REASON 2.0 をお買い求め頂きありがとうございます! これは、ソフトウェアの進化過程において REASON がまだ幼少である
ということを意味しています。それにも関わらず、"コンピューターを 使った音楽制作 " に対する人々の考え方を REASONは少しだけ変えて しまったようです。我々はこの事 実をと ても誇りに 思っています! REASON の 最初のアップデートは我々にとってほんの第一歩に過ぎま せん。これで終わることなく、次期バージョン のリリースを必ずお約 束します!
音楽制作ツールとして REASON をお使いの世界中の人々とのコミュニ ケーションが、まさに我々 "PropellerHeadQuarters" の原動力なのです。 弊社スタッフと出会う場所の一つが Web ページのソングアーカイブや メッセージボードです。ここはユニークな フォーラムで、プロフェッ ショナルとビギナーが平等に音楽制作に関する アイデア交換を行う場 所となっています。重要なのはこのフォーラム があなたにも開かれて いるということです!弊社スタッフやフォーラム参加者の皆様とコ ミュニケーションしたり、ご自分で作られた楽 曲をアップロードして 他の方に聴いてもらったりする経験を共有 してみてください。弊社が お客様からのフィードバックに心から感謝 しているように、お客様へ の世界中の REASON ユーザーの方々からのフィードバックが役に立つ ことでしょう。弊社Propellerheadのweb サイトをご覧下さい。
Propellerhead Softwareスタッフ一同
http://www.propellerheads.se/
日本語版マニュアル作成  株式会社メガフュージョン オーディオオーサリング事業部
http://www.megafusion.co.jp

このマニュアルについて

本書は『ゲッティングスターテッドマニュアル』であり、REASON の 基本的な使用方法を解説します。本書には初めてREASON をお使い頂 くための、チュートリアルセクションやガイドツアーが含まれて いま す。
REASONの機能詳細については、『オペレーションマニュアル』が付属 しています。オペレーション マニュアル では、メニューやコマンド、 REASONのデバイスについて詳細に解説しています。

Macintosh と Windows について

REASONはMac OSでもWindowsでも使用することができ、インストー ルCDも両プラットホームに対応しています。マニュアル内においても 特に指定がない限り、両プラットホーム共通の内容です。
Mac OS Xを起動している場合、Reasonメニューという追加メニューが あることをご確認ください。これは他のオペレーティングシステ ムに は存在しません。ここにはPreferences メニューアイテム(もしくはEdit メニューにある)が含まれています。
マニュアル内の画像キャプチャーの多くは Windows 版のものが使用さ
!
れていますが、全てのウィンドウはMacintosh版とWindows 版は同一の ものです。
6
インストール

REASONのパッケージに 含まれるもの

購入されたREASONのパッケージには、以下のものが含まれています。
プログラムCD
このCD-ROM には、REASON のインストーラー、OMS インストー ラー(Mac OS 9 のみ)、PDF フォーマットのマニュアル(英語版の み)、PDF フォーマットのファイルを閲覧するための Adobe Acrobat Reader インス トーラ ー(英語版のみ)が含ま れてい ます。また、 Propellerhead 社 の他の製品のデモバージョンな ども含 まれていま す。
サウンドバンクCD
このCD-ROM には、"Factory Sound Bank" という名前の大きなサイ ズのファイルが含まれており、このファイルにはREASONで使用す ることができるサウンドファイルやREXファイル、パッチファイル などが収められています。このファイルをハードディスクにコピー した場合は、REASON 起動時にこの CD-ROM は必要ではありませ ん。
The Orkester CD
こちらには Reason Orkester Sound Bank が含まれます。上記 Factory Sound Bankと同じく、お使いのハードディスクへのインストールを 選択出来ます。Orkester Sound Bankのデータをご利用の際にもCDは 必要ありません(詳細は11ページをご覧下さい)。
本書『ゲッティングスターテッド マニュアル - 日本語版』
別書「オペレーションマニュアル - 日本語版』
ライセンスナンバーとオーソライズコード
このカードには REASON を使用するために必要となるオーソライ ズコードが 記載さ れてい ます。オーソラ イズコード が無 いと REASONを再インストールすることができませんので、大切な場所 に保管してください。

必要となるシステム

REASONを使用するためには、最低以下のようなシ ステムが必要とな ります。
!
これは最低限のシステムであることに注意してください。REASONで多 数のデバイスを使用したりする場合、より高速のコンピュータや多くの RAMを必要とします。
Mac OS X
Mac OS 9
!
!
Winodws
Mac OS Xバージョン10.1 以降が動作するコンピューター MIDIインターフェイスとMIDIキーボード(もしくはそれに類する もの)
クロック166MHz以上の PowerPC 604、604e、G3、G4、あるいはよ り高速なCPU を搭載した Macintosh コンピュータ(下記も参照して ください) RAM 128MB以上 CD-ROMドライブ Mac OS 9.0.4以降 256色以上表示でき、800×600ピクセル以上のカラーディスプレイ MIDIインターフェースおよびMIDI キーボード(代用可能) OMS 2.x以降(REASONパッケージに含まれています)
REASONは Altivec(Velocity Engine)に最適化しており、PowerPC G4
を搭載したMacintosh上ではより処理能力が向上します。
Mac OS 9.x 環境下では仮想メモリが不使用になっていることをご確認 ください。仮想メモリが使用になっているとReasonは動作しません!
クロック233MHz以上のPentium II、あるいはより高速なCPUを搭載 したコンピュータ RAM 64MB以上 CD-ROMドライブ Windows 98 / ME / 2000 / XP 256色以上表示でき、800×600ピクセル以上のカラーディスプレイ Windows MME対応のサウンドカード / ASIOあるいはDirectX対応の オーディオカード MIDIインターフェースおよびMIDI キーボード(代用可能)
インストール
7

オーディオハードウェアについて

オーディオハードウェアと は、ソフトウェ アである REASON とオー ディオシグナルをやり取りするハードウェアの ことで、Windows の場 合は標準のサウンドカードを使い、Macintosh の場合はコンピュータに 内蔵されています。また、より高音質を得たり デジタル入出力を行う ためにサードパーティ製のオーディオカードを使用することも可能 で、その場合は対応するオーディオドライバを 正しくインストールし なければなりません。

Mac OS X

Macintosh に内蔵されているオーディオハードウェア(サウン ド入出力)を使用する場合
この場合、追加設定は不要です。スピーカ ー・ミキサー・ヘッドフォ ンなどのオーディオリスニング機器をオーディオ出力に接続して、 Macintoshのオーディオが正しく再生されているか確認してください。
その他のオーディオハードウェア(サードパーティ製オー ディオカードなど)を使用する場合
サードパーティ製オーディオカードをREASONで使用する場合は、Mac OS X対応のものが必要となります。お使いになるオーディオカードが Mac OS X対応かどうかご確認ください。
1. オーディオカードに付属するマニュアルに従って、オーディオカー ドと必要であればドライバソフトウェア(機能拡張書類など)をコ ンピュータにインストールします。
2. オーディオカードの入出力をお使いの 機器(ミキサーやレコー ダー、ヘッドフォンなど)に接続します。
2チャンネル以上の出力を行う場合は、オペレーションマニュアル を参照してください。ここでは2 チャンネル(ステレオ)接続で解 説します。
3. オーディオカードが正しく認識されているかテストします。
幾つかのオーディオカードには、テスト用のソフトウェアが添付さ れています。

Mac OS 9

Macintosh に内蔵されているオーディオハードウェア(サウ ンド入出力)を使用する場合
この場合は特別な設定を行う必要はありません。サウンド出力を お使 いのミキサーやヘッドフォンと繋ぎ、サウンドコントロールパネ ルで 音量を調節するだけです(あるいは"モニタ&サウンド" コントロール パネルという名称かもしれません。これはMac OSのバージョンに依存 します)。
その他のオーディオハードウェア(サードパーティ製オー ディオカードなど)を使用する場合
サードパーティ 製オー ディオカードを REASON で使用する場 合は、 ASIO対応のものが必要となります。お使いになるオーディオカードが ASIO対応かどうかご確認ください。
1. お使いになるオーディオ カードに対 応した最新のバージョンのド ライバソフトウェア(機能拡張書類など)を用意します。
最新バージョンのドライバソフトウェアを入手するためには、オー ディオカードの製造元のWebページをチェックするか、あるいは製 造元にお問い合わせください。
2. オーディオカードに付属するマニュアルに従って、オーディオカー ドと必要であればドライバソフトウェア(機能拡張書類など)をコ ンピュータにインストールします。
3. オーディオカードの入出力 をお使いの機器(ミキサーやレコー ダー、ヘッドフォンなど)に接続します。
2チャンネル以上の出力を行う場合は、オペレーションマニュアル を参照してください。ここでは2 チャンネル(ステレオ)接続で解 説します。
4. オーディオカードが正しく認識されているかテストします。
幾つかのオーディオカードには、テスト用のソフトウェアが添付さ れています。
5. 使用するオーディオカード用のASIO ドライバをご用意ください。
REASONをインストールした後、この ASIO ドライバを適切なフォ ルダに配置する必要があります。詳しくは11ページをご参照くださ い。
Macintosh 用の幾つかのオーディオハードウェアには、Sound Manager
!
ドライバしか用意されていないものもあります。REASONと共に使用す るオーディオハードウェアは、ASIO対応のものを使用することをお勧め します。
8
インストール

Windows

可能であれば、出来るだけASIO 対応のオーディオカードを使用し ます(ASIO 対応とは、ASIOドライバが用意されているオーディオ カードのことです。詳しくはお使いのオーディオカードの代理店に お問い合わせください)。
ASIO ドライバは他 のオーディオドライバと比較して、より良い音 質を提供し、なおかつ少ないレーテンシーを実現します。
ASIO対応のオーディオカードが用意できない場合は、お使いの オーディオカードがDirectXをサポートしているか確認します。
DirectXとは、Windows標準のマルチメディアアキテクチャーの名称 です。
REASONでは、ASIO あるいはDirectXのどちらにも対応していない オーディオカード / サウンドカードを使用することもできます。
この場合は、Windows MME(Windows Multi Media Extensions)を経 由してオー ディオ カード を利 用すること になり ます。しかし Windows MME で はレイテンシーが大きくなって しまう場合 があ り、なるべくASIOあるいは DirectX対応のオーディオカードの使用 を推奨します。(オ ーデ ィオのレイテンシーについては後述しま す)。
オーディオドライバとしてASIO、DirectX、Windows MME のいずれを 使用する場合でも、まず以下の項目を確認してください。
1. オーディオカー ドを使用するための最新バージョンのソフトウェ ア(ドライバなど。オーディオドライバとは異なります)をインス トールしてください。
最新バージョンのソフトウェアは、ほとんどの場合オーディオカー ドの開発元のWebページで入手することができます。詳しくはオー ディオカードの代理店にお問い合わせください。
2. オーディオカードに付属するマニュアルに従って、オーディオカー ドおよびソフトウェアを適切にインストールします。
3. ミキサーなど、あなたが使用している再生装置にオーディオカード のステレオ出力を接続します。
マルチアウトプットについては(2 チャンネル以上の出力を行う場 合は)、付属の『オペレーションマニュアル』を参照してください。 このマニュアルではステレオ出力の使用方法で解説します。
4. 可能であれば、何らかの方法でオーディオをプレイバックしてオー ディオカードが正しく認識されているか確認します。
ASIO対応のオーディオカードを使用する場合は、ASIOに出力する ことができるソフトウェアを使用して確認します。DirectXあるいは Windows MME 対応のオーディオカードを使用する場合は、Windows に含まれる Windows Media Player を使用して確認することができま す。
インストール
9

MIDIインターフェースについて

REASON は 外部 MIDI 機器を 接続しなくても使用すること ができます が、REASONが備える機能をフルに活かすためにも何らかのMIDI機器
(MIDIキーボードなど)を接続することをお勧めします。ここではMIDI
インターフェースとMIDI コントローラを使用する前提で解説します。
MIDIインターフェースをコンピュータと接続する際は、MIDIドライ バのインストール方法な ど、付属するマ ニュアルに従って適切に 行ってください。
REASONは複数ポートのMIDI入力が可能で、少なくとも2ポート以 上のMIDI入力を同時に行うことができます。
例えば外部MIDI デバイスで REASONのパラメータをコントロール しながら、外部シーケンサーなどを利用することもできます。
Mac OS X
USB 経由で接続した MIDIインターフェイスの中にはドライバーの インストールが不要なものがあります。この場合インターフェイス を接続するだけで準備OKです。
それ以外のより高機能なMIDIインターフェイス(もしくは少なくと も複数入力のような優れた機能を持つ製品)の場合、ドライバーの インストールが必要です。詳しくはインターフェイスに付属するド キュメントを参照してください。
Mac OS 9
REASONはMIDIドライバとしてOMS(OpenMusic System)を利用しま す。従って、お使いのMIDIインターフェースもOMS対応のものでなか ればなりません(Macintosh で使用で きるほ とんどの MIDI インター フェースは OMSに対応しています)。そしてコンピュータには OMSが インストールされていなければならず、もしOMSがインストールされ ていなければREASONを使用する前にOMSをインストールして適切に 設定しておく必要があります。既にOMSがインストールされている場 合でも、それが古いバージョンのOMS の場合は新たにインストールし 直すようにしてください。
OMSのインストールは以下の手順で行います。
1. コンピュータの CD-ROM ドライブにプログラムディスクを挿入し ます。
2. CD-ROMのOMSフォルダ内にある "Install OMS" アイコンをダブル クリックします。
3. 表示されるダイアログに従ってインストールを完了します。
4. "OMS Setup" アプリケーションを使用して、お使いの MIDIインター フェースの設定を行います。
これはシステムが MIDI インターフェースを認識するために必要と なります。詳細についてはMIDIインターフェースに付属するマニュ アルやOMSのPDFマニュアルに記載されています。
"OMS IAC Driver" を利用することで、ソフトウェア間の MIDI通信が可 能に なります。し かし "OMS IAC Driver" は "Easy Install" で はイン ス トールされないので、利用する場合は "Custom Install" で任意にインス トールを行います。
Windows
Windows の場合は 特別な MIDI ドライ バは不要です。MIDI インター フェースを接続する際は、MIDIインターフェースに付属するマニュア ルを参照してください。

MIDI の接続

MIDIインターフェイスの MIDI入力端子に、お使いのMIDI キーボード やその他の MIDIコントローラの MIDI 出力端子からケーブルで接続し ます。これだけで外部のMIDI機器からREASON をコントロールするこ とができます。またREASONでは複数のMIDIポートから入力すること もできます。詳しくは付属する『オペレーションマニュアル 』をご参 照ください。
10
インストール

REASONをインストールする

REASONのインストールは以下の手順で行います。
1. REASONのプログラムディスクCDをCD-ROMドライブに挿入しま す。
2. CD-ROM アイコンを開き、"Install REASON" アイコンをダブルク リックします。
!
Mac OS 注意点:2種類のインストーラーがあることを確認してくださ い。一つはMac OS 9 でもう一つはMac OS Xです。ご確認後正しい方を ご使用ください。
3. 表示されるダイアログの指示に従ってインストールを進めます。
Sound Bank のインストールについて
インストール中、REASON Factory Sound BankとOrkester Sound Bankを インストールするかどうか尋ねられます。どち らも大きな1つのファ イルで、中には多数のパッチ、サンプル、ループが含まれています。こ れらはシンセサイザーのサウンドROM のようなもので、お客様が最初 にご利用する基本的な音源として提供されています。
Factory Sound Bank をインストールしない場合は、REASON起動時 には毎回"Factory Sound Bank" CDをCD-ROMドライブにセットす る必要があります。
Orkerster Sound BankはFactory Sound Bankと異なり、インストー ルしなくてもREASON 起動時には毎回"Orkester Sound Bank" CD をCD-ROMドライブにセットする必要はありません。つまり、この CDからパッチなどを使用したければ毎回CD-ROM から読み込むこ とも可能です。
ハードディスクへのインストールは推奨オ プションです。大抵の場合 サウンドバンクは頻繁に使用され、ハードディスクは CD-ROM ドライ ブに比べて高速なアクセスを行うからです。
ハードディスク容量が不足していたり一時的に 別のコンピューターで REASONを起動する場合、サウンドバンクをインストールせず CDから ファイルアクセスを行うことになります。この 場合パッチなどバンク の中身をブラウズするとCD をいちいち入れ替えなければならず、面倒 です。
REASON イ ンストール時サ ウンドバンクをインストールしなくても、 後日いつでも追加インストールが可能です:サウンドバンクCD内にあ る"Factory Sound Bank.rfl" や"Orkester.rfl" をREASONのプログラムフォ ルダーにコピーするだけです。
ププププロロロロググググララララムムムムのののの起起起起動動 REASONのファイルがハードディスクのフォルダー 内にインストール
されました。Windows の場合、全てのREASON 関連項目がスタートメ ニューにも追加され、デスクトップ上にREASON プログラムのショー トカットを作成することも可能です。
1. REASON フォルダー内もしくはスタートメニューからアクセス可 能な"ReadMe"ファイルをお読み下さい。
"ReadMe" ファイルはマニュアルに掲載出来 なかった重要な最新情 報が含まれています。
2. ASIOドライバーを使用したオーディオハードウェアをMac OS 9環 境でご利用の場合、REASON プ ログラムフ ォルダー内 "ASIO Drivers"フォルダーにASIOドライバーをコピーしてください。
REASONはASIOドライバーを利用できるようになります。
3. REASONアイコンをダブルクリック、もしくはスタートメニューの REASON項目を選択してプログラムを起動してください。
4. オーサライズフォームが現れますので、必要事項を記入します。
お客様のライセンスナン バーはパッ ケージに同梱された製品オー サライズカードに掲載されています。
ダイアログが現れ、弊社Propellerheadのwebサイトにてご購入された製 品を登録するかを尋ねられます。登録を行うことで、すぐに REASON 用無料の追加サウンドにアクセスするなどの特典が得られます!
オンラ インで登録 作業を行 うために はインター ネット接続環境が 必要
!
です。
"Register Now"ボタンをクリックすると、インターネッ トブラウ ザーが起動し、弊社 Propellerhead web サイト上の登録ページにア クセスします。
この後の手順はwebページをご参考下さい。登録完了後、インストー ルダイアログの"Continue"ボタンをクリックします。
インストール時に登録を行わない場合、"Later"ボタンをクリックし てください。
必要な場合にはいつでも登録作業が可能です。その際はREASONの "Contact"メニュー (Macintosh)もしくは"Help"メニュー (Windows)か ら"Product Registration"を選択するか、www. propellerhead. se/ register にアクセスしてください。
5. CD-ROM ドライブに "Orkester Sound Bank CD" をセットしてくだ さい。
ハードディスクにインストールを行わなくても、REASON の初回起 動時にこのCD が必要です。
動動
インストール
11
6. Factory Sound Bank をハードディスクにインストールしない場合、 "Factory Sound Bank CD" をCD-ROMドライブにセットしてくださ い。
これでインストールが完了です! REASON2.0 初回起動時には "Preferences"ダイアログが現れます。プログラムのご利用前に設定を行 う必要があります。- この説明は次章にて行います。
12
インストール
2
セットアップ

この章について

ここでは REASON を使い始める前の、ソフトウェアセットアップにつ いて解説します。この設定はREASON をMIDIコントロールする際にも 必要となります。

"Preferences" について

REASONを初めて起 動した際、まだ初期設定ファ イルが作成されてい ないため、"Preferences" ダイアログが自動的に表示されます。
"Preferences" ダイアログ
ユーザーが任意で設定を行う 場合は、後の解説に 従って "Preferences" ダイアログの設定を変更します。この "Preferences" ダイアログは "Edit" メニューから(Mac OS X では "Reason"メニューから)開くことができ ます。
本書で は重要な 初期設定 の項目の み解説し ます。他の項目につい ては
『オペレーションマニュアル』をご参照ください。
14
セットアップ

オーディオハードウェアの セットアップ

初めにオーディオハードウェアのセットア ップを行います。オーディ オハードウェアのセットアップを行うには 、ここで任意のオーディオ ドライバを選択します。
1. "Preferences" ダイアログ上部の "Page" ポップアップメニューか ら "Audio" ページを選択します。
2. "Audio Driver" ポップアップメニューから任意のオーディオドライ バを選択します。
REASONを使用しているプラットホームによって、オプションが異 なります。
Mac OS X
通常"CoreAudio" という言葉で始まるドライバーオプションの一つ を選びます。
"built-in audio connectors"もしくはインストール済みの追加オーディ オハードウェアなど、使用したいハードウェアと一致するオプショ ンを選んでください。
他のオプションも利用可能な場合がありますが、これらは主に、出 来る限りあらゆるハードウェア / ソフトウェア環境における互換性 を実現するためのものです。
Mac OS 9
Windows
ASIO対応のオーディオカードを使用している場合は、ASIOドライ バを選択します。
ASIOドライバを使用することによって、REASONとオーディオカー ドとの間でオーディオシ グナルとの やり取りをダイレクトに行う ことができます。これによりオーディオカードの性能によって、極 小のオーディオレイテンシーやマルチ出力も実現します。
ご使用のオーディオハードウェアが ASIO ドライバー非対応の場 合、アップル"Sound Manager"を使用します。
これは Mac OS のサウンドドライバープロトコルで、REASON はこ の"Sound Manager"経由でオーディオハードウェアを制御します。
コンピューターの内蔵オーディオ出力を使用する場合、"SM Built­in"を選んでください。
USB対応オーディオスピーカーなど、インストール済みの追加オー ディオハードウェアを使用する場合、"SM 機器名"を選びます。"機 器名"はオーディオハードウェアの名前です。
ASIO対応のオーディオカードを使用している場合は、ASIOドライ バを選択します。
ASIOドライバを使用することによって、REASONとオーディオカー ドとの間でオーディオシ グナルとの やり取りをダイレクトに行う ことができます。これによりオーディオカードの性能によって、極 小のオーディオレイテンシーやマルチ出力も実現します。
ASIO 対応ではないオーディオカードやサウンドカードを使用して いる場合は、"Direct Sound" ドライバを選択します。
これによって、REASONはDirect Sound(DirectXのコンポーネント) とオーディオシグナルのやり取りを行います。この場合はDirectXお よびオーディオカードやサウンドカードのための Direct Sound ドラ イバが正しくインストールされている必要があります。
SoundBlaster PCIカードのDirect Soundドライバが選択されている例
セットアップ
15
!
ご注意下さい:Windows XP はDirectX のバージョン 8.1で出荷されてお り、Windows 2000 ではバージョン7.0 になっています。DirectXはオペ レーティ ングシス テムの一 部なので、両 オペレー ティングシステムで DirectXを使用する場合、追加でDirectXをインストールする必要はあり ません。
お使いのオーディオカードやサウンドカードが Direct Sound をサ ポートしていない場合(Direct Soundドライバが用意されていない オーディオハードウェアを使用する場合)、"MME Driver" を選択し ます。
MME は "Windows Multimedia Extensions" の ことで、オーデ ィオや MIDIを取り扱うWindowsの機能の一部分です。簡単に使用すること ができますが、オーディオレイテンシー(音の遅れ)が比較的大き くなります。

レイテンシーとその他オーディオ設定について

"Audio"ページにはオーディオに関する追加設定項目があります。もっ とも重要な箇所は "Buffer Size" と "Output Latency" に関連する記載箇所 です。

MIDI入力のセットアップ

REASONでは非常に柔軟なMIDI入力設定を行うことができ、用途別に マルチポートMIDI インターフェイス上の異なる MIDIインプットを最 高7つまで使用することができます。これにより、シーケンサーの入力、 デバイスのコントロール、リモートコントロール、MIDIクロックに対 して異なる MIDI 入力を割り当てることが可能になります。詳しくは
『オペレーションマニュアル』をご参照ください。
以上のように REASON では複雑 な MIDI 入力セットアップが可能です が、本書ではシーケンサーの入力だけを設定します。これにより 外部 キーボードなどで1台のデバイスを演奏することも可能になります。以 下の手順で設定を行ってください。
1. "Edit" メニュー(Mac OS X では "Reason "メニュー)から "Preferences" ダイアログを開きます。
2. "Preferences" ダイアログ上部の "Page" ポップアップメニューか ら "MIDI" ページを選択します。
レイテンシーとはリスニング時にプログラムからオーディオ情報を
「送る」時に発生する遅れのことです。オーディオシステムのレイテン
シーはオーディオハードウェアやそれを制御す るドライバーや設定に よって変化します。
レイテンシーが大きい場合、MIDIキーボードからデバイスを演奏する サウンドが遅れて聴こえます。また、デバイスパネルでコントローラー を調整している際にその反応が遅くな ります(例えば、デバイスのボ リュームを下げるとき、リアルタイムにボリュームが変更されず、レ
イテンシーを伴って遅れて変更されます)。 レイテンシー値が大きいと感じた場合は設定を 調整する必要がありま
す。詳細はご使用のハードウェア機器メーカーにご相談ください。
16
セットアップ
3. "Sequencer" セクションの "Port" ポップアップメニューから任意 のMIDIインターフェース(MIDI 入力)を選択します。
4. その下の "Channel" ポップアップメニューから任意の MIDI チャン ネルを選択します。
お使いのMIDI機器が同時に複数のMIDIチャンネルのデータを送信 できるタイプのものでも、REASON の シーケンサーは 1 つの MIDI チャンネルしか受信 することは できません。詳しくは『オペレー ションマニュアル』をご参照ください。
5. "Sequencer" セクション以外のポップアップメニューは "No MIDI Input" が選択されていることを確認します。
以上の設定で、REASONのシーケンサーは設定されたMIDI機器および MIDIチャンネルの入力が行えるようになりました。次のページの設定 でも "Preferences" ダイアログを使用しますので、このまま開いておい てください。

サーチパスのセットアップ

REASON の ソング ファイルやパッチは、サウンドファ イルなど他 の ファイルを使用することができます。これら他 のファイルの情報を保 存するために、REASON はデータベースを作成します。作成したデー タベースにソングファイルが必要とする他のフ ァイルが見当たらない とき、REASON は自動的にそのファイルを探し出し、サーチパスを更 新します。
REASONのデータベースは、最高4 種類のフォルダ(その中のフォルダ も含みます)で構成されます。以下の手順で、デー タベースのフォル ダを設定することができます。
1. "Preferences" ダイアログ上部の "Page" ポップアップメニューか ら "Sound Locations" ページを選択します。
2. "Sound and Path Search Paths" セクションの下にある "1" と記さ れたフォルダアイコンをクリックします。
"Specifya search path" ダイアログが表示されます。
3. 任意のフォルダを選択します。
どんな種類のドライブ内のフォルダも選択することができます
(Windowsの場合では、ネットワーク上のドライブも含みます)。
4. "OK" ボタンをクリックします。
そのフォルダが REASON のデータベースの最初のサーチパスとし て登録されます。
5. より多くのフォルダを登録する場合は、以上の手順を繰り返します
(最高で4種類のフォルダを登録することができます)。
通常は1 種類のフォルダを登録すれば充分でしょう(その中のフォ ルダもサーチパスに含まれます)。他のフォルダの登録が必要とな るのは、例えば複数のハードディスクやCD-ROMドライブを使用し ているときです。
REASONのソングファイルを保存するときは、使用 している他のファ イルを登録されているデータベース上に配置しておかなけれ ばなりま せん。詳細については後述します。
セットアップ
17

デフォルトソングの設定

REASONの起動時には毎回、"File"メニューから"New"を選択し、デフォ ルトソングを開きます。「標準の」デフォルトソングは出荷時に選ばれ たデバイスが含まれています。
お客様の好みに応じてこのデフォルトソングを 変更することが出来ま す。手順は以下の通りです:
1. "Edit"メニューから "Preferences"ダイアログを開きます(Mac OS X のでは"Reason"メニュー)。
2. "Preferences" ダイアログ上部にあるポップアップメニューを開い て"General"ページを呼び出します。
3. "General" ページ中央に "Default Song" というセクションがありま す。
以下の3つの選択肢があります:"Empty Rack"、"Built In"、"Custom"。
Empty Rack - ほとんど空のラックです。ただし REASONの"Hardware Interface"だけが含まれています。
Built In - REASON に内蔵されたソングです。数種のデバイスが含ま れています。このソングを通常の方法 - "Browser"を用いて - 開くこ とは出来ません。なぜならこのソングは「独立した」.rns ファイル ではないからです。従ってこのソングをREASONフォルダーのどこ かに配置しておくことも出来ません。
Custom - カスタマイズされた デフォ ルトソングを選ぶことが出来ま す。REASONのソングならどれでも選択可能で すから、大抵同じもし くは似たデバイスを使用しているなら以前に作成したソング をデフォ ルトソングにするのも良いでしょう。この方法では全ての新規ソ ング は同じデバイス設定となります。
カスタムのデフォルトソングを選択する場合、右側のフォルダーア イコンをクリックし、選びたい REASONソングをブラウズしてくだ さい。
選択後、選んだソングの 名前がテキスト ボックス内に表示されま す。
18
この中から使用したいものをラジオボタンをクリックして選びます。
セットアップ
3
クイックチュートリアル

この章について

ここでは REASON の基本的な機能について解説します。この章の終わ りには「ガイドツアー」の項があり、デバイス群な どについて簡単に 説明します。
!
前章で解説したオーディオハードウェアや MIDI 機器との接続を済ませ てから、このチュートリアルを始めてください。

ソングファイルをプレイバックする

1. REASONを起動していなければ、起動します。
2. "File" メニューから "Open..." を選択します。
"Song Browser" ダイアログが開きます。
3. REASONが配置してあるフォルダを開きます。
4. ソングファイル "Tutorial Song.rns" を選択します。
5. "Open" ボタンをクリックします。
ソングファイルのウィンドウが開きます。ウィンドウ内には各デバ イスがラックマウント形式で表示され(このソングファイルには 4 つのソフトシンセデバイスと2 つのエフェクトデバイスが含まれて います)、下部にはシーケンサーセクションと "transport" パネルが 配置されています。
6. "transport" パネルのプレイボタンをクリックします。
ソングファイルが再生されます。任意のオーディオ機器から正しく 再生されない場合は、前章に戻って接続を確認してください。
停止ボタン プレイボタン
リアルタイムミックスをするには:
8. ストップボタンをもう一度クリックします。
ソングポジションが先頭に戻り、再び最初から再生できるようにな ります。
9. ウィンドウの上部にはミキサー用デバイスが配置されています。下 図のようなミキサー用デ バイスが表 示されるようにウィンドウを スクロールしてください。
ラックの右側にある 上下スクロール バーを用いて(もしくはスク ロールマウスのホイールがあれば、ホイールを用いて)、スクロー ルしなければラック内が見渡せない場合があります。
スクロール
バー
ミキサー
幾つかのフェーダーの左側にはラベルが貼られています。デバイ スを ミキサーに接続すると、フェーダーにはラベルを貼ることができます。 このソングファイルでは4つのデバイスを使用しているので、ラベルが 貼られたフェーダーは4本あります。
20
7. 再生を停止するためには、同じく"transport"パネルのストップボタ ンをクリックします。
クイックチュートリアル
10.プレイボタンをクリックします。
11.ソングが再生されます。ラベルが貼られたフェーダーをドラッグし て上下に適当に動かしてください。
12. また、パンも動かしてみましょう。これはノブ(つまみ)の形状で すが、フェーダーと同様に上下にドラッグします。
上方向にドラッグすると、ダイアルは時計回りに動きます。逆に下 方向にドラッグすると、ダイアルは反時計回りに動きます。
もちろんエフェクターを使用することもできます。このソングには ディレイとコーラス / フランジャーの2つのエフェクトデバイスが用意 されています。これらにはミキサーからシ グナルが送られ、ミキサー の各チャンネルでエフェクトへ送るシグナルの レベルを設定すること ができます。
13. ミキサーのチャンネル上部の "AUX" ダイアルをドラッグし、右方向 に回します。
センド1にはディレイ、センド2にはコーラス / フランジャーがルー ティングされています。
"AUX" ダイアル
最後に、インストゥルメントデバイスのパ ラメータを操作して、音色 を変化させてみましょう。ここでは "Subtractor" シンセサイザーデバイ スを使用しますが、他のデバイスも同様に全て のパラメータをパネル 上で操作することができます。
よほど大きなサイズのディスプレイを使用していない限り、 "Subtractor" は画面上に表示されていないかもしれません。ラック内は スクロールバーを使ってスクロールさせる ことができますが、最も速 くデバイスを表示させるには以下の方法を使います。
14. "Sequencer" の左側のトラックリストから、"Subtractor" と記され たトラックをクリックします。
ラックは自動的にスクロールされ、"Subtractor" が表示されます。
15.ソングをプレイバックして、適当なパラメータを操作してみましょ う。
例えば "Filter 1 Freq" スライダーを操作すると、シンセベースのサウ ンドの高域が強調されます。
最初のチュートリアルはこれで終了します。では、早速オリジナ ルの ソングを作ってみましょう。
クイックチュートリアル
21

新規ソングの作成

本チュートリアルでは "Empty Rack" からスタートします。必要なデバ イスを一から加えてみてください。
1. 既にソングが開かれている場合、そのソングが必要でなければ "File" メニューから "Close" を選択して閉じます。
複数のソングを同時に開いておくこともできますが、その分CPUパ ワーを余計に消費します。従って必要でないソングは閉じておいた 方がいいでしょう。
2. "File" メニューから "Open" を選択します。
3. REASONのフォルダ内の "Template Songs" フォルダを開きます。
4. "Empty Rack.rns" を選択し、"Open" ボタンをクリックします。
ソングのウィンドウが開きます。このソングにはデバイスは何も用 意されておらず、また "Sequencer" のトラックには何も用意されて いません。
通常は新規ソングを作成する場合は、"File"メニューから "New" を選択
!
します。これによって開くデフォルトソングには幾つかのデバイスが含 まれているため、ここではあえて何も含まれないソングを使用します。
5. "Create" メニューから "Mixer 14:2" を選択します。
ミキサーデバイスである "Mixer" がラック内に作成されます。
!
最初に "Mixer" を作成しておけば、後から作成するインストゥルメント デバイスのオーディオシグナルは自動的に "Mixer" にルーティングされ ます。
6. "Create" メニューから "Subtractor " と " ReDrum" を選択します。
2種類のインストゥルメントデバイスがラック内に作成され ます。 "Sequencer" にも自動的にトラックが作成され、各々 "Subtractor " と "ReDrum" に接続されています。
"Subtractor" を外部 MIDI キーボードからリアルタイムに演奏すること もできます(もちろんMIDIキーボードなどのMIDI機器が接続されてい ることが必要となります)。
7. "Subtractor" に MIDI 入力するために、"Sequencer" の "Subtractor" のトラックネームの左側をクリックします。すると、MIDIマークが 表示されます。
このMIDIマークは、MIDI データがトラックに入力されていること を示すものです。そして 接続されて いる MIDI キーボードなどで "Subtractor" をリアルタイムに演奏することができます。
MIDIデータは "Subtractor" のトラックに入力される
8. MIDIキーボードを演奏してみましょう。
現在鳴っているのは、"Subtractor" のINITパッチの音色です。もちろ んパラメータを操作する ことで音色 を変化させることもできます し、あるいは他のパッチを選択することもできます。
9. "Subtractor" のパネルのフォルダボタンをクリックします。
"Patch Browser" ダイアログが表示されます。
22
クイックチュートリアル
10. ダイアログ上部の "Find All ReFills" ボタンをクリックします。
ReFill とは、パッチやソング、サウンドなどを含む、REASON 独自の パッケージファイルです。この "Find All ReFills" ボタンをクリックする と、現在利用可能な全てのReFillが表示されます。
11. ブラウザ内で "Reason Factory Sound Bank" をダブルクリックし ます。
この "Reason Factory Sound Bank" は、REASON に標準で付属 する、 様々なファイルを含んだ非常に大きなサイズのReFillです。
12. "Subtractor Patches" をダブルクリックします。
音色の種類によってカテ ゴリー別に分類 されたフォルダが表示さ れます。
13. 適当なフォルダ内から任意のパッチを選択して "Open" ボタンをク リックします。
パッチが開き、パッチネームがディスプレイに表示されます。
パッチを一度開くと、そのパッチがおさめられているフォルダ内の 他のパッチを矢印ボタンによって選択することができます。
これとは別に、パッチ名の項目でマウスを右クリックしてコンテキ ストメニューを表示し、表示されるフォルダー内の全てのパッチを 表示することも出来ます。
"Subtractor" と同様の方法で、"ReDrum" も MIDI経由で演奏することが できます。しかしここでは、内蔵されているパターンシーケンサ ーを 使って新たなパターンを作成してみましょう。
14."ReDrum" のパネルの左下のフォルダ(Browse Patch)ボタンをク リックします。
パッチを選択するためのブラウザが開き、任意の "ReDrum" パッチ ファイル(言わばドラムキットのことです)を読み込むことができ ます。フォルダボタンは各チャンネルにも用意されていますが、こ れはチャンネル毎にサウンドファイルを読み込む際に使用し、ユー ザーが独自のドラムキットを作成することができます。
"Load Sample" ボタン
"Select Patch" ボタン
クイックチュートリアル
23
15. "Subtractor" でパッチを開いたのと同じ方法で、"ReDrum" でもパッ チを開きます。
"ReDrum" 用のパッチは、"Factory Sound Bank" の "Redrum Drum Kit" フォルダ内に用意されています。
パッチを開くと、各ドラムチャンネル上部には ドラムサウンドのサウ ンドファイル名が表示されることに気 付くはずです。また、パラメー タの設定も同時変更されますが、これらは全て "ReDrum" パッチの中に 含まれています。
ドラムチャンネル
開いたパッチの ファイル名
16. ドラムチャン ネル上部にあるオーディションボタンをクリ ックし て、サウンドファイルを試聴してみましょう。
それではオリジナルのパターンを作成してみましょう。初期状態では、 ステップ数は16に設定されており、これは 1小節(4/4拍子)に 16分音 符が16 入力できることを意味します。ここではこの設定をそのまま使 用します。
17."ReDrum" のパネルの "RUN" ボタンをクリックします。
パターンがプレイバックされます。このことはパネル下部のステッ プボタンのLEDが点滅されることで示されます。まだ何もプログラ ミングされていないので、何の音も聴こえないはずです。
18.適当なドラムチャンネルの "SELECT" ボタンをクリックします。
これでプログラミングす るドラムサ ウンドを選択したことになり ます。
19.最初のステップボタン("1" と記されています)をクリックします。
ボタンは点灯し、選択されたドラムサウンドが鳴ります。
1小節の頭でドラムサウンドが鳴ることを確認してください。
20.その他のステップボタンをクリックして、適当なビートを作成しま す。
点灯しているボタンをクリックすると、そのステップは再び無効に なります。
"DYNAMIC" ス イッチ を切 り替え ること で、任 意のド ラムサ ウンド / ビートに強弱(ベロシティ)を付けることができます。 またリアルタイムに強弱を付けてプログラミングすることもでき、その 場合は [Shift] または [Option] キー(Macintosh)、あるいは [Alt] キー
(Windows)を押しながらステップボタンをクリックします。Macintosh
で[Shift] キ ーを 押 し なが ら ステ ッ プボ タ ン をク リ ック し た場 合 は "HARD" 、[Option](Macintosh)あるいは [Alt] (Windows)キーを押 しながらステップボタンをクリックした場合は "SOFT" となります。
24
クイックチュートリアル
30.ソングの先頭に戻します。
31.レ コードボタンの 下にある "OVERDUB / REPL AC E" ス イッチを "OVERDUB" の位置に切り替えます。
この設定によって、トラック内のデータを保持したまま、その上に データを重ねることができます。
21. 他のドラムチャンネルの "SELECT" ボタンをクリックして、同様に ステップボタンでプログラミングを行ってください。
22. プレイバックをストップするには、再び "RUN" ボタンをクリック します。
では "Subtractor" もプログラミングしてみましょう。
23. MIDI マークが表示されるように、"Sequencer" の "Subtractor" ト ラックをクリックします。
24. "transport panel" のレコードボタンをクリックします。
レコードボタンは点灯し、スタンバイモードになります。
プレイボタン 早送りボタン
ストップ ボタン
25. プレイボタンをクリックします。
レコーディングが開始され、先ほどプログラミングした "ReDrum" のパターンがプレイバックされます。
26. ドラムパターンに合わせてMIDIキーボードを演奏します。
27. 演奏が終わったらストップボタンをクリックします。
28. 再びストップボタンをクリックすると、ソングの先頭に戻ります。
巻き戻しボタンをクリックし続けても先頭に戻ることができます。
29. プレイボタンをクリックして、レコーディングされた演奏を聴いて みましょう。
最後に、"Subtractor" のパラメータ操作もレコーディングし、オート メーションしてみましょう。ここではフィルターのカットオフフリ ケンシー( "Filter 1 Freq" )をオートメーションしますが、他のパラ メータでも構いません。
巻き戻し ボタン
レコード ボタン
"OVERDUB / REPLACE" スイッチ
32. レコードボタンを クリックし、そ してプレイボタンをクリックし ます。
レコーディングが開始さ れます。"S ubtr actor" がプレイバックされ ます。
33."Subtractor" パネルの "Filter 1 Freq" スライダをドラッグします。
"Subtractor" の音色が変化します。
34.ストップボタンを 2 回クリックしてレコーディングをストップし、 ソングの先頭に戻します。
"Subtractor" パネル の "Filter 1 Freq" スライダの周りには 緑色の フ レームが表示されます。これはこのパラメータがオートメーション されることを示します。
35.プレイボタンをクリックして、ソングをプレイバックします。
先ほど操作した通りに "Filter 1 Freq" スライダがオートメーシ ョン されます。
これでチュートリアルは終了します。
クイックチュートリアル
25

ガイドツアー

ここでは「ガイドツアー」と称して、各デバイスの概要を解説します。

バーチャルラック

バーチャルラックの背面

キーボードの [Tab] キーを押すか 、"Options" メ ニューの "Toggle Rack Front/Rear" を選択するとバーチャルラックは裏返 り、背面を表示しま す。
26
このバーチャルラックが、REASON の中心となります。バーチャル ラックの最上部には "Hardware interface" デバイスが常に配置されて います。このデバイスは、オーディオシグナルおよびMIDIデータを送 受信するために用意されています。"Hardware interface" デバイスの下 に、ユーザーが任意のデバイスを作成していく ことができます(他の デバイスについては後述します)。
クイックチュートリアル
ご覧のように、背面での接続にはバーチャルパッチケーブルが用いられ、 ソフトシンセデバイスとミキ サーデバイスの接続には赤色のケーブル、エ フェ クトデバイスの接続に は緑色のケーブル、CV シグナルの接続には黄色 のケーブルとして表示されます(CVとは"Control Voltage" の略で、パラ メータのコントールやサウンドをトリガーする際に用います)。バーチャル パッチケーブルを接続するのは簡単で、デ バイスのソケットを クリックして
別のソケットま でドラッグするだけです。 バーチャルラックを再び裏返すには、同様にキーボードの [Tab] キーを
押すか、"Options" メニューの "Toggle Rack Front/Rear" を選択します。

"transport panel"

ウィンドウ最下部には、"transport panel" が配置されています。"transport panel" には通常のトランスポートコントロールのほか、ソング のテン ポ、拍子、シャッフルの設定、CPU パワーインジケーターなども含ま れています。

"Sequencer"

シーケンサーデバイスである "Sequencer" は "transport" パネルのすぐ上 に配置されています。"Sequencer" では、ノート情報やパラメータオー トメーション、パターンチェンジなどのレコー ディングおよび編集を 行います。
"Sequencer" の左側はトラックリストで、トラックネームが表示されて います。トラックネームの各欄では、MIDI 入力、接続するデバイス、 ミュート / ソロを設定することができます。
"Sequencer" は、アレンジビューとエディットビューの2種類のモードが 中心となっています。
アレンジビューが選択されているとき、レコーディングされたイ ベン トがカラーバーとして表示されます(ノートは赤色、パターンチ ェン ジは黄色、コントロールチェンジは青色で表示されます)。アレ ンジ ビュー上部のルーラーには、メーターポジションが表示されます。
"Sequencer" のアレンジビュー
エディットビューが選択されているとき、シーケンサーエリアには1つ あるいは複数のレーンが含まれ、レコーディングされたデータを 詳細 に表示します。これらのレーンは、ノートやパターンチェン ジ、コン トロールチェンジなどを編集するために用意されています。
トラックリスト
"Sequencer" のエディットビュー。ドラムレーン、ベロシティレーン、 パターンレーン、2種類のコントローラーレーンが表示されている
クイックチュートリアル
27

各デバイスの概要

REASONには以下のデバイスが用意されています。
"REASON Hardware Interface"
"REASON Hardware Interface" は、外部機器とのコミュニケーションの ために用意されています。
"REASON Hardware Interface" の上部ではMIDI入力のための設定を行い ます。この設定によって、マルチチャンネルのMIDI入力で複数の異な るデバイスをMIDIコントロールすることができます。
!
1 ポートのMIDI インターフェースを使用する場合は、MIDI については "REASON Hardware Interface" を使用する必要はありません。この場合、 MIDIデータはそのまま "Sequencer" に入力されます。詳しくはこの章の 冒頭で説明しています。
"REASON Hardware Interface" の下部にはオーディオ出力のインジケー タとレベルメータが装備されています。これら は使用するオーディオ ハードウェア異なる出力に異なるデバイスを割 り当てるためのもので す。REASONは最高 64チャンネルのオーディオ出力をサポートしてい ます。
使用しているオーディオデバイスのオーデ ィオ出力が 2 チャンネルの 場合は、"Mixer" か らのステレオ出力が自動的 に "REASON Hardware Interface" にルーティングされます。
!
"REASON Hardware Interface" はラックに固定されており、削除するこ とができません。
"Mixer"
"Mixer" は4つのエフェクトセンド、2バンドイコライザーをチャンネル 毎に備えた14 ステレオ入力のミキサーです。異なるデバイスの出力を ミックスすることができ、レベルやパンなどを設定を行うことが でき ます。いわゆるハードウェアのミキサーと同等の仕様となっています。
"Subtractor" - ヴァーチャルアナログシンセサイザー
"Subtractor" は洗練されたアナログシンセを思い出させるポリフォニッ ク仕様のバーチ ャルア ナログシンセサイザー です。2 基のオシ レー ター、2 基のフィルター、そして豊富なモジュレーション機能を備え、 太いベース、広がり豊かなパッド、鋭いリードサウンドなどを作 り出 すことができます。
28
クイックチュートリアル
"Malstromr" - グレインテーブルシンセサイザー
Malstromは2オシレーター、2モジュレーター、2フィルター、ウェー ブシェーパーに加え、多くのモジュレーション 機能とルーティングオ プションを備えたポリフォニックシンセサイザーです。
「Graintable」シンセシスの概念に基づいて設計されており、驚くほど抽
象的、鋭い、歪んだ、うねるサウンドを作り出すことが可能です。
"NN-19" - デジタルサンプラー
"NN-19" はサウンドファイル(WAVEあるいは AIFF)を読み込んでキー ボード上にマッピングすることができる、マル チサンプル対応のデジ タルサンプラーです。1種類あるいは複数のサウンドファイルを読み込 んだ後、フィルター、エンベロープ、LFO などのシンセスタイルのパ ラメータを設定して音色をエディットすることができます。
"NN-XT" - デジタルサンプラー
NN-XTはNN-19同様にサンプル(Wave/AIFF/Soundfont/REXファイル) をロードして、キーボード上にマッピングし、マルチサンプルの パッ チを作成します。シンセタイプのパラメーター;2LFO、2 エンベロー プ、2フィルターを用いてサウンドのエディットが可能です。
更にNN-XT は2つ以上のサンプルを同じキーレンジ内にアサインして マルチレイヤーを作成することが出来ます。同じキーレンジに異 なる サンプルをマッピング出来るのです。その他便利な機能としては ベロ シティ値によるキーマップの切り替えが挙げられます。MIDIキーボー ドから受信されるベロシティーの強さに応じて、レイヤーされた キー マップのサンプルをコントロール出来ます。
クイックチュートリアル
29
"Dr.Rex" - ループプレーヤー
"Dr.Rex" は同社のソフトウェア "ReCycle!" で作成されたREXファイル 専用のループプレーヤーです。ReCycle! を使用することで REXファイ ルの作成が行えます。REX フ ァイルとは時間軸上で素材をスライスし て、素材のピッチを変更せずにテンポの変更を可能にする Propellerhead 社の開発したファイルフォーマットです。
REXファイルを "Dr.Rex" に読み込めば、サウンドファイルをどんなテ ンポでもプレイバックすることができ、スライ ス毎にパラメータを設 定し、MIDIデータを抽出することができます。もちろんフィルターや エンベロープ、LFO などのパラメータも装備されています。MIDIキー ボードからスライスを演奏することも可能で、スライスにはMIDIノー トナンバー(最初のスライスがC1)が割り当てられます。REASONに は多くのREXファイルが付属しており、それらは "Factory Sound Bank" に含まれています。
"Redrum" - ドラムコンピューター
"Redrum" はドラムチャンネル毎にサウンドファイルを読み込むことが できるサンプルベースのドラムマシンです。ドラムチャンネルに は任 意のサウンドファイル(AIFF、WAVE、サウンドフォント、REX ファ イル)を読み込んだり、また完全なドラムキットとして専用のパ ッチ ファイル( "Factory Sound Bank" 内に多数含まれています)を開くこと ができます。各ドラムチャンネルには、ピッチ、レベル、ベロシ ティ レスポンスなどのパラメータも用意されています。
旧来のドラムマシンのように、"Redrum" にはシャッフルやフラムオプ ションを装備したパターンシーケンサーが内蔵されています 。もちろ ん単なるサウンドモジュールとして "Redrum" を使用することもで き、 MIDIキーボードで演奏することもできます。内蔵のパターンシーケン サーと "Sequencer" からのコントロールを組み合わせることもでき、複 雑なドラムパターンを作り出すことができます。MIDIキーボードから 演奏する場合は、"Dr.Rex"と同様に各ドラムチャンネルにはMIDIノー トナンバーが割り当てられます(ドラムチャンネル1がC1となります)。
30
クイックチュートリアル
"RV-7" - デジタルリバーブ
"ECF-42" - エンベロープコントロールフィルター
"RV-7" は 10 種類の異なるアルゴリズムを搭載し たデジタルリバーブ で、ホールやルーム、特殊な効果まで様々な残 響をシミュレーション することができます。もちろん、これらのアルゴリズムを基にパラメー タで微調整することができます。通常、"RV-7" のようなリバーブは、 センドエフェクトとして使用されます。
"DDL" - デジタルディレイライン
"DDL" はエコー、スラップディレイ、ダブリングなどの効果を得るこ とができるデジタルディレイです。ディレイタ イムはソングのテンポ にシンクさせたり、またソングのテンポに関係 無くミリ秒単位で設定 することができます。最大ディレイタイムは2.0秒です。
"D-11" フォールドバックディストーション
"D-11" はシンプルなインターフェースながら非常に過激な効果を得る ことができるディストーションです。メロウな シンセリードも簡単に ハードなサウンドのシンセリードに変える ことができ、またドラムパ ターンやループをローファイな感じにする場合にも適しています。
"ECF-42" は 3 種類の異なるモードを備えたシン セタイプのレゾナント フィルターです。通常のフィルターとしても(フィルターのカッ トオ フフリケンシーはデバイスのパネル上からも、また外部デバイス から もコントロールすることができます)、また内蔵されたエンベロープを 使ってリズミックな フィルターエフェクトを作り出すこともできま す。エンベロープは、"Redrum" や "Mattrix Pattern Seqnencer" からトリ ガーすることもできます。
"CF-101" - コーラス / フランジャー
"CF-101" はサウンドに広がりを与えるコーラス、あるいは金属的なサ ウンドに変化させるフランジャーとして使うことができます 。このデ バイスは、センドエフェクトあるいはインサートエフェクト (インス トゥルメントデバイスとミキサーの間に接続します)、そのどちらで使 用してもいいでしょう。
"PH-90" - フェイザー
"PH-90" はステレオフェイザーです。6 種類のパラメータが用意されて おり、微妙なスィーピングエフェクト、あるいは過激なジェットエフェ クトも作り出すことができます。
クイックチュートリアル
31
"COMP-01" - コンプレッサー
"COMP-01" はコンプレッサー / リミッターです。低いレベルの音を持 ち上げ、また高いレベルの音を圧縮してサウン ドを整えることができ ます。また、ドラムサウンドなどにパンチを付 加する場合や、レベル を増幅する際に使用してもいいでしょう。
"PEQ2" - 2 バンドパラメトリックイコライザー
"Mixer" には各チャンネルに基本的な 2バ ンドイコライザーが装備され ていますが、より異なる音色を作り出したいときに "PEQ2" を使用しま す。"PEQ2" には完全に独立した 2 バ ンドのパラメトリックイコライ ザーが内蔵されており、それぞれフリケンシー、ゲイン、Qを設定する ことができます。
"Matrix Pattern Sequencer"
"Matrix Pattern Sequencer" は、旧来のアナログシーケンサーによく似た、 単独で動作するパターンタ イプのシー ケンサーです。"Matrix Pattern Sequencer" は32ステップの範囲で、設定したボルテージレベルを 3つ の 独立したCVアウトから出力することができます。従って1つの "Matrix Pattern Sequencer" で、3種類のパターンを同時に使うことができます。
"Matrix Pattern Sequencer" を "Subtractor" などのインストゥルメントデ バイスに接続することによって、ループフレーズを簡単に作成したり、 またパラメータの変化やリズミックなフレーズ を作り出す際に使うこ とができます。
"ReBirth Input Machine"
このデバイスに よって、同社か らリリースされているソフ トウェア "ReBirth" とREASONを組み合わせて使用することができます。ReBirth から出力されるオーディオシグナルは、ReWire テクノロジーによって REASONに入力されます。"ReBirth Input Machine" の複数の出力をミキ サーに入力することで、REASONのサウンドとミックスしたり、ReBirth の出力をエフェクト処理したりすることができます。
32
クイックチュートリアル
4
基本的な操作方法

この章について

ここでは REASON を使用する上で、基本となる共通の操作方法やテク ニックについて説明します。また、マニュアル を理解する上で必要と なる幾つかの用語についても取り上げています。REASON での作業を 快適に進めるためにも、本章の内容には全て目 を通すようにしてくだ さい。

Macintosh / Windowsの違い について

マニュアルは Macintosh と Windows、どちらに も対応し ています。 Macintosh と Windowsのどちらでも使用方法は基本的に同一ですが、異 なる箇所については文中で解説しています。

基本的な操作方法

REASONのほとんどのパラメータは、本物の機材の 操作方法をそのま ま継承しています。例えばフェーダーやダイアル、トランスポー トボ タンなどは本物の機材のように操作することができるはずで す。これ らのパラメータの実際の操作方法は以下の通りです。

ダイアル

34

キーコマンドについて

マニュアルではキーコマンドを「ブラケット( "-" )」で記している箇 所があります。例えば「キーボードの [Shift] - [C] を押す」とあったら、 これは [Shift] キーを 押しながら [C] キーを 押すとい う意味で す。 MacintoshとWindowsでキーコマンドが異なる場合は、Macinsoshのキー コマンドに「(Macintosh)」、Windowsのキーコマンドに「 (Windows)」と 記しています。
基本的な操作方法
ダイアルを操作するには、マウスでクリックしてスライダーのよ うに 上下にドラッグします。例えば上方向にドラッグすると、ダイア ルは 右側に回ります。
[Shift] キーを押しながらドラッグすると、ダイアルの操作感は重く
なり、より細かく設定することができます。
"Ed it " メニューから(Mac OS X では "Reason" メニュー から) "Prefernces" を選び、ダイアログの "General" ページの "Mouse Knob Range" で、ダイアルの精度を調節することができます。
ダイアルを初期値にリセットするためには、[Command](Macintosh) あるいは[Ctrl] (Windows)を押しながらクリックします。

スライダー

スライダーを操作するには、スライダーハンド ルをクリックして上下 にドラッグします。
スライダーハンドルでない場所をクリックすることで、スライダー
の位置を素早く移動させることもできます。 [Shift] キーを押しながらドラッグすると、スライダーの操作感は重
くなり、より細かく設定することができます。

マルチモードセレクター

幾つかのパラメータでは、用意されたモードを 切り替えるタイプのも のがあります。このマルチモードセレクターには2種類あります。
このタイプのマルチモードセレクターはスイッ チをクリックする度に 下方向へ切り替わっていきます。また任意のポ イントをクリックする ことで、直接選択することもできます。
ボタン
ボタンはクリックする度にオン/ オフが切り替わり、多くのパラメータ で採用されています。REASONのボタンはLED インジケータを内蔵し ているものがほとんどで、ボタンの状態を即座に確認することが でき ます。

矢印ボタン

REASONでは数値や文字は LED / LCD スタイルのディスプレイに表示 され、またその横には上下の矢印ボタンが備わっています。ディ スプ レイに表示されているパラメータの値を操作するには、以下のような2 通りの方法あります。
上下いずれかの矢印ボタンをクリックすることで、ディスプレイの
表示を切り替えてます。
一回クリックする毎にパラメータは切り替わります。連続的に切り 替えたい場合は、クリックしたまま矢印ボタンを押し続けます。
ディスプレイ上をクリックして、そのまま上下にドラッグします。
この方法では、より素早い操作が可能です。
このタイプのマルチモードセレクターはスイッ チをドラッグして切り 替えます(スライダーの操作に似ています)。また任意のポイントをク リックすることで、直接選択することもできます。
この操 作方法はリ バーブの アルゴリ ズムやシン セサイザーの波形 を切
り替える場合など、数値ではないパラメータを操作する際にも用いられ ます。
"transport panel" のソングポジションについて は、ダブルクリックする ことで数値を直接入力することもできます。
基本的な操作方法
35

ツールティップ

各パラメータにはツールチッスという機能 が備わっています。これは 任意のパラメータの上にマウスカーソルを 動かすことで、パラメータ 名と設定値を表示する機能です。細かい値 に設定する場合や、他のパ ラメータと同じ値に設定する場合などに便利です。
"Edit"メニューの "Prefernces" ダイアログの "General"ページで、"Show
Parameter Value Tools Tip" を設定す ることによってツールティップ機 能をオフにすることができます。

コンテクストメニュー

コンテクストメニューは表示させる場所に関連する項目だけ を含んだ メニューウインドウです。このウインドウを使用することで 、より素 早い操作を行うことができます。
コンテクストメニュ ーを表示させる には、マウスの右ボタンをク リックするか(Windows)、[Ctrl] キーを押しながらクリックします
(Macintosh)。
Macintoshで2ボタンのマウスを使用している場合は、[Ctrl] - クリッ クを右ボタンの動作して設定しておけば、Windowsと同様にコンテ クストメニューを容易に表示させることができます。
"Dr.Rex" のコンテクストメニュー
コンテクストメニューの内容は、クリックする場所によって異な りま す。コンテクストメニューを利用できる場所は以下の通りです。

デバイスコンテクストメニュー

ラック内のデバイスをクリックした場合(ただしパラメータ部分 を除 く)に表示されるコンテクストメニューには、以下の項目が含ま れま す。
"Cut Device" / "Copy Device" / "Paste Device" / "Delete Device" - これ らはラック内のデバイス を複製した り削除する場合などに使用し ます。
"Go To" サブメニュー - ルーティングされているデバイスの一覧が 表示され、任意のデバイスを選択することでラックを自動的にスク ロールさせることができます。
"Create" サブメニュー - 新しいデバイスを作成することができま す。
36
基本的な操作方法
パターンシーケンサーを内蔵したデバイスの場合は、パターンに関 する項目( "Cut" / "Copy" / "Paste" / "Clear" / "Shift" / "Randomize" な ど)を選択することができま す。これらは現 在選択されているパ ターンに対して実行されます。
パッチを使用することができるデバイスの場合は、パッチに関する 項目を選択することができます。
また、デバイス特有の項 目が含まれる場合もあります。例えば "Redrum" の場合、選択さ れているドラムチャ ンネルに対してのパ ターンに関する項目が含まれます。

パラメータコンテクストメニュー

オートメーション可能なパラメータ(インスト ゥルメントデバイスの ダイアルやスライダーなど)をクリックした場 合に表示されるコンテ クストメニューには、以下の項目が含まれます。
レコーディングされたオ ートメーション データを編集するための 項目。
コンピュータからのキーコマンドや、MIDIデータによる操作に関す る項目(パラメータはキーコマンドや外部 MIDI 機器から操作する ことができます)。

ラックが空の部分で表示されるコンテクストメニュー

ラック下部の空の部分をクリックした場合に表 示されるコンテクスト メニューには、以下の項目が含まれます。
"Paste Device" - コピーあるいはカットしたデバイスをペーストする ことができます。
"Paste Device" 項目の下には "Create" メニューの項目が表示され、新 たにデバイスを作成することができます。

シーケンサーコンテクストメニュー

"Sequencer" をクリックして表示されるコンテクストメニューには、ト ラック、グループ、イベントを編集するための 項目が含まれます。そ の中で利用できる項目については、クリッ クする場所(トラックリス ト、キーエディットレーンなど)に依存します が、例えば小節のイン サートや削除、トラックの追加、グルーピング 、イベントの削除など をコンテクストメニューから実行すること ができます。詳しくは付属 する『オペレーションマニュアル』を参照してください。

アンドゥ

REASONにおける全ての操作はアンドゥ(やり 直し)することができ ます。もちろんラック内でのデバイスの作成、削除、追加、パラ メー タの操作、"Sequencer" 上での各種編集、テンポや拍子の設定などもア ンドゥすることができます。アンドゥは最高10 回前の操作まで戻るこ とができます(マルチアンドゥ)。
操作をアンドゥするには、"Edit" メニューから "Undo" を選択する か、あるいは [Command] - [Z](Macintosh)/[Ctrl] - [Z](Windows) キーを押します。
アンドゥできる操作(直前の操作)については、"Edit" メニューの "Undo" に続いて表示されます。例えばラック内からデバイスを削除 した直後のメニュー項目は、"Undo Delete Device" と表示されます。
アンドゥ操作を取り消すリドゥを実行する場合は、"Edit" メニュー から "Redo" を選択するか、あるいは [Command] - [Y](Macintosh) / [Ctrl] - [Y] (Windows)キーを押します。
アンドゥ同様、リドゥされる操作もメニュー項目に表示されます。

マルチアンドゥについて

前述の通り、アンドゥでは最高で10 回前の操作まで戻ることができま す。言い換えればREASONは最高10回の操作を記憶する、アンドゥヒ ストリーを備えているということです。
例えば以下のような操作をしたと仮定します。
1. "Mixer" を作成する。
2. "Subtractor" を作成する。
3. "Subtractor" のパラメータ "Amp Envelope Attack Time" スライダー を操作する。
4. "Mixer" の "Subtractor" に対応するチャンネルのパンを操作する。
5. "transport panel" のテンポを設定する。
基本的な操作方法
37
このような順番で操作を行った場合、アンドゥ ヒストリーは以下のよ うになっています。
アンドゥ
5. テンポの設定
4. パンの操作
3. "Subtractor"の パラメータ操作
2. "Subtractor" の作成
1. "Mixer" の作成
そしてアンドゥを実行した場合、テンポの 設定は元に戻り、その操作 はリドゥリストに移ります。
アンドゥ リドゥ
4. パンの操作
3. "Subtractor" のパラメータ 操作
2. "Subtractor" の作成
1. "Mixer" の作成 5. テンポの設定
再びアンドゥを実行すると、パンの操作が元に戻り、その操作もリドゥ リストに移ります。
アンドゥ リドゥ
3. "Subtractor" のパラメー タ操作
2. "Subtractor" の作成 4.  パンの操作
1. "Mixer" の作成 5.  テンポの設定
では、ここでリドゥを実行してみましょう。パンの操作は最初に 設定 した位置に戻り、その操作はリドゥリストから再びアンドゥヒスト リーに移ります。
アンドゥ リドゥ
4. パンの操作
3. "Subtractor" のパラメー タ操作
2. "Subtractor" の作成 4.  パンの操作
1. "Mixer" の作成 5. テンポの設定
この時点ではまだリドゥリストに「テンポの設定」が含まれています。 ここで再びリドゥを実行すると、最初に設定したテンポの値に戻り、ア ンドゥリストに移ります。そしてリドウリストは空の状態になります。
アンドゥ リドゥ
5. テンポの設定
4. パンの操作
3. "Subtractor" のパラメー タ操作
2. "Subtractor" の作成
1. "Mixer" の作成
空の状態
もうこれ以上リドゥすることはできません!
38
基本的な操作方法

ウィンドウテクニック

複数のソングウィンドウを活用する

REASON で は、複数のソングを同時に開いておくことができます。各 ソングは自身のラックや "Sequencer" 、"transport panel" などを備えてい ます。ソングのウィンドウを任意の位置に 動かしたり、また大きさを 変えることも できます(これらの操 作方法は Macintosh あるい は Windowsのコンピュータの種類に依存します)。
"Windows" メニューには、ウィン ドウを整理するための幾つかの項目 が含まれています。詳しくは『オペレーション マニュアル』を参照し てください。

ビュー / ペーン(枠)/ デバイダー

画面上でREASON は異なるエリアもしくは " ペ ーン(枠)"で区切られ ています。一番わかりやすい例はラックエリア とシーケンサーエリア です。更に録音したデー タを異なっ たビューで編集したい場合など、 シーケンサーエリアの右側をいくつかの水平レ ーンで区切ることも出 来ます。
レーン間にあるボーダー(区切り線)はディバイダーと言います。ディ バイダーをクリックして上下にドラッグすることで、レーンの高 さを 調整することが出来ます。上のレーンエリアを拡大すると、逆に 下の レーンは縮小されて表示されます。

シーケンサーを取り外す

シーケンサーペーンを取り外し、別ウィンドウとして扱うことが 出来 ます。これにより、ラック幅よりシーケンサーを広げ、コンピューター の画面をもっと効率よく使うことが出来るようになりました。
基本的な操作方法
39

スクロール / ズーム

REASON は ラックとシーケ ンサーでスクロールやズームを行う場合、 若干異なるオプションを提供しています。
スクロールバーを用いたスクロール 現在表示されている画面の外にも情報 がある場合、自動で上下・左右
方向のスクロールバーが現れます。例えば一度 に表示できる以上にデ バイスがラック内にあるならば、ラックの右側 にある上下スクロール バーを用いてラックを上下にスクロールすることが出来ます。
ハンドツールを用いたスクロール
シーケンサーではハンドツールを用いてスクロ ールすることも出来ま す。ハンドツールを選択し、レーンをクリック &ホールドして見たい 方向にカーソルをドラッグしてください。
ハンドツールを用いてキーエディットレーンをスクロール
スクロール 方向はレ ーンが存 在する限り 全方向に スクロール可能です
(例え ばベロ シテ ィレー ンはそ もそも左右 にしか スクロ ール出 来ませ
ん)。[Shift]キーを押しながらドラッグすると、スクロールする方向が上 下もしくは左右のみに限定されます。
倍率変更スライダーを用いたズーム
エリアによっては倍率変更スライダーを用 いて拡大・縮小することが 出来ます。"+"もしくは "-"の倍率アイコンをクリックするか、倍率変更 スライダーをクリック&ドラッグして拡大・縮小を行います。
拡大・縮小可能な異なるペーンはそれぞれ独立した倍率変更スライ ダーが使用できます。
シーケンサーではキーエディットレーンとコントローラーレー ンそれぞれ独立し たビューコントロールが使用できます。
拡大鏡ツールを用いたズーム
シーケンサーでの別のズーム方法として拡大鏡ツールの使用 が挙げら れます。このツールは倍率変更スライダー同様に上下左右方向に 同時 に拡大・縮小を行うことが出来ます。更に拡大鏡ツールは独自の 機能 も有しています。
下記に応用例を記します。
拡大鏡ツールでレーンを一度クリックすると、倍率変更スライダー の"+" アイコンを2度クリックしたのと同じ倍率でレーンが拡大表 示されます。
拡大鏡で縮小する場合、[Option] (Mac)/[ Ctrl] (Windows) キーを押し ながらクリックします。
この時、拡大鏡ツールの"+"表示が"-"表示に変化します。
レーンに上下方向の倍率変更スライダーもある場合、拡大鏡ツール をクリックして倍率変更スライダーの"+" もしくは "-" アイコンを一 度クリックしたのと同じ倍率で拡大・縮小表示が出来ます。
[Shift] キーを押しながらクリックしますと、上下方向にズームする ことはできません。
拡大鏡ツールでクリック &ドラッグ して長方形の選択範囲を作る ことが出来ます。
この場合レーンいっぱいに選択した範囲が拡大表示されます。
40
基本的な操作方法
長方形の選択範囲でノートを囲むと...
...ビューいっぱいにズームされます。
マウスホイールを用いたスクロールとズーム
スクロールホイールを備えたマウスをご利 用の場合、これを用いて以 下のようにスクロールやズームを行うことが出来ます:
ラックやシーケンサーでは上下スクロールします。
シーケンサーでは[Shift] キーを押しながらホイールを操作すると左 右にスクロールします。
シーケンサーでは[Command] (Mac)/[Ctrl] (Windows)キーを押しな がら操作すると上下に拡大・縮小表示されます。
シーケンサーでは[Shift]-[Command](Mac)/[Shift]-[Ctrl] (Windows ) キーを押しながら操作すると左右に拡大・縮小表示され ます。
基本的な操作方法
41
42
基本的な操作方法
5
オーディオの基本

この章について

ここでは REASON でオーディオがどのように取り扱われるかを説明し ます。一部、難しい技術的な事柄も含みますが、REASON を最大限活 用するために一読されることをお勧めします。

REASONとオーディオハード ウェアとのコミュニケーション

REASONは0と1との組み合わせのデジタルシグナルを生成してプレイ バックします。そしてこのデジタルシグナルは アナログシグナルに変 換されて、スピーカーやヘッドフォンなどで実 際に聴くことができる わけです。このアナログシグナルの変換は、コ ンピューターに搭載さ れたオーディオハードウェアで行われます(Macintosh の場合は特別な オーディオハードウェアを使用しなくても 、内蔵されたサウンド機能 で変換することもできます)。
デジタルシグナルをオーディオハードウェアに入力するために、 REASON は "Prefernces" ダイ アログで設定された オーディオドライバ を使用します。この流れはラック上部の "Hardware Interface" で確認す ることができます。
"Hardware Interface" には 64の出力ソケット(インジケータとレベルメー タを備えています)が用意さ れています。こ れらのインジケータは、 オーディオハードウェアへの接続を示します。また、ReWire を利用し ている場合は、ReWire ソフトウェアへの接続を示します。詳しくは『オ ペレーションマニュアル』をご参照ください。
ここで出力されるオーディオのチャンネル数は、使用するオーデ ィオ ハードウェアの仕様に依存します。例えばステレオ出力のオーデ ィオ ハードウェアを使用している場合は(またはMacintoshの内蔵のサウン ド出力を使用している場合は)、最初の 2 チ ャンネルのみ使用すること ができます。"Hardware Interface" では、使用可能な出力は緑色のインジ ケータが点灯します。
上の状態では、ステレオ出力のオーディオハードウェアが使用 されており、最初 の2チャンネルのみ利用することができます。
上の状態では、8チャンネル出力のオーディオハードウェアが使用されています。
ラック内のデバイスは "Hardware Interface" の任意のソケットに接続さ れ、オーディオとして出力されます。これは51 ページで解説されてお り、ラックのバックパネルで ルーティン グします。ほとんどの場合、 "Mixer" のス テレオ出力をソケット 1 / 2 に接続することになるでしょ う。
44
"Hardware Interface" はラック上部に配置されています。
ReWire を利用している場合は、REASON は ReWire のマスターソフト
!
ウェア(オーディオシーケンサーなど)にオーディオを出力します。そ してここか らオーデ ィオシグ ナルがオー ディオハ ードウェアに出力さ れます。詳しくは『オペレーションマニュアル』をご参照ください。
オーディオの基本

サンプルレートとビットレゾ リューションについて

サンプルレートとビットレゾリューション とは、デジタルシグナルが 持つ特性のことで、これがサウンドの音質を決 定すると言っていいで しょう。通常、高いサンプルレートと高いビッ トレゾリューションで は、より高音質を得ることができます(しかし その分オーディオファ イルのサイズは大きなものと なり、また対応 したオーディオハード ウェアが必要となります)。下の表では、サンプルレートとビットレゾ リューションの組み合わせについて説明します。
サンプリング レート
22.05kHz 8bit この組み合わせは、高い音質より も小さ
44.1kHz 16bit これはオーディオ CD と同じ組み合わせ
44.1kHz-96kHz 24bit これはプロスタジオやハイエンドの機材
全ての異なる状況で使用できるよう、REASON は複数のサンプルレー トとビットレゾリューションをサポートし ています。このことは以下 の点に適用されます。
プレイバック
REASONは内部オーディオ処理を解像度 32bit 浮動小数点演算で行いま す。しかしながら、オーディオ出力の解像度は オーディオハードウェ アによって異なります。つまり、24bit の オーディオカードをお持ちの 場合、REASON はオーディオ出力を24bitの解像度で処理し、16bitのオー ディオカードの場合、16bitの解像度で処理します。
再生サンプルレートは"Preferences"-"Audio"ダイアログ(MacOS Xの場 合"Reason"メニュー、それ以外は"Edit"メニューからアクセス)で設定 します。
ビット レゾリュー
ション
コメント
なファイルサイズを必要とす る場合に利 用されます。例えばゲームサウン ドやマ
ルチメディアオーサリングなどです。
です。一般に "CDクオリティのサウンド " という場合は、この組み合わせが 用いら
れています。
などで採用されている組み合わせです。
ここで選ぶポップアップメニューの値はオーディオハードウ ェアがど のサンプルレートをサポートしているかによって変化する点 にご注意 下さい。大抵の標準的なサウンドカードは44.1kHz以下複数のサンプル レートをサポートしています。この場合一番高いオーディオクオリ ティで再生したければ44.1kHzを選びます。
高解像度オーディオの使用について
REASONは実質的に全ての解像度でサンプル再 生が可能です。例えば 24bitサンプルがサンプラーもしくはRedrumにロードされた場合、サン プルの再生も同様に24bit の解像度で行われます。このように高い解像 度のサンプルを使用していて、REASON で元々の高 い解像度で再生し たい場合、以下の手順に従ってください。
1. "Edit" メニューもしくは "Reason" メニューから "Preferences" を開 き、"General"ページを選びます。
2. ページの一番下 " Mi sce ll aneous"にて 、"U se Hig h Reso l ut ion Samples" のオプションにチェックが入っていることをご確認くだ さい。
このチェックが入っていて、かつオーディオカードがその解像度 をサ ポートしている場合、REASON はサンプルの元々の 高解像度を維持し て再生を行います。チェックされていない場合、REASON は 全てのサ ンプルを元の解像度に関係なく16bitの解像度再生します。
オーディオの基本
45
オーディオのエクスポート
REASON で は、ソング全体やソングの一部をオーディオファイルとし てエクスポートすることができます(詳しくは 94 ページをご参照くだ さい)。オーディオをエクスポートする際にサンプルレート(11kHz か ら96kHz)とビットレゾリューション(16bit あるいは 24bit)を設定し ます。
ここでエク スポート したオー ディオファ イルを他 のソフトウェアで使 用するのであれば、そのソフトウェアとサンプルレートおよびビットレ ゾリューションを揃えておく必要があります。他のソフトウェアで使用 するかどうか分からない場合は、44.1kHz / 16bitにしておくのが無難で
す。
オーディオのインポート
サンプラーやドラムマシーン、ループプレーヤ ーにサンプルファイル やReCycleファイルがロードされた場合、REASONはファイルごとに解 像度やサンプルレートが異なっていてもこ れをサポートし、正しい解 像度とサンプルレートで再生します。同じデバ イス内で異なるフォー マット - あるドラムサウンドは8bitサンプルで、別のファイルは16bit サ ンプルなど - のファイルを使用することも出来ます。

オーディオレベルについて

REASONをプレイバックしている間、"transport panel" の "AUDIO OUT CLIPPING" インジケータに注意を払ってください。このインジケータ が点灯したとき、オーディオは過大レベル となっており、デジタルク リップ(歪み)が生じる場合があります。
"AUDIO OUT CLIPPING" インジ ケータは 瞬間的に点灯します。
過大入力を避けるためには、"Hardware Interface" にルーティング されているデバイス( "Mixer" など)のマスターレベルを下げます。
!
デバイスに装備されているレベルメータが赤く点灯したとしても、それ は重 要 な こと で はあり ま せ ん。デジ タルクリップは、"Hardware Interface" でのみ生じます。
REASONの内部は高解像度の浮動小数点処理と なっています。これに より高い音質とヘッドルームを確保しており、REASON の内部処理で オーディオクリップが生じることはありません。オーディオハード ウェアで REASON からの シグナルを 変換する際にのみ、デジタルク リップが生じます。

マルチアウトプットを利用している場合

2チャンネル以上のオーディオ出力に対応したオーディオハード ウェ アを使用して、"Hardware Interface" からマルチアウトプットを利用して いる場合、オーディオクリップが生じたソケットに入力している デバ イスのレベルだけを下げる点に注意してください。全体のレベル を下 げる必要はありません。

ReWire を利用している場合

他のソフトウェアと共に ReWire を利用している場合は、REASON で オーディオクリップが生じることはありません。これは前述の通 り高 解像度の浮動小数点処理を内部で行っているためです。ReWire につい て詳しくは『オペレーションマニュアル』をご参照ください。

マスターチューン

初期状態では、REASONのマスターチューンはA4 が 440Hzに設定され ています。しかし他の楽器やソフトウェアと同時に使用すると き、 チューニングを必要とする場合もあります。
1. "Ed it" メニュー(Mac OS X の場合 "Reas on " メニュー)から "Preferences" を選択します。
2. ダイアログ上部のポップアップメニューから "Audio" ページを選択 します。
3. "Master Tune" セクションでチューニングを調節します。
チューニングはプレ イバックしなが ら行うことができます。この チューニングの設定は、"Redrum" や "Dr.Rex" にも適用されるとい う点に注意してください。
46
オーディオの基本
6
ラックの概要

この章について

これまで見てきた通り、REASON の中心部となるのはラックです。ラッ ク内のデバイスはユーザーが選択して作成 し、各パラメータを設定す ることができます。
この章では、ラックの基本的な使用方法や概要について解説します。各 デバイスの詳細やパラメータについては『オペレーションマニュアル』 をご参照ください。

ラックの概要

デバイスを複数使用しているとき、ウィンドウ 内に全てのデバイスが 表示されるとは限りません。そのため、以下の方法でラックをスクロー ルします。
ラック右側のスクロールバーを使って、ラックを連続的にスクロー ルします。
スクロールホイールを備えたマウスをご利用の場合、これを用いて 上下スクロールが出来ます。
コンピュータのキーボー ドの上下の 矢印キーで、デバイス単位で ラックをスクロールします。
コンピュータのキーボードの [Home] と [End] キーで、最上部のデ バイスと最下部のデバイスにスクロールします。
デバイスのコンテクストメニューを開き、"Go To" サブメニューか ら移動したいデバイスを選択します。
選択したデバイスにラックはスクロールします。
シーケンサートラックでデバイスを選択すると、REASONは選択された デバイスが表 示されるよう に自動的にス クロールしま す。詳しくは 61
ページをご参照ください。
ラックエリアとシーケンサーエリアの間にあるディバイダー をクリッ クして下方向にドラッグすると、ラックエリアの表示面積を増や すこ とが出来ます。この時シーケンサーエリアの表示面積は狭く なり、現 在よりたくさんのラックを一度に見ることが出来ます(代わりに ラッ クからシーケンサーを完全に取り外すことが出来ます。60 ペ ージを参 照ください)。更にスクロールバーの右上にある最大化ボタンをクリッ クしてウィンドウいっぱいにをラックを表示することが出来ます。
ラックマキシマイズボタン

デバイスの作成

新たなデバイスを作成するには、"Create" メニューから任意のデバイス を選択します。"Create" メニューは、メインのメニューバーおよびコン テクストメニューにも用意されています。
48
ラックの概要
"Create" メニュー(左はメインのメニューバー、 右はコンテクストメニュー)
新たなデバイスは、ラック内で選択されているデバイスのすぐ下に 作成されます。
ラック内でデバイスが選択されていない場合は、ラック内の一番下 に作成されます。
新たなデバイスを作成したとき、REASON は簡易的にオートルー ティングを行います。
オートルーティング機能の詳細については 51 ページをご参照くだ さい。
"Sequencer" には新たなトラックが自動的に作成され、デバイスに 接続されます。
トラックネームはデバイスと同じになります。MIDI 入力もこのト ラックに自動的に割り当てられ、MIDIを通してすぐに演奏すること ができます。詳しくは54ページをご参照ください。
これ はインストゥルメントデバイスのみに適用されます。しかし
!
[Option] (Macintosh)あるいは [Alt] (Windows)キーを押しながらデ バイスを作成すると、ミキサーやエフェクトデバイス作成時に新たなト ラックが作られ、逆にインストゥルメントデバイスにはトラックが作成 されません。

デバイスの選択

デバイスのカット、コピー、削除を行う場合は 、その前にデバイスを 選択する必要があります。デバイスを選択 するためには、以下のルー ルがあります。
1つのデバイスを選択する場合は、そのパネルをクリックします。
選択されたデバイスは、青いボーダーラインで囲まれます。
複数のデバイスを選択する場合は、[Shift] キーを押しながらクリッ クします。
言い換えると、あるデバイスの選択を解除せずに、他のデバイスも 選択することができます。
全てのデバイスの選択を解除する場合は、ラック下部の空のスペー スをクリックします。
選択された複数のデバイスから 1 つだけ選択を解除する場合は、 [Shift] キーを押しながら再びクリックします。
他のデバイスの選択は解除されません。
キーボードの上下の矢印キーを使うことで、選択されたデバイスを 移動させることができます。
この方法は、選択されたデバイスが表示されるようにラックは自動 的にスクロールし、デバイスを素早く選択する際に有効です。また、 ハーフラックサイズのデバイス(エフェクトデバイ スなど)では、 左から右に選択されます。例えば [↓ ] キーを押して下のエフェクト デバイスへ移動した場合は、まず左のデバイスが選択され、次に右 のデバイスが選択されます。
[Sfhit] キーを押しながら [↑] および [ ↓] キーで移動すると、最初の デバイスを選択したまま移動させることができます。
つまり、デバイスの選択 範囲を広げるこ とができるということで す。
デバイスのパラメータを設定すると、自動的にそのデバイスが選 択さ れます。言い換えると、パラメータを設定するためにデバイスを 選択 する必要はありません。

デバイスの削除

デバイスを削除するためには、1 つあるいは複数のデバイスを選択し、 以下のいずれかの操作を行います。
[Command] (Mac)/[Ctrl] (Windows)キーを押しながら[Backspace]も しくは[Delete]キーを押します。
"Edit" メニュー、あるいはデバイスのコンテクストメニューから "Delete Device" を選択します。
シーケンサートラックと一緒 にデバイス を削除することもできます。 デバイスに対応したシーケンサートラックを削除する際、接続さ れて いるデバイスも削除するかどうかダイアログが表示されます 。詳しく は63ページをご参照ください。
複数のデバイ ス間にルーティング されているデバイス を削除した場合、
!
これらのデバイスのルーティングは自動的に保たれます。
ラック最上部の "Hardware Interface" を削除することはできません。
!
ラックの概要
49

デバイスの整理

デバイスは以下のような方法で移動させる ことができ、ラック内を整 理することができます。
1. 複数のデバイスを移動させる場合は、まず任意の複数のデバイスを 選択します。
2. デバイスがラックにマウントしてある、"耳" の部分をクリックしま す。
ハーフラックサイズのエフェクトデバイスでは、パラメータダイア ルなどのコントローラ以 外のパネル部を クリックしても構いませ ん。
3. クリックしたまま、任意の位置までデバイスをドラッグします。
赤いボーダーラインが表示され、ラックが移動される位置を示しま す。 ハーフラックサイズのエ フェクトデ バイスなどの場合、移動先に ハーフラックサイズのデバイスが配置されていないときは、まず左 側に移動されます。1 つのハーフラックサイズのデバイスが既に配 置されている場合は、その右側に移動されます。
この例では、RV-7 reverbデバイスを移動しています。
この場合、reverb デバイスが phaser の左側に移動することを赤い縦線で表示して います。
最後は図のようになります。filterデバイスが左に移動し、間を埋めています。
この場合、reverb デバイスが chorus/flanger の右側に移動することを赤い縦線で 表示しています。
最後は図のようになります。他の3つのデバイスが左に移動し、間を埋めてい ます。
4. マウスのクリックボタンを離します。
デバイスは新たな位置に移動し、それに合わせて他のデバイスも移 動します。
デバイスを動かしている途中で操作を取りやめたい場合、マウスボタン
!
を押した状態で[Esc] キーを押してください。
[Shift] キーを押しながらデバイスを移動すると、自動的にルーティ ングをやり直します。
オートルーティング機能については51ページをご参照ください。
ラック内のデバイスを移動しても、シーケンサートラックには影響を及
!
ぼしません。
50
ラックの概要

デバイスの複製

デバイスを複製する場合は、[Option](Macintosh)あるいは [Ctrl] キー を押しながらドラッグします。
[Shift] キーを押しながらデバイスを複製した場合、デバイスはオー トルーティングされます。
詳しくは51ページをご参照ください。

デバイスのカット / コピー / ペースト

選択されたデバイスは、"Edit" メニューあるいはデバイスのコンテクス トメニューの "Cut"、"Copy"、"Paste"でも移動や複製することができま す。例えばあるデバイスを選択してコピー し、ソングから別のソング へとコピーすることができます。これは以下のように行います。
"Cut" および "Copy" は、一般的なカット / コピー操作と同様にデバ イスに適用されます。
"Cut" を実行 した場合は、表面上はデバイスは削除 されますが、ク リップボード上に全ての設定を保ったまま移動されます。
"Paste" を選択した場合、選択されているデバイスの下部にペース トされます。
デバイスが選択されていない場合は、ラックの最下部にペーストさ れます。
複数のデバイスをコピーしてペーストする場合は、これらのデバイ ス間のルーティングはそのまま保持されます。
[Shift] キーを押しながらデバイスをペーストした場合は、そのデバ イスのルーティングが自動的に行われます。
ドラッグによるデバイスの移動や複製については規則があり ます。 詳しくは51ページをご参照ください。

ルーティングの概要

!
ここでは、ルーティングに関する基本事項を説明します。ルーティング に関する詳細は『オペレーションマニュアル』をご参照ください。
REASONでは、オーディオシグナルおよびコントロ ールシグナルを自 由にルーティングすることができます。ルーティングは自動 、あるい は手動で行います。

オートルーティング

オートルーティングとは、REASON がシグナルのル ーティングを自動 的に行うことを意味します。前ページでも説明されています が、新た なデバイスを作成した際や、[Shift] キーを押しながらデバイスを移動、 複製、ペーストした場合に自動的にルーティングされます。
通常、オートルーティングはステレオ(2チャンネル)で行われます。
"Mixer" を作成したとき
最初に作成された "Mixer" は、"Hardware Interface" のステレオ入力 に自動的にルーティングされます。
さらに "Mixer" を作成した場合は、他の "Mixer" にシリーズ接続さ れます。詳しくは『オペレーションマニュアル』をご参照ください。
インストゥル メントデバイスから "Mixer" へのルーティング
インストゥルメントデバイス( "Subtractor" 、"NN-19" 、"Redrum" 、 "Dr.Rex" )を作成した場合 、"Mixer" に自動的にルーティングされ ます。
これによりインストゥル メントデバ イスを作成してすぐに音を鳴 らすことができます。
エフェクトデバイスと "Mixer" のルーティング
任意の "Mixer" を選択してエフェクトデバイスを作成した場合、 "Mixer" のセンドエフェクトとしてルーティングされます。
センドエフェクトとしてよく利用されるエフェクトデバイスは、リ バーブの "RV-7" 、ディレイの "DDL" 、コーラス / フランジャーの "CF-101" です。
ラックの概要
51
エフェクトデバイスをインサートエフェクトとしてルーティング
インストゥルメントデバ イスを選択して エフェクトデバイスを作 成した場合、インサートエフェクトとしてルーティングされ ます。 つまり、インストゥルメントデバイスの出力がエフェクトデバイス を経由して "Mixer" に入力されます。
インサートエフェクトと してよく利用さ れるエフェクトデバイス は、ディストーションの "D-11" 、コンプレッサーの "COMP-01" 、 フェイザーの"PH-90" です。
既に作成されたデバイスのルーティング
オートルーティングには、以下のような規則があります。
ラック内のデバ イスのルー ティングをやり直す場合は、"Edit"メ ニューから "Disconnect Device" あるいは "Auto-route Device" を選 択します。
2 つのデバイス間にルーティングされているデバイスを削除した場 合、シグナルの流れは保持され、自動的にルーティングされます。
例えばインストゥルメントデバイスと "Mixer" の間にエフェクトデ バイスをインサートしているとき、このエフェクトデバイスを削除 すると、インストゥルメントデバイスは "Mixer" へと自動的にルー ティングされます。
デバイスを移動しても、ルーティングに影響を与えることはありま せん。
デバイスを移動 した後にル ーティングをやり直す場合 は、[Shift] キーを押しながら移動します。
ドラッグ、あるいはコピー / ペーストによってデバイスを複製した 場合は、オートルーティングは適用されません。
この場合も自動的にルーティングする場合は、[Shift]キーを押しな がら複製します。

マニュアルルーティング

ユーザー自身で手動でルーティングするためには、ラックを裏返 す必 要があります。ラックを裏 返すに は [Tab] キーを押す か、あるい は "Options" メニューから "Toggle Rack Front/Rear" を選択します。
ラックのバックパネルでは、2種類の異なるタイプのコネクターが使わ れています。1種類はオーディオシグナルを取り扱うコネクターで、も う1種類はCV(Control Voltage:コントロールボルテージの略です。パ ラメータを操作する場合に使用します。詳しくは『オペレーショ ンマ ニュアル』をご参照ください)。オーディオ用のコネクターは 1/4 イン チジャックで、CV用のコネクターはミニジャックで表示されます。こ こではオーディオシグナルのルーティングを説明します。
オーディオシグナル用コネクター
52
ラックの概要
CVシグナル用コネクター
!
ラックを裏返した後でも、コンピュータのキーボードなどからラックを スクロールさせることがで きます。詳しくは 48 ページをご参照くださ い。
オーディオシグナルをルーティングする場合、2通りの方法を選択する ことができます。1つはバーチャルパッチケーブルでルーティングする 方法で、もう 1つはポップアップメニューからルーティングを選択する 方法です。
ケーブルの使用方法
!
ケーブルを表示させるためには "Options" メニューから "Show Cables" を選択しなければなりません。
1. 任意のデバイスの入力あるいは出力コネクターをクリックして、そ のままドラッグします(もちろんマウスボタンは押したままです)。
たるんだケーブルが表示されます。
視認性を高め るために、ケーブルは 用途によって色分 けされています。 エフェクトデバイスがルーティングされているケーブルは緑色、その他 のオーディオシグナルがルーティングされているケーブルは赤色、CVシ グナルがルーティングされているケーブルは黄色となります。
この緑色のケーブルは、エフェクトデバイスがルー ティングされていることを示します。
2. 他のデバイスの任意のコネクターまでドラッグします。
正しいルーティングが行われているとき(オーディオとオーディオ /CVと CV / 入力から出力 / 出力から入力)、ルーティングが可能で あることを示すハイライトが表示されます。
3. マウスボタンを離します。
これでケーブルがルーティングされます。ステレオの入力、あるい は出力を備えたデバイスの場合、一方のコネクターをルーテイング するともう一方のコネクターも自動的にルーティングされます。
!
ケーブルをドラッグして接続する操作を取りやめたい場合、マウスボタ ンを押した状態で[Esc]キーを押してください。
この黄色のケーブルは、CV シグナルのルーティングで あることを示します。
ケーブルがルーティング されている コネクターの一方をクリック して他のコネクターにドラッグすることによって、ルーティングを 変更することができます。
この赤色のケー ブルは、オーディオシ グナルの ルーティングであることを示 します。
ラックの概要
53
ポップアップメニューを使用する
1. コネクターをクリックします(Windowsの場合は右クリックです)。
ポップアップメニューが表示され、ラック内のデバイスが一覧とし て表示されます。
2. ルーティングしたいデバイスを選択します。
サブメニューが表示され、ルーティングすることができる入力 / 出 力が表示されます。デバイス のオーディ オ出力のコネクターをク リックした場合は、オーディオ入力が一覧として表示されます。
ポップアップメニューに表示されるデバイスが灰色で選択することがで きない場合は、適切な種類のコネクターが無いということです。
3. サブメニューから任意のコネクターを選択します。
ケーブルがルーティングされます。
デバイスのルーティングを削除する
ルーティングの削除には2通りの方法があります。
ケーブルの一端をクリックし、コネクターの無い場所までドラッグ してマウスボタンを離します。
あるいは
一方のコネクタ ーをクリックしてコンテクストメニューを開き、 "Disconnect" を選択します。
ケーブルを隠す / 表示する
"Options" メニューの "Show Cables" を有 効にするとケーブルは表 示さ れ、また無効にするとケーブルは隠れます。ケーブルを隠している間、 使用しているコネクターには赤色のドットが表示されます。
接続先を確認する
どのデバイスがコネクターに接続されているのかを常に確認 すること ができます。ケーブルを隠しているときや、非常に多くのケーブ ルが 表示されている時などに便利でしょう。
コネクターの上にマウスカーソルを動かし、少し待ちます。
ツールチップが表示され、ルーティングの状況が表示されます。

MIDI をデバイスにルーティングする

外部MIDI 機器から REASONのデバイスまでMIDIデータを送信する方 法については『オペレーションマニュアル』に記載してあり ます。本 書では、"Sequencer" を経由したMIDIデータのルーティングについて説 明します。
MIDIキーボードなどから送信された MIDI データは、"Sequencer" のい ずれかのトラックに入力されます。そして "Sequencer" から対応するデ バイスにMIDIデータが送られます。このように "Sequencer" のトラック によって、MIDIデータを送るデバイスを選択することができます。
これは以下のように行います。
1. MIDIキーボードなどのMIDIコントローラーが正しく接続され、MIDI データを送信していることを確認します。
"Preferences" - "MIDI" ダイアログ で設定された MIDI ポートおよび MIDIチャンネルでなければなりません。詳しくは 16 ページをご参 照ください。
54
ラックの概要
2. "Sequencer" 上で、任意のデバイスに対応したトラックを選択しま す。
トラックネーム右側のポップアップメニューを表示することに よって、そのトラックが対応しているデバイスを確認することがで きます。
3. トラックネームの左側をクリックします。
MIDIマークが表示され、MIDIデータがこのトラックに入力されて いることを示します。

デバイスのネーミング

各デバイスは任意の名前を入力することができ、ドラフティング テー プ上(名前を記入するためのテープ)にデバイス名を表示させる こと ができます。新たなデバイスを作成したとき、自動的に数字で割 り当 てされます。例えば "Subtractor" の場合、"Synth 1" 、"Synth 2" ・・・と なります。しかしこれは自由に変更することができ、ドラフティ ング テープをクリックすることで名前を入力することができます (最高半 角16文字までです)。
"Mixer" に接続されているデバイスは、入力された名前がミキサーチャ ンネルに貼られ たドラフテ ィングテープにも反映され ます。同様に "Return" ダイアルの下のドラフティングテープにも、ルーティングされ ているデバイスの名前が表示されます。
4. 接続してあるMIDIコントローラーを演奏します。
デバイスのサウンドが鳴るはずです。
幾つかのインストゥルメントデバイスには MIDI インジケータが装備さ れており、MIDIノートが入力された際に点灯します。
ミキサーチャンネルのドラフティングテープには、直接ルーティ ング されているデバイスの名前が表示される点に注意してくださ い。例え ばインストゥルメントデバイスからエフェクトデバイスをイ ンサート して"Mixer" にルーティングされている場合は、インサートしているエ フェクトデバイスの名前が表示されます。このような場合は表示 を分 かりやすくするために、エフェクトデバイスの名前を変更しても よい でしょう。
ラックの概要
55
デバイスの名前とトラックネームの関係
新たなインストゥルメントデバイスを作成したとき、"Sequencer" にも 対応したトラックが作られ、またトラックネー ムにはデバイスの名前 がそのまま表示されます。デバイスの名前 を変更する場合、以下の条 件に合えば "Sequencer" のトラックネームも同様に変更されます。
デバイスの名前とトラックネームが同じとき
デバイスにルーティングされているトラックが1つしかないとき
デバイスの名前とトラックネームは、なるべく 同じにしておいた方が いいでしょう。この方が簡単にトラックを選択することができます。も しデバイスの名前とトラックネームを異な るものにする場合は、一度 ルーティングを削除する必要があります。そし てデバイスの名前を変 更してから再びルーティングします。詳しくは 62 ページをご参照くだ さい。

デバイスを折りたたむ

設定が終了したデバイスなどは、折りたたんでサイズを小さなも のに することができ、ラック内の表示面積を有効的に利用することが でき ます。デバイスを折りたたむには、左側のラックの耳にある矢印 ボタ ンをクリックします。
折りたたんだデバイスを元に戻すには、 再び矢印ボタンをクリックします。
ハーフラックサイズのエフェクトデバイスなどの場合、矢印ボタン
をクリックすると並んでいる2 つのデバイスが同時に折りたたまれ ます。
[Option] キー(Macintosh)あるいは [Alt] キー(Windows)を押し
ながらアローボタンをクリックすると、ラック内の全てのデバイス が折りたたまれます。
再び[Option] キー(Macintosh)あるいは [Alt] キー(Windows)を 押しながらアローボタンをクリックすると、ラック内の全てのデバ イスはもとに戻ります。
折りたたんだデバイスの パラメータ 設定やルーティングを行うこ
とはできません。
折りたたんだ後でも、デバイスの名前を変更、移動、複製、削除す ることはできます。パッチを使用するデバイスでは、折りたたんだ 状態でパッチを選択することもできます。
折りたたまれたデバイスの名前変更、移動、複製および削除は折り
たたんでいないデバイス同様に操作できます。 パッチを使用するデ バイスでは、折りた たまれた状態でも同様に
パッチの選択が可能です。 これは重要なことですが、折りたたんでもサウンドには全く影響は
ありません。
56
ラックの概要
7
"Sequencer" の概要

"Sequencer" について

REASONにおいて、"Sequencer" は主要な作曲ツールになります。シー ケンサーはノート、コントローラー、デバイスパラメーターオートメー ション、パターンチェンジをレコーディン グする場所です。この章で は、全ての基本的な手順(レコーディング、プ レイバック、シーケン サートラックの処理)の説明がなされてい ます。エディット、クオン タイズ、グループの使用などに関しては、『オペレーションマニュアル』 をご参照ください。

シーケンサーとラックとの関係

シーケンサーでは、データはレコーディングされ、(マルチトラックの テープレコーダーのような)トラック上でプレイバックされます。
トラック はトラッ クリスト に配置さ れます。
それぞれのトラック上のレコーディングされたイベント
トラックはラック内のインストゥルメントデバイス に接続でき ます。 トラック上のデータはプレイバック時にデ バイスへと送られます。各 トラックは同時に一つのデバイスにのみ接続できますが、複数のト ラックが全て同じデバイスをプレイバックすることは可能です。
選択されたトラッ クが "Sample 3" デバイスに接続されています。
コラム内のア イコンはど の種類 のデバイスが 各トラックに接続しているか示します。
トラックにデバイスを接続しないことも可能ですが、切断したト ラッ クのノート情報はプレイバックされません。(プレイバックするデバイ スが無いので)同じように、シーケンサートラックの無いインス トゥ ルメントデバイスを持つことも可能です。
"Sequencer" VS パターンシーケンサー
パターンデバイスを使用する』の章で説明した通り、"Sequencer" はパ
ターンデバイスに内蔵するシーケンサーと次のように相互に 作用しま す:
"Sequencer" とすべてのデバイスはトランスポートパネル上で設定 されたテンポを使用します。
( "transport panel" 上の)"Sequencer" でプレイバックが始まると、
全てのパターンデバイスも自動的にスタートします。
つまり、デバイスに用意されたパターンシーケンサーは使用不能に なっていません。(72ページを参照)
パターンチェンジは常に "Sequencer" の小節の始まりで起こって います。(パターンレングスには関係ありません)
"Sequencer" からプレイバックし たパターンチェンジは正確なポジ ションで起こります。
詳しくは72ページをご参照ください。
58
"Sequencer" の概要

シーケンサーウィンドウの 取り扱い

ラックの下のシーケンサーエリア
REASONでの基本的なウィンドウテクニックは 39ページで説明しまし た。
"Sequencer"とラ ックの間の デバイダーをドラッグしてシー ケン
サーエリアのサイズを調節できます。
右上角にあるマキシマイズボタンを押すと、ドキュメントウィンド ウ全体をシーケンサーエリアにします。
シーケンサートラックのデータをエディットするとき、シ ー ケ ン サーエリアの右部分は別のレーンに分割できます。
一般的に、一つのレーンでノート情報、もう一つのレーンでコント ローラーカーブなどを見るでしょう。レーンのサイズをレーン間の デバイダーをドラッグして調節できます。
キーレーンとベロシティレーン、コントローラーレーンが 表示されています。
スクロールや倍率変更は様々な方法で可能です。標準のスクロール バーや上下・左右の倍率 コントロー ラー、拡大鏡ツールやハンド ツール、スクロールホイールを用いたマウス操作などが挙げられま す(40ページを参照ください)。
シーケンサーエリア内の分割している場所は、それぞれ独立したス クロールバーとズームコントロールを備えています。
シーケンサーマキシマイズボタン
標準のスクロールバーと 水平と垂直 のズームコントロールでスク
ロールまた倍率を変更することができます。 また、[Command]キー (Mac)もしくは [Ctrl]キー (Windows)を押しな がら[+]か[-](テンキーではありません)を押すと、水平の倍率を調 節することができます。
[Co m ma n d] /[ Ctrl]-[+] ズームイン、[Command] /[Ctrl]-[
-
]ズームアウト
"Sequencer" の概要
59

別ウィンドウのシーケンサーで作業する

シーケンサーウィンドウをラックから取り 外して、別ウィンドウで作 業出来るようになりました。これにより、例え ば多数のトラックで作 業していたり、多くのシーケンサーパートを一 目で確認したい場合便 利です。シーケンサーを取り外すことで、シー ケンサーのリサイズを 行ったりある特定のトラックやレーンを拡 大・縮小表示したりするこ となしに一度に全てのトラックやレーンを表示 することが可能になり ます。
分割シーケンサーウィンドウは、39 ページで説明されている基本的な ウィンドウ操作を行うことで水平・垂直どちら の方向にも自由に移動 したりリサイズしたりすることが出来ます。
ラックからシーケンサーを取り外すには、ラックの右上隅、この機 能のボタンをクリックするか、Windows メニューを開き、"Detach Sequencer Window"を選んでください。
このボタンをクリックしてください。
シーケンサーが別ウィンドウで開かれます。
ラックにシーケ ンサーウィンドウを戻す場合もこれに似ていて、 Windowsメニューの"Attach Sequencer Window"を選択するか、ボ タンをクリックします。
注意:シーケンサーウィンドウを取り外すボタンはラック内での み有 効です。シーケンサーを戻すボタンはラック内、シーケンサー内 どち らも共に有効です。
シーケンサー画面のシーケンサーを元に戻すボタン。 その裏はラック画面のボタンです。
!
シーケ ンサーウィ ンドウを ラックに 戻すもう一 つの方法はウィン ドウ を閉じることです。注意:ラックがまだソングの「メイン」ウィンドウ である場合、つまりソングを閉じることでシーケンサーウィンドウも閉 じてしまうので注意してください。

Transport について

ラックからシーケンサーを取り外したとき、Transport がスクリーンの 2カ所(一つはラック内、もう一つはシーケンサー内)にあるこ とに お気づきでしょう。これでどちらのウィンドウがアクティブであ って も関係なく録音・再生コントロールが出来ます。
また、REASONの他デバイス同様の手順で Transport の一つを折りたた むことも出来ます。デバイスを折りたたんだり、元に戻す手順は56 ペー
をご参照ください。
分割状態のラックとシーケンサーどちらかのウィンドウをアク ティブにする場 合、ラックは [Command]-[1 ] (Mac)/[C trl]-[1]
(Windows) 、シーケ ンサーは [Command]-[2] (Mac)/[Ctrl]-[2] (Windows)のキーコマンドを使用します。
60
"Sequencer" の概要

2モニターで REASON を使用する場合の注意点

2モニター環境をお持ちの場合、以下に従ってください:
1モニターでラックを見たり、使用する場合
先述の通り、シーケンサーを取り外し、1つのモニターはシーケン サーのみ使用する場合
2モニター使用可能にするには、ご利用のオペ レーティングシステム やグラフィックカードがマルチモニター環境を サポートしている必要 があります。
オペレーションマニュアルをよくご覧になり、場合によって はグラ フィックカードの2モニターを使用する方法に 関する記述をご参考く ださい。

トラックの作成

48 ページで説明したように、ラック内にインストゥルメントデバイス
を作成するとトラックも自動的に作成 されます。それでも、追加のト ラックを作成する必要があります(例えば、エフェクトデバイスのオー トメーションをレコーディングする為に必要となります。詳しくは『オ ペレーションマニュアル』をご参照ください)。
新しいシーケンサートラックを作成するには、"Create" メニューを プルダウンして、"Sequencer Track" を 選択しま す。(も しくは "S equ en cer " のコン テ クスト メ ニ ュ ー か ら "Create Seq uen cer Track" を選択します)
トラックリスト内で現在 選択されている トラックの下に新しいト ラックが現れます。はじめは、トラックはどのデバイスにも接続さ れません。(下記参照)
デバイスのコンテクストメニュー上の "Create Sequencer Track for Device" を使用して、そのデバイスの為に新しいシーケンサート ラックを作成することもできます。
これは新しいデバイスを作成するのと同じように作用します。つま り、新しいトラックはデバイスと接続され、同じ名前がつけられま す。

トラックネームの設定

トラックリストのトラック名をダブルクリックして新しい名 前をつけ ることが出来ます。注意:
トラック(このトラックのみ)がデバイスと接続していて、デバイ スがトラックと同じ 名前であると、デバ イスの名前も変更されま す。
一般的には新規デバイス を作成した 後そのシーケンサートラック 名を変更すると、デバイス名も自動で変更されます。その逆も可能 です。この場合、デバイス名 を変更する と、そのシーケンサート ラック名も変更されます。

トラックの選択

トラックのデータを操作すること、またはエディットすることを 可能 にするにはトラックを選択する必要があります。トラックリスト 内の トラック名をクリックすると、トラックを選択します。
選択されたトラックはリスト内で強調表示されます。
トラックを選択すると、ラックは自動的にスクロールし、対応す るデ バイスが表示されます。
上下の矢印キーを使用してリスト内の次の、または前のトラックを 選択することもできます。
[Shift] キーを押しながらクリックすると複数のトラックを選択でき ます。
これによって、複数のトラックを一度に移動または 削除できます。 しかしながら、トラックのコンテンツをエディットすることは一度 に一つのトラックしかできません(最上位に選択されたトラックが エディットされます。詳しくは『オペレーションマニュアル』をご 参照ください)。
トラックを選択することと、MIDIをルーティングすることを混同しない
!
ようにご注意ください。(次ページをご参照ください)。
"Sequencer" の概要
61

トラックに MIDI をルーティングする

トラック内のデバイスにMIDI をルーティングする通常の方法は、シー ケンサー経由でルーティングすることです 。シーケンサートラックに MIDIがルーティングされると、ノートとコントロールデータは自動的 に対応する(トラックに接続した)デバイスに反映されます。
入力されたMIDI シグナルをトラックにルーティングするには、(ト ラック名の左にある)コラムをクリックします。
MIDIマークが表示され、そのトラックがMIDI を受信することを示 します。("Preference" - "MIDI" ダイアログで"Sequencer Port"にMIDI デバイスを選択した場合。詳しくは16ページをご参照ください)

トラックをデバイスに接続する

トラック名の右側には、"Out" コラムがあります。プレイバックのあい だ、各トラックはMIDIデータを送信します。
トラックをラック内のデバイスに接続するには、"Out" コラム内の ポップアップメニューをプルダウンして、デバイスの中の一つを選 択します。
62
MIDI を同時に複数のトラックにルーティングすることはできません。 他のトラックの "In" コラムをクリックすると、MIDIマークが移動しま す。
MIDI 入力を中止する
MIDI マークをクリックして消すと、MIDI データの入力が中止されま す。
"Sequencer" の概要
"Out" コラム内のシンボルは、各トラックにどの種類のデバイスが 接続されているかを示します。
インストゥルメントデバイスを作成すると、自動的にトラックが作成さ
れ、新しいデバイスに接続されます。

トラックの移動

リスト内でトラックを他のポジションに移動するには、トラック 名を クリックして上か下にドラッグします。複数のトラックを一度に 動か すには、それらを選択して一つをクリックし、ドラッグします。
!
シーケ ンサートラ ックの順 序はラッ ク内のデバ イスの順序とは無 関係 です。

トラックの複製

すべてのレコーディングされが終了してデータ ーのコピーを作成する には、次のいずれかの方法を行ってください:
[Option](Mac)または [Ctrl](Windows) を押しながらトラックリスト 内の新しいポジションにトラックをドラッグします。
トラックのコンテクストメニューを出し、"Duplicate Track" を選択 します。
コンテクストメニューを出すには、トラックリスト内のトラック上 で[Ctrl] キーを押しながら クリック (Mac)、または右クリック (Windows)します。
複製された トラック はもとの トラックと 同じデバ イスにルーティング
!
されます。ノートが二重にならないためにも、一方のトラックをミュー トするか、他のデバイスに接続してください。

トラックの削除

1つ以上のトラックを削除 する場合、選択 して [Backspace] もしくは [Delete]キーを押します。
削除するトラック(このトラックのみ)がデバイスと接続している 場合、次のような警告メッセージが現れます:

2種類の表示形式について

"Sequencer" の左の部分は常にトラックリストを表 示していま す、右 の部分ではアレンジビューとエディッ トビューの 2 種類の異なる表示 形式があります。シーケンサーエリアの左上角にある対応するボタン をクリックして2 種類の表示形式を切り換えます。どちらのビュー モードを選んでいる かによってボタンアイコンのイラストが変化し ます。
アレンジビュー
このボタンをクリックしてアレンジビューを選択します。
アレンジビューでは、全てのトラックが表示され、色の付いたバ ーは レコーディングされたイベントであることを示します。編曲の概 要を 掴みたい時、またセクション全体を再配置するなどといった 、大きな スケールのエディットを行う際はこのモードを使用します。
エディットビュー
このボタンをクリックしてエディットビューを選択します。
次の中から一つのオプションを選びます:
オプション 説明
Delete トラックと接続するデバイス両方を削除
Keep トラックを削除してデバイスはキープ Cancel トラックもデバイスも削除しない
"Sequencer" の概要
63
エディットビューでは、一度に一つのトラック のレコーディングされ たイベントの詳細を見ることができます。エデ ィットビューが選択さ れていると、シーケンサーエリアの右の部分を いくつかの水平のレー ンに分割することが可能になり、それぞれの種類のイベント(ノート、 REX フ ァイルのデータ、コントロールデータなど)を表示します。こ れはレコーディングを細かくエディッ トする目的の、またノート、コ ントロールデータや、他のイベントを手動で書 き込む目的で選ぶモー ドです。
!
エディットの詳細については付属の『オペレーションマニュアル』をご 参照ください。

ルーラー、ソングポジション、 ロケーターについて

どちらのビューモードが選択されているかに関係なく、シーケン サー ディスプレイの上部には水平のルーラーがあります。これはメー ター ポジション、つまりバー(小節)とビート(拍)で位置を示します。
ルーラーの番号と詳細は水平の倍率によって変化します。
中間のズーム設定では、奇数の小節が小節番号で表示され、偶数の 小節はマークで表示されています。
最大にズームすると、各小節に番号が付き、32分音符のポジション がマークで表示されます。
ルーラー内では、4つの異なったポジションマーカーがあり、それぞれ にフラッグがついています。
これはプ レイバ ックが始まる位置を 示すソングポジションです。
これはEndマーカーで、REASONに ソングが どこで終わるか を知らせ
ます。(下記参照)
64
"Sequencer" の概要
これはレフトロケーターで、ルー プモード(68ページ 参照)を使用 する時、レフトロケーターはルー プのスタート ポジシ ョンとなり ます。
エンド ( "E" ) マーカーはソングの終了を示します。ソングをオーディオ ファイルとしてエクスポートする時と、シーケンサーエリア内で水平に スクロールをする時にプログラムはこの情報を使用します。 プレイ バックまた はレコー ディング はエンドマ ーカーではストッ プし ません。
これはライトロケーターで、ルー プモード使用時にループのエン ドポジションになります。

トランスポートコントロールの 概要

トランスポートパネル はソング ウィンドウの下部に位置 しています。 これはプレイバック、レコーディング、早送り/ 巻き戻し、等を作動さ せる場所です。以下のページでレコーディング 及びプレイバックの手 順を知る手がかりとなる簡単な概要があります。
プレイ
ストップ
早送り
巻き戻し
レコード
ループオン/オフ
68ページ参照)

レコーディングのセットアップ

レコーディングを開始する前に、いくつかの設定を行う必要があります:

テンポと拍子

テンポと拍子の設定はトランスポートパネル上にあります。
1から999.999bpm(bpm=1 分間の拍数) の間であらゆるテンポを指 定することができます。
右のテンポフィールドでは1/1000bpm のステップでテンポを微調整 することができます。
テンポは 110.094 にセット されています。
ソング ポジション
"Overd ub/Replace " スイッチ
66ページ参照)
ループオン/オフ
68ページ参照)
トランスポートキーコマンド
最も頻繁に利用されるトランスポート機能 としては、以下の組み合わ せが用いられます:
ファンクション キーコマンド
ストップ テンキーの[0]または[Return] キー プレイ テンキーの[Enter] キー
ストップ/プレイ切り換え スペース拍 前の小節へ移動/ 巻き戻し テンキーの[7]
次の小節へ移動/ 早送り テンキーの[8] レコード テンキーの[*]キー、または
[Command](Mac)または[Ctrl](Windows) を押しながら[Return]キー
レフトロケーターへ移動
(ループスタート)
ライトロケーターへ移動
(ループエンド)
テンキーの[1]
テンキーの[2]
また、テンキーの[+]と[-] キーを使用して(bpmステップで)テンポを 調整することも可能です。
分子(左のフィールド)と分母(右のフィールド)を指定して拍子 をセットします。
分子は小節毎の拍数を、分母は拍の長さを決定します。
3/4 拍子 が選択され ています。

クリック

レコーディングする時、リズムをキープするために何らかの種類 のリ ズムガイドが必要になる場合があります。最も簡単な方法は 、内蔵の クリックを使用することです。
これがオンになっていると、拍毎にクリック音が鳴ります。クリ ック 音は各小節のダウンビートでアクセントが付きます。クリック音 はレ コーディング中とプレイバック中に鳴ります。"Level" ダイアルを使用 してクリック音のボリュームを調節することができます。
"Sequencer" の概要
65
"Redrum" のパターンをリズムガイドに使った方がより簡単な場合があ るかも知れません。

レコーディング

外部のMIDI 機器を使ってMIDIをレコーディングするには、次のように 行ってください:
1. MIDI をレコーディングしたいトラックが選択されていることを確 認します。
62ページをご参照ください。
2. レコーディング を開始したい位置にソングポジションを移動しま す。
レコーディングは常にソングポジションからスタートします。
ソングポジションを移動させるには、ルーラー内の Pマーカーを直接ドラッグします。
スタートするのを2、3小節早くすると、プレイが始まるまでの余裕を得 ることができます。
3. レコードボタンをクリック、またはテンキーの[*]を押します
レコードボタンが点灯し、"Record Standby"モード(録音待機状態) であることを示します。
4. プレイボタンをクリック、またはテンキーの [Enter] キーを押しま す。
レコーディングが始まります。
5. レコーディングが終了したら、ストップボタンをクリック、または テンキーの[0]を押します。
アレンジビュー内でレコーディングされたノートは 赤色のバーで示されます。
この時点では、(巻き戻しをして、またはルーラー内のソングポジショ ンマーカーを移動して)ソングポジションをレコーディングの最 初に 移動した方が良いでしょう、そしてプレイボタンをクリックして どの ようにレコーディングされたのかをを確認します。必要であ れば、レ コーディングは取り消すことができます。
プレイバックを開始して、それからレコードボタンをクリックする
とプレイバック中にレコーディングを始めること("Punch In")が 可能です。
同じように、プレイバックを停 止せずにレコーディングを終了
("Punch Out")することもできます。

より多くのトラックにレコーディングする

いったんレコーディングを済ませたら、最初のレコーディングの プレ イバックを聞きながら他のトラックのレコーディングを続け ることが 可能です。MIDIをレコーディングしたいトラックにルーティングする のを忘れないでください。
必要であれば、レコーディング中にMIDIルーティングを変更するこ
とが可能です。
これはループモードでレコーディングをする時に特に便利です。最 初のトラックをレコーディングして、それからレコーディングした い次のトラックの "In" コラムをクリックします。レコーディングし たものは全て次回のループでプレイバックされます。 ループモードについての詳細は68ページをご参照ください。
同じトラックでさらにレコーディングする
- Overdub/Replace
もしお望みであれば、同じトラックの同じエリア上でレコーディ ング を続けることができます。これはループに要素を加えていく 際、複数 のコントロール のオートメ ーションをレコーディング する際、また 誤ったパートを良いテイクと置き換えるのに有効です。
前のレコーディングを残すか削除するかは "Overdub" か "Replace" の設 定に依存します。
66
"Sequencer" の概要
"Overdub" モードでは新たなレコーディングは以前にあったトラッ
クの上に書き加えられます。
プレイバック時に、両方のレコーディングが聞こえます。このモー ドは存在しているレコー ディングに要素 を加えて行くのに使用し ます。(例えば、コントロールデータをレコーデ ィングされたノー トに加えていく)
"Replace" モードでは新たなレコーディングは以前にあったノート を置き換えます。
ノートは実際にレコーデ ィングされたエ リア内でのみ置き換えら れます。
!
誤ってレコーディングを消してしまわないためにも、始めは "Overdub"
モードにしておく方が良いでしょう。
!
"Overdub/Replace" スイッチは、ノートにのみ作用します レコーディ ングされたコントロールデータには作用しません!詳しくは『オペレー ションマニュアル』をご参照ください。
直前にレコーディングされた場所を置き換える
長時間にわたるすばらしいレコーディングの中 の一部だけを録音しな おしたい場合は、"Replace" モードをご使用ください。:
1. "Replace" モードを選択します。
2. 誤ったセクションの前のポジションでプレイバックを開始します。
3. セクションのスタート地点でレコーディングをオンにします。
4. セクションのレコーディングをやり直します。
5. 誤ったセクショ ンの終わりでレコーディングをオフにするか、ス トップします。

プレイバックとポジショニング

!
もしReWireを使用しているのなら、トランスポート機能はどちらかのソ フトウェア で行われます。『オペレーション マニュアル』をご参 照くだ さい。

プレイバックとストップ

現在のソングポジションからプレイバックをするには、プレイボタ ンをクリック、もしくはテンキーの[Enter]キーを押します
プレイバックをストップするには、ストップボタンをクリックする か、テンキーの[0]を押します。
既にソングが停止している状 態でストッ プボタンをクリックすると、 ソングポジションは次のようなルールに従って移動します。
ソングポジションがレフトロケーターの右側にある場合、レフトロ ケーターに移動します。
ソングポジションがレフトロケーター上、または左 側にある場合、 ソングのスタートに移動します。
ソングポジションが ソングのスター トにあると、何も起こりませ ん。
これはストップモードでストップボタンを二回クリックする と、常に ソングの開始ポイントに戻ることを意味します。

ポジショニング

ソングポジションは"P" マーカーが付いたルーラー内の垂直の線に よって示されます。ソングポジションを動かすには何通りかの方 法が あります:
"transport panel" 上の早送り/巻き戻しボタンを使用する。
これはソングポジションを(現在のポジションから)1 小節ずつの 段階で移動させます。すなわち、たった一回だけリワインド /ファー ストフォワードボタンを クリックし てもソングポジションは正確 に1小節前か後に動くだけです。ソングポジションを複数の小節に わたって移動させるにはマウスボタンを押したままにします。
"Sequencer" の概要
67
テンキーのトランスポートキーコマンドを使用する
65ページのテーブルをご参照ください。
ルーラー内のPマーカーをドラッグするか、または動かしたいソン グポジションでルーラーを直接クリックする
結果としてのソングポジ ションはスナッ プ値を考慮に入れていま す。(下記に記載)。
トランスポートボタンの 下にある数値デ ィスプレイに直接ソング ポジションの数字を入れる。
ソングポジションは小節、拍子、16分音 符の三桁で表示されます 。
Snap to Grid について
スナップオン/オフボタン
スナップ値ポップアップ
"Snap to Grid"(今から"スナップ" と呼びます)ファンクションは、動 きを特定のポジションに限定す るものです 。これは "Sequencer" で エ ディットする(データの移動、イベントの作成)時に特に便利です、し かしルーラー内のソングポジションの動きもまた作用してしまいま す。
"スナップ" をセットアップしてオンにするには、次のように行ってく ださい:
1. "スナップ"ポップアップメニューをプルダウンして、値を選択しま す。
もし "Bar" を選択したら、ソングポジションを小節の先頭に移動さ せることのみが可能 になります。その他 のオプションは対応する ノート値に動きを限定します。
2. ポップアップメニューの隣にあるボタンをクリックして " スナップ " をオンにします
例えば、"スナップ " がオンにして 1/4ノートにセットすると、これ はソングポジションを正確な 1/4 ノートのポジションでのみ動かす ことができることを意味しています。

ループを使用する

ループモードでは、"Sequencer" はプレイバックまたはレコーディング の間、セクションを何度も何度も繰り返します。あなたはレフトロケー ターとライトロケーターをセットして、ループされるセクション を指 定します:
!
ルーラー内の"L"マーカーをドラッグして、レフトロケーター(ルー プのスタート)をセットします。
または、[Option]キー (Mac)または[Ctrl]キー (Windows)を押しながら ルーラー内をクリックします。
ルーラー内の"R"マーカーをドラッグして、ライトロケーター(ルー プのエンド)をセットします。
もしくは、[Command] キー (Mac) または[Alt] キー (Windows)を押し ながらルーラー内をクリックします。
ルーラー内の ロケーターを動かす 時にスナップがオン になっていると、 ソングポジションと同様になります。
68
"Sequencer" の概要
両方のロケーターポジションはトランスポート パネル上で数字を入力 して調節することもできます。
ループをオンにするには、"Loop ON/OFF" ボタンが光るようにク リックしてください。もしくは対応するキーコマンドを使用してく ださい。
それぞれのテンキー上で、Macでは[/]、Windowsでは[+] です。
ループモードでプレイバックしているとき 、ソングポジションがライ トロケーターに達すると、直ちにレフトロ ケーターに戻ります。この ように、ロケーター間のエリアは連続的に繰り返されます。
ループモードでのプレイバックはミックスやアレンジを試すこと、テイ
クを並びたてるときなどに便利です。ループモードでのレコーディング は、グルーブ(ひとつのレイヤー)に一度に要素を加えていくことに便 利です。同じ トラック で複数の レイヤー をレコー ディングする場合は "Overdub" モードを選択するのを忘れないでください。

ミュート / ソロ

トラックをミュートすることは、プレイバック 中にデータが送られな いように音を消すことです。これは異なったア レンジのバージョンを 試す時、プレイバック中に違った要素をミック スの内や外に入れ替え するのに非常に便利です。
トラックをミュートするには、トラックリスト内の"M" コラムをク リックします。
ミュートしたトラックの ノートとイベン トはプレイバック時に聞 こえなくなります。
赤いクロスがミュートしたトラックを示します。
ミュートしたトラックを解除するには、Mコラムをもう一度クリッ クします。複数のトラックを同時にミュートすることもできます。
[option]キー (Mac)または[Alt]キー (Windows)を押しながらMコラム をクリックすることで、トラックをソロにすることも可能です。
これは全て他の(ソロになっていない)トラックをミュートします。
ここでは、Redrum 1がソロになっています
(赤いフレームで表示されます)
トラックへのソロ機能を解除したい場合は、[option] キー (Mac)また は[Alt] キー (Windows)を押しながらMコラムをもう一度クリックし ます。複数のトラックを同時にソロにすることができます。
ソロモード中に "M" コラムをクリックすると、トラックのミュートの状
態を変えることができます。ソロモードを解除した時にこの変化が反映
されます。
トラッ クをミュ ートして も、パターン デバイス 内のパターンシー ケン
!
サーからプレイバックされるノートには作用しません! 例えば、"Redrum" に接続されたトラ ックをミュートする場 合、デバイ スによってプレイされるドラムパターンはずっと聞こえています。しか しながら、トラック にレコーディングした あらゆるノート( "Redrum" をサウ ンドモジ ュール として使 用する)はミ ュートされます。レ コー ディングされたあらゆるパターンチェンジも同様です。
"Sequencer" の概要
69

"Sequencer" のその他の機能

ここでは、ごく簡単に "Sequencer" の機能に触れただけです。『オペレー ションマニュアル』では、以下のような"Sequencer" の機能及び手順の 詳細な説明がされています:
3. パターンチェンジとコントロールデータのレコーディング
4. アレンジビュー内でのレコーディングされたデータの再配置
5. レコーディングされたノート / コントロールデータ / パターンチェ ンジのエディット
6. クオンタイズとグルーブの使用
7. ノートとコントロールデータのマニュアル入力
8. グループの使用
9. MIDIファイルのインポート / エクスポート
70
"Sequencer" の概要
8
パターンデバイスを使用する

この章について

REASON に は 2 種 類のパター ンデバイスである "ReDrum" と "Matrix Pattern Sequencer" が用意されています(さらなるパターンデバイスも 将来的には追加されるかもしれません)。この 2 種類のデバイスの用途 は異なりますが基本的な部分は同一であり 、その概要をここで解説し ます。
!
各デバイスについての詳細は『オペレーションマニュアル』をご参照く ださい。

パターンデバイスとは?

パターンシーケンサが内蔵されているデバイスを「パターンデバイス」 と呼びます。REASONのメインの "Sequencer" とは異なり、パターンデ バイスは特定の長さのシーケンスを繰り返 しプレイバックします。言 わばハードウェアのドラムマシンのような ものであり、普通のドラム マシンは1〜2小節のシーケンスを繰り返しプレイバックします。
ソングファイル全体で 1 種類のパターンを繰り 返しプレイバックする こともあるかもしれませんが、通常は幾つかの パターンを使用するこ とになると思われます。パターンデバイス では、複数のパターンを任 意のソングポジションで切り替えることができます。

パターンデバイスとメインの "Sequencer" との統合

パターンデバイスとメインの "Sequencer" は、以下のように相互に作用 して機能する仕様になっています。
"トランスポート" パネル上で設定されているテンポが、双方に適用 されます。
"トランスポート" パネルで "Sequencer" をプレイバックすると、ソ ング内の全てのパターン デバイスも自動 的にプレイバックを開始 します(詳細については後述します)。
"Sequencer" や他のパターンデバイスをプレイバックしなくても、 パターンデバイス毎に単独でプレイバックすることもできます。こ の場合は "RUN" ボタンをクリックします。
この操作でパターンデバイスが単独でプレイバックします。プレイ バックをストップするには、"RUN" ボタンを再びクリックするか、 "トランスポート" パネルのストップボタンをクリックします。
デバイス "ReDrum" の "RUN" ボタン
パターンデバ イス単 独でプ レイバ ックしている 際にメ インの
"Sequencer" をプレイバックすると、そのパターンデバイスはリス タートして自動的に "Sequencer" にシンクします。
パターンの切り替えは、メインの "Sequencer" のパターンチェンジ
デバイスによってコントロールされます。
言い換えるとパターンデバイスのパターンの切り替えは、メインの "Sequencer" にレコーディングされ、コントロールされます。このし くみにより、正確なポジションでパターンを切り替えることができ ます。
"ReDrum" のようなサウンドを出力することができるパターンデバ
イスの場合、メインの "Seqnuencer" や外部から の MIDI データに よってもコントロールすることができます。
この仕様により、パターンデバイスのサウンドを内蔵パターンシー ケンサと "Sequencer" 、あるいは外部からのMIDIデータ、これら全 てからコントロールすることができます。例えば基本的なパターン を内蔵パターンシーケンサにプログラムしておき、その上に重なる バリエーションやフィルなどをメインの "Sequencer" にプログラム することができます。 また、内蔵されているパ ターンシーケン サを無効にすることもで き、これにより純粋なサウンドデバイスとして使用することができ ます。このためには "ENABLE PATTERN SECTION" スイッチを無 効にします。
メインの "Sequencer" からデバイスをコント ロールする 機能について の詳細については『オペレーションマニュアル』をご参照ください。
72
パターンデバイスを使用する

パターンの選択

各パターンデバイスには32 種類のパターンをメモリ ーすることがで き、これらのパターンは4つのバンク(A、B、C、D)に分けられています。
"Pattern" ボタン左上にはパターンミュートスイッチが配置されていま す。このスイッチは通常アクティブになっていますが、クリック する ことでちょうど空のパターンを選択しているかのように、次の小 節の 先頭からミュートすることができます。例えばプレイバックしな がら 異なるパターンディバイスを入れ替えて使う場合などに使え るかもし れません。
"Matrix Pattern Sequencer" デバイスの "Bank" ボタンと "Pattern" ボタン
バンク内のパターンを選択するためには、1から 8までの "Pattern" ボタンをクリックします。
このパターンの選択はコンピュータのキーボードや MIDI データで コントロールすることもできます。詳細については『オペレーショ ンマニュアル』をご参照ください。
他のバンク内のパターンを選択するためには、A、B、C、Dの "Bank" ボタンの中から任意のバンクをクリックしてから、1 から 8 までの "Pattern" ボタンをクリックします。
"Pattern" ボタンをクリックするまでパターンは変化しません。
パターンは "トランスポート"パネル上の小節の先頭で切り替わるよう になっています。

パターンミュートスイッチ

"ReDrum" と "Matrix Pattern Sequencer" のパターンミュートスイッチ
パターンデバイスを使用する
73

パターンのプログラミング

パターンのプログラミング方法は "ReDrum" と "Pattern Sequencer" では 異なりますが、基本的な部分は共通です。詳細 については『オペレー ションマニュアル』をご参照ください。
"Steps"(ステップ)
パターンは複数のステップの集合体である と言えます。ステップ毎に ノートナンバー、CV 値などを設定することができます。デバイスに よって異なるパターンを走らせると、ステップ は設定されているデー タに従ってサウンドをプレイバックするか 、あるいは情報を順々に出 力します。いわゆるドラムマシンを使用したことがある方にとっては、 おなじみの機能でしょう。
パターンレングス
パターン毎にその長さを設定することがで き、言い換えればパターン 内のステップの数を決定することができま す。最大のパターンの長さ は、デバイスによって異なります。
既存のパターンのレゾリューションを切り替えた場合、プレイバ ック スピードも同時に変化するはずです。これは一瞬ソングに合って いな いように感じるかもしれませんが、以下のように考えることがで きま す。
16ステップのパターンで、レゾリューションも "1/16" に設定したとし ます。この場合、各ステップの長さは16 分音符となり、パターンの長 さは4/4拍子で1小節ということになります(16 × 16分音符 = 1小節)。
そしてレゾリューションを "1/32" に切り替えたとし ます。各ステップ の長さは32分音符となりますが、ステップの数は 16 のままです。従っ てパターンの長さは1/2小節ということになります(16 × 32分音符 = 1/2小節)。言い換えれば、このパターンのプレイバックスピードが倍に なったとも言えるでしょう。
"Shuffle" (シャッフル)
シャッフル機能によって、パターンをよりリズミカルなものに変 化さ せることができます。実際に裏の拍の16分音符(偶数の順番の 16 分音 符)を遅らせることによって変化させています。
ストレートな 16 ステ ップの パターン
シャッフルさせた16 ステップのパ ターン
74
"ReDrum"(左)と "Matrix Pattern Sequencer"(右)のパターンレングスセレクター
"Resolution" (レゾリューション)
レゾリューションで、ステップの長さを設 定することができます。例 えばレゾリューションを "1/16" に設定した場合、各ステップは16分音 符の長さとなり、"1/8" に設定した場合は8分音符の長さとなります。
"Matrix Pattern Sequencer" の "Resolution" セレクター。パターンレングスの設定と 同様、パターン毎に異なるレゾリューションを設定することができます。
パターンデバイスを使用する
REASONではパターン毎にシ ャッフルのオン / オフを設定することが できます。シャッフル値の設定 は、" トラ ンスポー ト " パネルの "PATTERN SHUFFLE" ダ イアルによって、全パターン一括してコント ロールされます。
"ReDrum" の "SHUFFLE" スイッチ(左)と "トランスポート" パネルの "PATTERN SHUFFLE" ダイアル(右)

パターンのクリア

任意のパターンをクリアする(空の状 態にする)ためには、"Edit" メ ニューあるいはデバイスの コンテクス トメニューから "Clear Pattern" を選択します。
!
パタ ー ンを ク リア しても、パ タ ーン レ ング ス やレ ゾ リュ ー ショ ン、 シャッフルのオン / オフは変わらない点にご注意ください。

カット / コピー / ペーストを使う

"Edit" メニ ューある いはデバ イスのコンテクス トメニュ ーの "Cut Pattern" 、"Copy Pattern" 、"Paste Pattern" を実行することによって、異 なるパターンデバイス間でパターンを移動 させることができます(同 じ種類のパターンデバイスに限ります)。
"CopyPattern"を実行するこ とで、選択 されているデバイス のパ ターンをクリップボードに一時保管します。
"Cut Pattern" を実行することで、選択されているデバイスのパター ンをクリップボードに一時移動します。
これは最初に"Copy Pattern" を実行し、その後 "Clear Pattern" を実行 した場合と同じです。
"Paste Pattern" を実行することで、クリップボードのパターンを選 択されているデバイス上にコピーします。
これによりクリップボードのパターンは上書きされます。
異なるソング間でのパターンの移動
異なるソング間でパターンのコピーを行うには、"Copy Pattern" および "Paste Pattern" を実行します。
1. 2種類のソングを開きます。
2. コピーしたいパターンを選択します。
3. "Edit"メニュー ある いはデバ イスのコ ンテ クストメニュ ー から "Copy Pattern" を選択します。
キーボードから [Command]+[C](Macintosh)、[Ctrl] +[C](Windows) を押すことによっても実行できます。
4. ペーストしたい方のソングを選びます。
ソングのウィンドウをクリックするか、あるいは "Windows"メ ニューから任意のソングを選択します。
5. パターンをコピーしたいデバイスおよびバンク、パターンを選択し ます。
選択されたパターンがど んなもので も上書きされてしまう点にご 注意ください。
6. "Edit"メニ ューあるいは デ バイスのコ ンテク ストメ ニューから "Paste Pattern" を選択します。
キーボードから [Command]+[V](Macintosh)、[Ctrl]+[V] (Windows) を押すことによっても実行できます。
複数の異なるソングで同じパターンを使用する場合、パターンを保存す るためのソングファイルを作成しておくのも良い方法です。また
"Default Song" ファイル内のパター ンデバイスに、よく利用するパター ンを作っておくのも良いでしょう。詳細については93 ページをご参照く ださい。

パターンファンクション

パターンデバイスが選択されているとき、"Edit" メニューには以下のよ うな3種類のファンクションが追加されます(デバイスのコンテクスト メニューにも追加されます)。これらのファンクション名は選択されて いるデバイスによって異なります(詳しくは『オペレーションマ ニュ アル』をご参照ください)。
"Shift" (シフト)
シフトファンクションによって、パターンのノートを左右に移動 した り、あるいは半音毎に移調させることができます(選択されてい るデ バイスに依存します)。このファンクションは、パターンのリズムやメ ロディを変化させる際に利用することができます。
"Randomize" (ランダマイズ)
ランダマイズファンクションによって、パターンをランダマイズ させ ることができます。予期せぬパターンを生み出したり、新たなアイディ アを得る際に有効です。
"Alter" (アルター)
アルターファンクションによって、作成されたパターンをもとに して 変化させることができます。このファンクションは、もとになるパター ンが重要である点にご注意ください。例えば何も作成されていな いパ ターンに実行しても、まったく機能しません。
パターンデバイスを使用する
75
76
パターンデバイスを使用する
9
ブラウザー

バックグラウンド

データベースについて

REASON の ソング とパッチには、デバイスが使用して いるサウン ド ファイル(WAVEファイル、AIFF ファイル)とReCycle!で作成された REX フ ァイル、そしてサウンドフォントのディスク上の位置情報も含 まれます。この位置情報を管理するために REASON ではデータベース を利用しており、データベース内 に配置され たファイルで あれば REASONはパスのアップデートや検索を自動的に行います。
データベースの設定は "Edit" メニュー(Mac OS X 使用の場合 "Reason" メニュー)の "Preferences" ダイアログで行 います。17
ページも併せてご参照ください。
データベースとなるサーチパスは、最高 4ヶ所設定することができ ます。通常はルートとなるフォルダを1 種類設定しておけば十分で すが、複数のディスクドライブ(ハードディスクやCD-ROMドライ ブなど)を使用している場合はサーチパスも複数登録することにな ります(ReFillの検索については81ページをご参照ください)。
データベースの一例。この例では、"Reason Sounds" フォルダをサーチパスと して設定しておけば、その他のサブフォルダも自動的に全てデータベースに 含まれます。
もちろん使 用してい るディス ク自体をサ ーチパス として設定すること
!
もでき、この場合ではディスクが全てファイルの検索を行う対象となり ますが、その 分検索す る時間も 非常に 長くなっ てしまいます。通常は REASONのファイルが配置されているフォルダのみをサーチパスとして 設定します。

ReFill について

ReFillは、パッチやサウンドファイル、REXファイル、デモソングなど を含む、言わばシンセサイザーのROMカードのようなものです。ReFill はサイズの大きなファイルで、拡張子として".rfl"が付きます。
REASONに含まれる全てのサウンドは、"Reason Factory Sound Bank" と いう大きなサイズのReFillに含まれています(このReFill はインストー ル時の選択によって、ハードディスクか "Factory Sound Bank" CD-ROM にあります)。ReFill は他の REASON ユーザーが作成し たものをイン ターネットからダウンロードしたり、サードパーティが製作した もの を購入できたりします。
ReFill に含まれるサウンドファイル(WAVE / AIFF)は、元のサイズに
比べて半分程度に圧縮されます。
REASON上では、ハードディスク内のフォルダのように、ReFill内部の データをリスト表示してブラウズすることができます。
"REASONのブラウザ " 上で ReFill
をダブルクリックします。
ReFill内部のデータを使用してソングを作成した場合、REASONはどの ReFillのデータを使用するかを確認します。
ReFillが開き、フォルダが リスト表示されます。
78
ブラウザー

REASON のファイルフォーマット

"REASONのブラウザ" に表示され、REASON で開くことができるファ イルフォーマットの一覧です。
ファイルタイプ 拡張子 説明
ソングファイル .rsn REASON の中心と なるフ ァイルフォー
パブリッシュ ソング
Subtractorパッチ .zyp シン セデバイス である Subtractor のパッ
Malstromパッチ .xwv シンセデバイスである Malstrom のパッチ
NN-19パッチ .smp サンプラーデバイスである NN-19 のパッ
NN-XTパッチ .sxt サ ンプラー デバ イス である NN-XT の
Redrumパッチ .drp ドラ ムマシンデバイ スである Redrum の
.rps プレイバック専用のセルフコンテンツソ
マットです。ソングデータ、ラックの構 成や設定、使用しているサウンドファイ ルやループの位置情報などを含みます。 セルフコンテンツソングファイルとして 保存した場合、サウンドファイルやルー プを取り込むこともできます。
ングファイルです。このファイルに含ま れる各データを変更したり、取り出すこ とはできません。
チファイルで、Subtractor の全てのパ ラ メータ設定が含まれます。作成したサウ ンドのみをパッチとして保存する際など に利用します。
ファイルで、Malstrom の全てのパラメー タ設定が含まれます。作成したサウンド のみをパッチとして保存する際などに利 用します。
チファイルで、NN-19 の全てのパラメー タ設定や使用しているサウンドファイル の情報が含まれます。
パッチファイルで、NN-XTの全てのパラ メータ設定や使用しているサウンドファ イルの情報が含まれます。
パッチファイルで、Redrumの全てのパラ メータ設定や使用しているサウンドファ イルの情報が含まれます。作成したドラ ムキットのみを保存する際などに利用し ます。
ファイルタイプ 拡張子 説明
REXファイル .rx2
サウンドファイル
.rcy .rex
.wav  .aif
REXファイルは Propellerhead 社の他のソ フトウェア(ReCycle!)で作成すること ができます。REXファイルには基となる サウンドファイルとそのスライス情報が 含まれています。REXファイルのプレー ヤーデバイスである Dr. Rex で REX ファ イルを開くことにより、サウンドファイ ルのピッチを変えずにテンポを変更する ことができ、スライス毎にパラメータを 設定することもできます。
NN-19やRedrumといったデバイスではサ ウンドファイルを読 み込むこと ができ、 WAVE あるいは AIFF フォーマットのサ ウンドファイルを利用することができま す。高分解能のビットレゾリューション や高いサンプルレートのファイルもサ ポートしており、一つのサンプラーデバ イス内で異なるビットレゾリューション のサウンドファイルを同時に使用するこ ともできます。
ブラウザー
79
ファイルタイプ 拡張子 説明
サウンドフォント
.sf2 サウンドフォントフォー マットは E-mu
Systems と Creative Technologies が共同開 発したフォーマットで、多くのオーディ オカードやソフトウェアシンセサイザー で利用されています。サウンドフォント のバンクはwavetable フォーマットのシン セサイザーサウンドを保存し、専用のサ ウンドフォント編集プログラムを用いて ユーザーがマルチサンプルサウンドを 作ったり編集することが可能です。サウ ンドフォントデータは大抵のオーディオ カードやサンプラー内蔵のサウンドカー ドなど、wavetable対応シンセサイザーで 再生が可能です。 NN-XT、NN-19 サンプラー、Redrum ド ラムマシーンはサウンドフォントをブラ ウズしたりロードすることが可能です。 作成時に使用した編集プログラムの種類 を 問わず、バン クは instrument/preset/ sample などフォルダーごとに、同じよう に階層構造で構成されます。NN-XT、NN­19、RedrumにはSoundfontのbankから取り 出したサンプルやプリセットを含めるこ とが出来ますが、完全なSoundfontすべて を含むことが出来るわけではありませ ん。

Browser(ブラウザ)

ReFill やハードディスクなどからソングファイル、サウンドファイル、 パッチ、サウンドファイル、REX ファイルを開く際 に表示されるダイ アログを"Browser(ブラウザ)" と呼びます。ブラウザはどんな種類の ファイルを開くかによって、微妙に異なります。
ファイル / フォルダ リスト
"サンプルブラウザ" ダイアログ

ナビゲーション

"Browser"は、通常のファイルダイアログと同様に使用することができ ますが、ブラウザ上部のナビゲーションツールバーには幾つかの 機能 が追加されています。
ナビゲーションポップアップメニュー と "Up One Level" ボタン
ナビゲーション ツールバー
インフォメーション エリア
80
ブラウザー
ナビゲーションポップアップメニューをクリックすると、現在の ディ レクトリが階層表示されますので、任意のディレクトリを選択します。 また、右側の "Up One Level" ボタンをクリックすると一段階ディレク トリが上がります。
"Desktop" ボタン
"Desktop" ボタン(左はWindows 版、右はMacintosh版)
"Desktop" ボタンをクリックすると、コンピュータのデスクトップに移 動します。ファイル / フォルダリストには、ハードディスクやフロッ ピードライブ、CD-ROM ドライブ、ネットワーク上のディスクなどが 表示されますので、任意のドライブをダブルクリックして開きます。
"Database Folder" ボタン
デスクトップからいちいちナビゲートを開始し て目的のファイルを探 すより、データベースフォルダーボタンを用い ればより素早いアクセ スが可能です;このボタンをクリックすることで直接データベース フォルダーに アクセス すること が出来ま す("Preforences"-"Sound Location"ページで指定しておいた1から4のフォルダーを開きます)。こ こからメインファイルを表示させてサブフ ォルダーを開いたり、ナビ ゲーションポップアップを使用して上位のフォ ルダーをナビゲートし たり出来ます。
サーチパスを設定していない場合、"Database Folder" ボタンは薄く表示
!
され、使用することはできません。
"Find All ReFills" ボタン
"Find All ReFills" ボタンをクリックすると、利用可能な全ての ReFillを 検索してファイル / フォルダリストに表示します。
異なるディスクやフォルダに配置されているReFillも、 全て一緒にリスト表示されます。
ファイル / フォルダリスト上で任意の ReFill をダブルクリックすると、 そのReFillに含まれるソングやサウンドファイルなどが表示されます。
"Find All ReFills" ボタンをクリックすると、REASON は全てのReFill を検
!
索します。例えば CD-ROM をマウントしている 場合、そのCD-ROM が サーチパスとして設定されていなくても、その中に含まれる ReFill も検 索します。
"Re-scan Files" ボタン
"Re-scan Files" ボタンをクリックすると、選択されているディレクトリ のリストを更新します。"Browser" を開いたままフォルダの内容を変更
したり、新たなディスクをマウントした場合などに利用します。

情報を見る

ファイル/ フォルダリスト右側はインフォメーションエリアで、リスト 上で選択されているファイルの情報を表示します。ここで表示さ れる 情報はファイル の種類によ って異なり、例えばサウンドフ ァイルや REXファイルを選択している場合は、ファイルフォ ーマットやファイ ルサイズなどが表示されます。ソングファイルの場合は製作者の コメ ントが表示され(91ページをご参照ください)、またReFillの場合はファ イルの種類に関係なくReFill自体の情報が表示されます。このインフォ メーションエリアに関する詳細は『オペレーションマニュア ル』をご 参照ください。
ブラウザー
81

"Preview" 機能

サウンドファイルや REX ファイルのナビゲーションを行う際は、実際 にファイルを開く前にサウンドを試聴する ことができます。これは以 下の方法で行います。
任意のファイルを選択し、インフォメーションエリア下の "Play" ボ タンをクリックします。
ファイルはプレイバックされます。この間、"Play" ボタンは "Stop" ボタンに変わります ので、"Stop" ボタンをクリックす るとプレイ バックはストップします。
"Play" ボタンの下にある "Autoplay" チェックボックスを有効にし
ておくことで、リストをファイルから選択するだけで自動的にプレ イバックされます。

ファイルを開く

以上のようにして、ディスクや ReFill 内の任意のファイルを選択して、 "Open" ボタンをクリックするかファイル / フォルダリスト上でダブル クリックすることで、ファイルを開くことができます。
ファイル / フォルダリストには必要なファイルのみ表示されます。例え
!
ば "Subtractor" にパッチを読み込む際は、他のファイルは表示されずに "Subtractor" パッチのみが表示されます。
フォルダー内の特定のファイルをブラウズする際、フォルダーを表示し
てから求めるファイルの最初の文字をキーボードから入力します。例え ば"Tabla" というサンプルをロードしたい場合、"T"をタイプします。ブ ラウザーは自動でフォルダー内の "T" で始まるファイルを求める特定の ファイルとして選びます。

サウンドファイルを検索で きないとき

サンプラーパッチ、ドラムマシンパッチ、サウンドフォントサン プル の参照先情報 - ハードディスク上のファイル位置情報を含んでいます。 ソングも同様にサンプル(サンプラーやドラムマシンデバイスを 使用 している場合)やREX ファイルの参照先情報を含みます。もし、パッ チやソングを開く際参照されているファイルが移動したり、名前 が変 更されたり、削除された場合REASON は見つからないファイルがある 旨お知らせします。
4つのボタンのうち、任意のボタンをクリックします。
ボタン名 説明
"Search & Proceed" ボタン
REASON は 見当たらないファイ ルを全てのサーチパ ス内で再び検索します。
ファイルを検索することができれば、そのままソ ングファイルやパッチファイルは開きます。
1つでも見当たらないファイルがあれば、"Missing Sounds" ダイアログが開きます( "Missing Dialog" ダイアログについては後述します)。
この検索はファイル名のみを頼りに実行されます。 従ってファイル名を少しでも変更した場合は、検索す ることが不可能である点にご注意ください。
82
ブラウザー
ボタン名 説明
"Proceed" ボタン 見当たらないサウンドファイル や REX ファイルはそ
のまま読み込まずに、ソングファイルやパッチファイ ルを開きます。この状態では、サンプラーデバイスな
どでサウンドファイルをプレイバ ックすることはで きません。また、下図のようにサウン ドファイルや
REX フ ァイルを読み込むことが できなかったことを 示す "*" マークがファイル名の先頭に付きます。
この "*" マークによって、 ファイルを読み込むこと
ができなかったことを示 しています。

"Missing Sounds" ダイアログ

"Open Dialog" ボタン
"Cancel" ボタン 全てをキャンセルし、ソングファイルやパッチファイ
"Missing Sounds" ダイ アログを 開きます( "Missing Dialog" ダイアログについては後述します)。
ルも開きません。
この "Missing Sounds" ダイア ログは、"Missing Sounds" ア ラートで "Open Dialog" ボタンをクリックした場合、あるいは "Search & Proceed" ボタンをクリックし たがファイルが見当たらない場合に表示されま す。
このダイアログでは、見当たらないファイルが全てリスト表示さ れま す。また4つのコラムには以下の情報が表示されます。
コラム 説明
Device 見当たらないファイ ルを使用してい るデバイス名が
Sound 見当たらないファイル名が表示されます。 Partof ReFill l/
Soundfont
Status ダイアログが表示されたときには、ファイルが見当た
アイコンと共に表示されます。
見つからないファイルが ReFill の一部または ReFill 化 されたSoundfont であれば、このリストにReFill/
Soundfontの名前が表示され、ReFillの関連URL(イン ターネットアドレス)があれば、このダイアログから
必要なReFillを以下のようにダウンロードすることが 出来ます。
らないことを示す "Missing" と表示されます。"Auto S earc h" ボタン でファイ ルが検索できた場 合や、
"Replace..." ボタンを 使用して手動でファイルを入れ 替えた場合は "Replaced" と表示されます。
ブラウザー
83
ファイルの選択
"Replace..." ボタンと "Auto Search" ボタンは、リスト内で選択されてい るファイルに対して有効とな ります(各ボタ ンについては後述しま す)。これらのボタンによって、名前を変更したファイルやサーチパス 外のファイルを手動で入れ替えたり、また全て のサーチパス内で自動 的に検索し直すことができます。
リスト上の任意のファイルをクリックして選択します。
Macintoshでは [Shift] キーを押しながら、Windows では [Ctrl] キーを 押しながらクリックすることで、複数のファイルを同時に選択する ことができます。
全てのファイルを選択する場合は "Select All" ボタンをクリックし ます。
ダイアログが最初に表示されたときは、全てのファイルが選択され ています。
"Auto Search" ボタン
この "Auto Search" ボタンをクリックすると、REASONは全てのデータ ベース上でファイルを検索します。ファイルを 検索することができた 場合、"Status"コラムには "Replaced" と表示され、新たなサーチパスが ファイルに保存されます。
このファイル検索では、ファイル名のみを頼りに検索します ので、 ファイル名を変更したファイルを検索することはできません。
もちろん、同一のファイル名の異なるファイルが存在する場合、正 しいファイルを検索することができないかもしれません。
"Replace..." ボタン
この "Replace..." ボタンをクリックすると、再び "Browser" ダイアログ が開きますので、手動で任意のファイルを 選択します。例えばファイ ル名を変更してしまった場合 などは、こ の "Replace..." ボ タンでその ファイルを選択します。"Browser"ダイアログはリスト上で選択されて いるファイル毎に表示されます。
"Download ReFill" ボタン
見当たらないファイルがReFill 内のデータで、そのReFill内に Webペー ジの URL が含まれている場合は、このダイアログから ReFill をダウン ロードすることができます(もちろんインター ネットに接続されてい ることが必要となります)。
1. ReFill内で使用していたファイルを選択します。
同一のReFill 内のファイルの場合のみ、複数のファイルを選択する ことができます。
2. "Download ReFill" ボタンをクリックします。
お使いのインターネットブラウザが自動的に起動し、ReFill 内に指 定されているURLへアクセスします。
3. ダイアログが表示され、ReFill をダウンロードすることと保存場所 を尋ねますので、任意のディスク / フォルダを指定します。
4. "OK" ボタンをクリックします。
REASONはダウンロードされた ReFill内でファイルを自動的に検索 します。
"Proceed" ボタン
"Proceed" ボタンをクリックすることで、どの段階でもダイアログを閉 じてソングファイルやパッチファイルを開くことができます。
ファイルを手動で指定した場合("Status" コラムには "Replaced" と 表示されています)、新たなファイルパスがソングファイルあるい はパッチファイルに保存されます。
しかしこの保存は一時的なもので、これを完了させるためにはソン グファイルやパッチファ イル自体を 保存しなければならない点に ご注意ください。
いくつかのファイルが見当たらないまま "Proceed" ボタンをクリッ クした場合は、それらのファイルは読み込まれずにソングファイル あるいはパッチファイルが開きます。
この場合、ファイルが読み込まれていないデバイス を削除したり、 入れ替える必要もあるでしょう。
デバイスのディスプレイ上には、ファイルが読み込まれていないことを示す "*" マークがファイル名の先頭に付きます。
"Cancel" ボタンをクリックすれば、ソングファイルやパッチファイルを 開かずにダイアログを閉じることができます。
84
ブラウザー
10
パッチファイル

パッチファイルについて

パッチファイルは、特定のデバイスのパラメー タ設定を保存しておく ことができるファイル形式です。前章で説 明した通り、パッチファイ ルには単独のファイルとReFillに含まれるものの2種類があります。

5 種類のデバイスと使用するパッチファイル

SubtractorおよびMalstromシンセパッチはデバイスパネルの全ての 設定を含みます。
ハードウェアシンセサイザーのプログラムやパッチを選びよ うに、 パッチを選び新しいサウンドをロード出来ます。
NN-19 および NN-XT サンプラーパッチは使用されているサンプル やその設定(キーマップ情報、音程情報など)に関する情報に加え てデバイスパネル上のパラメーター設定情報も含みます。
サンプラーパッチは実際のサンプルを含んでいるわけではなく、あ くまで使用されているサンプルに関する情報のみを有してい る点、 ご注意下さい。
ReDrumパ ッチ フ ァ イ ル に は、ド ラ ムマ シン デ バイ ス であ る ReDrum のドラムキ ットで使用しているサウンドファイルの情報、 ドラムサウンド毎のパラメータ設定が含まれます。
ReDrum パッチファイルにもサウンドファイル自体は含まれない点 にご注意ください。またドラムパターンも含まれず、"ReDrum" パッ チファイルを他のソング ファイルで開い てもドラムパターンは再 現されません。
各パッチファイルには、デバイスのバックパネルのルーティング情報は
!
含まれません。

パッチファイルを選択する

デバイス内にパッチファイルを読み込むには、以下の方法で行います。
任意のデバイスのパネル上にあるパッチセクションの、フォルダア イコンをクリックします。
"ReDrum" 、"NN-19"および"NN-XT"の2 つのデバイスのパネル上にはサ
!
ウンド ファイルを 開くため のフォル ダアイコン も用意されている 点に ご注意 ください。こ こではパ ッチセク ションの フォルダアイコン をク リックします( "Patch Browser" ダイアログが表示されます)。
"Edit" メニューの "Browse Patches..." を選択するか、デバイスのコ ンテクストメニューを開きます。
"Edit" メ ニューの "Browse Patches..." コマンドは、選択されているデバ イスによって異なる表示になります。例えば "ReDrum" を選択している 場合は、"Browse ReDrum Patches..." という表示になる点にご注意くださ い。
上の 2 つの方法のど ちらでも "Browser" ダ イアログが開きますので、 ディスクや ReFill 内から任意 のパッチファイ ルを選択して開きます。 "Browser" ダイアログの詳細については80ページをご参照ください。
一度パッチファイルを選択した後、そのパッチファイルが配置され ているディレクトリ上にある他のパッチファイルに、フォルダアイ コン左側の矢印ボタンを クリックす ることで切り替えることがで きます。
86
パッチファイル
パッチネームディスプレイをクリックすれば、選択されているパッ チファイルと同じディレ クトリにある他 のパッチファイルがリス ト表示されます。
これによりダイアログを開くことなく、同じディレクトリにある他 のパッチファイルに瞬時に切り替えることができます。
!
サウンドファイルを読み込まずに "Proceed" ボタンをクリックした場合 はそのままパッチファイルは開かれますが、もちろんサウンドを鳴らす ことはできません。

パッチファイルを保存する

パッチファイルを選択すると、デバイスの各パ ラメータはパッチファ イルに保存されている値に設定され、パッチ名 はパッチネームディス プレイ上に表示されます。そしてパラメータの 値を変化させていた場 合でも、パッチファイルを使って元の状態に瞬 時に戻すことができま す(37ページをご参照ください)。
!
パッチファイルを選択した後にパラメータを変化させても、それは実際 のパッチファイルに何ら影響を及ぼしません。変化させたパラメータ設 定をパッチファイルとして保存する方法については後述します。

パッチファイルで使用しているサウンドファイルが 見当たらない場合

前述した通り、"ReDrum" 、"NN-19" および"NN-XT" パッチファイルに は、使用しているサウンドファイルの情報 を含みます。このサウンド ファイルは、パッチファイルと同様に独立したファイルあるいはReFill 内のデータですが、パッチファイルが保存され た後にサウンドファイ ルの名前を変更したり、サウンドファイル を移動した場合は、パッチ ファイル内に保存されているサウンドファイル の情報も正確なもので なくなってしまいます。
この場合、パッチファイルを選択した際に ダイアログが開きます。そ して見当たらないサウンドファイルを検索するか、手動でサウンド ファイルを指定します。詳細については82ページをご参照ください。
ソソソソンンンンググググフフフファァァァイイイイルルルル内内内内ににににデデデデババババイイイイススススのののの設設設設定定定定をををを保保保保存存存存すすすするる
ソングファイルを保存した場合、使用している全てのデバイスの 設定 も一緒に保存されます。デバイス毎にパッチファイルとして保存 する 必要はありません。
!
ソングファイルには全てが保存されますが、これはとても重要なポイン トです。例えば新たなソングを作成する際に、特定のパッチファイルを 開いて利用し た場合でも、ソングを ファイルとして保 存してしまえば、 このパッチファイルは次回必要となりません。このパッチファイルを削 除あるいは移動しようと、ソングファイルを開けば全てが保存した際の 状態で再現されます。

デバイスの設定をパッチファイルとして保存する

デバイスの設定は全てソングファイルに保存されますが、デバイ スの 設定のみを保存する場合はパッチファイルを利用します。パッチ ファ イルとして保存すれば、デバイスのみの設定を他のソングファイ ルで 使用することもできます。
1. デバイスのパネル上のフロッピーアイコンをクリックします。
"File" メニューの "Export Patch..." コマンドでも同様に実行することが
できます。
るる
パッチファイル
87
2. ダイアログが表示されますので、任意のファイル名と保存先を設定 して "Save" ボタンをクリックします。
Windowsでは、異なるパッチファイルには異なる拡張子が付けられ ます。
".zyp"は"Subtractor"パッチファイル、".xwv"は Mulstromパッチファ イル、".smp"は"NN-19" パッチファイル、".sxt"ファイルは"NN-XT" パッチファイル、".drp"は"ReDrum"パッチファイルとなります。 Windows では、これらの拡張子をREASON が自動的に付加します。 Macintoshでは、"Add Extension to File Name" チェックボックスを有 効にすることで、Windows 同様に自動的に拡張子が付けられます。 Macintoshでは特に拡張子を付ける必要はありませんが、ファイルを Windowsで利用する場合などは付けておく方がよいでしょう。
任意のパッチファイルの 設定を変更 して保存する場合は、新たな パッチファイルとして保存するか、あるいはそのパッチファイル上 に上書きすることができます。
上書きする時にREASONは、本当に上書きを行ってよいか確認する ためのダイアログを表示します。
ReFill 内のパッチを変更した場合は、別のパッチファイルとして保存し
!
なければならない点にご注意ください。またこの際、混乱を避けるため に新たなファイル名で保存した方がよいでしょう。

デバイス間でパッチファイルの コピー / ペーストを行う

同じ種類のデバイス間でパッチフ ァイルのコピー / ペーストを行う場 合は、単にデバイスを選択してコピーして他の デバイスにペーストす るだけです。これは一度パッチファイルと して保存して、他のデバイ スで開くことと全く同じ確実な方法です。
!
これは REX ファイルプレーヤーデバイスである "Dr. REX" にも適用さ れ、計 4種類のデバイスで利用することができる方法です( "Dr. REX" で はいわゆるパッチファイルは使用しません)。
3. 同じ種類の他のデバイスを選択します(これは異なるソング上のデ バイスでも構いません)。
4. "Edit"メニ ューあるいは デ バイスのコ ンテク ストメ ニューから "Paste Patch" を選択します。
コピーした最初のデバイスの設定が、他のデバイスにペーストされ ます( "ReDrum" 、"NN-19" および "NN-XT" の場合、サウンドファ イルの情報も同様にコピー / ペーストされます)。
!
この方法では、デバイスの設定を単にコピー / ペーストしているだけだ という点にご注意ください。ペースト後に一方のデバイスのパラメータ を変更して も、ペースト先のデバ イスには影響を及 ぼしません。また、
ペース ト先のデバ イスの設 定の変更 はディスク 上のパッチファイ ルに は影響しません。

パッチの初期化

各デバイスはパラメータの設定を初期化して、ゼロの状態から設 定を 開始することができます。これには "Edit" メニューあるいは デバイス のコンテクストメニューから "Initialize Patch" を選択することで、全て のパラメータを初期値に設定することができます( "NN-19" 、"NN­XT" 、"Dr. REX" 、"ReDrum" ではサウンドファイルに関する情報も全 て初期化されます)。
88
以下の方法で行います。
1. パッチファイルを選択するか、あるいはデバイスのパラメータを自 身で設定します。
2. "Edit"メニュー ある いはデバ イスのコ ンテ クストメニュ ー から "Copy Patch" を選択します。
パッチファイル
11
ソングファイルの取り扱い

セルフコンテンツ ソングファイル について

『ソングファイル』は REASON の中心となるファイルフォ ーマットで
す。ソングファイルにはシーケンスデータ のほか、使用しているデバ イスの設定も全て保存されます。
しかしソングファイルは完璧なファイルフ ォーマットかと言えば、そ うではありません。何故なら他のコンピュータ でソングを再現するた めには、デバイスが使用しているサウンドファイルや REX ファイルも 必要となるからです。そこで REASON では、それらを含む『セルフコ ンテンツ ソングファイル』というフォーマットを利用することもでき ます。
セルフコンテンツ ソングファイルには、デバイスで使用した各種ファ イルも取り込まれます。セルフコンテンツ ソングファイ ルの作成は、 以下の方法で行います。
ReFillデータはセルフコンテンツ ソングファイルに取り込むことができ
!
ません。
サウンドファイルや REX ファイルを ReFill データの中から使用してい る場合は、同じReFillデータが無ければ完全にソングファイルを再現す ることはできません。
1. "File" メニューから "Song Self-Contain Settings..." を選択します。
"Song Self-Contain Settings" ダイアログが表示され、ソング内で使用 されているサウンドファイルと REX ファイ ルのリストが表示され ます。
2. ソング内に取り込み たいファイルを 選び、チェックボックスをク リックします。
"Check All" ボタンをクリックすることで、全てのファイルを一度に
選択することもできます。
逆に "Uncheck All" ボタンをクリック すれば 、全てのファイルの チェックを無効にすることができます。
ReFill データであるファイルは、チェックボックスの代わりにロッ
クアイコンが表示されます(ソングファイルに取り込めないことを 示します)。一番右側のコラムがどのReFillファイルを使用している かを表示しています。
3. 選択を終えたら "OK" ボタンをクリックします。
"Song Self-Contain Settings" ダイアログは閉じ、次にソングを保存し た際に各種ファイルは自動的にソングファイルに取り込まれます。
!
セルフコンテンツ ソングファイルは通常のソングファイルと比較して、 かなりサイズの大きなものになります。
しかしセルフコンテンツ ソ ングファイルに取り込まれるサウンド ファイルは約50%圧縮されるため、ソングファイルと各種ファイル を別にしておくよりはサイズは小さなものになります。
90
ソングファイルの取り扱い

セルフコンテンツ ソングファイルからファイルを取 り除く

セルフコンテンツ ソングファイルから任意のファイルを取り除くこと もできます。これは以下の方法で行います。
1. "File" メニューから "Song Self-Contain Settings..." を選択します。
"Song Self-Contain Settings" ダイアログが表示されます。
2. 取り除きたいフ ァイルのチェックボックスをクリックして無効に します(あるいは "Uncheck All" ボタンをクリックして、全てのファ イルを無効にします)。
3. "OK" ボタンをクリックし、ダイアログを閉じます。
この時点で REASON はユーザーが 無効に したファイルがデー タ ベース内に配置されているかどうか自動的に調べます。
無効にしたファイルがデータベース内に配置されている場合、セル フコンテンツ ソングファイルからファイルが取り除かれ、自動的に そのサーチパスが登録されます。
あなたが作成したセルフコンテンツソングファイルならば、ここで 問題になることは無いでしょう。
REASONがデータベース内で無効にしたファイルを見つけられな い場合はダイアログが開きます。ここで保存先とファイル名を指定 することができます。
取り除かれたファイルは新たに保存されます。他の人が作成したセ ルフコンテンツ ソングファ イルなどの場合は、この方法になるで しょう。

ソングインフォメーション

"File" メニューから "Song Information..." を選択すると、ソングの情報に 関する "Song Information" ダイアログが表示されます。
このダイアログでは、ソングに関する様々な情報を保存すること がで きます。例えば作成したソングファイルを他のユーザーに渡すと きの ために、あなたの連絡先、コメントなどを書き込んでおくことが でき ます。さらにPropellerheadの Webページにソングファイルをアップロー ドした場合、ウェブサーバーは自動的にこのダイアログに保存さ れて いる情報を抽出して表示します。
"Song Information" ダイアログでは以下の情報を保存することができま す。
"Text in Window Title"
このテキストが、ソングのウィンドウのタイトルバーに使用されます。
"More Information"
この欄には、ソングに関するコメントを書き込んでおくことがで きま す。
ソングファイルの取り扱い
91
"Song Splash"
ソングに画像を取り込むことができます。"Show splash on song open" を チェックしておくと、ソングファイルを開いた 際にアバウト画面のよ うにこの画像が表示されます。
画像を取り込むためには、右上のフォルダアイコンをクリックします。 ダイアログが開きますので、使用したい画像を選択して指定します。
!
この画像は 256 × 256 ピクセルの JPEG 画像でなければなりません
(Windowsでは ".jpg" という拡張子が付いたファイルです)。
ソングファイルから画像を取り除くには、右上の "×" 型のボタンをク リックします。
"Author's Web Page"
ユーザー自身のホームページの URL を設定することができます。右の "Launch Browser" ボタンをクリックすることで、自動的に WEB ブラウ ザーソフトウェアが開き、設定されたホームペ ージを開くことができ ます。
"Author's Email"
ユーザー自身の E-Mail アドレスを設定することができます。他の人か らのコメントが欲しい場合は、設定しておくと良いでしょう。

ソングを保存する

ソングを保存するには、以下の方法で行います。
1. "Song Self-Contain Settings" ダイアログでの設定を済ませます(前 項をご参照ください)。
2. "File" メニューから "Save" を選択します(Macintosh 版ではキー ボードの [ Command ] - [ S ] 、Windows版では [ Ctrl ] - [ S ] を押す ことでも実行できます)。
最初にソングファイルを保存する際は、通常のダイアログが表示さ れます。
3. ファイル名を入力して保存先を指定し、"Save" ボタンをクリックし ます。
一度ソングファイル をセーブすると次からはダイアログは表示され ず、"Save" を実行すると上書き保存されます。他のファイル名で保存 したい場合や、別の場所に保存しなおしたい場合は、"Save As..." を選 択します。ダイアログが開きますので、前述の方法に従って保存 しま す。

ソングファイルを公開する

作成したソングファイルをインターネットなどを利用して他 の人に公 開する際のために、REASONには特別なファイルフォーマット、『パブ リッシュソングファイル』が用意されています(Windowsの場合、".rps" という拡張子が付きます)。これはセルフコンテンツ ソングファイルに 似ていますが、以下の点が異なります。
ユーザーが保存しなおしたり、ソングの内容を変更することはでき ません。
コピー / カット / ペーストを実行することができません。
"Export Song" "Export Loop as Audio File" 機能を使用することはでき ません。
要するにパブリッシュソングファイルとは、ロックされたソング ファ イルのことで、再生されるためだけのファイルフォーマットとい うこ とになります。パブリッシュソングファイルに取り込まれている ファ イルを削除したり、抜き取ることもできません。また、パブリッ シュ ソングファイルはReFillに関する情報が含まれなければなりません。
パブリッシュソングファイルを作成するには、"File" メニューから "Publish Song..." を選択します。ダイ アログが表示されますのでファイ ル名と保存先を設定して "Save" ボタンをクリックします。
"Song Self-Contain Settings" ダイアログでの設定を行っていない 場合でも、ソングで使用されているファイルはReFill データを除い て全て自動的に取り込まれます。
REASON ソングアーカイブについて
Propellerhead 社 の Web ページ(http://www.propellerheads.se/)で、ユー ザーが作成したソングファイルをアップロードして公開する ことが可 能です。
92
ソングファイルの取り扱い

ソングファイルを開く

1. "File" メニューから "Open..." を選択します。
"Song Browser" ウインドウが表示されます。
2. ブラウザを使用してソングファイルをハードディスクやReFill内か ら選択します。
詳しくは80ページをご参照ください。
3. 任意のソングファイルを選択したら、"Open" ボタンをクリックし ます(あるいはソングファイル自体をダブルクリックします)。
選択したソングファイルがウィンドウとして表示されます。
複数のソングファイルを同時に開いておくこともでき、ソングファイル
間でパッチやパターンのコピー / ペーストを行うことができます。 しかし複数のソングファイルを同時に開いておくと、その分CPUパワー を消費することになりますので、必要ではないソングファイルは閉じて おいた方がよいでしょう。

"Missing Sounds" ダイアログが表示されたときは

ソングファイルを開いたとき、そのソングで使 用されているサウンド ファイルやREXファイルが見当たらない場合は、"Missing Sounds" ダイ アログが表示されます。見当たらないファイル については手動で選択 するか、再びデータベースやReFill内を検索するか、あるいはそのまま サウンドファイルを読み込まずにソングファイ ルを開くこともできま す。詳しくは83ページをご参照ください。

ソングファイルを閉じる

ソングファイルを閉じるためには、"File" メニューから "Close" を選択 するか、あるいはウィンドウのクローズボックスをクリックします。こ の際、このソングファイルに変更が加えら れている場合は、保存する かどうか尋ねられます。

新規ソングファイルを作成する

新規ソングファイルを作成するためには、"File" メニューから "New" を 選択します。新しいソングのウィンドウが表示されます。
デフォルトで新規ソングは楽器とエフェクトデバイス、ミキサーの 初期値設定済みセットを含みます。
何も含まれない空の ラックにしたい ときなど、デフォルトソング ファイルをカスタマイズすることもできます。詳しくは後述の説明 をご参照ください。
新規ソングを作成する場合、幾つかのソングファイルが『テンプレート
(ひな形)』として "Template Songs" フォルダ内に納められているので、
これを利用してもいいでしょう。

デフォルトソングファイルの作成

頻繁に使用するデバイスやパターン、パッチなどを含むソングフ ァイ ルをあらかじめ作成し、これをデフォルトソングファイルとして 利用 すると便利です。
1. "File" メニューから "New" を選び、新規ソング書類画面を作成しま す。
2. デバイスを追加/削除して設定します。
一般的にデフォルトソン グにご自分 で使用したいデバイスや可能 ならばいくつかのパターンを含んでおくと良いでしょう。また、デ バイス間のルーティングを行ったり、シーケンサーデータを追加し ておきます。
3. このソングを好きな場所に保存してください。その際お好きな名前 をつけておいてください(REASON プログラムフォルダー内でソン グを保存したい場合)。
4. "E di t" メニュー(Mac OS X の場合 "Reason" メニュー) から "Preferences"ダイアログを開きます。
5. "General"ページ内の"Default Song"セクションでラジオボタンをク リックして"Custom"を選びます。
ソングファイルの取り扱い
93
6. ファイルブラウ ザーを開くため、右側のフォルダーアイコンをク リックします。
7. 先程作成したソングをナビゲートし、選択して"OK"をクリックしま す。
ソング名がテキストボックスに表示されます。
8. "Preferences"ダイアログを閉じます。
次回からREASONを起動するか"File"メニューから"New" を選ぶと、 ご自分で作成した独自の デバイスや設定 を含んだ新規ソングが開 きます。

オーディオファイルのエクスポート

楽曲が完成した後、ソングファイルをオーディオファイルとして エク スポートしたい場合もあ るでしょう。オーデ ィオファイルであれば、 REASON を 使用してい ない方にソングを聴いてもらうこと もできま す。もちろんこの場合は、オーディオカードの出力からテープレ コー ダーなどに録音すればいいわけですが、オーディオCDや MP3ファイル として完成させたい場合は、オーディオファイルとしてエクスポ ート した方が便利です。
オーディオファイルのエクスポートは、ソング全体(スタートポ イン トから "E" マークのポイントまで)あるいはループ(レフト / ライトロ ケーターの間)のどちらでも行うことができます。
以下の手順で行います。
1. ステレオ出力のみを使用していることを確認します。
"Hardware Interface" のソケット 3 以降の出力ポートを使ったマルチ 出力をしている場合は注意してください。メインのステレオ出力の み、オーディオファイルとしてエクスポートされます。
2. ソングの場合はエンドポイント、ループの場合はロケーターのポジ ションを確認します。
ループをエクスポートする場合は、レフト / ライトロケーターを任 意のポジションに設定してください。ソング全体をエクスポートす る場合は、"E" マークの付いたエンドポジションを確認します。
94
ソングファイルの取り扱い
"E" マークはソングのエンドポジションを示します。
リバーブなどの残響系のエフェクトを使用している場合は、シーケンス
データ の終わりで はなく残 響が鳴り 終わるポイ ントにエンドポジ ショ ンを設定してください。
3. ソングまたはル ープが正しくプレイバックされることを確認しま す。
デジタルクリップ(歪み)が生じていないことを特に確認してくだ さい。詳しくは46ページをご参照ください。
4. "File" メニューから "Export Song as Audio File" あるいは "Export Loop as Audio File" を選択します。
ダイアログが表示されます。
5. エクスポートするオーディオファイルの名前、保存する場所、ファ イルタイプ(AIFFあるいは WAVE)を設定して、"Save" ボタンを クリックします。
"Settings" ダイアログが表示されます。
6. ポップアップメ ニューから任意のサンプリングレートとビットレ ゾリューションを選択します。
選択したサンプルレートで16 / 24bitのビットレゾリューションがサ ポートされています。 エクスポートされるオーディオファイルは、常にステレオファイル となります。
エクスポートするオーディオファイルを使用する環境に従って、サンプ
リングレートとビットレゾリューションを設定してください。例えば後 でオーディオCDを作成する場合は、16bit / 44.1kHzで作成した方がいい でしょう。また、ここで作成したオーディオファイルを他のソフトウェ アなどで 利用する 場合は、その ソフトウ ェアに合 うサンプルレートと ビットレゾリューションを設定します。高いサンプルレート / 高いビッ トレゾリューションのオーディオファイルは、サイズが大きなものにな る点にもご注意ください。
7. "OK" ボタンをクリックします。
REASONはオーディオファイルを作成します。ソングやループの長 さによっては、作成に時間がかかる場合もあります。
ReWireを利用している場合は、ReWire のマスターとなっているソフト
!
ウェア のエク スポ ート機 能を 使用した方 がいい でしょ う。この 場合、 ReWire で接 続さ れている双方 のソフ トウ ェアの オーデ ィオが エクス ポートされます。
ソングファイルの取り扱い
95
96
ソングファイルの取り扱い
索引
A
Alter 75 ASIO ドライバ 9, 15
C
CoreAudio 15
D
Detach Sequencer Window 60 DirectX ドライバ 9, 15
F
Factory Sound Bank 78
H
Hardware Interface 44 High Resolution Samples 45
M
Mac OS オーディオ 15 MIDI
MIDI 入力の設定 16 MIDI マーク 62 接続 10 トラックとの接続 62
MME ドライバ 9, 15 Mouse Knob Range 34 M コラム 69
O
Orkester Sound Bank 11 Overdub/Replace スイッチ 66
R
ReFill
ブラウザからのダウン・ロード 84
ブラウザでのリスト表示 81 ReFill について 78 ReFill の検索 81 ReFill のダウン・ロード 84 REX ファイル 79 rps ファイル 92 RUN ボタン 72
S
Sequencer
パターン・シーケンサーとの比較 72
別のウィンドウの〜 60 Sequencer ヴュー 59 Sequencer について 58 Sound Bank CD 11 Sound Manager 15
T
transport panel 65
U
Use High Resolution Samples 45
W
Windows MME ドライバ 9 WWW ページ 92
98
P
Preferences ダイアログ 14 P マーカー 67
Loading...