
MFJ
HF/VHF/UHF SWR ANALYZER
Model MFJ-269
取扱説明書
ご注意:ご使用前にこの取扱説明書をよくお読みください
MFJ ENTERPRISES, INC.
300 Industrial Park Road
Starkville, MS 39759 USA
Tel: 662-323-5869 Fax: 662-323-6551

目 次
1.0 概 要 ---------------------------------------------------------------------------1
1.1 一般的な使用方法 ----------------------------------------------1
1.2 周波数範囲 -------------------------------------------------------2
1.3 精度について-----------------------------------------------------2
2.0 電 源 -------------------------------------------------------------------------- 3
2.1 外部電源 -------------------------------------------------------- 3
2.2 内部乾電池電源の使用 --------------------------------------- 4
2.3 充電式 "AA" 電池の使用 ----------------------------------- 4
2.4 従来式 "AA" 乾電池の使用 -------------------------------- 5
2.5 "VOLTAGE LOW" 点滅表示警報 -------------------------5
2.6 "POWER SAVING" モード(スリープモード) --------------5
3.0 メインメニュー ---------------------------------------------------------------6
3.1 接続部分の説明 -------------------------------------------------6
3.2 電源供給表示 ----------------------------------------------------6
3.3 メインモード(HF 機能のみ) -----------------------------7
3.4 UHF での使用 --------------------------------------------------9
4.0 メインモード(始動時のモード)-----------------------------------------9
4.1 接続部分の説明 ------------------------------------------------ 10
4.2 HF/VHF メインモード ------------------------------------- 10
4.2.1 アンテナの SWR --------------------------------- 12
4.2.2 同軸の損失 ---------------------------------------- 13
4.2.3 キャパシタンス ---------------------------------- 14
4.2.4 インダクタンス ----------------------------------15
4.2.5 周波数カウンタ ---------------------------------- 15
4.3 UHF メインモード -------------------------------------------15
4.3.1 アンテナの SWR(UHF) ------------------------ 15
4.3.2 同軸の損失(UHF)-----------------------------15
5.0 高度な操作 (Advanced Operation)
5.1 まえがき ---------------------------------------------------------16
5.2 高度な操作入門 -------------------------------------------------17
5.3 接続部分の説明 -------------------------------------------------17
-----------------------------------16
i

5.4 ADVANCE 1 モード---------------------------------------- 18
5.4.1 ADVANCE 1 (HF/VHF) ---------------------- 18
5.4.2 UHF ADVANCE 1 --------------------------- 22
5.5 ADVANCE 2 --------------------------------------------------- 23
5.5.1 障害距離(DTF) (VHF/VHF のみ) ---------- 24
5.5.2 較正機能(直接入力)------------------------- 27
5.6 ADVANCE 3 (HF/VHF のみ) --------------------------- 30
5.6.1 特性インピーダンス --------------------------- 30
5.6.2 同軸の損失 ------------------------------------- 31
6.0 単一型アンテナの調整 --------------------------------------------------- 31
6.1 ダイポールアンテナ ----------------------------------------- 32
6.2 バーチカルアンテナ ----------------------------------------- 32
6.3 単一アンテナの調整 ----------------------------------------- 32
7.0 スタブと伝送路の試験、調整 ----------------------------------------- 33
7.1 スタブの試験 -------------------------------------------------- 33
7.2 伝送路の進行波係数 ----------------------------------------- 34
7.3 伝送路、進行波アンテナのインピーダンス ----------- 35
7.4 アンテナチューナの調整 ----------------------------------- 36
7.5 増幅器整合回路の調整 -------------------------------------- 36
7.6 RF トランスの試験 ----------------------------------------- 36
7.7 バランの試験 -------------------------------------------------- 37
7.8 チョークコイルの試験 -------------------------------------- 38
8.0 補 遺 ---------------------------------------------------------------------- 38
ii

ご注意:本機をご使用になる前に 「2.0 電源」をお読みください。供給電圧が適正でなかったり、アン
テナコネクターに過大な外部電圧を加えると本機は故障します。
1.0 概 要
MFJ-269 は電池で作動する RF インピーダンス・アナライザーです。
本ユニットは可変発振器および周波数カウンター、周波数マルチプライヤー、50 Ω RF ブリッジ、12 ビ
ット A-D コンバーター内臓マイクロコントローラーなど5個の基本回路を組合せてあり、各種アンテナや
同軸ケーブルの損失、開放又は短絡の電気的長さを含む RF インピーダンス測定ができます。
MFJ-269 は基本的にはアナライザーとして 50 Ωのアンテナや伝送路システムの数Ωから数百Ωの RF イ
ンピーダンスの解析(アナライズ)ができます。
ADVANCED 機能メニューで Zo 設定をすると SWR 測定が簡単にでき、別の SWR 機能(反射損失、反射係数、
整合効率など)では 5Ω~600Ω間のインピーダンス測定ができます。
MFJ-269 は非精密信号源と周波数カウンターを持っています。動作周波数範囲はオーバーラップさせた 6 バ
ンド の 1.8 ~170MHz で、SWR 測定は 415~470MHz も含みます。
1.1 一般的な使用方法
MFJ-269 は次の調整および試験、測定に使用することができます。
アンテナ---------------------------SWR、インピーダンス、リアクタンス、抵抗、共振周波数、帯域
アンテナチューナー-----------------SWR、帯域、周波数
増幅器-----------------------------入出力整合回路、チョーク、サップレッサー、トラップ、部品
同軸伝送路-------------------------SWR、長さ、進行係数、概略の Q と損失、共振周波数、インピーダンス
フイルター-------------------------SWR、減衰、周波数帯域
スタブの整合、同調-----------------SWR、概略の Q、共振周波数、インピーダンス
トラップ---------------------------共振周波数と概略の Q
同調回路---------------------------共振周波数と概略の Q
微小容量---------------------------容量値と自己共振周波数
RF チョークとインダクター--------------------自己共振周波数、直列共振周波数、チョークの値
送信機および発振器------------------周波数
MFJ-269 でできる測定と表示は次の通りです。
電気的長さ(フイートまたは角速度) インピーダンス位相角(度) 共振周波数(MHz)
伝送損失(dB) インダクタンス(μH) 反射損失(dB)
容量(pF) リアクタンス X(ohms) 信号周波数(MHz)
インピーダンス Z(ohms) 抵抗 R(ohms) SWR(Zo 設定可)
1

MFJ-269 は非精密型信号源を使用しています。信号は 50Ω負荷で概略 3Vpp(約 20mW)、高調波は 25dB 未
満です。MFJ-269 の信号供給インピーダンスは 50Ωです。
MFJ-269 は安定化発振器ではありませんが、広帯域フイルター回路を持っているため高精度用ではない用
途としては安心して使用できます。
注:MFJ-269 のさらに詳しい機能と測定方法についてお知りになりたいなら、各種用途の項をお読みくだ
さい。
1.2 周波数範囲
FREQUENCY スイッチで次の発振周波数レンジを選択できます。(各帯域には微小のオーバーレンジがあり
ます。)
1.8-4 MHz 27-70 MHz 415-470 MHz
4-10 MHz 70-114 MHz
10-27 MHz 114-170 MHz
1.3 精度について
下記は発生し得る共通な問題や理由の説明です。最も多いのはアンテナ測定時において意図しない外部電
圧がこのユニットのアンテナポートへ入った際の読取りミスです。
外付けの HF フイルター MFJ-731 は外部入力をインピーダンスや SWR 測定時の値を変えることなく大きく
減衰させることができます。
測定エラー
信頼性の無い読取り値は主に次の3つによる場合があげられます。
1. 強力な AM 放送局の信号が外部から入ってしまう。
2. ダイオード検波器あるいは A/D コンバーターのエラー。
3. コネクターや接続部分、接続線などのインピーダンス。
広帯域電圧検波器
狭帯域検波システムは少なくとも選択性ゲインの安定した受信機でなければならず高価です。狭帯域検波
システムは、アンテナやインピーダンスアナライザーなど、ほとんど趣味で使う価格範囲を超えたものに
なってしまいます。
広帯域検波器は外部電圧の帯域外にも感度があります。ほとんどの帯域外の混信については簡単ではあり
ませんが解決できます。ローパスまたはハイパスコモンフイルターは異なった周波数による伝送路のイン
ピーダンス変化を抑えます。ローパスまたはハイパスフイルターを伝送路に挿入したときのインピーダン
スや SWR の値を変えることは僅かです。
インピーダンス測定装置として使用する際はフイルターを抑え目に使用することでこのインピーダンス変
化を避けることができます。
低周波数帯域で最も多い RF 混信障害は大電力 AM 放送局の信号や巨大アンテナ(特に 160m 帯のバーチカル)
からの外部電圧です。
MFJ-731 は各信号周波数を減衰させるために調整可能なフイルターです。
また、調整できるノッチは AM 放送帯をカバーしています。
アマチュアバンドの 1.8~30 MHz で使用でき、この調整可能フイルターは外部妨害信号を減衰させ、測定
2

にはほとんど影響を与えません。
注:ユーザーによっては内部発振器の発生電圧をもっと上げたいと思われるかたもおられるでしょうが、
広帯域の VFO システムは高調波歪を低く抑えるために内部電池の放電電流を最大にしております。
このユニットでは電池放電電流の合計値(-150mA)の 70%超を試験信号の高調波歪抑止に使っていま
す。電池の寿命と高調波歪の妥協点を選択しています。
部品の制限
電圧低下は検波ダイオードの直線性を非常に悪くします。MFJ-269 は高機能で、ダイオードの整合補償を
したショットキー検波器で、マイクロ波ゼロバイアスの特殊な使い方をしています。検波器は最良の直線
性が得られるよう個々のユニットごとに補償しています。
接続長さ
ブリッジ内部や外部の接続線はインピーダンスが低いときや高いときに指示値に狂いを生じさせます。
MFJ-269 は表面実装型低容量マイクロ波部品を使用して導線の長さをゼロに近くし、内部での問題を最低
限に抑えています。いかなる外部接続線も、たとえ短くしても無線周波の負荷のもとではインピーダンス
を替えてしまうことはご存知でしょう。
注:最大の精度を得るには最短の導線を使用しコネクターやアダプターはできるだけ使わないでください。
幾分なりと測定値が外れると、MFJ-269 は警報をだします。デスプレーに Z>1500 と表示されたならインピ
ーダンスが 1500Ωより大きく測定範囲外であることを示します。
2.0 電 源
この項は電源の供給と電池の選択について記述してあります。
本デバイスに電源を接続する前にこの項をお読みください。
間違った接続や不正な電圧を供給すると故障します。
2.1 外部電源
オプションの外部電源として MFJ-1315 があります。この電源のご使用をお薦めいたします。
電源電圧は本ユニットが起動中、11V を超え 16V 未満としてください。スリープモードあるいは OFF のと
きの電圧(このユニットの軽負荷時)は最大 18V です。電源は十分に平滑化されていなければなりません。
MFJ-269 の筐体は負極端子へ直接接続されています。供給電源の正極を接地してはいけません。
MFJ-269 は外部低電圧 DC 電源を接続することができます。(MFJ-1315 AC アダプターを推奨)
理想的な供給電源電圧は DC 14.5V ですが、11V~18V であればよいでしょう。
電流容量は HF と VHF のとき最大 150mA、UHF では最大 250mA です。
警告:電池を装填するまえに 2.2 項から 2.4 項(電池取付け方法)をお読みください。
MFJ-269 は RF コネクター近くにある 2.1mm タイプのコンセントです。
このコンセントには "POWER 12V DC" のラベルが貼付されています。
3

電源コンセントの外部導体は負極で、中心の導体が正極です。
"POWER 12V DC" のコンセントに電源プラグを差込むと内部電池の電源は接続が解除されます。
電源プラグを接続して電源を供給すると電源解除されている内部電池は微小充電がおこなわれます。
告:電源の正負極の反転や過大電圧の供給は MFJ-269 を故障させます。絶対に 18V 以上の電圧をかけな
いでください。正極接地型電源は絶対に使用しないでください。
絶対に外部電源供給中や電源スイッチを ON のまま内部電池を取外したりしないでください。
2.2 内部乾電池電源の使用
電池は装填済みで、内部の小さい黒色ジャンパーは必要とする位置にしなければなりません。電池設定用
ジャンパーは基板上部、ユニット内の OFF-ON スイッチと電源コネクター部分付近にあります。このジャン
パーは MFJ-269 側面両側の8本のネジを外して抜差します。カバー取りつけネジを取って後部カバーを取
り外します。プラスチック製黒色ジャンパーは3本のピンの内2本を使って設定します。設定は電池の形
式(充電式か非充電式)に応じたものにしなければなりません。
電池の交換は MFJ-269 のカバーを外して取出し、取付けをおこないます。電池を交換した際、充電スイッ
チが正規の位置にあるか確認して下さい。
2.3 充電式“AA”型電池の使用
ご注意:充電式の電池が装填されている場合は 13V を下回る外部電源の使用はしないでください。外部電
源電圧が低すぎると電池が充電されず全放電してしまいます。放電してしまった電池を充電する
場合は電池が十分充電されるまで(少なくとも 10 時間)MFJ-269 の電源スイッチを OFF にしてお
いてください。外部電源は MFJ-269 に接続しておいて、絶対に電源スイッチを ON に切替えたり外
部電源のプラグをぬいたりしないでください。
内部電池は微小電流の充電がおこなわれます。この充電機能は外部供給電源電圧に依存し、MFJ-269 を OFF
にしておいても充電されます。
充電には外部供給電源の電圧が 14~18V であることが必要です。
外部供給電源が 14~18V であればいつでも微小電流充電がおこなわれます。一般的な電池の充電電流は内
部回路により 10~20mA です。外部供給電源用 MFJ-1315 は上記の条件を満足しています。
このユニットは電池を取外して出荷しています。
充電式電池を使用するときはカバー内にあるプラスチックジャンパー(基板上、外部電源ジャック付近)
を所定の位置にセットしなければなりません。所定の位置にセットしないと電池は充電されません。
充電式電池を使うときは電源ジャック付近のプリント基板上にある内部充電ジャンパーを次ぎのようにセ
ットします。
4

J3 □ □ □
OFF ON
CHARGER 充電 ON
2.4 従来型“AA”乾電池の使用
できれば良質のアルカリ乾電池を使ってください。従来型の乾電池でも MFJ-269 に使用できますが、長期
間装填していても漏液の心配が無く長寿命である高品質のアルカリ乾電池をおすすめいたします。
使い捨て乾電池をご使用になるなら電圧の落ちたときは速やかに取外してください。このユニットを長期
間(1ヶ月を超える期間)ご使用にならない場合は電池を取外しておいてください。
絶対に電池を装填して運送してはいけません。
警告:一般の使い捨て型乾電池をご使用の場合は充電システムは殺しておいてください。そうしないと電
池の液漏れやアナライザーを壊すことになります。
一般の使い捨て乾電池をご使用の場合、電源ジャック付近の基板の内部ジャンパーは次のような位置にし
てください。
J3 □ □ □
OFF ON
CHARGER 充電 OFF
2.5 “VOLTAGE LOW” 点滅表示警報
供給電源や電池の電圧が 11V を下回ると”VOLTAGE LOW”の警報が表示されます。低電圧の警報出ていると
き”MODE”押しボタンスイッチを押すと低電圧でも操作が可能です。電源電圧が 11V を下回ったときは表示
測定値の信頼性は損なわれます。
Voltage Low 9.5V
■
2.6 “Power Saving” モード(スリープモード)
MFJ-269 の使用時電源電流は HF 帯の使用において約 135mA です。
ユニット内部の”Power Save”モードを使用することにより電池の寿命を延長することができます。
“Sleeping” においては電池の電流は 15mA を下回ります。3分間 MODE スイッチを切り替えなかったり周波
数を 50KHz 以上変更しなかった場合は省電力(スリープ)モードが開始されます。
“Sleeping” は右の図のようにカウンター表示の下に”SLP” メッセージが点滅します。
5

7.1598 MHz 3.7
R=38 X=61 SLP
“MODE” あるいは “GATE” 押しボタンスイッチを瞬時押すとユニットはスリープから目覚めます。
“MODE” スイッチを押し続けて電源スイッチを投入すると “Power Saving” は無効にできます。”MODE” スイ
ッチはメッセージが出るまでを押したままにしておいてください。
“MODE” 押しボタンスイッチは次のような表示が出たら押すのをやめてください。これで“Power Saving” モ
ードは無効になっています。
3.0 メインメニュウ
警告:このユニットのアンテナポートには高周波あるいは外部電源電圧を絶対に付加しないでください。こ
のユニットの検波ダイオードはゼロバイアスで使用しているので外部電源を付加すると破損することがあ
ります。同様に仕様外の電源電圧を加えても故障します。
3.1 接続部分の説明
MFJ-269 上部の “ANTENNA” コネクター(N型メス)は RF 測定用接続口です。このコネクターは周波数測
定を除き全ての測定に使用します。
“POWER” コネクター(2.1mm 型)は 2.0 に記述してある通りです。このユニットをご使用前に 2.0 項をお
読みください。
“FREQUENCY COUNTER INPUT” 用コネクター(BNC 型)は周波数測定にのみ使用します。
このコネクターの正しい使用方法は 4.5 項に書いてあります。
3.2 電源供給表示
ご注意:”UHF” スイッチはアナライザーの左端にあります。このスイッチはUHFで使用するときのみ、
電源を入れてから押してください。UHF でのご使用に当たっては 3.4 項をご覧下さい。
447.99 MHz > 5
■■■■■■…■SLP
Power Saving OFF
注:FJ-269 の初期表示については次に記述します。なお、このユニットの使い方については 4.0 項に書か
れています。
6

“POWER” スイッチをいれるか、外部電源を接続してから ”POWER” スイッチを ON にするとデスプレーに次の
メッセージが順次表示されます。
最初のメッセージはプログラムバージョンで ”VER” の数字がソフトウエアのバージョンを示します。
MFJ-269
Rev. 1.12
2番目のメッセージは著作権データです。
MFJ-269
(c)1999
注:”POWER” スイッチを ON する前に ”MODE” スイッチを押しておき、”MODE” スイッチを押し続けけて著作
権メッセージが表示されてから”MODE”スイッチを OFF にすると ”POWER SAVING OFF” のメッセージが表
示されます。このメッセージは電圧チェック前に表示され、電池節電の “sleep mode” が解除された
確認ができます。
3番目のメッセージは電圧チェックです。デスプレーには操作電圧について、電池の要充電や外部電源の
電圧を表示します。
Voltage Low 9.5V
■
Voltage OK 14.7V
■■■■ ………… ■
電源投入表示の最後は “working” 表示で下記 3.3 項(インピーダンス R & X )で説明します。
二つのパネルメーターは SWR と “ANTENNA” ポートに接続した負荷のインピーダンスを指示します。
起動表示後に “MODE” スイッチを押したときはモードが変ります。”MODE” スイッチを押して離した後デス
プレーは新たに選択された測定形式の表示を行ないます。
3.3 メインモード(HF 機能のみ)
ご注意:”UHF” スイッチはアナライザーの左端にあります。このスイッチは UHF で使用するときのみ、
電源を入れてから押してください。UHF でのご使用に当たっては 3.4 項をご覧下さい。
モードは通常の操作中 “MODE” 押しボタンスイッチを瞬時押したときに変更されます。モード変更におい
て、モードの表示は2,3秒かかります。”Main menu” は次のように5つあります。
1. 電源を投入した初期はインピーダンス R & X モードです。初期化されて、デスプレーに次のような表
示がちょっと出ます。
7

IMPEDANCE
R & X
このモードで MFJ-269 LCD (パネル面の液晶表示器)は MHz の周波数、負荷インピーダンス SWR の抵抗
分(R=)、リアクタンス分 (X=)を表示します。インピーダンスメーターは複合インピーダンス(ZΩ)を、
SWR メーターは SWR を指示します。
7.1598 MHz 3.6
Rs=153 Xs=62 SWR
注:ADVANCED MODE を使用しないときはこのユニットの表示は通常、負荷インピーダンスが表示されます。
標準的にインピーダンスはリアクタンス中に直列に入っている抵抗値を示しています。
SWRは通常、送信機で使用されている出力インピーダンス Zo を 50 オームとしたときの値です。
注:ADVANCED MODE 3では Zo が 50Ω以外のSWRの測定もできます。
2.Coax Loss(同軸損失)は2番目のモードで、 “MODE” ボタンスイッチを一度押すことにより設定でき
ます。液晶表示装置(LCD) はテスト周波数における概略の 50Ω同軸ケーブルやアッテネーター、変成器、
バルンの損失を表示します。
注:ADVANCED MODE 3はでは Zo が 50Ω以外のライン損失の測定もできます。
3.Capacitance in pF (pF で示す容量)は3番目のモードです。LCD は測定周波数と容量性リアクタン
ス(Xc= オーム)、容量(C= pF)を表示します。
4.Inductance in μH は4番目のモードです。デスプレーは測定周波数とインダクティブリアクタンス
(X1= オーム)、インダクタンス(L= μH)を表示します。
5.Freq. Counter は5番目で、メインモードの最後の機能です。”FREQUENCY COUNTER INPUT”
のラベルがある BNC コネクターに測定したい高周波信号を接続してください。測定レンジの感度は 1.7MHz
10mV から 180MHz 100 mV です。”GATE” ボタンは周波数カウンターのゲートタイムをコントロールします。
ゲート時間を長くするとは桁数が増えてカウンターの精度が増します。
Freq. Counter
14.095 MHz >31
Rs[Z>1500] SWR
14.32 MHz 0.01 s
Freq. Counter
14.325 MHz 0.1s
Freq. Counter
14.3258 MHz 1s
Freq. Counter
8

警告:周波数測定 BNC ポートには尖頭電圧2Vを超えた電圧や直流を加えないでください。
3.4 UHF での使用
UHF 測定は上部左端にある”UHF” ボタンを押してロックすると設定できます。
UHF 周波数は “FREQUENCY MHz” スイッチを “114-170 UHF” の位置に合わせ、 “TUNE” ツマミで
調整ができます。周波数が測定範囲外になるとデスプレーに警告の表示がでます。一般的な測定周波数範
囲は 415 ~ 470 MHz です。
周波数範囲外における警告表示は次のように出ます。
INCREACE
FREQUENCY
セレクタースイッチ “FREQUENCY MHz” が UHF 測定のために反時計方向一杯の正しい位置にあ
ることを確認してください。”TUNE” ツマミを回して正規の周波数レンジ内を操作します。
4.0 メインモード(始動時のモード)
Main
DECREACE
FREQUENCY
ご注意:UHF スイッチはアナライザーの左側上部にあります。このスイッチは UHF で使用するときに
電源をいれてから押してロックしてください。UHF の測定に関しては 3.4 項を参照してくださ
い。
警告:このユニットのアンテナポートには RF やその他の外部電圧を絶対にくわえないでください。
このユニットにゼロバイアスで使っているダイオード検波器は2,3ボルトの外部電圧を加えただ
けですぐ破壊されてしまいます。ご使用前には 2.0 項にあるように正しく電源を接続してください。
基本的な伝送路やアンテナの特性を知ることは MFJ-269 で測定する上で非常に重要です。最も判り易い
説明は ARRL ハンドブックに記述されておりアマチュア用には十分でしょう。世間的な風評や貧弱で自
己流の考え方を当てにすることは避けたください。
4.1 接続部分の説明
RF 測定用外部接続口の ANTENNA コネクター(N 型メス)は MFJ-269 の上部にあります。
このポートは周波数測定モードを除き、SWR や RF インピーダンスの測定に使用します。
9

警告:ANTENNA コネクターには外部電圧を印加しないでください。
適正な RF 接続について考えてみましょう。システムや機器の測定をする際に、システムではない部分ま
で測定しないように接続線は出来る限り短くしましょう。50Ωの同軸やアンテナを測定するとき接続線は
インピーダンスや SWR を変えてしまいます。接続線には品質の判っている 50Ωの同軸を使用してくださ
い。
Advanced 3 モードを選択すると 50 オームではないシステムの測定ができます。
4.2 HV / VHF メインモード
4.2.1 アンテナの SWR
IMPEADANCE
R & X
注:SWR 測定の初期設定値は 50 Ωです。このユニットは Advanced 3 モードにして 50 Ω以外のイン
ピーダンスに設定することもできます。
アンテナ及びアンテナチューナーの SWR の測定方法
1. アンテナが直流的に接地されているエレメントや給電方法でない場合は、アンテナ給電線の外套と芯
線を瞬時短絡してください。これは帯電された静電気から MFJ-269 のゼロバイアス検波ダイオードを破
壊から防ぐためです。
2. アンテナリードを MFJ-269 の”ANTENNA” コネクターに手早く接続します。(非接地給電型の場合)
3. “FREQUENCY” のツマミを所定のレンジにセットします。
4. MFJ-269 の “POWER” スイッチを ON にし電池電圧が “OK” で電圧が 11V から 16V の範囲を指
示していることを確認して下さい。
5. メインモードでは周波数、SWR、アンテナ抵抗とリアクタンスが LCD に表示され、SWR とインピー
ダンスがアナログメーターで指示されます。
7.1598 MHz 3.6
Rs=153 Xs=62 SWR
14.095 MHz >31
Rs[Z>1500] SWR
6. カウンターの数値を希望する周波数に合わせるか、SWR が最低の値に到達するまで ”TUNE” ツマミ
を調整します。
Advanced アンテナ測定モードでは 5.0 項に記述することができます。 ほとんどの Advanced モードで
は MAIN モードのメニユーと若干表示方法が変ります。Advanced モードの測定方法全てを覚えなくても
いいでしょう。
10