Lenovo ImageUltra Builder 4.0 User Guide [ja]

ImageUltra Builder バージョン 4.0
ユーザーズ・ガイド
ImageUltra Builder バージョン 4.0
ユーザーズ・ガイド
お願い
本書および本書で紹介する製品をご使用になる前に、 245 ページの『特記事項』をお読みください。
|
12007.10
この文書では、平成明朝体
W3、平成明朝体™W7、平成明朝体™W9、平成角ゴシック体™W3、平成角ゴシック体
W5、および平成角ゴシック体™W7を使用しています。この(書体*)は、(財)日本規格協会と使用契約を締結し使用し
ているものです。フォントとして無断複製することは禁止されています。
  注* 平成明朝体
W3、平成明朝体™W7、平成明朝体™W9、平成角ゴシック体™W3
平成角ゴシック体™W5、平成角ゴシック体™W7
© Copyright Lenovo 2007. Portions © Copyright International Business Machines Corporation 2002, 2005. All rights reserved.
目次
まえがき ..............vii
本書の対象読者 .............viii
Web ページの参照 ............viii
ImageUltra Builder の新機能.........viii
バージョン 2.0 および 2.01 に追加された機能 viii
バージョン 2.2 に追加された機能 ......x
バージョン 3.0 に追加された機能 ......x
バージョン 3.1 に追加された機能 ......xi
バージョン 4.0 の機能 .........xii
1 ImageUltra Builder の機能 ...1
イメージとは ..............1
スマート・イメージの定義..........2
作業領域...............2
スマート・イメージによってサポートされるイメー
ジのタイプ ..............4
Sysprep の使用と重要性...........4
自分に最適なイメージ・タイプ ........5
ウルトラ・ポータブル・イメージ ......5
ポータブル Sysprep イメージ ........8
ハードウェア固有イメージ ........10
イメージ・タイプの要約 .........11
2 章 イメージ処理の概要 ......13
イメージを開発するための 5 つの基本ステップ ..16 既存のマップおよびモジュールのインポート ...17
サービス・パーティションまたは HPA からのマ
ップおよびモジュールのインポート .....17
リポジトリー、フォルダー、CD からのマップお
よびモジュールのインポート .......18
モジュールのビルド ...........19
ドライバー・モジュール、アプリケーション・モ
ジュール、またはアドオン・オペレーティング・
システム・モジュールのビルド .......20
基本オペレーティング・システム・モジュールの
作成 ................21
パーティション・モジュールの作成 .....24
ベース・マップおよびドライバー・マップの作成ま
たは変更 ...............25
ベース・マップ ............27
ドライバー・マップ ..........27
デプロイおよびインストール方法の定義 ....29
サービス・パーティションの動作の定義 ....29
ネットワーク同期機能の使用可能化 .....30
ユーザーおよび管理者の定義 .......31
ユーザー情報の定義 ..........31
ターゲット・コンピューターへのスマート・イメー
ジのデプロイ ..............32
デプロイ後のターゲット・コンピューターへのイメ
ージのインストール ...........35
ダイレクト・ネットワーク・インストールの実行 ..36
拡張機能 ...............37
フィルター .............37
ユーティリティー ...........37
3 章 作業領域の動作とロジック ...39
作業領域の詳細 .............39
サービス・パーティション ........39
ネットワーク作業用フォルダー .......41
デプロイおよびインストールの概要 ......42
標準ネットワーク・デプロイとローカル・インス
トール ...............42
CDDVDUSB キー、または USB ハードディ
スクによる配布 ............43
ダイレクト・ネットワーク・インストール ...44
ImageUltra Builder の隠し区画 (HPA) との関連 ..45
隠し区画 (HPA) とは?..........45
リカバリーの影響 ...........45
ImageUltra Builder Rescue and Recovery 製品
との関連 ..............46
セキュリティーの依存関係 ........48
作業領域のロジック ...........49
4 ImageUltra Builder のインスト
ール ................57
最小要件 ...............57
ImageUltra Builder サーバー・コンピューター ..57 ImageUltra Builder コンソール・コンピューター 57 ImageUltra Builder ターゲット・コンピューター 58
前提条件 ...............58
インストールの注意点 ...........59
制限 .................60
ImageUltra Builder 4.0 プログラムのインストール .60
ImageUltra Builder コンソールのインストール ..61 ImageUltra Builder サーバーのインストール...61 ImageUltra Builder サーバーへのアクセス ...63 ImageUltra Builder コンソールおよびサーバーの
インストール .............63
デフォルトの管理者パスワードの変更 ....64
ImageUltra Builder の前のバージョンからのアップグ
レード ................65
インストール後のヘルプの取得 ........66
5 ImageUltra Builder インターフ
ェースでの作業 ...........67
インターフェース内で使用される規則 .....67
モジュール・リポジトリー .........74
リポジトリーでの作業 ..........74
マップおよびモジュールのエクスポート ....76
「リポジトリー」ウィンドウ ........77
項目およびアイコン ..........78
© Lenovo 2007. Portions © IBM Corp. 2002, 2005. iii
項目の操作 .............79
特定のマップおよびモジュールの検索 ....80
「マップ」ウィンドウ ...........81
「マップ設定」ウィンドウ .........81
Windows PE におけるベース・マップの外観 ..81
ベース・マップの設定 ..........83
ドライバー・マップの設定 ........87
「メニュー項目プロパティ」ウィンドウ .....88
「メニュー・リンク・プロパティ」ウィンドウ ..90
「モジュール」ウィンドウ .........90
モジュール属性およびマップ設定の変更 .....91
ツール ................91
リポジトリー・ツール ..........92
マップ・ツール ............93
6 章 マップ構造の概要 .......95
ベース・マップ・ツリー構造の作成 ......95
ベース・マップへのメニュー項目の挿入 ....95
ベース・マップへのモジュールの挿入 ....98
I386 基本オペレーティング・システム・モジュ
ールに関する特別な考慮事項 .......101
ベース・マップでのユーティリティーの使用 . . 104
ベース・マップでのフィルターの使用 ....108
ベース・マップでのリンクの使用......112
ベース・マップでのユーザー情報の定義 ...113
ネットワーク同期機能の制御 .......115
サービス・パーティションの動作の制御 ...116
ベース・マップでのパーティション・モジュール
の使用...............117
単純ベース・マップと複合ベース・マップ...124
非表示システム・メニューの追加......126
ベース・マップ内でのモジュールの動作のカスタ
マイズ...............127
Rescue and Recovery 製品に関する特別な考慮事
................128
マップのプレビュー ..........128
デバイス・ドライバー・マップ・ツリー構造の作成 128
ドライバー・マップへのメニュー項目の挿入 . . 130
ドライバー・マップへのモジュールの挿入...130
ドライバー・マップでのフィルターの使用...131
変数の使用; 拡張ベース・マップ機能 .....133
ハードコーディングされた値を含む変数の設定 133
インストール処理の際に表示するメニュー項目を
決める条件の設定 ...........134
メニュー項目およびサブメニュー項目のタイトル
内のテキスト参照 ...........136
インストール処理の際にユーザーに特定の値につ
いてプロンプトを出す変数の設定......137
プロンプトが出された値がユーティリティーまた
はフィルターのパラメータとして渡されるように
する変数の設定............138
マップからのモジュールの除外 .......139
7 章 マップの作成 ........141
ベース・マップの作成と変更 ........141
新規ベース・マップの作成 ........141
既存のベース・マップに基づく新規ベース・マッ
プの作成 ..............142
ベース・マップへのメニュー項目の追加 ...143 ベース・マップへのオペレーティング・システ
ム・モジュールの追加 .........144
ベース・マップへのアプリケーション・モジュー
ルの追加 ..............145
ベース・マップでのモジュールの置換 ....145
ベース・マップ内でのモジュールの動作のカスタ
マイズ...............146
ベース・マップの設定とメニュー項目のプロパテ
ィの処理 ..............147
ドライバー・マップの作成と変更.......157
新規ドライバー・マップの作成 ......157
既存のドライバー・マップに基づく新規ドライバ
ー・マップの作成 ...........158
ドライバー・マップへのメニュー項目の追加 . . 159 ドライバー・マップへのデバイス・ドライバー・
モジュールの追加 ...........160
ドライバー・マップでのモジュールの置換...160 ドライバー・マップの設定とメニュー項目プロパ
ティの処理 .............161
8 章 モジュール用ソース・ファイル
の準備 ..............165
ソース・オペレーティング・システム・イメージの
作成 ................165
ウルトラ・ポータブル・イメージのソース・ファ
イル ...............165
必要な他社製のツール .........171
ポータブル Sysprep イメージの作成 .....173
ハードウェア固有イメージの作成......179
アプリケーション・モジュールおよびアドオン・オ ペレーティング・システム・モジュールのソース・
ファイルの準備.............182
サイレント・インストールの準備......183
ミニアプリケーションの追加 .......184
ImageUltra Builder コンソールがファイルを利用
できるようにする ...........184
ファイルの準備後 ...........184
新規アプリケーション・モジュールの属性の設定 185
既存のアプリケーション・モジュールに基づく属
性の設定 ..............187
新規アドオン・オペレーティング・システム・モ
ジュールの属性の設定 .........188
既存のアドオン・オペレーティング・システム・
モジュールに基づく属性の設定 ......191
パーティション・モジュール用ソース・ファイルの
準備 ................192
デバイス・ドライバー・モジュール用ソース・ファ
イルの準備 ..............194
ミニアプリケーションの追加 .......194
モジュール用のデバイス・ドライバー・ファイル
を準備する要件............194
新規デバイス・ドライバー・モジュールの属性の
設定 ...............194
iv ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド
既存のデバイス・ドライバー・モジュールに基づ
く属性の設定 ............197
ユーティリティー・モジュール・ファイル用ソー
ス・ファイルの準備 ...........198
新規ユーティリティー・モジュールの属性の設定 198
既存のユーティリティー・モジュールに基づく属
性の設定 ..............199
フィルター・モジュール・ファイルのソース・ファ
イルの準備 ..............200
新規フィルター・モジュールの属性の設定...201
既存のフィルター・モジュールに基づく属性の設
................202
新規モジュールのビルド..........202
9 章 モジュール・インストール順序
の指定 ..............205
インストール順序プロセス .........207
アドオン・オペレーティング・システム・モジュ
ール、アプリケーション・モジュール、およびデ
バイス・ドライバー・モジュール......207
パーティション・モジュール .......208
インストールのタイミングの変更.......208
インストール・スロットの変更 .......209
ベース・マップでのインストール・シーケンスの変
.................209
インストール順序のヒントおよび情報 .....211
10 ImageUltra Builder および
Windows Vista の使用 .......213
Windows XP および Windows Vista の間のオペレ
ーティング・システムの相違点 .......213
Windows Vista オフライン保守モジュール ....213
Windows Vista 基本オペレーティング・システム・
モジュール ..............214
Vista ベースのウルトラ・ポータブル・イメージの
作成 ................214
作業領域の詳細.............215
UNATTEND.XML モジュールの使用.....218
11 章 ヘルプとサポートの取得 ...223
資料およびヘルプ・システムの使用 ......223
Web の使用 ..............224
ImageUltra Builder テクニカル・サポートへの連絡 224
12 章 例外の処理 ........225
アプリケーション・モジュールの例外 .....225
デバイス・ドライバーの例外 ........228
再起動が必要なモジュールへの対応 ......229
固有のスクリプトの編集..........230
ThinkVantage Rescue and Recovery 製品の組み込み 231 ダイレクト・ネットワーク・インストールにおける
リポジトリーへの書き込みアクセスの制御....232
13 章 問題のデバッグ.......235
ImageUltra Builder イメージ・インストール処理 235 ターゲット・コンピューターのユーザー区画でデバ
ッグ・データを検索する..........235
サービス・パーティションまたはネットワーク作業 用フォルダーでデバッグ・データを検索する ...236
インストールをモニターする ........236
スプラッシュ・ユーティリティー.......237
テクニカル・サポート・チームにデバッグ・データ
を送信する ..............242
ドライブ名の制限および変数の使用 ......242
一部のコンピューターでインストール後に F11
ーが機能しない.............243
付録. 特記事項 ...........245
商標 ................246
索引 ...............247
目次 v
vi ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド

まえがき

本書の目的は、次の 3 つです。
v ユーザーが、ImageUltra
ルド、デプロイ、インストールの背後にある概念を理解するのを手助けする。
v ImageUltra Builder インストール処理をユーザーにガイドする。 v ImageUltra Builder ヘルプ・システムを補足する。このヘルプ・システムは、
ImageUltra Builder と関連する作業の手順を段階的に詳しく説明しています。
ImageUltra Builder をインストールまたは使用する前に、 1 ページの『第 1 ImageUltra Builder の機能』、および 13 ページの『第 2 章 イメージ処理の概要』
に記載されている内容をよく理解してください。
本書は、次のように編成されています。
1 ページの『第 1 ImageUltra Builder の機能』では、ImageUltra Builder の概念
および機能の概要を示します。
13 ページの『第 2 章 イメージ処理の概要』では、ImageUltra Builder を使用し
た、イメージ・ビルド処理の概要を示します。
39 ページの『第 3 章 作業領域の動作とロジック』では、デプロイとインストール に使用される作業領域について、および ImageUltra Builder が選択された作業領域 に影響を与えるさまざまな条件をターゲット・コンピューターで適応させるために 使用するロジックについて説明します。
Builder プログラムを使用してスマート・イメージのビ
57 ページの『第 4 ImageUltra Builder のインストール』では、ImageUltra Builder をインストールする前に理解しておく必要のある前提条件、制限、考慮事項
のほか、プログラムのインストール手順を示します。
67 ページの『第 5 ImageUltra Builder インターフェースでの作業』では、 ImageUltra Builder で使用されている各種のウィンドウおよび規則を説明します。
95 ページの『第 6 章 マップ構造の概要』では、マップのツリー構造の作成および
一部のマップ属性設定の背後にある概念に焦点を合わせています。
141 ページの『第 7 章 マップの作成』では、ベース・マップおよびドライバー・ マップを作成するための段階的な手順を示します。
165 ページの『第 8 章 モジュール用ソース・ファイルの準備』では、ソース・フ ァイルの準備、リポジトリー項目の作成、属性の設定、およびモジュールのビルド の段階的な手順を示します。
205 ページの『第 9 章 モジュール・インストール順序の指定』では、モジュール をインストールする順序を制御する際に使用するさまざまな方法について説明しま す。
© Lenovo 2007. Portions © IBM Corp. 2002, 2005. vii

本書の対象読者

213 ページの『第 10 ImageUltra Builder および Windows Vista の使用』では、
ImageUltra Builder Windows Vista の使用に関する情報を提供します。
223 ページの『第 11 章 ヘルプとサポートの取得』では、ImageUltra Builder のヘ
ルプおよびサポートを入手するための手順を示します。
225 ページの『第 12 章 例外の処理』では、イメージ・ビルド処理に影響する特別
な場合の取り扱いに関する有用な情報を提供します。
235 ページの『第 13 章 問題のデバッグ』では、固有の問題をデバッグする際に使 用する ImageUltra Builder のデバッグ・ツールおよび最良実例について説明しま す。
245 ページの『特記事項』では、特記事項および商標情報を示します。
本書は、以下のことを行う IT の専門家を対象としています。
v コンピューター・イメージのセットアップおよび保守 v CD またはネットワークによるイメージのデプロイ

Web ページの参照

このガイドでは、追加情報に関する Web ページ・アドレスを用意しています。 Web ページ・アドレスは変更される場合があります。 Web ページ・アドレスが有 効でない場合は、参照している会社のメインの Web ページ (たとえば、 http://www.lenovo.com) に進んでから 、該当する用語または語句 (たとえば、 ImageUltra Builder) を検索してください。

ImageUltra Builder の新機能

バージョン 2.0 および 2.01 に追加された機能

ImageUltra Builder バージョン 2.0 および 2.01 には次の機能が追加されました。
v 「新設計のリポジトリー (Redesigned Repository)」ウィンドウ: この「リポジトリ
ー」ウィンドウは、大量のマップおよびモジュールの編成、カテゴリー化、およ び分類に役立てるように再設計されました。
v リポジトリー検索機能: リポジトリー検索機能が追加されて、特定のマップおよ
びモジュールの検索に役立ちます。検索エンジンを使用すると、事前定義値を選 ぶか、フリー・フォームのテキストを使用して、マップの設定またはモジュール 属性に関連するストリングあるいは句を検索することができます。フリー・フォ ーム・テキストの検索を容易にするために、モジュール属性の一般タブおよびマ ップ設定の「全般」タブにコメント欄が加えられました。拡張リポジトリー検索 機能を使用すると、共通の特性を共用するマップまたはモジュールを検索できま す。たとえば、特定のモジュールを使用する任意のマップまたはすべてのマップ で、使用されないすべてのモジュールを検索することができます。
v エクスポート・ウィザード: エクスポート・ウィザードが追加されて、マップお
よびモジュールをリポジトリー外のフォルダーにアーカイブすることができま
viii ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド
す。アーカイブされたマップおよびモジュールは、必要があれば、インポート・ ウィザードを使用してリポジトリーに復元することができます。
v インポート・ウィザード: インポート・ウィザードはウィザード処理に代えて、
個々のモジュールおよびマップをさまざまなソースからリポジトリーにインポー トする拡張機能を備えています。インポート・メディアを作成し、使用する代わ りに、ソース・コンピューターからマップおよびモジュールをインポートすると きは、ImageUltra Builder をソース・コンピューターにインストールし、ターゲッ ト・リポジトリーに接続し、メインウィンドウのメニュー・バーから「インポー 」を選択してから、インポート・ウィザードが示す指示に従うだけです。
v デプロイ・ウィザード: デプロイ・ウィザードを使用すると、配布用 CD、および
ネットワーク・デプロイメント CD の作成プロセスが単純化されます。
v 「新設計マップ」ウィンドウ: この「マップ」ウィンドウが再設計されたため、
マップ内の複数の項目を選択し、操作することができます。
v 変数サポート: メニュー・システム内の変数のサポートが追加され、動的フロー
処理が可能になり、イメージ・インストール処理の間のユーザー応答によって、 柔軟性が増しました。
v モジュール・インストール・シーケンスの制御の拡張: インストール・シーケン
スおよび個々のモジュールの実行が制御できるようになりました。
v マップ内モジュールの動作のカスタマイズ: 共通モジュールの動作を、新しい
「カスタマイズ」フィールドを介して、マップごとに変更できるようになりまし た。
v メニュー・カスタマイズ機能の追加: インストール・メニューの外観とインスト
ール方法に対する制御が改善されました。背景色の選択、マージンの設定、ウィ ンドウのシャドーイング、メニュー表示中の Ctrl+Alt+Del キー・シーケンスの使 用可能および使用不可、状況表示行で使用するテキストの定義、現行メニューを 終了するキーの指定、前のメニューに戻すためのキーの指定、ユーザーに非表示 システム・メニューを表示するためのキーワードの定義などを行います。
v モジュール・パスワード保護: モジュールにパスワード保護を行い、モジュール
内部のソース・ファイルへのアクセスを ImageUltra Builder に限定することがで きます。
v カスタム・サービス・パーティション・サイズ: ベース・マップにおいて、イメ
ージのデプロイおよびインストール後の、希望するサービス・パーティションの サイズを指定できるようになりました。この機能は、Rapid Restore PC のインス トール処理を簡素化するのに役立ちます。サービス・パーティションに追加部分 を指定することによって、Rapid Restore インストール処理が、データを再配置 し、サービス・パーティションをサイズ変更して、バックアップ・ファイルを収 容するのに必要とする時間を除きます。
®
v 隠し区画 (HPA) のサポート: 新しく出た ThinkPad
および ThinkCentre™の多く は、従来のコンピューターが使用していたサービス・パーティションではなく、 リカバリーおよび診断用に HPA を使用します。 HPA の場合は、セキュリティ ー、保護、およびリカバリーの機能が増加します。 ImageUltra Builder 2.0 プロ グラムは、HPA からのマップ、モジュール、およびコンテナーのインポート、あ るいは、ドライバー・マップを使用しない場合に HPA に含まれるデバイス・ド ライバー・モジュールを使用してインストールを行う機能をサポートしていま す。サービス・パーティション用のインポートおよびデプロイ・サポートは、以 前と変わりません。
まえがき ix
v C: ドライブへのダイレクト・ネットワーク・インストール: この機能を使用する
と、マップおよびモジュールをサービス・パーティションへコピーする必要な く、イメージをネットワークから直接デプロイし、C: ドライブへインストールで きます。

バージョン 2.2 に追加された機能

ImageUltra Builder バージョン 2.2 には次の機能が追加されました。 v デプロイ・ウィザードの機能拡張: デプロイ・ウィザードを使用して CD または
DVD メディアに配布用ディスクやネットワーク・デプロイメント・ディスクを作
成したり、他社製の CD 書き込みソフトウェアを使用せずに ISO イメージを作 成したりできるようになりました。別の新機能により、ネットワーク・デプロイ メント CD を作成する前にネットワーク・デプロイメント・ディスケットを作成 する必要がなくなります。さらに、DHCP サーバーによって割り当てられる 1 つ の IP アドレスに依存する代わりに、オプションで、ターゲット・コンピュータ ーに対して静的 IPアドレスを設定することができます。
v ネットワーク・デプロイメント CD が複数のネットワーク・カードをサポートす
るようになりました。
v モジュール・インストールの順序付けにおける柔軟性の拡張: モジュールの「オ
プション」タブで最大 9999 のインストール・スロットをサポートするようにな りました。これにより、モジュール・インストールの順序をより柔軟に制御でき るようになりました。
v 新規モジュールのテンプレート: 新規 I386 モジュールと unattend.txt モジュール
用にテンプレートが提供されています。これらのテンプレートは組み込みモジュ ールで、変更、インポート、またはエクスポートが可能です。または、望む場合 には独自のテンプレート・モジュールを作成することもできます。
v マップにおける柔軟性の拡張: その前のメニュー選択によってインストール・リ
ストに追加されたモジュールを除外したメニュー項目を作成できるようになりま した。
v デバッグ機能の拡張: デプロイメント処理時に、モジュール・インストール処理
の開始および完了時間、さらにメニュー項目で使用されるフィルター式の結果を 示すログがターゲット・コンピューター上に作成されるようになりました。

バージョン 3.0 に追加された機能

ImageUltra Builder 3.0 では、デプロイメント時のターゲット・コンピューターでの ベース・マップの表示方法に関して大きな変更が加えられました。この変更は、 ImageUltra Builder 3.0 がそのデプロイメント環境として DOS オペレーティング・ システム (以前のバージョンで使用されていた) の代わりに Windows プリインスト ール環境 (PE) を使用するようになったことによって生じたものです。 DOS では ベース・マップはフルスクリーン (コンソールに似たモード) でユーザーに表示され ていました。 Windows PE が使用されるようになって、ベース・マップはユーザー に実際のウィンドウ内で表示されるようになりました。
ImageUltra Builder バージョン 3.0 には次の機能が追加されました。 v ImageUltra Builder 3.0 グラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) のメ
ニュー方式アプリケーション内に、ターゲット・コンピューターのデプロイメン
x ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド
ト画面およびインストール画面の外観を制御する新たな設定およびプロパティ・ タブが導入され、また一部が更新されました。
v マップ・メニュー・プログラムの改良:「システム・メニュー・キーワード」フィ
ールドが「メニューの外観」タブから「全般」タブに移動されました。これはベ ース・マップにのみ適用されるため、設定ダイアログがドライバー・マップに適 用される場合には非表示になります。
®
v IBM
Cloudscape™の使用。以前のファイル・ベースのデータベース・システムに
代わるクライアント/サーバー型オブジェクト・リレーショナル・データベース・ システムを使用します。
v ImageUltra デプロイ・メディアに対する新規起動ローダーの使用。これにより、
ユーザーにメディアの削除およびデプロイを要求することなくインストール処理 を継続できるようになりました。
v スプラッシュ・ウィンドウの使用。スプラッシュ・ウィンドウは、ログ・ファイ
ルの内容を表示するために使用されます。メッセージ・ボックス・ダイアログ は、画面内を移動しながらユーザーへのメッセージを表示します。
v 新規のリポジトリーのマイグレーション・ウィザード。以前のバージョンの
ImageUltra リポジトリーからのマイグレーションを行うために、ユーザーをさま ざまなステージに運びます。
ImageUltra の前のバージョンからのアップグレードを予定している場合は、次のこ とを承知しておいてください。
v ポータブル Sysprep モジュールは、ImageUltra Builder 3.0 フォーマットで再ビル
ドされなければならない。
v ImageUltra Builder 3.0 フォーマットに適合するよう、ウルトラ・ポータブル・ベ
ース・マップを設計変更しなければならない。

バージョン 3.1 に追加された機能

ImageUltra Builder バージョン 3.1 には次の機能が追加されました。
v ドライバー・マップでの順序付けモジュールの使用。 v カスタマー初回起動インストール・ポイントに関する情報を提供するマップ・レ
ポート。
v モジュールの置換に対するアップデート。 v スプラッシュ・ウィンドウに対するアップデート。Shift+Ctrl+C を押してコマン
ド・プロンプト・ウィンドウを開けるようになりました。
v スプラッシュ・ウィンドウの使用。スプラッシュ・ウィンドウは、ログ・ファイ
ルの内容を表示するために使用されます。メッセージ・ボックス・ダイアログ は、画面内を移動しながらユーザーへのメッセージを表示します。
v 新規のリポジトリーのマイグレーション・ウィザード。以前のバージョンの
ImageUltra リポジトリーからのマイグレーションを行うために、ユーザーをさま ざまなステージに運びます。
ImageUltra の前のバージョンからのアップグレードを予定している場合は、次のこ とを承知しておいてください。
v ポータブル Sysprep モジュールは、ImageUltra Builder 3.1 フォーマットで再ビル
ドされなければならない。
まえがき xi
v ImageUltra Builder 3.1 フォーマットに適合するよう、ウルトラ・ポータブル・ベ
ース・マップを設計変更しなければならない。

バージョン 4.0 の機能

以下は、ImageUltra Builder バージョン 4.0 の機能です。
v Windows Vista (R) のサポート。 v USB キーのサポート:
– USB キーへのイメージの組み込み。 – USB キーからのイメージのデプロイ。 – USB ハードディスクからのイメージのデプロイ。
xii ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド

1 ImageUltra Builder の機能

ImageUltra™Builder プログラムは、カスタム・イメージの作成、デプロイ、および インストールの新しい方式を提供します。この章では、イメージのビルドという概 念と、ImageUltra Builder がサポートする各種タイプのイメージを理解する上で役立 つ情報を示します。

イメージとは

イメージは、オペレーティング・システム、アプリケーション、デバイス・ドライ バー、およびコンピューターを正常に稼働するのに必要なその他の関連ファイルな ど、いくつかのコンポーネントから構成されます。ほとんどの場合、社内の情報技 術 (IT) 部門またはシステム・インテグレーターがソース・コンピューターでイメー ジを作成し、そのイメージを抽出し、それをデータ保存場所に保存します。次に、 ネットワークを介して、または一連のイメージ CD からイメージを複数のコンピュ ーターにデプロイします。このようにすると、IT 部門で、標準化されたイメージを 開発し、全社で使用されるソフトウェアおよびデバイス・ドライバーのバージョン を管理できます。
このようにしてイメージを開発およびデプロイすると、社内のすべてのコンピュー ターが高いレベルでイメージの一貫性を保持できます。ただし、この方式で作成さ れたイメージは、ハードウェアに依存するため、複数のソース (ドナー) コンピュー ターからイメージを作成し、テストし、転送して、各種ハードウェア構成およびサ ポートされるソフトウェアのバリエーションを調整するのに相当な時間がかかりま す。多くの場合、特定のソフトウェア要件に適応するには、ベース・イメージをデ プロイし、そのイメージをインストールした後で、システム単位で特定のアプリケ ーション・プログラムを手作業で追加します。
結果として、IT 部門は、複数のイメージを管理することになります。新しいハード ウェア、オペレーティング・システムの更新、デバイス・ドライバーの更新、追加 言語、新規または変更されたアプリケーション・プログラムに適応するのに変更が 必要になるたびに、多くのイメージを再ビルドしなければなりません。
多くの IT 部門が直面する主な課題は、次のものです。
v イメージの作成およびテストに要する時間を短縮すること v 部門ごとに異なる特定のソフトウェア要件に適合する高い柔軟性を実現するイメ
ージをビルドおよびデプロイするための方法を探し出すこと
v さらに広範囲なハードウェアにわたってイメージをビルドおよびデプロイするた
めの方法を探し出すこと
v 保守対象となるイメージの総数を削減するか、または最小限に抑えること
ImageUltra Builder の目的は、各種のイメージを効率よく開発、デプロイ、インスト ール、および保守するのに必要なツールを IT 部門に提供することです。新しいツ ールおよび技法により、ImageUltra Builder は、イメージを再利用可能なサブコンポ
© Lenovo 2007. Portions © IBM Corp. 2002, 2005. 1
ーネント ( ドウェア・プラットフォームにデプロイできるスマート・イメージをビルドできる ようにします。
モジュール

スマート・イメージの定義

と呼ばれます) に分割し、
マップ
を使用して、広範囲なハー
ImageUltra Builder は、各種のイメージ関連ファイルを再利用可能な してリポジトリーに保存できるようにします。通常、オペレーティング・システ ム、アプリケーション、およびデバイス・ドライバーごとにモジュールがありま す。これらのモジュールは、特定のユーザー、グループ、または企業全体の要求に 合うよう、 いたバリエーションのほか、複数のオペレーティング・システムおよびアプリケー ションを含めることができます。 1 つの ェア用のデバイス・ドライバーを含めるか、 ェア・プラットフォーム用のデバイス・ドライバーを含めることができます。
ターゲット・コンピューターへのマップおよびモジュールの引き渡しには、
ンストール担当者は使用するベース・マップおよびドライバー・マップを選択しま す。選択されたマップおよびマップ内で定義されたモジュールは、 ーされます。マップのセットおよびマップ内で定義されたモジュールを、
マップ
インストール
ト・イメージ
スマート・イメージには、次の特性があります。 v 特定のイメージがターゲット・コンピューターにインストールされるときのソー
スである。
v インストール段階のメニュー・システムを提供する。インストール処理の制御担
当者がメニュー・システムから選択して、インストールするイメージのコンテン ツを定義します。メニュー項目は、
v 1 つのスマート・イメージに、複数のイメージ、あるいはさまざまなイメージを
構成するコンポーネントを入れることができる。
v 必要なら、スマート・イメージをインストール後ターゲット・コンピューターに
置き、アクティブなネットワーク接続に依存せずに、コンソール・サイドのリカ バリーに使用することができる。
v スマート・イメージを開発して、異なるハードウェア・プラットフォーム間にさ
まざまな度合いの ンピューターに対して 1 つのイメージを使用できる度合いです。
別に編成されています。 1 つの
ベース・マップ
ドライバー・マップ
フィルター
2 つのステップが関係します。デプロイ処理の開始時に、イ
と呼びます。
ベース・マップ
移植性
を備えることができる。移植性とは、異なるタイプのコ
を使用して各種のハードウ
に定義されています。
モジュール
に、言語に基づ
に、1 つのハードウ
デプロ

作業領域

にコピ
スマー
作業領域
作業領域とは、デプロイおよびインストールの際に使用するワークスペースのこと です。マップが定義する特定のモジュールがアンパックされ、ImageUltra Builder イ ンストール・ファイルが保存され、インストール・ログが作成される場所です。 ImageUltra Builder は、以下の 2 つのタイプの作業領域を使用することができま す。
v サービス・パーティション: サービス・パーティションは、エンド・ユーザーに
よる通常の読み取りおよび書き込み操作からプロテクトされる非表示基本パーテ ィションです。このパーティションは、多くの Lenovo ThinkPad
2 ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド
®
NetVista™、お
よび ThinkCentre®に搭載された標準の Lenovo™の出荷時導入機能です。サービ ス・パーティションは、工場出荷の際、標準装備のリカバリーおよび診断機能を 備えています。既存のサービス・パーティションが ImageUltra Builder と一緒に 使用されるときは、デプロイ段階で、出荷時導入されたリカバリー・モジュール は削除され、デプロイされるイメージのしかるべきモジュールおよびマップに置 き換えられます。サービス・パーティションがまだ存在していない場合は、必要 であれば、ImageUltra Builder が、デプロイ処理の一環としてそれを作成します。 デプロイが完了すれば、インストール処理の制御担当者 (エンド・ユーザーか IT の専門家) は、ネットワーク接続に依存せずに、デプロイの直後か、その後の任 意の時点に、サービス・パーティションからインストール処理を開始することが できます。
v ネットワーク作業用フォルダー: この一時作業領域は
ク・インストール
専用です。ダイレクト・ネットワーク・インストールでは、デ
ダイレクト・ネットワー
プロイ段階とインストール段階が単一の操作に結合され、結果として、ほとんど すべての場合で、全体のデプロイとインストールのサイクルが速まります。速度 は、ネットワーク・トラフィックの量と、特定のマップ設定によって影響を受け ます。
デプロイ段階では、ネットワーク上にターゲット・コンピューター用の固有のネ ットワーク作業用フォルダーが作成されます。ダイレクト・ネットワーク・イン ストールの制御担当者 (一般的には IT 専門家) が、まずベース・マップとドライ バー・マップを選択します。次に、選択されたマップのインストールの制御に必 要なモジュールのみが、リポジトリーから取得されて、ネットワーク作業用フォ ルダーにアンパックされます。必要なモジュールがアンパックされると、インス トール制御担当者がインストール・メニュー・システムから選択を行い、ターゲ ット・コンピューターに必要な特定のイメージを定義します。イメージが定義さ れると、ターゲット・コンピューターへのインストールが自動的に始まります。 イメージ・コンテンツの作成に必要なすべてのモジュールが、リポジトリーから 取得され、ターゲット・コンピューターの C: ドライブに動的にアンパックさ れ、一連のセットアップ・プログラムを介して実行されて、ターゲット・コンピ ューター上にイメージが作成されます。インストールが完了すると、ネットワー ク作業用フォルダーはネットワークから削除されます。使用されるベース・マッ プの設定によって、インストール処理の最後に以下のアクションのいずれかが発 生する可能性があります。
– サービス・パーティション内に既存のリカバリー・ファイルを更新して、完全
なスマート・イメージを含めることによって、スマート・イメージ内に入って いるすべてのイメージにコンソール・サイド・リカバリーを行うことができ る。
– サービス・パーティション内に既存のリカバリー・ファイルを更新して、イン
ストール済みイメージのみの再作成に必要なマップおよびモジュールを含める ことによって、インストール済みイメージのみのコンソール・サイド・リカバ リーを行うことができる。
– サービス・パーティション内に既存のリカバリー・ファイルを削除することに
よって、コンソール・サイド・リカバリーを削除することができる。
1 ImageUltra Builder の機能 3

スマート・イメージによってサポートされるイメージのタイプ

スマート・イメージには、それぞれ異なるレベルの移植性を実現する、3 つの異な るタイプのイメージを入れることができます。
v ウルトラ・ポータブル・イメージ: このタイプのイメージには、Lenovo が開発し
たか、または ImageUltra Builder を使用して作成されたハードウェアに依存しな いオペレーティング・システム・モジュール、アプリケーション・モジュール、 およびデバイス・ドライバー・モジュールが入っています。
ImageUltra Builder を使用して開発したオペレーティング・システム・モジュール を使用すると、メーカーに関係なく、ほとんどすべてのパーソナル・コンピュー ター・プラットフォーム上で使用できるスマート・イメージを作成できます。唯 一の制限となるのは、オペレーティング・システム・モジュールに割り当てる製 品 ID (PID) に関する Microsoft Corporation とのライセンス契約です。
ImageUltra によって開発されたオペレーティング・システム・モジュールを使用 すると、Lenovo 製の製品ラインのパーソナル・コンピューターで使用できるスマ ート・イメージを作成できます。Lenovo 製の HIIT 対応パーソナル・コンピュー ターのリストについては、以下の ImageUltra Web サイトにアクセスしてくださ い。
http://www-3.lenovo.com/pc/support/site.wss/MIGR-44316.html (英語のサイト です。)
v ポータブル Sysprep イメージ: このタイプのイメージは、 Symantec Norton
GhostSymantec DeployCenter、または Microsoft ImageX などの他社製のイメー
ジ・クローン・ツールによって作成されるものですが、ImageUltra Builder によっ て作成および管理されるその他のモジュールをインストールできるよう、 ImageUltra Builder ツールによって変更されます。その他のモジュールとして、各 種ハードウェア・プラットフォーム間での移植性を高めるデバイス・ドライバ ー・モジュールや、個々の部門のニーズを満たすことができる柔軟性の高いアプ リケーション・モジュールを使用できます。
v ハードウェア固有イメージ: このタイプのイメージは、Symantec Norton Ghost
たは Symantec DeployCenter などの他社製のイメージ・クローン・ツールによっ て作成されます。これは、自己完結型イメージで、その他のモジュールのインス トールは のイメージの作成に使用されたソース・コンピューターのものと同じでなければ なりません。
できません
。ターゲット・コンピューターのハードウェア構成は、目的
これらのイメージ・タイプについては、本書で詳しく後述します。

Sysprep の使用と重要性

ポータブル Sysprep イメージまたはハードウェア固有イメージを使用する予定の場 合、Microsoft ラ・ポータブル・イメージとは異なり、ポータブル Sysprep イメージおよびハード ウェア固有イメージは、Windows セットアップ操作を介して行われたソース・コン ピューターから抽出されたイメージに基づいています。したがって、Sysprep ツール を使用してソース・コンピューターから特定のユーザーおよびハードウェア情報を 削除してからでないと、イメージを他のコンピューターにデプロイできません。
4 ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド
®
Sysprep ツールについて一通り理解しておくことが必要です。ウルト

自分に最適なイメージ・タイプ

ImageUltra Builder を使用してデプロイ対象として選択するイメージのタイプは、会 社で使用される PC の混在度合い、他社製のイメージ・クローン・ソフトウェアが 作成するイメージに対する投資、イメージの作成および変更のための新しい方式を 習得する IT スタッフの意志によって異なります。
例えば、次のとおりです。 v すでにイメージを作成してある既存の PC を保守する場合、既存のハードウェア
固有イメージを、ImageUltra Builder を使用して保存およびデプロイ可能なモジュ ールに変換できます。
v Lenovo PC の各種モデルのみを設置する予定の場合、インポートされた
ImageUltra で開発のオペレーティング・システム・モジュールを使用し、ハード
ウェアのバリエーションに関係なく、Lenovo 製の製品ラインで使用できるウルト ラ・ポータブル・イメージをデプロイできます。
v さまざまなメーカーの PC を組み合わせて設置する場合に、保守するイメージの
数を最小限に抑え、さまざまな PC メーカーのプラットフォームへの移植性を最 大限に高めるには、ImageUltra Builder で作成したオペレーティング・システム・ モジュールを使用して、ウルトラ・ポータブル・イメージを開発するのが最善で す。
v さまざまなメーカーの PC を組み合わせて設置することを予定していて、ウルト
ラ・ポータブル・イメージの開発準備が整っていない場合、ImageUltra Builder を 他社製のイメージ・クローン・ソフトウェアと併用して、アプリケーションまた はデバイス・ドライバー・モジュールのインストールを可能にするポータブル Sysprep イメージを作成し、イメージを多様な PC にデプロイできるようにしま す。
スマート・イメージは 3 つのイメージ・タイプをすべてサポートするため、1 つの ベース・マップ内でイメージを組み合わせて使用できます。
各イメージ・タイプには、それぞれ固有の特性があります。以降の節で、スマー ト・イメージの一部としてデプロイできる各イメージ・タイプの機能、利点、およ び欠点を説明します。

ウルトラ・ポータブル・イメージ

ウルトラ・ポータブル・イメージは、サポートされている 3 つのイメージ・タイプ のうち最も移植性の高いものです。ウルトラ・ポータブル・イメージはインストー ルされていない状態でデプロイされ、インストール時にハードウェア検出のための Windows 完全セットアップを使用するため、事実上、イメージはハードウェアに依 存しません。ウルトラ・ポータブル・イメージは移植性が高い反面、コストがかか ります。このタイプのイメージは、インストールするのに 50 分以上かかります。 それでも、ウルトラ・ポータブル・イメージは、通常、ポータブル Sysprep イメー ジおよび ハードウェア固有イメージよりも長いライフ・サイクルを持ちます。イメ ージは、コア・チップ・セットおよび他のハードウェアのバリエーションに関係な く、多様なパーソナル・コンピューター・プラットフォームで使用できるためで す。
v Lenovo 製のパーソナル・コンピューターの製品からインポートされた ImageUltra
で開発の基本オペレーティング・システム・モジュールを使用する場合、Lenovo
1 ImageUltra Builder の機能 5
製のパーソナル・コンピューターの製品ライン全体で同じウルトラ・ポータブ ル・イメージを使用できますが、他社製のコンピューターでは同じウルトラ・ポ ータブル・イメージを使用することはできません。
v ImageUltra Builder で開発した I386 基本オペレーティング・システム・モジュー
ルを使用する場合、さまざまなメーカーのパーソナル・コンピューターで同じウ ルトラ・ポータブル・イメージを使用できます。唯一の制限となるのは、オペレ ーティング・システム・モジュールに割り当てる PID に関する Microsoft Corporation とのライセンス契約です。
v Microsoft は Windows Vista (R) イメージを Sysprep 形式で配信します。PID
よびその他のカスタマイズを UNATTEND.XML ファイルで提供することが必要 になります。
ウルトラ・ポータブル・イメージの構造
ウルトラ・ポータブル・イメージは、複数のモジュールで構成されます。これら は、ImageUltra Builder で作成されたモジュールか、Lenovo 製のソース・コンピュ ーターのサービス・パーティションまたは隠し区画 (HPA) からインポートされたモ ジュールです。
注:
1. HPA についての詳細は、 45 ページの『ImageUltra Builder の隠し区画 (HPA) と の関連』、または次の Lenovo Web サイトを参照してください。
http://www.lenovo.com/think/support/site.wss/ docview.wss?uid=psg1MIGR­46023 (英語のサイトです)
2. Sysprep モジュールは、Windows XP および Windows 2000 用のウルトラ・ポー タブル・イメージのビルドと連結して使用され、C:¥SWWORK¥SYSPREP フォルダー に置く必要があります。
これらのモジュールは、ImageUltra Builder リポジトリーに保存されます。モジュー ルのタイプの 1 つは レーティング・システム・モジュールには、特定のオペレーティング・システムに 必要なすべてのファイルが入ります。 ImageUltra で開発された基本オペレーティン グ・システム・モジュールは、Lenovo 製のソース・コンピューターのサービス・パ ーティションまたは HPA にあって、ホット・フィックス、パッチ、更新、および サービス・パック用の た
コンテナー・モジュール
基本オペレーティング・システム・モジュール
アドオン・オペレーティング・システム・モジュール
の一部です。
アプリケーション・モジュールやデバイス・ドライバー・モジュール
他のモジュールも、サービス・パーティションまたは HPA に入っています。サー ビス・パーティションまたは HPA に入っているモジュールは、どれでも
ImageUltra Builder リポジトリーにインポートできます。プログラム・リカバリー CD Product Recovery ディスクにしてください。
ウルトラ・ポータブル・イメージは共通のベース・モジュールと共に様々なデバイ ス・ドライバーおよびアプリケーション・モジュールを組み合わせて使用すること ができ、部門固有またはユーザー固有のイメージを可能にします。ウルトラ・ポー タブル・イメージは、モジュールのモジュラー構造および再利用が可能であるた め、従来のイメージよりも、はるかに効率よく保存できます。
です。基本オペ
も収め
などのその
6 ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド
ウルトラ・ポータブル・イメージを開発する場合、ImageUltra Builder を使用して、 デフォルトのユーザー設定を Windows XP の場合は UNATTEND.TXT ファイル、 Windows Vista の場合は UNATTEND.XML ファイルによって事前定義したり、イ ンストール処理の初期段階で、イメージをインストールするユーザーに対して、必 要なユーザー設定の入力を求めるプロンプトを出すプロセスを実装したりすること も可能です。設定は、保存され、必要なときに Windows セットアップ・プログラ ムに提供されます。この機能により、インストール処理の進行中にインストール担 当者がターゲット・コンピューターの前にいなければならない時間を短縮できま す。
一般的に、ウルトラ・ポータブル・イメージは、単一パーティション・インストー ルに限定されます。インストール処理の際に、未使用のディスク・スペースがあれ ば単一の C: ドライブに変えられ、ウルトラ・ポータブル・イメージはそのパーテ ィションにインストールされます。しかし、1 つ以上の追加のパーティションを作 成する必要がある場合は、 レーティング・システム・モジュールを作成し、パーティション・モジュールが基 本オペレーティング・システム・モジュールの前にインストールされるようにイン ストール順序を設定することができます。パーティション・モジュールには、追加 のパーティションの作成に必要なすべての情報および追加のパーティションに入れ るすべてのデータが含まれていています。パーティション・モジュールは、新規イ メージのインストール前に、ターゲット・コンピューター上の 1 つ以上の既存のパ ーティションを削除する場合にも使用します。
パーティション・モジュール
という固有のタイプのオペ
モジュール作成の詳細については 165 ページの『第 8 章 モジュール用ソース・フ ァイルの準備』を参照してください。
ウルトラ・ポータブル・イメージの移植性
技術的には、同じ基本オペレーティング・システム・モジュール、およびほとんど のアプリケーション・モジュールは、事実上、すべてのパーソナル・コンピュータ ーで使用できます。ウルトラ・ポータブル・イメージの高い移植性に制限を加える 要素となるのは、基本オペレーティング・システム・モジュールの PID だけです。
v ImageUltra Builder で開発する I386 基本オペレーティング・システム・モジュー
ルまたは Microsoft Vista UNATTEND.XML モジュールは、事実上、ハードウェ アに依存せず、唯一の制限となるのは、割り当てる PID に関する Microsoft Corporation とのライセンス契約です。 PID は、Windows XP では関連付けられ た UNATTEND.TXT モジュール、Windows Vista では UNATTEND.XML モジュ ールに指定します。これは、Windows 2000 UNATTEND.TXT ファイルの製品 ID 設定、または Windows XP UNATTEND.TXT ファイルの ProductKey 設定 として指定します。UNATTEND.TXT UNATTEND.XML モジュール、および UNATTEND.TXT UNATTEND.XML ソース・ファイルについては、本書で後 述します。
v 新しい Lenovo 製のパーソナル・コンピューターからインポートされた、
ImageUltra で開発の基本オペレーティング・システム・モジュールは、Lenovo
のパーソナル・コンピューターでのみ使用可能で、他社製のコンピューターでは 使用できません。
1 ImageUltra Builder の機能 7
Lenovo 製の HIIT 対応パーソナル・コンピューターのリストについては、以下の ImageUltra Web サイトにアクセスしてください。
http://www.lenovo.com/think/support/site.wss/MIGR-44316.html
(英語のサイトです)
: インポートされた ImageUltra で開発の基本オペレーティング・システム・モ
ジュールを含むウルトラ・ポータブル・イメージは、他社製のコンピュータ ーにインストールしないでください。ウルトラ・ポータブル・イメージを他 社製のコンピューターにインストールすると、デプロイメントまたはインス トールはエラーなしで完了しますが、Microsoft Windows 使用許諾契約書 (EULA) およびこの製品の使用許諾契約書に違反する可能性があります。ま た、Windows XP の場合、インポートされた ImageUltra で開発の基本オペレ ーティング・システム・モジュールを含むウルトラ・ポータブル・イメージ が稼働するのは、他社製のコンピューターにインストール後 30 日だけで す。 30 日が経過すると、イメージをアクティブにするために、オペレーテ ィング・システムおよびコンピューターを登録するよう、Microsoft から要求 されます。同じウルトラ・ポータブル・イメージが、他社製の Windows Vista コンピューターにインストールされた場合、稼働するのは 14 日だけで す。14 日が経過すると、イメージをアクティブにするために、オペレーティ ング・システムおよびコンピューターを登録するよう、Microsoft から要求さ れます。
ウルトラ・ポータブル・イメージでは、ドライバー・マップを使用して、ターゲッ ト・コンピューター上にデプロイされたデバイス・ドライバーのレベルを管理する ことができます。ただし、Lenovo 製のパーソナル・コンピューターにイメージをデ プロイする場合は、ターゲット・コンピューターのサービス・パーティションまた は隠し区画 (HPA) にすでに入っている Lenovo 出荷時導入済みデバイス・ドライバ ーを使用することもできます。出荷時導入済みデバイス・ドライバーを使用する と、イメージ作成プロセスが容易になります。ドライバー・マップおよびデバイ ス・ドライバー・モジュールを意識する必要がないからです。ただし、実際には、 出荷時導入済みデバイス・ドライバーを使用すると、イメージの移植性が Lenovo 製のパーソナル・コンピューターに限定されます。これらのパーソナル・コンピュ ーター以外は、デバイス・ドライバーが入っているサービス・パーティションまた は HPA を持たないためです。ほとんどの場合、ドライバー・マップによってデバ イス・ドライバーを管理するのが最善です。ドライバー・マップを使用すると、移 植性が高まるだけでなく、デバイス・ドライバーを標準化できるため、問題が発生 した場合に診断時間を短縮できます。
固有のドライバー・マップを使用する利点として、ハードディスクに障害が発生 し、交換が必要になった場合にリカバリー目的で ImageUltra Builder を使用できる 点もあります。ドライバー・マップはデバイス・ドライバーをスマート・イメージ の一部としてデプロイするため、既存のドライバーがターゲット・コンピューター に存在する必要はありません。したがって、ドライバー・マップを使用することに よって、スマート・イメージを新しいハードディスクにインストールできます。

ポータブル Sysprep イメージ

サポートされている他社製のイメージ・クローン・ツール (Symantec Norton GhostSymantec DeployCenter または Microsoft ImageX ImageUltra Builder
8 ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド
一緒に使用すると、従来のイメージよりもさらに多様なハードウェアにデプロイで きるポータブル Sysprep イメージを作成できます。
ポータブル Sysprep イメージの構造
ウルトラ・ポータブル・イメージとは対照的に、ポータブル Sysprep イメージは、 ソース・コンピューターのハードディスク・コンテンツの「スナップショット」で す。ソース・コンピューターは、ターゲット・コンピューターで必要な構成と一致 するよう設定されます。しかし、Windows セットアップはソース・コンピューター 上で実行されているため、特定のユーザーおよびハードウェア情報 (たとえば、ユ ーザー ID、パスワード、およびネットワーク設定) はソース・コンピューターのレ ジストリーに記録されます。イメージを抽出するのに他社製のイメージ処理ソフト ウェアが使用される前にこの情報を消去するために、Microsoft Sysprep ツールをソ ース・コンピューター上で実行する必要があります。
従来のイメージ開発にいくつかの小さなバリエーションをインプリメントすること により、イメージにアプリケーションまたはデバイス・ドライバー・モジュールを 付加することができるようになり、デプロイおよびインストール処理時に、そのイ メージがアプリケーションまたはデバイス・ドライバー・モジュールを使用するこ とができるようになります。これらのバリエーションについては、 165 ページの 『第 8 章 モジュール用ソース・ファイルの準備』で詳しく説明します。
Symantec Norton Ghost または Symantec DeployCenter を使用してイメージを作成し た後、ImageUltra Builder を使用して、イメージから基本オペレーティング・システ ム・モジュールを作成してビルドします。モジュールは、モジュール・ビルド処理 中に ImageUltra Builder モジュール・リポジトリーに自動的に保存されます。
ポータブル Sysprep イメージがターゲット・コンピューターのハードディスクにデ プロイされると、インストール処理中にミニセットアップが実行されます。ドライ バー・マップに定義されたデバイス・ドライバーはすべて、C: ドライブにコピーさ れ、ミニセットアップに使用できるようにされます。ミニセットアップは、特定の ユーザー情報の入力を求めるプロンプトを出したり、制限付きハードウェア照会を 実行します。ミニセットアップにより、ハードウェア内での小さなバリエーション (たとえば、オーディオ、ビデオ) に対応できますが、各種のコア・チップ・セット には効率的に対応できません。ポータブル Sysprep イメージは完全な Windows セ ットアップを経る必要はないため、一般的に、Windows セットアップの時間は 10 分以下に短縮されます。 ImageUltra Builder を使用して、デフォルトのユーザー設 定を事前定義したり、インストール処理の初期段階で、イメージをインストールす るユーザーに対して、すべての必要なユーザー設定の入力を求めるプロンプトを出 すプロセスを実装したりすることが可能です。設定は、保存され、必要なときにミ ニセットアップ・プログラムに提供されます。
ミニセットアップが正常に完了すると、ベース・マップによって定義されたその他 のアプリケーションがインストールされます。完全なイメージのインストールにか かる実際のセットアップ時間は、ベース・マップに定義されているアプリケーショ ン・モジュールのサイズと数によって異なります。
ポータブル Sysprep イメージの移植性
ポータブル Sysprep イメージは、Lenovo 製のコンピューターおよび他社製のコンピ ューターで使用できます。追加のデバイス・ドライバーおよびアプリケーションを
1 ImageUltra Builder の機能 9
インストールできるようにすることにより移植性が高まりましたが、それでもハー ドウェア制限があります。原則として、ポータブル Sysprep イメージは、同一また は類似のコンピューター上で使用するためのもので、多くの場合、ポータブル Sysprep イメージはメーカー固有のものです。
類似のコンピューターを構成するものを判別する要素として、さまざまなものが考 えられます。
v ポータブル Sysprep イメージを、ソース・コンピューターと同じシステム・ボー
ド (マザーボード) を持つターゲット・コンピューターにデプロイする場合、イメ ージは正常にインストールされ、動作します。
v ポータブル Sysprep イメージを、ソース・コンピューターとは異なるシステム・
ボードを持つが、同じコア・チップ・セットを持つターゲット・コンピューター にデプロイする場合、イメージが正常にインストールされ、動作する可能性は高 くなります。
v ポータブル Sysprep イメージを、ソース・コンピューターとは異なるシステム・
ボードと異なるコア・チップ・セットを持つターゲット・コンピューターにデプ ロイする場合、イメージが正常にインストールされ、動作する可能性は低くなり ます。

ハードウェア固有イメージ

移植性が最も低いイメージは ハードウェア固有イメージです。ハードウェア固有イ メージは、Lenovo 製のコンピューターおよび他社製のコンピューターに対して開発 でき、デプロイおよびインストールができますが、各イメージは特定のハードウェ アおよびソフトウェア構成に固有でなければなりません。
ハードウェア固有イメージの構造
ハードウェア固有イメージはポータブル Sysprep イメージと似ていますが、追加の モジュールを付加する能力はありません。このイメージは、基本的に、Microsoft Sysprep プログラムが実行された後のソース・コンピューター・ハードディスクの 「スナップショット」です。ハードウェア固有イメージは、ターゲット・コンピュ ーターにデプロイされると、制限付きハードウェア照会を実行しますが、サポート できるハードウェアは、ソース・コンピューターによって提供されたデバイス・ド ライバーに限られます。ハードウェア固有イメージの場合は、ソース・コンピュー ターとターゲット・コンピューターに、ほとんどバリエーションなしのまったく同 じハードウェアが入っている必要があります。また、アプリケーション内のバリエ ーションも、イメージ・デプロイ処理およびイメージ・インストール処理とは別に 扱う必要があります。
ハードウェア固有イメージの移植性
ハードウェア固有イメージは、同一コンピューター上で使用するためのものです。 ハードウェアのバリエーションは、ソース・コンピューター上にデバイス・ドライ バーが提供されたプラグイン装置および周辺装置に限定されます。ソフトウェア・ コンテンツのバリエーションは、デプロイ処理では対処できません。ターゲット・ コンピューターが追加のデバイス・ドライバーまたはアプリケーション・プログラ ムを必要とする場合は、手動でインストールするか、あるいは他のソフトウェア・ デプロイ・メカニズムを使用してインストールする必要があります。
10 ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド

イメージ・タイプの要約

以下の表に、ウルトラ・ポータブル・イメージと関連する特性を要約します。
: Windows Vista には、ウルトラ・ポータブル・イメージがありません。ウルト
ラ・ポータブル・イメージがあるのは Windows XP のみです。
表1.ウルトラ・ポータブル・イメージの特性
説明 利点 欠点
v 完全なモジュラー・アーキ
テクチャー
v Windows セットアップが
実行される前にターゲッ ト・コンピューターでアン パックされる
v プラグ・アンド・プレイ・
ハードウェア検出を使用す る、完全 Windows 無人セ ットアップを使用する
v ユーザー情報は事前定義可
v インポートされた
ImageUltra で開発のモジュ ールを使用する場合、 Lenovo 製のパーソナル・ コンピューターの製品ライ ンで移植性を最大限に引き 出すことができる
v ImageUltra Builder で開発
したモジュールを使用する 場合、Lenovo 製および他 社製のハードウェア・プラ ットフォームで移植性を最 大限に高めることができる
v 信頼性が極めて高い
v アプリケーション・プログ
ラムおよびデバイス・ドラ イバーは、基本オペレーテ ィング・システム・モジュ ールとは別個に追加され る。したがって、共通の基 本オペレーティング・シス テム・モジュールを、ドラ イバー・モジュールおよび アプリケーション・モジュ ールをさまざまに組み合わ せたものと使用して、多数 のイメージ・バリエーショ ンを作成できる。
v イメージのライフ・サイク
ルが長い
v ハードウェアに依存しない
v 保守が容易
v ターゲット・コンピュータ
ーでの初期セットアップ は、Windows オペレーテ ィング・システムのインス トールに要する 50 分のほ かに、すべてのアプリケー ションのインストールに要 する時間がかかる
1 ImageUltra Builder の機能 11
以下の表に、ポータブル Sysprep イメージと関連する特性を要約します。
表2.ポータブル
説明 利点 欠点
v セミモジュラー (ベース・
イメージを付加するための 別個のアプリケーション・ モジュールおよびドライバ ー・モジュールのインスト ールをサポート)
v セットアップは、ソース・
コンピューター上で一度実 行される
v Sysprep は、ユーザー情報
および一部のハードウェア 固有情報をレジストリーか ら削除する
v ターゲット・コンピュータ
ーで、限定されたハードウ ェア照会 (Windows プラ グ・アンド・プレイ機能) を実行する
v ユーザー情報は事前定義可
Sysprep
イメージの特性
v ターゲット・コンピュータ
ーでの初期セットアップ は、通常、ベース・イメー ジについて要する 10 分の ほかに、すべてのアプリケ ーションのインストールに 要する時間がかかる
v 一部の移植性 (ビデオ、オ
ーディオ、ネットワークな ど)
v Lenovo 製のコンピュータ
ーおよび他社製のコンピュ ーターをサポートする
v 基本オペレーティング・シ
ステム・モジュールに大き なコア・アプリケーション (オフィス・スイートなど) を組み込めるため、インス トール時間が短縮される
v イメージは、同一または類
似ハードウェアについての み使用され、ほとんどの場 合、メーカー固有
: Windows Vista の場合、 ポータブル Sysprep イメージ はハードウェアと独立してい ます。
以下の表に、ハードウェア固有イメージと関連する特性を要約します。
表3.ハードウェア固有イメージの特性
説明 利点 欠点
v セットアップは、ソース・
コンピューターで一度実行 される
v アプリケーションおよびド
ライバーは、ベース・イメ ージの一部である
v Sysprep を実行するとユー
ザー情報を削除できる
v ターゲット・コンピュータ
ーでの初期セットアップ は、通常、10 分以下に短 縮される
v イメージは、Lenovo 製の
コンピューターおよび他社 製のコンピューターに対し て開発でき、デプロイおよ びインストールができます が、各イメージは特定のハ ードウェアおよびソフトウ ェア構成に固有でなければ ならない
v ハードウェア・プラットフ
ォームごとに 1 つのイメ ージ
v イメージは、同一コンピュ
ーター上でのみ使用される
v アプリケーションのセット
ごとに固有のイメージを作 成するか、インストール後 にアプリケーションを手作 業で追加する必要がある
v 移植性はなし
12 ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド

2 章 イメージ処理の概要

この章では、ImageUltra Builder と関連する各種プロセスおよびコンポーネントと、 それらの相互関係を理解するのに役立つ情報を提供します。この章に記載されてい るプロセスを完了する方法に関する段階的な手順については、ImageUltra Builder の ヘルプ・システムを参照してください。
ImageUltra Builder は、個々のイメージ・コンポーネントをモジュールとして ImageUltra Builder リポジトリーに保存します。モジュールは、パックされ、圧縮さ
れた自己完結型の単位です。リポジトリー内の他のモジュールと組み合わせて、1 つ以上のイメージを作成できます。各アプリケーションが 1 つのモジュールであ り、各デバイス・ドライバーも 1 つのモジュール、各オペレーティング・システム も 1 つのモジュール、という具合です。
: ハードウェア固有イメージから作成されるイメージは、他のモジュールと組み
合わせてその機能を強化することはできません。 ポータブル Sysprep イメージ から作成されるイメージには、すでにデバイス・ドライバーおよびアプリケー ションが含まれていますが、他のアプリケーション・モジュールおよびデバイ ス・ドライバー・モジュールと組み合わせて、その機能を強化できます。
モジュールは、以下の基本カテゴリーに分類されます。 v オペレーティング・システム・モジュール: オペレーティング・システム・モジ
ュールには、次の 3 タイプがあります。 – 基本オペレーティング・システム・モジュール: これらのモジュールには、コ
ア・オペレーティング・システムの一部であるすべてのコンポーネントが含ま れます。基本オペレーティング・システム・モジュールは、Lenovo 製のソー ス・コンピューターのサービス・パーティションまたは隠し区画 (HPA) から インポートするか、以下のいずれかから作成することができます。
- ハードウェア固有イメージ
- ポータブル Sysprep イメージ
- Windows インストール CD I386 フォルダー
: I386 ベースのオペレーティング・システム・モジュールは、ウルトラ・
ポータブル・イメージ専用です。I386 ベースのオペレーティング・シス テム・モジュールをベース・マップに追加する場合は、ImageUltra カス タマイズ・モジュール、Sysprep モジュール、およびインストールする オペレーティング・システムの適切な基本パーティション用のパーティ ション・モジュール (Win2000 基本パーティション、WinXP Home 基本 パーティション、または WinXP Pro 基本パーティション) も常に追加 する必要があります。 Sysprep モジュールは、Windows XP および Windows 2000 用のウルトラ・ポータブル・イメージのビルドと連結し て使用され、C:¥SWWORK¥SYSPREP フォルダーに置く必要があります。
この I386 ベースのオペレーティング・システム・モジュールを無人で インストールする場合は、UNATTEND.TXT モジュールを作成してベー
© Lenovo 2007. Portions © IBM Corp. 2002, 2005. 13
ス・マップに組み込む必要があります。これらのモジュール、およびソ ース・ファイルの準備とモジュール作成のための段階的な手順について 詳しくは、 165 ページの『第 8 章 モジュール用ソース・ファイルの準 備』を参照してください。
Windows Vista オペレーティング・システム・モジュールをベース・マ ップに追加するときは、以下を伴う必要があります。
v ImageUltra Builder 4.0 Vista カスタマイズ・モジュール v ImageUltra Builder 4.0 Vista サポート・ツール v 該当する Windows Vista パーティション・モジュール
この Windows Vista オペレーティング・システム・モジュールを無人で インストールする場合は、UNATTEND.XML モジュールを作成してベー ス・マップに組み込む必要があります。これらのモジュール、およびソ ース・ファイルの準備とモジュール作成のための段階的な手順について 詳しくは、 165 ページの『第 8 章 モジュール用ソース・ファイルの準 備』を参照してください。
一般に、ハードウェア固有イメージおよびポータブル Sysprep イメージの基本 オペレーティング・システム・モジュールは、Symantec Norton GhostSymantec DeployCenter、または Microsoft ImageX などのイメージ処理ツール によって作成およびインストールされます。インポートされた ImageUltra で 開発の基本オペレーティング・システム・モジュールと、I386 フォルダーから 開発された基本オペレーティング・システム・モジュール (以下、I386
ペレーティング・システム・モジュール
ールを実行する必要があります。
– アドオン・オペレーティング・システム・モジュール: これらのモジュールに
は、オペレーティング・システムのホット・フィックス、サービス・パック、 パッチ、および更新などの項目が含まれます。これらは、アプリケーションに 類似した標準のセットアップ処理を介してインストールします。
– パーティション・モジュール: これらのモジュールは、C: ドライブ以外に 1
つ以上のパーティションを追加する場合、既存の 1 つ以上のパーティション を削除する場合、または I386 基本オペレーティング・システム・モジュール または Microsoft Vista オペレーティング・システム・モジュールで使用でき るパーティションを作成する場合に使用します。ベース・マップに複数のパー ティション・モジュールを組み込んで、さまざまな結果を得ることができま す。
) の場合は、Windows の完全インスト
基本オ
パーティション・モジュールを使用して、追加のパーティションを作成してデ ータを取り込む場合、パーティション・モジュールには、追加のパーティショ ンの作成に必要なすべての情報、および追加のパーティションに入れるすべて のデータが含まれています。一般に、これらのタイプのパーティション・モジ ュールは、Symantec Norton GhostSymantec DeployCenter、または Microsoft DiskPart などのイメージ処理ツールによって作成されます。空のデータ・パー ティションを追加するだけならば、簡単なバッチ・ファイルを作成して、それ をパーティション・モジュールのソース・ファイルとして使用することができ ます。
14 ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド
ハードウェア固有イメージおよびポータブル Sysprep イメージの場合は、新規 C: ドライブをインストールする前または後に、パーティションを追加または削 除するインストール順序を設定することができます。しかし、C: ドライブのイ ンストール後にパーティションを追加するには、パーティションを追加できる だけの十分な未使用ディスク・スペースを残して、C: ドライブを作成しておく 必要があります。
一般に、インポートされた ImageUltra で開発の基本オペレーティング・シス テム・モジュールを使用するウルトラ・ポータブル・イメージは、すべての使 用可能なディスク・スペースを使用するように設計されているため、単一パー ティションのインストールに限定されます。作成する必要がある追加のパーテ ィションが 1 つ以上ある場合は、パーティション・モジュールを作成して、 パーティション・モジュールが基本オペレーティング・システム・モジュール の前にインストールされるようにインストール順序を設定する必要がありま す。
I386 基本オペレーティング・システム・モジュールを使用するウルトラ・ポー タブル・イメージ、またはユーザー作成の Microsoft Vista イメージには、イ ンストールするオペレーティング・システムの適切な基本パーティション用の パーティション・モジュールを組み込む必要があります。Win2000 基本パーテ ィション、WinXP Pro 基本パーティション、および WinXP Home 基本パーテ ィションの各モジュールは、ImageUltra Builder の一部として提供される作成 済みのパーティション・モジュールです。
オペレーティング・システム・モジュールのデプロイおよびインストールは、
ース・マップ
によって管理されます。
v アプリケーション・モジュール: これらの各モジュールには、特定のアプリケー
ション・プログラムに関連したコンポーネントのすべてが含まれます。 – ウルトラ・ポータブル・イメージまたはポータブル Sysprep イメージをビルド
する場合、アプリケーション・モジュールを使用できます。アプリケーショ ン・モジュールのデプロイおよびインストールは、
ベース・マップ
によって
管理されます。
– ハードウェア固有イメージをビルドする場合、そのイメージと一緒にアプリケ
ーション・モジュールを使用することはできません。すべてのアプリケーショ ンが、ハードウェア固有イメージの一部でなければなりません。
v デバイス・ドライバー・モジュール: これらの各モジュールには、特定のデバイ
ス・ドライバーに関連したコンポーネントのすべてが含まれます。 – ウルトラ・ポータブル・イメージまたは ポータブル Sysprep イメージをビル
ドする場合、デバイス・ドライバー・モジュールを使用できます。デバイス・ ドライバー・モジュールのデプロイおよびインストールは、
によって管理されます。
ドライバー・マッ
– ハードウェア固有イメージをビルドする場合、そのイメージと一緒にデバイ
ス・ドライバー・モジュールを使用することはできません。すべてのデバイ ス・ドライバーが、ハードウェア固有イメージの一部でなければなりません。
デプロイ処理中に、デプロイするベース・マップとドライバー・マップを選択しま す。これにより、ベース・マップによって定義されたオペレーティング・システム
2 章 イメージ処理の概要 15
およびアプリケーション・コンテンツと関係なく、デバイス・ドライバー・モジュ ールおよびドライバー・マップを保守できます。
ImageUltra Builder を使用して、モジュールのほか、リポジトリー内で を作成することもできます。コンテナーとは、特殊なタイプのモジュールで、単一 の名前のもとで他のモジュールをグループ化できるようにしたものです。コンテナ ー内のすべてのモジュールのタイプは同じでなければなりません。たとえば、ある 特定のマシン・タイプ用のすべてのデバイス・ドライバーを、デバイス・ドライバ ー・コンテナーにまとめることができます。あるいは、 Windows 2000 基本オペレ ーティング・システム・モジュールを、関連したすべてのアドオン・オペレーティ ング・システム・モジュールと一緒に、オペレーティング・システム・コンテナー にまとめることができます。
I386 基本オペレーティング・システム・モジュールをビルドする場合、I386 基本オ ペレーティング・システム・モジュール、適切な基本パーティション用のパーティ ション・モジュール、ImageUltra カスタマイズ・モジュール、Sysprep モジュール、 および UNATTEND.TXT モジュールを単一のオペレーティング・システム・コンテ ナーにまとめて、すべての必要なコンポーネントをまとめることができます。
コンテナーの使用はオプションですが、マップを作成する際にコンテナーは役立ち ます。個々のモジュールを挿入する代わりに、コンテナー・モジュールを挿入する だけで済むためです。
マップおよびモジュールは、すべてリポジトリーに保存されます。リポジトリーを ImageUltra Builder インターフェースで表示するとき、マップおよびモジュールは、 わかりやすい名前で区別することができます。実際のファイル名は、ImageUltra Builder によって割り当てられます。以下は、リポジトリーのファイルに使用される ファイル拡張子のリストです。
v .CRI: モジュールに関するメタデータ。この情報は、ImageUltra Builder インター
フェース内で使用されます。
v .DMA: ドライバー・マップ v .BMA: ベース・マップ v .IMZ: 圧縮モジュール・ソース v .WIM: ImageX ファイル
コンテナー

イメージを開発するための 5 つの基本ステップ

イメージを開発するための基本ステップは、次の 5 つです。
1. 既存のモジュールのインポート
2. モジュールのビルド
3. ベース・マップおよびドライバー・マップの作成および変更
4. ターゲット・コンピューターへのスマート・イメージのデプロイ
5. ターゲット・コンピューターでのイメージのインストール
本章の後半に、これらの 5 つの基本ステップの詳細を記載します。
16 ImageUltra Builder バージョン 4.0: ユーザーズ・ガイド
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