
KEYSTONE GRシリーズ弾性シートバタフライバルブ GRW/GRL
取り付け&操作マニュアル
次の指示を注意してお読みください。
重要
バルブの取り付けまたは使用の前に、次を実
施することが推奨されます。
1. バルブ/部品を点検し、必要に応じて完全
にクリーニングする必要があります。
2. エラストマー部品には、シリコーングリー
スを塗布する必要があります(シリコーン
グリースが残っていない場合)。
3. シートと接触する全ての表面を完全にクリ
ーニングし、シリコーングリースを塗布す
る必要があります(5か月以上保管されてい
た場合)。
バルブの用途
バルブは、製品マニュアルのP/T図に明示さ
れた圧力/温度の制限内での用途においてのみ
使用が意図されています。
ライン末端での機能を目的としてバルブが使
用される際は、PED Cat-Iの用途のみが許可さ
れます。その他のカテゴリーについては、製
造工場にお問い合わせください。
1 保管&取り扱い
1.1 保管
一定期間(2か月以上)、取り付け前にバルブが
保管される場合、元の輸送用クレートまたは
ケース内に保管する必要があります。
1.1.1 保管条件
バルブは、清潔で乾燥した室内において、床
に触れないように保管する必要があります。
バルブを極度の温度および湿度から保護して
ください。また、過度の埃、湿気、振動、変
形、日光、およびオゾンへの露出から保護し
てください。
推奨事項
1. 温度:保管温度25°C (77°F)以下、0°C
(32°F)以上、可能であれば15°C (59°F)以下
が推奨されます。
2. 湿度:保管条件として、結露が発生しない
ように、乾燥した環境で保管する必要があ
ります。相対湿度は最大50%です。
3. 光線:バルブエラストマーは、特に直射日
光や高い紫外線が含まれた強烈な人工光な
どの光線から保護する必要があります。
4. オゾン:保管室には、オゾンを発生させる
機器が置かれないものとします(ランプや
電気モーターなど)。
1.2 取り扱い
取り扱い中の破損を避けるために、バルブは
手で持ち上げるか、適切な揚重機を使用して
持ち上げる必要があります。バルブ操作シャ
フトやアクチュエーターの周囲、あるいはバ
ルブの水路を通して、揚重機を留めないでく
ださい。バルブは、ボディーフランジ内のボ
ルト穴を通して、ロッドやボルトに留められ
たチェーンまたはスリングを使用して持ち上
げる必要があります。バルブは、輸送中の外
的な事象(衝突、衝撃、および振動)から保護す
る必要があります。
いずれのフランジ保護キャップも、バルブを
パイプラインに取り付ける前に取り外す必要
があります。
輸送パッケージ(クレート、パレット)からバル
ブを慎重に持ち上げます。バルブの取り扱い
中または取り付け中は、バルブ、空気式/電気
式/油圧式アクチュエーター、またはその他の
器具を損傷しないようにします。
2 スペアパーツ
正規のKeystoneスペアパーツの使用のみが
許可されます。サードパーティー製スペアパ
ーツを使用する場合、安全な動作は保証され
ません。
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VCIOM-06269-JA 18/04

KEYSTONE GRシリーズ弾性シートバタフライバルブ GRW/GRL
取り付け&操作マニュアル
警告!
安全を確保するために、バルブに対する作業
を開始する前に次の予防措置を講じることが
重要です。
1. バルブに任意の調整を行う担当者は、適切
な器具を使用する必要があります。 必要な
全ての個人用保護具を装着する必要があり
ます。
2. バルブを取り付ける前に、ラインを減圧す
る必要があります。
3. バルブの取り付けおよび取り扱いについて
は、手動および機械による取り扱い方法の
全側面に関するトレーニングを受けている
担当者のみが実行する必要があります。
4. バルブの誤用は許可されません。たとえ
ば、バルブ、ハンドル、アクチュエータ
ー、またはその他の部品を「よじ登るため
のツール」として使用することはできませ
ん。
5. IDタグに記載されたバルブの圧力/温度の制
限が運用条件内であることを確認してくだ
さい。バルブの銘板のトリム番号は、バル
ブの材質を特定します。バルブ固有のP/T
図およびトリム番号の定義については、製
品マニュアルを参照してください。
6. バルブの材質がパイプラインの流体に対応
していることを確認してください。
3.1 目視によるバルブの点検
1. バルブの銘板に記載された構造材が意図さ
れた運用に対して適切であり、仕様に沿っ
ていることを確認してください。
2. タグ/銘板のID
Manufacturer
(製造業者): Keystone
Model(型式): GRWまたはGRLシリーズ
Nominal size
(公称寸法): DNまたはNPS
M.P.W.P.: 最高許容圧力
Flange compatibility (フランジの互換性):
ANSI 125/150 PN10/16
など
Temperature(温度):
Trim(トリム): 構造材
-40/120°C (-40/250°F)
など
合、最大作動圧力はバルブの定格
圧力の70%に減少します(圧力-温
度状態図を参照)。D最大内径より
大きい場合の用途について、End Of
Line (EOL) サービスは推奨されませ
ん。
- フランジ(またはパイプ)がレイズドフェ
イスの場合、この直径はバルブの寸法YYよ
りも8mm以上大きい必要があります。
バルブ損傷の可能性があるため、フランジガ
スケットは使用しないでください。
Keystoneのシート面設計は、ガスケットが不
要です。
適切な規格に従ったフランジボルトを使用し
てください。
バルブの損傷につながる可能性があるため、
フランジガスケットは使用しないでください!
3.3 バルブの取り付け
バルブは双方向性であり、流れに関してどち
らの方向にも取り付けることができます。バ
ルブは、どちらの方向にも等しく流れを制御
します。推奨される取り付け位置は、シャフ
トに水平の、低い側のディスク端部開口部の
下流部分です(特に、スラリー用途および沈殿
しやすい媒体の場合)。最適なバルブ制御およ
び円滑な性能のためには、直管の引入れ管に
10~20のパイプ径を確保し、直管の引出し管
に3~5のパイプ径を確保することが推奨され
ます。
バルブはバールではありません。フランジ
を広げるためにバルブを使用しないでくだ
さい。シートに損傷が発生することがありま
す。 .
図13 取り付け
YY
最大/最小D
Q
3.2 フランジとパイプの互換性
組み立て前に、バルブのフランジ穴パターン
とパイプが合致することを確認してくださ
い。
フランジは以下の要件を満たす必要がありま
す(図1参照):
- 面内径は以下の通りです。
D最小: バルブ寸法Q+十分なディスク間
隙。
D最大: 標準フランジEN 1092-1、表8、タ
イプ11またはASME B16.5、表8、
ウェルドネック、寸法Bの内径が最
適な内径(ID)となります。D最大
内径がリストされていた数値より
大きく、JIS B 2220フランジタイプ
SOP、 SOHおよびSWより小さい場
2

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取り付け&操作マニュアル
注
• バルブは、アクチュエーターをバルブ上部に取り
付けた状態で、あるいは取り付けていない状態
で、パイプライン内に取り付けることができま
す。ディスクが近接の配管に接触する原因となる
不一致が存在する状況では、ディスクをゆっくり
と回すようにしてください。
• パイプラインシステムが専門的に構築され、バル
ブが適切に取り付けられるようにすることは、バ
ルブ製造業者の責任ではなく、バルブ使用者の責
任です。
• 近接の配管については、取り付け中および取り付
け後に、最小の配管応力がバルブフランジに伝わ
るように配置する必要があります。
• 取り付けの間、バルブの取り扱いおよび持ち上げ
は、前述のセクション「1.2 取り扱い」に掲載さ
れた内容と同じ指示に従って実行される必要があ
ります。
重要
フランジ面の接合は、条件が整った状況にお
いて、埃および/または内容物が存在せず、パ
イプ内部が十分にクリーニングされている必
要があります。
3.3.1 既存のシステム(図2を参照)
1. フランジの距離がバルブの面から面までの
寸法を満たしているかどうかを確認しま
す。バルブを容易に挿入するために、適切
な工具を使用してフランジを広げます。
2. ウェハー形バルブの場合、一部のフランジ
ボルトをパイプフランジに挿入して、挿入
後のバルブの維持を容易にします。
3. ディスクの端部が少なくともボディー内部
の10 mm (⅜”)に位置するようにバルブを閉
めます。
4. フランジ間にバルブを挿入し、バルブボデ
ィーを中央に位置決めし、全てのフランジ
のボルトを挿入します。フランジ-ボルト
を手でしっかりと締めます。
5. バルブをゆっくりと完全に開きます(ディス
クは平行平板またはシャフトヘッド内のキ
ー溝に一致します。キー溝はディスク端部
に向いています)。
6. フランジ-ボルトを手でしっかりと締める
間、徐々にフランジを広げる工具を取り除
くとともに、バルブフランジの位置合わせ
を維持します。
7. ゆっくりとバルブを開閉して、十分なディ
スクのクリアランスを確認します。
8. 適切なトルクまで全てのボルト締めを交互
に行います。締めすぎないようにします。
3.3.2 新しいシステム(図2を参照)
1. ほぼ閉じた位置にあるディスクを使用し
て、それぞれの接合フランジをバルブボデ
ィーの中央に配置します。
一部のフランジ-ボルトを使用してボディ
ーを固定し、ボルトを締めます。
2. 据え付けおよびパイプへの中央位置決めに
は、フランジ-バルブ-フランジアセンブリ
ーを用います。
3. フランジをパイプに仮付け溶接します。
4. ボルトを取り外し、フランジの間からバル
ブを取り外します。
重要
シートに対する熱損傷の原因となるため、フ
ランジ間でボルト止めされたバルブが含まれ
たパイプには、フランジの仕上げ溶接を行わ
ないでください。
5. パイプに対してフランジの仕上げ溶接を行
い、フランジが完全に冷却するまで待ちま
す。
6. 既存のシステムへの取り付けの手順に従っ
て、この段階でバルブを取り付けます。
3.4 バルブの検証
バルブに対して「完全に開く」および「完全
に閉じる」操作を行い、バルブの操作を確認
します。バルブの操作を検証するには、アク
チュエーター上のディスク位置インジケータ
ーまたはハンドルが、アクチュエーターまた
は絞り板上の「完全に開く」と「完全に閉じ
る」のインジケーターの間で回転する必要が
あります。一般的な取り付けでは、バルブデ
ィスクは時計回りで閉じます。
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