
取扱説明書
Instruction Manual
9277
9278
ユニバーサルクランプオン CT
UNIVERSAL CLAMP ON CT
January 2009 Revised edition 8 9277A981-08 09-01H
2009 年 1 月 発行 改訂 8 版

目 次
はじめに
点検
使用前の確認
安全について
ご使用にあたっての注意
1
第 1 章概要
1.1
製品の概要
1.2
各部の名称
7
第 2 章測定方法
2.1
測定方法
2.2
消磁について
9
第 3 章仕様
第 4 章 保守・サービス
4.1
本器のクリーニング
4.2
サービス
12
13
17
17
17
1
1
2
5
7
8
9

__________________________________________________
1
はじめに
このたびは、
オンCTをご選定いただき、誠にありがとうございま
す。この製品を十分にご活用いただき、末長くご使用い
ただくためにも、取扱説明書はていねいに扱い、いつも
お手元に置いてご使用ください。
点検
本器がお手元に届きましたら、輸送中において異常また
は破損がないかを点検してからご使用ください。
特に付属品に注意してください。
万一、破損あるいは仕様どおり動作しない場合は、お買
上店(代理店)または最寄りの営業所にご連絡ください。
使用前の確認
・使用前には、保存や輸送による故障がないか、点検と
動作確認をしてから使用してください。故障を確認
した場合は、お買上店(代理店)か最寄りの営業所に
ご連絡ください。
・ケーブルの被覆が破れたり、金属が露出していない
か、使用する前に確認してください。損傷がある場合
は、感電事故になるので、お買上店(代理店)か最寄
りの営業所にご連絡ください。
HIOKI9277, 9278
ユニバーサルクランプ
_____________________________________________

2
__________________________________________________
安全について
危険
この機器は
IEC 61010
験し、安全な状態で出荷されています。測定方法を間違え
ると人身事故や機器の故障につながる可能性があります。
取扱説明書を熟読し、十分に内容を理解してから操作して
ください。万一事故があっても、弊社製品が原因である場
合以外は責任を負いかねます。
安全記号
この取扱説明書には本器を安全に操作し、安全な状態に
保つのに要する情報や注意事項が記載されています。
本器を使用する前に下記の安全に関する事項をよくお
読みください。
・使用者は、機器上に表示されている マークのところ
について、取扱説明書の
機器の操作をしてください。
・使用者は、取扱説明書内の
必ず読み注意する必要があることを示します。
直流(DC)と交流(AC)の両用を示します。
絶縁保護具(電気用ゴム手袋、電気用ゴム長靴、安全帽等)
を着用して、活線状態の電路に着脱できることを示します。
取扱説明書の注意事項には、重要度に応じて以下の
表記がされています。
安全規格に従って、設計され、試
マークの該当箇所を参照し、
マークのあるところは、
操作や取扱いを誤ると、使用者が死亡または重傷に
険
つながる危険性が極めて高いことを意味します。
操作や取扱いを誤ると、使用者が死亡または重傷に
告
つながる可能性があることを意味します。
操作や取扱いを誤ると、使用者が傷害を負う場合、
注意
または機器を損傷する可能性があることを意味します。
注記
_____________________________________________
製品性能および操作上でのアドバイス的なことを
意味します。

__________________________________________________
3
測定カテゴリ(過電圧カテゴリ)について
本器は
CATII (600V)、CATIII (300V)
測定器を安全に使用するため、
ゴリとして、使用する場所により安全レベルの基準を
CATⅠ〜CAT
Ⅳで分類しています。概要は下記のよう
になります。
CAT I:
CAT II:
CAT III:
CAT IV:
コンセントからトランスなどを経由した機器内
の二次側の電気回路
コンセントに接続する電源コード付き機器(可
搬形工具・家庭用電気製品など)の一次側電路
直接分電盤から電気を取り込む機器(固定設
備)の一次側および分電盤からコンセントまで
の電路
建造物への引込み電路、引込み口から電力量メ
ータおよび一次側電流保護装置(分電盤)まで
の電路
数値の大きいカテゴリは、より高い瞬時的なエネルギー
のある電気環境を示します。そのため、
れた測定器は、
Ⅱで設計されたものより高い瞬時的
CAT
なエネルギーに耐えることができます。
カテゴリの数値の小さいクラスの測定器で、数値の大き
いクラスに該当する場所を測定すると重大な事故につ
ながる恐れがありますので、絶対に避けてください。
特に、
Ⅰの測定器を
CAT
CAT
場所の測定に用いないでください。
測定カテゴリは
IEC60664
の過電圧カテゴリに対応し
ます。
に適合しています。
IEC61010
では測定カテ
Ⅲで設計さ
CAT
Ⅱ、ⅢおよびⅣに該当する
_____________________________________________

4
__________________________________________________
確度について
弊社では測定値の限界誤差を、次に示す
ール)、
(リーディング)に対する値として定義して
rdg.
います。
(最大表示値、目盛長)
f.s.
最大表示値または、目盛長を表します。
一般的には、現在使用中のレンジを表します。
(読み値、表示値、指示値)
rdg.
現在測定中の値、測定器が現在指示している値を
表します。
(フルスケ
f.s.
_____________________________________________

__________________________________________________
5
ご使用にあたっての注意
本器を安全にご使用いただくために、また機能を十二分
にご活用いただくために、下記の注意事項をお守りくだ
さい。
危険
・短絡事故や人身事故を避けるため、ユニバーサルクランプ
オンCTは
以下の電路で使用してください。また裸導体には使用しな
いでください。
・ユニバーサルクランプオンCTは必ずブレーカの2次側に
接続してください。ブレーカの2次側は、万一短絡があっ
ても、ブレーカにて保護します。1次側は、電流量が大き
く、万一短絡事故が発生した場合、損傷が大きくなるので
測定しないでください。
AC600 V(CATII
警告
・本器をぬらしたり、ぬれた手で測定しないでください。感
電事故の原因になります。
・活線で測定するので、感電事故を防ぐため、労働安全衛生
規則に定められているように、電気用ゴム手袋、電気用ゴ
ム長靴、安全帽等の絶縁保護具を着用してください。
)または
AC300 V(CATIII
)
_____________________________________________

6
__________________________________________________
注意
・測定範囲を超える電流を長時間入力しないでください。本
器を破損する恐れがあります。
・直射日光や高温、多湿、結露するような環境下での、保存
や使用はしないでください。変形、絶縁劣化を起こし、仕
様を満足しなくなります。
・本器の損傷を防ぐため、運搬および取扱いの際は振動、衝
撃を避けてください。特に、落下などによる衝撃に注意し
てください。本器を破損します。
・コア部つき合わせ面にゴミなどが付着した場合は、測定に
影響がでますので柔らかい布で軽くふき取ってください。
・コード類の被覆に損傷を与えないため、踏んだり挟んだり
しないでください。
・コードが溶けると金属部が露出し危険です。発熱部等に触
れないようにしてください。
・断線による故障を防ぐため、ケーブル を折ったり引っ張っ
たりしないでください。
・この機器は室内用に設計されています。安全性を損なわな
いで0℃〜40℃の温度まで使用できます。
・高周波大電流を測定するとき、コアが発熱する場合があり
ます。最大許容入力範囲を超えないように注意してくださ
い。(「第3章 仕様」のグラフをご参照ください)
注記
トランスや大電流路など強磁界の発生している近く、
また無線機など強電界の発生している近くでは、正確
な測定ができない場合があります。
_____________________________________________

__________________________________________________
7
第1章概要
製品の概要
1.1
本器は
20 A(9277)、200 A(9278
流対応のセンサとして開発され、電力ラインを切り離す
ことなく、活線の状態で交流・直流電流を測定できま
す。
また、良好な周波数特性(振幅、位相)、良好な温度特性
(感度、オフセット)、耐電圧を有しており、操作、接続
が簡単であるので、多方面での電流、電力測定にご使用
いただけます。
)定格の
AC/DC
電
_____________________________________________
第1章概要

8
__________________________________________________
各部の名称
1.2
レバー
クランプ部
センサヘッド部
電流方向表示マーク
バリア
"LOCK"
出力コネクタ
"UNLOCK"
表示
ツマミ
センサ部
ケーブル
表示
_____________________________________________
第1章概要

__________________________________________________
9
第2章 測定方法
測定方法
2.1
注意
・断線防止のため、出力コネクタを引き抜くときは、差込部
分(ケーブル以外)を持って抜いてください。
・接続機器の電源が入った状態、または測定導体をクランプ
した状態で、コネクタの抜差しをしないでください。本体
およびセンサの故障の原因になります。
・連続最大入力範囲は測定時の自己発熱による温度上昇から
定めた値です。これを超える電流を入力しないでくださ
い。本器を損傷する恐れがあります。
・連続最大許容入力範囲は測定電流の周波数によって異なり
ます。 「第3章 仕様」のグラフをご参照ください。
注記
・測定電流が小さい場合、導体を複数巻くことにより相
対的に感度をあげることができます。導体を10回巻
きした場合、測定電流の10倍の信号が出力されま
す。ただし、巻き線の直径は
なるようにしてください。
以上で放射状に
20 cm
・この製品の信号出力回路は直列に抵抗が挿入されてい
ます。そのため、出力信号を直接測定する場合は、入
力抵抗の十分大きな測定機器を使用するようにしてく
_____________________________________________
ださい。
第2章 測定方法

10
__________________________________________________
クランプ部が開いている場合は閉
1.
じます。
電流方向マーク電流方向マーク
電源側
負荷側
接続機器の電源が
2.
OFF
になってい
るか確認します。
クランプオンCTの出力コネクタを
3.
接続します。
接続機器の電源をONにします。
4.
5. DMAG
スイッチを押して消磁しま
す。(「
消磁について」をご覧く
2.2
ださい)
センサ部のツマミを引き、クラン
6.
プ部を開いてください。
センサ部先端に表示されている電
7.
流方向マークの矢印の方向が被測
定電流の流れる方向と一致するよ
うに被測定導体をクランプしてく
ださい。
被測定導体がクランプ窓部の中央
になるようにしてください。
_____________________________________________
第2章 測定方法

__________________________________________________
注記
導体は必ず一本だけクランプしてください。単相(
本)・三相(3本)を同時にクランプして測定するこ
とはできません。
11
2
センサ部のツマミを
8.
現れるまで押し、レバーを確実にロ
ックします。
"LOCK"
表示が
_____________________________________________
第2章 測定方法

12
__________________________________________________
消磁について
2.2
直流電流測定や交流電流測定時の突入電流などを測定
した後では、クランプに入力がない状態でも微小電圧が
出力されます。これは、クランプに用いているコアの特
性によるもので、コア内に磁気が残るためです。
この残留磁気は測定誤差になりますが、クランプに入力
がない状態で
磁気を取り去ることができます。
注記
・電源投入時、
・入力中に
ん。
・消磁はクランプ部が閉じた状態で行ってください。
・消磁動作は約3秒ほどかかります。
・クランプに過大な電流が入力された後、一回の消磁動
作で完全に残留磁気を取り除けない場合は、一度クラ
ンプを開けた状態で
閉じた状態で再度
・クランプを閉じる場合、突き合わせ面に衝撃が加わる
と、オフセットが出力される場合があります。この場
合、クランプに入力が無い状態で
押すと、正常状態に戻ります。
・直流電流測定の場合、連続最大許容入力以上の入力が
されると、誤動作する場合があります。この場合もク
ランプに入力がない状態で
正常状態に戻ります。
・正常に戻らない場合や、
残留磁気がとりきれない場合は、お買い上げ店(代理
店)か最寄の営業所にご連絡ください。
DMAG
スイッチを押すことにより、残留
DMAG
スイッチを一度押してください。
DMAG
スイッチを押しても消磁はできませ
スイッチを押し、さらに
DMAG
スイッチを押してください。
DMAG
スイッチを
DMAG
スイッチを押すと、
DMAG
スイッチを押しても
DMAG
_____________________________________________
第2章 測定方法

__________________________________________________
13
第3章仕様
形名
定格電流(
出力電圧(
最大許容入力範囲
(DC〜
3kHz
入力抵抗(DC)
出力抵抗
基本確度
確度保証期間
振幅−周波数特性
(基本確度からの偏
差)
位相−周波数特性
温度係数
(0〜40℃にて)
使用温湿度範囲
保存温湿度範囲
導体位置の影響 ±
外部磁界の影響
(
400 A/m, 55 Hz
よびDCの磁界中)
耐電圧 電気回路−ケース間,電気回路−コア間
AC/DC
AC/DC
にて)
23℃±3
)
)
℃
お
_____________________________________________
9277 9278
20 A f.s. 200 A f.s.
2 V/20 A 2 V/200 A
50 Arms (75 Apeak) 350 Arms (500 Apeak)
Ω以下
0.05 m
Ω
50
および45〜
DC
分以上において消磁後
振幅:±
0.5% rdg.±0.05% f.s.
位相:±
年間
1
DC〜1 kHz
1k〜50 kHz
50 k〜100 kHz ±5.0%
DC〜1 kHz
1k〜50 kHz
50 k〜100 kHz ±5.0
感度:±
オフセット:±
0〜40℃,80%rh
-10〜50℃,80%rh
0.5%
Max. 0.2 A Max. 1 A
電気回路−クランプセンサ(窓部)
クランプセンサ(窓部)−ケース間
AC3536 Vrms/15
°以内(ただしDCは規定なし)
0.2
0.05% rdg./
以内(
、ウォーミングアップ
66 Hz
±
1.0%
±
2.5%
±
°以内
0.5
±
°以内
2.5
°以内
℃以内
0.005% f.s./
以下(結露しないこと)
以下(結露しないこと)
) ±
DC,55 Hz
秒間
0.002 m
以内
以内
以内
℃以内
1.5%
Ω以下
以内(
30
DC,55 Hz
,
)
第3章仕様