Hioki 3804 Instruction Manual

取扱説明書
INSTRUCTION MANUAL
3804
ディジタルハイテスタ
DIGITAL HiTESTER
――――――――――――――――――――――――――
目次 1
目 次
はじめに 点検 安全について ご使用にあたっての注意
1 章 概要
1.1 製品概要
1.2 各部の名称と機能
2 章 基本測定
2.1 交流/直流電圧測定
2.2 ダイオードチェック
2.3 抵抗測定/導通チェック
2.4 交流/直流電流測定
2.5 コンデンサ容量測定
3 章 応用機能
3.1 データホールド機能
3.2 リフレッシュホールド機能
3.3 レコーディング機能
3.4 相対値表示機能
3.5 4-20mA 表示機能
3.6 ブザー音の ON/OFF 機能
3.7 セットアップ機能
3.7.1
3.7.2 4-20mA
 オートパワーセーブの時間設定
測定または
0-20mA
測定の選択
34
3.8 RS-232C データ通信機能 36
1 1 2 5
7 7 8
13 14 16 18 20 22
25 26 27 28 30 31 32 33
35
目次 2
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4 章 仕様
4.1 一般仕様
4.2 確度表
39 39 42
5 章 保守・サービス
5.1 電池およびヒューズの交換方法
5.2 本器のクリーニング
5.3 サービス
45 45 47 47
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はじめに
1
このたびは、 いただき、誠にありがとうございます。この製品を十分に活 用いただき、末長くご使用いただくためにも、取扱説明書は ていねいに扱い、いつも手元に置いてご使用ください。
HIOKI3804
ディジタルハイテスタをご選定
点検
本器がお手元に届きましたら、輸送中において異常または破 損がないか点検してからご使用ください。万一、破損あるい は仕様どおり動作しない場合は、お買上店か最寄りの営業所 にご連絡ください。
□付属品
3851-10
ホルスタ 取扱説明書 積層形マンガン乾電池(
テストリード(赤黒各1)
1
1
6F22
1
)(本体内蔵、モニタ用)
1
2
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安全について
この取扱説明書には、本器を安全に操作し、安全な状態を保 つのに要する情報や注意事項が記載されています。本器を使 用する前に、下記の安全に関する事項をよくお読みください。
この機器は IEC 61010 安全規格に従って、設計さ れ、試験し、安全な状態で出荷されています。測定 方法を間違えると人身事故や機器の故障につなが る可能性があります。取扱説明書を熟読し、十分に
警告
内容を理解してから操作してください。万一事故 があっても、弊社製品が原因である場合以外は責 任を負いかねます。
安全記号
・使用者は、機器上に表示されている マークの
所について、取扱説明書の を参照し、機器の操作をしてください。
・使用者は、この取扱説明書の中の
るところは必ず説明を読み、注意する必要があ ることを示します。
二重絶縁または強化絶縁で保護されている機器を 示します。
直流(DC)を示します。 交流(AC)を示します。 直流(DC)と交流(AC)の両用を示します。 接地端子を示します。 この端子には、危険な電圧がかかることを示しま
す。
マークの該当箇所
マークのあ
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取扱説明書の注意事項には、重要度に応じて以下の表記がさ れています。
操作や取扱いを誤ると、使用者が死亡または重傷 につながる危険性が極めて高いことを意味しま
危険
す。 操作や取扱いを誤ると、使用者が死亡または重傷
警告
につながる可能性があることを意味します。 操作や取扱いを誤ると、使用者が傷害を負う場合、
または機器を損傷する可能性があることを意味し
注意
ます。
3
 注記
■確度について
弊社では測定値の限界誤差を、次に示す
rdg.
義しています。
f.s.
最大表示値または、目盛長を表します。一般的には、現在使 用中のレンジを表します。
rdg.
現在測定中の値、測定器が現在指示している値を表します。
dgt.
ディジタル測定器における最小表示単位、つまり最小桁の を表します。
製品性能および操作上でのアドバイス的なことを 意味します。
f.s.
(フルスケール)、
(リーディング)、
(最大表示値、目盛長)
(読み値、表示値、指示値)
(分解能)
dgt.
(デジット)に対する値として定
"1"
4
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■測定カテゴリ(過電圧カテゴリ)について
CATII(1000V),CATIII(600V
本器は 測定器を安全に使用するため、 として、使用する場所により安全レベルの基準を
CAT
Ⅳで分類しています。概要は下記のようになります。
CAT
Ⅰ:コンセントからトランスなどを経由した機器内の
二次側の電気回路
CAT
Ⅱ:コンセントに接続する電源コード付き機器(可搬形
工具・家庭用電気製品など)の一次側電路
CAT
Ⅲ:直接分電盤から電気を取り込む機器(固定設備)の
一次側および分電盤からコンセントまでの電路
CAT
Ⅳ:建造物への引込み電路、引込み口から電力量メータ
および一次側電流保護装置(分電盤)までの電路 数値の大きいカテゴリは、より高い瞬時的なエネルギーのあ る電気環境を示します。そのため、
CAT
器は、 に耐えることができます。 カテゴリの数値の小さいクラスの測定器で、数値の大きいク ラスに該当する場所を測定すると重大な事故につながる恐れ がありますので、絶対に避けてください。 特に、 の測定に用いないでください。 測定カテゴリは
Ⅱで設計されたものより高い瞬時的なエネルギー
CAT
Ⅰの測定器を
IEC60664
IEC61010
CAT
Ⅱ、ⅢおよびⅣに該当する場所
の過電圧カテゴリに対応します。
)に適合しています
では測定カテゴリ
CAT
Ⅲで設計された測定
CAT
Ⅰ〜
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ご使用にあたっての注意
本器を安全にご使用いただくために、また機能を十二分に活 用いただくために、下記の注意事項をお守りください。
使用前の点検
使用前には、保存や輸送による故障がないか、点検と動作確 認をしてから使用してください。故障を確認した場合は、お 買上店(代理店)か最寄りの営業所にご連絡ください。
・リード線の被覆が破れたり、金属が露出してい
ないか、使用する前に確認してください。損傷が ある場合は、感電事故になるので、指定の 3851-
警告
注意
10 と交換してください。
・腐食性のガスや爆発性ガスが発生する場所では
使用しないでください。本器の破損、もしくは爆 発事故を誘発する可能性があります。
・本器をぬらしたり、ぬれた手で測定しないでく
ださい。本器の損傷の原因になります。
・本器の調整や修理は、危険を良く知った技能者
の責任で行なってください。
・本器の使用環境および設置場所は、使用温湿度
範囲 040℃、80% rh 以下の屋内ですが、安全 性を損なわないで-10℃までの範囲で使用でき ます。
5
6
――――――――――――――――――――――――――
・直射日光や高温、多湿、結露するような環境下で
の、保存や使用はしないでください。変形、絶縁 劣化を起こし、仕様を満足しなくなります。
・本器は防水、防じん構造となっていません。ほこ
りの多い環境や水のかかる環境下で使用しな い でください。故障の原因になります。
・強力な電磁波を発生するもの、または帯電して
注意
注記 電池の液漏れによる腐食を防ぐため、長い間使用しない
いるものの近くで使用しないでください。誤動 作の原因となります。
・本器の損傷を防ぐため、運搬および取扱いの際
は振動、衝撃を避けてください。特に、落下など による衝撃に注意してください。
・本器の保護機能が破損している場合は、使用で
きないように廃棄するか、知らないで動作させ ることのないように表示しておいてください。
ときは、電池を抜いて保管してください。
――――――――――――――――――――――――――
第1章 概要
 製品概要
1.1
本器は、直流電圧、交流電圧、直流電流、交流電流、抵抗、 ダイオードチェック、導通チェック、コンデンサ容量測定、
4-20 mA
および タです。 光伝送式の 測定時に便利です。
測定が可能な多機能ディジタルマルチメー
RS-232C
データ通信では、高電圧測定や昼夜連続
7
 製品概要
1.1
8
⑤ ⑩
――――――――――――――――――――――――――
 各部の名称と機能
1.2
LCD ディスプレイ
SHIFT キー REC/HOLD キー REL キー RANGE キー
ファンクション
スイッチ
V,Ω端子 COM 端子
μA, mA 端子 A 端子
 各部の名称と機能
1.2
――――――――――――――――――――――――――
SHIFT キー
SHIFT
キーはファンクションにより機能が異なります。
ファンクション 機能 電圧・電流 AC 測定 /DC測定 の切換え 抵抗・導通 抵抗測定と導通チェックの切換え
SHIFT
キーを1秒以上押すとで次のような働きをします。
ファンクション 機能 電流(mA 4-20mA 表示機能の ON/OFF
REC/HOLD キー
・測定値のホールドの ・リフレッシュホールド機能の
ON/OFF
をします(
ON/OFF
照)。
・1秒以上押すとレコーディング機能の
3.3
参照)。
REL キー
・相対値表示機能を使用するときに押します(
RANGE キー
・オートレンジ(
AUTO
)とマニュアルレンジを切り換えます。 マニュアルレンジの場合1秒以上押し続けるとオート レンジになります。
・マニュアルレンジの場合、レンジアップします。
オートレンジの場合測定値がフルスケールの約9%を下 回ると、レンジダウンします。レンジを超えた入力の場 合には、
"OL"(overload
)が表示されます。
3.1
をします(
ON/OFF
3.4
参照)。
3.2
をします
参照)。
9
 各部の名称と機能
1.2
10
――――――――――――――――――――――――――
⑤ ファンクション・スイッチ(ファンクション・SW
ファンクションの選択、電源の
OFF
電源
DC、AC
ダイオードチェック 抵抗、導通チェック コンデンサ容量
DC、ACμA
DC、ACmA
DC、AC
A
V, Ω, 導通, ダイオード, 容量端子
電圧、抵抗、容量、ダイオードファンクションのときに使 用する端子です。
COM 端子
各測定の共通端子です(テストリードの黒を接続します)。
⑧ μA, mA, 4-20mA 端子
μA、mA、
A 端子
A
測定のときに使用する端子です。
電圧
電流 電流、
電流
4-20mA
測定のときに使用する端子です。
ON/OFF
4-20mA
を行います。
表示
 各部の名称と機能
1.2
――――――――――――――――――――――――――
μ
A
μ
Ω
11
LCD ディスプレイ
APS
AUTO
HOLD
RS232C
REL
REC
MAX-MIN
MAX
AVG
オートパワーセーブ機能が起動していることを示 します。
オートレンジ機能が起動していることを示します。 データホールド中であることを示します。
RS-232C
が使用可能なことを示します。
相対値表示機能が起動していることを示します。
DC
(直流)を示します。
AC
(交流)を示します。 レコーディング機能が起動していることを示します。 最大値−最小値を示します。 最大値を示します。 最小値を示します。
MIN
平均値を示します。 ダイオードファンクションを示します。 導通ファンクションを示します。 電池消耗表示を示します。
mV
Mk
4-20 mA
%
電圧単位を示します。 電流単位を示します。
m
容量単位を示します。
mF
抵抗単位を示します。
表示機能が起動していることを示します。
バーグラフを示します。
 各部の名称と機能
1.2
12
――――――――――――――――――――――――――
注記 電源を ON にしたとき、LCD ディスプレイの全点灯で本
器で使用しない表示も点灯しますが故障ではありません。
 各部の名称と機能
1.2
――――――――――――――――――――――――――
13
第2章 基本測定
感電事故を防ぐため下記のことをお守りくださ い。 ・測定前に必ずファンクションスイッチの位置を
危険
注記 高調波成分を含む電圧(テレビの水平出力など)を測定
測定前の準備
テストリードについている保護キャップを外してください。
確認してください。
・ファンクションスイッチを切り換えるとき は、
テストリードを被測定物から外してください。
する場合、誤動作を起こす可能性があります。
14
――――――――――――――――――――――――――
 交流/直流電圧測定
2.1
・最大入力電圧は、DC1000 V、AC1000 Vrms また
6
VHz です。この最大入力電圧を超えると
10 本器を破損し、人身事故になるので測定しない でください。
・感電事故を防ぐため、テストリードの先端で電
危険
圧のかかっているラインを短絡しないでくだ さ い。
・テストリードによる測定箇所は、安全のため必
ずブレーカの二次側で行なってください。
(1) ファンクションスイッチを「V」にセットします。
キーを押すごとに交流( /直流( )が切
SHIFT
(2)
り換わります。
(3) 黒色のテストリードを COM 端子に、赤色のテストリー
ドを V.
(4) 測定対象回路にテストリードを接続し表示値を読みます。
RANGE
(5)
端子に接続してください。
キーで測定レンジを切り換えることができます。
 交流/直流電圧測定
2.1
――――――――――――――――――――――――――
交流電圧測定
15
直流電圧測定
 交流/直流電圧測定
2.1
16
――――――――――――――――――――――――――
 ダイオードチェック
2.2
・ダイオードチェックファンクションに電圧を入
力しないでください。電圧を入力すると本器を
危険
正常なダイオードは一方向のみ電流が流れます。
破損し、人身事故になります。
・電気事故防止のため、電源を切ってから回路内
の測定をしてください。
(1) ファンクションスイッチを「 (2) 黒色のテストリードを COM 端子に、赤色のテストリー
"端子に接続してください。
ドを"
(3) 測定対象回路にテストリードを接続し表示値を読みます。 (4) ダイオードのアノードへ赤色テストリード、カソードへ
黒色テストリードを接続します。 本器は約 2.5 V までダイオードの電圧落下を測定します。 ダイオードの典型的な電圧落下は 0.30.8 V です。
テストリードを逆に接続すると次のような表示をします。 正常なダイオード :「OL」 短絡したダイオード :両方向とも約 0V 断線しているダイオード :両方向とも「OL
 ダイオードチェック
2.2
」にセットしてください。
――――――――――――――――――――――――――
ダイオードチェック
17
 ダイオードチェック
2.2
18
――――――――――――――――――――――――――
 抵抗測定/導通チェック
2.3
・抵抗/導通チェックのファンクションに電圧を
入力しないでください。電圧を入力すると本器
危険
を破損し、人身事故になります。
・電気事故防止のため、電源を切ってから回路内
の測定をしてください。
(1) ファンクションスイッチを「
さい。
(2) 黒色のテストリードを COM 端子に、赤色のテストリー
ドを
(3) 測定対象回路にテストリードを接続し表示値を読みます。
SHIFT
(4)
が点灯)が切り換わります。このときオートレンジは解 除されます。
SHIFT
(5)
解除され抵抗測定(オートレンジ)になります。 ブザーは各レンジの 100 カウント未満の場合に鳴ります。
 抵抗測定/導通チェック
2.3
端子に接続してください。
キーを押すごとに抵抗測定と導通チェック(
キーを 1 秒以上押し続けると導通チェック機能が
」にセットしてくだ
――――――――――――――――――――――――――
抵抗測定/導通チェック
19
 抵抗測定/導通チェック
2.3
20
――――――――――――――――――――――――――
 交流/直流電流測定
2.4
・電流測定のファンクションに電圧を入力しない
でください。本器を破損し、人身事故になりま
危険
警告
(1) ファンクションスイッチを「A」にセットします。
(2)
(3) 黒色のテストリードを COM 端子に、赤色のテストリー
(4) 測定対象回路にテストリードを接続し表示値を読みます。
(5)
注記 読み値が 400 mA よりも低く、かつ、より分解能が必要
す。
・電気事故を防ぐため、測定回路の電源を一度切
ってから、テストリードを接続してください。
・電気事故を防ぐため、600 V 以上の電位の場合、
回路内の電流測定はしないでください。電流フ ァンクションの過負荷保護は、DC600 V または AC600 Vrms です。
キーを押すごとに交流( /直流(
SHIFT
が切り換わります。
ドを A 端子に接続してください。
キーで測定レンジを切り換えることができます。
RANGE
な場合には、測定対象回路からいったんテストリードを 離し、ファンクションスイッチを「mA」、または「μA」 にセットします。赤色のテストリードはファンクション に合わせて mA.μA 端子に接続してください。
 交流/直流電流測定
2.4
――――――――――――――――――――――――――
交流駆動機器
交流電流測定
21
直流電流測定
 交流/直流電流測定
2.4
22
――――――――――――――――――――――――――
 コンデンサ容量測定
2.5
・コンデンサ容量ファンクションに電圧を入力し
ないでください。電圧を入力すると本器を破損
危険
し、人身事故になります。
・電気事故防止のため、電源を切ってから回路内
の測定をしてください。
(1) ファンクションスイッチを「 (2) 黒色のテストリードを COM 端子に、赤色のテストリー
端子に接続してください。
ドを
(3) テストリードを開放状態で、
をゼロアジャストします。
(4) 測定対象回路にテストリードを接続し表示値を読みます。
注記 ・極性のあるコンデンサは極性に合わせて測定してください。 ・測定する前にコンデンサ中の電荷を放電してください。 ・低容量のコンデンサを測定する場合、付属のテストリードを
使用すると、テストリードが構造上人体からのノイズの影響 で測定値が安定しない可能性があります。その場合には、オ プションの 9617 台付クリップ、または 9618 クリップ形リー ドなどを用いて、人体から測定物を離して測定してください。
 コンデンサ容量測定
2.5
」にセットします。
キーを押し、残存容量
REL
――――――――――――――――――――――――――
コンデンサ容量測定
23
 コンデンサ容量測定
2.5
24
――――――――――――――――――――――――――
 コンデンサ容量測定
2.5
――――――――――――――――――――――――――
25
第3章 応用機能
本器には基本測定以外に次のような応用測定機能が用意され ています。
(1) データホールド機能 (2) リフレッシュホールド機能 (3) レコーディング機能 (4) 相対値表示機能 (5) 4-20mA 表示機能 (6) ブザー音の ON/OFF 機能 (7) セットアップ機能 (8) RS-232C データ通信機能
26
――――――――――――――――――――――――――
 データホールド機能
3.1
キーでホールド機能の ON/OFF を行います。
HOLD
ホールド中はディジタル値をホールドします。ホールド中は 表示に HOLD が点灯します。
注記 ・バーグラフはホールドされず現在の測定値を示します。 ・オートレンジの場合はレンジもホールドします。
 データホールド機能
3.1
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