Ducati S4R, S4R S Maintenance and user Instructions [it]

オーナーズマニュアル
S4R / S4RS
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この度は当社の製品をお選びくださりありがとうございま す。お客様を喜んでドゥカティストの一員としてお迎えい たします。 この新しい Ducati モーターサイクルが日常使用 のみならずロングツーリングにおいても、その走行が常に 快適で楽しいものでありますよう、 Ducati モーターホール ディング社は願っております。 お客様に常により良いサービスをお届けするために、 Ducati モーターホールディング社は、 このマニュアルに記 載された正しい使用方法、特に慣らしの項目に関して遵守 していただくようお客様にお願い申し上げます。 そうする ことで、お客様の Ducati モーターサイクルは常にお客様 の要求に応えてくれるでしょう。 あらゆる修理作業や適切なアドバイスが必要な場合は、 Ducati 正規ディーラーの整備工場にお任せください。 他のどこよりも Ducati を熟知したエキスパート達がいつ も万全の体制でお客様のご要望にお答えいたします。
楽しいライディングを!
メモ
Ducati モーターホールディング社は、 Ducati モー ターホールディング社は、本マニュアルの作成においての 誤記および脱字について一切の責任を負うものではありま せん。 本マニュアルに記載されている情報はすべて、発行 の日付をもって最新のものとします。 Ducati モーターホー ルディング社は、 製品を改良、発展させていくために必要 とされる、あらゆる変更を行う権利を保有します。
安全性、保証、信頼性、そして Ducati モーターサイクル の価値のために、Ducati 純正部品のみをご使用ください。
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目次
目次 4
イントロダクション 6
保証 6 シンボルマーク 6 安全運転上の注意 7 最大積載量 8 製造番号 9
操作系 10
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操作類の位置 10 メーターパネル イモビライザーシステム 16
16
キー コードカード 17 スロットルグリップを使用したイモビライザーによるエン ジン作動禁止の解除手順 18 キーの複製 19 イグニッションスイッチ / ステアリングロック ハンドルバー左側スイッチ
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21
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クラッチレバー ハンドルバー右側スイッチ スロットルグリップ フロントブレーキレバー リアブレーキペダル ギアシフトペダル ギアシフトペダルの位置の調整
リアブレーキ
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24
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ペダルの位置の調整 26
主要構成部品 / 装備 27
配置図 27 燃料タンクキャップ シートロックおよびヘルメットホルダー サイドスタンド リアショックアジャスター フロントフォークアジャスター フロントフォークアジャスター 車高の調整
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31
(MS4R) 33 (MS4RS) 35
運転のしかた 39
慣らしの方法 39 始動前のチェック 41 エンジンの始動 42 モーターサイクルの発進 44 ブレーキング 44 モーターサイクルの停止
45
燃料補給 パーキング 工具セット 47
46
45
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主な整備作業とメンテナンス 48
フェアリングの取り外し 48 燃料タンクの起こし方 49 エアーフィルターの交換 冷却液の液量チェック ブレーキ / クラッチ液量のチェック ブレーキパッドの摩耗チェック スロットルケーブルの調整 53 ケーブル / ジョイント部への注油 バッテリーの充電 チェーンテンションの点検 チェーンの給油 56 ライトバルブの交換 57 ヘッドライトの光軸調整 タイヤ 62 エンジンオイル量のチェック スパークプラグの清掃と交換 モーターサイクルの手入れ 66 長期間の保管 67 いくつかの国のオーナーにとって重要な事項 67
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64 65
53
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メンテナンス 68
メンテナンスプログラム: 公認の整備工場で行うメンテナンス 68 メンテナンスプログラム: お客様が行えるメンテナンス 71
テクニカルデータ 72
全体寸法 (mm) 72 重量 72 燃料補給 73 エンジン 74 タイミングシステム 74 性能データ 75 点火プラグ 75 燃料供給 75 ブレーキ 75 トランスミッション 76 フレーム 76 ホイール 77 タイヤ 77 サスペンション 77 エキゾーストシステム 78 カラーバリエーション 78 電装 78
定期点検 メモ 82
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イントロダクション
保証
お客様ご自身、および製品の信頼性を保証するために、特 に専門的技術が要求される整備作業は、Ducati 正規ディー ラーあるいは公認の整備工場にお任せいただくよう強くお 薦めします。 Ducati 正規ディーラースタッフは高度に熟練しており、最 適な器具を使用して作業を行う能力を保持し、また、 Ducati 純正部品だけを使用して、「ロングライフ」「円滑な 作動」「完璧な互換性」について最良な保証をいたします。
全ての Ducati モーターサイクルには保証書が添付されて
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います。 しかし、車両を競技やそれに類することに使用し た場合には保証の対象外となります。 また保証期間中に、 たとえ車両の一部でも Ducati 純正部品でないものと交換 したり、また改造・変更した場合は、Ducati モーター社の 保証は適用されません。
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シンボルマーク
Ducati モーターホールディング社は、 お客様がモーターサ イクルをより良く理解できるよう、本マニュアルを注意深 く読まれることをお薦めします。 お客様のモーターサイク ルについて、お問い合わせのある場合には、ご購入先の正 規ディーラーあるいは公認の整備工場にお尋ねください。 スタッフからの最新の情報は、お客様の走行に役立つで しょう。 また Ducati モーターホールディング社は、本マ ニュアルが、快適で楽しい走行と、お客様のモーターサイ クルの素晴しい性能を長い間変わらずに保てる一助となる ことを望んでいます。 本マニュアルには特別な意味を持つ注記を盛り込んでいま す。
警告
亡に至らしめる危険性があります。
重要
モーターサイクルおよびその部品類に
損傷を与える危険性があります。
メモ
作業上の追加注意事項です。
文中の「右」、「左」の表記は車両の進行方向に向かっての 位置を示します。
安全運転上の注意
警告
運転する前に読んでください。
多くの事故はしばしば不慣れなために起こります。 走行す る際は常に免許証を携帯していることを確認して下さい。 免許証はお客様のモーターサイクルの運転に適したものが 必要です。 お客様のモーターサイクルを未経験者、および有効免許証 を持っていないライダーに貸してはいけません。 ライダーおよびパッセンジャーは、常に適切なライディン グウエアーを着用し、安全なヘルメットを被らなければな りません。 視界を制限したり、引っかかって操作の妨げになるアクセ サリーや物が付いていない、適切なライディングウエアー を着用してください。 屋内では絶対にエンジンを始動させないでください。 排気 ガスは有毒で、意識喪失や、場合によっては短時間で死亡 に至る危険性ももたらします。 ライダーおよびパッセンジャーは、モーターサイクルが動 いている間は足をフットレストに載せていて下さい。 進路変更や、路面状況の変化に対処できるよう、ライダー は常に両手でしっかりとハンドルバーを保持し、パッセン ジャーは常に両手でしっかりとシート下のリアグリップを 保持して下さい。 走行地域の道交法、および法律を遵守して運転してくださ い。 常に指示された速度制限を厳守するとともに、視界や道路 条件、混雑の状況に合わせて、適切な速度を守ってくださ い。
車線変更をする時や曲がる時は、常に適時に方向指示器を 使用して合図してください。 良好な視界を保ち、前方の車両の " 死 角 " に入って走行し ないようにしてください。 交差点や、私有地の出口に近い場所、駐車場、高速道路へ の進入路等を走行する場合は充分に注意してください。 給油時は常にエンジンを停止し、給油の際、エンジンやエ キゾーストパイプにガソリンをこぼさないよう特に注意し てください。 給油時は絶対に喫煙しないでください。 給油の際に、人体に有毒な気化した燃料を吸い込む可能性 があります。 もしも燃料が皮膚や衣服に付着した場合は、 直ちに石鹸と水で洗浄し衣服を取り替えてください。 モーターサイクルから離れる場合は、常にキーを抜いてく ださい。 エンジン、エキゾーストパイプ、マフラーはエンジン停止 後も長時間熱くなっています。
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モーターサイクルは人や物がぶつからないような場所にサ イドスタンドを使用して駐車してください。 平坦でない場所や柔らかい土壌には駐車しないでください。 モーターサイクルが転倒する恐れがあります。
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最大積載量
お客様のモーターサイクルは、許容最大重量の荷物を積載 しても、長距離を安全かつ快適に走行できるよう設計され たものです。 モーターサイクル上にバランス良く重量を配分することは 通常の安全走行に必要な注意で、特に凸凹道を走行したり、 急な進路変更を必要とする時のトラブルを避けるため重要 です。
積載量について 走行時の全車体重量はライダー、パッセンジャー、荷物、 オプションパーツの重量を含んだ合計で、 390 Kg を超えてはなりません。
積み荷や重いオプションパーツ類はモーターサイクルの中 心に近く、できる限り低い位置に配置するようにして下さ い。 積み荷はモーターサイクルにしっかりと固定して下さい。 積み荷が完全に固定されていないとモーターサイクル転倒 の原因になります。 ハンドルバーやフロントマッドガード部に体積や重量のあ るものを載せないでください。ステアリングの妨げになり、
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モーターサイクルの安定性を損ないます。 フレームのすき間に積み荷物を挟み込まないでください。 可動部分の妨げになる恐れがあります。 タイヤが、62 ページに定められた適正空気圧を保持し、ま た良いコンディションにあることを確かめてください。
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製造番号
すべての Ducati モーターサイクルはフレームナンバー ( 図 1) とエンジンナンバー ( 図 2) の 2 つの製造番号で 確認できます。
フレーム ナンバー
エンジン ナンバー
メモ
モーターサイクルのこれらのモデル識別番号は、部品
の請求時に必要となります。
図1
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図2
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操作系
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この章には、お客様がモーターサイクルを運転する上 で必要な全ての操作類の機能と配置を詳しく説明していま す。 操作類を使用する前に、注意深く読んでください。
操作類の位置 ( 図 3)
1) メーターパネル
2) イグニッションスイッチとキーによるステアリング
ロック
3) ハンドルバー左側スイッチ
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4) クラッチレバー
5) ハンドルバー右側スイッチ
6) スロットルグリップ
7) フロントブレーキレバー
8) ギアシフトペダル
9) リアブレーキペダル
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図3
メーターパネル
1) ハイビームパイロットランプ (青). ライトがハイビームのときに点灯します。
2) 方向指示器パイロットランプ (緑). 方向指示器の作動時に点滅します。
3) 燃料警告灯 (黄色). 燃料タンクの残燃料が約 3.5 リットルになったときに点灯 します。
4) ニュートラルパイロットランプ N (緑). ギアポジションがニュートラルのときに点灯します。
5) エンジンオイルプレッシャーパイロットランプ (赤色).
エンジンオイル圧力が低すぎるときに点灯します。 イグ ニッションスイッチを ON にすると点灯し、エンジンが始 動して数秒後に消灯します。 エンジン温度が非常に高い場合に数秒間点灯することがあ りますが、エンジン回転数の上昇とともに消灯します。
重要
このパイロットランプが点灯したままのときは、モー ターサイクルを使用しないでください。エンジンに損傷を 与える恐れがあります。
6) パイロットランプ( 橙色 ) 駐車時 ( イモビライザー作動中 ) に点滅します。また、イ
モビライザーの診断にも使用されます。
メモ
イモビライザーが作動されると、パイロットランプは 24 時間 点滅しその後消灯します。イモビライザーは作動 したままです。
( 図 4.1 および 図 4.2)
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図 4.1
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7) EOBD パイロットランプ (橙色 ) エンジンがブロックしている時に点灯します。 数秒後に消 灯します(通常 1.8 - 2 秒)。
8) スピードメーター (km/h) 走行速度を表示します。 a) 液晶パネル (1):
- オドメーター (km). 総走行距離を表示します。
- トリップメーター (km) リセット後の走行距離を表示します。
- 燃料トリップメーター 燃料警告灯が点灯したときに、リザーブタンクの残燃料 を走行キロメートルで表示します。
9) タコメーター (rpm)
エンジンの 1 分間の回転数を表示します。 b) 液晶パネル (2):
- 時計
- 冷却水温度
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a
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b
図 4.2
液晶パネルユニットの機能 キーを OFF から ON に回すと、メーターパネルのすべての 機器 ( 針、ディスプレイ、パイロットランプ ) が点検され ます ( 図 5 および 図 6 を参照 )。
液晶パネルユニット (1) キーが ON の位置でボタン (B、図 6) を押すと、トリップ メーターとオドメーターが交互に表示されます。燃料警告 灯が作動している場合は、リザーブタンクの走行距離のキ ロメートルが表示されます ( 燃料トリップ機能 )。
トリップメーターのリセット TRIP 機能(トリップメーター機能)でボタン (B, 図 6) を 2 秒以上押し続けるとディスプレイ(液晶パネル 1)がリ セットされます。
液晶パネルユニット (2) キーが ON の位置でボタン (A、図 6) を押すと時計とオイ ル温度が表示されます。
時計の調整 ボタン (B、図 6) を 2 秒以上押し続けると、ディスプレ イ (2, 図 6) には時刻が表示されます。 ボタン (A、図 6) を押して AM/PM を調整します。 ボタン (B) を押して「時」の調整をします。 ボタン(A)を数回押 して、「時」を設定します。 ボタン (B, 図 6) を押して
「分」の調整をします。
ボタン (A) を押して分を進めます。 5 秒以上押し続けると 数字が速く送られます。 ボタン (B) を押して時計の調整 モードを終了します。
OFF
図5
CHECK
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A
B
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図6
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冷却水温度の表示機能 冷却水温度が 40 °C/104 °F 未満になると、ディスプレ イに "LO" という文字が表示されます。120 °C/248 °F を 超えると、"HI" という文字が表示されます。
燃料残量のパイロットランプ 燃料警告灯のパイロットランプが点灯した場合、ディスプ レイ (2, 図 6) に "FUEL" の文字が表示されます。燃料ト リップ機能が作動している場合はディスプレイ (1, 図 6) には “F” (FUEL) の後にリザーブタンクの走行距離のキロ メートルが表示されます。
点検指示 キーを ON の位置に回すたびに 5 秒間ディスプレイ (1, 図 6) に "MAInt" と表示され、 定期点検の時期に来ている ことを知らせます。 ディスプレイに “MAInt” と表示された 場合は、正規ディーラーあるいは公認の整備工場にお尋ね ください。
メーターパネルのバックライト キーを ON の位置に回し、5 秒以内にボタン (B、図 6) を 押すと、ボタンを押すごとにメーターパネルの輝度が変わ
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ります。
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メーターパネルコントロールボタンを操作する場合 は、モーターサイクルを停車してから行ってください。 モーターサイクルの運転中は、いかなる理由があっても メーターパネルコントロールボタンの操作は行わないでく ださい。
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ヘッドライトの自動消灯機能 ヘッドライトが自動的に消えるので、バッテリーの消費を 抑えることが出来ます。 次の 2 つの場合、この機能は作動します:
- ひとつは、キーを OFF から ON に回した後、エンジンが 始動されなかった場合。 60 秒経つとヘッドライトは消 え、次にキーを OFF から ON に回した時にのみ、または エンジンを始動した結果として、再び点灯します。
- 次は、モーターサイクルを通常に使用した後、ヘッドラ イトが点灯したまま、エンジンストップ (1, 図 12) の ボタンを使ってエンジンを止めた場合。 この場合、エン ジンを止めてから 60 秒経つとヘッドライトは消え、次 にエンジンを始動した時、あるいはキーを OFF から ON に回した時に再び作動します。
メモ
エンジン始動のときも、システムではヘッドライトが いったん消えるようにします。エンジンがスタートしてか ら再び点灯します。
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イモビライザーシステム
このモーターサイクルは、盗難防止機能の向上のためイモ ビライザーを装備しています。イモビライザーはイグニッ ションスイッチ OFF 時にエンジンの作動を禁止する電子シ ステムです。 出力信号を調整する電子装置が各イグニッションキーの ハンドグリップに内蔵されています。この信号はイグニッ ションを ON に回した時、スイッチに内蔵された特殊アン テナから出力され、毎回変更されます。 この変調信号は
「パスワード」として機能し、「認可」イグニッションキー
がエンジンの始動に使用されていることを CPU に伝達しま す。CPU は信号を認識すると、エンジンを始動させます。
キー (図 7)
オーナーに支給されるキーは以下の 1 組です。
- キー A (1 本 ) ( 赤色 ) この「赤いキー」はメンテナンスの道具であり、モーター サイクルのイモビライザーシステムの一部です。 キーにはイモビライザーシステムの「コード」が内蔵され ており、日常には使用しないでください。 メンテナンス作 業を実施するために、Ducati ディーラーは、お客様にこの
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キーを持参するように尋ねる場合があります。 安全のため に、この赤いキーは交換することはできません。 メンテ ナンス作業にキーが必要な時、キーを提供できない場合は、 エンジンコントロールユニット、メーターパネル、イグ ニッション装置を交換する必要が生じ、これらの交換費用 はかなり高く、またお客様の負担となります。 赤いキーは 安全な場所に保管してください。
- キー B (2 本 ) ( 黒色 )
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警告
キー A ( 赤色 ) には、キーをベストな状態に保ち、 他のキーとの接触を防ぐためゴム製のカバーが取り付けら れています。 必要な場合以外は絶対にこのカバーを取り外 さないでください。
キー B は通常使用するイグニッションキーで、以下に使用 します。
- エンジン始動
- 燃料タンクキャップのロック解除
- シートのロック キー A にはキー B と同様の機能があります。また必要な場 合は、黒色キーの削除および再プログラムができます。
B
A
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図7
メモ
3 本のキーには識別番号を記載した小型プレート (1)
が付属しています。
警告
キーはそれぞれ別の場所に保管してください。プレー ト (1) およびキー A は安全な場所に保管してください。 モーターサイクル使用時には、2 本のうちのどちらか 1 本 の同じ黒色キーを常に使用することをお薦めします。
コードカード
キーには以下が記載されたコードカード ( 図 8) が付属し ています。 電子コード (A、図 9) は、イグニッションキー を ON にしてもモーターサイクルが始動しないなど、エン ジンの作動のブロック時に使用します。
警告
コードカードは安全な場所に保管してください。 ただ し、スロットルグリップを使用した手順に従いロック解除 しなければならない場合に必要となるので、モーターサイ クルを運転する際には電子コードが印刷されているコード カードを携帯するようお薦めします。 イモビライザーシステムに不具合がある場合、橙色の EOBD パイロットランプ (7, 図 4.1) が点灯するので、以下の方 法で「エンジン作動禁止」機能を無効にできます。 ただしこの操作は、コードカードの電子コードを知ってい る場合にのみ実施可能です。
図8
A
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図9
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スロットルグリップを使用したイモ ビライザーによるエンジン作動禁止 の解除手順
1) キーを ON に回します。スロットルを全開に保持します。 そのままの状態にします。 8 秒後に EOBD (7, 図 4.1) パイロットランプが消灯しま す。 2)EOBD パイロットランプが消灯したら直ちにスロットル を戻します。 3)EOBD パイロットランプが点滅します。 ここで、解除用 の電子コードを入力します。このコードは、納車時に ディーラーからお客様に渡される CODE CARD に記載されて います。 4)EOBD パイロットランプの点滅回数がシークレットコー ドの最初の数字と同じになるまで数えます。 スロットルグリップを 2 秒間全開のポジションにし、そ の後放します。 1 桁目の入力が認識されると、EOBD パイ ロットランプが 4 秒間点灯します。 この手順を繰り返し て、最後の数字まで入力します。 スロットルグリップをまったく操作しないと、EOBD パイ ロットランプが 20 回点滅した後、点灯状態になります。
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この場合は、手順 1 からやり直す必要があります。
5) スロットルグリップを放した時コードが正しく入力され ていると、EOBD パイロットランプが点滅して解除が行われ たことを示します。 4 秒後にパイロットランプは通常の状 態(消灯)に戻ります。
6) コードが正しく入力されなかった場合は、EOBD パイ ロットランプが点灯したままとなります。この場合は、 キーを OFF の位置に戻し、手順 1 から何度でもやり直すこ とができます。
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メモ
作動値 イグニッションキーを ON から OFF に回すたびに、イモビ ライザーがエンジンの作動を禁止します。 エンジンを始動 するため、イグニッションキーを OFF から ON に戻すと以 下のようになります。
1)CPU がコードを認識すると、メーターパネルのパイロッ トランプ (6, 図 4.1) が短時間点滅します。 これはイモビ ライザーシステムがキーコードを認識し、エンジン始動が 可能なことを示します。 START ボタン (2, 図 12) を押す と、エンジンが始動します。
2) パイロットランプ (6、図 4.1) または EOBD パイロット ランプ (7、図 4.1) が点灯したままの状態の場合は、コー ドが認識されなかったことを示します。 この場合、イグ ニッションキーを OFF に戻し、再度 ON にします。これで もエンジンが始動しない場合は、もう 1 本の黒色キーで試 してみてください。 このキーでも始動しない場合は、 DUCATI サービスネットワークにご相談ください。
3) パイロットランプ (6、図 4.1) が点滅したままの場合 は、イモビライザーシステムの不具合がスロットルグリッ プを使用した解除手順などによりリセットされたことを示 します。 キーを OFF にしてから ON に戻すと、イモビライ ザーパイロットランプは正常作動に戻ります(手順 1 参 照)。
警告
キーは電子部品を内蔵しています。落とす、またはぶ つけると損傷する恐れがあります。 作業中は 1 本のキーのみを使用してください。 複数のキー を使用すると、使用するキーのコードをシステムが認識で きない場合があります。
キーの複製
キーを複製したい場合は、お手持ちのすべてのキー、およ びコードカードを DUCATI サービスネットワークにお持ち ください。 DUCATI サービスが合計 8 本まで新しいキーのプログラム およびオリジナルキーの再プログラムを行います。 この時お客様がモーターサイクルの正当な所有者である証 明を求める場合があります。必ず証明できる書類をお持ち ください。 お持ちにならなかったキーのコードは、キーを紛失した場 合使用できないようにするためメモリから削除されます。
メモ
キーおよびコードカードを新しい所有者にお渡しください。
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イグニッションスイッチとステア リングロック
燃料タンクの前に配置され、4 つのポジションが選べます。 A) ON: ライト ON、エンジン作動
B) OFF: ライト OFF、エンジン停止 C) LOCK: ステアリングロック D) P: パーキングライトおよびステアリングロック
メモ
キーを (C)、(D) の位置にするには、押してから回し てください。 (B)、(C)、(D) の位置ではキーを引き抜くこ とができます。
(図 10)
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A
B
O
N
F
F
OO
H
S
U
P
L
O
C
K
N
O
I
P
T
I
N
G
C
I
D
図10
ハンドルバー左側スイッチ
1) ライト切り替えスイッチ = 2 つのポジションがありま す。 ポジション = ロービーム ポジション = ハイビーム
2) スイッチ = 方向指示器には 3 つのポジションがあ ります。 中央 = OFF ポジション = 左折 ポジション = 右折 方向指示器を消すには、中央に戻ってきたレバーを押して 下さい。
3) スイッチ = 警告ホーン
4)スイッチ = ハイビーム点滅
クラッチレバー (図 11)
クラッチを操作するレバー(5)にはアジャスターノブ(6) が付いており、レバーとグリップとの間隔を調整できます。 レバーとグリップとの間隔はノブ (6) を使用して調整 (10 段階 ) します。 レバーとグリップとの間隔を広くするには ノブを時計回りに回転させます。 間隔を狭くするには反時 計回りに回転させます。 レバー (5) を引くと、エンジンの回転がトランスミッション およびリアホイールに伝わらなくなります。 クラッチの適 切な操作は、スムーズなライディング、特に発進時に重要 です。
(図 11)
6
5
1
警告
サイクルを停止させた状態で行います。
重要
クラッチレバーを正しく操作することで、トランス ミッションのダメージを回避し、モーターサイクルの寿命 を延ばすことができます。
メモ
4
3
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図11
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ハンドルバー右側スイッチ
1) ENGINE STOP(エンジン停止)スイッチ = 2 つのポジ ションがあります。
ポジション (RUN) = エンジン作動 ポジション (OFF) = エンジン停止
警告
このスイッチは、エンジンを直ちに停止させることが 必要な緊急時等に使用することを目的としています。 エン ジン停止後は、スイッチを作動ポジション にし、モー ターサイクルの始動ができるようにします。
重要
ライトを点灯させて走行し、スイッチ (1) でエン ジンを切りキーを ON の状態にしたままにするとライトが 点いたままになるのでバッテリーを消費する原因になりま す。
2) スタータースイッチ = エンジン始動
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スロットルグリップ (図 12)
ハンドルバー右側のスロットルグリップ (3) は、スロット ルバルブを開く操作をします。 スロットルを開けている時 にグリップの握りを緩めると、自動的に元の位置 ( アイド リング状態 ) に戻ります。
( 図 12)
22
1
2
3
図12
フロントブレーキレバー
レバー (4) をグリップの方向へ引くと、フロントブレーキ を作動させることができます。 このレバーは油圧で作動す るため、軽く握るだけで充分です。 レバーにはアジャスターノブ (5) が付いており、レバーと グリップとの間隔を調整できます。 レバーとグリップとの間隔はノブ (5) を使用して調整 (10 段階 ) します。 レバーとグリップとの間隔を広くする にはノブを時計回りに回転させます。 間隔を狭くするには 反時計回りに回転させます。
警告
これらのレバーの操作を行う前に以下のページの指示
をページ 44 にお読みください。
( 図 13)
5
4
図13
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23
リアブレーキペダル
ペダル (1) を下に踏むことで、リアブレーキが機能しま す。 システムは油圧式で作動します。
ギアシフトペダル ( 図 15)
ギアシフトペダルには自動的に戻る中央のニュートラル位 置 N とその他 2 方向に作動します。 下方 = 1 に押します。 ニュートラルのポジションから 1 速にチェン ジした時に、メーターパネルのパイロットランプ N が消え ます。 上方 = 2 速ギア、そして引き続き 3 速、4 速、5 速 、6 速 へシフトアップしていくときはペダルを上げます。 1 回の操作が一速分のチェンジに相当します。
速へのチェンジおよびシフトダウンはペダルを下
(図 14)
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1
図14
6
5
4
3
2
N
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1
図15
ギアシフトペダルの調整
フットペグと連携するギアシフトペダルポジションはライ ダーの好みに合わせて調整できます。 シフトペダルの調整は以下の手順で行います。 タップ (2) でリンケージ (1) を固定し、ロックナット (3) および (4) を緩めます。
メモ
ナット (3) は逆ネジです。
リンケージ (1) を回して、シフトペダルを好みの位置に合 わせます。 リンケージに対して両方のロックナットを締めます。
(図 16)
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1
2
4
図16
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リアブレーキペダル の調整
ライダーの好みに合わせて、フットレストに対するリアブ レーキペダルの位置を調整できます。 リアブレーキペダルの調整は以下の手順で行います。 ロックナット (5) を緩めます。 アジャスター (6) を回して、ペダルを好みの位置に合わせ ます。 ロックナット (5) を締めます。 ペダルを手で押しながら、ブレーキがかかり始めるまでに 約 1.5 ~ 2 mm の遊びがあるかを確認します。 遊びが上記の範囲にない場合には、マスターシリンダー ロッドの長さを次の手順で調整します。 ロッドの上にあるロックナット (7) を緩めます。 ロッド (8) をフォーク (9) に締め込むと遊びが増加し、緩 めると遊びが減少します。 ロックナット (7) を締めてロッドを固定し、再度遊びを確 認します。
(図 17)
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7
8
9
6
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図17
主要構成部品 / 装備
配置図 (図 18)
1) 燃料タンクキャップ
2) シートロック
3) ヘルメットホルダーケーブルピン
4) パッセンジャー用ハンドルグリップ
5) サイドスタンド
6) バックミラー
7) リアショックアジャスター
8) フロントフォークアジャスター
9) 燃料タンクリンケージ
10) シートカバー
11) 燃料タンク固定レバー
12) 触媒
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5
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1
8
4
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7
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11
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図18
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燃料タンクキャップ
開け方 キャップのプロテクションカバー (1) を起こし、イグニッ ションキーを差し込み、 時計回りに 1/4 回転回してロック を解除すれば、キャップを開けることができます。 キャップを持ち上げてください。
閉め方 キーの差し込まれたキャップを閉じ、 キーを反時計回りに 元の位置に回してから抜き取ります。 プロテクションカバー (1) を閉めます。
(図 19)
1 4
OPEN
0
1
メモ
キャップはキーが差し込まれていないと閉じられま せん。
警告
給油を行った後は(ページ 45 参照)毎回必ず キャップが正しい位置できちんと閉められているか確認し
JP
てください。
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図19
シートロックおよびヘルメットホル
( 図 20 および 図 21)
ダー
開け方 錠にキーを挿し込み時計方向に回してフレームからシート の留め金を外します。 シートを後方に引きいて前面のス トッパーから抜き取ります。 シート下の後方にあるスペースにヘルメットホルダーケー ブルがあります (1) (ページ 47). ケーブルをヘルメット に通し、ケーブルの先端をピン (2) の中に入れます。 ヘル メットを下げ、シートを元の通りに固定します。
警告
この装置はモーターサイクルを駐車させている間にヘ ルメットを安全確実に保持しておくためのものです。 走行 中はヘルメットを車体から下げておかないでください。 運 転操作の妨げになり、車両のコントロールを失う危険性が あります。
閉め方 全ての構成部品や装備がシート下のスペースに正しく収め られ固定されていることを確認してください。 シート基底 部の前端部分をフレームのスタンド下部に挿し入れてから、 シートの後端部分を錠の掛け金がカチッと音がするまで押 し込みます。 シートがフレームにしっかりと固定されたこ とを確認し、キーを錠から抜いてください。
0
O
P
E
N
1
図20
1
JP
2
図21
29
サイドスタンド
重要
サイドスタンドを使用する前に、地面が適している
か、平らであるかを確かめてください。
柔らかい地面、砂利、日光で柔らかくなったアスファルト 等にパーキングすることは、モーターサイクルに損傷をも たらす転倒の原因となります。 もしも傾斜面にパーキングする場合、常にリアホイール側 を斜面の低い方になるようにしてください。 サイドスタンドを使用するには、つま足で ( ハンドルバー を両手でつかんでモーターサイクルを支えながら ) スタン ドのフック (1) を止まるまで矢印方向に押します。 次に モーターサイクルを、スタンドがしっかりと路面に着くま で徐々に傾けていきます。
警告
サイドスタンド使用時には、モーターサイクルにまた
がらないでください。
JP
サイドスタンドを元の位置 ( 水平位置 ) に戻すには、モー ターサイクルを右側に傾けながら、足の甲でフック (1) を 持ち上げます。
(図 22)
メモ
定期的にスタンド ( 内側と外側 2 つのスプリングの 損傷と摩耗 ) と安全センサー (2) の作動を点検することを お薦めします。
メモ
30
2
1
図22
リアショックアジャスター
図 24、図 25 および 図 26)
リアショックアブソーバーは荷重に合わせて調整できるよ う外部アジャスターを装備しています。 アジャスター (1 図 23 および 図 25) は、アブソーバー下 部のスイングアームとの接続部にあり、リバウンド側の ダンピング(油圧ブレーキ)を調節します。 アジャスター (2 図 24 および 図 26) は、フレーム左側の リザーバータンクに配置され、コンプレッションダンピン グの調整に使用します。 アジャスター (1) および (2) を時 計回りに回すとダンピングが強くなり、反対方向に回すと 弱くなります。 標準設定 (MS4R): いっぱいに締めた状態からアジャスター (1) を 12 段、ア ジャスター (2) を 12 段回します。 スプリングプリロード 19 mm です。 標準設定 (MS4RS): いっぱいに締めた状態からアジャスター (1) を 10 段、ア ジャスター (2) を 12 段回します。 スプリングプリロード 11 mm です。 アブソーバー上部の 2 枚のリングナット (3 図 24 および 図 26) は、スプリングプリロードの調整に使用します。 スプリングプリロードを変更するには、上側のリングナッ トをピンレンチで回します。 時計回り、または反時計回り に下部リングナットを回し、プリロードを増大させたり減 少させたりして好みの強さに調整します。 適切なプリロー ドが得られたら、上側のリングナットを締めます。
(図 23、
MS4R
H
S
1
図23
MS4R
3
JP
2
図24
31
警告
プリロードのリングナットを回すためのピンレンチ は、適正なもののみを使用してください。 また、調整中に レンチのピンがいきなりナットの溝から外れると、手を モーターサイクルの他の部分に強くぶつける恐れがあるの で充分注意してください。
警告
ショックアブソーバーには高圧のガスが充填されてい ます。未経験者による分解作業は重大な損傷の原因となり ます。
MS4RS
H
S
1
図25
MS4RS
JP
3
2
図26
32
フロントフォークアジャスター
( 図 27 および 図 28)
このモーターサイクルのフロントフォークには、リバウン ド / コンプレッションダンピングアジャスターが装備され ています。 この調整は外部アジャスターにて行います。
1) ( 図 27) 油圧ブレーキのリバウンドダンピング調整
2) ( 図 27) スプリングプリロード調整
3) ( 図 28) 油圧ブレーキのコンプレッションダンピング 調整
油圧ブレーキのリバウンドダンピングを調節するにはア レンキーで、各フォークの上部に配置されているアジャス ター (1) を回します。 アジャスター (3, 図 28) を回すに は、スイングアームロッドのピンの穴にドライバーを挿し いれ、フォークに合わせて回転させます。 アジャスターのネジ (1 と 3) を回すと、カチッと言う音が します。一回の音がダンピング 1 段に相当します。 いっぱいに締め込むと "0" 位置になり、ダンピングが最強 にセットされます。 この位置から、反時計回りに廻してカチッという音でダン ピングを 1 段目、2 段目、と数えます。
(MS4R)
1
A
2
図27
JP
33
標準設定は全閉ポジションから、以下のようになります: コンプレッション側: 1 回転 リバウンド側: 11 段 スプリングプリロード (A, 図 27): 11 mm
各フォーク内部のスプリングプリロードを変更するには、 六角アジャスターナット (2) を 22 mm レンチで回します。
重要
両方のフォークを同じセッティングにしてください。
JP
34
3
図28
フロントフォークアジャスター
(図 29-図 30)
このモーターサイクルのフロントフォークには、リバウン ド / コンプレッションダンピングアジャスターが装備され ています。 この調整は外部アジャスターにて行います。
1) ( 図 29) 油圧ブレーキのリバウンドダンピング調整
2) ( 図 29) スプリングプリロード調整
3) ( 図 30) 油圧ブレーキのコンプレッションダンピング 調整
油圧ブレーキのリバウンドダンピングを調節するには 3
mm の六角レンチで、各フォークの上部に配置されている アジャスター (1) を回します。 アジャスター (3, 図 30) を回すには、図 27 のように 3 mm の 六角レンチを穴に入れます。アジャスターのネジ (1 と 3) を回すと、カチッと言う音がします。一回の音が ダンピング 1 段に相当します。 いっぱいに締め込むと "0" 位置になり、ダンピングが最強にセットされます。 この位置から、反時計回りに廻してカチッという音でダン ピングを 1 段目、2 段目、と数えます。
(MS4RS)
1
2
図29
JP
35
標準設定は以下のようになります: コンプレッション側: 12 段 リバウンド側: 10 段 スプリングプリロード ( 図 29): 19 mm です。
各フォーク内部のスプリングプリロードを変更するには、 六角アジャスターナット (2) を 22 mm レンチで回します。
重要
両方のフォークを同じセッティングにしてください。
JP
36
3
図30
車高の調整
( 図 31- 図 32- 図 33)
この車両の車高は、私共の技術者がさまざまな走行状態で テストを行い決定しています。 車高の調整は非常にデリケートな作業で、不適切な変更作 業を行えばライダーの身体に危険をもたらすことがありま す。 標準車高を変更する前に、基準値 (H、図 31) を 測定して おくことをお薦めします。
ショックアブソーバーの位置を変更して、ライダーは自分 のライディングスタイルに合わせて車高の変更が可能です。 軸間のボールジョイント (1) を変更するには、ロックナッ ト(3)を緩める必要があります。
メモ
下側のナット (3) は逆ネジなので注意してください。
リンクロッド (2) をスパナで操作します。 調整後はナット (3) を 25 Nm のトルクで締め込んでくだ さい。
警告
リンクロッド (2) 両端の、ボールジョイント (1) の
軸間距離は 272 mm を超えてはなりません。
H
図31
2
1
JP
1
3
3
2
図32
37
ヘッド (A) のユニボールはネジ山 5 つ分、長さにして
7.5 mm (B) 以上、外に出さないでください。
B
JP
38
A
図33
運転のしかた
モーターサイクル使用初期の注意事 項 (図 34)
重要
慣らし運転期間中は、マニュアル上のメンテナンス事 項に慎重に従い、保証書内のクーポンに指定された点検、 整備を必ず受けて下さい。 これらの規定を厳守しない場合、 Ducati Motor Holding 株式会社は エンジンの故障およびそ の寿命等に関して、一切の責任を負うものではありません。
エンジン許容回転数 慣らし運転期間中および通常使用時のエンジン最大許容回 転数:
1) 1000 km まで
2) 1000 ~ 2500 km まで
1000 km まで 最初の 1000 km までは、タコメーターの制限された回転数 を絶対に超えないで下さい: 6,000rpm。 最初の数時間は、指定された回転数の範囲内でエンジンの 負荷と回転数をさまざまに変えることをお薦めします。 エンジン、ブレーキ、サスペンションを効果的に慣らすに は、カーブの多い起伏に富んだ場所を走行することが理想 的です。 最初の 100 km は、ブレーキの操作に注意し、また、急な ブレーキングや長い間ブレーキをかけることは避けて下さ い。これは、ブレーキディスクに対してパッドの摩擦材を 正しい状態に慣らすためです。 モーターサイクルの全てのメカ部分を互いに馴染ませるた め、また、エンジンの主要部分の寿命に悪影響が出ないよ う、乱暴な加速と、特に登り坂での長時間の高速回転を避 けてください。 さらに、定期的にドライブチェーンを点検し、必要に応じ て給油してください。
JP
39
1000 ~ 2500 km まで この期間では、エンジンからよりパワーを引き出せますが、 それでも、下記の回転数を決して超えないようにしてくだ さい:
7.500 rpm.
慣らし運転の方法を遵守することでエンジンの寿命を延ば し、調整、オーバーホールの回数を減らすことが可能にな ります。
JP
40
0 1000 Km 1000 2500 Km
図34
始動前のチェック
警告
走行前にこれらの点検を怠った場合、モーターサイク ルに損傷を与え、ライダーやパッセンジャーがケガをする 恐れがあります。
走行前に以下の点検を実施してください:
タンク内の燃料量 タンク内燃料の残量を確認します。 必要であれば給油して ください(ページ 45)。
エンジンオイル量 点検窓からタンク内のオイル残量を点検します。 必要であ れば補充してください(ページ 64)。
ブレーキ液とクラッチオイル それぞれのタンクでオイルの残量を確認してください。
冷却液 冷却水タンクの液量を確認します。 必要であれば補充して ください(ページ 51)。
タイヤの状態 タイヤの空気圧と摩耗状態を確認してください
(ページ 62)。
操作系 ブレーキ、クラッチ、アクセルペダル、ギアチェンジレ バーの作動を確認します。
ライトおよびインジケーター ライト、インジケーター、ホーンが適切に作動するか確認 します。 バルブが切れている場合には交換してください
(ページ 57)。
ロック類 燃料タンクのキャップとシートが確実にロックされている ことを確認します。
スタンド サイドスタンドが正しくスムーズに作動し、適正な位置に あるか確認してください(ページ 30)。
警告
JP
41
エンジンの始動
警告
エンジンを始動させる前に、走行中に必要な操作類に 慣れておいてください。 屋内では絶対にエンジンを始動させないでください。 排気 ガス は有毒で、意識喪失や、場合によっては短時間で死亡 に至る危険性ももたらします。
1)イグニッションキーを ON の位置にします ( 図 35)。 メーターパネルのグリーンのパイロットランプ N と赤の パイロットランプ が点灯していることを確認します。
ON
O
N
F
F
OO
H
S
U
P
L
O
C
K
N
O
I
P
T
I
N
G
I
重要
オイルプレッシャーパイロットランプはエンジン始動 後、数秒で消えなければなりません(ページ 11).
警告
サイドスタンドは完全に上がっていなければなりま せん ( 水平位置 )。そうでない場合、安全センサーが作動
JP
して始動できません。
メモ
エンジンは、サイドスタンドを下ろしてトランスミッ ションをニュートラルにしたまま始動できます。ギアを入 れた状態でモーターサイクルを始動する場合は、クラッチ レバーを引いてください。この場合、必ずサイドスタンド を上げてください。
42
図35
2) エンジンキルスイッチ (1、図 36) が (RUN) の位置 になっていることを確認し、始動ボタン (2) を押します。 このモデルはパワーアシスト方式の始動システムを備えて います。 この機能では、ボタン(2)を押してすぐに放すだけでエン ジンを始動できます。 ボタン(2)を押すとエンジンが自動的に始動しますが、そ の最大所要時間はエンジンの温度によって変わります。
エンジンが始動すると、システムによってセルモーターが 切り離されます。 エンジンが始動しなかった場合は、2 秒以上待ってから 再びボタン (2) を押します。 この際、スロットルグリップは 回さず、エンジンが自然に 始動するのを待ちます。
重要
エンジン冷間時は回転数を上げないで、 オイルが温ま り、潤滑が必要な全ての部分に行き渡るのを待ってくださ い。
1
2
図36
JP
43
モーターサイクルの発進
1) クラッチレバーを引いてクラッチを切ります。
2) 1 速に変速するためにギアシフトペダルをつま先で確実 に押し下げます。 3)スロットルグリップを回してエンジンの回転数を上げ、 同時にクラッチレバーを徐々につなぎます。 モーターサイ クルが動き出します。
4) クラッチレバーを完全に放し、エンジンの回転数を上げ ます。
5) シフトアップするには、エンジン回転を落とすためにス ロットルを戻し、クラッチを切り、ギアシフトペダルをか き上げ、クラッチをつなぎます。 シフトダウンは、次のように行います。 スロットルを放し、 クラッチを切り、ギアのタイミングを合わせるために、エン ジンの回転数をわずかに上げてから、シフトダウンしてク ラッチをつなぎます。 操作類は適切に素早く操作しなければなりません。 上り坂 を走行する際には、速度が落ちてきたら躊躇することなく シフトダウンして、モーターサイクルへの異常なストレス やエンジンのノッキングを避けてください。
JP
重要
ミスファイヤーおよびトランスミッションのスナッチ を招く激しい加速操作は避けてください。 ギアを変速した 後もクラッチレバーを引いたままでいると、メカ部の過熱 や摩耗部分の異常な摩耗を引き起こします。
44
ブレーキング
速度を落とすには、最初にシフトダウンしてエンジンブ レーキをかけ、それから両方のブレーキをかけます。 エン ジンが急に止まるのを防ぐため、モーターサイクルが停止 する前に、クラッチを切ります。
警告
モーターサイクルの停止
速度を落とし、ギアをシフトダウンして、スロットルグ リップを放します。 シフトダウンしてゆき、最後に 1 速か らニュートラルに入れます。 ブレーキをかけてモーターサ イクルを停止します。 エンジンを停止させるには、イグ ニッションキーを OFF にします。
重要
電気系の部品を損ねることがありますから、エンジン がかかっていないときに、イグニッションキーを ON のま まにしておかないでください。
燃料の補給 ( 図 38)
給油の際には決して入れ過ぎないでください。 燃料は絶対 に給油口の下縁を超えてはなりません。
警告
オクタン価 95 以上の低鉛燃料を使用してください。 給油口の上部に燃料が溜まってないことを確認してくださ い。
( 図 37)
図37
Max level
JP
図38
45
( 図 39)
駐車
サイドスタンドを使って車体を立てて駐車します(ページ
30). 盗難防止のために、ハンドルを左いっぱいに切り、イグ ニッションキーを LOCK の位置に回すことでハンドルが ロックされます。 モーターサイクルをガレージ、その他の建物内に駐車する 際には、その場所の換気が充分で、また、車両の近くに熱 源がないことを確認してください。 必要な際には、車両を認識しやすいようにパーキングライ トを点灯しておくことができます。イグニッションキーを P の位置に回します。
重要
キーを長い間 P の位置のままにしておくと、バッテ リー切れの原因になります。 監視できない場所にイグニッ ションキーを付けたままでモーターサイクルを駐車してお かないでください。
警告
JP
エキゾーストシステムは、エンジンスイッチを切った 後も熱い場合があります。 エキゾーストシステムに接触し ないよう十分に注意し、車両を木材、木の葉などの可燃物 のそばに駐車しないようにして下さい。
警告
モーターサイクルの発進を妨げるタイプの防犯用ロッ クやチェーン類 ( 例: ディスクブロック、リムブロック等 ) の使用は大変危険で、モーターサイクルの機能やライダー およびパッセンジャーの安全の妨げになることがあります。
46
図39
工具セット
シート下に以下の工具が納めてあります。 オーナーズマニュアル ヘルメットホルダーケーブル 通常のメンテナンスや点検に必要な工具類の入った袋
シート下のスペースは、シートを取り外し(ページ 29 参 照 )、硬貨で特殊固定ネジを回して外し、保護カバー (1、 図 40) を外します。
(図 41)
工具袋 以下の工具が入っています
2) 点火プラグ用六角ソケットレンチ
3) ボックスレンチ用トミーバー
4) ドライバー
5) ヘルメットホルダーケーブル
1
図40
5
2
3
4
図41
47
JP
主な整備作業とメンテナン ス
フェアリングの取り外し (図 42)
モーターサイクルを正しく整備、修理するためには、該当 部分のフェアリングを取り外す必要があります。
1
警告
取り外されたパーツが全て適切に取り付けられていな いと走行中にパーツが脱落し、モーターサイクルのコント ロールを失わせる危険があります。
ヘッドライトフェアリングの取り外し ヘッドライトを固定している 2 つのネジ (1) を外します。
JP
メモ
ネジ (1) を固定しているヘッドライトフェアリングの 内側にあるナットを失くさないように注意してください。
ヘッドライトフェアリング (2) を取り外します。
48
2
図42
燃料タンクの起こし方
警告
燃料がキャップの通気孔から漏れ出さないように、燃
料の容量は 5 リットル以下にしてください。
シートを取り外し(ページ 29) 燃料タンクの掛け金 (1, 図 43) を起こします。 燃料タンクを持ち上げて、シート下にある燃料タンク用の バー (2、図 44) を外します。 タンクをバーの上に乗せ支えます。 再びタンクを取り付ける作業は、取り外し作業と逆の手順 で行ってください。
警告
燃料タンクを再び戻す時にはホース類が正しい位置に
あり、タンクの下でつぶされないことを確認してください。
1
図43
JP
2
図44
49
エアフィルターの交換
エアーフィルターは定期点検表に表示されている規定の間 隔で交換する必要があります(定期点検表参照)。 フィル ターボックスの作業を行うためには、燃料タンクを持ち上 げてください(ページ 49). フィルターを外すには、フィルターボックスの両側にある カバーを固定しているつまみ (1) を外し、カバー (2) を外 します。 フィルターカートリッジ (3、図 46) を取り外し、交換し ます。
重要
フィルターの目詰まりは、空気の吸入量を減少させ、 燃料消費量の増加、エンジンパワーの減少、およびスパー グプラグ内の付着物の原因となります。 モーターサイクル使用時には必ずフィルターを装着してく ださい。 フィルターを装着しないと外気に含まれる不純物 がエンジン内に入り、故障の原因となることがあります。
フィルターを図にあるように所定の位置に正しく取り付け、 取り外した部品を全て取り付けてください。
JP
重要
埃の多い道路や湿った場所で車両を走行させた場合 は、定期点検表に示されている規定の時期よりも頻繁に フィルターを交換してください(定期点検表参照)。
(図 45)
50
2
1
図45
3
図46
冷却液の液量チェック
車両の右側にあるリザーバーの冷却水量を点検します。 冷 却水は、タンクの MAX と MIN の基準点の範囲内になければ いけません。 レベルが低い場合は、冷却水を補充する必要があります。 冷却水リザーバータンクの注入口キャップ (1) を回して開 け、水と冷却液 SHELL Advance Coolant または Glycoshell
(35 ~ 40 %)の混合液を MAX のレベルになるまで補充しま
す。
キャップ (1) を再び締めます。 上記の混合液を使用することで最良のコンディションを得 ることができます ( 凍結開始温度 -20 °C/-4 °F に対応 )。
冷却装置容量: 2,7 リットル
警告
この作業は、エンジン冷間時に、車体を完全に水平に
保った状態で行ってください。
(図 47)
1
図47
JP
51
ブレーキ / クラッチ液量のチェック
(図 48)
ブレーキ液およびクラッチ液の液量は、それぞれのタンク に記されたゲージの MIN のレベル以下になってはいけま せん。 液レベルが下がり過ぎると、回路内にエアが混入し、正常 なシステム作動に悪影響を及ぼします。 また、定期点検表に指示されたブレーキ / クラッチ液補充 および交換は、正規ディーラーまたは公認の整備工場に依 頼して下さい。
重要
チューブは 4 年毎に交換しなければなりません。
ブレーキシステム ブレーキパッドが減っていないのに、ブレーキレバー、ブ レーキペダルの過度の遊びに気付いた場合には、システム を点検しエアを排出する必要があるため、Ducati 正規 ディーラーまたは公認の整備工場にご連絡ください。
JP
警告
ブレーキ / クラッチ液はプラスチックや塗装部分に 損傷を与えますので、こぼさないようにしてください。 ブレーキ / クラッチ液は炎症の原因となります。 異なる品質の液とは混ぜないでください。 ガスケットの状態をチェックしてください。
52
図48
クラッチシステム クラッチレバーに過度の遊びがあり、ギアチェンジの際ク ラッチにスナッチやジャダーが出る場合は、システム内に エアが混入しています。 システムを点検しエアを排出する 必要があるため、Ducati 正規ディーラーまたは公認の整備 工場にご連絡ください。
警告
ブレーキパッドの摩耗チェック
フロントブレーキ ブレーキパッドには摩耗チェックマークがあり、キャリ パーからパッドを外すことなく、容易にチェックできます。 摩耗材に刻まれた溝が見えているうちはパッドの通常使用 範囲です。
リアブレーキ それぞれのブレーキパッドの摩擦材の厚さは 1 mm 以上な ければいけません。
重要
ブレーキパッドの交換は Ducati 正規ディーラーまた
は公認の整備工場で実施してください。
(図 49)
MIN
1 mm
図49
スロットルケーブルの調整
スロットルケーブルは、ハンドルバーのどの位置において も、スロットルグリップの遊びがハンドルバーの円周で 2 ~ 4 mm なければいけません。 スロットルグリップの遊び を調整するには、スロットルケーブルのアジャスター (1, 図 50) を使用します。
JP
1
図50
53
ケーブル / ジョイント部への給油
(図 51)
スロットルの被膜の状態を定期的にチェックしなければな りません。 外側のプラスチックの被膜に亀裂やツブレの形 跡があってはなりません。 操作類を動かして、被膜の中で ワイヤーがスムーズに動くか確認してください。 もしも何 らかの抵抗や、動きにくい箇所がある場合には、Ducati 正 規ディーラーまたは公認の整備工場でワイヤーケーブルを 交換してください。 これらの不具合を避けるために、それぞれのトランスミッ ションケーブルの先端を定期的に SHELL Advance Grease ま たは Retinax LX2 のグリースを塗布して潤滑してください。
トランスミッションアクセル装置を開ける必要がある場合 は、固定ネジ (1) 2 つを外して開け、ケーブルの先端と プーリーにグリースを塗布します。
警告
カバーを取り付ける時に、ワイヤーがガイドとプー リーの中を通っていることを確認し、注意して閉じてくだ さい。
JP
カバーを取り付け、1.8 Nm のトルクでネジ(1)を締め付 けます。
サイドスタンドのスムーズな作動を確保するために、汚れ を取り除いた後、全ての可動部分に指定のグリース SHELL Alvania R3 を塗布してください。
54
1
図51
バッテリーの充電
バッテリーを充電する際には、バッテリーをモーターサイ クルから取り外して実施してください。 まず最初に黒いマイナス (-) の端子を外し、その後赤いプ ラス (+) の端子を外します。 ストッパー (1) を外し、バッテリーを取り外します。
警告
バッテリーは爆発性のガスを発生させます。 火気、熱
源のそばに置かないでください。
充電は換気の良い場所で実施してください。 バッテリーチャージャーの導線をそれぞれの端子に接続し ます。 赤はプラス (+) に、黒はマイナス (-) に接続してく ださい。
重要
バッテリーチャージャーは、バッテリーを接続してか ら始動させます: バッテリー端子に接触したときに火花な どが散った場合、セルに含まれるガスに火が移る危険性が あります。 また、接続する時は常に赤のプラス極から行ってください。
警告
バッテリーは幼児の手の届かないところに置いてくだ さい。
バッテリーを 1 A で 5 ~ 10 時間充電します。
(図 52)
1
-
+
図52
JP
55
チェーンテンションの点検
モーターサイクルをゆっくり移動させて、チェーンを最も 張った状態にします。 サイドスタンドを使って車体を立てます。 スイングアーム の中央位置で、チェーンを指で上に押します ( ラベルを参 照)。 下側のチェーンが上下する幅は約 30 ~ 32 mm でな ければなりません。 そのような状態でない場合は、Ducati 正規ディーラーまた は公認の整備工場で実施してください。
警告
偏心輪の固定ネジを正しく締めつけないと、ライダー
重要
チェーンテンションが適切でないと、トランスミッ
ションパーツの摩耗を促進させます。
チェーンの注油
このモーターサイクルには、可動部分にグリースが封入さ れ、外部からの異物の侵入を防ぐオーリングの付いた
JP
チェーンが装着されています。 チェーンを洗浄する場合には、ガスケット類の損傷を防止 するため、専用の溶剤をご使用ください。ウォッシャー等 でスチームや圧力のかかった水で洗浄しないでください。 洗浄後は圧縮空気でチェーンを乾かし、指定の SHELL Advance Chain もしくは Advance Teflon Chain を各部に塗 布します。
(図 53)
56
=
30 32 mm
重要
指定オイル以外を塗布した場合には、チェーン、リ ム、またはエンジンピニオンなどに損傷を与える可能性が あります。
=
図53
ライトバルブの交換
切れたバルブを交換する前に、新しいバルブの電圧などが
「電装」の各仕様に適合しているか確認して下さい(ペー
ジ78)。
フロントヘッドライト フロントヘッドライトの作業をやり易くするために、「ヘッ ドライトフェアリングの取り外し」の章に従ってヘッドラ イトフェアリングを取り外すことをお奨めします (ペー ジ48). ヘッドライトのバルブの作業を行うには、枠やパラボラを 固定している下方のネジ (1) を緩めて外します。 ヘッドライトのバルブから導線 (2、図 55) を外します。 バ ルブを固定しているクリップ (3、図 55) を外し、バルブ を取り外します。
( 図 54)
1
図54
JP
2
3
図55
57
バルブ (4、図 56) を交換します。
メモ
新しいバルブのガラスの部分には、決して指で触れな いでください。バルブの光度が落ちる原因となります。 ライトバルブの基部にあるタブを所定の位置にはめ込んで、 正しい向きに取り付けます。 クリップ (3, 図 55) の先端をヘッドライト本体のマウント に掛けます。 ケーブルを元のように接続します。
パーキングライトのバルブを交換する場合は、相当する導 線を外します。 バルブ (5, 図 57) はバヨネットベースタイ プなので、取り外すには押しながら反時計方向に回します。 新しいバルブに交換し、カチッとはまり込むまで、押しな がら時計方向に回します。 コネクターを元どおりに取り付 け、フレーム / パラボラユニットを固定します。
JP
4
図56
58
5
図57
方向指示器(図 58) ネジ (1) を緩めて外し、方向指示器レンズ (2) を方向指示 器マウントから取り外します。 バルブはバヨネットベースタイプなので、取り外すには押 しながら反時計回りに回します。 新しいバルブに交換し、 カチッという音がするまで押しながら時計回りに回して取 り付けます。 方向指示器レンズを取り付けます。このとき、 突起 (A) をマウントのスリットに挿入してください。 ネジ (1) で固定します。
ストップライト ストップライトとパーキングライトのバルブを交換するに は、透明カバー (2) を固定している 2 本のネジ (1) を緩 めて外します。 バルブはバヨネットベースタイプなので、 取り外すには押しながら反時計回りに回します。 新しいバ ルブに交換し、カチッという音がするまで押しながら時計 回りに回して取り付けます。 透明カバーを取り付けます。
( 図 59)
A
2
1
図58
1
2
JP
図59
59
ナンバープレートライト (図 60) ナンバープレートライト (3) の作業を行うには、内部のバ ルブホルダーを抜き取り、それからバルブを取り外し交換 します。
JP
60
3
図60
ヘッドライトの光軸調整
ヘッドライトの光軸をチェックする際には、適正な空気圧 のタイヤを付けたモーターサイクルにライダーが 1 名だけ またがり、車両を垂直にし、縦軸に対して正しい角度を保 持します。モーターサイクルは壁またはスクリーンから 10 m の距離に置きます。 壁にヘッドライトの 中心と同じ高 さで水平に線を引き、また車体の縦軸に呼応する垂直線も 引きます。 この点検は薄暗い場所で行うとよいでしょう。 ロービームライトを点灯します。 光の照射範囲 ( 照射された部分と闇の部分との境界の上側 ) の地上高が、ヘッドライトの実際の高さの 9/10 以下でな ければなりません。
メモ
この方法は、光軸の高さに関するイタリアの規則に準 拠したものです。 イタリア以外の各国のオーナーは、それぞれの国で有効な 方法で実施してください。
ヘッドライトの垂直方向の調整は、サイドマウントに固定 しているネジ (1、図 62) で行います。
(図 61)
9
x
x
10
10 m
図61
1
JP
図62
61
タイヤ
フロント空気圧: 2,1 bar - 2,3 Kg/cm リア空気圧: 2,2 bar - 2,4 Kg/cm
タイヤの空気圧は気温と高度の変化によって影響を受けま す。 したがって、走行する場所の気温と高度の条件に合わ せてチェックし調整することをお薦めします。
重要
タイヤの空気圧はタイヤ冷間時に測定および調整しな
ければなりません。
フロントホイールリムがダメージを受けないように、悪路 を走行する時はタイヤの空気圧を 0.2 ~ 0.3 bar 上げてく ださい。
2
2
JP
62
タイヤの修理および交換 タイヤに小さな穴が開いた場合でも、チューブレスタイヤ であればエアの減り方が遅いため、気付くまで時間がかか ります。 もしも、タイヤの空気圧が下がってきた場合には、 パンクの可能性をチェックしてください。
警告
タイヤがパンクした場合はタイヤを交換してくださ い。 パンクしたタイヤを交換する際は、モーターサイクルの操 縦性と安定性を確保するために指定標準タイヤと同じメー カー、タイプをご指定ください。 走行中のエア漏れを防ぐため、タイヤのバルブキャップが 確実に閉めてあることを確認してください。 チューブタイ プのタイヤは絶対に使用しないで下さい。 この注意に従わ ない場合、突然タイヤがバーストし、ライダーやパッセン ジャーを重大な事故に巻き込む危険性があります。
タイヤ交換の後には、必ずバランスチェックを受けてくだ さい。
重要
メモ
タイヤ摩耗限界 タイヤのトレッド面が一番摩耗しているところ (S、図 63) で、溝の深さを測定してください。 溝の深さは 2 mm 以下、または道交法の基準値以下であっ てはなりません。
重要
タイヤに傷やヒビがないか、特に側面を注意深く目視 点検し、ひどい損傷がある場合には交換してください。 出っ張りや他と大きく異なる箇所は内部の損傷を表わして いるので、 タイヤを交換しなければなりません。 トレッドに入り込んだ石や異物は取り除いてください。
図63
JP
63
エンジンオイルレベルの点検
エンジンオイルのレベルは、エンジンオイルパンの右側に ある点検窓 (1) から見ることができます。 オイル量をチェックするには、車両を垂直に保ち、またエ ンジンが冷えていなければなりません。 オイル量は、点検窓の横に指示された目盛りの間になけれ ばなりません。 もしもオイル量が少ない場合には、指定さ れたオイル SHELL Advance Ultra 4 を補充する必要があり ます。注入キャップ (2) を開け、オイルを正しいレベルま で補充します。 注入キャップを閉じてください。
重要
定期点検表に指示されているエンジンオイルとフィル ターの交換は、正規ディーラーまたは公認の整備工場に依 頼して下さい。
粘度 SAE 10W-40 モーターサイクルを使用する地域の平均気温に応じて、表 に示されている粘度のものを使用できます。
JP
64
( 図 64)
1
10W
Unigrade
15W–40 15W–50
10W–40
10W–30
Multigrade
–10
2
図64
20W
20
30
40
20W–40 20W–50
0 10 20 30 40 C
スパークプラグの清掃と交換
スパークプラグはスムーズなエンジンの作動に不可欠で、 定期的な点検が必要です。 スパークプラグを点検することで、エンジンの状態を知る ことができます。 コイルをスパークプラグから抜き取り、スパナを使用して ヘッドを取り外します。 中央電極のセラミック製絶縁ガイシの色を確認します。 全 体的に薄茶色であればエンジンの状態が良好なことを示し ています。 それ以外の色であったり、また黒い付着物が見られる場合 は、スパークプラグを交換し、正規ディーラーまたは公認 の整備工場に報告をしてください。 次に、中央電極の摩耗を点検してください。 中央電極が消 耗していたりガラス状になっている場合には、スパークプ ラグを交換してください。 電極のギャップは 0,6 ÷ 0,7 mm です。
重要
調整する場合は、注意してサイドの電極を曲げます。 電極ギャップが規定値を外れるとエンジン性能に悪影響を 及ぼし、また始動困難やアイドリングの不安定化を招くお それがあります。 電極と絶縁ガイシをメタルブラシで注意して掃除し、ガス ケットの状態を確認してください。 ヘッド部の掃除を注意深く行います。このとき、燃焼室に 異物が入らぬよう注意してください。
スパークプラグをヘッドに再び取り付け、一杯まで回し ト ルク 20 Nm で締め付けます。
(図 65)
図65
トルクレンチが無い場合は、手で締めたあと備え付けの レンチでさらに 1/2 回転締め付けてください。
重要
65
JP
モーターサイクルの清掃
ペンキ塗装部分とメタリック塗装部分のオリジナルな艶を 長い間保つため、走行する道路のコンディションに合わせ て、モーターサイクルを定期的に清掃、洗車しなければな りません。 専用の製品を使用してください。できれば生物 分解性の製品を使用し、強すぎる洗剤や溶剤の使用は避け てください。
重要
走行後のボディがまだ暖かい間は、水染み等を防ぐた め、すぐには洗車をしないでください。 高温のお湯や、ウォッシャー等の圧力のかかった水を直接 吹き付けないようにしてください。 ウォッシャー等の使用 は、サスペンション、ホイールベアリング、電装部分、フ ロントフォークのシール、エア吸入口、マフラーの摩耗や 変形をもたらすおそれがあります。
もしもエンジンにひどく汚れた部分や油脂汚れなどがある 時は、油取り用洗剤を使って、トランスミッション系統
(チェーン、ギア、リム等)に洗剤がかからない様に洗浄し
ます。
JP
水道水でよくすすぎ、モーターサイクル全ての表面部分を セーム革で拭きます。
66
警告
長期間の保管
モーターサイクルを長期間使用しない場合には、保管する 前に以下の作業を実施するよう お薦めします: モーターサイクルの通常の清掃をおこないます。 燃料タンクを空にします。 スパークプラグの穴からシリンダーの中に数滴のエンジン オイルを注入し、エンジンを手で数回転させてシリンダー 内壁に保護膜を形成させます。 モーターサイクルをスタンドに立てかけて正立させます。 バッテリーケーブルを外し、バッテリーを取り外します。 1 ヶ月以上モーターサイクルを使用しなかった場合には、 バッテリーを点検し、充電を行う必要があります。 結露を防止し塗装を保護するため、モーターサイクルはカ バーで覆ってください。 純正カバーは Ducati Performance 社で取り扱っています。
外国のオーナーにとって重要な事項
いくつかの国では ( フランス、ドイツ、イギリス、スイス 等 )、一定期間毎の義務点検以外に、それぞれの国の基準 としての排気ガス、騒音の規制を守らなければなりません。 このため、モーターサイクルのオーナーとして、これらの 国々の規制に適合する Ducati の特別純正部品をご使用く ださい。
JP
67
メンテナンス
メンテナンスプログラム: 公認の整備工場で行うメンテナンス
作業のタイプと作業リスト ( 距離または時間による期限 *)
エンジンオイルの交換 エンジンオイルフィルターの交換 エンジンオイル吸入フィルターの清掃
JP
エンジンオイル圧の点検 バルブクリアランスの点検と調整 (1) チェーンテンションの点検 (1) チェーンの交換 点火プラグの点検および清掃 必要な場合は交換 エアーフィルターの点検および清掃 (1) エアフィルターの交換
68
km x1000 1 12 24 36 48 60
m i . x 1000 0,6 7,5 15 22,5 30 37,5
6 12 24 36 48 60
••••••
••••••
••
•••••
•••
••
••
•••
••
作業のタイプと作業リスト ( 距離または時間による期限 *)
スロットルボディの同期とアイドリングの点検 (1) ブレーキ / クラッチ液量の点検 ブレーキ / クラッチ液量の点検 ブレーキレバーおよびクラッチレバーの点検と調節 スロットルグリップおよびチョークレバーの点検および潤滑 タイヤの磨耗とタイヤ圧の点検 ブレーキパッドの点検 必要な場合は交換 ステアリングベアリングの点検 チェーンのテンション、アラインメント、および潤滑の点検 クラッチディスクパックの点検 必要な場合は交換 (1) 冷却液レベルの点検 冷却液の交換 電動ファン機能および冷却系統シールの点検 リアホイールの弾性継ぎ手の点検 ホイールベアリングハブの点検 ライト類とインジケーターの点検 エンジンフレームのネジを固定するナットの締めの点検 サイドスタンドの点検 フロントホイールナットの締め具合の点検
km x1000 1 12 24 36 48 60
m i . x 1000 0,6 7,5 15 22, 5 30 37,5
6 12 24 36 48 60
•••••
••••••
•••••
•••••
••••••
••••••
••
••••••
•••••
•••••
•••••
••
••
•••••
•••••
•••••
•••••
JP
69
作業のタイプと作業リスト ( 距離または時間による期限 *)
リアホイールナットの締め具合の点検 外部燃料ホースの点検 フロントフォークオイルの交換 フォークおよびリアショックからのオイル漏れがないことを確認 ピニオンの固定具合の点検 グリース塗布・注油一般 バッテリー充電装置の点検 モーターサイクルの路上テスト モーターサイクルの清掃
* 最初の 2 つの期限(キロメートルおよびマイルによる距離または何ヶ月などの時間による期限)が切れる前にメンテナ ンス作業を実施して確認してください。
(1) キロメートル / マイルによる期限に達した場合のみに行う作業
JP
70
km x1000 1 12 24 36 48 60
m i . x 1000 0,6 7,5 15 22, 5 30 37,5
6 12 24 36 48 60
•••••
•••••
•••••
•••••
•••••
•••••
••••••
•••••
メンテナンスプログラム: お客様が行えるメンテナンス
Km . x1000 1
作業のタイプと作業リスト ( キロメートル / マイルの距離または時間による期限 *)
エンジンオイルレベルの点検 ブレーキ / クラッチ液量のチェック タイヤの磨耗とタイヤ圧の点検 チェーンのテンションおよび潤滑の点検 ブレーキパッドの交換 交換が必要な場合は、正規ディーラーに依頼してください。
* 最初の 2 つの期限(キロメートルおよびマイルによる距離または何ヶ月などの時間による期限)が切れる前にメンテ ナンス作業を実施して確認してください。
m i . x 1000 0,6
6
JP
71
技術仕様
全体寸法 (mm) ( 図 66)
重量
重量 装備重量 ( 燃料なし ): 177 kg 最大積載重量: 390 kg
JP
警告
重量制限を遵守しなければ、操縦性と性能の低下を招
き、車両のコントロールを失う原因となります。
72
1440
2121
885
790
128
355
806
496
1222
1060
985
図66
補給 タイプ リットル
燃料タンク、3.5 リットルのリザーブ分を 含む 5
潤滑系統 SHELL Advance Ultra 4 3,4
フロント / リアブレーキ、 クラッチ系統 SHELL Advance Brake DOT 4 -
電極接点保護 SHELL Advance Contact Cleaner -
フロントフォーク SHELL Advance Fork 7.5 または DONAX TA 0.443 ( 各側 ) MS4R
冷却システム 冷却液 SHELL Advance Coolant または GLYCO
重要
燃料、オイル等には絶対に添加剤を加えないでください。
RON 95 以上の無鉛ガソリン 15
SHELL 35 ~ 40 % + 水
0.492 ( 各側 ) MS4RS
2,7
JP
73
エンジン
縦 90° L 型 4 サイクル 2 気筒。 ボア (mm):
100. ストローク (mm): 63,5. 総排気量  cm
998. 圧縮比: 11,4 ± 0,5:1. クランクシャフト最大出力 (95/1/CE):
88.8 kW - 119 HP / 9,250 rpm。 クランクシャフト最大トルク (95/1/EC):
96.9 Nm (9.9 Kgm) / 7,500 rpm。 最大回転数: 9,000 rpm
タイミングシステム
デスモドロミックシステム。各気筒 4 つのバルブが、8 本 のロッカーアーム(4 オープニングロッカーアーム、4 ク ロージングロッカーアーム)と 2 本のタイミングシャフト により制御されます。
JP
スパーギアとベルトローラー / コグドベルトで駆動される カムシャフトによって制御されます。
3
:
デスモドロミックタイミングシステム
1) オープニング ( または上側 ) ロッカーアーム
2) 上側ロッカーシム
3) クロージング(または下側)ロッカーシム
4) リターンスプリング(下側ロッカー)
5) クロージング(または下側)ロッカーアーム
6) カムシャフト
7) バルブ .
(図 67)
6
4
74
1
5
2
3
図67
7
性能データ
各ギアにおける最高速度への到達は、適切な指定点検整備 を受けて、適正な慣らし期間が済んだ後に限ります。
重要
これらの規定を厳守しない場合、Ducati モーター ホールディング社は エンジンの故障およびその寿命等に関 して、一切の責任を負うものではありません。
スパークプラグ
メーカー: CHAMPION 型式: RG 4 HC
燃料供給
MARELLI 間接電子インジェクション スロットルボディ口径: 50 mm 各気筒ごとインジェクター: 1 各気筒ごとホール: 1 燃料: 95-98 RON
ブレーキ
フロント 型式: 孔開きディスク、スチール製。 2 ディスク
ブレーキレース素材: スチール ハウジング素材: アルミニウム ディスク径: 320 mm。 ハンドルバー右側レバーによる油圧作動。 ブレーキ有効面積 cm ラジアルマウントブレーキキャリパー メーカーおよび型式 BREMBO P4.34B. ブレーキパッド材質: Toshiba TT2172 ポンプ形式: PR 18/19
リア 型式: 孔開き固定式ディスク、スチール製。 ディスク径: 245 mm。 車体右側ペダルによる油圧作動。 有効面積: 25 cm ブレーキキャリパー シリンダー直径 32 mm. メーカーおよび型式 BREMBO P32F ブレーキパッド材質: FERIT I/D 450 FF ポンプ形式: PS 11B
警告
ブレーキ液は侵食性があります。 液が目や皮膚に付着
した部分は大量の流水で洗浄してください。
2
2
52,52.
JP
75
トランスミッション
クラッチ 乾式多板 ハンドルバー左側レバーによる油圧作動。 エンジンとギアボックスメインシャフト間の駆動伝達はス トレートカットギアによる。 変速比 32/59. ギア 6 速 左側ペダル操作によるギアチェンジ
ピニオン / スプロケット比 15/43. 総ギア比:
15/37
1 速 2 速 17/30. 3 速 20/27. 4 速 22/24. 5 速 24/23. 6 速 28/24.
JP
チェーンによるギアボックスとリアホイール間駆動伝達: メーカー: DID 型式: 525 HV サイズ: 5/8 x 5/16” リンク数: 106.
76
重要
警告
フレーム
トレリスフレーム、上部は特に耐久性のあるアルミニウム チューブ。 ステアリング切れ角 ( 左右 ): 27° トレール mm: 96 キャスター角 24°.
ホイール
Y 型スポーク 5 本、軽合金リム
フロント サイズ: MT5.50x17" .
リア サイズ: MT5.50x17" . ホイールのアクスルシャフトは取り外し可能です。
タイヤ
フロント ラジアルチューブレス サイズ: 120/70-ZR17
リア ラジアルチューブレス サイズ: 180/55-ZR17
サスペンション
フロント 油圧式倒立フォーク プリロード ( フォーク内部スプリング ) およびリバウンド / コンプレッション用外部アジャスター付き油圧式倒立 フォーク。 フォーク径 mm:
43. 作動長: 130 mm
リア ショックアブソーバー上部のピボットポイントとフレーム の間に、ロッカーアームが配置されたプログレッシブタイ プ。 リバウンド、コンプレッション、スプリングプリロー ド調節可能ダンパー。 アルミニウム製スイングアーム下部 に接合。 スイングアームはエンジンを通してジャーナル周囲を回転 します。 このシステムは、モーターサイクルに高い安定性 をもたらします。 ダンパーストローク: 65 mm ホイールトラベル: 148 mm
メモ
JP
77
エキゾーストシステム
排気ガス規制 Euro 3 に準拠した触媒を採用。 USA バージョン: 触媒なし。
カラーバリエーション
MS4R Ducati アニバーサリーレッド、 コード no. F_473.101 (PPG) ( カリフォルニア、カナダを除く ); 透明 コード 228.880 (PPG) ホワイトのストライプ入り フレームはレッド、リムはブラック
チタン コード 928D184 (PALINAL) ( カリフォルニア、カナ ダのみ ); 透明 コード 923i0652 (PALINAL) ブラックのストライプ入り フレームはレッド、リムはブラック
MS4RS Ducati アニバーサリーレッド、 コード no. F_473.101
JP
(PPG) 透明 コード 228.880 (PPG) ホワイトのストライプ入り フレームはレッド、リムはブラック
シャイニーブラック、コード 248.514 (PPG); 透明 コード 228.880 (PPG) グレーのストライプ入り ; フレームおよびリムはブラック
78
パール コード *0040 (PPG); 基底 コード 490.019 (PPG) 透明 コード 228.880 (PPG) レッドのストライプ入り フレームはレッド、ホイールはホワイト
電気系統
主要構成パーツは以下の通りです。 フロントヘッドライト: バルブタイプ: H4 (12 V-55/60 W). パーキングライト バルブタイプ: T4W (12 V-4 W). ハンドルバースイッチ 方向指示器 : バルブタイプ: R10W (12 V-10 W). 警告ホーン ストップライトスイッチ バッテリー、12 V-10 Ah. ジェネレーター 12 V-520 W. レギュレーター、30 A バッテリー側保護ヒューズ付き。 セルモーター 12 V-0.7 kW テールライトおよびストップシグナル: バルブタイプ: P21/5W (12 V-5/21 W). ナンバープレートライト: バルブタイプ: W5W (12 V-5 W).
メモ
バルブの交換は、「バルブの交換」の章を参照してく
ださい。(ページ 57.
ヒューズ ヒューズボックスは燃料タンクの下にあります。 ヒューズを交換するには、保護カバー (1, 図 68) を外しま す。保護カバーには各ヒューズの配置と定格が表記されて います。 バッテリーの横にあるヒューズは、電子部品であるレギュ レーターを保護します。 交換には、保護キャップ (2、図 68) を取り外して下さい。
切れたヒューズは、内部のフィラメント (3, 図 69) が切れ ていることから判断できます。
2
重要
回路のショートを防止するため、ヒューズ交換の前に
は、イグニッションキーを OFF にしてください。
警告
表示されている値以外のヒューズは決して使用しない でください。 このルールを守らない場合には、電気系統に 損傷を与え、火災の原因となることもあります。
1
図68
JP
図69
79
電装図凡例 / インジェクション
1) ハンドルバー右側スイッチ
2) トランスポンダアンテナ
3) イグニッションスイッチ
4) ファンリレー
5) ライトリレー
6) ヒューズボックス
7) 左側電動ファン
8) 右側電動ファン
9) セルモーター
10) スターターコンタクター
11) ”バウンド防止” ダイオード
12) バッテリー
13) マスターヒューズ
14) レギュレーター
15) ジェネレーター
16) 右リア方向指示器
17) テールライト
18) ナンバープレートライト:
19) 左リア方向指示器
20) 燃料タンク
21) インジェクションリレー
JP
22) 自己診断コネクター
23) スピードセンサー
24) サイドスタンドスイッチ
25) ラムダセンサー
26) コイル ( 水平シリンダー )
27) コイル ( 垂直シリンダー )
28) スパークプラグ ( 水平シリンダー )
29) スパークプラグ ( 垂直シリンダー )
30) インジェクター ( 水平シリンダー )
80
31) インジェクター ( 垂直シリンダー )
32) スロットルポジションセンサー
33) エンジン回転数 / 位相センサー
34) 水温センサー(コントロールユニット)
35) ステッパーモーター
36) コントロールユニット 5AM
37) ニュートラルスイッチ
38) オイル圧スイッチ
39) リアブレーキ STOP ライトスイッチ
40) フロントブレーキ STOP ライトスイッチ
41) クラッチスイッチ
42) ハンドルバー左側スイッチ
43) 水温センサー(機器類)
44) 気温 / 気圧センサー
45) メーター類 ( メーターパネル )
46) 左フロント方向指示器
47) 警告ホーン
48) ヘッドライト
49) 右フロント方向指示器
配線カラー表
B 青 G 緑 W 白 Bn 茶 V 紫 O オレンジ Bk 黒 P ピンク Y 黄 Gr 灰色 R 赤 Lb 水色
ヒューズボックス凡例 (5)
配置 利用対象
1
ファン
2
KEY-ON コントロールユニット、メーター パネル、スターターコンタクター ラムダ およびストップ
3
パーキングライト ハイビームライト、ロービームライト
4
LOADS
5
インジェクション ( ポンプ インジェクター コイル )
6
コントロールユニット エンジンコントロール
7
メーターパネル
メモ
電装図は、このマニュアルの最後にあります。
10 A
10 A
15 A
15 A
20 A
5A
5A
JP
81
定期点検メモ
JP
km
1000
12000
24000
36000
48000
60000
82
名前 Ducati サービス
走行距離 日付
Stampato 04/2007 Cod. 913.7.134.1B
Ducati Motor Holding spa via Cavalieri Ducati, 3 40132 Bologna, Italia
Tel. +39 051 6413111 Fax +39 051 406580
www.ducati.com
1
STARTER
ENGINE STOP
LIGHTING
BW Bk
RY B
BBk
RW
RBk
FREE
ON
49
46
OFF
PUSH
RUN
BK
W/B
R/G
R/O
W/G
10 W
Bk
H4 12 V.-55/60 W.
48
47
Bk
10 W
W/Bk
12 V.- T 4 W.
Y
Bk
Bk
Bk
V/Bk
45
MS4R - MS4RS
Y/G
Bk Bk
87654
109
RR
R/Bk
R/G
11
B/R
Bk
K A
1N4007
13
30A
14
+-
R
R
Bk Bk
Bk
Bn
Bn
21
Bn/W
Bn/Bk
IAW5AM
36
R/Bk
BODY 1
BODY 4 BODY 6
BODY 7 BODY 8 BODY 9 BODY 11 BODY 13 BODY 14 BODY 16
BODY 17
BODY 22 BODY 24 BODY 27 BODY 28
BODY 32
BODY 33 BODY 38
ENGINE 13
ENGINE 14
ENGINE 23 ENGINE 22
ENGINE 38 ENGINE 10 ENGINE 28
ENGINE 37 ENGINE 32
ENGINE 3 ENGINE 20 ENGINE 25
ENGINE 35
ENGINE 34
ENGINE 29 ENGINE 5
ENGINE 18
ENGINE 9 ENGINE 19 ENGINE 17
R/B
Bn/Bk
O/B
W/G
G
Bk/B
B/Y
W/G
O/W
R/G
Lb
Gr/G
W/B
R/O
G/B
B/V
W/Bk
Gr/Bk
Gr/R
Y/G
Bn/R
Gr/B
Gr/G
P/Y
G/Y
Bn/G
O
Bk/G
CAVO SCHERM.
CAVO SCHERM.
CALZA CAVO SCHERM.
Bk/V
W
Gr
W
V
Lb
35
Bn/W Bn/W
W
Bk/V
2
1
DCBA
f
H O
2
f
f
1
2
W
Bk/V
34
Bk/G
Bn/G
G/Y
O
A C B
Bn/W
12
f
SC
1
3
2
f
V
3
33
fff
2
1
CAVO SCHERM.
CAVO SCHERM.
CALZA C. SCHERM.
fff
A B C
1
2
fff
B
C
A
G/Y
Bn/W
O
Bn/G
Bk/G
32 30 29 28
31
P/Y
Bn/W
2
OPOTSMOT
f
1
Bn/W
1
2
P/Y
Gr/GBkGr/B
21321
3
S
-
+
V
27 26 25
f
14
15
Y
Y
BkR
Bk
R
Y
W/Bk
Bk
W/Gr
10 W
Bk
16
Gr/R
4
O/G
2
Y
5
P/Bk
1
Bk
3
B/W
Bk
3
O/W
AMP
Bk/V
12
Gr/G
Bk R/B
5/21 W
17
5 W
18
Bk
10 W
W/Bk
19
+
-
4 3 1 2
Bk
Bn/W
20
22
3 2 1
Bk
Lb
S
-
+
SSS
Bk/B
G/B
R/G
4321
HALL
AMP
12
3
fff
Bk
N.C.
W/Bk
VELOCITA'
24 23
O
f
2
2 1
B/Bk
R/Y
Y/Bk
Y/Bk
W
W
Bk
Y
B/G
1
Y
2
Y/Bk
3
B/Bk
4
R/Y
5
P/Bk
6
W/Bk
7
B/Y
8
G/Bk
9
Y/G
10
W/Y
11
O/Bk
12
R/B
13
n.c.
14
O/B
15
n.c.
16
Gr/G
17
G
18
n.c.
19
B/W
20
R/G
21
Bk
22
R/G
23
W/G
24
O/G
25
R/G
26
3
Lb
GR
WRRGBk
Y
LOCK
PARK
OFF
ONON
51 4 362
R/W
Y
O
R
Y/Bk
2
3
W
Bk
4
Y
1
Gr/R
Gr/Bk
Bk/V Bn/R
4321
+
f
f
AIR/PRESS
44
B/R
W/G
R/Bk
R/Bk
O/Bk
Bk
2
1
f
f
H O
2
PUSH
f
f
1
2
W
Bk/V
43
V W
OFF
BkWBkY
HORN
O
Y/R
W/G
Y/BkY/RG/BkB/G
V/Bk Y/B
Bk
R
HI
LO
L
G ONGr
RBk
TURN
DIMMER PASSING
42
1 2 3 4 5 6 7
R/Bk
R/G
O
V
Bn
R/B
R/G
B/V
PUSH
OFF
Br
RBk
BY
RY
Bk
R
Gr/R
V
V
Gr/R
2 1 2 1
B/R
Bk
W/Y
40 38 37
41 39
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