オーナーズマニュアル
1100S
1100
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1
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2
この度は当社の製品をお選びくださりありがとうございま
す。お客様を喜んでドゥカティストの一員としてお迎えい
たします。 この新しい Ducati モーターサイクルが日常使用
のみならずロングツーリングにおいても、その走行が常に
快適で楽しいものでありますよう、 Ducati モーターホール
ディング社は願っております。
お客様に常により良いサービスをお届けするために、
Ducati モーターホールディング社は、 このマニュアルに記
載された正しい使用方法、特に慣らしの項目に関して遵守
していただくようお客様にお願い申し上げます。 それによ
り、お客様の Ducati モーターサイクルは常にお客様の要
求に応えてくれるでしょう。
あらゆる修理作業や適切なアドバイスが必要な場合は、
Ducati 正規ディーラーの整備工場にお任せください。
他のどこよりも Ducati を熟知したエキスパート達がいつ
も万全の体制でお客様のご要望にお答えいたします。
楽しいライディングを!
メモ
Ducati モーターホールディング社は、 本マニュアル
の作成においての誤記および脱字について一切の責任を負
うものではありません。 本マニュアルに記載されている情
報はすべて、発行の日付をもって最新のものとします。
Ducati モーターホールディング社は、 製品を改良、発展さ
せていくために必要とされる、あらゆる変更を行う権利を
保有します。
安全性、保証、信頼性、そして Ducati モーターサイクル
の価値のために、Ducati 純正部品のみをご使用ください。
警告
本マニュアルは車両の一部を形成するものであり、車
両を譲渡する場合には、常に新しい所有者に譲渡しなけれ
ばなりません。
JP
3
目次
ハンドルバー右側スイッチ
スロットルグリップ
フロントブレーキレバー
リアブレーキペダル
ギアシフトペダル
シフトペダルとリアブレーキペダルの調整 32
29
31
31
29
30
イントロダクション 6
保証 6
シンボルマーク 6
安全運転上の注意 7
最大積載量 8
製造番号 10
操作系 11
操作類の位置 11
メーターパネル 12
LCD - 主要機能 13
LCD - パラメーターの設定 / 表示方法 15
メーターパネルのバックライト 21
パイロットランプの明るさの強度 21
JP
ヘッドライトの自動消灯機能 21
イモビライザーシステム 22
22
キー
コードカード 23
スロットルグリップを使用したイモビライザーによるエン
ジン作動禁止の解除手順 24
キーの複製 25
イグニッションスイッチとステアリングロック
ハンドルバー左側スイッチ
クラッチレバー
28
27
4
26
主要構成部品 / 装備 34
配置図 34
燃料タンクキャップ
パッセンジャーシートロックおよびヘルメットホルダー
36
書類入れスペース扉のロック 37
サイドスタンド
フロントフォークアジャスター 39
リアショックアジャスター
バックミラーの調整 43
車高の調整 44
運転のしかた 46
モーターサイクル使用初期の注意事項 46
始動前の点検 48
エンジンの始動 49
モーターサイクルの発進 51
ブレーキング 51
モーターサイクルの停止 52
駐車 52
燃料の補給
工具セット
54
35
38
41
53
主な整備作業とメンテナンス 55
フェアリングの取り外し 55
ブレーキ / クラッチ液量のチェック 60
ブレーキパッドの摩耗チェック
ジョイント部への注油 63
スロットルグリップの遊びの調整 64
バッテリーの充電
チェーンテンションの点検
チェーンの注油 67
フロントヘッドライトのライトバルブの交換 68
フロント方向指示器のライトバルブの交換 72
リア方向指示器のライトバルブの交換 73
ナンバープレートライトおよびパーキングライトのバルブ
の交換 74
ヘッドライトの光軸調整
チューブレスタイヤ 78
エンジンオイル量の点検
スパークプラグの清掃と交換
モーターサイクルの清掃 82
長期間の保管 83
外国のオーナーにとって重要な事項 83
メンテナンス 84
メンテナンスプログラム: 公認の整備工場で行うメンテナ
ンス 84
メンテナンスプログラム: お客様が行える
メンテナンス 87
65
66
76
80
62
81
技術仕様 88
全体寸法 (mm) 88
重量 88
補給 89
エンジン 90
タイミングシステム 90
性能データ 91
スパークプラグ 91
燃料供給 91
エキゾーストシステム 91
トランスミッション 92
ブレーキ 93
フレーム 94
ホイール 94
タイヤ 94
サスペンション 95
カラーバリエーション 95
電気系統 96
定期点検メモ 101
JP
5
イントロダクション
保証
お客様ご自身、および製品の信頼性を保証するために、特
に専門的技術が要求される整備作業は、Ducati 正規ディー
ラーあるいは公認の整備工場にお任せいただくよう強くお
薦めします。
Ducati 正規ディーラースタッフは高度に熟練しており、最
適な器具を使用して作業を行う能力を保持し、また、
Ducati 純正部品だけを使用して、「ロングライフ」「円滑な
作動」「完璧な互換性」について最良な保証をいたします。
全ての Ducati モーターサイクルには保証書が添付されて
JP
います。 しかし、車両を競技やそれに類することに使用し
た場合には保証の対象外となります。 また保証期間中に、
たとえ車両の一部でも Ducati 純正部品でないものと交換
したり、また改造・変更した場合は、Ducati モーター社の
保証は適用されません。
6
シンボルマーク
Ducati モーターホールディング社は、 お客様がモーターサ
イクルをより良く理解できるよう、本マニュアルを注意深
く読まれることをお薦めします。 お客様のモーターサイク
ルについて、お問い合わせのある場合には、ご購入先の正
規ディーラーあるいは公認の整備工場にお尋ねください。
スタッフからの最新の情報は、お客様の走行に役立つで
しょう。 また Ducati モーターホールディング社は、本マ
ニュアルが、快適で楽しい走行と、お客様のモーターサイ
クルの素晴しい性能を長い間変わらずに保てる一助となる
ことを望んでいます。
本マニュアルには特別な意味を持つ注記を盛り込んでいま
す。
警告
この説明を遵守しなかった場合、重度の負傷および死
亡に至らしめる危険性があります。
重要
車両ならびに車両構成部品に損傷の可能性がありま
す。
メモ
作業上の追加注意事項です。
文中の " 右 "、" 左 " の表記は、すべて車両の進行方向に
向かっての左右を意味します。
安全運転上の注意
警告
運転する前に読んでください。
多くの事故はしばしば不慣れなために起こります。 走行す
る際は常に免許証を携帯していることを確認して下さい。
免許証はお客様のモーターサイクルの運転に適したものが
必要です。
お客様のモーターサイクルを未経験者、および有効免許証
を持っていないライダーに貸してはいけません。
ライダーおよびパッセンジャーは、常に適切なライディン
グウエアーを着用し、安全なヘルメットを被らなければな
りません。
視界を制限したり、引っかかって操作の妨げになるアクセ
サリーや物が付いていない、適切なライディングウエアー
を着用してください。
屋内では絶対にエンジンを始動させないでください。 排気
ガスは有毒で、意識喪失や、場合によっては短時間で死亡
に至る危険性ももたらします。
ライダーおよびパッセンジャーは、モーターサイクルが動
いている間は足をフットレストに載せていて下さい。
急な進路変更や、路面状況の変化に対処できるよう、ライ
ダーは常に両手でしっかりとハンドルバーを保持し、パッ
センジャーは常に両手でしっかりとリアグリップを保持し
て下さい。
走行地域の道交法、および法律を遵守して運転してくださ
い。
常に指示された速度制限を厳守するとともに、視界や道路
条件、混雑の割合に合わせて、適切な速度を守ってくださ
い。
車線変更をする時や曲がる時は、常に適時に方向指示器を
使用して合図してください。
良好な視界を保ち、前方の車両の " 死角 " に入って走行し
ないようにしてください。
交差点や、私有地の出口に近い場所、駐車場、高速道路へ
の進入路等を走行する場合は充分に注意してください。
給油時は常にエンジンを停止し、給油の際、エンジンやエ
キゾーストパイプにガソリンをこぼさないよう特に注意し
てください。
給油時は絶対に喫煙しないでください。
給油の際に、人体に有毒な気化した燃料を吸い込む可能性
があります。 もしも燃料が皮膚や衣服に付着した場合は、
直ちに石鹸と水で洗浄し衣服を取り替えてください。
モーターサイクルから離れる場合は、常にキーを抜いてく
ださい。
エンジン、エキゾーストパイプ、マフラーはエンジン停止
後も長時間熱くなっています。
警告
エキゾーストシステムは、エンジンスイッチを切った
後も熱い場合があります。 エキゾーストシステムに接触し
ないよう十分に注意し、車両を木材、木の葉などの可燃物
のそばに駐車しないようにしてください。
モーターサイクルは人や物がぶつからないような場所にサ
イドスタンドを使用して駐車してください。
平坦でない場所や柔らかい土壌には駐車しないでください。
モーターサイクルが転倒する恐れがあります。
JP
7
最大積載量
お客様のモーターサイクルは、許容最大重量の荷物を積載
しても、長距離を安全かつ快適に走行できるよう設計され
たものです。
モーターサイクル上にバランス良く重量を配分することは
通常の安全走行に必要な注意で、特に凸凹道を走行したり、
急な進路変更を必要とする時のトラブルを避けるため重要
です。
重要
サイドバッグを使用している際には、時速 120 Km 以
上で走行しないようにしてください。
ただしタイヤのコンディションや道路および視界の状況が
悪い場合は、これよりもさらに速度を落とすようにしてく
ださい。
JP
8
積載量について
走行時の全車体重量はライダー、パッセンジャー、荷物、
オプションパーツの重量を含んだ合計で、次の値を超えて
はなりません。
410 kg。
荷物の重量は、それのみで決して 23 Kg を超えないように
し、その重量配分は以下の通りです ( 図 1) :
9 Kg max. それぞれのサイドバッグの最大重量
5 Kg max. タンクバッグの最大重量。
5
Kg
9
9
Kg
Kg
図 1
積み荷はモーターサイクルの中心に近く、できる限り低い
位置に配置するよう努めてください。
積み荷はモーターサイクルにしっかりと固定して下さい。
積み荷が完全に固定されていないとモーターサイクル転倒
の原因になります。
ハンドルバーやフロントマッドガード部に体積や重量のあ
るものを載せないでください。ステアリングの妨げになり、
モーターサイクルの安定性を損なう恐れがあります。
フレームのすき間に積み荷物を挟み込まないでください。
可動部分の妨げになる恐れがあります。
サイドバッグ(Ducati 部品サービスで入手可能)を取り付
ける際には以下の点に注意してください。
バッグとアクセサリーをそれぞれの重量に従って分け、サ
イドバッグに均一な重さで配分してください。
それぞれのサイドバッグを専用の鍵で施錠してください。
タイヤが、ページ 78 に定められた適正空気圧を保持し、ま
た良いコンディションにあることを確かめてください。
JP
9
製造番号
すべての Ducati モーターサイクルはフレームナンバー
( 図 2) とエンジンナンバー ( 図 3) の 2 つの製造番号で確
認できます。
フレーム ナンバー
エンジン ナンバー
メモ
これらの番号は、お客様のモーターサイクルの型式を
識別するもので、部品を発注する際に必ずお知らせくださ
い。
JP
10
図2
図3
操作系
警告
この章には、お客様がモーターサイクルを運転する上
で必要な全ての操作類の機能と配置を詳しく説明していま
す。 操作類を使用する前に、注意深く読んでください。
6
3
1
74
5
操作類の位置 ( 図 4)
1) メーターパネル
2) イグニッションスイッチ / キーによるステアリング
ロック
3) ハンドルバー左側スイッチ
4) ハンドルバー右側スイッチ
5) スロットルグリップ
6) クラッチレバー
7) フロントブレーキレバー
8) リアブレーキペダル
9) ギアシフトペダル
2
9
JP
8
図 4
11
メーターパネル
1) LCD(ページ 13)。
2) ボタン A および B。
これらのボタンは、メーターパネルのパラメーターの表示
および設定に使用します。
3) イモビライザー パイロットランプ IMMO (橙色)。
このインジケーターはキーコードが不正な場合、または承
認されない場合に点灯します。 またスロットルグリップを
使用してイモビライザーを無効にすると点滅します(ペー
ジ 24)。
重要
メーターパネルにはオンボード電子式インジェクショ
ン / イグニッションシステムの診断機能があります。
診断メニューは訓練を受けたメカニックのみ操作可能です。
偶然にこの機能へアクセスした場合はイグニッションキー
を OFF にし、Ducati 公認サービスセンターでモーターサイ
クルを点検してください。
JP
4) タコメーター (rpm)。
エンジンの 1 分間の回転数を表示します。
12
21
km/h
miles
mph
km/L
mpgal
5
図
3
4
LCD - 主要機能
警告
メーターパネルコントロールボタンを操作する場合
は、モーターサイクルを停車してから行ってください。 運
転中には決してメーターパネルコントロールボタンを操作
しないでください。
1) オイル温度インジケーター。
エンジン冷却オイルの温度を表示します。
重要
温度が上限値に達したときは、モーターサイクルを使
用しないでください。エンジンに損傷を与える恐れがあり
ます。
2) 時計。
3) スピードメーター。
車両の走行速度を表示します。
4) 補助ディスプレイ。
オドメーター、トリップメーター、燃料トリップメーター、
平均速度、瞬間燃費、平均燃費、および残り航続距離を順
に表示します。
5) EOBD パイロットランプ ( 橙色 )。
エンジンの作動禁止を伴うエラーが発生した場合は、エン
ジンコントロールユニットによりこのパイロットランプが
点灯します。
また、スロットルグリップを使用してイモビライザーを解
除する操作で、インジケーターとして使用されます。
エラーが発生していない場合は、イグニッションスイッチ
を ON にするとこのパイロットランプが点灯し、数秒後
( 通常 1.8 ~ 2 秒後 ) に消灯します。
13
JP
6) 方向指示器パイロットランプ ( 緑 )。
方向指示器の作動時に点滅します。
7) エンジンオイルプレッシャーパイロットランプ
(赤)。
エンジンオイル圧力が低すぎるときに点灯します。 イグ
ニッションスイッチを ON にすると点灯し、通常はエン
ジン始動後に数秒で消灯します。 エンジン温度が非常に高
い場合に数秒間点灯することがありますが、エンジン回転
数の上昇とともに消灯します。
重要
このパイロットランプ (7) が点灯したままのときは、
モーターサイクルを使用しないでください。エンジンに損
傷を与える恐れがあります。
8) ニュートラルパイロットランプ N ( 緑 )。
ギアポジションがニュートラルのときに点灯します。
9) ハイビームパイロットランプ ( 青 )。
ライトがハイビームのときに点灯します。
JP
10) 燃料警告灯 ( 黄色 )。
燃料タンクの残燃料が 約 3 リットルになったときに点灯し
ます。
11) 燃料レベル表示。
この機能では、車両の燃料タンク内の燃料残量が表示され
ます。 最後の目盛りが点滅したままになると、
燃料警告灯 (10) が点灯します。
14
1
12
km/h
miles
mph
11
10
9
12) 定期メンテナンスインジケーター。
このパイロットランプ ( ) は、定期点検用に指定した走
行距離に到達すると点灯します。 その時点から走行 50 km
(31 mi) までは点滅し続け、 その後は点灯したままになり
ます。 このパイロットランプが点滅し始めたら、正規
ディーラーまたは公認のサービスセンターで点検を行って
ください。
km/L
mpgal
678
2
3
4
5
図6
LCD - パラメーターの設定 / 表示方法
キーを OFF から ON に回して ( キー ON) 始動すると、メー
ターパネルのすべての機器 ( 針、ディスプレイ、パイロッ
トランプ ) が点検されます ( 図 7)。
OFF
km/h
miles
mph
km/L
mpgal
CHECK 1
CHECK 2
JP
km/h
ON
図7
15
オイル温度インジケーター (図 8)
エンジン冷却オイルの温度を表示します。
温度が +39 ℃ /102.2 °F 以下になると、ディスプレイには
"LO" という文字が点滅します。
温度が +40 ℃ /104 °F と +170 ℃ /338 °F の間にあるとき
は、ディスプレイには温度が数字で表示されます。
温度が +171 ℃ /339.8 °F 以上になると、ディスプレイに
は "HI" という文字が点滅します。
メモ
温度センサーが接続されていない場合、ディスプレイ
には "---" というラインが点滅します。
JP
16
図8
時計の調整機能
ボタン (A, 図 5) を 2 秒間押し続けると、"AM" という文字
が点滅します。 ボタン (B, 図 5) を押すと、"PM" という文
字が点滅します。 ボタン (B) を押すと、前のステップに戻
ります。 ボタン (A) を押すと"時" の設定に進み、" 時 "
の部分が点滅します。
ボタン (B) を押して、" 時 " を設定します。 ボタン (A)
を押して確定すると、" 分 " の設定モードになります。
ボタン (B) を押して、" 分 " を設定します。 ボタン (B) を
5 秒以上押し続けると、数字が速く進みます。 ボタン (A)
を押すと時計の設定モードを終了し、通常の機能に戻りま
す。
補助ディスプレイの機能表示
キーが ON の位置でボタン (B, 図 5) を押すと、以下の機
能がスクロールしてシーケンシャルに表示されます。
- オドメーター
- トリップメーター
- 平均速度
- 瞬間燃費
- 平均燃費
- 残り航続距離
- 燃料トリップメーター (TRIPF) ( 作動している場合 )
(図 9)
OFF
km/h
miles
mph
km/L
mpgal
CHECK 1
CHECK 2
JP
km/h
ON
図9
17
“オドメーター” 機能 (図 10)
車両の総走行距離を表示します。
“トリップメーター” 機能
リセット後の走行距離を表示します。 この機能に入ってか
ら、ボタン (A, 図 5) を 2 秒以上押すと機能します。
9999.9 km ( またはマイル ) に達すると、表示は自動的にゼ
ロになります。
この値がゼロにリセットされると、平均速度、平均燃費、
および燃料消費量のデータもゼロに戻ります。
“燃料トリップメーター”機能
燃料警告灯点灯後の走行距離を表示します (10, 図 6)。
ディスプレイには自動的に " 燃料トリップメーター " が表
示され、その時点からの走行距離が計測されます。
“平均速度” 機能
車両の走行速度を表示します。
平均速度は、" 区間走行距離 ( トリップメーター )" が最後
にリセットされた時点から計算されます。
280 km/h (174 mph) に達すると、ディスプレイには "---"
というラインが表示されます。
JP
(図 10)
(図 10)
( 図 10)
18
km
km
miles
miles
km/h
km/h
mph
mph
機能使用時のみ
km
km
miles
miles
km/h
mph
図10
“瞬間燃費” 機能 (図 11)
エンジン作動状態での走行中は、瞬間燃費の数値がディス
プレイに表示されます。 停車中エンジンが作動している状
態では、" - -. - " というラインが表示されます ( 定常点
灯)。 エンジン停止状態での停車中は、"0.0" と表示されま
す。
“平均燃費”機能
エンジン作動状態での走行中は、平均燃費の数値がディス
プレイに表示されます。
区間走行距離がゼロにリセットされると、ディスプレイに
は " - -.- " というラインが表示され、2 km 走行後にデー
タが更新されます。
停車中は ( エンジンが作動していても )、次回のデータ更
新まで、最後に記憶されたデータが表示されます。
( 図 11)
km/L
mpg
km/L
mpg
図11
JP
19
“無給油予想走行可能距離”機能 (図 12)
この機能では、車両があとどのくらいの距離を走行できる
かを表示します。 停車中は ( エンジンが作動していても )、
次回のデータ更新まで、最後に記憶されたデータが表示さ
れます。 この機能の作動中に燃料警告灯 (10, 図 6) が点灯
すると、システムにより "--.-" 警告灯が点灯している間、
表示されます。
メモ
データの更新は 10 秒ごとに行われます。
“燃料残量” 機能
この機能では、燃料タンク内に残っている燃料の量が表示
されます。 燃料警告灯 (10, 図 6) が点灯すると、ディスプ
レイには最終の目盛りが表示され、ガソリンポンプのシン
ボルが点滅します。
燃料警告灯の点灯
3 リットルの燃料が燃料タンク内残量になると点灯します。
燃料警告灯 (10, 図 6) が点灯すると、ディスプレイには最
終の目盛りが表示され、ガソリンポンプのシンボルが点滅
します。 ディスプレイ (4, 図 6) には “燃料トリップメー
ター” が表示され、その時点からの走行距離が計測されま
JP
す。
メモ
この車両には特に長い燃料タンクが備え付けられてい
ます。従って長い坂道を走行中は、燃料残量表示がやや不
明瞭になることがあります。
(図 12)
20
km
miles
10
図12
メーターパネルのバックライト
メーターパネルのバックライトは、パーキングライトもし
くはヘッドライトが点灯している場合のみ作動します。
これらのライトが点灯していると、光の強度、気温を感知
するセンサーの働きで、メーターパネルが自動的にバック
ライトの作動を調整します。
パイロットランプの明るさの強度
この機能は、パーキングライトもしくはヘッドライトが点
灯している場合のみ作動します。
パイロットランプの明るさは、感知された外の光の量に応
じ、メーターパネルによって自動的に調整されます。
ヘッドライトの自動消灯機能
ヘッドライトが自動的に消えるので、バッテリーの消費を
抑えることが出来ます。
次の 2 つの場合、この機能は作動します:
- ひとつは、キーを OFF から ON に回した後、エンジンが
始動されなかった場合。 60 秒後にヘッドライトが消灯
し、キーを使って OFF / キー ON に再始動した場合。
- 次は、モーターサイクルを通常に使用した後、ヘッドラ
イトが点灯したまま、エンジン停止スイッチ (2, 図 19)
によりエンジンを停止した場合。 この場合、エンジンを
止めてから 60 秒経つとヘッドライトは消え、次にエン
ジンを始動した時に再び作動します。
メモ
エンジン始動のときも、システムではヘッドライトが
いったん消えるようにします。エンジンがスタートしてか
ら、またはエンジンスタートボタン (3, 図 19) が解放
されてから、再び点灯します。
JP
21
イモビライザーシステム
このモーターサイクルは、盗難防止機能の向上のためイモ
ビライザーを装備しています。イモビライザーはイグニッ
ションスイッチが OFF の時にエンジンの作動を禁止する電
子システムです。
出力信号を調整する電子装置が各イグニッションキーの
ハンドグリップに内蔵されています。この信号はイグニッ
ションを ON に回した時、スイッチに内蔵された特殊アンテ
ナから出力され、毎回変更されます。 この変調信号は「パ
スワード」として機能し、" 認可 " イグニッションキーがエ
ンジンの始動に使用されていることを CPU に伝達します。
CPU は信号を認識すると、エンジンを始動させます。
キー ( 図 13)
オーナーに支給されるキーは以下の 1 組です。
- 赤色キー (A) 1 本
この " 赤いキー " はメンテナンスの道具であり、モー
ターサイクルのイモビライザーシステムの一部です。
キーにはイモビライザーシステムの " コード " が内蔵さ
れており、日常には使用しないでください。 メンテナン
ス作業を実施するために、Ducati ディーラーは、お客様
にこのキーを持参するように尋ねる場合があります。
JP
安全のために、この赤いキーは交換することはできませ
ん。 メンテナンス作業にキーが必要な時、キーを提供で
きない場合は、エンジンコントロールユニット、メー
ターパネル、イグニッション装置を交換する必要が生
じ、これらの交換費用はかなり高く、またお客様の負担
となります。 赤いキーは安全な場所に保管してくださ
い。
- 黒色キー (B) 2 本
22
警告
キー A ( 赤色 ) には、キーをベストな状態に保ち、
他のキーとの接触を防ぐためゴム製のカバーが取り付けら
れています。 必要な場合以外は絶対にこのカバーを取り外
さないでください。
キー B は通常使用するイグニッションキーで、以下に使用
します。
- エンジン始動
- 燃料タンクキャップのロック解除
- 書類入れスペース扉のロック解除
- パッセンジャーシートのロック解除。
赤色キーには黒色キーと同様の機能があります。また必要
な場合は、黒色キーの削除および再プログラムができます。
B
A
1
図13
警告
キーは電子部品を内蔵しています。落とす、またはぶ
つけると損傷する恐れがあります。
メモ
3 本のキーには識別番号を記載した小型プレート (1)
が付属しています。
警告
キーはそれぞれ別の場所に保管してください。プレー
ト (1) および赤色キーは安全な場所に保管してください。
モーターサイクル使用時には、2 本のうちのどちらか 1 本
の同じ黒色キーを常に使用することをお薦めします。
コードカード
キーと合わせてコードカード ( 図 14) が納品されます。
カードには、電子コード (A, 図 15) が掲載されており、
key-ON の後エンジンがロックしてかからない場合に使用し
ます。
図14
警告
コードカードは安全な場所に保管してください。 ただ
し、スロットルグリップを使用した手順に従いロック解除
しなければならない場合に必要となるので、モーターサイ
クルを運転する際には電子コードが印刷されているコード
カードを携帯するようお薦めします。 ( ページ 24)。 イモビ
ライザーシステムに不具合がある場合、橙色の EOBD パイ
ロットランプ (5, 図 6) が点灯するので、以下の方法で
「エンジン作動禁止」機能を無効にできます。 ただしこの操
作は、コードカードの電子コードを知っている場合にのみ
実施可能です。
A
JP
図15
23
スロットルグリップを使用したイモ
ビライザーによるエンジン作動禁止
の解除手順
1) キーを ON に回します。スロットルを全開に保持しま
す。そのままの状態にします。
8 秒後に EOBD パイロットランプ (5、図 6) が消灯し
ます。
2) EOBD パイロットランプが消灯したら直ちにスロットル
を戻します。
3) EOBD パイロットランプが再び点灯し、点滅します。 こ
こで、解除用の電子コードを入力します。このコード
は、納車時にディーラーからお客様に渡されるコード
カードに記載されています。
4) EOBD パイロットランプの点滅回数がシークレットコー
ドの最初の数字と同じになるまで数えます。
スロットルグリップを 2 秒間全開のポジションにし、
その後放します。 1 桁目の入力が認識されると、EOBD
パイロットランプが 4 秒間点灯します。 この手順を繰
り返して、最後の数字まで入力します。
スロットルグリップをまったく操作しないと、EOBD パ
JP
イロットランプが 20 回点滅した後、点灯状態になりま
す。この場合は、手順 1 からやり直す必要があります。
24
5) コードが正しく入力された場合は、スロットルグリッ
プを放したときに、次の 2 とおりの表示があります。
A)EOBD パイロットランプが点滅しながら点灯し、ブ
ロックが解除されたことを示します。 4 秒後、もしくは
エンジン回転数が 1000 rpm を超えると、パイロットラ
ンプは通常の状態 ( 消灯 ) に戻ります。
B)エンジンの回転数が 1000 rpm を超えるまで、もしく
はモーターサイクルを再始動するまでパイロットラン
プ IMMO (3, 図 5) が点滅を続けます。
6) コードが正しく入力されなかった場合は、EOBD パイ
ロットランプおよび IMMO パイロットランプは共に点灯
したままです。同じ作業を 2 から何度でも繰り返すこ
とが出来ます。
メモ
スロットルを規定時間より早く戻した場合、パイロッ
トランプが再度点灯します。その場合には、キーを OFF に
回して、手順 (1) からやり直さなければなりません。
作動値
イグニッションキーを ON から OFF に回すたびに、イモビ
ライザーがエンジンの作動を禁止します。 エンジンを始動
するため、イグニッションキーを OFF から ON (Key-ON) に
戻すと以下のようになります。
1) CPU がコードを認識すると、メーターパネルの IMMO パ
イロットランプ (3, 図 5) が短時間点滅します。 これ は
イモビライザーシステムがキーコードを認識し、エンジ
ン始動が可能なことを示します。 エンジン始動ボタ
ン (2, 図 19) を押すと、エンジンが始動します。
2) IMMO パイロットランプが点灯したままの場合は、コー
ドが認識されていないことを示します。 この場合、イグ
ニッションキーを OFF に戻し、再度 ON にします。こ
れでもエンジンが始動しない場合は、もう 1 本の黒色
キーで試してみて下さい。 このキーでも始動しない場合
は、DUCATI サービスネットワークにご相談ください。
3) IMMO パイロットランプが点滅したままの場合は、イモ
ビライザーシステムの不具合がスロットルグリップを
使用した解除手順などによりリセットされたことを示
します。
キーの複製
キーを複製したい場合は、お手持ちのすべてのキー、およ
びコードカードを DUCATI サービスネットワークにお持ち
ください。
DUCATI サービスが合計 8 本まで新しいキーのプログラムお
よびオリジナルキーの再プログラムを行います。
この時お客様がモーターサイクルの正当な所有者である証
明を求める場合があります。必ず証明できる書類をお持ち
ください。
お持ちにならなかったキーのコードは、キーを紛失した場
合使用できないようにするためメモリから削除されます。
メモ
モーターサイクルを売却された場合は、必ずすべての
キーおよびコードカードを新しい所有者にお渡しください。
重要
作業中は 1 本のキーのみを使用してください。 複数
のキーを使用すると、使用するキーのコードをシステムが
認識できない場合があります。
JP
25
イグニッションスイッチとステアリ
ングロック
ステアリングヘッドの前にあり、4 つのポジションがあり
ます。
A) ON: ライト ON、エンジン作動
B) OFF: ライト OFF、エンジン停止
C) LOCK: ステアリングロック
D) P: パーキングライト ON、ステアリングロック。
メモ
キーを (C)、(D) の位置にするには、押してから回し
てください。 (B)、(C)、(D) の位置ではキーを引き抜くこ
とができます。
( 図 16)
JP
26
A
B
N
O
F
F
O
H
S
U
P
LOCK
P
C
IGNITION
D
図16
ハンドルバー左側スイッチ
1) ライト切り替えスイッチ = 2 つのポジションがありま
す。
-ポジション = ロービーム
-ポジション = ハイビーム。
2) スイッチ = 方向指示器には 3 つのポジションが
あります。
-中央 = OFF
-ポジション = 左折
-ポジション = 右折
方向指示器を消すには、中央に戻ってきたレバーを押
して下さい。
3) スイッチ = 警告ホーン。
4) スイッチ = ハイビーム点滅。
5) スイッチ = 緊急時点滅灯。
押して作動させます。全ての方向指示器が同時に点滅
します。
点滅灯を消すには、ボタンを再度押してください。
メモ
装置 (1)、(2)、(4) および (5) が作動すると、それ
に相当するメーターパネルのパイロットランプが点灯しま
す(ページ 14)。
(図 17)
5
4
1
2
3
図17
JP
27
クラッチレバー
クラッチを操作するレバー(1)にはアジャスター(2)が
付いており、レバーとグリップとの間隔を調整できます。
調整手順は、レバー (1) を完全に前方に放した状態でア
ジャスター (2) を 4 つのうちの 1 つの位置に回します。
以下の点に注意してください:
1 の位置ではレバーとグリップの間隔が最大になり、4 では
最小になります。
レバー (1) を引くと、エンジンの回転がトランスミッショ
ンおよびリアホイールに伝わらなくなります。 クラッチの
適切な操作は、スムーズなライディング、特に発進時に重
要です。
警告
クラッチレバーの調整は、モーターサイクルを停止し
た状態で行ってください。
重要
クラッチレバーを正しく操作することで、トランス
ミッションのダメージを回避し、モーターサイクルの寿命
を延ばすことができます。
JP
メモ
エンジンは、サイドスタンドを下ろしてギアをニュー
トラルにした状態で始動することができます。ギアを入れ
た状態でモーターサイクルを始動する場合は、クラッチレ
バーを引いてください。この場合、必ずサイドスタンドを
上げてください。
(図 18)
28
4
3
1
2
2
図18
ハンドルバー右側スイッチ
1) エンジン停止スイッチ = 2 つのポジションがあります。
-ポジション (RUN) = エンジン作動
-ポジション (OFF) = エンジン停止。
警告
このスイッチは、エンジンを直ちに停止させることが
必要な緊急時等に使用することを目的としています。 エン
ジン停止後は、 再始動可能なようにスイッチを作動ポジ
ションに戻してください。
2) スタータースイッチ = エンジン始動。
( 図 19)
スロットルグリップ (図 19)
ハンドルバー右側のスロットルグリップ (3) は、スロット
ルバルブを開く操作をします。 スロットルを開けている時
にグリップの握りを緩めると、自動的に元の位置 ( アイド
リング状態 ) に戻ります。
1 3
2
図19
JP
29