
オーナーズマニュアル
Libretto uso e manutenzione
DUCATIMULTISTRADA
1000DS S
1

2

この度は当社の製品をお選びくださりありがとうござい
ます。お客様を喜んでドゥカティストの一員としてお迎
えいたします。この新しい Ducati モーターサイクルが
日常使用のみならずロングツーリングにおいても、その
走行が常に快適で楽しいものでありますよう、Ducati
モーターホールディング社は願っております。
お客様に常により良いサービスをお届けするために、
Ducati モーターホールディング社は、このマニュアルに
記載された正しい使用方法、特に慣らしの項目に関して
遵守していただくようお客様にお願い申し上げます。そ
れにより、Ducati モーターサイクルは常にお客様の要求
に応えてくれることでしょう。
あらゆる修理作業や適切なアドバイスが必要な場合は、
Ducati 正規ディーラーの修理工場にお任せください。
他のどこよりも Ducati を熟知したエキスパート達がい
つも万全の体制でお客様のご要望にお答えいたします。
楽しいライディングを!
メモ
Ducati モーターホールディング社は、本マニュア
ルの作成においての誤記および脱字について一切の責任
を負うものではありません。ここに記載された情報は、
印刷された時点において最新のものです。Ducati モー
ターホールディング社は、製品を改良、発展させていく
ために必要と思われるあらゆる変更を行う権利を保有し
ます。
安全性、保証、信頼性、そして Ducati モーターサイク
ルの価値のために、Ducati 純正部品のみをご使用くださ
い。
警告
本マニュアルは車両の一部を形成するものであり、
車両を譲渡する場合には、常に新しい所有者に譲渡しな
ければなりません。
3

目次
イントロダクション 6
保証 6
シンボルマーク 6
安全運転の注意 7
最大積載量 8
製造番号 10
操作系 11
操作類の位置 11
メーターパネル 12
LCD - 主要機能 13
LCD - パラメーターの設定 / 表示方法 15
メーターパネルのバックライト 24
パイロットランプの明るさの強度 24
ヘッドライトの自動消灯機能 24
イモビライザーシステム 25
キー 25
コードカード 26
スロットルグリップを使用したイモビライザーによるエ
ンジン作動禁止の解除手順 27
キーの複製 28
イグニッションスイッチ と ステアリングロック 29
ハンドルバー左側スイッチ 30
4
クラッチレバー 31
ハンドルバー右側スイッチ 32
スロットルグリップ 32
フロントブレーキレバー 33
リアブレーキペダル 34
ギアシフトペダル 34
シフトペダルとリアブレーキペダルの調整 35
主要構成部品 / 装備 37
配置図 37
燃料タンクキャップ 38
シートロックおよびヘルメットホルダー 39
書類入れスペース扉ロック 40
サイドスタンド 41
フロントフォークアジャスター 42
リアショックアジャスター 44
バックミラーの調整 45
車高の調整 46
運転のしかた 47
慣らしの方法 47
走行前のチェック 49
エンジンの始動 50
モーターサイクルの発進 52
ブレーキング 52
モーターサイクルの停止 53
パーキング 53
燃料補給 54
工具セット 55

主な整備作業とメンテナンス 56
フェアリングの取り外し 56
ブレーキ / クラッチ液量のチェック 61
ブレーキパッドの磨耗チェック 63
ケーブル / ジョイント部の潤滑 64
スロットルグリップの遊びの調整 65
バッテリーの充電 66
チェーンテンションの点検 67
チェーンの潤滑 68
フロントヘッドライトのライトバルブの交換 69
フロント方向指示器のライトバルブの交換 73
リア方向指示器のライトバルブの交換 74
ナンバープレートライトおよびストップライトのライト
バルブの交換 75
ヘッドライトの光軸調整 77
チューブレスタイヤ 78
エンジンオイル量のチェック 80
スパークプラグの清掃と交換 81
モーターサイクルの手入れ 82
長期間の保管 83
外国のオーナーにとって重要な事項 83
テクニカルデータ 84
全体寸法 (mm) 84
重量 84
燃料補給 85
エンジン 86
タイミングシステム 86
性能データ 87
点火プラグ 87
給油 87
エキゾーストシステム 87
トランスミッション 88
ブレーキ 89
フレーム 90
ホイール 90
タイヤ 90
サスペンション 91
カラーバリエーション 91
電装 92
定期点検メモ 97
5

イントロダクション
保証
お客様ご自身、および、また製品の信頼性を保証するた
めに、特に専門的技術が要求される整備作業は、Ducati
正規ディーラーの修理工場にお任せいただくよう強くお
薦めします。
Ducati 正規ディーラースタッフは高度に熟練しており、
最適な器具を使用して作業を行う能力を保持し、また、
Ducati 純正部品だけを使用して、「ロングライフ」「円滑
な作動」「完璧な互換性」について最良の保証をいたしま
す。
全ての Ducati モーターサイクルには保証書が添付され
ています。ただし車両を競技やそれに類することに使用
した場合には、保証の対象外となります。また保証期間
中に、たとえ車両の一部でも Ducati 純正部品でないも
のと交換したり、また改造・変更した場合は、Ducati
モーター社の保証は適用されません。
6
シンボルマーク
Ducati モーターホールディング社はお客様がモーターサ
イクルをより良く理解できるよう、本マニュアルを注意
深く読まれることをお薦めします。お客様のモーターサ
イクルについて、お問い合わせのある場合には、ご購入
先の正規ディーラーあるいは公認の整備工場にお尋ねく
ださい。スタッフからの最新の情報は、お客様の走行に
役立つでしょう。また Ducati モーターホールディング
社は、本マニュアルが、快適で楽しい走行と、お客様の
モーターサイクルの素晴しい性能を長い間変わらずに保
てる一助となることを望んでいます。
本マニュアルには特別な意味を持つ注記を盛り込んでい
ます。
警告
この説明を遵守しなかった場合、重度の負傷および
死亡に至る危険性があります。
重要
モーターサイクルおよびその部品類に損傷を与える
可能性があります。
メモ
作業上の追加注意事項です。
文中の「右」、「左」の表記は車両の進行方向に向かって
緒位置を示します。

安全運転の注意
警告
運転する前に読んでください。
多くの事故はしばしば運転に不慣れなために起こります。
走行する際は常に免許証を携帯していることを確認して
ください。免許証はお客様のモーターサイクルの運転に
適したものが必要です。
お客様のモーターサイクルを未経験者、および有効免許
証を持っていないライダーに貸してはいけません。
ライダーおよびパッセンジャーは、常に適切なライディ
ングウエアーを着用し、保護ヘルメットを着用しなけれ
ばなりません。
視界を制限したり、引っかかって操作の妨げになるアク
セサリーや物が付いていない、適切なライディングウエ
アーを着用してください。
屋内では絶対にエンジンを始動させないでください。排
気ガスは有毒で、意識喪失や、場合によっては短時間で
死亡に至る危険性ももたらします。
ライダーおよびパッセンジャーは、モーターサイクルが
動いている間は足をフットレストに載せていてください。
急な進路変更や、路面状況の変化に対処できるよう、ラ
イダーは常に両手でしっかりとハンドルバーを保持し、
パッセンジャーは常に両手でシート下のリアグリップを
しっかりと保持してください。
走行地域の道交法、および法律を遵守して運転してくだ
さい。
常に指示された速度制限を厳守するとともに、視界や道
路条件、混雑の状況に合わせて、適切な速度を守ってく
ださい。
車線変更をする時や曲がる時は、常に適時に方向指示器
を使用して合図してください。
良好な視界を保ち、前方の車両の " 死角 " に入って走行
しないようにしてください。
交差点や私有地、駐車場の出口に近い場所、高速道路へ
の進入路等を走行する場合は充分に注意してください。
給油時は
常に
エンジンを停止し、給油の際、エンジンや
エキゾーストパイプにガソリンをこぼさないよう特に注
意してください。
給油時は絶対に喫煙しないでください。
給油の際に、人体に有毒な気化した燃料を吸い込む可能
性があります。もしも燃料が皮膚や衣服に付着した場合
は、直ちに石鹸と水で洗浄し衣服を取り替えてください。
モーターサイクルから離れる場合は、
常に
キーを抜いて
ください。
エンジン、エキゾーストパイプ、マフラーはエンジン停止
後も長時間熱くなっています。
警告
エキゾーストシステムは、エンジンスイッチを切っ
た後も熱い場合があります。エキゾーストシステムに接
触しないよう充分注意し、車両を木材、木の葉などの可
燃物のそばに駐車しないようにしてください。
モーターサイクルは人や物がぶつからないような場所に
サイドスタンドを使用して駐車してください。
平坦でない場所や柔らかい土壌には駐車しないでくださ
い。モーターサイクルが転倒する恐れがあります。
7

最大積載量
お客様のモーターサイクルは、許容最大重量の荷物を積
載しても、長距離を安全かつ快適に走行できるよう設計
されたものです。
モーターサイクル上にバランス良く重量を配分すること
は通常の安全走行に必要な注意で、特に凸凹道を走行し
たり、急なハンドル操作を必要とする時のトラブルを避
けるため重要です。
重要
サイドバッグを使用している際には、時速 120Km 以
上で走行しないようにしてください。
ただしタイヤのコンディションや道路および視界の状況
が悪い場合は、これよりもさらに速度を落とすようにし
てください。
8
積載量について
走行時の全車体重量は
ライダー、パッセンジャー、荷物、オプションパーツの
重量を含んだ合計で、
410 Kg を超えてはなりません。
荷物の重量は、それのみで決して 23Kg を超えないよう
にし、その重量配分は以下の通りです(図 1):
それぞれのサイドバッグが最大 9 Kg
タンクバッグが最大 5 Kg
図 1

積み荷や重いオプションパーツ類はモーターサイクルの
中心に近く、できる限り低い位置に配置するようにして
ください。
積み荷はモーターサイクルにしっかりと固定してくださ
い。積み荷が完全に固定されていないとモーターサイク
ル転倒の原因になります。
ハンドルバーやフロントマッドガード部に体積や重量の
あるものを載せないでください。モーターサイクルの安
定性を損なう恐れがあります。
フレームのすき間に積み荷物を挟み込まないでください。
可動部分の妨げになる恐れがあります。
サイドバッグ(Ducati 部品サービスで入手可能)を取り
付ける際には以下の点に注意してください。
バッグとアクセサリーをそれぞれの重量に従って分け、
サイドバッグに均一な重さで配分してください
それぞれのサイドバッグを専用の鍵で施錠してください。
タイヤが、 pag. 78 ページに定められた適正空気圧を保
持し、また良いコンディションにあることを確かめてく
ださい。
9

製造番号
すべての Ducati モーターサイクルはフレームナンバー
( 図 2) とエンジンナンバー ( 図 3) の 2 つの製造番号
で確認できます。
フレーム ナンバー
エンジン ナンバー
メモ
モーターサイクルのこれらのモデル識別番号は、部
品の請求時に必要となります。
10
図 2
図 3

操作系
警告
この章には、お客様がモーターサイクルを運転する
上で必要な全ての操作類の機能と配置を詳しく説明して
います。操作類を使用する前に、注意深く読んでくださ
い。
操作類の位置 ( 図 4)
1) メーターパネル
2) イグニッションスイッチとキーによるステアリング
ロック
3) ハンドルバー左側スイッチ
4) ハンドルバー右側スイッチ
5) スロットルグリップ
6) クラッチレバー
7) フロントブレーキレバー
8) リアブレーキペダル
9) ギアシフトペダル
6
3
2
1
74
5
8 9
図 4
11

メーターパネル
1) LCD, ( ページ 13)。
2) ボタン A および B.
これらのボタンは、メーターパネルのパラメーターの表
示および設定に使用します。
3) イモビライザー パイロットランプ IMMO ( 橙色 ).
インジケーターはキーコードが不正な場合、または承認
されない場合に点灯します。またスロットルグリップを
使用してイモビライザーを無効にすると点滅します
( ページ 27)。
重要
メーターパネルにはオンボード電子式インジェク
ション / イグニッションシステムの診断機能がありま
す。
診断メニューは訓練を受けたメカニックのみ操作可能で
す。偶然にこの機能へアクセスした場合はイグニッショ
ンキーを OFF にし、Ducati 公認サービスセンターで
モーターサイクルを点検してください。
4) タコメーター (rpm)
エンジンの 1 分間の回転数を表示します。
12
21
km/h
miles
mph
km/L
mpgal
3
4
図 5

LCD - 主要機能
警告
メーターパネルコントロールボタンを操作する場合
は、モーターサイクルを停車してから行ってください。
運転中にはメーターパネルコントロールボタンを決して
操作しないでください。
1) オイル温度インジケーター
エンジン冷却オイルの温度を表示。
重要
温度が上限値に達したときは、モーターサイクルを
使用しないでください。エンジンに損傷を与える恐れが
あります。
2) 時計
3) スピードメーター
車両の走行速度を表示します。
4) 補助ディスプレイ
積算走行距離、区間走行距離、平均速度、瞬間燃費、平
均燃費、燃料消費量、残り航続距離、および燃料残量を
順に表示します。
5) EOBD パイロットランプ ( オレンジ )
エンジンの作動禁止を伴うエラーが発生した場合は、エ
ンジンコントロールユニットによりこのパイロットラン
プが点灯します。
また、スロットルグリップを使用したイモビライザー無
効のインジケーターを兼用しています。
エラーが発生していない場合は、イグニッションスイッ
チを ON にするとこのパイロットランプが点灯し、数秒
後(通常 1.8 ~ 2 秒後)に消灯します。
13

6) 方向指示器パイロットランプ ( 緑 )
方向指示器の作動時に点灯します。
7) エンジンオイルプレッシャーパイロットランプ
(赤)
エンジンオイル圧力が低すぎる時に点灯します。イグ
ニッションキーを ON の位置に回した時に点灯し、エン
ジンが始動して数秒後に消灯します。エンジン温度が非
常に高い場合に数秒間点灯することがありますが、エン
ジン回転数の上昇とともに消灯します。
重要
このパイロットランプ(7)が点灯したままのとき
は、モーターサイクルを使用しないでください。エンジ
ンに損傷を与える恐れがあります。
N
8) ニュートラルパイロットランプ
( 緑 )
ギアポジションがニュートラルの時に点灯します。
9) ハイビームパイロットランプ ( 青 )
ライトがハイビームの時に点灯します。
10)燃料警告灯 ( 黄色 )
燃料タンクの残燃料が約 7 リットルになった時に点灯し
ます。
11)燃料レベル表示
この機能では、車両の燃料タンク内の燃料残量が表示され
ます。最後のラインが点滅したままになると、燃料警告灯
(10) が点灯します。
14
1
2
13
3
12
km/h
miles
mph
11
km/L
mpgal
9
67810
4
5
図 6
12)ヘッドライト光軸調整インジケーター
ユーザーがヘッドライト光軸調整モードに入ると点灯し
ます。
13)定期メンテナンスインジケーター
このライトは定期メンテナンス用に指定した走行距離に
到達すると点灯します。その時点から走行 50 km までは
点滅し続け、その後は点灯したままになります。定期メ
ンテナンスの一環として Ducati 正規ディーラーの修理
工場でカウンターがリセットされると消灯します。

LCD - パラメーターの設定 / 表示方法
キーを OFF から ON に回すかまたはキー ON によって始
動すると、メーターパネルではすべてのメーター類の針、
ディスプレイ、およびパイロットランプが点検されます。
( 図 7).
OFF
km/h
miles
mph
km/L
mpgal
CHECK 1
CHECK 2
km/h
ON
図 7
15

オイル温度インジケーター ( 図 8)
エンジン冷却オイルの温度を表示します。
蒸気の温度が +39 ℃ / 102.2 °F かそれ以下の場合は、
ディスプレイには "LO" が点滅して表示されます。
温度が +40 ℃ / 104°F と +170 ℃ / 338°F の間にある
ときは、ディスプレイには温度が数字で表示されます。
温度が +171 ℃ / 339.8°F かそれ以上の場合は、ディス
プレイには "HI" が点滅して表示されます。
メモ
センサーが接続されていない場合は、ディスプレイ
に " - - - " のラインが表示されます。
16
図 8

時計の調整機能
ボタン (A, 図 5) を 2 秒間押すと、AM の表示が点滅し
ます。 ボタン (B, 図 5) を押すと、PM の表示が点滅しま
す。ボタン (B) を押すと、前のステップに戻ります。 ボ
タン (A) を押して確定します。このようにして時間の設
定モードまで進み、「時」を点滅させます。
ボタン (B) を押して「時」を設定します。ボタン (A) を
押して確定すると、「分」設定モードになります。ボタン
(B) を押して「分」を設定します。 ボタン (B) を 5 秒以
上押し続けると、数字が速く送られます。ボタン (A) を
押して確定すると、時計設定モードが終了し、通常の機
能に戻ります。
補助ディスプレイの表示 ( 図 9)
キーが ON の位置でボタン (B, 図 5) を押すと、下記の
データがスクロールして表示されます:
- 積算走行距離
- 区間走行距離 ( トリップメーター )
-平均速度
-瞬間燃費
-平均燃費
- 燃料消費量
- 残り航続距離
-燃料残量
図 9
17

積算走行距離機能 ( 図 10)
積算走行距離を表示します。
区間走行距離機能 (TRIP) ( 図 10)
最後に値がゼロにリセットされてからの走行距離を表示
します。このモードに入ってからボタン (A, 図 5) を 2
秒以上押すと機能します。 表示が 9999.9 km ( またはマ
イル ) に達すると、表示は自動的にゼロになります。
この値がゼロにリセットされると、平均速度、平均燃費、
および燃料消費量のデータもゼロに戻ります。
平均速度機能 ( 図 10)
車両の平均走行速度を表示します。
平均速度は、区間走行距離 ( トリップメーター ) が最後
にリセットされた時点から計算されます。
280 km/h(174 mph)に達すると、ディスプレイには "--
-" というラインが表示されます。
瞬間燃費機能 ( 図 10)
エンジン作動状態での走行中は、瞬間燃費の数値がディ
スプレイに表示されます。停車中エンジンが作動してい
る状態では、 "--.-" というラインが表示されます ( 定常
点灯 )。エンジン停止状態での停車中は、"0.0" と表示
されます。
18
km
miles
km
miles
km/h
mph
km/L
mpgal
図 10

平均燃費機能 ( 図 11)
エンジン作動状態での走行中は、平均燃費の数値がディ
スプレイに表示されます。
区間走行距離 ( トリップメーター ) がゼロにリセットさ
れると、ディスプレイには "--.-" というラインが表示
され、2 km 走行後にデータが更新されます。
停車中は ( エンジンが作動していても )、次回のデータ
更新まで、最後に記憶されたデータが表示されます。
燃料消費量機能 ( 図 11)
走行中に消費された燃料の量を表示します。 燃料消費量
は、区間走行距離 ( トリップメーター ) が最後にリセッ
トされた時点から計算されます。 9999.9 リットル
(2201.9 英国ガロン - 2641.9 米国ガロン ) に達すると
ディスプレイには "--.-" というラインが表示されま
す。
km/L
mpgal
L
gal
図 11
19

残り航続距離機能 ( 図 12)
車両があとどのくらいの距離を走行できるかを表示しま
す。停車中は ( エンジンが作動していても )、次回の
データ更新まで、最後に記憶されたデータが表示されま
す。 この機能の作動中に燃料警告灯 (10, 図 6) が点灯す
ると、システムにより "--.-" というラインが 警告灯が
点灯している間、表示されます。
メモ
データの更新は 10 秒ごとに行われます。
km
miles
燃料残量機能 ( 図 12)
車両の燃料タンク内の燃料残量を表示します。 燃料警告
灯 (10, 図 6) が点灯すると、ディスプレイには "--.-"
というラインが表示され、 ガソリンポンプのシンボルが
点滅します。
燃料警告灯
燃料タンク内の燃料が残り 7 リットルになると点灯しま
す。
燃料警告灯 (10, fig. 6) が点灯すると、ディスプレイに
は "--.-" というラインが表示され、ガソリンポンプの
シンボルが点滅を開始します。
エンジン作動状態での走行中は、残り航続距離の数値が
ディスプレイに表示されます。エンジン作動したまま停
車している間、またはエンジン停止状態での停車中は、
次回のデータ更新まで、最後に記憶されたデータが表示
されます。
20
L
gal
図 12
メモ
この車両には特に長い燃料タンクが備え付けられて
います。従って長い坂道を走行中は、燃料残量表示がや
や不明瞭になることがあります。

ヘッドライト光軸調整 ( 図 13)
これはヘッドライトの光軸を調整する機能です。
この機能を作動させるには、ボタン (B, 図 5) を押して、
キーを ON の位置に回します。ディスプレイにはヘッド
ライトの位置を示す数値が表示され ( 図 13a) 、警告灯
(12, 図 6) が点滅します。
ヘッドライトの光軸には、3 から -3 まで、合計 7 つの
位置 (3、2、1、0、-1、-2、-3) があります。
図 13
21

下へ向けるにはボタン (A, 図 5) を押し、上へ向けるに
はボタン (B, 図 5) を押します。
また、番号の左には、基準位置 0 に対する上下を示すガ
イドラインが表示されます ( 定常点灯 )。(光軸を上また
は下へ移動している間は、このガイドラインはその方向
を示して点滅します。)
この機能を終了するには、イグニッションキーを OFF に
回します。
この機能を終了するとき、選択したヘッドライトの位置
が記憶されます。
22
図 13a

スペシャルセッティング機能: 車両モデルおよび単位
( 図 14)
コントロールユニットはメーターパネルに車両と現在の
単位を自動的にディスプレイに表示します。これらのパ
ラメーターを変更するには、ボタン (A, 図 5) と (B, 図
5) を同時に押し、イグニッションキーを OFF から ON
にします。 ディスプレイには車両のモデルとバージョン
が点滅表示されます。ボタン (B) を押して選択したい設
定までスクロールします。 選択したものを記憶させるに
は、ディスプレイに OFF のサインが表示されるまで、ボ
タン (A) を 5 秒以上押してください。その後イグニッ
ションキーを OFF の位置に回します。
メモ
この機能を使用中には、車両を作動させることは禁
じられています。
図 14
23

メーターパネルのバックライト
メーターパネルのバックの照明は、パーキングライトも
しくはヘッドライトが点灯している場合のみ作動します。
これらのライトが点灯していると、光の強度、気温を感
知するセンサーの働きで、メーターパネルが自動的に
バック照明の作動を調整します。
パイロットランプの明るさの強度
この機能は、パーキングライトもしくはヘッドライトが
点灯している場合のみ作動します。
パイロットランプの明るさは、感知された外の光の量に
応じ、メーターパネルによって自動的に調整されます。
ヘッドライトの自動消灯機能
ヘッドライトが自動的に消えるので、バッテリーの消費
を抑えることが出来ます。
次の 2 つの場合、この機能が作動します:
- キーを OFF から ON にした場合で、エンジンを始動さ
せない場合。60 秒後にヘッドライトが消灯し、キーを
使って OFF/ キー ON に再始動した場合。
- モーターサイクルを通常に使用した後、ヘッドライト
が点灯したまま、エンジン停止スイッチ (2, 図 21)
によりエンジンを停止した場合。この場合、エンジン
を止めてから 60 秒経つとヘッドライトは消え、次に
エンジンを始動した時に再び作動します。
24
メモ
エンジン始動のときも、システムによりヘッドライ
トがいったん消えます。エンジンがスタートしてから、
またはエンジンスタートボタン (3, 図 21) が解放さ
れた後、再び点灯します。

イモビライザーシステム
このモーターサイクルは、盗難防止機能の向上のためイモ
ビライザーを装備しています。イモビライザーはイグニッ
ションスイッチが OFF の時にエンジンの作動を禁止する電
子システムです。
出力信号を調整する電子装置が各イグニッションキーのハ
ンドグリップに内蔵されています。この信号はイグニッ
ションを ON に回した時、スイッチに内蔵された特殊アン
テナから出力され、毎回変更されます。この変調信号は
「パスワード」として機能し、「認可」イグニッションキー
がエンジンの始動に使用されていることを CPU に伝達しま
す。CPU は信号を認識すると、エンジンを始動させます。
キー (図 15)
オーナーに支給されるキーは以下の 1 組です。
- 赤色キー (A) 1 本
- 黒色キー (B) 2 本
警告
赤色キーには、キーをベストな状態に保ち、他の
キーとの接触を防ぐためゴム製のカバーが取り付けられ
ています。必要な場合以外は絶対にこのカバーを取り外
さないでください。
黒色キーは通常のイグニッションキーで、以下に使用します。
- エンジンの始動。
- 燃料タンクキャップのロック解除。
- 書類入れスペース扉のロック解除。
- パッセンジャーシートのロック解除。
赤色キーには黒色キーと同様の機能があります。また必
要な場合は、黒色キーの削除および再プログラムができ
ます。
B
1
図 15
警告
キーは電子部品を内蔵しています。落としたりぶつ
けたりすると損傷する恐れがあります。
メモ
3 本のキーには識別番号を記載した小型プレート
(1)が付いています。
警告
キーはそれぞれ別の場所に保管してください。プ
レート(1)および赤色キーは安全な場所に保管してくだ
さい。
モーターサイクル使用時には、2 本のうちのどちらか 1
本の同じ黒色キーを常に使用することをお薦めします。
A
25

コードカード
キーと合わせてコードカード(図 16)が納品されます。
カードには、電子コード(A、図 17)が掲載されており、
key-ON の後エンジンがロックしてかからない場合に使用
します。
警告
コードカードは、安全確実な場所に保管してくださ
い。ユーザーはコードカードに掲載された電子コードを
常に携帯し、スロットルグリップを使用した手順に従い
ロック解除しなければならない場合に備えるようお勧め
します ( ページ 27 参照 )。
イモビライザーシステムに不具合がある場合、橙色の
EOBD パイロットランプ (5, 図 6) が点灯するので、以下
の方法で「エンジン作動禁止」機能を無効にできます。
26
図 16
A
図 17

スロットルグリップを使用したイモビライザーによるエ
ンジン作動禁止の解除手順
1) キーを ON に回します。スロットルを全開に保持しま
す。そのままの状態にします。8 秒後に
EOBD パイロットランプ (5, 図 6) が消灯します。
2) EOBD パイロットランプが消灯したら直ちにスロット
ルを戻します。
3) EOBD パイロットランプが点滅します。ここで、解除
用の電子コードを入力します。このコードは、納車時
にディーラーからお客様に渡される CODE CARD に記
載されています。
4) EOBD パイロットランプの点滅回数がシークレット
コードの最初の数字と同じになるまで数えます。
スロットルグリップを 2 秒間全開のポジションにし、
その後放します。1 桁目の入力が認識されると、EOBD
パイロットランプが 4 秒間点灯します。この手順を
繰り返して、最後の数字まで入力します。
スロットルグリップをまったく操作しないと、EOBD
パイロットランプが 20 回点滅した後、点灯状態にな
ります。この場合は、手順 1 からやり直す必要があ
ります。
5) コードが正しく入力された場合は、スロットルグリッ
プを放したときに、次の 2 とおりの表示があります。
A) EOBD パイロットランプが点滅しながら点灯し、ブ
ロックが解除されたことを示します。4 秒たつと、も
しくはエンジン回転数が 1000 rpm を超えると、パイ
ロットランプは通常の状態(消灯)に戻ります。
B) エンジンの回転数が 1000 rpm を超えるまで、も
しくはモーターサイクルを再始動するまで、イモビラ
イザーパイロットランプ IMMO (3, 図 5) が点滅を続
けます。
6) コードが正しく入力されなかった場合は、EOBD パイ
ロットランプおよび IMMO パイロットランプは共に
点灯したままです。同じ作業を 2 から何度でも繰り
返すことが出来ます。
メモ
スロットルグリップを規定時間より早く放した場合
は、パイロットランプが再度点灯します。その場合には
キーを OFF に回して、手順 1 からやり直さなければなり
ません。
27

作動値
イグニッションキーを ON から OFF に回すたびに、イモ
ビライザーがエンジンの作動を禁止します。 エンジンを
始動するためイグニッションキーを再度 OFF から ON
(Key-ON) にすると、以下のようになります:
1) CPU がコードを認識すると、メーターパネルの IMMO
(3、図 5)パイロットランプが短時間点滅します。こ
れはイモビライザーシステムがキーコードを認識し、
エンジン始動が可能なことを示します。エンジン始動
(2, 図 21) ボタン を押すと、エンジンが始動しま
す。
2) IMMO パイロットランプが点灯したままの場合は、
コードが認識されていないことを示します。この場
合、イグニッションキーを OFF に戻し、再度 ON に
します。これでもエンジンが始動しない場合は、もう
1 本の黒色キーで試してみてください。このキーでも
始動しない場合は、DUCATI サービスネットワークに
ご相談ください。
3) IMMO パイロットランプが点滅したままの場合は、イ
モビライザーシステムの不具合がスロットルグリップ
を使用した解除手順などによりリセットされたことを
示します。
重要
作業中は同じ 1 本のキーのみを使用してください。
複数のキーを使用すると、使用するキーのコードをシス
テムが認識できない場合があります。
28
キーの複製
キーを複製する場合は、お手持ちのすべてのキー、およ
びコードカードを DUCATI サービスネットワークにお持
ちください。
DUCATI サービスが合計 8 本まで新しいキーのプログラ
ムおよびオリジナルキーの再プログラムを行います。
この時お客様がモーターサイクルの正当な所有者である
証明を求める場合があります。必ず証明できる書類をお
持ちください。
お持ちにならなかったキーのコードは、キーを紛失した
場合使用できないようにするためメモリから削除されま
す。
メモ
モーターサイクルを売却される場合は、必ずすべて
のキーおよびコードカードを新しい所有者にお渡しくだ
さい。

イグニッションスイッチとステアリングロック ( 図 18)
ステアリングヘッドの前にあり、4 つのポジションがあ
ります。
A) ON:ライト ON、エンジン作動
B) OFF:ライト OFF、エンジン停止
C) LOCK: ステアリングロック
D) P:パーキングライト点灯およびステアリングロック
メモ
キーを(C)、(D)の位置にするには、押してから回
してください。(B)、(C)、(D)の位置ではキーを引き抜
くことができます。
A
B
N
O
F
F
O
H
S
U
P
LOCK
P
C
IGNITION
D
図 18
29