Celemony software MELODYNE ESSENTIAL User Manual [ja]

essential
ハ ンドブック
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Melodyne essential ハンドブック
Melodyne essential ユーザーマニュアル rev 2
このマニュアルは、 Melodyne essential 1.2 用に制作されています。 執筆: Uwe G. Hoenig, Stefan Lindlahr, Alex Schmidt 翻訳: 木原 美紀 レイアウト: Saskia Kölliker
Celemony Software GmbH
Valleystr. 25, 81371 München, Germany www.celemony.com サポート: support@celemony.com
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All rights reserved
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Melodyne essential ハンドブック
目次
目次
インストー ルとアクティベ ー ション ............................................................................................................ 6
Melodyne essentialイントロダクション ............................................................................................ 10
お急ぎの方に: 10 分で分かる Melodyne essential ..................................................................... 15
オーディオを表示・ナビゲート・再生する
オーディオ素材をMelodyne essentialへ転送する ........................................................................ 21
DAWでのプラグイン [転送]ボタン 複数の転送を実行する 再生リージョン
Melodyne essential Stand-Aloneでオーディオをロード・保存する .......................................23
[開く]メニューコマンド [最近使った項目を開く]メニューコマンド [最後に保存した状態に戻す]メ ニューコマンド メニューコマンド
Melodyne essential Stand-Aloneでオーディオを録音する ...................................................... 28
オーディオと録音の設定 テンポを設定する メトロノームと録音の開始/停止 パンチイン/ パンチ アウトと録音のキャンセル
オーディオを表示・ナビゲート・再生する
再生・ナビゲーション・ズーム ................................................................................................................. 32
ウィンド ウ サ イズ blobの再生 タイムルーラーを使った再生とスクラブ スクロールとズームのツ ール
サイクルゾーンを有効にして設定する ................................................................................................. 37
サイクルゾーンを定義・移動する サイクルゾーンの長さを調整する
表示オプションを選択する ...................................................................................................................... 39
自動スクロール ピッチカーブを表示 ノート分割を表示 blob情報を表示 対象ノートを表示 再生リージョンを表示
ドラッグ&ドロップでファイルをロードする [保存]メニューコマンド [別名で保存]
MPDフォーマット
スクロールバー マ ウスとキ ーボ ードを 使った スクロー ルとズー ム
ノート検出を確認し編集する
メロディック素材のノート検出を確認し編集する ............................................................................ 44
ノートアサインメントツー ル ノート配置を変更する ノート分割を編集する
リズミック素材のノート検出を確認し編集する ................................................................................. 49
ノートアサインメントツー ル ノート分割を編集する
タイムグリッドとピッチグリッドを設定する
タイムグリッド の オプ ション ..................................................................................................................... 51
タイムグリッド をオン /オフ にする グ リッド 幅 とダ イ ナミックグ リッド グリッドとノートの関係 Alt キーを使ってグリッドを無視して移動
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Melodyne essential ハンドブック
目次
ピッチグリッド・音階・基準音高を定義する ........................................................................................ 54
グリッドオプション[スナップなし]と[半音スナップ] 調性と音階を選択する Altキーを使ってグリッ
ドを無視して移動
基準音高を選択する
オーディオノートを選択しコピーする
ノートを選択する ....................................................................................................................................... 58
一般的な選択方法 スネーク選択 ピッチルーラーを使って選択する
ノートをコ ピ ー する ................................................................................................................................... 62
ノートをコピ ーする 対象を選択した状態、または選択しない状態でノートをペーストする ノ ート をペーストする際のタイムグリッドの関連性
マクロとツールを使ってノートを編集する
マクロを使ってピッチを補正する .......................................................................................................... 68
選択したノートのみまたはすべてのノートを編集する [ピッチを補正]マクロを開く ピッチ センタ ーとピッチドリフト
手動で編集したノートを含める
マクロを使ってタイミングを補正する .................................................................................................. 71
対象となるポジション 選択したノートのみまたはすべてのノートを編集する [タイム をクオンタイ
ズ]マクロを開く
グルーヴ単位とタイミング補正の強度 手動で編集したノートを含める
メインツールを使って操作する ............................................................................................................. 75
音高を変更する タイミングを変更する 長さを変更する ノート分割を編集する
Melodyne essential Pluginの特別機能
テンポ変更に合わせる ............................................................................................................................. 79
チェーンアイコン 一定または可変 テンポ変更を再生する テンポ変更に合わせてオーディオを
タイムストレッチ/ タイムコンプレッションする
転送したオーディオファイルを管理し、不明なファイルを指定する .............................................. 83
転送用格納パス 不必要なファイルを削除する 不明なファイルを再指定する
Melodyne essential Pluginの環境設定 .......................................................................................... 87
インターフェイスの言語 基準音高の周波数 アップデートを確認する
Melodyne essential Stand-Aloneの特別機能
タイムグリッドを オ ー ディオ に 合 わ せる ............................................................................................... 89
第1小節をファイルの先頭に合わせる Melodyne essential Stand-Aloneのテンポウィンドウ テン
一定のテンポを定義
ポを乗算
Melodyne essential Stand-Aloneの環境設定.............................................................................. 93
インターフェイスの言語 基準音高の周波数 アップデートを確認する 転送用デフォルトパス
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Melodyne essential ハンドブック
よう こ そ!
Melodyne essential にご関心をお寄せいただきありがとうございます。Melodyne ユ ーザーとなったお客様に、心より歓迎の意を表します。
Melodyne は、直感的な編集操作と優れたサウンドクオリティにより、世界各国の有
名スタジオで採用され、長年にわたって好評を博しています。 事実、近年ではプロに よる音楽作品のほとんどに Melodyne が使用されています。細部の補正、コーラスや
ボーカルのバリエーションの作成、オーディオ素材のクリエイティブな再構築など、さ まざまな用途に使用されています。 お客様にとって、この事実は何を意味するのでし ょうか。 答えは簡単です。Melodyne を使用するということは、極上のアプリケーショ ンを使いこなすグループへの仲間入りをしたいうことなのです。
Melodyne essential は、Melodyne のピッチ/タイミング編集の基本機能を直感的な
操作で使用できるコンパクトなフォーマットの Melodyne です。ご使用のDAW 環境 でプラグインとして使用できます。 Melodyne essential は、これまでの Melodyne の
伝統を忠実に継承しつつ、デザインとプログラミングに徹底的な再検討が行われて
います。 その結果、Melodyne essential は、よりスピーディで操作性に優れサウンド クオリティの高い Melodyne となりました。
Celemony では、Melodyne essential をよりパワフルでより使いやすいものにするよ う努力を重ねてきました。 Melodyne essential により、スタジオでの作業がより快適 で楽しいものへと変化し、お客様のクリエイティビティが刺激されることを、私たちは
心から願っています。 ご意見やお気づきの点がございましたら、ぜひともご連絡くだ さい。 また、操作についてご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わ
せください。www.celemony.com にて承っております。
Melodyne essential により、お客様の作業がより効率的なものとなり、楽しい音楽制
作が行えるようになることを願っています。
Celemony チーム一同
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Melodyne essential ハンドブック

インストー ルとアクティベ ーション

インストール とアクティベ ー ション
インストールと用語
Melodyneのインストールは簡単です。 インストール・プログラム(プログラムCDまた
はダウンロード)を起動し、画面上の指示に従います。 インストールには数分かかり ます。 プログラムを使用する前に、Melodyneを登録しアクティベートする必要があり ます。 こちらでは、関連用語について簡単に説明しています。
シリアルナンバー: シリアルナンバーは、お客様のMelodyneライセンスです。ご所有
のMelodyneの種類、使用可能な機能などが識別されます。
登録: 登録とは、myCelemonyアカウントを作成し、お客様のシリアルナンバーと関連
づける作業をいいます。 登録では、お客様に関する情報を入力し、Celemonyニュー スレターの登録の有無とその種類を指定します。 Melodyneをウェブショップからご
購入いただいた場合、登録は自動的に行われます。
アクティベーション: 登録が完了したら、Melodyneを動作させる前に認証を行う必要
があります。 2台のコンピュータまで認証できます。また、iLokを使用したライセンス
認証も可能です。
アクティベーション手順の詳細を説明する前に、インストールされるソフトウェアとそ
の特徴について簡単に説明します。
Melodyneシングルトラック - 「シングルトラック」の意味について
Melodyneをインストールすると、プラグインとしてプラグインフォルダに、スタンドア ローンのプログラムとしてプログラムフォルダにそれぞれコピーされます。 プラグイ ンは[Melodyne]と表示され、スタンドアローンは[Melodyne singletrack]と表示され ます。 Melodyneには、Melodyne editor、Melodyne assistant、Melodyne essential
の3種類があるため、この名称に戸惑われる方がいらっしゃるかもしれません。
バージョン1.2より、3つの異なるMelodyneは単体のプログラム・パッケージとして提
供されるようになります。 シリアルナンバー(お客様のライセンス)とアクティベーシ ョンにより、インストールされたプログラムのうち、どの種類のMelodyneが動作する
かが決定されます。 アクティベーション前にご所有のシリアルナンバーを識別するこ とはできず、プログラム名を後で変更することはできないため、すべてのプラグインは
「Melodyne」、すべてのスタンドアローンは「Melodyne singletrack」という名前で表
示されます(マルチトラックのMelodyne studioと区別するために「シングルトラック」
が名前に含まれています)。
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インストー ルとアクティベ ーション
Melodyne essential ハンドブック
ご使用の種類のMelodyneは、ユーザーインターフェイス上のツールとマクロの間に
表示されます。 Melodyneウィンドウのサイズを大きくすると表示されます。
共通のプログラムコードは、Melodyne editor、Melodyne assistant、Melodyne es-
sentialに互換しています。 Melodyne essentialで作成したプロジェクトをMelodyne
assistantまたはMelodyne editorで開くことができます。より機能の多いバージョン
のMelodyneで作業を続行することができます。 逆も同様です。Melodyne editorで
作成したプロジェクトを、より機能が制限されたバージョンのMelodyneで開き、再生 したり編集したりすることができます。 ポリフォニック素材を編集することのできる
Melodyne editorのDNA機能が使用されている場合にのみ、他のバージョンでは再
生はできますが編集はできません。 このような状況を、Melodyneは「プレイバックモ ード」で動作中であるといいます。
インストールは完了しているけれどアクティベーションがまだの場合も、Melodyneは プレイバックモードで動作します。 このようなケースでも既存のドキュメントを開き
再生することはできますが、編集はできません。 プレイバックモードは、プロジェクト を第三者に提供したい場合に便利です。Melodyneで編集したトラックの再生が可能
なため、バウンスする必要がなく、Melodyneがアクティベートされていないコンピュ ータや、すでにアクティベーションを解除してあるコンピュータでもプロジェクトを開 くことができます。 プレイバックモードはいつでも使用できます。登録、アクティベー ション、インターネット接続は必要ありません。
共通プログラムコードが使用されていることにより、Melodyne assistantまたはes-
sentialで作業している場合、またはインストール後アクティベーションが完了してい
ない場合に、Melodyne editorをトライアルモードに切り替えることができます。 トラ イアルモードでは、Melodyne editorの全機能を期間限定で使用できます。 トライア
ル期間が終了すると、Melodyneは元のライセンスまたはプレイバックモードへと切 り替わります。 無償トライアルは、プログラムがインストールされているコンピュータ でのみ利用できます。 トライアル期間の登録、および、トライアル期間中のMelodyne
editorの起動には、インターネット接続が必要です。
共通プログラムコードが使用されているため、Melodyne assistantまたはMelodyne
essentialからMelodyne editorへアップグレードする際にも再インストールの必要は ありません。 Melodyne editorをご購入いただき、アクティベーションを行えば完了で
す。購入からアクティベーションまでの手順は、弊社ウェブショップでご購入いただい
た場合わずか数クリックで完了します。
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Melodyne essential ハンドブック
インストー ルとアクティベ ーション
アクティベーションに関する重要な情報
Melodyne studioを初めて起動すると、アクティベーション・アシスタントが表示され ます。 Melodyneを弊社ウェブショップにてご購入いただきました場合、アシスタント を1回クリックするだけでMelodyneのアクティベーションは完了します。 ボックス版
のMelodyneをご購入いただきました場合、アシスタントの指示に従って登録とアク ティベーションを行います。 アクティベーションはオンラインで実行されます。 ご使用
のコンピュータがインターネットに接続されていない場合、アシスタントによりオフラ インでのアクティベーションが指示されます。
アクティベーション・アシスタントは、Melodyneの[ヘルプ]メニューの[ライセンス...]
からいつでも開くことができます。 アシスタントのオプションについては、アシスタン トをご覧ください。 以降のセクションでは、オプションの関連性、アクティベーション
に関する重要な情報について説明します。 Melodyneのインストール可能回数や使
用可能な台数について説明していますので、1度は必ず目を通してください。
コンピュータベースのアクティベーションは2回まで: Melodyneのアクティベーショ
ンは、デフォルトではコンピュータベースとなっています。つまり、アクティベーショ ンはMelodyneが動作するコンピュータと関連づけて行われます。 1つのMelo­dyneライセンスで、2台までのコンピュータをアクティベートし使用できます。たと えばスタジオのコンピュータとラップトップの両方にインストールできます。 アクテ ィベーションは、弊社サーバーにより管理・許可されます。 残りのアクティベーショ ン回数は、お客様のmyCelemonyアカウントに表示されます。
コンピュータのアクティベーションを解除する: 別のコンピュータをアクティベート
するために、コンピュータのアクティベーションを解除することができます。 たとえ ば、すでに2台のコンピュータでMelodyneをアクティベートしており、一時的に別 のコンピュータでMelodyneを使用したいとします。 その場合、アクティベート済 のコンピュータのうち1台のアクティベーションを解除し、別のコンピュータをアク ティベートします。 解除すると、弊社サーバーにアクティベーションが1回分返却さ れ、お客様の手持ちのアクティベーション回数が1つ増えます。 こうして別のコンピ ュータをアクティベートできます。 元の状態に戻す場合にも、同様の手順で行いま す。
アクティベーション回数は2回までお客様に提供されますので、任意のコンピュー タに使用できます。 そのため、コンピュータを新調した場合などにも簡単にアクテ ィベーションが行えます。 古いコンピュータのアクティベーションを解除すること で、myCelemonyアカウントに登録されているアクティベーション可能回数を元に戻 し、新しいコン ピュータをアクティベ ートすることがで きます。
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インストー ルとアクティベ ーション
Melodyne essential ハンドブック
アクティベーションの管理は確実に行いましょう。 アクティベーションはお客様にの
み提供されるものであり、お客様のアカウントに関連付けられています。 アクティベ ーションを第三者に提供しないでください。 アクティベーションの解除は、アクティベ ートされているコンピュータでしか操作できませんのでご注意ください。 アクティベ ートされているコンピュータにアクセスできない場合、アクティベーションは失われま
す。 Melodyneがアクティベートされた状態でコンピュータを売却したり廃棄したりす る場合には、この点にご注意ください。 コンピュータを売却または廃棄する際には、
必ずMelodyneのアクティベーションを解除するようにしましょう。
ハードディスクの初期化やオペレーティングシステムの再インストールでは、まったく
問題は生じません。 この場合、アクティベーションは失われません。 これらの操作を
行った後、Melodyneを初めて起動すると、MelodyneはCelemonyサーバーに接続し ます。Celemonyサーバーはコンピュータを識別し再アクティベートを行います。新た
にアクティベーションが必要になることはありません。
iLokによるアクティベーション: Melodyne editorとMelodyne assistant(Melodyne
essentialは含まれません)では、上記で説明したコンピュータベースのアクティベ ーションに代わり、iLokコピー防止ドングル(詳細は www.ilok.com 参照)を使用し てアクティベートすることができます。 この場合、MelodyneライセンスをiLokアカ ウントへ転送し、iLokコピー防止ドングルへダウンロードします。 iLokドングルを使 用すると、Melodyneを複数のコンピュータ上でアクティベートして使用することが できますが、この場合、1度に1台(ドングルが挿入されているコンピュータ)でしか 使用できません。
iLokによるアクティベーションは、コンピュータベースのアクティベーションの代替と して使用されるものであり、併用することはできませんのでご注意ください。 iLokシ ステムへ切り替えてしまうと、それ以降コンピュータベースのアクティベーションは できなくなります。 iLokからコンピュータベースのアクティベーションへ戻ることは できません。 iLokによるアクティベーションでは、 *1* つのiLokドングルに対して *1*
つのMelodyneライセンスが提供され、1度に *1* 台のコンピュータでのみ使用で きます。コンピュータベースのアクティベーションでは、2台のコンピュータで同時に
Melodyneを使用することができます。
Melodyneを売却する場合、このMelodyneのライセンスを購入者のiLokアカウント
に転送しても購入者は使用できません。弊社サポートまでご連絡いただく必要があり ます。 ご自身でiLokアカウントから別のiLokアカウントへライセンスを転送すると料
金がかかります。また、弊社にて購入者のmyCelemonアカウントを作成する必要が あります。 この処理を行わないと、ライセンスがお客様のmyCelemonyアカウントに
関連付けられたままになります。
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Melodyne essential ハンドブック

Melodyne essentialイントロダクション

Melodyne essentialイントロダクション
この マ ニュアル に つ い て
このマニュアルは、Melodyne essential の動作と使用方法について説明しています。 プログラムのインストールとアクティベーションについての情報は、別紙に記載され ています。
ユーザーマニュアルを読むのが好きな人はいません。 とにかく使い始め、作業を行
いながら重要なポイントを学んでいく方がずっと効果的だと私たちは考えています。
お客様を必要以上に退屈させることのないよう、また Melodyne essential での操作
間違いを防ぐことができるよう、導入章の最後に短いセクション「お急ぎの方に: 10
分で分かる Melodyne essential」を作成しました。このセクションには、知っておくと
便利な要点だけが簡潔にまとめられています。 ユーザーマニュアルがどうしても性に
合わないという方や、もうマニュアルなど必要ないというプロの方も、このセクション
だけには目を通しておくことをお勧めします。
ユーザーマニュアルを読むのが苦にならないという方に、ここではマニュアルに記載 されている内容について簡単に説明します。
この導入章には、上記の短いセクションに加えて、Melodyne essential の操作や適
用範囲に関する一般的な事項について説明しています。
「ガイドツアー」では、Melodyne essential での操作を手順ごとに説明しています。
この章は、特定の操作についての情報を探す場合や、仕組みが分からないという 場合に参考にするとよいでしょう。
Melodyne essential についての詳しい情報は、Celemony ウェブページ( www.
celemony.com )のサポートページに記載されています。サポートページへ
は、Melodyne essential の[ヘルプ]メニューから直接アクセスすることができます。
ヘルプセンターには、Melodyne essential の操作に関するビデオチュートリアル・詳
細情報・最新のアドバイス・問題の回避方法などが掲載されています。 フォーラムで
は、他のユーザーの体験から学んだり、互いにアイデアを交換することができます。 それでもお探しの答えが見つからない場合、ウェブサイトから、またはメール sup-
port@celemony.com までお気軽にお問い合わせください。
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Melodyne essentialイントロダクション
Melodyne essential ハンドブック
Melodyne essential とその用途
Melodyne essential では、ボーカル・サクソフォン・フルート・ドラムループ・パーカッ ションなど、さまざまな種類のオーディオ素材を音楽的に編集・表示することができ ます。 Melodyne の特徴は、オーディオデータ内の楽音を認識し、音高と時間を単位 とするグリッド上に表示する点です。 振幅値が時間軸上に表示されるだけの一般的
なサンプルエディタやオーディオシーケンサのディスプレイに比べ、情報がより分か りやすくなっています。 Melodyne essential では、レコーディング内容のどの部分の
音量が大きくどの部分が小さいのかだけでなく、各音がどこで始まり、どの音高であ るのかも表示されます。 この点で、Melodyne は他のアプリケーションと大きく異なっ ています。
Melodyne essential
単に分析するだけでなく、表示された音を移動させたり、変更したりすることもできま
す。 たとえば、半音ずれている音を正しい音高へとドラッグしたり、短すぎる音を伸ば したり、小さすぎる音を大きくしたりと、さまざまな変更が行えます。 レコーディング
内容の修正や最適化への高感度ツールとして使用するだけでなく、オーディオ素材 を大きく変化させ、再構築を行い、全く新しいものを生み出すこともできます。
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Melodyne essential ハンドブック
Melodyne essentialイントロダクション
Melodyne は、聴覚で聞き取ることのできない微妙なずれを音楽的かつ直感的な操
作で修正できるその優れたリードボーカル編集機能により、長年にわたって高い評
価を受けてきました。 この機能は、他の楽器に使用した場合にもすばらしい能力を
発揮します。 一度 Melodyne essential をご使用いただければ、間違いの修正にとど まらず、さまざまな用途に応用できることにお気づきいただけることでしょう。 以下は その一例です。
元のトラックをコピーして 2 つ目のボーカルバートアンサンブルを作成 フレーズの反復にメロディのバリエーションを導入 ドラムとベースのタイミングを修正・調整 リズムを整理したり、クオンタイズを適用してリズムを変更 ドラムループのブレイクやバリエーションを作成 ピッチシフトやタイムストレッチなどの一般的な操作を、Melodyne essential 独自
の簡単な操作と優れたサウンドクオリティで実行
Melodyne essential では、モノフォニック(リードボーカル、サックスソロ、フルートな ど)とリズミック/噪音(ドラムループ、パーカッション、アンビエントサウンド、ノイズな ど)のオーディオ素材を編集できます。 図は、オーディオ素材が Melodyne essential でどのように表示されるかを示しています。
Melodyne essentialでの メロディックな素材
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Melodyne essentialイントロダクション
Melodyne essential ハンドブック
Melodyne essentialでの
リズミックな素材
「適していない」素材をあえて使用したり、「適切でない」方法で素材を編集すること
により、面白い効果が得られるかもしれません。 Melodyne では、標準的なオーディ オ編集の範囲であれば自然かつ優れたサウンドクオリティを得ることができます。し
かし、サウンドまたはトラックの構造を完全に変形させるようなクリエイティブな使用
方法では、同様のサウンドクオリティを得ることができない場合もあります。 いろいろ
な操作を試してみてください。
まず分析、次に編集 - 動作の原則
Melodyne essential は、いったいどのようにしてオーディオ素材の音を検出するの でしょうか。 その答えは、素材を分析することにあります。 オーディオがロードまたは
Melodyne essential へと転送されると、Melodyne essential はファイル全体を分析 し、ファイルに含まれる音の検出を試みます。 この処理は、ファイルがロードされた
後、または転送が完了した後に実行されます。 かかる時間は、コンピュータの処理能
力により異なります。
ファイルを開くか転送す ると、Melodyne essen­tialは素材を分析して素 材 に 含 ま れ るノ ート を 検 出します。ノートが検出さ れてはじめて、Melodyne 独自の編集機能を活用 することが で きま す。
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Melodyne essential ハンドブック
Melodyne essentialイントロダクション
Melodyne essential がリバーブやエコーなどのようにリアルタイムエフェクトとして
動作できないのは、この分析が必要であるためです。 分析が完了しなければ音を表
示することができず、Melodyne 独自の機能を使用することができません。 もちろん、 これらの処理自体はリアルタイムで実行されます。 Melodyne essential でオーディオ
に行った変更はすべて、タイムラグなくすぐさま再生することができます。
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Melodyne essential ハンドブック

お急ぎの方に: 10 分で分かる Melodyne essential

お急ぎの方に: 10 分で分かる Melodyne essential
以下のセクションでは、Melodyne essential を使用する際に知っておくべき要点につ
いて簡潔に説明しています。 マニュアルには、各要点についてのより詳しい情報が説
明されています。
このマニュアルでは、「Command」キーという表記を使用しています。このキー
は、MacではCommandまたはAppleキー、PCではCtrlキーを意味しています。 その
他のキーはMacもPCも同じです。
スタンドアロ ーンとプラグイン
Melodyne essentialは、スタンドアローンアプリケーションとして、 または、対応する
ホストアプリケ ーションの プラグ インとして使 用 でき ます。 ホ ストアプリケ ーション では、Melodyne essential は(インストゥルメントプラグインではなく)オーディオエ フェクトプラグインとして表示されます。 Melodyne essential は、インストゥルメント としてではなく、オーディオエフェクトと同じ ように使用します。 Melodyne essential
Stand-Aloneは、インス トール後ハードディスクのプログラムフォルダに表示されま
す。 Melodyne essential Stand-Aloneは、一般的なサンプル編集プログ ラムと同じよ うに使用できます。 アプリケーションを起動し、 ファイルを開き、編集して保 存します。
転送
Melodyne essentialを使って操作する前に、編集したいパッセージをご使用のDAW
からMelodyneへ転送する必要があります。 各パッセージをDAWで再生し、同時に
Melodyne essentialに録音します。 この手順を経て、素材の分析が完了すると編集す ることができます。 このプラグインは、リアルタイムエフェクトのようには動作しませ ん。
Melodyne essentialの[転送]ボタンを有効にしてから、編集したいトラック部分を
DAWで再生します。転送が終わったら、DAWの再生を停止します。 DAWのトラック のさまざまな部分から複数抽出して転送することができます。
再生範囲
1つまたは複数のパッセージを転送後、これらのパッセージを再生すると、パッセー ジ部分はMelodyne essentialによって再生されます。 トラックの他の部分はすべて
DAWによって再生されます。 [表示]メニューから、[再生範囲を表示]を選択します。 (
ホストアプリケーションではなく)Melodyne essentialによって再生されるリージョン
がタイムルーラーに表示されます。 このリージョンは、マウスで枠をドラッグして拡張
することができます。 リージョンを縮小するには、いくつかのノートを削除し、タイム
ルーラーのコンテキストメニューから[再生範囲をノートに合わせる]を選択します。
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Melodyne essential ハンドブック
お急ぎの方に: 10 分で分かる Melodyne essential
検出とアルゴリズム
オーディオ素材に含まれるノートを検出し編集するには、まずオーディオ素材を
Melodyne essentialで分析する必要があります。 Melodyne essentialでは、モノフォ
ニック(メロディック)とリズミック/噪音の各素材を編集することができます。 Melo-
dyne essentialは、その分析結果に従って、それがどのような素材であるのかを判断 します。 しかし、さまざまな再生アルゴリズムを手動で選択し、素材を再分析すること もできます。 これは、編集の目的にそぐわない形で素材が分析されてしまった場合に
便利です。 Melodyne essentialのアルゴリズムを切り替え、素材によってどのような
結果が生まれるのか試してみるとよいでしょう。
[アルゴリズム]メニューから別のアルゴリズムを選択し、指定のアルゴリズムで素
材を分析します。
検出結果を編集する
メロディック素材では、音が1オクターブ高い音や1オクターブ低い音と混同されて
検出されることがあります。 このような素材を編集する場合には、事前にノートを 正しく配置し直す必要があります。 これを行わないと、素材を編集する際にアーチ ファクトが生じることがあります。 他のツールから少し離れたところにある±のアイ コンをクリックして[ノートアサインメントツール]を選択すると、ノートアサインメン
トモードに切り替わります。 ノートアサインメントモードを終了するには、他のツー
ルを選択します。
ノートアサインメントツールでは、ノートアサインメントモードへと切り替えること
ができます。このモードでは、間違った音高で検出されたノートを正しい音高へ移 動 させることが でき ます。
スライダー横のアイコンでは、オリジナルのサウンドとモニタリング用のシンセ音
とを切り替えます。また、このアイコンではシンセ音のボリュームも調整できます。
シンセ音で確認すると、割り当てられている音と実際に再生されている音が一致し ているかどうかを識別することが簡単になります。
タイムルーラーをShift+ダブルクリックし、オリジナルのサウンドとシンセ音の間で
再生を切り替えることができます。
ユー ザ ー インター フェイスとナビゲ ー ション
検出された音は、編集エリアにblobとして表示されます。 編集エリアのサイズは変更
することができ、blob表示はズームやスクロールすることができます。
ウィンドウのサイズを変更するには、右下隅をドラッグします。 表示エリアを移動するには、Commandを押したまま編集エリアの背景をドラッグ
します(スクロールツールと同じ機能)。
上下にスクロールするには、マウスホイールを使います。左右にスクロールするに
は、Shiftを押したままマウスホイールを上下にスクロールします。
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お急ぎの方に: 10 分で分かる Melodyne essential
Melodyne essential ハンドブック
表示エリアを水平方向/垂直方向にズームするには、Command+Altを押したまま
編集エリアをドラッグします(ズームツールと同じ機能)。
縦軸と横軸を同時にズームするには、Command+Altを押したままマウスホイー
ルを使います。
blobまたは現在の選択位置をズームするには、Commandを押したままダブルク
リックし ま す 。
ズームアウトするには、Commandを押したまま編集エリアの背景をダブルクリッ
クし ま す。 表示を水平方向/垂直方向に移動するには、スクローラーをドラッグします。 表示を水平方向/垂直方向にズームするには、スクローラーの端をドラッグします。 表示部分の長さを伸ばすには、スクローラーの左端または右端を外向きにドラッ
グします(この機能は、最初の4小節だけを転送してこの部分を操作し、第20小節
に何かを挿入したい場合などに重要となります)。
すべてのノートを水平方向/垂直方向にズームするには、スクローラーをドラッグ
しま す。 blobのサイズを調整するには、ウィンドウ右下隅のスライダーを使います。
再生機能
DAWが停止している場合、タイムルーラー上で素材をスクラブしたり、タイムルーラ ーをダブルクリックしてその位置からプラグインの再生をスタートさせることができ ます。 Melodyne essentialからDAWの再生機能をコントロールすることはできませ ん。
(DAW停止中)の再生機能:
再生カーソルの位置を設定するには、タイムルーラーをクリックします。 タイムルーラーをダブルクリックすると、その位置から再生がスタートします。 現在の選択範囲を再生するには、タイムルーラーをAlt+ダブルクリックします。 ほとんどのホストアプリケーションでは、スペースバーを押してPluginの再生を停
止 できま す。 前/次のblobを選択して再生するには、矢印キーを使います。 再生を停止して再生カーソルの位置を設定するには、タイムルーラーをクリックし
ます。 スクラブするには、タイムルーラーをクリック&ドラッグします。
サイクルモード
プラグイン再生に加え、Melodyne essentialではサイクルモードを使用できます。 サ イクルモードは、DAWが停止中の場合にのみオンにすることができます。
サイクルゾーンを設定するには、タイムルーラーの下半分を水平方向にドラッグし
ます。
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Melodyne essential ハンドブック
お急ぎの方に: 10 分で分かる Melodyne essential
サイクルモードのオンとオフを切り替えるには、サイクルゾーンをダブルクリックし
ます。 サイクルゾーンを調整するには、ゾーンの端をドラッグします。 サイクルゾーン全体を左右に移動するには、ゾーンの中央をドラッグします。 タイムグリッドが有効の場合、その選択内容がサイクルゾーンの設定位置に影響
しま す。
タイムグリッドを無視して移動させたい場合は、Altを押したままサイクルゾーンを
ド ラッグ し ま す 。
サイクルゾーンを左右に拡げるには、サイクルゾーンの左右の任意の位置を
Shift+クリックします。 サイクルゾーンを選択されているblobの最初または最後へ移動させるには、サイ
クルゾーンをShift+ダブルクリックします。 Shift+Alt+ダブルクリックすると、選択
されているノート範囲がサイクルゾーンに設定されます。
ノート選択
編集エリアに表示されるblobは、Shift+クリック、マーキー/投げ縄/ラバーバンド選択 など、一般的な操作方法で選択することができます。 他にも、編集メニューのサブメ ニューから[すべてを選択]コマンドを選択することができます。 選択は、以下のいず れかの方法で行います。
ノートの選択と選択解除は、クリック、Shift+クリック、ドラッグなどの一般的な方法
で行います。 Shift+クリックを押したままドラッグすると、ノートをスネーク選択モードで選択で
きま す。 ピッチルーラーをクリック&ドラッグしてもノートを選択できます。 ピッチルーラー
をダブルクリックすると、クリックしたノートだけでなく、同じ音名のノートがすべて
のオクターブにわたって選択されます。 ピッチルーラーでも、Shift+クリックまたはShift+ドラッグで選択範囲へノートを追
加したり選択範囲から削除したりできます。 [編集]メニューでは、[すべてを選択]コマンドを選択できます。
コピ ーとペ ースト
Melodyne essentialでは、blobをカット・コピー・ペーストできます。 あるblob(「ソー ス」blob)をコピーし、別のblob(「ターゲット」blob)を選択してペーストすると、ター ゲットblobがソースblobに置き換えられます。 blobを選択しないでペーストすると、 カーソル位置にソースblobがペーストされます。 グリッドから離れているblobをコピ ーしてペーストすると、再生カーソルから同じ間隔だけ離れたところにペーストされ ます。 カーソルに合わせてペーストしたい場合は、タイムルーラーの単位を[秒]に変
更して からペ ーストします。
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お急ぎの方に: 10 分で分かる Melodyne essential
Melodyne essential ハンドブック
マクロとツー ル
ピッチ補正とタイム補正のマクロを選択範囲に適用することができます。マクロは、 ウィンドウ右上隅のボタンで選択します。 ノートを選択しないでマクロを実行すると、
マクロはすべてのノートに適用されます。 手動での編集は、ツールボックス内の左に あるメインツールを使って行います。 このツールは、blobのどの部分を選択するかに よって異なる機能を持ちます。 微調整を行うには、Altを押したままパラメータを変更 します。 ツールボックスは、編集エリアを右クリックしても開くことができます。
メインツールの主な機能(ピッチと位置の変更)を、選択されているblobに適用
するには、Command+上/下矢印のショートカットを使用します。 微調整を行うに は、Altキーを押したまま値を変更します。
以下は、各ツールの機能概要です。機能は、blobのどの部分をクリックまたはドラッグ
するか、また、何度クリックするかによって異なります。 マウスポインタの形状は、ツー
ルの機能に合わせて変化します。
シング ル クリック ダブ ル クリック
blobの部分
先頭を移動• ピッチ/ 位 置 を
メイン
中 央( メ イ ン 機 能) 中 央( ダ ブ ルクリック)
シ フト
末尾を移動 ノート分割を挿入/
削除
(blobの一番上)
テンポ機能
テンポボックス隣のボタンをクリックすると、テンポダイアログが開きます。 テンポボ ックスとダイアログには、以下の機能があります。
テンポボックスには、テンポが表示されます。 テンポはDAWによって決定されるの で、この値を調整することはできません。 DAWでテンポを変更したら、Melodyne es-
sentialでこのダイアログを開き、変更内容を伝えます。 選択したテンポ変更は、一定
のテンポ変更ですか、それともリタルタンドのような段階的なテンポ変更ですか? 後
者の場合、そのテンポ変更を含むパッセージをMelodyne essentialで通して再生し、 テンポの進行をMelodyne essentialに覚えさせる必要があります。 テンポダイアログ では、テンポ変更を考慮するためにタイムストレッチやタイムコンプレッションをオ ーディオに適用するべきかどうかを選択することもできます。
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Melodyne essential ハンドブック
お急ぎの方に: 10 分で分かる Melodyne essential
編集を保存する
Melodyne essentialの内容は、DAWプロジェクトとともに自動的に保存されます。 編
集内容をオーディオファイルとしてMelodyne essentialから書き出すには、DAWのバ ウンス機能を使用する必要があります。
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Melodyne essential ハンドブック
ロード・転送・保存する

オーディオ素材をMelodyne essentialへ転送する

このツアーでは、オーディオ素材をMelodyne essentialに転送する方法と、Melodyne
essentialの使用方法の基礎について説明します。
編集するには、オーディオをDAWのトラックからMelodyne essentialに転送す
る必要があります。
[転送]ボタンを押して転送の準備を整えます。 DAWのトラックの任意の部分を
複数抽出して転送することができます。
概要
転送後は、転送部分はMelodyne essentialにより再生され、残りの部分はDAW
のトラックにより再生されます。
Melodyne essentialが再生する部分はタイムルーラーに表示されます。この再
生リージョンは編集できます。
オーディオを転送する
DAWで、編集したいプロジェクトを開きます。
Melodyne essentialを、編集したい素材が含まれているオーディオトラックにロード します。 Melodyne essentialは、そのトラックに使用されているエフェクトチェーンの
先頭(最初のスロット)に置きます。 最良の分析結果を得るには、できるだけドライ(
未処理)でクリーンな入力信号をMelodyne essentialに供給する必要があるためで
す。
DAWの再生カーソルを、Melodyne essentialで編集したいパッセージの先頭より前
に移動します。
Melodyne essentialウィンドウ左上の[転送]ボタンをクリックし、転送の準備を整えま
す。
DAWで素材の再生を開始すると、Melodyne essentialはインポートを自動的に開始 します。 編集したいパッセージの終わりに到達したら、再生を停止します。 DAWの再
生を停止すると、Melodyne essentialの転送状態が自動的に解除されます。 転送中
に[転送]ボタンを押して転送を中断することもできます。
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Melodyne essential ハンドブック
ロード・転送・保存する
DAWから別の部分のパッセージを続けて転送することもできます。 DAWの再生中に
[転送]ボタンをクリックすると、Melodyne essentialの転送機能のオンとオフを切り替 えることができ、編集したいパッセージだけを転送することができます。 つまり、再生
中にパンチインとパンチアウトが行えます。 また、転送したいパッセージの終了部分
に近づいたらDAWの再生を停止し、次のパッセージの開始部分へジャンプしてから
再びMelodyne essentialの転送機能をオンにし、またDAWの再生を再開し、次々に
転送していくこともできます。 トラック全体をMelodyne essentialに転送したり、複数
のトラックを複数のプラグインへ同時に転送することもできます。
再生範囲
転送後、これらのパッセージを再生すると、パッセージ部分はMelodyne essentialに よって再生されます。 残りの部分はDAWによって再生されます。 つまり、編集する素
材部分は、Melodyne essentialの信号が元のトラックの信号に差し替えられて再生さ
れます。
[表示]メニューから、[再生範囲を表示]を選択します。 (ホストアプリケーションではな く)Melodyne essentialによって再生されるリージョンがタイムルーラーに表示され ます。 このリージョンは、マウスで枠をドラッグして拡張することができます。
リージョンを縮小するには、いくつかのノートを削除し、タイムルーラーのコンテキ ストメニューから[再生範囲をノートに合わせる]を選択します。
関連トピック
メロディック素材のノート検出を確認し編集する
リズミック素材のノート検出を確認し編集する
メインツールを使って操作する
転送したオーディオファイルを管理し、不明なファイルを指定する
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ロード・転送・保存する
Melodyne essential ハンドブック

Melodyne essential Stand-Alone でオーディオをロード・保存する

このツアーでは、Melodyne essential Stand-Aloneでオーディオファイルを開いて保
存する方法と、使用可能なデータフォーマットについて説明します。
ファイルは、[ファイル]メニューの[開く]・[最近使った項目を開く]・[最後に保存し
た状態に戻す]コマンドでロードできます。
ファイルは、プログラムアイコンまたはウィンドウへ直接ドラッグ&ドロップして
ロ ードで き ま す。
ウィンドウにロードされた最初のファイルにより、テンポが決定されます。
ファイルを初めて保存すると、[別名で保存]ダイアログが開き、新規ファイルの
概要
フォーマットを選択できます。 これ以降、このファイルは同じフォーマットで自動 的に保存されます。
Melodyne Project Documentフォーマットでは、オーディオファイルとは別に編
集内容が保存されます。編集が完了するまでの間は、このフォーマットでファイ ルを保存することをお勧めします。
メニュ ー を 使 って ファイル を 開 く
Melodyne essential Stand-Aloneの[ファイル]メニューから[開く]を選択し、オーディ オファイルをファイルの選択ボックスから選択します。選択してロードすると、ファイ
ルが開きます。
[最近使った項目を開く]サブメニューを選択すると、これまでにロードしたドキュメン トが最大20件表示されます。 希望のエントリを選択すると、(ドキュメントがハードデ ィスクから削除されていたり、別のロケーションに移動されていなければ)ドキュメン トが開きます。
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Melodyne essential ハンドブック
ロード・転送・保存する
編集したドキュメントが保存済みの場合、[最後に保存した状態に戻す]を選択して、
最後に保存したバージョンに戻ることができます。このコマンドを選択することで、最
後に保存した後に行った編集内容をすべて消去することができます。
ドラ ッグ & ド ロップ で ファイ ル を 開 く
Melodyne essential Stand-Aloneが開いている場合、オーディオファイルをMelo-
dyne essential画面の空のウィンドウ(起動直後のウィンドウ、または[ファイル]メニュ ーで[新規]を選択して作成したウィンドウ)にドラッグして開くことができます。 アウト ラインが表示され、タイムルーラー上の任意の位置にファイルをドラッグすることが で きます。
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ロード・転送・保存する
Melodyne essential ハンドブック
ドラッグしていたファイルをリリースすると、分析が行われ、検出されたノートが編集 エリアに表示されます。
同じ方法で、複数のファイルをウィンドウへドラッグし、自由に配置することもできま
す。複数のテイクから1つの新しいサンプルを作成する場合などに便利です。 ドキュ メントのテンポは、最初にロードされたファイルから算出されますが、いつでも変更 で きます。
作業内容を保存する
ファイルの編集後、[ファイル]メニューで[保存]を選択すると、[別名で保存]ダイアロ グが開き、新規ファイルのフォーマットを選択できます。 デフォルトでは、元のファイ
ルの名前とフォーマットが選択されます。 [OK]をクリックすると、編集済みバージョン
のファイルと元のファイルが置き換わります。 新規ファイルとは別に、元のファイルも
保存されます。 元のファイルには、「オリジナル」を示す「.orig」が名前の後に付けられ ます。 このバックアップ保存は、Melodyne essential Stand-Aloneのデフォルト操作 です。 この機能を使用したくない場合、[保存前に既存のファイルのバックアップを作
成]のチェックボックスを外します。
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Melodyne essential ハンドブック
ロード・転送・保存する
ファイルフォーマットを選択してファイルを保存し、同じファイルを使って作業を行う
場合、これ以降このダイアログは表示されません。 [保存]コマンドを使うたび、新しい
バージョンのファイルと前回保存されたファイルが置き換わります。
[別名で保存]ダイアログでは、ファイルに対して別のフォーマットを選択し、新しい名
前を付けることができます。 一般的なオーディオファイルフォーマットに加え、[MIDIフ ァイル]と[Melodyne Project Document]の2つのオプションも選択できます。
Melodyne Project Documentとして保存する
Melodyne Project Documentでは、作業内容をノンディストラクティブに保存できま
す。D A W に み ら れ る「 1トラックの ソ ング ファイ ル 」の ような も の で す。
それではどのような違いがあるのでしょうか。 オーディオファイルとして作業内容を
保存する場合について考えてみましょう。 この場合、編集は新規ファイルに「焼き付
け」られます。 後で何かを変更するには、ファイルをロードし、改めて分析を行う必要
があります。そうなると、オーディオファイルを操作する前に、またすべてのノートを
確認して編集しなければなりません。 また、編集はオーディオデータに焼き付けられ ているため、動作を取り消すこともできません。 このような理由から、オーディオファ イルとして作業内容を保存するのは、ファイルへの作業が完全に終了し、別のソフト ウェアアプリケーションでこのファイルを使用したいときにのみ行うのが好ましいで しょう。
対して、[Melodyne Project Document]フォーマットでは、編集内容がオーディ オデータとは別に保存されます。 「.MPD」の拡張子が付いたこのドキュメントに
は、Melodyne essential Stand-Aloneの分析(ノート検出)に基づくデータだけでな く、編集内容の記録も保存されます。 そのため、オーディオファイルを再分析する
必要がなく、前回の編集の状態から続けて作業を行うことができます。 編集内容は
Melodyne essentialによりリアルタイムで適用されるため、オーディオファイル自体
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ロード・転送・保存する
Melodyne essential ハンドブック
は変更されません。 編集が完了するまでの間はMPDフォーマットで保存し、オーディ オファイルで保存するのは編集が完了した場合のみにしましょう。
この際、ひとつ注意点があります。 MPDフォーマットではオーディオファイルを参照し ているだけなので、MPDファイルにはオーディオファイルは含まれていません。 作業
内容を別のコンピュータまたは第三者に転送したい場合、MPDファイルとともに、使
用されているオーディオファイルも転送する必要があります。 オーディオを直接プロ グラムに録音する場合は、Melodyne essential Stand-Aloneは以下のように動作し ます。 MPDファイルを保存すると、[Audio]と名前の付けられたフォルダに録音テイク
が置かれ、MPDファイルとともに保存されます。
関連トピック
タイムグリッドをオーディオに合わせる メロディック素材のノート検出を確認し編集する リズミック素材のノート検出を確認し編集する メインツールを使って操作する
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Melodyne essential ハンドブック
ロード・転送・保存する

Melodyne essential Stand-Alone でオーディオを録音する

このツアーでは、Melodyne essential Stand-Aloneでオーディオファイルを録音する
方法と、その際の注意点について説明します。
初めて録音する場合、[環境設定]ダイアログの[オーディオ]タブで、使用するオ
ーディオ入力を選択します。
一定のテンポを使用するは、メトロノームを使うか、テンポを手動で設定しま
す。 何の設定も行わない場合、Melodyne essential Stand-Aloneは再生中に録 音内容のテンポを分析し、テンポの揺れに合わせてBPM表示とグリッドを更新 しま す。
概要
Melodyne essential Stand-Aloneを録音可能にするには、準備ができたらトラ
ンスポートの録音ボタン(再生ボタンの隣の丸いボタン)をクリックします。 録 音ボタンのオン/オフを切り替えることで、テイク中にパンチインとパンチアウト を行うことがで きます。
オーディオ設定
Melodyne essential Stand-Aloneで初めて録音する場合は、録音前に[環境設定]の[ オーディオ]タブを開き、正しく設定されているかどうか確認する必要があります。
上側の枠には、オーディオの一般設定が表示されています。 すでにMelodyne es-
sentialでファイルをロード・再生・編集し、問題なく機能するようであれば、設定を変
更する必要はありません。 (Macでは、デフォルトでは内蔵のCore Audioハードウェア
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Melodyne essential ハンドブック
を使用しています。 PCでは、ご使用のオーディオハードウェアのASIOドライバを選択
する必要があります。)
下側の枠では、使用するオーディオハードウェアのオーディオ入力を選択できます。 このパラメータは、ご使用のオーディオハードウェアに複数の入力がある場合にのみ
必要となります。 リストボックスでは、録音の解像度を選択できます。 一般的には、16 ビットまたは24ビットのリニアを選択します。 一番下の行には、録音が保管されるフ ォルダのパスが表示されます。 ロケーションを選択するには、右のアイコンをクリック して選択ボックスからフォルダを選択します。
ファイルは、保存すると指定のフォルダに新規ファイルとして作成されます。そのた
め、[録音フォルダ]には、すべてのファイルに共通の一時フォルダを選択しておくこと をお勧めします。 この[録音フォルダ]とは、作業内容を保存するまでの一時的な保管
場所として機能するフォルダを指しています。 ですので、レコーディングセッションご とに別のロケーションを選択する必要はありません。
テンポとメトロノー ム
Melodyne essential Stand-Aloneに録音する前に、テンポについて考慮する必要が あります。 動作形態としては2種類あります。 1つは、グリッドが音楽に従う形態です。 この場合、Melodyne essentialがテンポの変動を解釈します。その結果、ソングテン
ポはさまざまに変化し、それに合わせてグリッドが伸縮されます。 もう1つは、音楽が グリッドに従う形態です。この場合、テンポは一定となり、ノートはグリッドラインの左
や右にずれます。
([ファイル]>[新規]を選択して)Melodyne essential Stand-Aloneに空の新規ドキュ
メントを作成する際、デフォルトのテンポは120 BPMに設定されています。 この場合、 テンポパラメータを変更せず、かつ、メトロノームをオンにしないまま、録音を開始し てから一定時間後に停止すると、その後分析が行われ、録音内容のテンポが検出さ
れます。 このオプションは、たいていの場合うまく機能し、間違いが生じることもあま りありませんが、演奏によるテンポの微妙な揺れがテンポ変更として認識されてしま うことがあります。 その結果、テンポ表示が再生中に変化し、編集エリアのグリッドも
録音内容のテンポの揺れに合わせて伸縮します。
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