付録 B
AP53/AX53 R3.80 Oct.22.1996
FAQ:よく寄せられる質 問
注 : FAQ情報は特に予告なしに更新されます。この
章にお探しの情報が見付からなかった場合は,当社
のWWW 上のホームページを訪ね,FAQのページで
新しい情報がないかチェックして見てください。
URL アドレス: http://www.aopen.com.tw
Q: マザーボードの BIOSのバージョ ン は どうすればわかりますか ?
A: Aopen のマザーボードのBIOS バージョン番号は, POST ( Power-On Self Test :
電源投入時自動診断) 時のスクリーン左上コーナー部分に表示されます。
この部分は通常,R で始まり,モデル名と日付の間にあります。例えば:
BIOS
リビジョン
Q: ではマザーボードのバージョンは ?
A: AOpen のマザーボードのバージョン番号は,ボード(PCB )上で PCI スロットの
近くに白線の枠に囲まれて,ppppp-xの形式で記されています。 ppppp はAopen
社内で用いるプロジェクト・コードで,後の-x 部分がバージョンを示していま
す。例えば,コード95152のAP5Tプロジェクトでバージョン・コードが1の場
合,マザーボードのバージョンとして PCB上には次のように表示されます:
95152-1
AP5T MB
MB
バージョン
(AP5T-1)
-1
B-1
FAQ:よく寄せられる質問
Q: Aopen のマザーボードでは何故,タンタル・コンデンサーで な く
電解コンデンサーを多く使 っ て いるのですか?
A: 電解コンデンサーの特性は,製造メーカーやそのモデルによって非常に違って
います。一般的には確かにタンタル・コンデンサーの方が電解コンデンサーよ
りも特性が良いと言われておりますが,実は品質の良い高価な電解コンデンサ
ーは,タンタル・コンデンサーよりもずっと良好な特性を持っているのです。
元々Aopen のマザーボードでは,CPU の近くでは電源のリップルを減らすのに
100uF のタンタルコンデンサーを使っておりましたが,技術の進歩によって,
1000uFの容量を持ちながら, ESR (Equivalent Serial Resistor、等価直列抵抗値 )
が,タンタルの 0.7 オームに対してたったの 0.15 オームと言う,極めて優れた
電解コンデンサーが得られるようになったのです。ESR が低ければ低いほど,
また静電容量が多ければ多いほど,CPU への電源のリップルは小さくなりま
す。
現在,Aopen が採用しているコンデンサーの仕様を以下に記します:
タンタル: SPRAGUE 100uF,
品番: 595D107X06R3C2T,
最大ESR は,温度25 ℃,100KHz の条件下で,0.7Ω
電解コン: SANYO 1000uF,
品番:16MV1000CG,
最大ESR は,温度20 ℃,100KHz の条件下で,0.15Ω。
更に付け加えますと,コンデンサーは多く着ければそれだけCPU電源も良くな
ると言うものではなく,それをどこに配置するか,即ちマザーボード上のレイ
アウトに非常に大きく依存します。正確な方法はストレージ・オシロを使って
CPU 電圧を直接計測することですが,当然ながらそれは普通のエンドユーザの
方には簡単ではありません。Aopen 社の設計チームは, Intel やAMD ,Cyrix な
どのCPU の設計仕様に厳密に従うことによって,これら各社に承認されており
ます。
Q: AOpen のマザーボードには何故,キャッシュ・モジュール用 の 拡 張 ス
ロットが無いのですか?
A: CPU のスピードがより高速になると,これを用いたマザーボードにはより複雑
で難しいタイミングの設計が要求され,配線や部品でのわずかな遅れまで考慮
する必要が出て来ます。 キャッシュに拡張スロットを用いると,PBSRAM の
タイミングでは2~3 ns の遅れが生じ,これに加えて金めっきのコネクタを経由
してキャッシュのモジュールに到達するために信号線路長の伸びたせいで1~2
ns のタイミング遅れも発生します。この結果,キャッシュ・モジュールやスロ
ットが時間の経過と共にシステムの安定性に問題が出て来る場合がありま
B-2
FAQ:よく寄せられる質問
す。Aopenのマザーボードはすべて,オンボードにて512KB のPBSRAM をサポ
ートしており,少しでも良い性能を確保するために(256KB に比べておよそ3%
向上します),私たちはこの512KBオンボード・キャッシュを強くお勧めして
います。さもなければ,信頼性を欠く512KB のキャッシュ・モジュールを使う
位なら安心出来る256KB の方がよほどましなのです。当社AOpen は,1995 年の
第4 四半期(10-12 月)以来ずっとこの考えを貫いてきた最初の企業であります。
Q: MMXと言うのは何ですか ?
A: MMX とは,Intel のPentium PP/MT (P55C) やPentium Pro / Pentium II CPU で採用
された新しい技術で,1行の命令語に複数インストラクション分の内容を持た
せる(single-line multiple-instruction)方法を取っています。MMXのインストラ
クションは,特に3D のビデオ,3D のサウンド,ビデオ会議と言ったマルチメ
ディア関連のアプリケーションに有効で,こうしたインストラクションの使え
るアプリケーションでは処理性能が向上しています。Aopen のマザーボードは
すべて,オンボードでPP/MTをサポート出来る様に少なくとも2倍の電源余力
があり, MMX CPU のために特別なチップセットを必要とはしません。
Q: USB (Universal Serial Bus) と言うのは ?
A: USB とは新たに規格化されて来た4-pin のシリアル周辺機器用バスで,キーボー
ド,マウス,ジョイスティック,スキャナー,プリンター,モデム/ターミナ
ル・アダプターと言った低中速(10Mbit/s 以下)の周辺装置群を,カスケード
式に次々とつなぐことが出来るように設計されています。USBを用いると,こ
れまでのように, PC の裏面パネルから何本ものケーブルが複雑に生え出ていた
事情が解消され,すっきりとまとめられる事が期待されています。
USB 装置の駆動にはUSB ドライバーが必要となります。AOpen のマザーボード
はすべてUSB 対応可となっており,最新のBIOS もAOpen のWWW サイト
(http://www.aopen.com.tw) から入手できます。このBIOS 最新版には(レガシー・
モードと呼ぶ)キーボード用のドライバーが含まれており,これによってUSB
キーボードがこれまでの AT やPS/2 のキーボードと同等に動作するばかりでな
く,もしもお使いのOS にUSB キーボード用ドライバーがなくても使えるように
なっています。他のUSB デバイス用ドライバーに関しては,それぞれの装置の
製造元から提供されるか,あるいはWin95 などのOS 自体がサポートすることに
なります。お使いのOS に別のドライバーが入っている場合には,BIOS中の「チ
ップセットのセットアップ」メニューにある「USB レガシー・サポート」機能
はオフにする事にご注意ください。
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FAQ:よく寄せられる質問
Q: P1394と言うのは何ですか ?
A: P1394 (IEEE 1394) とは,もう一つ別の高速シリアル機器用バスの規格です。低
中速域を受け持つUSB とは違って,P1394は50~1,000Mbit/sの転送レートをサポ
ートしており,ビデオカメラやディスク,LANと言った応用が可能です。P1394
は未だ規格が審議中の為,これを採用した装置は未だPC市場では出ておりませ
ん。更に,P1394 をサポートするチップセットも未だ出ていませんが,恐らく
近い将来には,P1394 装置をサポートするカードが開発されるものと思われま
す。
Q: SMバス (System Management Bus)とは何ですか ?
A: SMBus (別名I2Cバス とも呼ぶ)とは,コンポーネント(特に半導体 IC )間
通信を考慮して考案された2線式のバスで,特にノートブックなどにおいて,
コンポーネントのステータスを検出し,(pull-highまたは pull-lowなどに用いる)
ハードウェア・コンフィギュレーション・ピンに置き替わるなどの応用で極め
て有用と思われます。例えば実装されていないDIMM のクロックを止める,電
池電圧低下の検出なども考えられます。 SMBus のデータ転送レートは高々
100Kbit/s ですが,1個のホストがCPUと,多くのマスターやスレーブとの間で
メッセージを送受信する事が出来ます。SMBusによってジャンパーの無いマザ
ーボードが出来るものと思われることから,今現在は未だSMbus をサポートす
るコンポーネントは出ていないものの,当社では眼を離さずにいる積もりでお
ります。
Q: FCC DoC (Declaration of Conformity :適合宣言)と言うのは
何でしょうか?
A: DoC とは, FCC による新たな規制の認定基準です。この新たな規格によれば,
マザーボードのようなDIY (自分で組み立てる)コンポーネントに対しても,
ケースによるシールドの無いままでも独立にDoC ラベルを取得する道が開か
れました。マザーボードをDoC基準に照らしてテストする規則は,ケースを除
いた状態で規制条件47 CFR 15.31 にて試験すると言うものです。マザーボード
がDoC テストをクリアーするのは実はこれまでのFCC テストよりも更に困難を
伴いますが,これにパスすると言う事は逆にその電磁妨害波放射が極めて少な
い事を意味しており,このボードはいかなる筐体ケースを用いても,極端には
紙製の箱であっても構わない事の証明となります。このDoC ラベルの一例を示
します。当社製品においては現時点で,AX65/AP57/AP5T/AX5TなどがこのDoC
テストをパスしております。
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FAQ:よく寄せられる質問
AX5T
Test To Comply
With FCC Standards
FOR HOME OR OFFICE USE
Q: PBSRAM (Pipelined Burst SRAM :パイプライン・バース トSRAM)
とはどんなものですか?
A: Pentium のCPU では,バースト( Burst )とは,SRAM によってデコードされた
先頭アドレス値1 個だけで,連続する4 個のQWord (Quad-word, 4x16 = 64 ビット)
を読み込むことを言います。PBSRAMはこの際に,予め決められた順番に従っ
て自動的に,残りの3個のQword をCPU に送ります。SRAM でのアドレス・デ
コードには通常2-3 クロックを要しますから,従来通りの非同期SRAMを使った
場合,CPU による 4 個のQWord データの read には少なくとも3+2+2+2 で合計9
クロックを必要とします。しかしながらここにPBSRAM を用いると,残りの3
個のQword 用のアドレス・デコードが不要となるのですから,データ読み込み
時間は3+1+1+1 で6 クロック時間となり,非同期SRAM を用いるよりも速くなる
のです。
Q: では, EDO (Extended Data Output) メモリーとは ?
A: EDOに用いられる EDO DRAMテクノロジーとは,実際には FPM(Fast Page
Mode)メモリーと極めて似通ったものです。ただ伝統的なFPMがメモリーの出
力データを,プリチャージ・フェーズに先立ってトライステートのハイ・イン
ピーダンス状態にするのと違って,EDO DRAMではその出力データを次のメモ
リー・サイクルまで有効(valid )な状態に保ち,この結果パイプラインに似た
効果が得られて1クロック・ステート分を減らして高速にすることが出来ま
す。
Q: SDRAM (Synchronous DRAM:同期式 DRAM)とは何ですか ?
A: SDRAM とは新世代のDRAM テクノロジーで,DRAM がCPU のホスト・バスと
同期しており同じクロックを使えるようにするものです。(EDO やFPM は非同
期asynchronous で動作し,クロック信号を用いません)。このアイデアは先のQ &
A にある「バースト」と同じ発想によります。そこでは第2,3 ,4番目のQword
に対してそれぞれ1 クロックを使うのみであり,例えば,EDOの5+2+2+2=11ク
ロックに対してこちらは5+1+1+1=8 クロックとなります。SDRAMは64ビット,
168 ピンのDIMM (Dual-in-line Memory Module) の形で作られており,3.3Vで動作
します。古いDIMM の中にはFPM/EDO で構成されていて動作電圧も5V だけと
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FAQ:よく寄せられる質問
言うものもあります。それとSDRAM DIMM とを混同しないようご注意くださ
い。当社AOpen は1996 年の第1 四半期(1-3 月)以来(AP5V で), 2 個のSDRAM
DIMM をオンボードでサポートして来た最初の企業であります。
Q: SDRAM DIMM は,FPM/EDO のSIMM と一緒に使うことは 出 来 ま す
か?
A: FPM/EDO が5V で動作するのに対して,SDRAMの動作電圧は3.3V です。現在の
マザーボードの設計では,DIMM 用とSIMM 用にはそれぞれ別の電源を用意し
ていますが,両者のデータ・バスは共通になっています。もしもSIMM とDIMM
を混ぜて搭載しても,システムはちゃんと動く筈です。ただし当面の間のみで
す。数ヶ月もしますとSDRAM の3.3V データ入力端子部は, 5V のFPM/EDO デ
ータ出力信号のために損傷を受けるでしょう。従って,DIMM とSIMM を混ぜ
て搭載することは全くお勧め出来ません。是非お避けください。但し例外があ
ります。もしも(TI やSamsung 製品のように)5V に耐えられる(5V tolerance )
仕様のSDRAM をお使いの場合であれば,3.3V 動作電圧でも5V の信号を受けら
れるので,混載は問題ありません。
製造メーカー モデル 推奨 CAS
Latency Time
Samsung KM416511220AT-G12 2 Yes
NEC D4S16162G5-A12-7JF 2 No
日立
TI TMX626812DGE-12 2 Yes
TI TMS626812DGE-15 3 Yes
TI TMS626162DGE-15 3 Yes
TI TMS626162DGE-M67 3 Yes
HM5216805TT10 2 No
5V 耐圧
Tolerance
Q: IDE (DMAモード )のバス・マスターと は 何 で し ょ う か ?
A: これまでの伝統的なPIO ( プログラマブル I/O) によるIDE では,遅い機械系から
のレスポンスを待つなどの,すべてのIDE アクセス・イベントにCPU が関わり
合う必要がありました。このCPU の受け持つ負荷を軽減するためにバスマスタ
ーIDE と呼ばれる装置では,CPU を煩わせること無しにメモリーとの間のデー
タのやり取りを実行し,この結果IDE 装置とメモリーの間でのデータ転送中に
CPU は解放されて他の処理を行うことが出来ます。バスマスターIDE モードの
サポートのためには,バスマスターIDEドライバーとバスマスターIDE ハードデ
ィスク・ドライブが必要となります。IDE 装置の接続の際に出てくるマスター
モード/スレーブモードの概念とは異なることに注意してください。詳しくは
2.3 節「コネクタ」を参照してください。
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FAQ:よく寄せられる質問
Q: Ultra DMA/33と言うのはどんなものです か ?
A: これはIDE ハードディスク・ドライブのデータ転送レートを向上させるための
新しい仕様です。データ転送時にIDE コマンド信号の立ち上がりエッジだけを
利用する従来のPIO モードと違って,DMA/33では立ち上がりと立ち下がりの両
方のエッジを用います。これによってデータ転送レートはPIO モード4 やDMA
モード2 の2倍となります。(16.6MB/s x2 = 33MB/s).
次の表はIDE PIO とDMA モードの転送レートを示しています。IDE バスは16 ビ
ット幅,すなわち常に2バイト同時に転送しています。
モード
PIO mode 0 30ns 20 600ns (1/600ns) x 2byte = 3.3MB/s
PIO mode 1 30ns 13 383ns (1/383ns) x 2byte = 5.2MB/s
PIO mode 2 30ns 8 240ns (1/240ns) x 2byte = 8.3MB/s
PIO mode 3 30ns 6 180ns (1/180ns) x 2byte = 11.1MB/s
PIO mode 4 30ns 4 120ns (1/120ns) x 2byte = 16.6MB/s
DMA mode 0 30ns 16 480ns (1/480ns) x 2byte = 4.16MB/s
DMA mode 1 30ns 5 150ns (1/150ns) x 2byte = 13.3MB/s
DMA mode 2 30ns 4 120ns (1/120ns) x 2byte = 16.6MB/s
DMA/33
33MHz
PCIでのク
ロック周期
30ns 4 120ns (1/120ns) x 2byte x2 = 33MB/s
クロック
カウント
サイクル
タイム
データ転送レート
Q: Ultra DMA/33 の性能はどんなものでしょ う か ?
特別なドライバーを必要と しますか?
A: DMA/33 を使うにはドライバーが必要ですが,今であればINTEL からも出てい
ますし,Windows 97 Memphisに入っているドライバーもお使いになれます。こ
れはSouth Bridge 社のPIIX4 を認識します。
当社ではQuantum 社のFireball ST1.6Aの量産サンプル機を入手し,試験すること
が出来ました。以下はそのテスト結果です:
マザーボード : AOpen AP5T
CPU : P54C-200 MHz
DRAM : 16MB * 2 (FP-7)
VGA : AOpen PV60
CDROM : AOpen CD-920E (20X)
OS : Win95 OSR2
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