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付録  B
AP53/AX53 R3.80 Oct.22.1996
FAQ:よく寄せられる質 問
注 : FAQ情報は特に予告なしに更新されます。この  
章にお探しの情報が見付からなかった場合は,当社 
のWWW 上のホームページを訪ね,FAQのページで  
新しい情報がないかチェックして見てください。 
URL アドレス: http://www.aopen.com.tw 
Q: マザーボードの BIOSのバージョ ン は どうすればわかりますか ?
A: Aopen のマザーボードのBIOS バージョン番号は, POST ( Power-On Self Test :
電源投入時自動診断) 時のスクリーン左上コーナー部分に表示されます。 
この部分は通常,R で始まり,モデル名と日付の間にあります。例えば:
BIOS
リビジョン
Q: ではマザーボードのバージョンは ?
A: AOpen のマザーボードのバージョン番号は,ボード(PCB )上で PCI スロットの 
近くに白線の枠に囲まれて,ppppp-xの形式で記されています。 ppppp はAopen  
社内で用いるプロジェクト・コードで,後の-x 部分がバージョンを示していま 
す。例えば,コード95152のAP5Tプロジェクトでバージョン・コードが1の場  
合,マザーボードのバージョンとして PCB上には次のように表示されます: 
95152-1 
AP5T MB
MB
バージョン
(AP5T-1)
-1
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FAQ:よく寄せられる質問
Q: Aopen のマザーボードでは何故,タンタル・コンデンサーで な く 
電解コンデンサーを多く使 っ て いるのですか?
A:  電解コンデンサーの特性は,製造メーカーやそのモデルによって非常に違って
います。一般的には確かにタンタル・コンデンサーの方が電解コンデンサーよ 
りも特性が良いと言われておりますが,実は品質の良い高価な電解コンデンサ 
ーは,タンタル・コンデンサーよりもずっと良好な特性を持っているのです。 
元々Aopen のマザーボードでは,CPU の近くでは電源のリップルを減らすのに
100uF のタンタルコンデンサーを使っておりましたが,技術の進歩によって,  
1000uFの容量を持ちながら, ESR (Equivalent Serial Resistor、等価直列抵抗値 )
が,タンタルの 0.7 オームに対してたったの 0.15 オームと言う,極めて優れた 
電解コンデンサーが得られるようになったのです。ESR が低ければ低いほど, 
また静電容量が多ければ多いほど,CPU への電源のリップルは小さくなりま 
す。
現在,Aopen が採用しているコンデンサーの仕様を以下に記します: 
タンタル:  SPRAGUE 100uF, 
品番: 595D107X06R3C2T,  
最大ESR は,温度25 ℃,100KHz の条件下で,0.7Ω 
電解コン:  SANYO 1000uF, 
品番:16MV1000CG,  
最大ESR は,温度20 ℃,100KHz の条件下で,0.15Ω。 
更に付け加えますと,コンデンサーは多く着ければそれだけCPU電源も良くな  
ると言うものではなく,それをどこに配置するか,即ちマザーボード上のレイ 
アウトに非常に大きく依存します。正確な方法はストレージ・オシロを使って 
CPU 電圧を直接計測することですが,当然ながらそれは普通のエンドユーザの 
方には簡単ではありません。Aopen 社の設計チームは, Intel やAMD ,Cyrix な 
どのCPU の設計仕様に厳密に従うことによって,これら各社に承認されており 
ます。
Q: AOpen のマザーボードには何故,キャッシュ・モジュール用 の 拡 張 ス 
ロットが無いのですか?
A: CPU のスピードがより高速になると,これを用いたマザーボードにはより複雑
で難しいタイミングの設計が要求され,配線や部品でのわずかな遅れまで考慮 
する必要が出て来ます。 キャッシュに拡張スロットを用いると,PBSRAM の  
タイミングでは2~3 ns の遅れが生じ,これに加えて金めっきのコネクタを経由 
してキャッシュのモジュールに到達するために信号線路長の伸びたせいで1~2  
ns  のタイミング遅れも発生します。この結果,キャッシュ・モジュールやスロ 
ットが時間の経過と共にシステムの安定性に問題が出て来る場合がありま
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FAQ:よく寄せられる質問
す。Aopenのマザーボードはすべて,オンボードにて512KB のPBSRAM  をサポ   
ートしており,少しでも良い性能を確保するために(256KB に比べておよそ3%  
向上します),私たちはこの512KBオンボード・キャッシュを強くお勧めして  
います。さもなければ,信頼性を欠く512KB のキャッシュ・モジュールを使う  
位なら安心出来る256KB の方がよほどましなのです。当社AOpen は,1995 年の 
第4 四半期(10-12 月)以来ずっとこの考えを貫いてきた最初の企業であります。
Q: MMXと言うのは何ですか ?
A: MMX とは,Intel のPentium PP/MT (P55C)  やPentium Pro / Pentium II CPU で採用
された新しい技術で,1行の命令語に複数インストラクション分の内容を持た 
せる(single-line multiple-instruction)方法を取っています。MMXのインストラ   
クションは,特に3D のビデオ,3D のサウンド,ビデオ会議と言ったマルチメ 
ディア関連のアプリケーションに有効で,こうしたインストラクションの使え 
るアプリケーションでは処理性能が向上しています。Aopen のマザーボードは 
すべて,オンボードでPP/MTをサポート出来る様に少なくとも2倍の電源余力  
があり, MMX CPU のために特別なチップセットを必要とはしません。
Q: USB (Universal Serial Bus) と言うのは ?
A: USB とは新たに規格化されて来た4-pin のシリアル周辺機器用バスで,キーボー
ド,マウス,ジョイスティック,スキャナー,プリンター,モデム/ターミナ 
ル・アダプターと言った低中速(10Mbit/s 以下)の周辺装置群を,カスケード 
式に次々とつなぐことが出来るように設計されています。USBを用いると,こ  
れまでのように, PC の裏面パネルから何本ものケーブルが複雑に生え出ていた 
事情が解消され,すっきりとまとめられる事が期待されています。
USB 装置の駆動にはUSB ドライバーが必要となります。AOpen のマザーボード  
はすべてUSB 対応可となっており,最新のBIOS もAOpen のWWW サイト 
(http://www.aopen.com.tw) から入手できます。このBIOS 最新版には(レガシー・  
モードと呼ぶ)キーボード用のドライバーが含まれており,これによってUSB  
キーボードがこれまでの AT やPS/2 のキーボードと同等に動作するばかりでな 
く,もしもお使いのOS にUSB キーボード用ドライバーがなくても使えるように 
なっています。他のUSB デバイス用ドライバーに関しては,それぞれの装置の 
製造元から提供されるか,あるいはWin95 などのOS 自体がサポートすることに 
なります。お使いのOS に別のドライバーが入っている場合には,BIOS中の「チ  
ップセットのセットアップ」メニューにある「USB レガシー・サポート」機能 
はオフにする事にご注意ください。
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FAQ:よく寄せられる質問
Q: P1394と言うのは何ですか ?
A: P1394 (IEEE 1394) とは,もう一つ別の高速シリアル機器用バスの規格です。低
中速域を受け持つUSB とは違って,P1394は50~1,000Mbit/sの転送レートをサポ  
ートしており,ビデオカメラやディスク,LANと言った応用が可能です。P1394   
は未だ規格が審議中の為,これを採用した装置は未だPC市場では出ておりませ  
ん。更に,P1394 をサポートするチップセットも未だ出ていませんが,恐らく 
近い将来には,P1394 装置をサポートするカードが開発されるものと思われま 
す。
Q: SMバス  (System Management Bus)とは何ですか ?
A: SMBus (別名I2Cバス  とも呼ぶ)とは,コンポーネント(特に半導体  IC )間
通信を考慮して考案された2線式のバスで,特にノートブックなどにおいて, 
コンポーネントのステータスを検出し,(pull-highまたは pull-lowなどに用いる)  
ハードウェア・コンフィギュレーション・ピンに置き替わるなどの応用で極め 
て有用と思われます。例えば実装されていないDIMM のクロックを止める,電 
池電圧低下の検出なども考えられます。 SMBus のデータ転送レートは高々 
100Kbit/s ですが,1個のホストがCPUと,多くのマスターやスレーブとの間で  
メッセージを送受信する事が出来ます。SMBusによってジャンパーの無いマザ  
ーボードが出来るものと思われることから,今現在は未だSMbus をサポートす 
るコンポーネントは出ていないものの,当社では眼を離さずにいる積もりでお 
ります。
Q: FCC DoC (Declaration of Conformity :適合宣言)と言うのは 
何でしょうか? 
A: DoC とは, FCC による新たな規制の認定基準です。この新たな規格によれば,
マザーボードのようなDIY (自分で組み立てる)コンポーネントに対しても, 
ケースによるシールドの無いままでも独立にDoC ラベルを取得する道が開か 
れました。マザーボードをDoC基準に照らしてテストする規則は,ケースを除  
いた状態で規制条件47 CFR 15.31 にて試験すると言うものです。マザーボード 
がDoC テストをクリアーするのは実はこれまでのFCC テストよりも更に困難を 
伴いますが,これにパスすると言う事は逆にその電磁妨害波放射が極めて少な 
い事を意味しており,このボードはいかなる筐体ケースを用いても,極端には 
紙製の箱であっても構わない事の証明となります。このDoC ラベルの一例を示 
します。当社製品においては現時点で,AX65/AP57/AP5T/AX5TなどがこのDoC  
テストをパスしております。
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FAQ:よく寄せられる質問
AX5T
Test To Comply 
With FCC Standards
FOR HOME OR OFFICE USE
Q: PBSRAM (Pipelined Burst SRAM :パイプライン・バース トSRAM)  
とはどんなものですか? 
A: Pentium のCPU では,バースト( Burst )とは,SRAM  によってデコードされた 
先頭アドレス値1 個だけで,連続する4 個のQWord (Quad-word, 4x16 = 64 ビット)  
を読み込むことを言います。PBSRAMはこの際に,予め決められた順番に従っ  
て自動的に,残りの3個のQword をCPU に送ります。SRAM でのアドレス・デ 
コードには通常2-3 クロックを要しますから,従来通りの非同期SRAMを使った  
場合,CPU  による 4 個のQWord  データの read  には少なくとも3+2+2+2 で合計9  
クロックを必要とします。しかしながらここにPBSRAM を用いると,残りの3 
個のQword 用のアドレス・デコードが不要となるのですから,データ読み込み 
時間は3+1+1+1 で6 クロック時間となり,非同期SRAM を用いるよりも速くなる 
のです。
Q: では, EDO (Extended Data Output) メモリーとは ?
A: EDOに用いられる EDO DRAMテクノロジーとは,実際には FPM(Fast Page
Mode)メモリーと極めて似通ったものです。ただ伝統的なFPMがメモリーの出 
力データを,プリチャージ・フェーズに先立ってトライステートのハイ・イン 
ピーダンス状態にするのと違って,EDO DRAMではその出力データを次のメモ  
リー・サイクルまで有効(valid )な状態に保ち,この結果パイプラインに似た 
効果が得られて1クロック・ステート分を減らして高速にすることが出来ま 
す。
Q: SDRAM (Synchronous DRAM:同期式 DRAM)とは何ですか ?
A: SDRAM とは新世代のDRAM テクノロジーで,DRAM がCPU のホスト・バスと
同期しており同じクロックを使えるようにするものです。(EDO やFPM は非同 
期asynchronous で動作し,クロック信号を用いません)。このアイデアは先のQ &  
A にある「バースト」と同じ発想によります。そこでは第2,3 ,4番目のQword    
に対してそれぞれ1 クロックを使うのみであり,例えば,EDOの5+2+2+2=11ク  
ロックに対してこちらは5+1+1+1=8 クロックとなります。SDRAMは64ビット,  
168 ピンのDIMM (Dual-in-line Memory Module) の形で作られており,3.3Vで動作  
します。古いDIMM の中にはFPM/EDO で構成されていて動作電圧も5V  だけと
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FAQ:よく寄せられる質問
言うものもあります。それとSDRAM DIMM とを混同しないようご注意くださ 
い。当社AOpen は1996 年の第1 四半期(1-3 月)以来(AP5V で), 2 個のSDRAM  
DIMM をオンボードでサポートして来た最初の企業であります。
Q: SDRAM DIMM  は,FPM/EDO のSIMM と一緒に使うことは 出 来 ま す 
か? 
A: FPM/EDO が5V で動作するのに対して,SDRAMの動作電圧は3.3V です。現在の 
マザーボードの設計では,DIMM 用とSIMM 用にはそれぞれ別の電源を用意し 
ていますが,両者のデータ・バスは共通になっています。もしもSIMM とDIMM  
を混ぜて搭載しても,システムはちゃんと動く筈です。ただし当面の間のみで 
す。数ヶ月もしますとSDRAM の3.3V データ入力端子部は, 5V のFPM/EDO デ 
ータ出力信号のために損傷を受けるでしょう。従って,DIMM とSIMM を混ぜ 
て搭載することは全くお勧め出来ません。是非お避けください。但し例外があ 
ります。もしも(TI やSamsung 製品のように)5V に耐えられる(5V tolerance ) 
仕様のSDRAM をお使いの場合であれば,3.3V 動作電圧でも5V の信号を受けら 
れるので,混載は問題ありません。
製造メーカー   モデル   推奨  CAS
Latency Time
Samsung  KM416511220AT-G12  2  Yes 
NEC  D4S16162G5-A12-7JF  2  No
日立
TI  TMX626812DGE-12  2  Yes 
TI  TMS626812DGE-15  3  Yes 
TI  TMS626162DGE-15  3  Yes 
TI  TMS626162DGE-M67  3  Yes
HM5216805TT10  2  No
5V 耐圧 
Tolerance
Q: IDE (DMAモード )のバス・マスターと は 何 で し ょ う か  ?
A:  これまでの伝統的なPIO ( プログラマブル I/O) によるIDE では,遅い機械系から
のレスポンスを待つなどの,すべてのIDE アクセス・イベントにCPU が関わり 
合う必要がありました。このCPU の受け持つ負荷を軽減するためにバスマスタ 
ーIDE と呼ばれる装置では,CPU を煩わせること無しにメモリーとの間のデー 
タのやり取りを実行し,この結果IDE 装置とメモリーの間でのデータ転送中に 
CPU は解放されて他の処理を行うことが出来ます。バスマスターIDE モードの 
サポートのためには,バスマスターIDEドライバーとバスマスターIDE ハードデ  
ィスク・ドライブが必要となります。IDE 装置の接続の際に出てくるマスター 
モード/スレーブモードの概念とは異なることに注意してください。詳しくは
2.3 節「コネクタ」を参照してください。
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FAQ:よく寄せられる質問
Q: Ultra DMA/33と言うのはどんなものです か  ?
A:  これはIDE ハードディスク・ドライブのデータ転送レートを向上させるための
新しい仕様です。データ転送時にIDE コマンド信号の立ち上がりエッジだけを 
利用する従来のPIO モードと違って,DMA/33では立ち上がりと立ち下がりの両  
方のエッジを用います。これによってデータ転送レートはPIO モード4 やDMA  
モード2 の2倍となります。(16.6MB/s x2 = 33MB/s). 
次の表はIDE PIO とDMA モードの転送レートを示しています。IDE バスは16 ビ 
ット幅,すなわち常に2バイト同時に転送しています。
モード
PIO mode 0  30ns  20  600ns  (1/600ns) x 2byte = 3.3MB/s 
PIO mode 1  30ns  13  383ns  (1/383ns) x 2byte = 5.2MB/s 
PIO mode 2  30ns  8  240ns  (1/240ns) x 2byte = 8.3MB/s 
PIO mode 3  30ns  6  180ns  (1/180ns) x 2byte = 11.1MB/s 
PIO mode 4  30ns  4  120ns  (1/120ns) x 2byte = 16.6MB/s 
DMA mode 0  30ns  16  480ns  (1/480ns) x 2byte = 4.16MB/s 
DMA mode 1  30ns  5  150ns  (1/150ns) x 2byte = 13.3MB/s 
DMA mode 2  30ns  4  120ns  (1/120ns) x 2byte = 16.6MB/s 
DMA/33
33MHz
PCIでのク 
ロック周期
30ns  4  120ns  (1/120ns) x 2byte x2 = 33MB/s
クロック 
カウント
サイクル
タイム
データ転送レート
Q: Ultra DMA/33 の性能はどんなものでしょ う か ?  
特別なドライバーを必要と しますか? 
A: DMA/33 を使うにはドライバーが必要ですが,今であればINTEL からも出てい
ますし,Windows 97 Memphisに入っているドライバーもお使いになれます。こ  
れはSouth Bridge  社のPIIX4 を認識します。
当社ではQuantum 社のFireball ST1.6Aの量産サンプル機を入手し,試験すること  
が出来ました。以下はそのテスト結果です:
  マザーボード  : AOpen AP5T  
  CPU   : P54C-200 MHz  
  DRAM   : 16MB * 2 (FP-7)  
  VGA   : AOpen PV60  
  CDROM   : AOpen CD-920E (20X)  
  OS   : Win95 OSR2 
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FAQ:よく寄せられる質問
モデル  OS/ ドライバー  モード
Quantum 
Fireball
1.2G 
Quantum
Fireball
1.2G
Quantum 
ST1.6A
Quantum 
ST1.6A
Windows 95 
OSR2
Windows 95 
OSR2 + INTEL 
PIIX4
ドライバー
Windows 95 
OSR2
Windows 95 
OSR2 + INTEL 
PIIX4
ドライバー
PIOモード 4
DMAモード 2
PIOモード 4
DMA/33  1040  4020
Winbench97
Disk Winmark
(ビジネス用途 )
717  2150
822  3050
853  2630
Winbench97
Disk Winmark
(ハイエンド用途 )
Q: PnP (Plug and Play:プラグ・アンド・プレイ )とは何ですか ?
A:  これまでアドオン・カードを用いる場合には,IRQやDMA のチャネル指定,メ 
モリーやI/O 空間のアドレス指定はジャンパーの設定や専用のユーティリティ 
を使って,一つ一つ手動で行う必要がありました。正しく設定するためには, 
ユーザーはマニュアルをチェックしながら注意深く行わなければならず,それ 
でも時には資源の割り当てがぶつかって不安定なシステムとなって仕舞うこ 
とがありました。PnP(プラグ・アンド・プレイ)の仕様では,BIOSと(Windows    
95 などの)OSの両者に対して,標準的なレジスターによるインタフェースを提  
案しており,両者はこのレジスターを通してシステム資源の割り当てを行うこ 
とによって,設定が衝突する事態が避けられる様に図られています。IRQ , 
DMA ,メモリーなどはPnP BIOS やOS によって自動的に割り付けられます。
現時点ではほとんどすべてのPCI カードとたいていのISA カードはPnP 対応にな 
っています。もしもPnP をサポートしていない遺産的なISAカードをお使いの場  
合には,BIOS のメニュー「PCI/PnP Setup(PCI/PnP のセットアップ)」でIRQ ,  
DMA ,メモリーなど対応する資源項目をISAにセットしてください。 
Q: ACPI (Advanced Configuration & Power Interface)とか,  
OnNowと言うのは何ですか ?
A: ACPI と言うのは,節電制御に関してPC 1997 年仕様 (PC97) で新たに規定された 
もので,パワー制御の役割を,BIOS を通してではなくオペレーティングシス 
テムが全面的に担当することによって,節電効果をより効果的にすることを図 
っています。このためにチップセットやスーパーI/O チップには,(Win97 など 
の)OS に対する標準レジスター・インタフェースを備えて,チップの他の部
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FAQ:よく寄せられる質問
分に対してOS が電源を切ったり入れたりすることが出来るようにすることが 
決められました。この考え方はPnP (プラグ・アンド・プレイ)のためのレジ 
スター・インタフェースと似たものです。
ACPI では,電源状態の切り替え制御を行うためにモーメンタリー型のソフ 
ト・パワースイッチを定めています。恐らくモーメンタリー型ソフト・パワー 
スイッチを備えたATX フォームファクターが使われるようになるでしょう。デ 
スクトップのユーザーにとってACPI の一番魅力的となるのは,ノートブック 
からのアイデアである「OnNow 直ちに」の機能であろうと思われます。電源  
を入れた後のブートアップから始まるあの長ったらしい時間を散々待たされ 
ること無しに,さっさとWin95 に入り,WORDなどの元の仕事の続きから速や  
かに取り掛かれることになります。インテルのTX チップセットを用いたAX5T  
はACPI をサポートしています。
Q: ATXのソフト パワー オン オフやモーメンタリー・ス イ ッ チ と は  ?
A: ATX 仕様にあるソフト・パワー・オンとは,メインの電源を落とした状態にあ
りながら,特別な回路にだけ待機用の電流を流しておくことで,電源を復帰さ 
せるべき事象を自動的に待たせる機能を言います。たとえば赤外線,モデム, 
あるいは声による復帰などがあります。今のところ一番単純な利用方法として 
は,電源スイッチ回路用のスタンバイ電流をソフト・パワー制御ピンを通して 
流しておき,電源スイッチで間接的にメイン電源をオン・オフ出来る機能で 
す。ATXの電源仕様では,パワースイッチのタイプについては何も触れていま 
せん。(パッチンと片方に切り替えるタイプの)トグル・スイッチでも,(押 
している間だけその状態にあって,指を離すと元の状態に戻る)モーメンタリ 
ー・スイッチでも構わないのであって,ACPI仕様では「電源状態(ステート) 
を制御するのにはモーメンタリーを用いる事」と決めているだけである事にご 
注意ください。AOpenのすべてのATXマザーボードは,このモーメンタリー・ 
スイッチをサポートしており,またモデルAX5T/AX58/AX6Lでは「Modem 
wake-up」(modem Ring-On:モデムの呼び出し音によるオン)も備えています。.
ソフト・パワー・オフとは,ソフトウェアによってシステムのパワーを落とせ 
る事を言い,Windows 95の「電源を切れる」機能を使えばお手元のマザーボー  
ドにソフト・パワー・オフが備わっているか ど う か が わ か り ま す 。 
AOpen のAX5T/AX58/AX6F/AX6L はこれをサポートしています。
Q: AGP (Accelerated Graphic Port)とは何ですか ?
A: AGP とは高性能な3D グラフィック機能に目標を定めたPCI に似たバス・インタ 
フェースで,メモリーの読み書き操作と単一マスター,単一スレーブ間の1対 
1通信のみをサポートしています。AGPは66MHzクロックの立ち上がり,立ち  
下がり両エッジをとらえて66MHz x 4byte x 2 = 528MB/sのデータ転送レートを 
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FAQ:よく寄せられる質問
生み出しています。AOpen のAX6L マザーボードは,インテルの新しいチップ 
セットKlamath LX を用いてAGP をサポートしています。
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FAQ:よく寄せられる質問
Q: Pentium のチップセットではどれが最高の 性 能 を 持 っ て い ま す か  ?
A:  チップセットの性能の違いは,使用しているDRAM の種別や,それがサポート 
しているDRAM のタイミングに依存します。 
次の表は現在入手できるチップセットについてそのread のタイミングを比較
したものです。4個の数字は連続する4ワード(QWord )のread 時に,1 番目か  
ら4 番目のそれぞれに必要なクロックの数を示します。(すべてPBSRAM を使 
っているので,2次キャッシュでは違いはほとんどありません)。 
Intel  のHX + EDO とSIS の  5571+ EDO の組み合わせがほぼ同じ性能であり,ま 
たVX + SDRAM やTX + SDRAM の組み合わせが,Pentium のチップセットの内 
では最高のパフォーマンスを示していることがわかります。AP57は SDRAMを  
サポートしていないことにご注意ください。
P5
チップセット
Intel 430FX  AP5C/P  3+1+1+1=67+3+3+3
Intel 430VX  AP5VM/
Intel 430HX  AP53/
Intel 430TX  AP5T/
SIS 5571  AP57  3+1+1+1=65+3+3+3
SIS 5582  AP58/
モデル
AP5V
AP5K/
AX53
AX5T
AX58
PBSRAM  FPM  EDO  SDRAM
=16
3+1+1+1=66+3+3+3
=15
3+1+1+1=66+3+3+3
=15
3+1+1+1=66+3+3+3
=15
=14
3+1+1+1=65+3+3+3
=14
7+2+2+2
=13
6+2+2+2
=12
5+2+2+2
=11
5+2+2+2
=11
4/5+2+2+2
=10/11
4/5+2+2+2
=10/11
NA
6+1+1+1
=9
NA
5+1+1+1
=8
(6/7+1+1+1
=9/10)
6/7+1+1+1
=9/10
Q: TX チップセットを使うとメモ リ ーの パ フ ォ ー マ ン ス は ど の 程 度 向 上 す 
るのでしょうか? 
A:  次に示すのはTX+SDRAM, VX+SDRAM, TX+EDO, HX+EDO ,そしてVX+EDO 
の場合についての比較表です。. 
  CPU  : Pentium PP/MT (P55C) 200MHz  
  DRAM  :16MB EDO  または SDRAM  
  HDD  : Quantum Fireball 1280AT  
  VGA  : AOpen PV60 S3 Trio64V+ 800x600x256 スモール・フォント使用 
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FAQ:よく寄せられる質問
  OS  : Windows 95 OSR2 
チップセット  モデル
Intel 430VX  AP5VM  EDO  6+2+2+2=12  86.1 
Intel 430HX  AP53/AP5K  EDO  5+2+2+2=11  86.8
Intel 430TX  AP5T/AX5T  EDO  5+2+2+2=11  87.3
Intel 430VX  AP5VM/AP5V  SDRAM  6+1+1+1=9  86.6
Intel 430TX  AP5T/AX5T  SDRAM  5+1+1+1=8  87.7
DRAM
タイミング
Winstone96
Q: Pentium やPentium Pro のマザーボードはディタ ー ボ ( Deturbo :逆 
ターボ)モードをサポートしていますか? 
A:  ディターボ・モードとは元来,昔のアプリケーション,特に古いゲームソフト
を走らせるために考えられたCPUのスピードを遅くするモードを言い,特別の  
イベントを待ったり遅らせたりする為にプログラム・ループの手法を用いてお 
りました。ループによる遅れ時間がCPU のスピードですっかり変わって仕舞 
い,高速のCPUだとアプリケーションが動かなくなるなどのため,このソフト  
ウェアによる方法は甚だ具合が悪いものでした。最近のアプリケーションでは 
(ゲームも含めて)ほとんどすべて,イベントを待つのにRTC(リアルタイム・  
クロック)や割り込みを利用しています。ディターボ・モードは今や不要とな 
り,両者の切り替えに用いていたターボ・スイッチは今ではサスペンド・スイ 
ッチとして使われるようになって来ました。しかしながら,マザーボードの中 
には今でもキーボードを介してTurbo/Deturbo 機能をサポートしている物があ 
ります。システムをディターボ・モードにするには<Ctrl> <Alt> <-> キー 
群を,ターボ・モードに戻すには<Ctrl> <Alt> <+> を押します。最近のマ 
ザーボードでは,このサポートに要するフラッシュROM 内のコード用スペース 
がもったいないので,ディターボ・モードは取り除かれている事にご注意くだ 
さい。
Q:  節電制御アイコンがWindows 95 のコン ト ロ ー ル パネル に 出 て 来 ま 
せん。BIOS セットアップの中で 「 APM を使 う 」 と 設 定 し た の に で す 。
A:  この問題は,Windows 95をインストールする前にAPM機能を生かす設定にして  
なかった場合に起こります。既にWindows 95 がインストール済みである場合 
は,恐れ入りますがBIOS のAPM 機能をイネイブルにした後でWindows 95 を再 
度インストールし直して下さい。
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FAQ:よく寄せられる質問
Q: Windows 95 のもとで,何故かシステム は サ ス ペ ン ド ・ モー ド に な り ま 
せんが? 
A:  これはあなたのCDROM の設定に原因がある可能性があります。 Windows95 の 
デフォルト設定では,システムは絶えずCDROM ドライブをモニターしてお 
り,CDROM が挿入されると自動的に検出して知らせたりアプリケーションを 
起動したりする様になっています。この結果システムはサスペンド・モードに 
なれないのです。この問題を解決するにはコントロールパネルの設定に入り, 
è  システムè デバイス マネージャè  CDROM  è 設定とたどって,オプショ 
ンの「自動挿入」のチェックを外します。
Q: Windows 95のレジストリ(登録所)と は 何 で す か  ?
A: Windows 95 のレジストリ(Registry )と Windows 3.1のINI ファイルとはほぼ同じ  
機能です。いずれもハードウェアとソフトウェアの設定状況を保管しており, 
唯一の違いはレジストリがデータベースの構成を取っているのに対してINI は 
テキスト・ファイルである事です。レジストリの構造を更によく理解するため 
には, REGEDIT.EXE を実行してみると良いでしょう。(但しその変更は十分 
な理解の上で行って下さい)。このファイルの構造をチェックし検討してみる 
と,設定に関わる問題点を解決できる場合があります。
Q: AP5T やAX5T ベースのシステムでWin'95 のインストール後に, 
デバイス・マネージャの下 に ク エ ス チョン・マークや 
"standard IDE controller" と表示されるのは何故ですか? 
A: Intel は430TX のチップセットに,"ACPI", "USB", "Ultra DMA/33" と言った最新
の機能(フィーチャー)を盛り込んで市場に導入したのですが,そうした機能 
をサポートする装置はここ最近のものであり,Win'95が初めてリリースされた  
95 年8 月時点では.,Win'95 はこれらの装置をサポートすることを予定していま 
せんでした。Win'95 のデバイス・マネージャの下には,次のようなデバイスが 
インストールされているのがわかります:
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FAQ:よく寄せられる質問
-その他のデバイス  
  ? PCIブリッジ  
  ? PCIカード  (または  PCIユニバーサルシリアル デバイス) 
-ハード ディスク コントローラ  
  スタンダード デュアルPCI IDEコントローラ  
  プライマリIDEコントローラ  
  セカンダリIDEコントローラ 
PCI ブリッジ 
このデバイスはACPI 機能を表しており,チップセットPIIX4(82371AB)にインプ 
リメントさ れております。この新しいフィーチャーは次のWindows'97  
(Memphis) で本格的に生かされるものと期待されています。ACPI の機能につい 
て詳しくは本FAQの別項:"ACPI とは?"(p. B-8 )を参照してください。
上に述べたような制限はありますが,Intel の430TX ベースのマザーボードであ  
れば,Aopen の提供するユーティリティ: TX.EXE を当社のホームページから 
ダウンロードしインストールするだけで,このクエスチョンマークを取り除く 
ことは出来ます。そのインストールが終わると,以下のようなデバイスがデバ 
イス・マネージャの下に作成され認識されるようになります:
-ハードディスク コントローラ  
  Intel 82371AB PCIバスマスターIDEコントローラ 
  プライマリーIDE コントローラ  
  セカンダリIDEコントローラ 
-システムデバイス  
  Intel 82371AB PCI to ISA ブリッジ  
  Intel 82371ABパワー マネジメント コントローラ  
  Intel 82439TX Pentium(r) Processor to PCIブリッジ 
PCIカード (またはPCIユニバーサルシリアル デバイス) : 
お使いのシステムがWin'95 OSR 2.0 であれば("PCIユニバーサル シリアル デバ
イス"と表示されており),マイクロソフトなり或いはOEMシステムの製造会社 
よりMicrosoft USB supplementとしてUSBSUPP.EXEが提供されている筈です。 
コントロールパネルの下に現れる「アプリケーションの追加と削除」のリスト 
中に, "USB Supplement to OSR2"の名称で登録されています。上記のインスト
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FAQ:よく寄せられる質問
レーションの後,Aopen 提供のTX.EXEを実行すると,OSR 2.0 は次のデバイス  
をデバイス・マネージャの下に生成します:
-ユニバーサル シリアル バス コントローラ  
  Intel 824371AB PCI to USBユニバーサル ホスト コントローラ 
  USBルートハブ 
Win'95 OSR 2.1をお使いの場合には,インストールの必要なのはTX.EXEだけで 
す。市販のWin'95のユーザーの場合は,(バージョンは.950 または.950Aであっ 
て,"PCIカード"と表示されています) ,現時点ではマイクロソフトから得られ 
る直接アップグレードの方法はありません。上記のすべては,Windows'97でイ 
ンプリメントされるのを待ちましょう。
スタンダード デュアルPCI IDE コントローラr:  
IDE コントローラのチップセットPIIX4もまた,完全にはWindows'97 で認識され  
るようになるものと思われます。当面の間は,Win'95 用のドライバーはAopen  
のホームページ: http://www.aopen.com.tw からダウンロードして下さい。これ 
はバス・マスター機能とUltra DMA/33の両方をサポートしております。インス  
トールするとデバイスマネージャの下には,Win'95が次のような装置を認識す  
るのがお分かりになる筈です:
-ハードディスク コントローラ  
  Intel 82371AB PCIバスマスターIDEコントローラ  
  プライマリ バスマスターIDEコントローラ  
  セカンダリ バスマスターIDEコントローラ 
以上にご説明した内容はすべて, Intel 430TX チップセットの上での現行の  
Win'95が持っている制限から来ており,これらは次期Win'97ではインプリメン 
トされるものと期待されているものですが,それでもお客様には,特に問題な 
く最高のパフォーマンスで動作するAP5T/AX5T のシステムをお楽しみ頂ける 
筈です。
Q: Win'95 をTX  ベースのシステムにイン ス ト ー ル し た後に,デバイスマ 
ネージャの下に現れる"?" マー ク を 除 く に は ど う し たら良いのでしょうか? 
A:  お手元のシステムはこの"?"  マークの付いたままでも問題なく動作するのです
が,それでも多くのお客様から何とかこの記号を外したいとのご希望を頂きま
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FAQ:よく寄せられる質問
した。当社AOpen のドライバー開発チームはこのために数週間を費やして,こ  
のWin95 ユーザーにお役に立つユーティリティ: TX.EXE を用意しました。こ 
れはユーザーにとって大変に分かり易い,またAOpen  のAP5T/AX5T に限るこ 
と無くTX  のマザーボードであればどれででもお使い頂けるものです。ご自由 
にお配り頂いても構いません。我がドライバー開発チームに一言" thanks "と言  
って頂ければそれで充分です。
Q:  私の使っているWindows '95 のバージョ ン は ど う や れ ば わ か る の で 
しょうか? 
A: Windows '95のバージョンは次のようにするとわかります。 
1. コントロールパネルの「システム」をダブルクリックします。 
2. (必要であれば)「情報」タブをクリックします。 
3. 「システム:」で始まる先頭ブロックにある次の表示を見付けます: 
4.00.950  Windows 95
4.00.950a  Windows 95 + PLUSなどのサービスパック,または  
OEMサービス・リリース 1
4.00.950b  OEMサービス・リリース 2,または 
OEMサービス・リリース 2.1
もしもOSR(リリース)2.1をお使いの場合は,コントロールパネルにある「ア   
プリケーションの追加と削除」の中のインストール済みプログラムのリストか 
ら,バージョンは「USB OSR2 に対する補足」,および次のディレクトリ: 
Windows\System\Vmm32 にあるファイル:Ntkern.vxd 中のバージョン4.03.1212  
をチェックするとわかります。
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FAQ:よく寄せられる質問
Q: AMD のK6 や Cyrix  のM2 ではどんな性能上の改善が見られる の で 
すか? 
A:  下記の表は新世代CPU の比較表です: 
  DRAM  : 64MB EDO  
  HDD  : Quantum Fireball 1280AT  
  VGA  : Matrox Millennium VGA, 4MB, 1024x768 24bit, 85Hz.  
  OS  : Windows 95 4.00.950 
CPU
M2- 150 
(60MHz x 2.5) 
PP/MT 200  AP5T/AX5T  Intel 430TX  48.3  21.9 
PP/MT 233  AP5T/AX5T  Intel 430TX  50.5  23.6 
K6 PR200  AP5T/AX5T  Intel 430TX  50.3  22.0 
* K6 PR210 
(83.3MHz x 2.5) 
K6 PR233  AP5T/AX5T  Intel 430TX  51.7  23.6 
* K6 PR250 
(83.3MHz x 3)
Winstone97のビジネス用途指標ではK6-233がPP/MT-233よりも好成績を示して 
いること,でもハイエンドのグラフィック用途では両者はほぼ同等であること 
が分かります。
K6 のクロック周波数を250M (83.3MHz*3) にまで上げると,「ソケット7」タイ  
プのシステムの内では最速のマシンとなり得ることもここから分かります 
が,このクロックアップはあくまでご自分の責任でリスクを負って頂くもので 
あることにご注意ください。
マザー 
ボード
AP5T/AX5T  Intel 430TX  48.0  20.1
AP5T  Intel 430TX  51.2  23.0
AP5T  Intel 430TX  54.0  24.8
チップ 
セット
Winstone97
ビジネス向
Winstone97
ハイエンド向
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FAQ:よく寄せられる質問
Q:  ジャンパー設定の全く不要 な マ ザ ー ボ ー ド は い つ 頃 可 能 と な る で し ょ 
うか? 
A:  プラグアンドプレイは,ジャンパーの無いアドオンカードの夢を現実のものに
しましたが,本当の意味でジャンパーを持たないマザーボードの実現には未だ 
なおいくつかの技術的な問題を残しています。例えばCPU のクロックや動作電 
圧には標準のインタフェースが決まっておらず,今のところいわゆるジャンパ 
ー無しのマザーボードと呼んでいるものは,その検出を実際にはBIOSに依存し  
ているか,あるいは手動でセットしております。こうした設定が間違っている 
場合には,システムは不安定になるか,そうでなければある期間使用している 
と損傷して仕舞います。それ以外にも不都合となる点としては,いくつかの(こ 
れまでであればジャンパー設定であった)情報がCMOS に記憶されているため 
に,ひとたび電池が減ってしまったりBIOS設定を何かの拍子に変えてしまった  
場合には,ユーザーなり販売店なりではケースを開けて,再度CPU をチェック 
しなくてはならなくなるなどが上げられます。
中でもとりわけ厄介なのは,ジャンパー無し設定のためにCPU をブートしBIOS  
に移って行くその開始電圧をどうするかです。2.85V の電圧はP55C やK6-166 に 
は恐らく問題無いのですが,K6-233MHz では最低 3.1V を必要とします。現行 
のジャンパー無しマザーボードにK6-233を搭載した場合には,ブート出来ない  
ことになります。
恐らくは,SM バスの規格がもっと浸透してCPU  やクロック発振器その他のIC  
が SM バス対応となるようになるまで待たなければならなさそうです。そうな 
ればチップセットはパワーオン直後にシステムの構成内容を自動的に検出し 
報告することが出来,そうなって初めて真の意味でジャンパー無しマザーボー 
ドが出来たと言えるでしょう。
Q: スイッチング・レギュレーターで同期方式と非同期方 式 の 違 いは? 
A:  スイッチング・レギュレータでは,パワーFET を非常に高い周波数でオン /オフ 
させて,L/C  による充放電回路を用いて電圧ドロップを作り出しています。現 
在使われているほとんどのスイッチング回路設計では非同期方式を採用して 
おり,これを技術的な観点から見ると,パワーFET がオフの時の電流ループバ 
ックにはショットキー・ダイオードを使っているために,この時にも多くの電 
力を消費し熱も発生させております。AOpen がAP5T-3/AX5T-3 で採用した同期 
方式のスイッチング回路では,電流ループバックにMOS FET を用い,かつメイ 
ンのパワーFET とは同期していて,片方がオンである時もう片方はオフとなっ 
ているので,非同期方式では温度が57℃にまで上がるのに対して,こちらの方  
式では36 ℃以内に抑えられることとなり,極めて効率の高い制御方式になって 
います。
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FAQ:よく寄せられる質問
Q: リアルタイム・クロックに よ る  Wake Upタ イ マ ー ( アラ ー ム ) と は    ?
A: RTC (リアルタイムクロック)とは電子時計の様な働きの装置で,コンピュー
タ・システムが動作中に日付や時刻を保持しております。Wake Up Timer (目  
覚ましタイマー)とは,ある特定のアプリケーション用に予め決められた時刻 
に目を覚まして電源を入れると言った,どちらかと言えば目覚まし時計に近い 
働きのものです。毎日決まった時間に,あるいは1ヶ月以内の特定の日に起き 
上がったりの設定も可能です。日付や時刻の精度は秒単位で,そのセットのた 
めにはBIOS  セットアップに入り,節電制御関連のRTC Wake Up Timerメニュー  
を使ってこの機能をイネーブルにします。RTCはすべてのマザーボードに標準  
装備のデバイスですが,このWake Up Timer機能は標準ではありません。AOpen   
ではAX5T/AX58  のマザーボードがこれをサポートしています。
Q: LDCM (LAN Desktop Client Manager)とは何ですか ?
A:  これはインテルのソフトウェアで,その主要な目的は企業内ネットワークの管
理者に,すべてのクライアント(ワークステーション)のステータスを容易に 
モニターする手段を提供する事にあります。LDCM のためには少なくともDMI  
BIOS が必要です。AOpen のBIOS もDMI が使えるようになってはいるのです 
が,残念ながらインテルのLDCMが適切に動作するためにはインテルのネット  
ワーク・カードが必要で,LDCMのための余分なコスト負担は,自宅でお使い  
になる個人ユーザーには明らかにあまり引き合わないようです。
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FAQ:よく寄せられる質問
Q: ADM (Advanced Desktop Manager)と言うのは何ですか ?
A:  これは当社AOpen の開発したデスクトップ・クライアント・サーバー管理用ソ 
フトウェアです。インテルのLDCM に似ておりますがそれが多少改良されてお 
り,ADMは企業内ネットワーク管理に用いるばかりでなく,例えばCPU のファ  
ン,温度,システム電圧の監視など,システムの状態モニター用ユーティリテ 
ィとしてもお使い頂けます。
機能
VGA カード  制限なし  ATI のみ   
ネットワーク・カード  制限なし  Intel のみ 
DMI BIOS 2.0のサポート  
Win95のサポート  
Win NTのサポート  No (ADM 2.1 でサポー  
リ ア ル タ イ ム の 
CPU/ メモリー利用状況モ 
ニター機能
1  画 面 上 に て 複 数 台 の 
マシンのモニター機能
リモ ー ト 管 理 に 用 い る 
プロトコル
標準のSNMP トラップ  Yes ( 従って「HP オー 
リモート・ファイル転送
ADM 2.0  LDCM 3.0
Yes  Yes 
Yes  Yes
Yes
トの予定 ) 
Yes  No
Yes  No
標準のSNMP プロトコルIntel専用のRAP 
プロトコル
No
プンビュー」などの標 
準ソフトウェアとの 
連携が可能)
No  Yes
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FAQ:よく寄せられる質問
 Q: AOpen のマザーボードは,ファン / 電圧/ 温度の監視と保護機能 を 備 
えていますか? 
A: ハイ。次の表でご確認ください: 
機能
同期 方 式 ス イ ッ チ ン 
グ・レギュレータ
3.3V  とCPU コア電源の  
過電流保護
CPU耐熱保護  
CPUファン監視 
システム電源監視
AP5T-3  AX6F-1  AX5T-3  AX5T-3.1
Yes  Yes  Yes  Yes
Yes  No  Yes  Yes
Yes  Yes  Yes  Yes
No  No  No  Yes 
No  No  Yes  Yes
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FAQ:よく寄せられる質問
Q: モデル: AX5T-1, AX5T-2, AX5T-3間での違いは何でし ょ う か  ?
A: AX5T-2 では,AX5T マザーボードを初めてインストールした直後の初期状態
で,ATX 電源がオフとなっているように設定されています。AX5T-3 には失賃  
具・レギュレータを始め,多くの機能が盛り込まれています。
すべてのボードが75MHz をサポートしていますが,AX5T-3 にはこれに加えて  
(クロック周波数を上げてみたい(over-clocking )ユーザーの便を考慮して),
83.3MHz 用のジャンパー設定があります。75/83.3MHzのクロック切り替えはす  
べてユーザー殿ご自身のリスクでセットされるもので,恐らく時によってはシ 
ステムの不安定動作が予想されます。
項目
75MHz
ジャンパー設定
83.3MHz
ジャンパー設定 
ATX 電源の初期状態  オフ   オフ   オフ   不定  
オンボードの
安定化電源
3.3V とCPU コア電源の  
過電流保護
CPU耐熱保護  
CPUファン監視 
システム電源監視
AX5T-3.1  AX5T-3  AX5T-2  AX5T-1
Yes  Yes  Yes  Yes
Yes  Yes  No  No
同期方式 
スイッチング
Yes  Yes  No  No
Yes  Yes  No  No 
Yes  No  No  No 
Yes  Yes  No  No
同期方式 
スイッチング
リニアー方式リニアー
方式
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