AOpen 5B-AX5-3 User Manual

付録
AP53/AX53 R3.80 Oct.22.1996
48.87901.011
FAQ:よく寄せられる質 問
: FAQ情報は特に予告なしに更新されます。この 章にお探しの情報が見付からなかった場合は,当社 のWWW上のホームページを訪ね,FAQのページで 新しい情報がないかチェックして見てください。 URLアドレス: http://www.aopen.com.tw
A: AopenのマザーボードのBIOSバージョン番号は,POSTPower-On Self Test
電源投入時自動診断) 時のスクリーン左上コーナー部分に表示されます。 この部分は通常,Rで始まり,モデル名と日付の間にあります。例えば:
BIOS
リビジョン
Q: ではマザーボードのバージョンは?
A: AOpenのマザーボードのバージョン番号は,ボード(PCB)上でPCIスロットの
近くに白線の枠に囲まれて,ppppp-xの形式で記されています。 pppppはAopen 社内で用いるプロジェクト・コードで,後の-x部分がバージョンを示していま す。例えば,コード95152のAP5Tプロジェクトでバージョン・コードが1の場 合,マザーボードのバージョンとして PCB上には次のように表示されます:
95152-1 AP5T MB
MB
バージョン
(AP5T-1)
-1
B-1
FAQ:よく寄せられる質問
Q: Aopenのマザーボードでは何故,タンタル・コンデンサーで な く 電解コンデンサーを多く使 っ て いるのですか?
A: 電解コンデンサーの特性は,製造メーカーやそのモデルによって非常に違って
います。一般的には確かにタンタル・コンデンサーの方が電解コンデンサーよ りも特性が良いと言われておりますが,実は品質の良い高価な電解コンデンサ ーは,タンタル・コンデンサーよりもずっと良好な特性を持っているのです。 元々Aopenのマザーボードでは,CPUの近くでは電源のリップルを減らすのに
100uF のタンタルコンデンサーを使っておりましたが,技術の進歩によって, 1000uFの容量を持ちながら,ESR (Equivalent Serial Resistor、等価直列抵抗値)
が,タンタルの 0.7オームに対してたったの 0.15オームと言う,極めて優れた 電解コンデンサーが得られるようになったのです。ESRが低ければ低いほど, また静電容量が多ければ多いほど,CPUへの電源のリップルは小さくなりま す。
現在,Aopenが採用しているコンデンサーの仕様を以下に記します: タンタル: SPRAGUE 100uF,
品番: 595D107X06R3C2T, 最大ESRは,温度25℃,100KHzの条件下で,0.7Ω
電解コン: SANYO 1000uF,
品番:16MV1000CG, 最大ESRは,温度20℃,100KHzの条件下で,0.15Ω。
更に付け加えますと,コンデンサーは多く着ければそれだけCPU電源も良くな ると言うものではなく,それをどこに配置するか,即ちマザーボード上のレイ アウトに非常に大きく依存します。正確な方法はストレージ・オシロを使って CPU電圧を直接計測することですが,当然ながらそれは普通のエンドユーザの 方には簡単ではありません。Aopen社の設計チームは, IntelAMDCyrixな どのCPUの設計仕様に厳密に従うことによって,これら各社に承認されており ます。
Q: AOpenのマザーボードには何故,キャッシュ・モジュール用 の 拡 張 ス ロットが無いのですか?
A: CPUのスピードがより高速になると,これを用いたマザーボードにはより複雑
で難しいタイミングの設計が要求され,配線や部品でのわずかな遅れまで考慮 する必要が出て来ます。 キャッシュに拡張スロットを用いると,PBSRAM の タイミングでは2~3 nsの遅れが生じ,これに加えて金めっきのコネクタを経由 してキャッシュのモジュールに到達するために信号線路長の伸びたせいで1~2 ns のタイミング遅れも発生します。この結果,キャッシュ・モジュールやスロ ットが時間の経過と共にシステムの安定性に問題が出て来る場合がありま
B-2
FAQ:よく寄せられる質問
す。Aopenのマザーボードはすべて,オンボードにて512KB のPBSRAM をサポ ートしており,少しでも良い性能を確保するために(256KBに比べておよそ3% 向上します),私たちはこの512KBオンボード・キャッシュを強くお勧めして います。さもなければ,信頼性を欠く512KB のキャッシュ・モジュールを使う 位なら安心出来る256KBの方がよほどましなのです。当社AOpenは,1995年の 第4四半期(10-12月)以来ずっとこの考えを貫いてきた最初の企業であります。
Q: MMXと言うのは何ですか?
A: MMXとは,IntelPentium PP/MT (P55C) Pentium Pro / Pentium II CPUで採用
された新しい技術で,1行の命令語に複数インストラクション分の内容を持た せる(single-line multiple-instruction)方法を取っています。MMXのインストラ クションは,特に3Dのビデオ,3Dのサウンド,ビデオ会議と言ったマルチメ ディア関連のアプリケーションに有効で,こうしたインストラクションの使え るアプリケーションでは処理性能が向上しています。Aopenのマザーボードは すべて,オンボードでPP/MTをサポート出来る様に少なくとも2倍の電源余力 があり, MMX CPUのために特別なチップセットを必要とはしません。
Q: USB (Universal Serial Bus) と言うのは?
A: USBとは新たに規格化されて来た4-pinのシリアル周辺機器用バスで,キーボー
ド,マウス,ジョイスティック,スキャナー,プリンター,モデム/ターミナ ル・アダプターと言った低中速(10Mbit/s以下)の周辺装置群を,カスケード 式に次々とつなぐことが出来るように設計されています。USBを用いると,こ れまでのように, PCの裏面パネルから何本ものケーブルが複雑に生え出ていた 事情が解消され,すっきりとまとめられる事が期待されています。
USB装置の駆動にはUSBドライバーが必要となります。AOpenのマザーボード はすべてUSB対応可となっており,最新のBIOSAOpenWWWサイト (http://www.aopen.com.tw)から入手できます。このBIOS最新版には(レガシー・ モードと呼ぶ)キーボード用のドライバーが含まれており,これによってUSB キーボードがこれまでの ATPS/2のキーボードと同等に動作するばかりでな く,もしもお使いのOSUSBキーボード用ドライバーがなくても使えるように なっています。他のUSBデバイス用ドライバーに関しては,それぞれの装置の 製造元から提供されるか,あるいはWin95などのOS自体がサポートすることに なります。お使いのOSに別のドライバーが入っている場合には,BIOS中の「チ ップセットのセットアップ」メニューにある「USBレガシー・サポート」機能 はオフにする事にご注意ください。
B-3
FAQ:よく寄せられる質問
Q: P1394と言うのは何ですか?
A: P1394 (IEEE 1394)とは,もう一つ別の高速シリアル機器用バスの規格です。低
中速域を受け持つUSBとは違って,P1394は50~1,000Mbit/sの転送レートをサポ ートしており,ビデオカメラやディスク,LANと言った応用が可能です。P1394 は未だ規格が審議中の為,これを採用した装置は未だPC市場では出ておりませ ん。更に,P1394をサポートするチップセットも未だ出ていませんが,恐らく 近い将来には,P1394装置をサポートするカードが開発されるものと思われま す。
Q: SMバス (System Management Bus)とは何ですか?
A: SMBus(別名I2Cバスとも呼ぶ)とは,コンポーネント(特に半導体 IC)間
通信を考慮して考案された2線式のバスで,特にノートブックなどにおいて, コンポーネントのステータスを検出し,(pull-highまたは pull-lowなどに用いる) ハードウェア・コンフィギュレーション・ピンに置き替わるなどの応用で極め て有用と思われます。例えば実装されていないDIMMのクロックを止める,電 池電圧低下の検出なども考えられます。 SMBusのデータ転送レートは高々 100Kbit/sですが,1個のホストがCPUと,多くのマスターやスレーブとの間で メッセージを送受信する事が出来ます。SMBusによってジャンパーの無いマザ ーボードが出来るものと思われることから,今現在は未だSMbusをサポートす るコンポーネントは出ていないものの,当社では眼を離さずにいる積もりでお ります。
Q: FCC DoC (Declaration of Conformity:適合宣言)と言うのは 何でしょうか?
A: DoCとは, FCCによる新たな規制の認定基準です。この新たな規格によれば,
マザーボードのようなDIY(自分で組み立てる)コンポーネントに対しても, ケースによるシールドの無いままでも独立にDoCラベルを取得する道が開か れました。マザーボードをDoC基準に照らしてテストする規則は,ケースを除 いた状態で規制条件47 CFR 15.31にて試験すると言うものです。マザーボード がDoCテストをクリアーするのは実はこれまでのFCCテストよりも更に困難を 伴いますが,これにパスすると言う事は逆にその電磁妨害波放射が極めて少な い事を意味しており,このボードはいかなる筐体ケースを用いても,極端には 紙製の箱であっても構わない事の証明となります。このDoCラベルの一例を示 します。当社製品においては現時点で,AX65/AP57/AP5T/AX5TなどがこのDoC テストをパスしております。
B-4
FAQ:よく寄せられる質問
AX5T
Test To Comply With FCC Standards
FOR HOME OR OFFICE USE
Q: PBSRAMPipelined Burst SRAM:パイプライン・バース トSRAM) とはどんなものですか?
A: PentiumCPUでは,バースト(Burst)とは,SRAM によってデコードされた
先頭アドレス値1個だけで,連続する4個のQWord (Quad-word, 4x16 = 64 ビット) を読み込むことを言います。PBSRAMはこの際に,予め決められた順番に従っ て自動的に,残りの3個のQwordCPUに送ります。SRAMでのアドレス・デ コードには通常2-3クロックを要しますから,従来通りの非同期SRAMを使った 場合,CPU による 4個のQWord データの read には少なくとも3+2+2+2で合計9 クロックを必要とします。しかしながらここにPBSRAMを用いると,残りの3 個のQword用のアドレス・デコードが不要となるのですから,データ読み込み 時間は3+1+1+16クロック時間となり,非同期SRAMを用いるよりも速くなる のです。
Q: では,EDO (Extended Data Output) メモリーとは?
A: EDOに用いられるEDO DRAMテクノロジーとは,実際にはFPM(Fast Page
Mode)メモリーと極めて似通ったものです。ただ伝統的なFPMがメモリーの出
力データを,プリチャージ・フェーズに先立ってトライステートのハイ・イン ピーダンス状態にするのと違って,EDO DRAMではその出力データを次のメモ リー・サイクルまで有効(valid)な状態に保ち,この結果パイプラインに似た 効果が得られて1クロック・ステート分を減らして高速にすることが出来ま す。
Q: SDRAM (Synchronous DRAM:同期式DRAM)とは何ですか?
A: SDRAMとは新世代のDRAMテクノロジーで,DRAMCPUのホスト・バスと
同期しており同じクロックを使えるようにするものです。(EDOFPMは非同 期asynchronousで動作し,クロック信号を用いません)。このアイデアは先のQ & Aにある「バースト」と同じ発想によります。そこでは第2,34番目のQword に対してそれぞれ1クロックを使うのみであり,例えば,EDOの5+2+2+2=11ク ロックに対してこちらは5+1+1+1=8クロックとなります。SDRAMは64ビット, 168ピンのDIMM (Dual-in-line Memory Module)の形で作られており,3.3Vで動作 します。古いDIMMの中にはFPM/EDOで構成されていて動作電圧も5V だけと
B-5
FAQ:よく寄せられる質問
言うものもあります。それとSDRAM DIMMとを混同しないようご注意くださ い。当社AOpen1996年の第1四半期(1-3月)以来(AP5Vで), 2個のSDRAM DIMMをオンボードでサポートして来た最初の企業であります。
Q: SDRAM DIMM は,FPM/EDOSIMMと一緒に使うことは 出 来 ま す か?
A: FPM/EDO5Vで動作するのに対して,SDRAMの動作電圧は3.3Vです。現在の
マザーボードの設計では,DIMM用とSIMM用にはそれぞれ別の電源を用意し ていますが,両者のデータ・バスは共通になっています。もしもSIMMDIMM を混ぜて搭載しても,システムはちゃんと動く筈です。ただし当面の間のみで す。数ヶ月もしますとSDRAM3.3Vデータ入力端子部は, 5VFPM/EDOデ ータ出力信号のために損傷を受けるでしょう。従って,DIMMSIMMを混ぜ て搭載することは全くお勧め出来ません。是非お避けください。但し例外があ ります。もしも(TISamsung製品のように)5Vに耐えられる(5V tolerance) 仕様のSDRAMをお使いの場合であれば,3.3V動作電圧でも5Vの信号を受けら れるので,混載は問題ありません。
製造メーカー モデル 推奨 CAS
Latency Time
Samsung KM416511220AT-G12 2 Yes NEC D4S16162G5-A12-7JF 2 No
日立
TI TMX626812DGE-12 2 Yes TI TMS626812DGE-15 3 Yes TI TMS626162DGE-15 3 Yes TI TMS626162DGE-M67 3 Yes
HM5216805TT10 2 No
5V 耐圧
Tolerance
Q: IDE (DMAモード)のバス・マスターと は 何 で し ょ う か ?
A: これまでの伝統的なPIO (プログラマブルI/O)によるIDEでは,遅い機械系から
のレスポンスを待つなどの,すべてのIDEアクセス・イベントにCPUが関わり 合う必要がありました。このCPUの受け持つ負荷を軽減するためにバスマスタ ーIDEと呼ばれる装置では,CPUを煩わせること無しにメモリーとの間のデー タのやり取りを実行し,この結果IDE装置とメモリーの間でのデータ転送中に CPUは解放されて他の処理を行うことが出来ます。バスマスターIDEモードの サポートのためには,バスマスターIDEドライバーとバスマスターIDEハードデ ィスク・ドライブが必要となります。IDE装置の接続の際に出てくるマスター モード/スレーブモードの概念とは異なることに注意してください。詳しくは
2.3節「コネクタ」を参照してください。
B-6
FAQ:よく寄せられる質問
Q: Ultra DMA/33と言うのはどんなものです か ?
A: これはIDEハードディスク・ドライブのデータ転送レートを向上させるための
新しい仕様です。データ転送時にIDEコマンド信号の立ち上がりエッジだけを 利用する従来のPIOモードと違って,DMA/33では立ち上がりと立ち下がりの両 方のエッジを用います。これによってデータ転送レートはPIOモード4DMA モード2の2倍となります。(16.6MB/s x2 = 33MB/s).
次の表はIDE PIODMAモードの転送レートを示しています。IDEバスは16ビ ット幅,すなわち常に2バイト同時に転送しています。
モード
PIO mode 0 30ns 20 600ns (1/600ns) x 2byte = 3.3MB/s PIO mode 1 30ns 13 383ns (1/383ns) x 2byte = 5.2MB/s PIO mode 2 30ns 8 240ns (1/240ns) x 2byte = 8.3MB/s PIO mode 3 30ns 6 180ns (1/180ns) x 2byte = 11.1MB/s PIO mode 4 30ns 4 120ns (1/120ns) x 2byte = 16.6MB/s DMA mode 0 30ns 16 480ns (1/480ns) x 2byte = 4.16MB/s DMA mode 1 30ns 5 150ns (1/150ns) x 2byte = 13.3MB/s DMA mode 2 30ns 4 120ns (1/120ns) x 2byte = 16.6MB/s DMA/33
33MHz
PCIでのク
ロック周期
30ns 4 120ns (1/120ns) x 2byte x2 = 33MB/s
クロック カウント
サイクル
タイム
データ転送レート
Q: Ultra DMA/33の性能はどんなものでしょ う か ? 特別なドライバーを必要と しますか?
A: DMA/33を使うにはドライバーが必要ですが,今であればINTELからも出てい
ますし,Windows 97 Memphisに入っているドライバーもお使いになれます。こ れはSouth Bridge 社のPIIX4を認識します。
当社ではQuantum社のFireball ST1.6Aの量産サンプル機を入手し,試験すること が出来ました。以下はそのテスト結果です:
  マザーボード : AOpen AP5T   CPU : P54C-200 MHz   DRAM : 16MB * 2 (FP-7)   VGA : AOpen PV60   CDROM : AOpen CD-920E (20X)   OS : Win95 OSR2
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FAQ:よく寄せられる質問
モデル OS/ドライバー モード
Quantum Fireball
1.2G Quantum
Fireball
1.2G
Quantum ST1.6A
Quantum ST1.6A
Windows 95 OSR2
Windows 95 OSR2 + INTEL PIIX4
ドライバー
Windows 95 OSR2
Windows 95 OSR2 + INTEL PIIX4
ドライバー
PIOモード4
DMAモード2
PIOモード4
DMA/33 1040 4020
Winbench97
Disk Winmark
(ビジネス用途)
717 2150
822 3050
853 2630
Winbench97
Disk Winmark
(ハイエンド用途)
Q: PnP (Plug and Play:プラグ・アンド・プレイ)とは何ですか?
A: これまでアドオン・カードを用いる場合には,IRQやDMAのチャネル指定,メ
モリーやI/O空間のアドレス指定はジャンパーの設定や専用のユーティリティ を使って,一つ一つ手動で行う必要がありました。正しく設定するためには, ユーザーはマニュアルをチェックしながら注意深く行わなければならず,それ でも時には資源の割り当てがぶつかって不安定なシステムとなって仕舞うこ とがありました。PnP(プラグ・アンド・プレイ)の仕様では,BIOSと(Windows 95などの)OSの両者に対して,標準的なレジスターによるインタフェースを提 案しており,両者はこのレジスターを通してシステム資源の割り当てを行うこ とによって,設定が衝突する事態が避けられる様に図られています。IRQDMA,メモリーなどはPnP BIOSOSによって自動的に割り付けられます。
現時点ではほとんどすべてのPCIカードとたいていのISAカードはPnP対応にな っています。もしもPnPをサポートしていない遺産的なISAカードをお使いの場 合には,BIOSのメニュー「PCI/PnP Setup(PCI/PnPのセットアップ)」でIRQ DMA,メモリーなど対応する資源項目をISAにセットしてください。
Q: ACPI (Advanced Configuration & Power Interface)とか, OnNowと言うのは何ですか?
A: ACPIと言うのは,節電制御に関してPC 1997年仕様(PC97)で新たに規定された
もので,パワー制御の役割を,BIOSを通してではなくオペレーティングシス テムが全面的に担当することによって,節電効果をより効果的にすることを図 っています。このためにチップセットやスーパーI/Oチップには,(Win97など の)OSに対する標準レジスター・インタフェースを備えて,チップの他の部
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FAQ:よく寄せられる質問
分に対してOSが電源を切ったり入れたりすることが出来るようにすることが 決められました。この考え方はPnP(プラグ・アンド・プレイ)のためのレジ スター・インタフェースと似たものです。
ACPIでは,電源状態の切り替え制御を行うためにモーメンタリー型のソフ ト・パワースイッチを定めています。恐らくモーメンタリー型ソフト・パワー スイッチを備えたATXフォームファクターが使われるようになるでしょう。デ スクトップのユーザーにとってACPIの一番魅力的となるのは,ノートブック からのアイデアである「OnNow 直ちに」の機能であろうと思われます。電源 を入れた後のブートアップから始まるあの長ったらしい時間を散々待たされ ること無しに,さっさとWin95に入り,WORDなどの元の仕事の続きから速や かに取り掛かれることになります。インテルのTXチップセットを用いたAX5TACPIをサポートしています。
Q: ATXのソフト パワー オン オフやモーメンタリー・ス イ ッ チ と は ?
A: ATX仕様にあるソフト・パワー・オンとは,メインの電源を落とした状態にあ
りながら,特別な回路にだけ待機用の電流を流しておくことで,電源を復帰さ せるべき事象を自動的に待たせる機能を言います。たとえば赤外線,モデム, あるいは声による復帰などがあります。今のところ一番単純な利用方法として は,電源スイッチ回路用のスタンバイ電流をソフト・パワー制御ピンを通して 流しておき,電源スイッチで間接的にメイン電源をオン・オフ出来る機能で す。ATXの電源仕様では,パワースイッチのタイプについては何も触れていま せん。(パッチンと片方に切り替えるタイプの)トグル・スイッチでも,(押 している間だけその状態にあって,指を離すと元の状態に戻る)モーメンタリ ー・スイッチでも構わないのであって,ACPI仕様では「電源状態(ステート) を制御するのにはモーメンタリーを用いる事」と決めているだけである事にご 注意ください。AOpenのすべてのATXマザーボードは,このモーメンタリー・ スイッチをサポートしており,またモデルAX5T/AX58/AX6Lでは「Modem wake-up」(modem Ring-On:モデムの呼び出し音によるオン)も備えています。.
ソフト・パワー・オフとは,ソフトウェアによってシステムのパワーを落とせ る事を言い,Windows 95の「電源を切れる」機能を使えばお手元のマザーボー ドにソフト・パワー・オフが備わっているか ど う か が わ か り ま す 。 AOpenAX5T/AX58/AX6F/AX6Lはこれをサポートしています。
Q: AGP (Accelerated Graphic Port)とは何ですか?
A: AGPとは高性能な3Dグラフィック機能に目標を定めたPCIに似たバス・インタ
フェースで,メモリーの読み書き操作と単一マスター,単一スレーブ間の1対 1通信のみをサポートしています。AGPは66MHzクロックの立ち上がり,立ち 下がり両エッジをとらえて66MHz x 4byte x 2 = 528MB/sのデータ転送レートを
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FAQ:よく寄せられる質問
生み出しています。AOpenAX6Lマザーボードは,インテルの新しいチップ セットKlamath LXを用いてAGPをサポートしています。
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FAQ:よく寄せられる質問
Q: Pentium のチップセットではどれが最高の 性 能 を 持 っ て い ま す か ?
A: チップセットの性能の違いは,使用しているDRAMの種別や,それがサポート
しているDRAMのタイミングに依存します。 次の表は現在入手できるチップセットについてそのreadのタイミングを比較
したものです。4個の数字は連続する4ワード(QWord)のread時に,1番目か4番目のそれぞれに必要なクロックの数を示します。(すべてPBSRAMを使 っているので,2次キャッシュでは違いはほとんどありません)。 Intel HX + EDOSIS 5571+ EDOの組み合わせがほぼ同じ性能であり,ま たVX + SDRAMTX + SDRAMの組み合わせが,Pentiumのチップセットの内 では最高のパフォーマンスを示していることがわかります。AP57は SDRAMを サポートしていないことにご注意ください。
P5
チップセット
Intel 430FX AP5C/P 3+1+1+1=67+3+3+3
Intel 430VX AP5VM/
Intel 430HX AP53/
Intel 430TX AP5T/
SIS 5571 AP57 3+1+1+1=65+3+3+3
SIS 5582 AP58/
モデル
AP5V
AP5K/
AX53
AX5T
AX58
PBSRAM FPM EDO SDRAM
=16
3+1+1+1=66+3+3+3
=15
3+1+1+1=66+3+3+3
=15
3+1+1+1=66+3+3+3
=15
=14
3+1+1+1=65+3+3+3
=14
7+2+2+2
=13
6+2+2+2
=12
5+2+2+2
=11
5+2+2+2
=11
4/5+2+2+2
=10/11
4/5+2+2+2
=10/11
NA
6+1+1+1
=9
NA
5+1+1+1
=8
(6/7+1+1+1
=9/10)
6/7+1+1+1
=9/10
Q: TXチップセットを使うとメモ リ ーの パ フ ォ ー マ ン ス は ど の 程 度 向 上 す るのでしょうか?
A: 次に示すのはTX+SDRAM, VX+SDRAM, TX+EDO, HX+EDO,そしてVX+EDO
の場合についての比較表です。.   CPU : Pentium PP/MT (P55C) 200MHz   DRAM :16MB EDO または SDRAM   HDD : Quantum Fireball 1280AT   VGA : AOpen PV60 S3 Trio64V+ 800x600x256 スモール・フォント使用
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FAQ:よく寄せられる質問
  OS : Windows 95 OSR2
チップセット モデル
Intel 430VX AP5VM EDO 6+2+2+2=12 86.1 Intel 430HX AP53/AP5K EDO 5+2+2+2=11 86.8
Intel 430TX AP5T/AX5T EDO 5+2+2+2=11 87.3
Intel 430VX AP5VM/AP5V SDRAM 6+1+1+1=9 86.6
Intel 430TX AP5T/AX5T SDRAM 5+1+1+1=8 87.7
DRAM
タイミング
Winstone96
Q: PentiumPentium Proのマザーボードはディタ ー ボ ( Deturbo:逆 ターボ)モードをサポートしていますか?
A: ディターボ・モードとは元来,昔のアプリケーション,特に古いゲームソフト
を走らせるために考えられたCPUのスピードを遅くするモードを言い,特別の イベントを待ったり遅らせたりする為にプログラム・ループの手法を用いてお りました。ループによる遅れ時間がCPUのスピードですっかり変わって仕舞 い,高速のCPUだとアプリケーションが動かなくなるなどのため,このソフト ウェアによる方法は甚だ具合が悪いものでした。最近のアプリケーションでは (ゲームも含めて)ほとんどすべて,イベントを待つのにRTC(リアルタイム・ クロック)や割り込みを利用しています。ディターボ・モードは今や不要とな り,両者の切り替えに用いていたターボ・スイッチは今ではサスペンド・スイ ッチとして使われるようになって来ました。しかしながら,マザーボードの中 には今でもキーボードを介してTurbo/Deturbo機能をサポートしている物があ ります。システムをディターボ・モードにするには<Ctrl> <Alt> <->キー 群を,ターボ・モードに戻すには<Ctrl> <Alt> <+>を押します。最近のマ ザーボードでは,このサポートに要するフラッシュROM内のコード用スペース がもったいないので,ディターボ・モードは取り除かれている事にご注意くだ さい。
Q: 節電制御アイコンがWindows 95のコン ト ロ ー ル パネル に 出 て 来 ま せん。BIOSセットアップの中で 「 APMを使 う 」 と 設 定 し た の に で す 。
A: この問題は,Windows 95をインストールする前にAPM機能を生かす設定にして
なかった場合に起こります。既にWindows 95がインストール済みである場合 は,恐れ入りますがBIOSAPM機能をイネイブルにした後でWindows 95を再 度インストールし直して下さい。
B-12
FAQ:よく寄せられる質問
Q: Windows 95のもとで,何故かシステム は サ ス ペ ン ド ・ モー ド に な り ま せんが?
A: これはあなたのCDROMの設定に原因がある可能性があります。Windows95
デフォルト設定では,システムは絶えずCDROMドライブをモニターしてお り,CDROMが挿入されると自動的に検出して知らせたりアプリケーションを 起動したりする様になっています。この結果システムはサスペンド・モードに なれないのです。この問題を解決するにはコントロールパネルの設定に入り, è システムèデバイス マネージャè CDROM è設定とたどって,オプショ ンの「自動挿入」のチェックを外します。
Q: Windows 95のレジストリ(登録所)と は 何 で す か ?
A: Windows 95のレジストリ(Registry)とWindows 3.1のINIファイルとはほぼ同じ
機能です。いずれもハードウェアとソフトウェアの設定状況を保管しており, 唯一の違いはレジストリがデータベースの構成を取っているのに対してINIは テキスト・ファイルである事です。レジストリの構造を更によく理解するため には, REGEDIT.EXEを実行してみると良いでしょう。(但しその変更は十分 な理解の上で行って下さい)。このファイルの構造をチェックし検討してみる と,設定に関わる問題点を解決できる場合があります。
Q: AP5TAX5TベースのシステムでWin'95のインストール後に, デバイス・マネージャの下 に ク エ ス チョン・マークや "standard IDE controller"と表示されるのは何故ですか?
A: Intel430TXのチップセットに,"ACPI", "USB", "Ultra DMA/33"と言った最新
の機能(フィーチャー)を盛り込んで市場に導入したのですが,そうした機能 をサポートする装置はここ最近のものであり,Win'95が初めてリリースされた 958月時点では.,Win'95はこれらの装置をサポートすることを予定していま せんでした。Win'95のデバイス・マネージャの下には,次のようなデバイスが インストールされているのがわかります:
B-13
FAQ:よく寄せられる質問
-その他のデバイス ? PCIブリッジ ? PCIカード (または PCIユニバーサルシリアル デバイス)
-ハード ディスク コントローラ スタンダード デュアルPCI IDEコントローラ プライマリIDEコントローラ セカンダリIDEコントローラ
PCIブリッジ このデバイスはACPI機能を表しており,チップセットPIIX4(82371AB)にインプ
リメントさ れております。この新しいフィーチャーは次のWindows'97 (Memphis)で本格的に生かされるものと期待されています。ACPIの機能につい て詳しくは本FAQの別項:"ACPIとは?"(p. B-8)を参照してください。
上に述べたような制限はありますが,Intel の430TXベースのマザーボードであ れば,Aopenの提供するユーティリティ: TX.EXEを当社のホームページから ダウンロードしインストールするだけで,このクエスチョンマークを取り除く ことは出来ます。そのインストールが終わると,以下のようなデバイスがデバ イス・マネージャの下に作成され認識されるようになります:
-ハードディスク コントローラ Intel 82371AB PCIバスマスターIDEコントローラ
プライマリーIDE コントローラ セカンダリIDEコントローラ
-システムデバイス Intel 82371AB PCI to ISA ブリッジ Intel 82371ABパワー マネジメント コントローラ Intel 82439TX Pentium(r) Processor to PCIブリッジ
PCIカード (またはPCIユニバーサルシリアル デバイス) : お使いのシステムがWin'95 OSR 2.0 であれば("PCIユニバーサル シリアル デバ
イス"と表示されており),マイクロソフトなり或いはOEMシステムの製造会社 よりMicrosoft USB supplementとしてUSBSUPP.EXEが提供されている筈です。 コントロールパネルの下に現れる「アプリケーションの追加と削除」のリスト 中に, "USB Supplement to OSR2"の名称で登録されています。上記のインスト
B-14
FAQ:よく寄せられる質問
レーションの後,Aopen提供のTX.EXEを実行すると,OSR 2.0は次のデバイス をデバイス・マネージャの下に生成します:
-ユニバーサル シリアル バス コントローラ Intel 824371AB PCI to USBユニバーサル ホスト コントローラ
USBルートハブ
Win'95 OSR 2.1をお使いの場合には,インストールの必要なのはTX.EXEだけで す。市販のWin'95のユーザーの場合は,(バージョンは.950 または.950Aであっ て,"PCIカード"と表示されています) ,現時点ではマイクロソフトから得られ る直接アップグレードの方法はありません。上記のすべては,Windows'97でイ ンプリメントされるのを待ちましょう。
スタンダード デュアルPCI IDEコントローラr: IDEコントローラのチップセットPIIX4もまた,完全にはWindows'97で認識され
るようになるものと思われます。当面の間は,Win'95用のドライバーはAopen のホームページ: http://www.aopen.com.twからダウンロードして下さい。これ はバス・マスター機能とUltra DMA/33の両方をサポートしております。インス トールするとデバイスマネージャの下には,Win'95が次のような装置を認識す るのがお分かりになる筈です:
-ハードディスク コントローラ Intel 82371AB PCIバスマスターIDEコントローラ プライマリ バスマスターIDEコントローラ セカンダリ バスマスターIDEコントローラ
以上にご説明した内容はすべて,Intel 430TX チップセットの上での現行の Win'95が持っている制限から来ており,これらは次期Win'97ではインプリメン
トされるものと期待されているものですが,それでもお客様には,特に問題な く最高のパフォーマンスで動作するAP5T/AX5Tのシステムをお楽しみ頂ける 筈です。
Q: Win'95TX ベースのシステムにイン ス ト ー ル し た後に,デバイスマ ネージャの下に現れる"?"マー ク を 除 く に は ど う し たら良いのでしょうか?
A: お手元のシステムはこの"?" マークの付いたままでも問題なく動作するのです
が,それでも多くのお客様から何とかこの記号を外したいとのご希望を頂きま
B-15
FAQ:よく寄せられる質問
した。当社AOpen のドライバー開発チームはこのために数週間を費やして,こWin95ユーザーにお役に立つユーティリティ: TX.EXEを用意しました。こ れはユーザーにとって大変に分かり易い,またAOpen AP5T/AX5Tに限るこ と無くTX のマザーボードであればどれででもお使い頂けるものです。ご自由 にお配り頂いても構いません。我がドライバー開発チームに一言" thanks "と言 って頂ければそれで充分です。
Q: 私の使っているWindows '95のバージョ ン は ど う や れ ば わ か る の で しょうか?
A: Windows '95のバージョンは次のようにするとわかります。
1. コントロールパネルの「システム」をダブルクリックします。
2. (必要であれば)「情報」タブをクリックします。
3. 「システム:」で始まる先頭ブロックにある次の表示を見付けます:
4.00.950 Windows 95
4.00.950a Windows 95 + PLUSなどのサービスパック,または OEMサービス・リリース1
4.00.950b OEMサービス・リリース2,または
OEMサービス・リリース2.1
もしもOSR(リリース)2.1をお使いの場合は,コントロールパネルにある「ア プリケーションの追加と削除」の中のインストール済みプログラムのリストか ら,バージョンは「USB OSR2に対する補足」,および次のディレクトリ: Windows\System\Vmm32にあるファイル:Ntkern.vxd中のバージョン4.03.1212 をチェックするとわかります。
B-16
FAQ:よく寄せられる質問
Q: AMDK6Cyrix M2ではどんな性能上の改善が見られる の で すか?
A: 下記の表は新世代CPUの比較表です:
  DRAM : 64MB EDO   HDD : Quantum Fireball 1280AT   VGA : Matrox Millennium VGA, 4MB, 1024x768 24bit, 85Hz.   OS : Windows 95 4.00.950
CPU
M2- 150 (60MHz x 2.5) PP/MT 200 AP5T/AX5T Intel 430TX 48.3 21.9 PP/MT 233 AP5T/AX5T Intel 430TX 50.5 23.6 K6 PR200 AP5T/AX5T Intel 430TX 50.3 22.0 * K6 PR210 (83.3MHz x 2.5) K6 PR233 AP5T/AX5T Intel 430TX 51.7 23.6 * K6 PR250 (83.3MHz x 3)
Winstone97のビジネス用途指標ではK6-233がPP/MT-233よりも好成績を示して
いること,でもハイエンドのグラフィック用途では両者はほぼ同等であること が分かります。
K6のクロック周波数を250M (83.3MHz*3)にまで上げると,「ソケット7」タイ プのシステムの内では最速のマシンとなり得ることもここから分かります が,このクロックアップはあくまでご自分の責任でリスクを負って頂くもので あることにご注意ください。
マザー ボード
AP5T/AX5T Intel 430TX 48.0 20.1
AP5T Intel 430TX 51.2 23.0
AP5T Intel 430TX 54.0 24.8
チップ セット
Winstone97
ビジネス向
Winstone97
ハイエンド向
B-17
FAQ:よく寄せられる質問
Q: ジャンパー設定の全く不要 な マ ザ ー ボ ー ド は い つ 頃 可 能 と な る で し ょ うか?
A: プラグアンドプレイは,ジャンパーの無いアドオンカードの夢を現実のものに
しましたが,本当の意味でジャンパーを持たないマザーボードの実現には未だ なおいくつかの技術的な問題を残しています。例えばCPUのクロックや動作電 圧には標準のインタフェースが決まっておらず,今のところいわゆるジャンパ ー無しのマザーボードと呼んでいるものは,その検出を実際にはBIOSに依存し ているか,あるいは手動でセットしております。こうした設定が間違っている 場合には,システムは不安定になるか,そうでなければある期間使用している と損傷して仕舞います。それ以外にも不都合となる点としては,いくつかの(こ れまでであればジャンパー設定であった)情報がCMOSに記憶されているため に,ひとたび電池が減ってしまったりBIOS設定を何かの拍子に変えてしまった 場合には,ユーザーなり販売店なりではケースを開けて,再度CPUをチェック しなくてはならなくなるなどが上げられます。
中でもとりわけ厄介なのは,ジャンパー無し設定のためにCPUをブートしBIOS に移って行くその開始電圧をどうするかです。2.85Vの電圧はP55CK6-166に は恐らく問題無いのですが,K6-233MHzでは最低 3.1Vを必要とします。現行 のジャンパー無しマザーボードにK6-233を搭載した場合には,ブート出来ない ことになります。
恐らくは,SMバスの規格がもっと浸透してCPU やクロック発振器その他のICSMバス対応となるようになるまで待たなければならなさそうです。そうな ればチップセットはパワーオン直後にシステムの構成内容を自動的に検出し 報告することが出来,そうなって初めて真の意味でジャンパー無しマザーボー ドが出来たと言えるでしょう。
Q: スイッチング・レギュレーターで同期方式と非同期方 式 の 違 いは?
A: スイッチング・レギュレータでは,パワーFETを非常に高い周波数でオン/オフ
させて,L/C による充放電回路を用いて電圧ドロップを作り出しています。現 在使われているほとんどのスイッチング回路設計では非同期方式を採用して おり,これを技術的な観点から見ると,パワーFETがオフの時の電流ループバ ックにはショットキー・ダイオードを使っているために,この時にも多くの電 力を消費し熱も発生させております。AOpenAP5T-3/AX5T-3で採用した同期 方式のスイッチング回路では,電流ループバックにMOS FETを用い,かつメイ ンのパワーFETとは同期していて,片方がオンである時もう片方はオフとなっ ているので,非同期方式では温度が57℃にまで上がるのに対して,こちらの方 式では36℃以内に抑えられることとなり,極めて効率の高い制御方式になって います。
B-18
FAQ:よく寄せられる質問
Q: リアルタイム・クロックに よ る Wake Upタ イ マ ー ( アラ ー ム ) と は   ?
A: RTC(リアルタイムクロック)とは電子時計の様な働きの装置で,コンピュー
タ・システムが動作中に日付や時刻を保持しております。Wake Up Timer (目 覚ましタイマー)とは,ある特定のアプリケーション用に予め決められた時刻 に目を覚まして電源を入れると言った,どちらかと言えば目覚まし時計に近い 働きのものです。毎日決まった時間に,あるいは1ヶ月以内の特定の日に起き 上がったりの設定も可能です。日付や時刻の精度は秒単位で,そのセットのた めにはBIOS セットアップに入り,節電制御関連のRTC Wake Up Timerメニュー を使ってこの機能をイネーブルにします。RTCはすべてのマザーボードに標準 装備のデバイスですが,このWake Up Timer機能は標準ではありません。AOpen ではAX5T/AX58 のマザーボードがこれをサポートしています。
Q: LDCM (LAN Desktop Client Manager)とは何ですか?
A: これはインテルのソフトウェアで,その主要な目的は企業内ネットワークの管
理者に,すべてのクライアント(ワークステーション)のステータスを容易に モニターする手段を提供する事にあります。LDCMのためには少なくともDMI BIOSが必要です。AOpenBIOSDMIが使えるようになってはいるのです が,残念ながらインテルのLDCMが適切に動作するためにはインテルのネット ワーク・カードが必要で,LDCMのための余分なコスト負担は,自宅でお使い になる個人ユーザーには明らかにあまり引き合わないようです。
B-19
FAQ:よく寄せられる質問
Q: ADM (Advanced Desktop Manager)と言うのは何ですか?
A: これは当社AOpenの開発したデスクトップ・クライアント・サーバー管理用ソ
フトウェアです。インテルのLDCMに似ておりますがそれが多少改良されてお り,ADMは企業内ネットワーク管理に用いるばかりでなく,例えばCPUのファ ン,温度,システム電圧の監視など,システムの状態モニター用ユーティリテ ィとしてもお使い頂けます。
機能
VGAカード 制限なし ATIのみ ネットワーク・カード 制限なし Intelのみ
DMI BIOS 2.0のサポート Win95のサポート Win NTのサポート No (ADM 2.1でサポー
リ ア ル タ イ ム の CPU/メモリー利用状況モ ニター機能
1 画 面 上 に て 複 数 台 の マシンのモニター機能
リモ ー ト 管 理 に 用 い る プロトコル
標準のSNMPトラップ Yes (従って「HPオー
リモート・ファイル転送
ADM 2.0 LDCM 3.0
Yes Yes Yes Yes
Yes
トの予定) Yes No
Yes No
標準のSNMPプロトコルIntel専用のRAP
プロトコル
No
プンビュー」などの標 準ソフトウェアとの 連携が可能)
No Yes
B-20
FAQ:よく寄せられる質問
Q: AOpenのマザーボードは,ファン /電圧/温度の監視と保護機能 を 備 えていますか?
A: ハイ。次の表でご確認ください:
機能
同期 方 式 ス イ ッ チ ン グ・レギュレータ
3.3V CPUコア電源の 過電流保護
CPU耐熱保護 CPUファン監視
システム電源監視
AP5T-3 AX6F-1 AX5T-3 AX5T-3.1
Yes Yes Yes Yes
Yes No Yes Yes
Yes Yes Yes Yes
No No No Yes No No Yes Yes
B-21
FAQ:よく寄せられる質問
Q: モデル:AX5T-1, AX5T-2, AX5T-3間での違いは何でし ょ う か ?
A: AX5T-2では,AX5Tマザーボードを初めてインストールした直後の初期状態
で,ATX電源がオフとなっているように設定されています。AX5T-3 には失賃 具・レギュレータを始め,多くの機能が盛り込まれています。
すべてのボードが75MHzをサポートしていますが,AX5T-3 にはこれに加えて (クロック周波数を上げてみたい(over-clocking)ユーザーの便を考慮して),
83.3MHz用のジャンパー設定があります。75/83.3MHzのクロック切り替えはす べてユーザー殿ご自身のリスクでセットされるもので,恐らく時によってはシ ステムの不安定動作が予想されます。
項目
75MHz
ジャンパー設定
83.3MHz
ジャンパー設定 ATX電源の初期状態 オフ オフ オフ 不定 オンボードの
安定化電源
3.3VCPUコア電源の 過電流保護
CPU耐熱保護 CPUファン監視
システム電源監視
AX5T-3.1 AX5T-3 AX5T-2 AX5T-1
Yes Yes Yes Yes
Yes Yes No No
同期方式 スイッチング
Yes Yes No No
Yes Yes No No Yes No No No Yes Yes No No
同期方式 スイッチング
リニアー方式リニアー
方式
B-22
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