第1章
概要
AX5Tは,Pentiumプロセッサを基本にして,PCI/ISAアーキテクチャーとATXフ
ォームファクターを採用した,高性能なマザーボードです。本ボードには,イン
テルの 82430TX PCIチップセット, ウルトラI/Oコントローラ,バス・マスター機
能およびULTRA DMA/33をサポートするPCIモード4のEnhanced IDEコントローラ
が組み込まれており,高いシステム・パフォーマンスを図っています。256KBま
たは 512KBのパイプライン・バースト2次キャッシュをオンボードで搭載してお
り,メインメモリーについては,4個のSIMMと2個のDIMM用のソケットが用
意されており,EDOとSDRAMの両タイプのメモリーを混合して使用することも
可能で,最大256MBまでのシステム・メモリーが搭載出来ます。AX5Tは2メガビ
ットのフラッシュROMによるBIOSを用いており,将来の新機能追加に備えてお
ります。
その他の重要な機能には次のようなものがあります:
ハードディスクでの待機モード(Suspend to Hard Drive)機能
「直ちに」システムを立ち上げ,電源の切れる直前の元の画面に戻る機能です。
Win95のブートアップを経て元のアプリケーションを再立ち上げする長いプロセ
スを待たされること無く,ハードディスク内にセーブされた元のシステム状態や
メモリー内のイメージ情報を再現することによって,いきなり元の作業の続きか
ら再開することが出来ます。このSuspend to Hard Drive の機能が適切に動作するた
めには、モニター用にはVESA互換のPCI VGAカード(AOpen製品ではS3 PCI
PV60/PT60)、サウンドカードはSound Blaster 互換のAPMドライバー付きのもの
(AOpen製品ではAW32/MP32),さらにRockwell互換のモデム(同じくF34/MP32)
などを使用して頂く必要のあることにご注意下さい。
内蔵モデムカードによる目覚まし機能
ATXのソフト・パワー・オン/オフ機能とあいまって,システムの電源をすっかり
落としておいても,アンサー・マシンやファックスの自動送受信のように,かか
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概要
ってきた電話に自動応答することでシステムが自動的に立ち上がるようにするこ
とが出来ます。ここで最も画期的なのは,外付けタイプのモデムばかりでなく内
蔵のモデムカードでも,この目覚ましモデム機能が可能となったことです,本マ
ザーボードAX5TとMP56内蔵型モデムカードには特許申請中の特別な回路が組み
込まれており,電源を一切必要とせずにこの目覚まし機能が動作します。
RTC (リアルタイムクロック)による目覚ましタイマー機能
このタイマーは目覚まし時計に似た機能で,予め設定されていた日時に自動的
に,システムの電源を入れ,特定のアプリケーションを立ち上げます。毎日決ま
った時間に,あるいは向こう1ヶ月以内で指定された特定の日時に,自動立ち上
げするようにも設定できます。指定日時の精度は秒となります。
効率の高い同期型スイッチング・レギュレータ電源
現在使われているほとんどのスイッチング電源の設計では非同期方式を採用して
おり,これを技術的な観点から見ると,まだまだ多くの電力を消費し熱も発生さ
せております。この方式で用いているショットキー・ダイオードの温度が57℃に
まで上がるのに対して,AX5Tで使っている同期式のスイッチング回路では,
MOS FETの温度は36℃以内に抑えられることとなり,極めて効率の高い制御方式
になっています。
3V系の過大電流保護回路
Baby ATやATXの+5V/+12Vスイッチング電源では,過大電流保護は極めて普通に
備えられている機能ですが,残念なことに新世代のCPUやチップセットが用いて
いる3.3Vとか2.8Vの電源は,5Vから変換して作り出しているもので,5V系の過大
電流保護は全く無意味となっております。オンボードのスイッチング・レギュレ
ータを持つAX5Tでは,5V/12V系ばかりでなく3.3V (Vcpuio,チップセット,
PBSRAM,SDRAM用)と2.8V (CPU Vcore用) にも過大電流保護を設け,不測の回
路ショート事故やそれに伴うシステム破損から守るために,フルラインでの保護
を図っております。
CPU耐熱保護機能
CPUの温度が55℃を超えるとCPUのスピードを自動的に遅くすることにより,発
熱を押さえてCPUを故障から守ります。この時BIOSと,更にADM*がインストー
ルされていれば ADMからも,警告メッセージが出されます。
* 注: AOpen Desktop Managerの略で,インテルのLDCMに相当するものです。
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概要
CPUファン監視機能
AX5TにはCPUのオーバーヒートを防ぐためにファンの監視機能も備えられていま
す。システムはこのファンに異常動作が認められると,BIOSやADM (Advanced
Desktop Manager)のユーティリティ・ソフトウェアを通じてこれを報告し警報を発
します。
システム電圧監視機能
更にまた,AX5Tには電圧監視システムも用意されており,システムに電源の入っ
ている間中これをモニターし続けております。システムで使われている電源のい
ずれかに,電圧が素子に決められている基準を超えると,スピーカーやADM
(Advanced Desktop Manager)を通じてユーザーに警報を知らせます。
FCCのDoC証明
AX5Tは,FCCによるDoCテストを初めてパスした数少ないマザーボードの一つで
す。電磁妨害電波の放射は極めて低く,ケース(筐体),ハウジングとしてはど
のようなものでもお使いになれます。
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概要
1.1 仕様
フォーム・ファクター
ボードのサイズ
CPU
システム・メモリー
2次キャッシュ
チップセット
拡張スロット
シリアル・ポート
パラレル・ポート
フロッピー・
インタフェース
ATX
305 mm x 244 mm
インテルPentiumプロセッサ P54C, PP/MT (MMX)
P55C, AMD K5, K6 および Cyrix 6x86/M2
FPM (Fast Page Mode) または EDO (Extended Data
Output) 72-pin SIMM x4, および SDRAM 168-pin x2 個
のソケットを備え,最大256MBまで搭載可能。
オンボードにて256KBまたは 512KBまでのパイプラ
イン・バースト・キャッシュを搭載。
インテル82430TX PCIチップセット
ISA x4及び PCI x4
2ポート。UART 16C550互換
1ポート。標準パラレルポート(SPP),拡張パラレル
ポート(EPP: Enhanced Parallel Port及びECP:
Extended Capabilities Port)の全規格をサポート。
3.5”ドライブ(3モード: 720KB, 1.44MB及び
2.88MBフォーマット),及び 5.25”ドライブ( 2モ
ード:360KB, 1.2MBフォーマット)をサポート。
IDEインタフェース
USB インタフェース
PS/2マウス
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2チャネル。最大4台までのIDEハードディスクまた
はCDROMドライブを接続可。
モード4のバスマスター・ハードディスク,および
Ultra DMA/33モード・ハードディスクもサポート。
USBブラケットを用いて2USBポート。
BIOSにより旧規格のUSBキーボードをサポート可。
ミニDin PS/2マウス・コネクターをオンボードで。
概要
キーボード
リアルタイムクロック
(RTC)とバッテリー
BIOS
ハードディスクでの
待機モード
(Suspend to Hard Drive)
目覚ましモデム
(Modem Card Wake
Up)
RTC目覚ましタイマー システム自動立ち上げの日時指定可
同期型スイッチング
レギュレータ電源
3V系過大電流保護機能
CPU耐熱保護機能
ミニDin PS/2キーボード・コネクターをオンボード
で。
RTCはインテル・チップセットPIIX4に内蔵。
バッテリーはリチウム(CR-2032)
AWARDプラグ・アンド・プレイ・2Mフラッシュ
ROM BIOS
BIOSのサポートする機能で,業務途中の状態をハー
ドディスクにセーブし,復帰時には極めて短時間に再
開が可能。VESA互換のVGA,およびSound Blaster互
換のサウンドカードを要する。
モデム着信による目覚まし特別回路(特許出願中)
外付けモデムでも内蔵AOpen MP32モデムカードで
も。
将来のCPUに備えて高効率の同期型スイッチング・レ
ギュレータ電源を採用
3.3V 10A と 2.8V/2.9V (CPUコア電源用) 15A出力に過
大電流保護を設け,回路ショート事故に対処。
CPUの温度が55℃を超えると警報を出力
CPUファン監視機能
システム電圧監視機能
CPUファンに以上のある時,警報を出す。
システム電源(5V, 12V, 3.3V, 2.8V)に電圧異常の検
出された場合,警報を出力
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