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AR320
Broadband Router
取扱説明書
AR320 AR320
取扱説明書
安全のために
必ずお守りください
下記の注意事項を守らないと 火災・ 感電 により、
警告
分解や改造をしない
本製品は、 取扱説明書に記載のない分解や改造はしないでください。
火災や感電、けがの原因となります。
雷のときはケーブル類 ・機器類にさわらない
感電の原因となります。
異物は入れない 水は禁物
火災や感電の恐れがあります。水や異物を入れないように注意して
ください。万一水や異物が入った場合は、電源プラグをコンセント
から抜いてください。 (当社のサポートセンターまたは販売店にご連
絡ください。 )
死亡や大けがの原因となります。
分解禁止
雷のときは
さわらない
異物厳禁
通風口はふさがない
内部に熱がこもり、火災の原因となります。
湿気やほこりの多いところ、 油煙や湯気の
あたる場所には置かない
内部回路のショートの原因になり、火災や感電の恐れがあります。
ふさがない
設置場所
注意
表示以外の電圧では使用しない
火災や感電の原因となります。
本製品はAC100-240Vで動作します。
なお、本製品に付属の電源ケーブルは100V用ですのでご注意ください。
100~240V
電圧注意
正しい電源ケーブル・コンセントを使用する
不適切な電源ケーブル・コンセントは火災や感電の原因となります。
接地端子付きの3ピン電源ケーブルを使用し、 接地端子付きの3ピン電源コンセン
トに接続してください。
コンセントや配線器具の定格を超える使い方はしない
たこ足配線などで定格を超えると発熱による火災の原因となります。
設置・移動のときは電源プラグを抜く
感電の原因となります。
電源ケーブルを傷つけない
火災や感電の原因となります。
電源ケーブルやプラグの取扱上の注意:
・加工しない、傷つけない。
・重いものを載せない。
・熱器具に近づけない、加熱しない。
・電源ケーブルをコンセントから抜くときは、必ずプラグを持って抜く。
3ピン
コンセント
たこ足禁止
プラグを
抜け
傷つけない
ご使用にあたってのお願い
次のような場所での使用や保管はしないでください。
・直射日光の当たる場所
・暖房器具の近くなどの高温になる場所
・急激な温度変化のある場所(結露するような場所)
・湿気の多い場所や、水などの液体がかかる場所(湿度80%以下の環境でご使用ください)
・振動の激しい場所
・ほこりの多い場所や、ジュータンを敷いた場所(静電気障害の原因になります)
・腐食性ガスの発生する場所
静電気注意
本製品は、 静電気に敏感な部品を使用しています。 部品が静電破壊する恐れがありますの
で、コネクターの接点部分、ポート、部品などに素手で触れないでください。
取り扱いはていねいに
落としたり、ぶつけたり、強いショックを与えないでください。
お手入れについて
清掃するときは電源を切った状態で
誤動作の原因になります。
機器は、乾いた柔らかい布で拭く
汚れがひどい場合は、 柔らかい布に薄めた台所用洗剤 (中性) をしみこま
せ、堅く絞ったものでふき、乾いた柔らかい布で仕上げてください。
お手入れには次のものは使わないでください
・石油・みがき粉・シンナー・ベンジン・ワックス・熱湯・粉せっけん
(化学ぞうきんをご使用のときは、その注意書に従ってください。 )
ぬらすな
中
性
中性洗剤
使用
堅く絞る
シンナー
類不可
0.1 はじめに
この度は、CentreCOMAR320 をお買いあげいただき、誠にありがとうございます。
本書は、CentreCOMAR320(以後本製品と略します)の概要、設置の仕方や配線の仕方、電源のオ
ン・オフなど、本製品を動作させるために必ずしなければならないことや、コマンドの概要、コマン
ドの入力の仕方などの基本的な操作方法について説明しています。本製品を正しくお使いいただくた
め、ご使用になる前に本書をよくお読みください。また、お読みになった後も大切に保管してください。
また、本書は、本製品のソフトウエアバージョン「1.9.3」をもとに記述されていますが、「1.9.3」よ
りも新しいバージョンのソフトウエアが搭載された製品に同梱されることがあります。その場合は、ま
ず最初に添付書類やリリースノートをお読みください。添付書類やリリースノートには、最新の情報
が記載されています。
本製品をご使用のお客様は、まず「安全のために」(p.5)を必ずお読みください。この項では、事故
やけがを回避するために重要なことがらをご説明しています。安全のため、この項は必ず最初に目を
通されますようお願いいたします。
0.2 梱包内容
内容物は、変更になることがあります。最新の情報については、付属のリリースノートなどをご覧く
ださい。
本体
AR300frontnoexplan.eps
Broadband Router with Access Gateway
コンソールケーブル
rs232cable.eps
8 CentreCOMAR320
AR320
ACT1
LINK1
10BASE-T
SYSTEM RUN POWER
ACT0
LINK0
STATUS
本製品の CONSOLE ポート(RS232)とコンソールターミ
ナルを接続するためのストレートタイプの RS232 ケーブル
です。コネクターは、9pin オス− 9pinメス(ターミナル側)
となっています。
クロス変換アダプター
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J
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3
2
0
取扱説明 書取扱説明 書
Access Router
crosschanger.eps
電源ケーブル
powercable.eps
CD-ROM、ドキュメント類
cdrombookar3v2.eps
D
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C
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u
g
本製品の RS232 ポートにコンソールターミナルを接続する
ときに使用する 9P のクロス変換アダプターです。コンソー
ルケーブル(オス側)と本製品の RS232 ポートの間に接続
します。
本製品に電源を供給するためのケーブルです。必ず本製品に
付属している電源ケーブルをご使用ください。不適切な電源
ケーブルをご使用になると、本製品の故障や火災の原因にな
り危険です。
基本的に下記の品が付属しています。これ以外に添付資料な
どが付属することがあります。
・ CD-ROM
・ 取扱説明書
・ リリースノート
CentreCOMAR320 9
0.3 表記について
画面表示
・ コンソールターミナルに表示された内容や入力した文字を説明する場合、枠線で囲んでいます。
・ 入力する文字を明示的に示す場合、 太文字を使用します(下記の例では「 help」)。
・ 太文字以外の表示は、自動的に表示される文字です。
・ コマンド行を最後まで入力したらリターンキー(またはエンター)を 1 度押します。リターン
キーは、「 ↵」マークで表します。下記では、「 help」を入力し、リターンキーを押しています。
Manager > help ↵
ARシリーズルータ・オンラインヘルプ
ヘルプは次のトピックを説明しています。
マーク付きのコマンドは
( *
HELP asynchronous
HELP ETH
HELP SYN
( AR700
HELP PPP PPP( Point to Point Protocol
HELP FR *
HELP ISDN * ISDN
HELP TDM * TDM
HELP X25 X.25 & MIOX
HELP IP IP
HELP IPX IPX
HELP APPLETALK Appletalk
HELP terminal
--More-- (<space> = next page, <CR> = one line, C = continuous, Q = quit)
図 0.3.1:表示画面の例
・ 長いコマンド行を紙面の都合で折り返す場合は、2 行目以降を 字下げして表します。実際にコマ
ンド行を入力する場合は、字下げされている行の前でスペースを 1 文字入力してください(下記
では、1 行目の行末「...=192.168.10.2」と 2 行目の行頭「DM=255....」の間にスペースが 1 文
AR320
ではご使用できません)
非同期コールコントロール(
サポート)、非同期ポート、
イーサネットインタフェースコマンド
シンクロナスインターフェースコマンド
フレームリレープロトコルコマンド
ターミナルサーバー
- V1.9.3 Rev 01J1 2000/06/28
AR700
TTY
シリーズのみがサポート)
コマンド(
モジュールコマンド
コマンド
コマンド
BRI、 PRI
コマンド(サポートしていません)
コマンド
を含む )
シリーズ
)コマンド
/AR320
が
10 CentreCOMAR320
字入っています)。全ての行を入力し、最後にリターンキーを押してください。
ADD IP FILT=1 SO=192.168.20.4 SM=255.255.255.255 DES=192.168.10.2
DM=255.255.255.255 DP=23 PROT=TCP SESS=ANY AC=INCL ↵
図 0.3.2:紙面の都合でコマンド行に折り返しがある例
キー入力における表記
・「□/△」キーは、□キーを押しながら、△キーを押す操作を表します。例えば「Ctrl/E」キー
は、「Ctrl」キーを押しながら「E」キーを押すことを意味します。
・ 「□/△/○」キーは、□キーを押しながら△キーを押し、□ / △キーをそのまま離さないで、○
キーを押す操作を表します。
・ 「□ , △」キーは、□キーを押し、□キーを離してから、△キーを押す操作を表します。例えば
「Break,T 」キーは、「Break」キーを押し、「Break」キーを離してから「T」キーを押すことを
意味します。
・ 「□ / △」キーと「▽ , ○」キーは、一緒に使用することがあります。例えば「Ctrl/P,T 」キー
は、まず「Ctrl」キーを押しながら「P」キーを押し、「Ctrl」と「P」キーを同時に離してから、
「T」キーを押すことを意味します。
マークについて
説明内容により、以下のマークをつけて説明しております。
注記マーク
注
メモマーク
けがや装置の故障には到らないが、データ破壊や機器の通常の運用が妨げられた
りするなど、なんらかの問題が発生する可能性のあるような場合に、マークして
います。ご注意ください。
これを知っていると便利であると想定される場合に、マークしています。ご活用
ください。
CentreCOMAR320 11
12 CentreCOMAR320
目次
0.1 はじめに.................................................................................................................................................. 8
0.2 梱包内容.................................................................................................................................................. 8
0.3 表記について .......................................................................................................................................10
画面表示................................................................................................................................................10
キー入力における表記.......................................................................................................................11
マークについて ...................................................................................................................................11
1 概要....................................................................................................................................................... 17
1.1 特長........................................................................................................................................................17
1.2 各部の名称と働き...............................................................................................................................20
2 設置・配線........................................................................................................................................... 23
2.1 基本的なネットワーク構成 ..............................................................................................................23
2.2 配線する................................................................................................................................................25
ADSL モデム / ケーブルモデムとの接続 .....................................................................................25
LAN との接続......................................................................................................................................26
ハブと接続する場合(カスケード接続する場合).......................................................................26
コンピュータと接続する場合 ..........................................................................................................27
コンソールターミナルとの接続 ......................................................................................................28
電源との接続 .......................................................................................................................................29
3 起動・設定の保存・再起動................................................................................................................ 31
3.1 コンソールターミナルの設定 ..........................................................................................................31
ハイパーターミナルを使用する ......................................................................................................32
3.2 起動........................................................................................................................................................35
トラブルシューティング ..................................................................................................................35
3.3 デフォルトのログイン名とパスワード..........................................................................................36
3.4 パスワードの変更...............................................................................................................................37
変更手順................................................................................................................................................37
ログイン名、パスワードで使用可能な文字と文字数.................................................................38
3.5 システム時間の設定...........................................................................................................................39
3.6 設定の保存 ...........................................................................................................................................39
3.7 起動・動作ファイルの指定 ..............................................................................................................40
3.8 再起動....................................................................................................................................................41
RESTARTROUTER コマンドの入力...........................................................................................41
目次 13
RESTARTREBOOT(IMMEDIATELY)コマンドの入力.......................................................41
電源スイッチのオフ / オン..............................................................................................................42
3.9 ログアウト ...........................................................................................................................................43
3.10 停止........................................................................................................................................................43
3.11 ご購入時の状態に戻す.......................................................................................................................43
3.12 ロックアウトされてしまったとき..................................................................................................46
4 コマンド入力操作 ............................................................................................................................... 47
4.1 コマンドプロセサー...........................................................................................................................47
コマンドプロンプトと権限 ..............................................................................................................47
コマンドプロンプトの変更 ..............................................................................................................48
コマンドプロンプトにおけるキー操作(ヒストリー機能)......................................................48
次に選択可能なキーワードを表示する「?」.................................................................................49
4.2 コマンド入力の注意点(文字数)....................................................................................................50
コマンド行で省略形を使用する ......................................................................................................52
コマンド行を複数行に分ける ..........................................................................................................52
IP フィルタ設定における補足 .........................................................................................................53
4.3 オンラインヘルプ...............................................................................................................................55
4.4 コマンドの分類 ...................................................................................................................................57
設定コマンド .......................................................................................................................................57
主な実行コマンド...............................................................................................................................58
4.5 設定ファイルのエディタ .................................................................................................................. 61
エディタにおけるキー操作 ..............................................................................................................62
14 目次
5 構築例................................................................................................................................................... 65
5.1 Ethernet でインターネットに接続する.........................................................................................65
ADSL/CATV 接続の特徴.................................................................................................................65
構成と方針 ...........................................................................................................................................67
設定手順................................................................................................................................................68
設定内容の表示 ...................................................................................................................................72
5.2 PPPoE でインターネットに接続する............................................................................................74
構成と方針 ...........................................................................................................................................74
設定手順................................................................................................................................................76
5.3 ローカルルーターの設定 .................................................................................................................. 81
構成と方針 ...........................................................................................................................................81
設定手順................................................................................................................................................82
5.4 ローカルブリッジの設定 .................................................................................................................. 85
6 ユーザー管理....................................................................................................................................... 89
6.1 ノーマルモード / セキュリティーモード.....................................................................................89
6.2 ユーザー認証データベース ..............................................................................................................90
6.3 ユーザーの登録と情報の変更 ..........................................................................................................90
セキュリティモードへの移行 ..........................................................................................................91
ノーマルモードへ戻る.......................................................................................................................92
7 Telnet を使う..................................................................................................................................... 95
7.1 本製品に Telnet でログインする.................................................................................................... 95
7.2 Telnet コマンドの実行......................................................................................................................96
IP アドレスのホスト名を設定する.................................................................................................96
DNS サーバーを参照するように設定する....................................................................................96
7.3 ブリッジングにおける Telnet.........................................................................................................97
8 Ping・Trace...................................................................................................................................... 99
8.1 Ping .......................................................................................................................................................99
8.2 Trace..................................................................................................................................................100
9 ファイルシステム ............................................................................................................................ 101
9.1 フラッシュメモリー・ファイルシステム.................................................................................. 101
フラッシュメモリーのコンパクション.......................................................................................103
9.2 ファイル名 ........................................................................................................................................ 104
9.3 ワイルドカード ................................................................................................................................ 105
10 バージョンアップ ............................................................................................................................ 107
10.1 最新ソフトウエアの入手方法 ....................................................................................................... 107
10.2 バージョンアップ............................................................................................................................ 108
10.3 セットアップツール........................................................................................................................ 108
10.4 ファイルのバージョン表記 ........................................................................................................... 110
ファームウエアファイル ............................................................................................................... 110
パッチファイル ................................................................................................................................110
バージョンアップキットにおけるバージョン表記.................................................................. 110
11 アップ / ダウンロード..................................................................................................................... 111
11.1 TFTP .................................................................................................................................................. 111
前提条件.............................................................................................................................................111
設定..................................................................................................................................................... 111
ダウンロード .................................................................................................................................... 112
アップロード .................................................................................................................................... 112
11.2 Zmodem............................................................................................................................................. 113
ダウンロード .................................................................................................................................... 113
アップロード .................................................................................................................................... 114
目次 15
12 困ったときに.................................................................................................................................... 115
12.1 トラブルへの対処法........................................................................................................................ 115
LED ランプの観察........................................................................................................................... 115
ケーブル類の観察............................................................................................................................ 116
ターミナルソフトの観察 ............................................................................................................... 116
設定しているネットワークの情報の観察 .................................................................................. 117
12.2 トラブル例 ........................................................................................................................................ 117
コンソールターミナルに文字が入力できない .......................................................................... 117
コンソールターミナルで文字化けする.......................................................................................118
LIC ファイルを削除してしまった................................................................................................ 118
A 付録.................................................................................................................................................... 119
A.1 製品仕様.............................................................................................................................................119
ソフトウエア .................................................................................................................................... 119
ハードウエア .................................................................................................................................... 119
A.2 10BASE-T ポート仕様 ..................................................................................................................121
A.3 RS-232 ポート仕様........................................................................................................................ 122
A.4 ディップスイッチ............................................................................................................................ 123
A.5 ASCII 文字コード表 ........................................................................................................................ 124
A 保証とユーザサポート..................................................................................................................... 125
A.1 保証.....................................................................................................................................................125
保証の制限 ........................................................................................................................................ 125
A.2 ユーザーサポート............................................................................................................................ 125
調査依頼書のご記入にあたって ...................................................................................................125
A.3 最新情報の入手 ................................................................................................................................127
調査依頼書 ........................................................................................................................................ 128
16 目次
ご注意................................................................................................................................................. 130
商標について .................................................................................................................................... 130
マニュアルバージョン....................................................................................................................130
1概 要
1.1 特長
CentreCOMAR320(以下本製品と略します)は、2つの Ethernet ポートを持ち PPPoE を実装した
高機能なブロードバンド・ルーターで、CATV/ADSL によるインターネット接続に最適な機能を搭載
しています。また、単なるローカルルーター / ブリッジとしてもご使用いただけます。本製品の特長
は以下の通りです。
PPPoverEthernet(PPPoE)
Ethernet で PPP プロトコルを使用することができます。
マルチプロトコル
TCP/IP、IPX、AppleTalk パケットをルーティングし、これら以外のプロトコルにはブリッジと
して使用できます。ルーティングプロトコルは RIPV1/V2 に対応し(静的な経路情報入力も可
能)、大規模なネットワーク環境でも十分な威力を発揮できます。IP インターフェースは、CIDR
(ClasslessInter-DomainRouting)に対応しています。IPX(NetWare)の RIP、SAP、WatchDog
パケットに対する代理応答も行えます。
トンネリング(L2TP/GRE)
トンネリングプロトコル L2TP・GRE に対応しています。L2TP を使用して他のプロトコルをカ
プセリングが可能です。
認証
PPP における認証として CHAP、PAP が可能です。認証サーバーとしてRADIUS、TACACS が
使用可能です。
フィルタリング
送信元 / 宛先アドレスやポート、プロトコルに対して優先順位をつけるなどの詳細なフィルタリ
ング設定が可能です。また、セキュリティ強化のためのディレクティド・ブロードキャスト・パ
ケットフィルタリングが行えます(ブリッジ接続時にもパケットフィルターは設定可能)。
プライオリティ・ベースト・ルーティング(Priority-basedRouting)
IP のルーティング時に指定したデータ(DA、SA、Port)に対して、優先順位(8 段階まで)を
設定できます。これにより基幹業務に使用する対話型プログラム(Telnetなど)のレスポンスの
悪化を防ぎます。また、ブリッジ接続時はプロトコル別に優先順位(5 段階まで)を設定できます。
概要 17
ポリシィ・ベースド・ルーティング(Policy-basedRouting)
IP のルーティング時に指定したデータ(DA、SA、Port)に基づいてルーティングすることがで
き、柔軟なネットワーク環境が構築できます。
システム管理
SNMP(MIB Ⅱ)に対応しています。弊社 CentreNETSwimView により他のネットワーク機器
と合わせて、総合的な管理が可能です。また、ログ機能を内蔵しているため、本製品のメモリー
または Syslog サーバーに対して、ログ出力を行えます。
トリガー機能
日付や曜日、インターフェースのリンク(アップ、ダウン)などの様々なイベントをトリガーと
して指定し、ルーティング経路などを自動的に変更したり、指定時間内にだけ通信を許可すると
いったことが可能となります。
メール送信機能
本製品は、SMTP によるメール送信機能を実装しています。この機能により、トリガーによって
イベントの発生や、ログをメールでシステム管理者に送信することができます。
マルチホーミング
物理インタフェースに、複数の論理 IP インターフェース(最大 16 個まで)を持つことができま
す。これにより同一セグメント内で複数のサブネットが存在する環境でも、柔軟なネットワーク
環境が構築できます。
IP アドレスプール機能
IP アドレスプールとして IP アドレスの範囲を定義しておき、接続してきたリモート機器に対し
て、IP アドレスを割り振ることができます。
18 概要
NAT/ENAT機能(アドレス / ポート変換)
アドレス / ポート変換が可能なため、少数のグローバルアドレスを有効に利用したネットワーク
が構築できます(ローカル側端末数は無制限です)。
DHCP サーバー / リレーエージェント /DHCP クライアント
DHCP サーバー機能をサポートしています。また、リレーエージェント機能により、ネットワー
ク内の DHCP サーバーに対し DHCP リクエストを中継することもできます。DHCP クライアン
ト機能をサポートしており、他のDHCPサーバーからIPアドレスなどを取得することができます。
IP ネゴシエーション、UnnumberedIPインタフェース
PPPoE(PPPoverEthernet)において、IPネゴシエーション(接続相手の要求に従って、WAN
側の IP アドレスを決定するプロトコル)、UnnumberedIPインタフェース(WAN回線における
2 点間接続で IP アドレスを持たない IP インターフェースを使用する技術 ) が使用可能です。
ファームウェアのバージョンアップ
セットアップツールを使用することにより、簡単にバージョンアップが可能です(TFTP)。
使い勝手の良いコンフィグレーション
設定内容はテキストファイルとして保存されるので、簡単に修正を行えます。また、ルーター内
での複数の設定を保存しておくことができるため、環境の変化に応じて柔軟に切替えることがで
きます(トリガー機能と組み合わせ、自動切替えも可能です)。
概要 19
1.2 各部の名称と働き
AR320 をもとに各部の名称と働きを説明します。
AR300 全体図 .eps(45%)
3
通気口
3
通気口
AR320
Broadband Router with Access Gateway
10BASE-Tランプ
0
1
1
0
K
K
T
T
C
C
IN
IN
L
A
L
A
10BASE-T
1
STATUSランプ
SYSTEM RUN POWER
STATUS
2
図 1.2.1:全体図
① 10BASE-T ランプ
10BASE-T ポート 0、ポート 1 のそれぞれに ACT、LINK ランプがあります。
ACT0/1 10BASE-T ポート(LAN)に対してパケットを送受信したとき点灯します。
LINK0/1 ハブやコンピュータなど、LAN機器との通信が可能なとき点灯します。
② STATUS ランプ
SYSTEM 異常時に赤く点灯し続けます(電源投入時に一瞬点灯し、消灯するのは異常では
ありません)。
RUN 正常に動作中、点灯します。
POWER 電源がオンのとき点灯します。
③通気口
本体内部の換気を行うための通気口です。
本製品を設置する際は、この通気口をふさがないでください。通気口をふさいでしまうと、本製
品の温度が上昇し、本製品の故障の原因になります。また、火災などの原因となることがあるた
め危険です。
AR300 背面 B.eps(45%)
20 概要
6
RS-232ポート0
6
RS-232ポート1
7
ディップスイッチ
電源スイッチ
8
1
10BASE-T 10BASE-T
4
1
=
X PC
HUB
0
=HUB/XPC
5
スイッチ1
10BASE-Tポート1
RS-232
0
=
X PC
HUB
4
10BASE-Tポート0
1234
CONFIG
=HUB/XPC
5
スイッチ0
POWER
9
電源ケーブル差込口
図 1.2.2:背面図
④ 10BASE-T ポート
LAN(Ethernet)との接続に使用するポートです。「0」と「1」の 2 つのポートがあります。
2 つのポートは全く同じものであり、入れ替えて使用することができます。
⑤ =HUB/XPC スイッチ
10BASE-T ポートの MDI/MDI-X 仕様を切り替えるスイッチです。それぞれのポートに、このス
イッチがあります。
=HUB110BASE-T ポートを MDI 仕様に設定します。10BASE-T ポートにハブ(MDI-X)を接
続する場合、この位置に設定してください。
XPC210BASE-TポートをMDI-X仕様に設定します。10BASE-Tポートにコンピュータ(MDI)
を接続する場合、この位置に設定してください。
⑥ RS232 ポート(コンソールポート)
モデムやコンソールターミナルを接続する RS-232C ポート(非同期ポート)です。「0」と「1」
の 2 つのポートがあります。ご購入時には、RS232 ポート 0 はコンソールポートに設定されて
います。コンソールポートにコンソールターミナルを接続することにより、本製品の設定などを
行います。
⑦ディップスイッチ
通常は、すべてのスイッチをオフ(上)に設定してご使用ください。スイッチの詳細は、本書
「A.4ディップスイッチ」(p.123)をご覧ください。
1.「=HUB 」の「= 」は、そのポートが「MDI」になることを意味します。「HUB 」は接続先の
機器が「HUB の通常のポート」(MDI-X)であることを意味します(10BASE-T ケーブルは
ストレートタイプをご使用ください)。
2.「XPC 」の「X 」は、そのポートが「MDI-X」になることを意味します。「PC 」は接続先の機
器が「コンピュータ」や「HUB のカスケードポート」(MDI)であることを意味します(10BASETケーブルはストレートタイプをご使用ください)
概要 21
⑧電源ケーブル差込口
付属の電源ケーブルを接続するコネクターです。ケーブルは、必ず付属のものをご使用ください。
⑨電源スイッチ
電源をオン / オフするためのスイッチです。白点がある側を押したときにオンになります。
22 概要
2 設置・配線
本章では、実際に本製品を使用していただく前の、確認項目や準備作業について記載しています。コ
ンソールターミナルや電源など、他機器との接続が主になります。本製品稼働時に問題なくお使いい
ただくために、本章の手順に従って、準備を行ってください。
2.1 基本的なネットワーク構成
ADSLwireing.eps
保安器
壁のモジュラー
ジャック(RJ-11)
スプリッター
一般加入電話
(アナログ回線)
10BASE-Tケーブル
コンソールケーブル
(RS232)
コンソール
ターミナル
*マーク付きのケーブルは
本製品に付属しています。
*
ADSLモデム
=HUB
1
1
=
X PC
HUB
0
10BASE-T 1 0BASE-T
RS-232
=
X PC
HUB
=HUB
通常のポート
アナログ電話機
HUBの通常のポートと
と同じと仮定
=
X PC
HUB
0
=
X PC
HUB
1234
POWER
CONFIG
AR320
10BASE-Tケーブル
ハブ/スイッチ
図 2.1.1:ADSL モデムを使用した基本的なネットワーク構成例
CATVwireing.eps
設置・配線 23
保安器
CATV網
ケーブルモデム
HUBの通常のポートと
と同じと仮定
=
X PC
10BASE-Tケーブル
HUB
=HUB
1
1
0
=
X PC
HUB
=
X PC
HUB
0
1234
POWER
CONFIG
RS-232
X PC
AR320
コンソールケーブル
(RS232)
*
=
=HUB
10BASE-T 1 0BASE-T
HUB
10BASE-Tケーブル
ハブ/スイッチ
コンソール
ターミナル
通常のポート
*マーク付きのケーブルは
本製品に付属しています。
図 2.1.2:ケーブルモデムを使用した基本的なネットワーク構成例
TV
24 設置・配線
ADSL モデムやケーブルモデムを使用したインタネット・サービス・プロバイダ(以後、プロバイダー
と略します)への接続は、おおむね図 2.1.1、図 2.1.2 のようになります。モデムまでの引き込みのし
方が異なりますが、ルーター以下の構成は同じです。運用上の特徴は、「ADSL/CATV 接続の特徴」
(p.65)をご覧ください。
1
1. 10BASE-T ポート 0 と 1 は仕様的に同じものであり、入れ替え使用が可能ですが、後述の具
体的な設定例のために、本製品の 10BASE-T ポート 1 を WAN ポート(ADSL/ ケーブルモ
デムに接続)、10BASE-T ポート 0 を LAN ポート(ハブ、コンピュータを接続)として使用
するものと仮定します。
2.2 配線する
10BASE-T
RS-232
1
1
0
X PC
=
HUB
ADSL モデム / ケーブルモデムとの接続
1. ストレートタイプの 10BASE-T ケーブルをご用意ください。ケーブル先端の爪部分を下側に持
ち、10BASE-T ポート 11に挿入して、カチッと音がするまで、差し込んでください。
接続 WAN1.eps
図 2.2.1:10BASE-T ポート 1 に 10BASE-T ケーブルを接続する
=
HUB
= HUB
X PC
2. 10BASE-T ポート 1 を「=HUB」に設定してください。
2
3. 10BASE-T ケーブルのもう一端を、ADSL モデムまたはケーブルモデムに接続します。
4. 10BASE-T ケーブルを確実に装着できたか、確認します。
ケーブルの先端部分を爪を押さえずに持ち、力を込めすぎないようにして軽く引っ張ってみま
す。抜けないようだったら、きちんと装着できています。
1. 10BASE-T ポート 0 と 1 は仕様的に同じものであり、入れ替え使用が可能ですが、後述の設
定例のために、ここではこのように接続します。
2.「=HUB」は、10BASE-Tポート 0 を MDI 仕様に設定します。ここでは、ADSLモデム、ケー
ブルモデムの 10BASE-T ポートは、MDI-X 仕様(HUB の通常のポート)であると仮定して
います。
設置・配線 25
LAN との接続
10BASE-T
RS-232
CONFIG
0
X PC
=
HUB
1234
LANとの接続では、ハブと接続する場合とコンピュータ 1 台だけと接続する場合とで接続方法が異な
ります。ご使用の環境にあわせて、接続してください。
ハブと接続する場合(カスケード接続する場合)
1. ストレートタイプの 10BASE-T ケーブルをご用意ください。10BASE-T ケーブル先端の爪部分
を下側に持ち、10BASE-T ポート 01に挿入して、カチッと音がするまで、押し込んでください。
接続 LAN1.eps
=
X PC
HUB
= HUB
図 2.2.2:10BASE-T ポート 0(カスケード接続)
26 設置・配線
2. 10BASE-T ポート 0 を「=HUB」に設定してください。これにより、10BASE-T ポート 0 は MDI
仕様(カスケードポート)となります。
3. 10BASE-T ケーブル2のもう一端を、ハブの「通常のポート」(MDI-X)に接続します。
4. 10BASE-T ケーブルを確実に装着できたか、確認します。
10BASE-T ケーブルの先端部分を爪を押さえずに持ち、力を込めすぎないようにして軽く引っ
張ってみます。抜けないようだったら、きちんと装着できています。
5. これで、ハブとの接続作業は終了です。
1. 10BASE-T ポート 0 と 1 は仕様的に同じものであり、入れ替え使用が可能ですが、後述の設
定例のために、ここではこのように接続します。
2. ハブ / スイッチのポートがカスケードポート(MDI)の場合には、本書「A.210BASE-T ポー
ト仕様」(p.121)をご覧ください。
コンピュータと接続する場合
10BASE-T
RS-232
CONFIG
0
X PC
=
HUB
1234
1. ストレートタイプの 10BASE-T ケーブルをご用意下さい。10BASE-T ケーブル先端の爪部分を
下側に持ち、10BASE-T ポート 0 に挿入して、カチッと音がするまで、差し込んでください。
接続 LAN2.eps
=
X PC
HUB
X PC
図 2.2.3:10BASE-T ポート 0(コンピュータと接続)
2. 10BASE-T ポート 1 を「XPC」に設定してください。これにより、10BASE-T ポート 0 は、
MDI-X 仕様(ハブの通常のポートと同じ)となります。
3. 10BASE-T ケーブルのもう一端を、コンピュータ(LAN アダプター)の 10BASE-T ポートに接
続します。
4. 10BASE-T ケーブルを確実に装着できたか、確認します。
10BASE-T ケーブルの先端部分を爪を押さえずに持ち、力を込めすぎないようにして軽く引っ
張ってみます。抜けないようだったら、きちんと装着できています。
5. これで、コンピュータとの接続作業は終了です。
設置・配線 27
コンソールターミナルとの接続
1 0BASE-T 10BASE-T
RS-232
1
1
0
0
X PC
=
HUB
X PC
=
HUB
本製品を制御するコンソールターミナル(コンピュータ)と接続します。
1. クロス変換アダプター1を RS232 ポート 02に接続し、固定ネジを締めてください。
コンソールケーブルのオス側を、クロス変換アダプターを接続にし、固定ネジを締めてください。
接続コンソール .eps
クロス変換
アダプター
コンソール
ケーブル
(オス側を接続)
図 2.2.4:CONSOLEポート(コンソールターミナルとの接続)
2. コンソールケーブルのメス側を、コンソールターミナルの COM ポートに接続します。
COM ポートは機種により、「SERIAL」、「|○|○|」などと表記されています。
コンソールケーブルの固定ネジを締めてください。
3. これで、コンソールターミナルとの接続作業は終了です。
1. クロス変換アダプター(9P メス -9P メス)、コンソールケーブル(9P メス -9P オス、スト
レート)は本製品に付属しています。RS232 ポートをモデムに接続する場合、モデムに付属
のケーブルをご使用下さい。
2. RS232 ポート 0 は、ご購入時に「コンソールポート」に設定されています。
28 設置・配線
電源との接続
BRI
TERMINATOR
OFF
ON
POWER
1. 付属の電源ケーブルを電源ケーブル差込口に接続します。
本製品のコネクターのピン(金属部分)位置をよく見て、電源ケーブルの穴とあわせながら、電
源ケーブルを電源コネクターの奧までしっかりと挿入してください。
2. 電源ケーブルのプラグ部分を電源コンセントに接続します。
本製品の電源プラグ部は三つ又になっています。接地付きの三つ足コンセントに接続してくださ
い。
3. これで、電源との接続は終わりです。
接続電源 .eps
本体側の
ピン位置と
向きをあわせる
図 2.2.5:背面図(電源ケーブル接続部)
設置・配線 29
30 設置・配線