Page 1
CobraNet Discovery クイックガイド
(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け )
はじめに
ヤマハ製 CobraNet 対応製品 (MY16-C 以外 )を使用する場合、 NetworkAmp Manager や CobraNet
Manager Lite for Y amahaなどのアプリケーションを使用して、事前に音声のルーティング設定などを行なう必
要があります。しかし、これら 2 つのアプリケーションソフトウェアはどちらも Windows XP/2000のみをサポート
しており、Windows Vista 以降の OS 上での動作が保証されていません。
そこで、このガイドでは Windows の最新 OS をサポートする CobraNet Discoveryを使用して、ヤマハ製
CobraNet 対応製品を設定する方法をご紹介します。
ご注意
• このクイック ガイドの著作権はすべてヤマハ株式会社が所有します。
• このクイックガイドの一部または全部を無断で複製、改変することはできません。
• このクイックガイドを運用した結果およびその影響については、一切責任を負いかねますのでご了承ください。
• このクイックガイドに掲載されているイラストや画面は、すべて操作説明のためのものです。したがって、最終仕様と異なる場
合がありますのでご了承ください。
• 「 CobraNet」および「 CobraNet Discovery」は、 Cirrus Logic社の登録商標です。
• Ethernet/イーサーネットはゼロックス社の商標です。
• Windowsは、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
• 記載の社名および製品名は、各社の商標および登録商標です。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
1
Page 2
CobraNet Discoveryとは
CobraNet テクノロジーの開発元である Cirrus Logic 社が提供する、 CobraNet 対応機器の設定アプリケーショ
ンソフトウェアです。CobraNet Manager Lite for Yamahaや NetworkAmp Manager によって設定できる下記
項目を、同様に設定できます。
・ CobraNet 対応機器 間の音声ルーティング設定(バンドル設定)
・ 音声伝送レイテンシー、ビット 長の設定
・ シリアルデータ通信のブリッジ設定
・ コンダクタープライオリティーの設定
CobraNet Discoveryは下記ウェブサイトからダウンロードできます。
http://cobranet.info/
CobraNet Discoveryの使用条件等については、ダウンロード時に表示される使用許諾契約書を参照してくだ
さい。
CobraNet Discoveryによる設定手順
このクイックガイドでは、下記の構成を例として設定手順を解説します。
・ コンピューター (Windows 7)
・ CobraNet Discovery 4.0. 5
・ MY16 -CII (CobraNet Firmware V2. 11. 11)
・ LS9 -16 (Firmware V1.30)
・ DME4io -C (Firmware V3.84)
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
2
Page 3
1. CobraNet 対応機器とコンピューターを接続する
イーサーネットストレートケーブルを使用し、ネットワークスイッチなどを経由してコンピューターとCobraNet 対
応機器を接続します。
NOTE コンピューターと CobraNet 対応機器を直接接続する場合は、クロスケーブルを使用してください。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
3
Page 4
2. IP アドレスの設定
CobraNet Discoveryを使って CobraNet 対応機器の設定作業を行なう前に、まずコンピューターおよび
CobraNet 対応機器に対して適切に IP アドレスを割り当てる必要があります。
2-1. コンピューターの IPアドレス設定
1 [スタート] → [ コントロールパネル] → [ネットワークと共有センター ] または[ ネットワークの状態とタスクの表
示] をクリックまたはダブルクリックします。
「ネットワークと共有センター」が表示されます。
2 「ネットワークと共有センター」の左側の「タスク」一覧の中から[ ネットワーク接続の管理] または[ アダプター
の設定変更] をクリックし、[ ローカルエリア接続] をダブルクリックします。
「ローカルエリア接続の状態」ダイアログボックスが表示されます。
NOTE 「ユーザーアカウント制御」ダイアログボックスが表示されることがあります。[ 続行] ボタンまたは[ はい] ボタンをクリック
してください。
NOTE 「ローカルエリア接続のプロパティ」ダイアログボックスが表示された場合、手順4 に進みます。
3 [プロパティ] をクリックします。
「ローカルエリア接続のプロパティ」ダイアログボックスが表示されます。
NOTE 「ユーザーアカウント制御」ダイアログボックスが表示されることがあります。[ 続行] ボタンまたは[ はい] ボタンをクリック
してください。
4 [インターネットプロトコル バージョン4 (TCP/IPv4)] を選択して、[ プロパティ] をクリックします。
「インターネットプロトコル バージョン4 (TCP/IPv4)のプロパティ」ダイアログが表示されます。
5 [次のIP アドレスを使う (S)] をクリックします。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
4
Page 5
6 [IPアドレス ] に「 192.168.0.100」、[ サブネットマスク ] に「 255.255.255.0」を入力します。
7 [OK]をクリックします。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
5
Page 6
2-2. CobraNet対応機器の IPアドレス設定
CobraNet Discovery を使用して、ネットワーク内に存在する CobraNet 対応機器の IP アドレスを割り当てま
す。
1 Discovery ウィンドウ(CobraNet Discovery を起動して最初に表示されるウィンドウを Discovery ウィン
ドウと呼びます)の[Tools] メニューから[Options...] をクリックします。
「Options 」ダイアログボックスが表示されます。
2 Network Adapterで使用するアダプターを選択します。
3 [Enable Aut o Assignm ent] をクリックします。
新規 CobraNet 対応機器を発見したときに、自動的に IP アドレスが割り当てられます。
正しく IP アドレスを割り当てると、Discovery ウィンドウにネットワーク内の CobraNet 対応機器が一覧表示されます。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
6
Page 7
4 [OK]をクリックします。
NOTE 個々の CobraNet 対応機器を選択した上で、右クリック→[New IP Address…] をクリックすることで、任意の IP アドレ
スを指定することもできます。詳細な手順は 「6-2. IP アドレスの手動設定」 を参照してください。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
7
Page 8
3. CobraNet 対応機器間の音声ルーティング設定
CobraNet Discovery を使った音声ルーティング設定を行なうための手順を説明します。以下は LS9- 16 に装着
された MY16-CII(Ch=1…8)から DME4io-C(Ch1…8)へ音声を伝送するケースを例としています。
3-1. サンプリング周波数とレイテンシーの設定
音声の送信機器と受信機器の間で、サンプリング周波数とレイテンシーを一致させておく必要があります。
■3-1-1. 送信側(MY16 -CII )に対する設定
1 Discovery ウィンドウにて MY16-CII をクリックし、 [Tools]メニューから [Configure...]をクリックします。
2 [Advanced] をクリックします。
[Advanced Configuration]ダイアログボックスが表示されます。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
8
Page 9
3 modeRate Controlフィールドのプルダウンメニューから、使用したいサンプリング周波数とレイテンシーの
ペアを選択します。
(上記は、48kHz, 2 2/3mS:サンプリング周波数 48kHz, レイテンシー2.67mSec を表しています。)
NOTE MY16-CII のサンプリング周波数は 48kHz としてください。その上で、ホスト機器のサンプリング周波数は、48kHz も
しくは 96kHz としてください。上記のように設定してしない場合、CobraNet Discovery 上に”Invalid Mode Rate V al ue”
エラーが表示されます。
4 [Apply]をクリックしたあと、 [OK] をクリックします。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
9
Page 10
■3.1.2. 受信側(DME4io-C )に対する設定
送信側と同様の手順で、modeRate Control フィールドの値が送信側と一致するように設定します。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
10
Page 11
4. 音声のルーティング設定を行なう
CobraNet ネットワークを介して音声を伝送するために、送信側のバンドル番号と受信側のバンドル番号を一
致させる必要があります。
4-1. 送信側のバンドル設定
1 Discovery ウィンドウにて MY16-CII をクリックし、[Tools] メニューから[Configure] をクリックします。
送信 4 バンドル、受信 8 バンドルが一覧表示されます。
2 Number 1 の Tx バンドルを選択して、ダブルクリックまたは、[ Configure] をクリックします。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
11
Page 12
3 Bundle フィールドに適切なバンドル番号を入力します。
NOTE ネットワークの中で他の Tx バンドルと重複しない番号を入力してください。
4 SubFormat フィールドのプルダウンメニューから、音声伝送時に使用されるビット長を選択します。
バンドル内のすべてのチャンネル、さらに機器の中のすべてのバンドルは[All Same]にチェックし、同じビット長に設定してくだ
さい。また、ビット長は送信側のみで設定し、受信側では設定する必要はありません。
レイテンシーが 5.33msec、ビット長が 24bit の場合、1 バンドルあたりで伝送できるチャンネル数が 7チャンネルに制限されま
す。その場合には、SubCount フィールドの値を”7”に設定してください。ビット長と1バンドルあたりの最大チャンネル数の相
関については、MY16-CII または DME8i-C/DME8o-C/DME4io-C の取扱説明書を参照してください。
5 [Apply]をクリックしたあと、[OK]をクリックします。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
12
Page 13
4-2. 受信側のバンドル設定
1 Discoveryウィンドウにて受信機器である DME4io-C をクリックし、[Tools] メニューから[Configure] をクリ
ックします。
2 Number 1 の Rx バンドルを選択し、 [Configure]をクリックします。
3 MY16-CII のバンドル番号と同じ番号を入力します。
上記の設定を行うことで、LS9-16 に装着されている MY16 -CII から DME4io -C に音声を伝送することができるようになります。
正常に音声を受信できている場合には、上記画面の一番右の□ マークが緑色に表示されます。
4 [Apply]をクリックしたあと、[OK]をクリックします。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
13
Page 14
5. シリアルブリッジの設定
任意の CobraNet対応機器の間でシリアルデータを送受信するための設定方法を説明します。例として、
LS9-16から CobraNetを介して DME4io-Cのヘッドアンプのゲインを調整するケースを取り上げます。ただし、
ここでは CobraNet Discovery による設定のみを説明します。ヘッドアンプをリモートコントロールするために必
要な LS9 -16 および DME4io-C 本体の設定方法については、各機器の取扱説明書を参照してください。
5-1. 送信側(MY16-CII )に対する設定
1 Discovery ウィンドウにて MY16-CII をクリックし、 [Tools]メニューから [Configure]をクリックします。
2 [Advanced]をクリックします。
[Advanced Configuration]ダイアログボックスが表示されます。
3 下表を参考にして、SerialTxMACフィールド(送信側)と SerialRxMAC フィールド(受信側)のシリアルチ
ャンネル番号が一致するよう入力します。
NOTE SerialRxMAC, SerialTxMAC フィールドには、シリアルチャンネル 1~ 15 に対応した MAC アドレス形式でデータを
入力する必要があります。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
14
Page 15
Serial Channel SerialRxMAC SerialTxMAC
OFF
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
01:60:2B:FF:88:AF 01:60:2B:FF:88:AE
01:60:2B:FF:88:81
01:60:2B:FF:88:82
01:60:2B:FF:88:83
01:60:2B:FF:88:84
01:60:2B:FF:88:85
01:60:2B:FF:88:86
01:60:2B:FF:88:87
01:60:2B:FF:88:88
01:60:2B:FF:88:89
01:60:2B:FF:88:8A
01:60:2B:FF:88:8B
01:60:2B:FF:88:8C
01:60:2B:FF:88:8D
01:60:2B:FF:88:8E
15
01:60:2B:FF:88:8F
4 [Apply]をクリックしたあと、[OK] をクリックします。
下図の例では、MY16 -CII から DME4io -C に向けてのシリアルデータ伝送にチャンネル 2 を使用し、DME4io -C から MY16 -CII
方向にチャンネル 1 を使用しています。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
15
Page 16
6. その他の設定
6.1. コンダクタープライオリティーの設定
コンダクタープライオリティーとは、どのノードをコンダクターにするかの設定です。コンダクターとパフォーマー
については「MY16-CII 取扱説明書」を参照してください。
通常、コンダクタープライオリティーを手動設定する必要はありません。設定が必要になる条件については、
「CobraNet Manager Lite f or Yamaha 取扱説明書」を参照してください。
1 Discovery ウィンドウの[Tools] メニューから [Preference] をクリックします。
2 [Enable SNMP]にチェックを入れます。
3 [OK]をクリックします。
4 Discovery ウィンドウにて対象 機器をクリックし、[Tools] メニューから[Configure] をクリックします。
5 [SNMP]ボタンをクリックします。
「Generic SNMP R/W」ダイアログが表示されます。
6 各フィールドを次の値に設定します。
Type: Integer
OID: 1.3.6.1.4.1.2680.1.3.3.3.1.2.2
Value: Autoにする場合は0を入力、それ以外を設定したい場合は、0x80000000~0x800000ff のい
ずれかを入力
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
16
Page 17
7 [Put]ボタンをクリックします。
設定した値を確認する場合は、[Get] ボタンをクリックしてください。
NOTE 0x80000000 に設定するとプライオリティが 0 となり、0x80000001 に設定するとプライオリティが 1 になります。
6-2. IP アドレスの手動設定
コンピューターと通信できるIP アドレスを設定するためには、先にコンピューターのIP アドレスを知る必要があり
ます。
1 コンピューターのIP アドレスを確認するために、[ スタート] → [ コントロールパネル] → [ ネットワークと共有セ
ンター] または[ネットワークの状態とタスクの表示] をクリックまたはダブルクリックします。
「ネットワークと共有センター」が表示されます。
2 「ネットワークと共有センター」の左側の「タスク」一覧の中から[ ネットワーク接続の管理] または[ アダプター
の設定変更] をクリックし、[ ローカルエリア接続] をダブルクリックします。
「ローカルエリア接続の状態」ダイアログボックスが表示されます。
NOTE 「ユーザーアカウント制御」ダイアログボックスが表示されることがあります。[ 続行] ボタンまたは[ はい] ボタンをクリック
してください。
3 「詳細(E)... 」をクリックします。
「ネットワーク接続の詳細」ダイアログボックスが表示されます。
「IPv4アドレス」と表示されているのがこのコンピューターの IP アドレスです。以下の例では、「192.168.0.100」がコンピュータ
ーの IP アドレスです。
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
17
Page 18
4 Discoveryウィンドウで、アップデートしたい機器を右クリックし、表示されるポップアップメニューから「 New
IP Address
IP アドレスを設定するためのダイアログが表示されます。
」を選択します。
5 IP アドレスを入力します。
最初の3つの数字は、コンピューターのIPアドレスと同じものを入力します。コンピューターのIPアドレスが「192.168.0.100」の
場合、最初の3つの数字は「192.168.0」と入力します。
4番目の数字は、1から254の間でコンピューターのIPアドレスとは違う数字を入力します。コンピューターのIPアドレスの最後
の数字が100の場合、102などを入力します。
6 [OK]をクリックします。
このとき、以下のような警告メッセージが表示されることがありますが、[OK] をクリックして閉じてください。
ヤマハ プロオーディオ ウェブサイト:
http://www.yamahaproaudio.com/japan/ja/
ヤマハマニュアルライブラリー:
http://www.yamaha.co.jp/manual/japan/
CobraNet Discovery クイックガイド(ヤマハ製 CobraNet 対応製品向け)
C.S.G., Pro Audio Division
© 2013 Yamaha Corporation
305-A0
18